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JP2009299039A - 熱成形シート用ポリプロピレン系樹脂組成物ならびに、それからなるシートおよび容器 - Google Patents

熱成形シート用ポリプロピレン系樹脂組成物ならびに、それからなるシートおよび容器 Download PDF

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JP2009299039A
JP2009299039A JP2009114227A JP2009114227A JP2009299039A JP 2009299039 A JP2009299039 A JP 2009299039A JP 2009114227 A JP2009114227 A JP 2009114227A JP 2009114227 A JP2009114227 A JP 2009114227A JP 2009299039 A JP2009299039 A JP 2009299039A
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sheet
resin composition
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Shigeki Kidai
茂樹 木代
Hajime Minemura
初 峯村
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】透明性と滑り性とのバランス、および剛性に優れる熱成形シート用ポリプロピレン系樹脂組成物ならびに、それからなるシートおよび容器を提供すること。
【解決手段】ポリプロピレン系樹脂(A)と、ポリプロピレン系樹脂(A)100質量部に対して、特定の式で示される少なくとも一種の化合物(B)0.1〜0.5質量部とを含む、熱成形シート用ポリプロピレン系樹脂組成物。ポリプロピレン系樹脂(A)100質量部に対して、さらに脂肪酸アミド0.005〜0.5質量部を含む、請求項1記載の熱成形シート用ポリプロピレン系樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱成形シート用ポリプロピレン系樹脂組成物ならびに、それからなるシートおよび容器に関するものである。さらに詳細には、透明性、剛性、滑り性に優れる熱成形シート用ポリプロピレン系樹脂組成物ならびに、それからなるシートおよび容器に関するものである。
ポリプロピレン系樹脂は、外観、機械的性質、包装適性等が優れているため、食品包装や繊維包装等の包装用途において広く使用されている。特に、食品包装用途には、内容物を確認ができるように透明性が要求されている。
そして、ポリプロピレン系樹脂の透明性を改良する方法として、ポリプロピレン系樹脂に結晶核剤を添加する方法が知られている。
特開2005−120237号公報には、透明性について十分な添加効果を奏する結晶核剤組成物を含有してなる結晶性高分子組成物として、ポリオレフィン系高分子に、特定の構造を有する環状リン酸エステルのリチウム塩、脂肪族有機酸金属塩及び有機酸アミド化合物から構成される特定の化合物を含有してなる結晶性高分子組成物が記載されている。
特開2005−120237号公報
しかし、上記公報に記載されている樹脂容器に用いても、樹脂容器の透明性と滑り性とのバランスについては、さらなる改良が望まれていた。
かかる状況の下、本発明は、透明性と滑り性とのバランス、および剛性に優れる熱成形シート用ポリプロピレン系樹脂組成物ならびに、それからなるシートおよび容器を提供することを目的とする。
本発明者らは、かかる実情に鑑み、鋭意検討の結果、下記の構成を採用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、ポリプロピレン系樹脂(A)と、ポリプロピレン系樹脂(A)100質量部に対して、下記一般式で示される少なくとも一種の化合物(B)0.1〜0.5質量部とを含む、熱成形シート用ポリプロピレン系樹脂組成物に関する。
Figure 2009299039
〔式中、nは、0、1又は2であり、Aは非水素基であり、R1〜R10は、互いに独立して、水素、フルオロ炭素、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボキシ基、ハロゲン基、及びフェニル基からなる群から選択され、任意の二つの隣接基は、組み合わさって環式基を形成しても良い〕
本発明によれば、透明性と滑り性とのバランス、および剛性に優れる熱成形シート用ポリプロピレン系樹脂組成物ならびに、それからなるシートおよび容器を提供することが可能となる。
本発明で用いられるプロピレン系樹脂(A)は、プロピレン単独重合体、またはプロピレン系共重合体であり、これらを単独で用いてもよく、少なくとも2種を併用しても良い。
ポリプロピレン系樹脂(A)がプロピレン系共重合体である場合、透明性に優れるという観点から、好ましくは、プロピレン系ランダム共重合体が挙げられる。
