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JP2009288624A - 電子回路およびパネル - Google Patents

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JP2009288624A JP2008142437A JP2008142437A JP2009288624A JP 2009288624 A JP2009288624 A JP 2009288624A JP 2008142437 A JP2008142437 A JP 2008142437A JP 2008142437 A JP2008142437 A JP 2008142437A JP 2009288624 A JP2009288624 A JP 2009288624A
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勝秀 内野
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Abstract

【課題】減線を発生させないリペア処理を実現できるようにする。
【解決手段】第1の金属層M1のうち、映像信号線DTL10として機能する部分(以下、金属層M1の信号線部分と称する)を、同一線上に配置される他の画素101の映像信号線DTL10と連続して接続されるように形成させる。また、第2の金属層M2のうち、映像信号線DTL10と書き込み用トランジスタ31のドレイン31dとして機能する部分(以下、金属層M2の信号線とドレイン部分と称する)が形成させる。そして、金属層M1の信号線部分と、金属層M2の信号線とドレイン部分とを接合部51と接合部52で接続させる。また、金属層M2の信号線とドレイン部分のうちの少なくとも一部を、上述した所定の2点を結ぶ直線上とは異なる位置に形成させる。本発明は、例えばELパネルに適用可能である。
【選択図】図15

Description

本発明は、電子回路およびパネルに関し、特に、減線を発生させないリペア処理を実現できるようになった電子回路およびパネルに関する。
発光素子として有機EL(Electro Luminescent)デバイスを用いた平面自発光型のパネル(以下、ELパネルと称する)の開発が近年盛んになっている(特許文献1乃至5参照)。
ELパネルには、N×M個の画素(画素回路)が行列状に配置されている画素アレイ部が設けられている。
特開2003−255856号公報 特開2003−271095号公報 特開2004−133240号公報 特開2004−029791号公報 特開2004−093682号公報
従来のELパネルでは、画素に異物が混入すると、1ライン(線)の全ての画素が常に点灯してしまう状態、即ち、いわゆる輝線が発生してしまう。この輝線を無くすためには、異物除去が最適である。ただし、画素自体は非常に小さいため、異物除去は困難である。そこで、いわゆるリペア処理が行われることになる。リペア処理とは、異物が混入している画素をいわゆる減点化する処理、即ち、その画素を駆動させない処理をいう。
しかしながら、従来のリペア処理では、異物が混入している画素だけを減点化させることは困難であり、輝線が発生しているライン全体の画素が減点化してしまうという問題があった。即ち、従来のELパネルでは、リペア処理が行われると、1ラインの全ての画素が常に消灯してしまう状態、即ち、いわゆる減線が発生してしまう、という問題があった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、減線を発生させないリペア処理を実現できるようにするものである。
本発明の一側面の電子回路は、ダイオード特性を有し、駆動電流に応じて発光する発光素子と、映像信号をサンプリングするサンプリング用トランジスタと、前記駆動電流を前記発光素子に供給する駆動用トランジスタと、前記発光素子のアノード側と前記駆動用トランジスタのゲートに接続され、所定の電位を保持する保持容量とを備え、前記映像信号が伝搬される映像信号線として機能する第1の金属層が、同一線上に配置される他の画素回路の映像信号線と連続して接続されるように形成され、前記映像信号線と前記サンプリング用トランジスタのドレインとして機能する第2の金属層が形成され、前記第1の金属層と前記第2の金属層とが、所定の2点で接続されている。
前記第2の金属層の少なくとも一部は、前記所定の2点を結ぶ直線上とは異なる位置に形成されている。
