JP2009207326A - モータ用コミュテータ - Google Patents
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Abstract
【課題】長期間の使用や過酷環境状態(高温・高湿)において、コミュテータ・ワッシャの保持力が低下した状態にあっても、コミュテータ・セグメントの移動を抑えて、対衝撃性を強化すると共に、外部環境による影響を受け難くして、ゴムリング抵抗の有無に関係無く、コミュテータ全体の機械的強度アップを図る。
【解決手段】各コミュテータ・セグメントのコミュテータ端子の周方向両側から突出するセグメント止めを備えて、隣接する各2個のセグメント止め間にセグメント止め凹部を形成する。セグメント止め凹部に嵌合するコア凸部を、コミュテータ・コアに設ける。このコア凸部をセグメント止め凹部に嵌合することによりコミュテータ・コアに対するコミュテータ・セグメントのスラスト方向及び周方向の移動を規制する。
【選択図】図5
【解決手段】各コミュテータ・セグメントのコミュテータ端子の周方向両側から突出するセグメント止めを備えて、隣接する各2個のセグメント止め間にセグメント止め凹部を形成する。セグメント止め凹部に嵌合するコア凸部を、コミュテータ・コアに設ける。このコア凸部をセグメント止め凹部に嵌合することによりコミュテータ・コアに対するコミュテータ・セグメントのスラスト方向及び周方向の移動を規制する。
【選択図】図5
Description
本発明は、コミュテータ・コアの外周に配置したコミュテータ・セグメントの上にコミュテータ・ワッシャを圧入して固定するモータ用コミュテータに関する。
小型モータのコミュテータは、コミュテータ・コアの上に配置したコミュテータ・セグメントをコミュテータ・ワッシャにより係止することにより構成される。図6は、従来技術によるコミュテータを示す図である(特許文献1参照)。図示のように、モータシャフトに固定される樹脂製コミュテータ・コアにはゴムリング抵抗と、金属製コミュテータ・セグメントが樹脂製コミュテータ・ワッシャにより固定されている。ゴムリング抵抗は、コミュテータ・セグメントに一体に形成されたコミュテータ端子に巻回される巻線の接続線を溶着する際の熱により、コミュテータ端子と密着するようになっている。ゴムリング抵抗は、コミュテータ・セグメントとブラシの間に発生する火花を抑制する火花消去手段として用いられている。
コミュテータは、長期間の使用や過酷環境状態(高温・高湿)においてコミュテータ・ワッシャの内径に永久歪みが発生し、コミュテータ構成部品の保持力が低下することがある。これによって、コミュテータ・セグメントの移動によるコミュテータ端子接続線の断線やコミュテータ・ワッシャのブラシとの接触が懸念される。このように、コミュテータ・ワッシャを圧入して固定するのみの方式では、圧入保持力が低下した際にコミュテータ構成部品の保持が困難となる。
さらに、ゴムリング抵抗を用いる場合、このゴムリング抵抗はコミュテータ端子に対しては熱を加える事で固定されているが、コミュテータ・コアとゴムリング抵抗の機械的な固定はなされていない。コミュテータ・コアとゴムリング抵抗、コミュテータ・コアとコミュテータ・セグメント間は何れも機械的な固定はなされていない。このため、機械的な衝撃がスラスト方向に加わった場合、コミュテータ・ワッシャやコミュテータ・セグメントがスラスト方向(モータシャフト軸方向)に移動してしまう懸念がある。
実開昭62−84365号公報
本発明は、係る問題点を解決して、長期間の使用や過酷環境状態(高温・高湿)において、コミュテータ・ワッシャの保持力が低下した状態にあっても、コミュテータ・セグメントの移動を抑えて、対衝撃性を強化すると共に、外部環境による影響を受け難くして、ゴムリング抵抗の有無に関係無く、コミュテータ全体の機械的強度アップを図ることを目的としている。
本発明のモータ用コミュテータは、コミュテータ・コアと、一端にコミュテータ端子を有する複数個のコミュテータ・セグメントと、コミュテータ・コアの外周に配置したコミュテータ・セグメントの外周に圧入して固定するコミュテータ・ワッシャとを有する。各コミュテータ・セグメントのコミュテータ端子の周方向両側から突出するセグメント止めを備えて、隣接する各2個のセグメント止め間にセグメント止め凹部を形成する。セグメント止め凹部に嵌合するコア凸部を、コミュテータ・コアに設ける。このコア凸部をセグメント止め凹部に嵌合することによりコミュテータ・コアに対するコミュテータ・セグメントのスラスト方向及び周方向の移動を規制する。