プロピレン系ランダム共重合体としては、例えば、プロピレンとエチレンとを共重合して得られるプロピレン−エチレン共重合体、プロピレンと炭素原子数4〜20個を有する少なくとも1種のα−オレフィンとを共重合して得られるプロピレン−α−オレフィン共重合体、プロピレンとエチレンと炭素原子数4〜20個を有する少なくとも1種のα−オレフィンとを共重合して得られるプロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂(A)が、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体、またはプロピレン−α−オレフィン共重合体である場合のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、2−メチルー1−プロペン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2, 3―ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3, 3―ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、メチルエチル−1
−ブテン、1−オクテン、メチル−1−ペンテン、エチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、プロピル−1−へプテン、メチルエチル−1−へプテン、トリメチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジエチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等が挙げられる。好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、さらに好ましくは、透明性および剛性を高めるという観点から1−ブテン、1−ヘキセンである。
ポリプロピレン系樹脂(A)が、プロピレン−α−オレフィン共重合体である場合、プロピレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体等が挙げられ、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体等が挙げられ、透明性や剛性に優れるという観点から、好ましくは、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロ
ピレン−エチレン−1−ブテン共重合体である。
ポリプロピレン系樹脂(A)のプロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体におけるエチレンおよび/または炭素原子数4〜20のα−オレフィンの含有量は、特に制限はないが、通常、0.5〜15質量%であり、剛性に優れるという観点から、好ましくは、0.5〜10質量%である。
また、本発明の熱成形シート用ポリプロピレン系樹脂組成物には、必要に応じて、ポリエチレン、ポリブテン−1共重合体、スチレン系樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体等のポリオレフィン系樹脂を添加しても良い。
ポリプロピレン系樹脂(A)の温度230℃、荷重21.18Nで測定したメルトフローレート(MFR)は1〜10g/10分であり、好ましくは2〜9g/10分であり、より好ましくは2〜8g/10分である。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂(A)のMFRが、前記下限を下回ると押出加工時の押出負荷が大きくなる場合がある。また、前記上限を上回ると、押出加工時の樹脂の流動性が悪化する場合があったり、シートや容器の成形性が悪化する場合がある。
ポリプロピレン系樹脂(A)の製造方法としては、公知の重合触媒を用いて、公知の重合方法によって製造する方法が挙げられる。
公知の重合触媒としては、例えば、(1)マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須とする固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、必要に応じて用いられる電子供与性化合物等の第3成分とからなる触媒系、(2)シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンからなる触媒系、(3)シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とそれと反応してイオン性の錯体を形成する化合物および有機アルミニウム化合物からなる触媒系等が挙げられる。
好ましくはマグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須とする固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、電子供与性化合物からなる触媒系であり、例えば、特開昭61−218606号公報、特開昭61−287904号公報、特開平1−319508号、特開平7−216017号公報等に記載されている触媒系である。