本発明の一側面の電子回路においては、即ち、ダイオード特性を有し、駆動電流に応じて発光する発光素子と、映像信号をサンプリングするサンプリング用トランジスタと、前記駆動電流を前記発光素子に供給する駆動用トランジスタと、前記発光素子のアノード側と前記駆動用トランジスタのゲートに接続され、所定の電位を保持する保持容量とを備える電子回路においては、前記映像信号が伝搬される映像信号線として機能する第1の金属層が、同一線上に配置される他の画素回路の映像信号線と連続して接続されるように形成され、前記映像信号線と前記サンプリング用トランジスタのドレインとして機能する第2の金属層が形成され、前記第1の金属層と前記第2の金属層とが、所定の2点で接続されている。
本発明の一側面のパネルは、ダイオード特性を有し、駆動電流に応じて発光する発光素子と、映像信号をサンプリングするサンプリング用トランジスタと、前記駆動電流を前記発光素子に供給する駆動用トランジスタと、前記発光素子のアノード側と前記駆動用トランジスタのゲートに接続され、所定の電位を保持する保持容量とを有する画素回路を含むパネルであって、前記画素回路においては、前記映像信号が伝搬される映像信号線として機能する第1の金属層が、同一線上に配置される他の画素回路の映像信号と連続して接続されるように形成され、前記映像信号線と前記サンプリング用トランジスタとして機能する第2の金属層が形成され、前記第1の金属層と前記第2の金属層とが、所定の2点で接続されているパネル。
前記第2の金属層の少なくとも一部は、前記所定の2点を結ぶ直線上とは異なる位置に形成されている。
以上のように、本発明によれば、減線を発生させないリペア処理を実現できる。
最初に、本発明の理解を容易にし、且つ、背景を明らかにするため、有機ELデバイスを用いたパネル(以下、ELパネルと称する)の基本となる構成と動作について図1乃至図12を参照して説明する。
図1は、基本となるELパネルの構成例を示すブロック図である。
図1のELパネル100は、N×M個の画素(画素回路)101−(1,1)乃至101−(N,M)が行列状に配置されている画素アレイ部102と、これを駆動する駆動部である水平セレクタ(HSEL)103、ライトスキャナ(WSCN)104、および電源スキャナ(DSCN)105とにより構成されている。ここで、N,Mは、相互に独立する整数値を示している。
また、ELパネル100は、M本の走査線WSL10−1乃至10−M、M本の電源線DSL10−1乃至10−M、およびN本の映像信号線DTL10−1乃至10−Nも有する。
なお、以下において、走査線WSL10−1乃至10−M、映像信号線DTL10−1乃至10−N、画素101−(1,1)乃至101−(N,M)、または電源線DSL10−1乃至10−Mのそれぞれを特に区別する必要がない場合、単に、走査線WSL10、映像信号線DTL10、画素101、または電源線DSL10と称する。
画素101−(1,1)乃至101−(N,M)のうちの第1行目の画素101−(1,1)乃至101−(N,1)は、走査線WSL10−1でライトスキャナ104と、電源線DSL10−1で電源スキャナ105とそれぞれ接続されている。また、画素101−(1,1)乃至101−(N,M)のうちの第M行目の画素101−(1,M)乃至101−(N,M)は、走査線WSL10−Mでライトスキャナ104と、電源線DSL10−Mで電源スキャナ105とそれぞれ接続されている。画素101−(1,1)乃至101−(N,M)の行方向に並ぶその他の画素101についても同様である。
また、画素101−(1,1)乃至101−(N,M)のうちの第1列目の画素101−(1,1)乃至101−(1,M)は、映像信号線DTL10−1で水平セレクタ103と接続されている。画素101−(1,1)乃至101−(N,M)のうちの第N列目の画素101−(N,1)乃至101−(N,M)は、映像信号線DTL10−Nで水平セレクタ103と接続されている。画素101−(1,1)乃至101−(N,M)の列方向に並ぶその他の画素101についても同様である。
ライトスキャナ104は、走査線WSL10−1乃至10−Mに水平周期(1H)で順次制御信号を供給して画素101を行単位で線順次走査する。電源スキャナ105は、線順次走査に合わせて電源線DSL10−1乃至10−Mに第1電位(後述するVcc)または第2電位(後述するVss)の電源電圧を供給する。水平セレクタ103は、線順次走査に合わせて各水平期間内(1H)で映像信号となる信号電位Vsigと基準電位Vofsとを切換えて列状の映像信号線DTL10−1乃至10−Mに供給する。
図1のように構成されるELパネル100に、ソースドライバおよびゲートドライバとからなるドライバIC(Integrated Circuit)が付加されることによりパネルモジュールが構成され、さらに、パネルモジュールに、電源回路、画像LSI(Large Scale Integration)などを付加したものが表示装置となる。ELパネル100を含む表示装置は、例えば、携帯電話機、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、テレビジョン受像機、プリンタ等の表示部として使用することができる。