セグメント止めは、コミュテータ・セグメントのスラスト方向一端かつ周方向中央の根本部に一体に形成されるコミュテータ端子の周方向両側において、コミュテータ・セグメントの根本部よりもさらにスラスト方向に突出させて形成する。このセグメント止めは、コア凸部に面する側面を切り欠くことにより形成したL字状爪部により構成する。
各コミュテータ・セグメントの周方向両側にワッシャ止めを備えて、コミュテータ・セグメントの外周に圧入して固定するコミュテータ・ワッシャのスラスト方向の移動を規制する。このワッシャ止めは、コミュテータ・ワッシャ一端のスラスト方向位置に一致する位置においてコミュテータ・セグメントを切り欠くことによって形成した段差により構成する。
コミュテータ・コアは、その表面でコミュテータ・セグメントを支持する円筒形状のコア本体部とコア壁部とが一体に樹脂成形により構成され、該コア壁部は、その側面でコミュテータ・セグメント及びコミュテータ・ワッシャをスラスト方向に位置決めする。このコア壁部は、コミュテータ・ワッシャをスラスト方向に位置決めするワッシャ当接部、及びコミュテータ端子をスラスト方向に位置決めする端子当接部を備えて、コミュテータ端子を、端子当接部とコミュテータ・ワッシャに挟んで固定する。セグメント止めは、コア凸部と端子当接部の間の隙間に挿入される。ゴムリング抵抗は、コミュテータ・コア壁部とコミュテータ端子との間に挿入して、コミュテータ端子と密着させる。
本発明によれば、コミュテータ・セグメントがコミュテータ・コアに機械的に固定されるため、コミュテーター・ワッシャの内径歪みが発生して、コミュテータ・ワッシャの保持力が低下した状態にあってもコミュテータ・セグメントの移動が抑えられる。
また、本発明によれば、コミュテータ・セグメントとコミュテータ・コアの機械的な保持を行っているため、対衝撃性が強く、外部環境による影響を受けにくい。このため、ゴムリング抵抗の変形を抑えることも可能になる。さらに、ゴムリング抵抗の有無に関係無く、コミュテータ全体の強度アップを図ることができる。
以下、例示に基づき本発明を説明する。図1は、本発明の特徴とするコミュテータを組み込んだ小型モータを、上半分断面で示す部分断面図である。図示したように、金属材料により有底中空筒状にプレス加工されたモータケースの内周面に界磁極としてマグネットが取り付けられている。略一定板厚を有する金属製モータケースが、マグネットの磁路となるヨークを形成している。このモータケースと、その開口部に嵌着したケース蓋とによって、モータハウジングを構成している。回転子のモータシャフトは、ケース蓋の中央部と、モータケースの底部中央にそれぞれ設けられた軸受によって支持されている。モータシャフト上に構成される回転子は、積層コアと該磁極コア上に巻いた巻線とからなる回転子磁極構成を備えている。また、モータシャフト上には、詳細は後述するコミュテータが固定されている。このコミュテータに接触する一対のブラシ(図示省略)は、ブラシアームを介してケース蓋に支持されると共に、ブラシアームに接続された一対の外部端子(図示省略)を介して外部より電源が供給される。
図2は、本発明の特徴とするコミュテータを取り出して示す図であり、組立後コミュテータの上半分を断面で示す部分断面図(A)、側面図(B)、及びセグメント間スリット側から見た平面図(C)である。図示のコミュテータは、コミュテータ・セグメント、コミュテータ・コア、コミュテータ・ワッシャから構成され、必要に応じてゴムリング抵抗が組み込まれる。その組立に際しては、コミュテータ・コアの外周とコミュテータ・セグメントの内周を合わせた状態からコミュテータ・ワッシャを圧入することにより、コミュテータ・セグメントはコミュテータ・コア上で円周方向及びスラスト方向(モータシャフト軸方向)に固定される。図示の例では、3個の回転子磁極のための3個のコミュテータ・セグメントが、それらの間にスリットを設けてコミュテータ・コア上に等間隔に配置されている。金属(導電性部材)からなる各コミュテータ・セグメントのそれぞれには、その根本部からコミュテータ端子が一体に立ち上がり、そのコミュテータ端子の先端側を折り曲げて、そこに巻線端が接続される。コミュテータ・コアにコミュテータ・セグメントを固定するためのコミュテータ・ワッシャは、その内径部をコミュテータ・セグメントの根本部に係止させる。ゴムリング抵抗を組み込む場合は、ゴムリング抵抗を、コミュテータ・コア壁部とコミュテータ端子との間に挿入する。このゴムリング抵抗は、コミュテータ端子に巻回された巻線端を溶着する際の熱により、コミュテータ端子と密着する。
