JP2009292362A - 内燃機関の失火判定装置およびハイブリッド車並びに内燃機関の失火判定方法 - Google Patents
内燃機関の失火判定装置およびハイブリッド車並びに内燃機関の失火判定方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009292362A JP2009292362A JP2008149088A JP2008149088A JP2009292362A JP 2009292362 A JP2009292362 A JP 2009292362A JP 2008149088 A JP2008149088 A JP 2008149088A JP 2008149088 A JP2008149088 A JP 2008149088A JP 2009292362 A JP2009292362 A JP 2009292362A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- internal combustion
- combustion engine
- output
- calculated
- electric motor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/60—Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
- Y02T10/62—Hybrid vehicles
Landscapes
- Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
- Hybrid Electric Vehicles (AREA)
Abstract
【課題】内燃機関の失火判定を精度良く行なう。
【解決手段】内燃機関の出力軸が遊星歯車機構を介して発電機と電動機とに接続された車両において、停車時に電動機から遊星歯車機構の歯打ちを防止するための押し当てトルクTpが出力されていないときには対象の気筒に対する30度回転所要時間T30の90度差分TD90と直前に燃焼する気筒の90度差分TD90との和を判定用値J1として計算し(S130)計算した判定用値J1が閾値J1refより大きいときに対象の気筒が失火していると判定し(S140,S150)、電動機から押し当てトルクTpが出力されているときには対象の気筒に対する30度回転所要時間T30の90度差分TD90の360度差分TD360として計算される値を判定用値J2として計算し(S160)計算した判定用値J2が閾値J2refより大きいときに対象の気筒が失火していると判定する(S160,S170)。
【選択図】図3
【解決手段】内燃機関の出力軸が遊星歯車機構を介して発電機と電動機とに接続された車両において、停車時に電動機から遊星歯車機構の歯打ちを防止するための押し当てトルクTpが出力されていないときには対象の気筒に対する30度回転所要時間T30の90度差分TD90と直前に燃焼する気筒の90度差分TD90との和を判定用値J1として計算し(S130)計算した判定用値J1が閾値J1refより大きいときに対象の気筒が失火していると判定し(S140,S150)、電動機から押し当てトルクTpが出力されているときには対象の気筒に対する30度回転所要時間T30の90度差分TD90の360度差分TD360として計算される値を判定用値J2として計算し(S160)計算した判定用値J2が閾値J2refより大きいときに対象の気筒が失火していると判定する(S160,S170)。
【選択図】図3
Description
本発明は、複数気筒の内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、ギヤにより構成され前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に前記発電機の回転軸と車軸側の回転軸とに接続され該接続された3つの軸のうちいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、停車時に前記内燃機関が運転されている状態で所定の条件が成立したときには前記3軸式動力入出力手段のギヤのガタ詰めを行なうための所定の押し当てトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御するガタ詰め制御手段と、を備えるハイブリッド車おける前記内燃機関の失火を判定する失火判定装置およびこれを備えるハイブリッド車並びに内燃機関の失火判定方法に関する。
従来、この種の内燃機関の失火判定装置としては、エンジンと、エンジンの出力軸にダンパなどのねじれ要素を介してキャリアが接続されると共に駆動軸にリングギヤが接続された遊星歯車機構と、遊星歯車機構のサンギヤに接続されたモータMG1と、駆動軸に接続されたモータMG2とを備える車両に搭載され、エンジンのクランク角位置での回転変動に基づいてエンジンの失火を判定するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−315207号公報
上述したタイプの車両では、停車時に駐車(パーキング)ポジションにシフト操作されたときには遊星歯車機構のギヤに歯打ち音などの異音が生じるのを防止するために電動機からガタ詰め用の所定の押し当てトルクが出力される。このとき、遊星歯車機構のリングギヤが固定された状態となることから、この状態のエンジンの回転変動は中立(ニュートラル)ポジションにシフト操作されているときなどリングギヤが固定されていない状態に対して異なるものとなり、エンジンの回転変動に基づいて失火を判定する際にその精度に影響を及ぼす。
本発明の内燃機関の失火判定装置およびハイブリッド車並びに内燃機関の失火判定方法は、内燃機関の出力軸と発電機の回転軸と車軸側の回転軸とが3軸式動力入出力手段を介して接続されると共に電動機から車軸側の回転軸に動力を入出力可能なハイブリッド車において内燃機関の失火をより精度良く判定することを主目的とする。
本発明の内燃機関の失火判定装置およびハイブリッド車並びに内燃機関の失火判定方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の内燃機関の失火判定装置は、