図2は、図1に示されたELパネル100に含まれるN×M個の画素101のうちの1つの画素101の拡大図である。即ち、図2は、画素101の詳細な構成例を示したブロック図である。
なお、図2において画素101と接続されている走査線WSL10、映像信号線DTL10、および電源線DSL10は、図1から明らかなように、画素101−(n,m)(n=1,2,・・・,N,m=1,2,・・・,M)に対して、走査線WSL10−(n,m)、映像信号線DTL10−(n,m)、および電源線DSL10−(n,m)となる。
図2の画素101は、書き込み用トランジスタ31、駆動用トランジスタ32、蓄積容量33、および発光素子34を有する。書き込み用トランジスタ31のゲート31gは走査線WSL10と点WSにおいて接続される。書き込み用トランジスタ31のドレイン31dは映像信号線DTL10と接続される。書き込み用トランジスタ31のソース31sが駆動用トランジスタ32のゲート32gと接続される。
駆動用トランジスタ32のソース32sとドレイン32dのうちの、一方が発光素子34のアノードに接続され、他方が電源線DSL10に接続される。蓄積容量33は、駆動用トランジスタ32のゲート32gと発光素子34のアノードの間に接続される。また、発光素子34のカソードは所定の電位Vcatに設定されている配線35に接続される。
書き込み用トランジスタ31および駆動用トランジスタ32は、本実施の形態では、いずれもNチャネル型トランジスタとして構成されており、アモルファスシリコンで作成できる。ここで、アモルファスシリコンは、低温ポリシリコンよりも安価に作成することができる。よって、画素回路全体の製造コストをより一段と下げることができるようになる。
発光素子34は、供給される電流値Idsに応じた階調の発光を行う。即ち、発光素子34が、電流発光素子としての有機EL素子として機能する。
以上のように構成される画素101において、書き込み用トランジスタ31が、走査線WSL10から供給された制御信号に応じてオン(導通)すると、蓄積容量33は、映像信号線DTL10を介して水平セレクタ103から供給された電荷を蓄積して保持する。即ち、蓄積された電荷に応じた所定電圧が、蓄積容量33に保持されることになる。駆動用トランジスタ32は、第1電位Vccにある電源線DSL10から電流の供給を受け、蓄積容量33に保持された信号電位Vsigに応じた駆動電流Idsを発光素子34に流す。発光素子34に所定の駆動電流Idsが流れることにより、画素101が発光する。
画素101は、閾値補正機能を有する。閾値補正機能とは、駆動用トランジスタ32の閾値電圧Vthに相当する電圧を蓄積容量33に保持させる機能である。閾値補正機能の発揮により、ELパネル100の画素毎のばらつきの原因となる駆動用トランジスタ32の閾値電圧Vthの影響をキャンセルすることができる。
また、画素101は、上述した閾値補正機能に加え、移動度補正機能も有する。移動度補正機能とは、蓄積容量33に信号電位Vsigを保持する際、駆動用トランジスタ32の移動度μに対する補正を信号電位Vsigに加える機能である。
さらに、画素101は、ブートストラップ機能も備えている。ブートストラップ機能とは、駆動用トランジスタ32のソース電位Vsの変動にゲート電位Vgを連動させる機能である。ブーストラップ機能の発揮により、駆動用トランジスタ32のゲート32gとソース32s間の電圧Vgsを一定に維持することが出来る。
なお、閾値補正機能、移動度補正機能、およびブートストラップ機能については、後述する図7、図11、および図12などでも説明する。
図3は、画素101の動作を説明するタイミングチャートである。
図3は、同一の時間軸(図面横方向)に対する走査線WSL10、電源線DSL10、および映像信号線DTL10の電位変化と、それに対応する駆動用トランジスタ32のゲート電位Vg及びソース電位Vsの変化を示している。
図3において、時刻t1までの期間は、前の水平期間(1H)の発光がなされている発光期間T1である。
発光期間T1が終了した時刻t1から時刻t4までは、駆動用トランジスタ32のゲート電位Vg及びソース電位Vsを初期化することで閾電圧補正動作の準備を行う閾値補正準備期間T2である。
閾値補正準備期間T2では、時刻t1において、電源スキャナ105が、電源線DSL10の電位を高電位であるVccから低電位であるVssに切換え、時刻t2において、水平セレクタ103が、映像信号線DTL10の電位を信号電位Vsigから基準電位Vofsに切換える。次に、時刻t3において、ライトスキャナ104が、走査線WSL10の電位を高電位に切換え、書き込み用トランジスタ31をオンさせる。これにより、駆動用トランジスタ32のゲート電位Vgが基準電位Vofsにリセットされ、且つ、ソース電位Vsが映像信号線DTL10の低電位Vssにリセットされる。