図3は、コミュテータ・コアを詳細に示す図であり、(A)は、セグメント止め挿入位置を示すために壁部の一部を破断して示す正面図であり、(B)はその側面図である。コミュテータ・コアは、その表面でコミュテータ・セグメントを支持する円筒形状のコア本体部と、コア壁部とが一体に樹脂成形により構成される。コア壁部は、その側面でゴムリング抵抗、コミュテータ・セグメント、及びコミュテータ・ワッシャを位置決めする。コア壁部のワッシャ当接部は、コミュテータ・ワッシャをスラスト方向に位置決めし、端子当接部は、コミュテータ端子をスラスト方向(及び円周方向)に位置決めする。これによって、コミュテータ端子は、端子当接部とコミュテータ・ワッシャに挟まれて固定される。ゴムリング抵抗を用いる場合、このゴムリング抵抗は、端子当接部とコミュテータ端子に挟まれて固定される。また、コミュテータ・コア端部に備えた複数の位置決め突起は、積層コアに設けた溝部に挿入することにより、モータシャフト上で積層コアに対してコミュテータをスラスト方向及び周方向に位置決めする。これによって、コア壁部と位置決め突起の間のコミュテータ・コア円筒部は、側面に張り出した巻線の内径側に入り込むことになる。
このような構成を有する図示のコミュテータ・コアには、コミュテータ・セグメントを位置決めし、かつ固定するためのコア凸部が一体に形成されている。コア凸部は、コミュテータ・セグメント数と同数備えられて、コミュテータ・セグメントのセグメント止め(図4参照)の隣接する2つの間に嵌合する。コミュテータ・コア上に一体に形成するコア凸部は、その径方向高さを円筒状本体部よりも高くして、詳細は後述するようにその両側面のそれぞれで各コミュテータ・セグメントのセグメント止めを係止する。各セグメント止めは、このコア凸部と端子当接部の間の隙間に挿入される。ワッシャ当接部は、円周方向には各端子当接部の間にあり、かつ、径方向には挿入されたセグメント止めの上方に位置している。また、コア凸部の周方向中央には、セグメント間スリット方向に向けて、スリットに挿入されることになるセグメント位置決め部を設けることができる。
図4は、コミュテータ・セグメントの詳細を示す図であり、(A)は、コミュテータ・コア上に配置される状態にして見た平面図であり、(B)はその側面図であり(但し、1個のコミュテータ端子のみを詳細に示し、残りの2つについては簡略表示している)、(C)は、1個のコミュテータ・セグメントを側面から見た図であり、(D)は、(C)に示したX部を拡大して示す図である。コミュテータ・セグメントのスラスト方向一端かつ周方向中央部(根本部)から、一体にコミュテータ端子が立ち上がり、かつ、その周方向両側からそれぞれ突出するセグメント止めが一体に形成されている。セグメント止めは、コミュテータ・セグメントの根本部よりもさらにスラスト方向に突出させ、かつ、その側面にL字状爪部を形成する。このL字状爪部は、セグメント止めのコア凸部に面する側を切り欠くことにより形成することができる。これによって、隣接する各2つのセグメント止め間に形成されることになるセグメント止め凹部(図4(A))内に、上述したコア凸部が嵌合される際には、このL字状爪部が、コア凸部を構成する樹脂に食い込ませるようにして固定される。
さらに、コミュテータ・コア上に配置したコミュテータ・セグメントの径方向外周部は、コミュテータ・ワッシャにより固定されることになるが、図示のコミュテータ・セグメントにはワッシャ止めが備えられている。このワッシャ止めは、上述のL字状爪部を形成するための切り欠きの端部に形成した段差により構成することができる。この段差(ワッシャ止め)のスラスト方向位置は、図4(A)に点線で示すようにワッシャ位置の一端に一致している(ワッシャ位置のスラスト方向他端は、コミュテータ端子根本部位置に一致する)。金属製のコミュテータ・セグメント上に、円形内径を有する樹脂製のコミュテータ・ワッシャを圧入したときに、圧入された樹脂が段差内に食い込むことにより、コミュテータ・ワッシャのコミュテータ・セグメント上の移動は規制されることになる。
図5は、図2のコミュテータを構成する部品の分解図であり、(B)は(A)に対して60°回転させた状態で示している。上述したように構成される各部品は、図5に示す位置関係にして組み立てられる。ゴムリング抵抗を用いる場合、それを最初に、コミュテータ・コア上に挿入する。次に、コミュテータ・コアの外周とコミュテータ・セグメントの内周を合わせた状態からコミュテータ・ワッシャを圧入することにより、コミュテータ・セグメントをコミュテータ・コア上で円周方向及びスラスト方向に固定する。この際、上述したように、セグメント止め凹部にコア凸部を嵌合させて、セグメント止めをコア凸部に食い込ませることにより、コミュテータ・コア上のコミュテータ・セグメントのスラスト方向及び周方向の移動は規制される。そして、コミュテータ・ワッシャを、コミュテータ・セグメントの根本部に圧入することにより、コミュテータ・コアにコミュテータ・セグメントは固定される。その際、コミュテータ・ワッシャの円形内径部をワッシャ止めにより係止することにより、コミュテータ・セグメント上のコミュテータ・ワッシャの移動は規制される。