複数気筒の内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、ギヤにより構成され前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に前記発電機の回転軸と車軸側の回転軸とに接続され該接続された3つの軸のうちいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、停車時に前記内燃機関が運転されている状態で所定の条件が成立したときには前記3軸式動力入出力手段のギヤのガタ詰めを行なうための所定の押し当てトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御するガタ詰め制御手段と、を備えるハイブリッド車における前記内燃機関の失火を判定する失火判定装置であって、
前記内燃機関の出力軸の回転位置を検出する回転位置検出手段と、
前記検出された回転位置に基づいて所定回転角毎の前記出力軸の回転変動を演算する回転変動演算手段と、
前記演算された回転変動の第1の所定角度の差分である第1角度差分を演算する第1角度差分演算手段と、
停車時に前記所定の押し当てトルクが前記電動機から出力されていないときには前記演算された第1角度差分と該演算された第1角度差分に対応する気筒の直前に燃焼する気筒に対して前記演算された第1角度差分との和である第1角度差分和を演算すると共に該演算した第1角度差分和と第1の閾値との比較により前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定し、停車時に前記所定の押し当てトルクが前記電動機から出力されているときには前記演算された第1角度差分の第2の所定角度の差分である第2角度差分を演算すると共に該演算した第2角度差分と第2の閾値との比較により前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定する失火判定手段と、
を備えることを要旨とする。
複数気筒の内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、ギヤにより構成され前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に前記発電機の回転軸と車軸側の回転軸とに接続され該接続された3つの軸のうちいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、停車時に前記内燃機関が運転されている状態で所定の条件が成立したときには前記3軸式動力入出力手段のギヤのガタ詰めを行なうための所定の押し当てトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御するガタ詰め制御手段と、を備えるハイブリッド車における前記内燃機関の失火を判定する失火判定装置であって、
前記内燃機関の出力軸の回転位置を検出する回転位置検出手段と、
前記検出された回転位置に基づいて所定回転角毎の前記出力軸の回転変動を演算する回転変動演算手段と、
前記演算された回転変動の第1の所定角度の差分である第1角度差分を演算する第1角度差分演算手段と、
停車時に前記所定の押し当てトルクが前記電動機から出力されていないときには前記演算された第1角度差分と該演算された第1角度差分に対応する気筒の直前に燃焼する気筒に対して前記演算された第1角度差分との和である第1角度差分和を演算すると共に該演算した第1角度差分和と第1の閾値との比較により前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定し、停車時に前記所定の押し当てトルクが前記電動機から出力されているときには前記演算された第1角度差分の第2の所定角度の差分である第2角度差分を演算すると共に該演算した第2角度差分と第2の閾値との比較により前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定する失火判定手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の内燃機関の失火判定装置では、内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて所定回転角毎の出力軸の回転変動を演算し、演算された回転変動の第1の所定角度の差分である第1角度差分を演算し、停車時に所定の押し当てトルクが電動機から出力されていないときには演算された第1角度差分と演算された第1角度差分に対応する気筒の直前に燃焼する気筒に対して演算された第1角度差分との和である第1角度差分和を演算すると共に演算した第1角度差分和と第1の閾値との比較により内燃機関のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定し、停車時に所定の押し当てトルクが電動機から出力されているときには演算された第1角度差分の第2の所定角度の差分である第2角度差分を演算すると共に演算した第2角度差分と第2の閾値との比較により内燃機関のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定する。この結果、電動機から所定の押し当てトルクが出力されているか否かに拘わらず内燃機関の失火を精度良く判定することができる。
こうした本発明の内燃機関の失火判定装置において、前記第1の所定角度は、90度であるものとすることもできる。こうすれば、内燃機関の失火の判定をより適正に行なうことができる。
また、本発明の内燃機関の失火判定装置において、前記第2の所定角度は、360度であるものとすることもできる。こうすれば、内燃機関の失火の判定をより適正に行なうことができる。
さらに、本発明の内燃機関の失火判定装置において、前記失火判定手段は、前記内燃機関がアイドリング運転されている最中に前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定する手段であるものとすることもできる。
本発明のハイブリッド車は、
複数気筒の内燃機関と、
動力を入出力可能な発電機と、