時刻t4から時刻t5までは、閾値補正動作を行う閾値補正期間T3である。閾値補正期間T3では、時刻t4において、電源スキャナ105により、電源線DSL10の電位が高電位Vccに切換えられ、閾値電圧Vthに相当する電圧が、駆動用トランジスタ32のゲート32gとソース32sとの間に接続された蓄積容量33に書き込まれる。
時刻t5から時刻t7までの書き込み+移動度補正準備期間T4では、走査線WSL10の電位が高電位から低電位一旦切換えられるとともに、時刻t7の前の時刻t6において、水平セレクタ103が、映像信号線DTL10の電位を基準電位Vofsから階調に応じた信号電位Vsigに切換える。
そして、時刻t7から時刻t8までの書き込み+移動度補正期間T5において、映像信号の書き込みと移動度補正動作が行われる。即ち、時刻t7から時刻t8までの間、走査線WSL10の電位が高電位に設定され、これにより、映像信号の信号電位Vsigが閾値電圧Vthに足し込まれる形で蓄積容量33に書き込まれると共に、移動度補正用の電圧ΔVμが蓄積容量33に保持された電圧から差し引かれる。
書き込み+移動度補正期間T5終了後の時刻t8において、走査線WSL10の電位が低電位に設定され、それ以降、発光期間T6として、信号電圧Vsigに応じた発光輝度で発光素子34が発光する。信号電圧Vsigは、閾値電圧Vthに相当する電圧と移動度補正用の電圧ΔVμとによって調整されているため、発光素子34の発光輝度は駆動用トランジスタ32の閾値電圧Vthや移動度μのばらつきの影響を受けることがない。
なお、発光期間T6の最初でブートストラップ動作が行われ、駆動用トランジスタ32のゲートゲートソース間電圧Vgs=Vsig+Vth−ΔVμを一定に維持したまま、駆動用トランジスタ32のゲート電位Vg及びソース電位Vsが上昇する。
また、時刻t8から所定時間経過後の時刻t9において、映像信号線DTL10の電位が、信号電位Vsigから基準電位Vofsに落とされる。図3において、時刻t2から時刻t9までの期間は水平期間(1H)に相当する。
以上のようにして、画素101の構成を有するELパネル100では、駆動用トランジスタ32の閾値電圧Vthや移動度μのばらつきの影響を受けることがなく、発光素子34を発光させることができる。
図4乃至図12を参照して、画素101の動作についてさらに詳細に説明する。
図4は、発光期間T1の画素101の状態を示している。
発光期間T1では、書き込み用トランジスタ31がオフ(走査線WSL10の電位が低電位)、かつ電源線DSL10の電位が高電位Vccとなっており、駆動用トランジスタ32が駆動電流Idsを発光素子34に供給している。このとき駆動用トランジスタ32は飽和領域で動作するように設定されているため、発光素子34に流れる駆動電流Idsは、駆動用トランジスタ32のゲートソース間電圧Vgsに応じて次式(1)で表される値をとる。
Figure 2009288624
・・・(1)
式(1)において、μは移動度を示し、Wはゲート幅を示し、Lはゲート長を示し、Coxは単位面積あたりのゲート酸化膜容量を示す。また、Vgsは、駆動用トランジスタ32のゲート32gとソース32s間の電圧(ゲートソース間電圧)であり、Vthは、駆動用トランジスタ32の閾値電圧である。なお、飽和領域とは、(Vgs−Vth<Vds)の条件を満たした状態をいう(Vdsは、駆動用トランジスタ32のソース32sとドレイン32d間の電圧)。
そして、閾値補正準備期間T2の最初の時刻t1において、図5に示すように、電源スキャナ105は、電源線DSL10の電位を高電位Vcc(第1電位)から低電位Vss(第2電位)に切換える。このとき電源線DSL10の電位Vssが発光素子34の閾値電圧Vthelとカソード電位Vcatの和よりも小さければ(Vss<Vthel+Vcat)発光素子34は消光し、駆動用トランジスタ32の電源線DSL10と接続された側がソース32sとなる。また、発光素子34のアノードは電位Vssに充電される。
次に、図6に示すように、時刻t2において、水平セレクタ103が映像信号線DTL10の電位を基準電位Vofsにした後、時刻t3において、ライトスキャナ104が、走査線WSL10の電位を高電位に切換えることより、書き込み用トランジスタ31をオンにする。これにより、駆動用トランジスタ32のゲート電位VgはVofsとなり、ゲートソース間電圧Vgsは、Vofs−Vssという値をとる。ここで、駆動用トランジスタ32のゲートソース間電圧Vgsである(Vofs−Vss)は、次の閾値補正期間T3で閾値補正動作を行うため、閾値電圧Vthよりも大である(Vofs−Vss>Vth)必要がある。逆に言うと、(Vofs−Vss>Vth)の条件を満たすように、電位VofsおよびVssが設定される。