公知の重合方法としては、例えば、不活性炭化水素溶媒を用いるスラリー重合法や溶媒重合法、無溶媒である液相重合法や気相重合法等が挙げられ、好ましくは気相重合法である。
さらに、前記の重合法を組み合わせ、それらを連続的に行う方法、例えば、液相−気相重合法等が挙げられる。例えば、特開平7−216017号公報等に記載されている重合方法が挙げられる。
本発明で用いられる化合物(B)は、下記一般式で示される少なくとも一種の化合物である。
Figure 2009299039

〔式中、nは、0、1又は2であり、Aは非水素基であり、R1〜R10は、互いに独立して、水素、フルオロ炭素、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボキシ基、ハロゲン基、及びフェニル基からなる群から選択され、任意の二つの隣接基は、組み合わさって環式基を形成しても良い〕
非水素基Aは、−CH3、−CH2CH3、−CH2CH2CH3、−CH2CH2CH2CH3、−CH2CH=CH2、−CH(CH3)CH=CH2、−CH2CH−X−CH2−X’、CH2CH−X’’−CH2−CH3、−CH2CH−X’’’−CH2OH、及びCH−OH−CH−OH−CH2−OHからなる群から選択され、ここでX、X’、X’’、及びX’’’は、独立して選択されたハロゲン基を含んでなる。ここで、ハロゲン基としては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、好ましくは塩素原子、臭素原子である。
また、式中、R1〜R10は、互いに独立して、水素、フルオロ炭素、アルケニル、アルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、カルボキシ基、ハライド、及びフェニルからなる群から選択され、又は、本発明の幾つかの実施態様において、任意の二つの隣接基は、組み合わさって環式基を形成し得る。ここで上記環式基は、メチレンジオキシ、シクロペンチル、シクロヘキシル、又は他の類似環式基を含んでなり得る。
本発明で用いられる化合物(B)としては、例えば(限定されないが)、1,2,3―トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトール、ビス−1,3:2,4−(4’−エチルベンジリデン)1−アリルソルビトール、ビス−1,3:2,4−(5’,6’,7’,8’−テトラヒドロ−2−ナフトアルデヒドベンジリデン)1−アリルキシリトール、ビス−1,3:2,4−(3’,4’−ジメチルベンジリデン)1−プロピルキシリトール、ビス-1,3:2,4-(3'-メチル-4'-フルオロ-ベンジリデン)1-プロピルソルビトール、ビス-1,3:2,4-(3',4'-ジメチル
ベンジリデン)1'-メチル-2'-プロペニルソルビトール、ビス-1,3,2,4-ジベンジリデン2',3'-ジブロモプロピルソルビトール、ビス-1,3,2,4-ジベンジリデン2'-ブロモ-3'-ヒドロキシプロピルソルビトール、ビス-1,3:2,4-(3'-ブロモ-4'-エチルベンジリデン)-1-アリルソルビトール、モノ2,4-(3'-ブロモ-4'-エチルベンジリデン)-1-アリルソルビトール、ビス-1,3:2,4-(4'-エチルベンジリデン)1-アリルソルビトール、ビス-1,3:2,4-(3',4'-ジメチルベンジリデン)1-メチルソルビトール等が挙げられる。
本発明で用いられる化合物(B)の配合量は、ポリプロピレン系樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜0.5質量部であり、好ましくは0.15〜0.5質量部、より好ましくは0.20〜0.4質量部である。化合物(B)の配合量が、0.1質量部未満の場合、透明性、機械的強度、成形加工性の改良効果が不充分であり、0.5質量部を超えた場合、分散性が悪化して耐衝撃性等の機械的特性が低下することがあり、また、透明性改良効果が飽和してしまう可能性がある。
また、化合物(B)は粉体としての使用が好ましい。粉体特性は、好ましくは、見掛け嵩比重が0.1〜0.5g/ccの範囲であり、配合時の粉体のポリプロピレン系樹脂(A)に対する分散性の観点から、より好ましくは、0.2〜0.4g/ccである。尚、見掛け嵩比重とは、一定容積のメスシリンダー内に化合物(B)粉体を自然落下で一定容積だけ積層させた際の化合物(B)粉体の質量を測定して、算出により得られるものである。
化合物(B)の製造方法としては、公知の製造方法が挙げられる。化合物(B)の粉体を製造する方法としては、粉砕法、粒子製造工程時の析出条件を変更することによって製造する方法が挙げられ、製造時に粒子同士の凝集を防止するために、表面処理剤、界面活性剤等を接触させた状態で製造してもよい。
本発明で用いられる脂肪酸アミド(C)は、シートの粘着性やブリード白化のしやすさ、および容器の耐傷付き性の観点から、炭素原子数12〜22の脂肪酸アミドが好ましく、より好ましくは、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミドなどである。これらは、1種または2種類以上の混合物で用いてもよい。