ギヤにより構成され前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に前記発電機の回転軸と車軸側の回転軸とに接続され該接続された3つの軸のうちいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
前記発電機および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、
停車時に前記内燃機関が運転されている状態で所定の条件が成立しているときには前記3軸式動力入出力手段のギヤのガタ詰めを行なうための所定の押し当てトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御するガタ詰め制御手段と、
上述した各態様のいずれかの本発明の内燃機関の失火判定装置と、
を備えることを要旨とする。
複数気筒の内燃機関と、
動力を入出力可能な発電機と、
ギヤにより構成され前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に前記発電機の回転軸と車軸側の回転軸とに接続され該接続された3つの軸のうちいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
前記発電機および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、
停車時に前記内燃機関が運転されている状態で所定の条件が成立しているときには前記3軸式動力入出力手段のギヤのガタ詰めを行なうための所定の押し当てトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御するガタ詰め制御手段と、
上述した各態様のいずれかの本発明の内燃機関の失火判定装置と、
を備えることを要旨とする。
この本発明のハイブリッド車では、上述した各態様のいずれかの本発明の失火判定装置を備えるから、本発明の失火判定装置が奏する効果、例えば、電動機からの押し当てトルクの有無に拘わらず内燃機関の失火を精度良く判定することができる効果などと同様の効果を奏することができる。
本発明の内燃機関の失火判定方法は、
複数気筒の内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、ギヤにより構成され前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に前記発電機の回転軸と車軸側の回転軸とに接続され該接続された3つの軸のうちいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、停車時に前記内燃機関が運転されている状態で所定の条件が成立したときには前記3軸式動力入出力手段のギヤのガタ詰めを行なうための所定の押し当てトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御するガタ詰め制御手段と、を備えるハイブリッド車における前記内燃機関の失火を判定する失火判定方法であって、
(a)前記内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて所定回転角毎の前記出力軸の回転変動を演算し、
(b)前記演算された回転変動の第1の所定角度の差分である第1角度差分を演算し、
(c)停車時に前記所定の押し当てトルクが前記電動機から出力されていないときには前記演算された第1角度差分と該演算された第1角度差分に対応する気筒の直前に燃焼する気筒に対して前記演算された第1角度差分との和である第1角度差分和を演算すると共に該演算した第1角度差分和と第1の閾値との比較により前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定し、停車時に前記所定の押し当てトルクが前記電動機から出力されているときには前記演算された第1角度差分の第2の所定角度の差分である第2角度差分を演算すると共に該演算した第2角度差分と第2の閾値との比較により前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定する
ことを要旨とする。
複数気筒の内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、ギヤにより構成され前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に前記発電機の回転軸と車軸側の回転軸とに接続され該接続された3つの軸のうちいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、停車時に前記内燃機関が運転されている状態で所定の条件が成立したときには前記3軸式動力入出力手段のギヤのガタ詰めを行なうための所定の押し当てトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御するガタ詰め制御手段と、を備えるハイブリッド車における前記内燃機関の失火を判定する失火判定方法であって、
(a)前記内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて所定回転角毎の前記出力軸の回転変動を演算し、
(b)前記演算された回転変動の第1の所定角度の差分である第1角度差分を演算し、
(c)停車時に前記所定の押し当てトルクが前記電動機から出力されていないときには前記演算された第1角度差分と該演算された第1角度差分に対応する気筒の直前に燃焼する気筒に対して前記演算された第1角度差分との和である第1角度差分和を演算すると共に該演算した第1角度差分和と第1の閾値との比較により前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定し、停車時に前記所定の押し当てトルクが前記電動機から出力されているときには前記演算された第1角度差分の第2の所定角度の差分である第2角度差分を演算すると共に該演算した第2角度差分と第2の閾値との比較により前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定する
ことを要旨とする。