そして、閾値補正期間T3の最初の時刻t4において、図7に示すように、電源スキャナ105が電源線DSL10の電位を低電位Vssから高電位Vccに切換えると、駆動用トランジスタ32の発光素子34のアノードと接続されている側がソース32sとなり、図7において1点鎖線で示されるように電流が流れる。
ここで、発光素子34は、等価的にダイオード34Aと寄生容量をCelとする蓄積容量34Bで表すことができ、発光素子34のリーク電流が駆動用トランジスタ32に流れる電流よりもかなり小さい(Vel≦Vcat+Vthelを満たす)という条件の下では、駆動用トランジスタ32に流れる電流は蓄積容量33と34Bを充電するために使用される。発光素子34のアノード電位Vel(駆動用トランジスタ32のソース電位Vs)は、図8に示されるように、駆動用トランジスタ32を流れる電流に応じて上昇する。所定時間経過後、駆動用トランジスタ32のゲートソース間電圧VgsがVthという値をとる。また、このときの発光素子34のアノード電位Velは(Vofs−Vth)である。ここで、発光素子34のアノード電位Velは、発光素子34の閾値電圧Vthelとカソード電位Vcatの和以下となっている(Vel=(Vofs−Vth)≦(Vcat+Vthel))。
その後、時刻t5において、図9に示されるように、走査線WSL10の電位が高電位から低電位に切替えられ、書き込み用トランジスタ31がオフして閾値補正動作(閾値補正期間T3)が完了する。
続く書き込み+移動度補正準備期間T4の時刻t6において、水平セレクタ103によって、映像信号線DTL10の電位が、基準電位Vofsから、階調に応じた信号電位Vsigに切換えられた(図9)後、書き込み+移動度補正期間T5に入り、図10に示されるように、時刻t7において、走査線WSL10の電位が高電位に設定されることで書き込み用トランジスタ31がオンして、映像信号の書き込みと移動度補正動作が行われる。駆動用トランジスタ32のゲート電位Vgは、書き込み用トランジスタ31がオンしているため信号電位Vsigとなるが、書き込み用トランジスタ31には電源線DSL10からの電流が流れるため、駆動用トランジスタ32のソース電位Vsは、時間とともに上昇していく。
駆動用トランジスタ32の閾値補正動作は既に完了している。よって、式(1)の右辺の(Vgs−Vth)2の項は、(Vgs−Vth)2={(Vsig−(Vofs−Vth))−Vth}2=(Vsig−Vofs)2となり、閾値電圧Vthの項の影響はなくなるので、駆動用トランジスタ32が流す電流Idsは、移動度μを反映したものとなる。具体的には、図11に示されるように、移動度μが大きい場合には、駆動用トランジスタ32が流す電流Idsは大きくなり、ソース電位Vsの上昇も早い。一方、移動度μが小さい場合には、駆動用トランジスタ32が流す電流Idsは小さくなり、ソース電位Vsの上昇は遅くなる。換言すると、一定時間経過時点では、移動度μが大きい場合には、駆動用トランジスタ32のソース電位Vsの上昇量△Vμ(電位補正値)は大きくなり、移動度μが小さい場合には、駆動用トランジスタ32のソース電位Vsの上昇量△Vμ(電位補正値)は小さくなる。これによって、各画素101の駆動用トランジスタ32のゲートソース間電圧Vgsのバラツキが、移動度μを反映して小さくなり、一定時間経過後の各画素101のゲートソース間電圧Vgsは、移動度μのバラつきを完全に補正した電圧となる。
時刻t8において、走査線WSL10の電位が低電位に設定されることで書き込み用トランジスタ31がオフして、書き込み+移動度補正期間T5が終了し、発光期間T6となる(図12)。
発光期間T6では、駆動用トランジスタ32のゲートソース間電圧Vgsは一定であるので、駆動用トランジスタ32は一定電流Ids’を発光素子34に供給し、発光素子34のアノード電位Velは、発光素子34に一定電流Ids’という電流が流れる電圧Vxまで上昇し、発光素子34は発光する。駆動用トランジスタ32のソース電位Vsが上昇すると、蓄積容量33のブートストラップ機能により、駆動用トランジスタ32のゲート電位Vgも連動して上昇する。
発光素子34のI−V特性により、発光時間が長くなると、図12に示されるB点の電位は時間とともに変化する(経時劣化する)。しかしながら、駆動用トランジスタ32のゲートソース間電圧Vgsは一定値に保たれているので、発光素子34に流れる電流は変化しない。したがって、I−V特性により発光素子34が経時劣化しても、一定電流Ids’が流れ続けるので、発光素子34の輝度が変化することはない。