脂肪酸アミド(C)の含有量は、ポリプロピレン系樹脂(A)100質量部に対して、通常、0.005〜0.5質量部であり、好ましくは0.012〜0.2質量部であり、より好ましくは0.02〜0.1質量部である。
本発明の熱成形シート用ポリプロピレン系樹脂組成物の製造法としては、ポリプロピレン系樹脂(A)と、化合物(B)とを、さらには必要に応じて添加される脂肪酸アミド(C)および/または前記の各種添加剤とを、溶融混練する方法が挙げられる。例えば、ポリプロピレン系樹脂(A)と、化合物(B)と、化合物(B)とを、さらには必要に応じて添加される脂肪酸アミド(C)および/または前記の各種添加剤とを、タンブラーミキサー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー等の混合機を用いて混合した後、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー等で溶融混練して、ペレット化する方法が挙げられ
る。
本発明のポリプロピレン系樹脂シートは、本発明の熱成形シート用ポリプロピレン系樹脂組成物からなるシートである。
本発明の熱成形シート用ポリプロピレン系樹脂組成物をシートに成形する方法としては、押出成形方法、射出成形方法、プレス成形方法、カレンダー成形方法などの通常のシート成形に用いられる成形方法等が挙げられ、好ましくは、押出成形方法、プレス成形方法である。生産性が良好であるという観点や、透明性が良好であるという観点から、さらに好ましくは押出Tダイ成形方法である。押出Tダイ成形方法としては、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ギヤ押出機などを用い、溶融したポリプロピレン樹脂組成物をTダイより、シート状に押出し、金属冷却ロールで冷却固化しながら引き取る押出Tダイ成形方法が挙げられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂シートの厚みとしては、十分な強度や透明性を得るという観点から、0.1〜3.0mmであり、好ましくは0.3〜2.5mmである。また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物からなるシートは、単独のシートでもよく、異なる樹脂とからなる多層シートでもよい。多層シートの製造方法としては、通常よく用いられる押出ラミネート法、熱ラミネート法、ドライラミネート法等が挙げられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂シートを、例えば、ロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法等によって、一軸または二軸に延伸してもよい。また、通常用いられるコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等によって、表面処理を施してもよい。
本発明のポリプロピレン系樹脂容器は、本発明のポリプロピレン系樹脂シートを熱成形してなる容器である。本発明のポリプロピレン系樹脂シートを二次成形体であるポリプロピレン系樹脂容器に熱成形する方法としては、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法等の公知の熱成形法が挙げられる。熱成形する時の加熱方式としては、熱板による直接加熱や遠赤外線ヒーターによる間接加熱などの方式が挙げられる。
熱成形法として好ましくは、良好な金型転写性を確保するために比較的高い圧空圧力で熱成形する方法であり、より好ましくは、金型合わせ面からの空気の漏れや金型寿命の低下が起こり難い範囲、例えば0.2〜0.5MPaの範囲で熱成形する方法である。
本発明のポリプロピレン系樹脂容器の形状としては、目的に応じて任意の形状を選択することができる。例えば、弁当箱型、丼型、ドリンクカップ型、ゼリーカップ型等の食品包装用途に応じた任意の形状や、精密部品を入れるトレイ等の工業用途に応じた形状等を選択することができる。
以下、実施例により本発明を説明する。実施例及び比較例で用いた重合体及び組成物の物性の測定方法を以下に示した。
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210の条件14の方法に従って温度230℃、荷重21.18Nで測定した。
(2)エチレン含有量(単位:質量%)
高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616〜619頁に記載されているIRスペクトルによる定量方法に従って測定を行い求めた。
(3)結晶化速度(結晶化時間、単位:秒)
株式会社パーキンエルマージャパン製示差走査熱量測定装置(Diamond DSC)を用いて、試片約10mgを窒素雰囲気下で220℃で溶融させた後、急速に150℃まで冷却した。150℃で1分間保持した後、5℃/分の降温速度で50℃まで降温した。その後に50℃で1分保持した後、5℃/分で昇温させて、得られた融解吸熱カーブの最大ピークの温度を融解温度(Tm)とした。
(4)容器の透明性(ヘイズ、単位:%)