この本発明の内燃機関の失火判定方法によれば、内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて所定回転角毎の出力軸の回転変動を演算し、演算された回転変動の第1の所定角度の差分である第1角度差分を演算し、停車時に所定の押し当てトルクが電動機から出力されていないときには演算された第1角度差分と演算された第1角度差分に対応する気筒の直前に燃焼する気筒に対して演算された第1角度差分との和である第1角度差分和を演算すると共に演算した第1角度差分和と第1の閾値との比較により内燃機関のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定し、停車時に所定の押し当てトルクが電動機から出力されているときには演算された第1角度差分の第2の所定角度の差分である第2角度差分を演算すると共に演算した第2角度差分と第2の閾値との比較により内燃機関のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定する。この結果、電動機から所定の押し当てトルクが出力されているか否かに拘わらず内燃機関の失火を精度良く判定することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にねじれ要素としてのダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な8気筒の内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入すると共に気筒毎に設けられた燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃料室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化装置(三元触媒)134を介して外気へ排出される。
エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により制御されている。エンジンECU24は、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に処理プログラムを記憶するROM24bと、データを一時的に記憶するRAM24cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジションやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットルポジション,吸気管に取り付けられたエアフローメータ148からのエアフローメータ信号AF,同じく吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温,空燃比センサ135aからの空燃比AF,酸素センサ135bからの酸素信号などが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。上述したクランクポジションセンサ140は、クランクシャフト26と回転同期して回転するように取り付けられて10度毎に歯が形成されると共に基準位置検出用に2つ分の欠歯を形成したタイミングローターを有する電磁ピックアップセンサとして構成されており、クランクシャフト26が10度回転する毎に整形波を生じさせる。エンジンECU24では、このクランクポジションセンサ140からの整形波に基づいてクランクシャフト26が30度回転する毎の回転数をエンジン22の回転数Neとして計算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算したり、演算した残容量(SOC)と電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
実施例のハイブリッド自動車20では、シフトレバー81のシフトポジションSPとして、駐車時に用いる駐車ポジション(Pポジション)、後進走行用のリバースポジション(Rポジション)、中立のニュートラルポジション(Nポジション)、前進走行用の通常のドライブポジション(Dポジション)、アクセルオフ時にDポジションより大きな制動力を作用させるブレーキポジション(Bポジション)などが用意されている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
また、実施例のハイブリッド自動車20では、停車時にシフトレバー81がNポジション以外のポジション即ちPポジションやDポジション,Rポジションに操作されているときには、エンジンのトルク脈動に伴って動力分配統合機構30(遊星歯車機構)に歯打ち音が生じるのを防止するためのトルク(押し当てトルクTp)がモータMG2から出力されるようモータMG2が駆動制御されている。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20に搭載されたエンジン22のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定する際の動作について説明する。図3は、エンジンECU24により実行される停車時失火判定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、車速センサ88により検出される車速Vが所定車速(例えば、時速1kmや時速2kmなど)以下などの停車時で且つエンジン22がアイドリング運転しているときに所定時間毎に繰り返し実行される。
停車時失火判定処理が実行されるとエンジンECU24のCPU24aは、まず、クランクポジションセンサ140により検出されるクランク角CAやエンジン22の回転数Ne,図4に例示するT30演算処理により演算されるクランクシャフト26が30度回転するのに要する時間である30度回転所要時間T30(CA)を入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neは、クランクポジションセンサ140により検出されるクランク角CAに基づいて計算されたものを用いることができる。また、30度回転所要時間T30(CA)は、図4のT30演算処理に示すように、基準となるクランク角から30度毎のクランク角CAとそのクランク角CAを検出した検出時刻tを入力し(ステップS200)、入力した検出時刻tと30度前のクランク角CAの検出時刻(前回時刻)との差分を計算する(ステップS210)、ことにより求めることができる。ここで、30度回転所要時間T30(CA)は、その逆数をとるとクランクシャフト26が30度回転する毎のエンジン22の回転数(以下、30度回転数N30(CA))となるから、30度回転数N30(CA)の変化の程度、即ち回転変動を時間の単位を用いて表わしたものとなる。