以上のように、画素101を備える図2のELパネル100においては、閾値補正機能および移動度補正機能によって画素101ごとの閾値電圧Vth及び移動度μの相違を補正することができる。また、発光素子34の経時変動(劣化)も補正することができる。
これにより、図2のELパネル100を用いた表示装置では、高品位な画質を得ることが可能である。
なお、上述したように、書き込み用トランジスタ31は、映像信号線DTLに流れる映像信号をサンプリングする機能を有している。よって、書き込み用トランジスタ31は、サンプリング用トランジスタと呼称してもよい。
ここで、図13と図14を用いて、[発明が解決しようとする課題]の欄で上述した問題点の発生要因について説明する。
図13のBは、図2の画素101の等価回路を再度示したものである。図13のAは、その画素101の基板の従来のレイアウト例を示している。
図13のAの従来の基板には、その製造工程のひとつである露光処理により、下から順に、第1の金属層M1と、第2の金属層M2とが少なくとも積層される。なお、第1の金属層M1は、図13のAでは、濃い灰色の領域として表されている。第2の金属層M2は、図13のAでは、薄い灰色の領域として表されている。
図13のAの従来の基板において、同図中左上方には、書き込み用トランジスタ31が配置され、その右方には、蓄積容量33が配置され、さらにその右方には、駆動用トランジスタ32が配置されている。
図13のAに示されるように、書き込み用トランジスタ31のゲート31gは、第1の金属層M1の一部として形成されている。書き込み用トランジスタ31のドレイン31dとソース31sとはそれぞれ、第2の金属層M2の一部(ただし分割された独立の金属層)として形成されている。なお、以下、ドレイン31dを形成している第2の金属層M2を、ドレイン31d側の第2の金属層M2と称する。また、以下、ソース31sを形成している第2の金属層M2を、ソース31s側の第2の金属層M2と称する。
ドレイン31d側の第2の金属層M2は、長方形の形状で形成されている。ソース31s側の第2の金属層M2は、L字状の形状で形成されている。ドレイン31d側の第2の金属層M2と、ソース31s側の第2の金属層M2とは、ゲート31gを形成している第1の金属層M1の上方に、長方形の長辺とL字の長線部分とがほぼ平行となるように配置されている。
図13のAの基板、即ち、従来の基板では、ドレイン31d側の第2の金属層M2と、ソース31s側の第2の金属層M2とは、長方形の長辺とL字の長線部分とがほぼ同一の長さとなるように形成されている。
図14のAの上側の図は、図13Aと同一図、即ち従来の基板のレイアウト例の上面図を示している。図14のAの下側の図は、図14のAの従来の基板のうちの点線枠部分についての、図14のA中左方から見た側面図を示している。
図14のAに示されるように、画素101における映像信号線DTL10は、第1の金属層M1と第2の金属層M2とが接合部51により接続され、第2の金属層M2と第1の金属層M1とが接合部52により接続されることで形成されている。
即ち、図14のAの側面図に示されるように、従来の基板のレイアウトでは、映像信号線DTL10において、第1の金属層M1は1つで繋がっておらず、接合部51までの部分と、接合部52からの部分とに分断されている。
ところで、このような従来の基板において、書き込み用トランジスタ31のゲート31gを形成している第1の金属M1と、書き込み用トランジスタ31のドレイン31dを形成している第2の金属M2とが、異物の混入等によりショートすることがあった。このような場合、書き込み用トランジスタ31のドレイン31dは、映像信号線DTL10と接続されていることから、同一の映像信号線DTL10に接続されている画素101の全てが点灯してしまうという現象、即ち輝線が発生してしまう。
そこで、[背景技術]の欄で上述したように、この輝線を無くすために、いわゆるリペア処理が行われることになる。
従来、第2の金属層M2のうち、書き込み用トランジスタ31のドレイン31dと、映像信号線DTL10との接続を切断することで、例えば図14のBに示される部分53を切断することで、当該画素101のみを滅点化させるように、リペア処理が行われることになる。
しかし、従来の基板のレイアウトでは、書き込み用トランジスタ31のドレイン31dと、映像信号線DTL10の接続を切断することは、そのレイアウト上困難であった。さらに、部分53等のように、接合部51と接合部52との間の第2の金属層M2の部分が切断された場合、映像信号線DTL10が分断されてしまうことになる。その結果、その映像信号線DTL10に接続されていた画素101の全てが消灯しまうという現象、即ち滅線が発生してしまうといった問題が発生してしまう。即ち[発明が解決しようとする課題]の欄で説明した問題が発生してしまう。