Claims (9)
- コミュテータ・コアと、一端にコミュテータ端子を有する複数個のコミュテータ・セグメントと、前記コミュテータ・コアの外周に配置したコミュテータ・セグメントの外周に圧入して固定する保持手段とを有するモータ用コミュテータにおいて、
各コミュテータ・セグメントの前記コミュテータ端子の周方向両側に突出するセグメント止めを備えて、隣接する各2個のセグメント止め間にセグメント止め凹部を形成し、
前記セグメント止め凹部に嵌合するコア凸部を、前記コミュテータ・コアに設け、
前記コア凸部を前記セグメント止め凹部に嵌合することによりコミュテータ・コアに対するコミュテータ・セグメントのスラスト方向及び周方向の移動を規制することから成るモータ用コミュテータ。 - 少なくとも一つのコミュテータ・セグメントにおける前記セグメント止めは、コア凸部に面する側面を切り欠くことにより形成したL字状爪部により構成した請求項1に記載のモータ用コミュテータ。
- 前記L字状爪部が、前記コア凸部に食い込んでいる請求項2に記載のモータ用コミュテータ。
- コミュテータ・セグメントの外周に圧入して固定する前記保持手段は、コミュテータ・ワッシャであり、各コミュテータ・セグメントの周方向両側にワッシャ止めを備えて、前記コミュテータ・ワッシャのスラスト方向の移動を規制した請求項3に記載のモータ用コミュテータ。
- 前記ワッシャ止めは、コミュテータ・ワッシャ一端のスラスト方向位置に一致する位置において前記コミュテータ・セグメントを切り欠くことによって形成した段差により構成した請求項4に記載のモータ用コミュテータ。
- 前記コミュテータ・コアは、その表面でコミュテータ・セグメントを支持する円筒形状のコア本体部とコア壁部とが一体に樹脂成形により構成され、該コア壁部は、その側面でコミュテータ・セグメント及びコミュテータ・ワッシャをスラスト方向に位置決めする請求項4に記載のモータ用コミュテータ。
- 前記コア壁部は、コミュテータ・ワッシャをスラスト方向に位置決めするワッシャ当接部、及びコミュテータ端子をスラスト方向に位置決めする端子当接部を備えて、コミュテータ端子を、端子当接部とコミュテータ・ワッシャに挟んで固定する請求項4に記載のモータ用コミュテータ。
- 前記セグメント止めは、前記コア凸部と前記端子当接部の間の隙間に挿入される請求項7に記載のモータ用コミュテータ。
- コミュテータ・コア壁部とコミュテータ端子との間にゴムリング抵抗を挿入して、コミュテータ端子と密着させた請求項4に記載のモータ用コミュテータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008049614A JP2009207326A (ja) | 2008-02-29 | 2008-02-29 | モータ用コミュテータ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009207326A true JP2009207326A (ja) | 2009-09-10 |
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ID=41149025
Family Applications (1)
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JP2008049614A Pending JP2009207326A (ja) | 2008-02-29 | 2008-02-29 | モータ用コミュテータ |
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JP (1) | JP2009207326A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103001092A (zh) * | 2011-09-16 | 2013-03-27 | 深圳市凯中精密技术股份有限公司 | 具有多钩片式换向片的整流子 |
CN110086057A (zh) * | 2019-05-23 | 2019-08-02 | 博世汽车部件(长沙)有限公司 | 换向器及电机 |
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2008
- 2008-02-29 JP JP2008049614A patent/JP2009207326A/ja active Pending
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