圧空成形して得られたポリプロピレン系樹脂容器の胴部中央から切り取った試験片を用いて、JIS K7105に従って測定した。
(5)容器の剛性(ヤング率、単位:MPa)
圧空成形して得られたポリプロピレン系樹脂容器の胴部中央から切り取った試験片を用いて、JIS K7113に従って測定した。
(6)容器の摩擦係数(単位:なし)
圧空成形して得られたポリプロピレン系樹脂容器の胴部中央から切り取った試験片を用いて、摩擦係数測定器(テスター産業株式会社製)により500gのスレッド(63mm×63mm)でカップの内側同士が接するようにして送り速度150mm/分で測定した。
〔参考例1〕
(ポリプロピレン系樹脂(A)の製造方法)
特開平7−216017号公報の実施例1記載の方法によって得られる触媒系を用いて、触媒条件として、Al/Tiモル比を600、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン(Z)/Tiモル比を40とし、重合条件として、重合温度を84℃、重合圧力を2.1MPa、プロピレンおよびエチレンの全フィード量(単位:Ton)に対するエチレンのフィード量(単位:Kg)を29Kg/Tonとし、水素濃度が0.6vol%(容積%)、エチレン濃度が1.8vol%(容積%)になるように、プロピレン、エチレンおよび水素をフィードして、プロピレン、およびエチレンを気相重合で共重合することによっ
て、プロピレン−エチレン共重合体(A−1)を得た。
MFRが3.1g/10分であり、Tmが145℃であり、エチレン含有量が3.1質量%であった。
〔実施例1〕
(1−1)ポリプロピレン系樹脂組成物の製造
[造粒(溶融混練、濾過)]
前記参考例1で得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体(A−1)のパウダー100質量部に対して、1,2,3―トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトール(商品名:MilladNX8000、ミリケン・ジャパン(株)製)0.1質量部、中和剤としてステアリン酸カルシウム(商品名:カルシウムステアレートS、日本油脂(株)製)0.05質量部、トリス(2,4−t−ブチルフェニル)フォスファイト/テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)の3/1の混合物(商品名:
イルガノックスB220、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を0.24質量部加え、窒素雰囲気下においてヘンシェルミキサ−で3分間混合した後、スクリュー径40mmφの単軸押出造粒機を用いて、230℃で溶融混練してペレットを得た。得られたペレットのMFR測定を行い、3.2g/10分であった。
上記で得られたペレットを、プレス成形機を用いて、230℃で5分予熱後、230℃で5MPaで5分加圧し、30℃で5MPaで5分加圧冷却することにより、縦280mm×横240mm×厚み1mmのシートを作成した。
小型真空圧空成形機(脇坂エンジニアリング株式会社製FSV−500P型)を用いて、開口部の口径93mmφ、深さ116mm、底部の口径55.1mmのドリンクカップ形状の雌型の成形金型とシンタクチックプラグ(イリッヒ日本株式会社製)を使用し、得られたシートをクランプ(内径210mm×210mm)の型枠で挟み、加熱ゾーンで遠赤外線ヒーター(設定温度:上400℃、下ヒーター350℃)で軟化させた。その後、成形ゾーンへ移動させ、0.1秒後金型およびアシストプラグそれぞれ300mm/秒で稼動させ、その0.6秒後に圧空圧力0.3MPaで3.0秒間金型(温度18℃)に圧着させてから、さらに4.0秒間滞留させることにより、カップ型容器を得た。得られたカップ型容器の胴部中央から切り取った試験片の物性を測定することによって、当該容器の物性を測定した。その結果を表1に示した。
〔実施例2〕
1,2,3―トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトール(商品名:MilladNX8000、ミリケン・ジャパン(株)製)の質量部を0.2質量部へ変更した以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
〔実施例3〕
1,2,3―トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトール(商品名:MilladNX8000、ミリケン・ジャパン(株)製)の質量部を0.3質量部へ変更した以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
〔実施例4〕
エルカ酸アミド 0.04質量部を添加した以外は、実施例2と同様に行った。結果を表1に示した。
〔実施例5〕
エルカ酸アミド 0.04質量部を添加した以外は、実施例3と同様に行った。結果を表1に示した。
〔比較例1〕
1,2,3―トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトール(商品名:MilladNX8000、ミリケン・ジャパン(株)製)を添加しなかった以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