こうして30度回転所要時間T30を入力すると、各気筒の燃焼工程における所定角(例えば、圧縮上死点から30度や60度など)に対応する30度回転所要時間T30の90度差分として90度差分TD90を計算し(ステップS110)、N(ニュートラル)ポジション以外のポジションにシフトレバー81が操作されているときにエンジン22のトルク脈動に伴う動力分配統合機構30の歯打ち音を防止するための押し当てトルクTpがモータMG2から出力されているか否かを判定する(ステップS120)。押し当てトルクTpが出力されていないと判定されたときには、計算した90度差分TD90とこの90度差分TD90に対応する気筒の直前に燃焼する気筒に対して90度差分TD90(実施例では、エンジン22を8気筒としたから、90度前の90度差分TD90)として計算される値との和[TD90+TD90(直前)]を判定用値J1として計算し(ステップS130)、計算した判定用値J1と閾値J1refとを比較し(ステップS140)、計算した判定用値J1が閾値J1refより大きいときには対象の気筒が失火していると判定して(ステップS150)、本処理を終了し、判定用値J1が閾値J1ref以下のときには対象の気筒は失火していないと判定して本処理を終了する。ここで、90度差分TD90は、圧縮上死点からの角度を考えれば、エンジン22の燃焼によるピストン132の加速の程度から、その気筒が正常に燃焼していれば負の値となり、その気筒が失火していると正の値となる。このため、対象の気筒に対応する90度差分TD90と直前に燃焼する気筒に対応する90度差分TD90との和としての判定用値J1は、対象の気筒も直前に燃焼する気筒も正常に燃焼していれば、絶対値の大きな負の値となり、直前に燃焼する気筒は正常に燃焼したが対象の気筒が失火していると絶対値の小さな値となるから、閾値J1refとしてこれらを区別するための値を設定するものとすれば、対象となる気筒が失火しているか否かを適正に判定することができる。
一方、押し当てトルクTpがモータMG2から出力されていると判定されたときには、計算した90度差分TD90の360度差分TD360として計算される値[TD90−TD90(360度前)]を判定用値J2として計算し(ステップS160)、計算した判定用値J2と閾値J2refとを比較し(ステップS170)、計算した判定用値J2が閾値J2refより大きいときには対象の気筒が失火していると判定して(ステップS180)、本処理を終了し、判定用値J2が閾値J2ref以下のときには対象の気筒は失火していないと判定して本処理を終了する。ここで、360度差分TD360は、対象となる気筒から点火順で最も遠い気筒、即ち、対象となる気筒が失火しているか否かの影響が最も表われにくい気筒における90度差分TD90の差分となる。こうした360度差分TD360を用いることにより、対象となる気筒が失火しているか否かをより適正に判定することができる。
このように、モータMG2から押し当てトルクTpが出力されているか否かにより失火判定処理を切り替えるのは、エンジン22のクランクシャフト26が遊星歯車機構としての動力分配統合機構30を介してモータMG1とモータMG2とに接続されているハイブリッド自動車20では、エンジン22の複数気筒のうち一つが連続的に失火すると、モータMG2から押し当てトルクTpが出力されているか否か即ちモータMG2側が固定されているか否かによりエンジン22の回転変動が異なって現われることが実験的に確かめられたことによる。従って、モータMG2から押し当てトルクTpが出力されているか否かにより実行する失火判定処理を切り替えることにより、対象の気筒の失火を精度良く判定することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、停車時でエンジン22がアイドリング運転しているときにシフトレバー81がN(ニュートラル)ポジションに操作されるなどモータMG2から押し当てトルクTpが出力されていないときには対象の気筒に対応する30度回転所要時間T30の90度差分としての90度差分TD90と直前に燃焼する気筒に対応する90度差分TD90として計算される値との和[TD90+TD90(直前)]を判定用値J1として計算すると共に計算した判定用値J1と閾値J1refとを比較することにより対象の気筒に失火が生じているかを判定し、シフトレバー81がNポジション以外のポジションに操作されるなどモータMG2から押し当てトルクTpが出力されているときには対象の気筒に対応する30度回転所要時間T30の90度差分として90度差分TD90の360度差分TD360として計算される値[TD90−TD90(360度前)]を判定用値J2として計算すると共に計算した判定用値J2と閾値J2refとを比較することにより対象の気筒に失火が生じているか否かを判定するから、モータMG2から押し当てトルクTpが出力されているか否かに拘わらず対象の気筒の失火を精度良く判定することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、クランクシャフト26が30度回転するのに要する時間としての30度回転所要時間T30をベースとしてエンジン22の失火を判定するものとしたが、クランクシャフト26が5度回転するのに要する時間として5度回転所要時間T5や10度回転するのに要する時間として10度回転所要時間T10など種々の所要時間を用いてエンジン22の失火を判定するものとしてもかまわない。