換言すると、[発明が解決しようとする課題]の欄で説明した問題の発生要因は、リペア処理を行う際に、該当画素101のみを減点化させにくく、さらには、滅線を発生させやすい、といった従来の基板のレイアウトにあった。
そこで、このような問題を解決するために、本発明人は、映像信号線DTL10を冗長化するという手法(以下、信号線冗長化手法と称する)を発明した。より具体的には、第1の金属層M1のうち、映像信号線DTL10として機能する部分(以下、金属層M1の信号線部分と称する)を、同一線上に配置される他の画素101の映像信号線DTL10と連続して接続されるように形成させる。また、第2の金属層M2のうち、映像信号線DTL10と書き込み用トランジスタ31のドレイン31dとして機能する部分(以下、金属層M2の信号線とドレイン部分と称する)が形成させる。そして、金属層M1の信号線部分と、金属層M2の信号線とドレイン部分とを所定の2点(例えば接合部51と接合部52)で接続させる。このような手法が、信号線冗長化手法である。
信号線冗長化手法の適用により、リペア処理において、書き込み用トランジスタ31のドレイン31dと、映像信号線DTL10の接続を切断する場合に、所定の2点(例えば接合部51と接合部52)との間の第2の金属層M2の部分が切断された場合であっても、金属層M1の信号線部分が残存しているので、映像信号線DTL10が分断されてしまうということは無くなる。これにより、リペア処理によっても、滅線になることはなく当該画素101のみが減点となること、即ち、[発明が解決しようとする課題]の欄で説明した問題を解決することができるようになる。
さらに、本発明人は、金属層M2の信号線とドレイン部分のうちの少なくとも一部を、上述した所定の2点を結ぶ直線上とは異なる位置に形成させるという手法(以下、金属層M2迂回手法と称する)を発明した。この金属層M2迂回手法を適用することで、ドレイン31d側の第2の金属層M2のうちの少なくとも一部分(金属層M2の信号線とドレイン部分のうちの一部分)の下方には、金属層M1の信号線部分が存在しないことになる。よって、リペア処理において、かかる一部分を切断することで、書き込み用トランジスタ31のドレイン31dと映像信号線DTL10との接続を容易に切断することができるようになる。
図15のAは、これらの信号線冗長化手法と金属層M2迂回手法とが適用された画素101の基板のレイアウト、即ち、本発明が適用される画素101の基板(以下、本発明の基板と称する)のレイアウトの一例を示している。具体的には、図15のAの上側の図は、本発明の基板のレイアウト例の上面図を示している。図15のAの下側の図は、図15のAの本発明のうちの点線枠部分についての、図15のA中左方から見た側面図を示している。
図14のAの従来の基板の上面図と、図15のAの本発明の基板の上面図とを比較するに、基板上の構成要素、およびそれらの構成要素の配置位置自体は基本的に同様である。しかしながら、図15のAに示されるように、図15のAの本発明の基板においては、金属層M2の信号線とドレイン部分の形状が、図14のAの従来の基板と異なることがわかる。即ち、金属層M2の信号線とドレイン部分のうち、図14のA中接合部51の直下部分の形状が、橋桁形状になっていることがわかる。この橋桁形状の部分が、接合部51と接合部52(上述した所定の2点に相当)を結ぶ直線とは異なる位置に配置された部分となる。即ち、この橋桁形状の部分が、金属層M2迂回手法が具現化された部分である。
また、図14のAの従来の基板の側面図と、図15のAの本発明の基板の側面図とを比較するに、図15のAの本発明の基板においては、金属層M1の信号線部分が冗長化されていることがわかる。即ち、接合部51と接合部52との金属層M1の信号線部分は分断されていないことがわかる。図15のAの側面図で示される部分が、信号線冗長化手法が具現化された部分である。
このように、図15のAの本発明の基板では、信号線冗長化手法が適用されているので、リペア処理において、書き込み用トランジスタ31のドレイン31dと、映像信号線DTL10の接続を切断する場合に、接合部51と接合部52との間の第2の金属層M2の部分が切断された場合であっても、金属層M1の信号線部分が残存しているので、映像信号線DTL10が分断されてしまうということは無くなる。これにより、リペア処理によっても、滅線になることはなく当該画素101のみが減点となること、即ち、[発明が解決しようとする課題]の欄で説明した問題を解決することができるようになる。