Figure 2009299039
〔実施例6〕
(1−1)ポリプロピレン系樹脂組成物の製造
[造粒(溶融混練、濾過)]
前記参考例1で得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体(A−1)のパウダー100質量部に対して、1,2,3―トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトール(商品名:MilladNX8000J、ミリケン・ジャパン(株)製)0.1質量部、中和剤としてステアリン酸カルシウム(商品名:カルシウムステアレートS、日本油脂(株)製)0.05質量部、トリス(2,4−t−ブチルフェニル)フォスファイト/テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)の3/1の混合物(商品名:イルガノックスB220、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を0.24質量部加え、窒素雰囲気下においてヘンシェルミキサ−で3分間混合した後、スクリュー径65mmφの単軸押出造粒機を用いて、250℃で溶融混練してペレットを得た。得られたペレットのMFR測定を行い、3.0g/10分であった。
上記で得られたペレットを、スクリュー径65mmφの単軸押出機を有するTダイシート加工機(ダイ幅450mm、タッチロール成形)を用いて、シリダー設定温度250℃、ダイ設定温度250℃、冷却ロール温度60℃、引取速度 1.8m/分の条件で、厚み0.87mmのシートを作成した。
小型真空圧空成形機(脇坂エンジニアリング株式会社製FSV−500P型)を用いて、開口部の口径93mmφ、深さ116mm、底部の口径55.1mmのドリンクカップ形状の雌型の成形金型とシンタクチックプラグ(イリッヒ日本株式会社製)を使用し、得られたシートをクランプ(内径210mm×210mm)の型枠で挟み、加熱ゾーンで遠赤外線ヒーター(設定温度:上400℃、下ヒーター350℃)で軟化させた。その後、成形ゾーンへ移動させ、0.1秒後金型およびアシストプラグそれぞれ300mm/秒で稼動させ、その0.6秒後に圧空圧力0.3MPaで3.0秒間金型(温度18℃)に圧着させてから、さらに4.0秒間滞留させることにより、カップ型容器を得た。得られたカップ型容器の胴部中央から切り取った試験片の物性を測定することによって、当該容器の物性を測定した。その結果を表2に示した。
〔実施例7〕
1,2,3―トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトール(商品名:MilladNX8000J、ミリケン・ジャパン(株)製)の質量部を0.2質量部へ変更した以外は、実施例7と同様に行った。結果を表2に示した。
〔実施例8〕
1,2,3―トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトール(商品名:MilladNX8000J、ミリケン・ジャパン(株)製)の質量部を0.3質量部へ変更した以外は、実施例6と同様に行った。結果を表2に示した。
〔実施例9〕
エルカ酸アミド 0.04質量部を添加した以外は、実施例7と同様に行った。結果を表2に示した。
〔実施例10〕
エルカ酸アミド 0.04質量部を添加した以外は、実施例8と同様に行った。結果を表2に示した。
〔比較例2〕
1,2,3―トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトール(商品名:MilladNX8000J、ミリケン・ジャパン(株)製)を添加しなかった以外は、実施例6と同様に行った。結果を表2に示した。
Figure 2009299039

Claims (4)

  1. ポリプロピレン系樹脂(A)と、ポリプロピレン系樹脂(A)100質量部に対して、下記一般式で示される少なくとも一種の化合物(B)0.1〜0.5質量部とを含む、熱成形シート用ポリプロピレン系樹脂組成物。
    Figure 2009299039
    〔式中、nは、0、1又は2であり、Aは非水素基であり、R1〜R10は、互いに独立して、水素、フルオロ炭素、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボキシ基、ハロゲン基、及びフェニル基からなる群から選択され、任意の二つの隣接基は、組み合わさって環式基を形成しても良い〕
  2. ポリプロピレン系樹脂(A)100質量部に対して、さらに脂肪酸アミド0.005〜0.5質量部を含む、請求項1記載の熱成形シート用ポリプロピレン系樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の熱成形用ポリプロピレン系樹脂組成物からなるポリプロピレン系樹脂シート。
  4. 請求項3に記載のポリプロピレン系樹脂シートを熱成形してなるポリプロピレン系樹脂容器。
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