また、5度毎のクランクシャフト26の回転数である5度回転数N5や10度毎のクランクシャフト26の回転数である10度回転数N10など種々の回転数を用いてエンジン22の失火を判定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、対象の気筒の30度回転所要時間T30の90度差分TD90を計算すると共に計算した90度差分TD90を用いて失火の判定を行なうものとしたが、対象の気筒の30度回転所要時間T30の60度差分TD60などの他の所定角度差分を用いて失火の判定を行なうものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、停車時にモータMG2から押し当てトルクTpが出力されているか否かを判定することにより失火判定処理を切り替えるものとしたが、シフトレバー81がN(ニュートラル)ポジションか否かを判定することにより失火判定処理を切り替えるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2から押し当てトルクTpが出力されているときには対象の気筒に対応する30度回転所要時間T30の90度差分TD90の360度差分TD360を用いて失火の判定を行なうものとしたが、360度差分TD360に代えて、今回の90度差分TD90と今回から120度前の90度差分TD90との差分である120度差分TD120などを用いて失火の判定を行なうものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、8気筒のエンジン22のいずれかの気筒の失火を判定するものとしたが、6気筒のエンジンのいずれかの気筒の失火を判定するものとしたり、4気筒のエンジンのいずれかの気筒の失火を判定するものとするなど、複数気筒のエンジンのいずれかの気筒の失火を判定するものであれば、気筒数はいくつでも構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、減速ギヤ35を介してモータMG2をリングギヤ軸32aに接続する構成におけるエンジン22の失火の判定を行なうものとしたが、減速ギヤ35に代えて変速機を介してモータMG2をリングギヤ軸32aに接続する構成におけるエンジン22の失火の判定を行なうものとしてもよい。減速ギヤ35や変速機を介さずにモータMG2を直接リングギヤ軸32aに接続する構成におけるエンジン22の失火の判定を行なうものとしてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、シフトレバー81がN(ニュートラル)ポジション以外のポジション即ちP(パーキング)ポジションやD(ドライブ)ポジション,R(リバース)ポジションに操作されているときにモータMG2から押し当てトルクTpが出力されるようモータMG2を駆動制御するモータECU40が「ガタ詰め制御手段」に相当し、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140が「回転位置検出手段」に相当し、クランクポジションセンサ140からの整形波に基づいてクランクシャフト26が30度回転するのに要する時間である30度回転所要時間T30を演算するT30演算処理を実行するエンジンECU24が「回転変動演算手段」に相当し、30度回転所要時間T30の90度差分TD90を演算するエンジンECU24が「第1角度差分演算手段」に相当し、停車時にモータMG2から押し当てトルクTpが出力されていないときには対象の気筒に対応する90度差分TD90と対象の気筒の直前に燃焼する気筒に対応する90度差分TD90との和を判定用値J1として計算すると共に計算した判定用値J1と閾値J1refとを比較することにより対象の気筒が失火しているか否かを判定する第1失火判定処理を実行し、停車時にモータMG2から押し当てトルクTpが出力されているときには90度差分TD90の360度差分TD360を計算すると共に計算した360度差分TD360と閾値J2refとを比較することにより対象の気筒が失火しているか否かを判定する第2失火判定処理を実行するエンジンECU24が「失火判定手段」に相当する。ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する6気筒の内燃機関に限定されるものではなく、4気筒或いは8気筒のエンジンとしたり、燃料も水素とするなど、如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの発電機としても構わない。「3軸式動力入出力手段」としては、上述の動力分配統合機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車機構を組み合わせて4以上の軸に接続されるものやデファレンシャルギヤのように遊星歯車とは異なる作動作用を有するものなど、駆動軸と出力軸と発電機の回転軸との3軸に接続され3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、車両の製造産業に利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、24a CPU、24b ROM、24c RAM、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、34a キャリア軸、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、135a 空燃比センサ、135b 酸素センサ、136 スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、150 可変バルブタイミング機構、MG1,MG2 モータ。
Claims (6)
- 複数気筒の内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、ギヤにより構成され前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に前記発電機の回転軸と車軸側の回転軸とに接続され該接続された3つの軸のうちいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、停車時に前記内燃機関が運転されている状態で所定の条件が成立したときには前記3軸式動力入出力手段のギヤのガタ詰めを行なうための所定の押し当てトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御するガタ詰め制御手段と、を備えるハイブリッド車における前記内燃機関の失火を判定する失火判定装置であって、
前記内燃機関の出力軸の回転位置を検出する回転位置検出手段と、
前記検出された回転位置に基づいて所定回転角毎の前記出力軸の回転変動を演算する回転変動演算手段と、