さらに、図15のAの本発明の基板では、金属層M2迂回手法が適用されているので、リペア処理における接合部分として、ドレイン31d側の第2の金属層M2(金属層M2の信号線とドレイン部分)のうちの橋桁形状の部分、例えば図15の部分54を採用することができる。かかる部分は、下方に第1の金属層M1が存在しないので、書き込み用トランジスタ31のドレイン31dと映像信号線DTL10との接続を容易に切断することができるようになる。
なお、金属層M2迂回手法が具現化された部分の形状は、特に図15の橋桁の形状に限定されず、例えば図16中接合部51の直下部分の形状、即ち、長方形状の領域が、2つの小さな長方形状の領域によってくり抜かれた結果得られる形状を採用することができる。
即ち、図16は、信号線冗長化手法と金属層M2迂回手法とが適用された画素101の基板のレイアウト、即ち、本発明の基板レイアウトの一例であって、図15の例とは異なる例を示している。
図16の本発明の基板では、リペア処理における切断場所として、例えば、部分55と部分56の組と、部分56と部分57の組とを採用できる。よって、ショートの原因となっている異物等の存在位置によっては、部分55と部分56の組と、部分56と部分57の組とのうちの何れか一方のみを切断すればよい場合がでてくる。かかる場合には、リペア処理によっても、滅線にならないことは勿論のこと、当該画素101も減点とならない、といった効果を奏することが可能になる。
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
基本となるELパネルの構成例を示すブロック図である。 画素の構成例を示すブロック図である。 画素の動作を説明するタイミングチャートである。 図2の画素の動作について詳細に説明する図である。 図2の画素の動作について詳細に説明する図である。 図2の画素の動作について詳細に説明する図である。 図2の画素の動作について詳細に説明する図である。 駆動用トランジスタのソース電圧を示す図である。 図2の画素の動作について詳細に説明する図である。 図2の画素の動作について詳細に説明する図である。 駆動用トランジスタのソース電圧を示す図である。 図2の画素の動作について詳細に説明する図である。 従来の画素の等価回路と、レイアウト例を示す図である。 従来の画素のリペア処理における問題点を説明する図である。 本発明が適用される画素のレイアウト例と、そのリペア処理について説明する図である。 本発明が適用される画素のレイアウト例であって、図15の例とは異なる例を示す図である。
符号の説明
31 書き込み用トランジスタ, 32 駆動用トランジスタ, 33 蓄積容量, 34 発光素子, 101 画素(画素回路), DTL10 信号線, M1 第1の金属層, M2 第2の金属層

Claims (4)

  1. ダイオード特性を有し、駆動電流に応じて発光する発光素子と、
    映像信号をサンプリングするサンプリング用トランジスタと、
    前記駆動電流を前記発光素子に供給する駆動用トランジスタと、
    前記発光素子のアノード側と前記駆動用トランジスタのゲートに接続され、所定の電位を保持する保持容量と
    を備え、
    前記映像信号が伝搬される映像信号線として機能する第1の金属層が、同一線上に配置される他の画素回路の映像信号線と連続して接続されるように形成され、
    前記映像信号線と前記サンプリング用トランジスタのドレインとして機能する第2の金属層が形成され、
    前記第1の金属層と前記第2の金属層とが、所定の2点で接続されている
    電子回路。
  2. 前記第2の金属層の少なくとも一部は、前記所定の2点を結ぶ直線上とは異なる位置に形成されている
    請求項1に記載の電子回路。
  3. ダイオード特性を有し、駆動電流に応じて発光する発光素子と、
    映像信号をサンプリングするサンプリング用トランジスタと、
    前記駆動電流を前記発光素子に供給する駆動用トランジスタと、
    前記発光素子のアノード側と前記駆動用トランジスタのゲートに接続され、所定の電位を保持する保持容量と
    を有する画素回路
    を含むパネルであって、
    前記画素回路においては、
    前記映像信号が伝搬される映像信号線として機能する第1の金属層が、同一線上に配置される他の画素回路の映像信号と連続して接続されるように形成され、
    前記映像信号線と前記サンプリング用トランジスタのドレインとして機能する第2の金属層が形成され、
    前記第1の金属層と前記第2の金属層とが、所定の2点で接続されている
    パネル。
  4. 前記第2の金属層の少なくとも一部は、前記所定の2点を結ぶ直線上とは異なる位置に形成されている
    請求項3に記載のパネル。
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