前記演算された回転変動の第1の所定角度の差分である第1角度差分を演算する第1角度差分演算手段と、
停車時に前記所定の押し当てトルクが前記電動機から出力されていないときには前記演算された第1角度差分と該演算された第1角度差分に対応する気筒の直前に燃焼する気筒に対して前記演算された第1角度差分との和である第1角度差分和を演算すると共に該演算した第1角度差分和と第1の閾値との比較により前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定し、停車時に前記所定の押し当てトルクが前記電動機から出力されているときには前記演算された第1角度差分の第2の所定角度の差分である第2角度差分を演算すると共に該演算した第2角度差分と第2の閾値との比較により前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定する失火判定手段と、
を備える内燃機関の失火判定装置。 - 前記第1の所定角度は、90度である請求項1記載の内燃機関の失火判定装置。
- 前記第2の所定角度は、360度である請求項1または2記載の内燃機関の失火判定装置。
- 前記失火判定手段は、前記内燃機関がアイドリング運転されている最中に前記内燃機関のいずれの気筒が失火しているか否かを判定する手段である請求項1ないし3いずれか1項に記載の内燃機関の失火判定装置。
- 複数気筒の内燃機関と、
動力を入出力可能な発電機と、
ギヤにより構成され前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に前記発電機の回転軸と車軸側の回転軸とに接続され該接続された3つの軸のうちいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
前記発電機および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、
停車時に前記内燃機関が運転されている状態で所定の条件が成立しているときには前記3軸式動力入出力手段のギヤのガタ詰めを行なうための所定の押し当てトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御するガタ詰め制御手段と、
請求項1ないし4いずれか1項に記載の内燃機関の失火判定装置と、
を備えるハイブリッド車。 - 複数気筒の内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、ギヤにより構成され前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に前記発電機の回転軸と車軸側の回転軸とに接続され該接続された3つの軸のうちいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、停車時に前記内燃機関が運転されている状態で所定の条件が成立したときには前記3軸式動力入出力手段のギヤのガタ詰めを行なうための所定の押し当てトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御するガタ詰め制御手段と、を備えるハイブリッド車における前記内燃機関の失火を判定する失火判定方法であって、
(a)前記内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて所定回転角毎の前記出力軸の回転変動を演算し、
(b)前記演算された回転変動の第1の所定角度の差分である第1角度差分を演算し、
(c)停車時に前記所定の押し当てトルクが前記電動機から出力されていないときには前記演算された第1角度差分と該演算された第1角度差分に対応する気筒の直前に燃焼する気筒に対して前記演算された第1角度差分との和である第1角度差分和を演算すると共に該演算した第1角度差分和と第1の閾値との比較により前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定し、停車時に前記所定の押し当てトルクが前記電動機から出力されているときには前記演算された第1角度差分の第2の所定角度の差分である第2角度差分を演算すると共に該演算した第2角度差分と第2の閾値との比較により前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定する
内燃機関の失火判定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008149088A JP2009292362A (ja) | 2008-06-06 | 2008-06-06 | 内燃機関の失火判定装置およびハイブリッド車並びに内燃機関の失火判定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008149088A JP2009292362A (ja) | 2008-06-06 | 2008-06-06 | 内燃機関の失火判定装置およびハイブリッド車並びに内燃機関の失火判定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009292362A true JP2009292362A (ja) | 2009-12-17 |
Family
ID=41540966
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008149088A Pending JP2009292362A (ja) | 2008-06-06 | 2008-06-06 | 内燃機関の失火判定装置およびハイブリッド車並びに内燃機関の失火判定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009292362A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AT510758A1 (de) * | 2010-11-25 | 2012-06-15 | Avl List Gmbh | Stromerzeugungsaggregat mit gehäuse |
WO2012095952A1 (ja) | 2011-01-12 | 2012-07-19 | トヨタ自動車株式会社 | 車両および車両の制御方法 |
JP2013056565A (ja) * | 2011-09-07 | 2013-03-28 | Toyota Motor Corp | ハイブリッド車両制御装置 |
JP2018105142A (ja) * | 2016-12-22 | 2018-07-05 | トヨタ自動車株式会社 | ハイブリッド自動車 |
JP2020069855A (ja) * | 2018-10-30 | 2020-05-07 | トヨタ自動車株式会社 | ハイブリッド車両の制御装置 |
-
2008
- 2008-06-06 JP JP2008149088A patent/JP2009292362A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AT510758A1 (de) * | 2010-11-25 | 2012-06-15 | Avl List Gmbh | Stromerzeugungsaggregat mit gehäuse |
AT510758B1 (de) * | 2010-11-25 | 2014-04-15 | Avl List Gmbh | Stromerzeugungsaggregat mit gehäuse |
WO2012095952A1 (ja) | 2011-01-12 | 2012-07-19 | トヨタ自動車株式会社 | 車両および車両の制御方法 |
CN103298670A (zh) * | 2011-01-12 | 2013-09-11 | 丰田自动车株式会社 | 车辆及车辆的控制方法 |
JP5578242B2 (ja) * | 2011-01-12 | 2014-08-27 | トヨタ自動車株式会社 | 車両および車両の制御方法 |
CN103298670B (zh) * | 2011-01-12 | 2015-05-27 | 丰田自动车株式会社 | 车辆及车辆的控制方法 |
US9062620B2 (en) | 2011-01-12 | 2015-06-23 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle and control method for vehicle |
JP2013056565A (ja) * | 2011-09-07 | 2013-03-28 | Toyota Motor Corp | ハイブリッド車両制御装置 |
JP2018105142A (ja) * | 2016-12-22 | 2018-07-05 | トヨタ自動車株式会社 | ハイブリッド自動車 |
JP2020069855A (ja) * | 2018-10-30 | 2020-05-07 | トヨタ自動車株式会社 | ハイブリッド車両の制御装置 |
JP7124641B2 (ja) | 2018-10-30 | 2022-08-24 | トヨタ自動車株式会社 | ハイブリッド車両の制御装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4345847B2 (ja) | 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法並びに車両 | |
JP4702169B2 (ja) | 内燃機関装置およびこれを搭載する車両並びに内燃機関の失火判定方法 | |
JP4458105B2 (ja) | 内燃機関装置およびこれを搭載する車両並びに内燃機関の失火判定方法 | |
JP4007401B1 (ja) | 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法 | |
JP4453654B2 (ja) | 内燃機関の失火判定装置およびこれを搭載する車両並びに失火判定方法 | |
JP5011896B2 (ja) | 内燃機関の失火判定装置および車両 | |
JP2017166461A (ja) | 自動車 | |
JP2009292362A (ja) | 内燃機関の失火判定装置およびハイブリッド車並びに内燃機関の失火判定方法 | |
JP2007303310A (ja) | 内燃機関装置および内燃機関の失火判定方法 | |
JP2008057490A (ja) | 燃焼状態判定装置およびこれを備える車両 | |
JP4816574B2 (ja) | 内燃機関の出力状態検出装置、車両及び内燃機関の出力状態検出方法 | |
JP2010126064A (ja) | 内燃機関の失火判定装置および内燃機関の失火判定方法 | |
JP5044479B2 (ja) | 内燃機関の失火判定装置および車両並びに内燃機関の失火判定方法 | |
JP2012215178A (ja) | 内燃機関の失火判定装置 | |
JP2007170248A (ja) | 内燃機関装置およびこれを搭載する車両並びに内燃機関の失火判定方法 | |
JP2008095617A (ja) | 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法 | |
JP4930419B2 (ja) | 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法並びに車両 | |
JP2008063975A (ja) | 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法並びに車両 | |
JP4910776B2 (ja) | 内燃機関装置およびこれを搭載する車両並びに内燃機関の失火判定方法 | |
JP5108719B2 (ja) | 内燃機関の失火判定装置 | |
JP2009298365A (ja) | 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに動力出力装置の制御方法 | |
JP5092988B2 (ja) | 失火判定装置および失火判定方法 | |
JP2009154714A (ja) | 動力出力装置および車両並びに動力出力装置の制御方法 | |
JP2012214224A (ja) | 内燃機関の失火判定装置 | |
JP5077202B2 (ja) | 内燃機関装置およびこれを備えるハイブリッド車並びに燃料性状判定方法 |