JP2009286999A - ポリ乳酸樹脂組成物の製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 下記工程(1)及び工程(2)を有するポリ乳酸樹脂組成物の製造法。
工程(1):ポリ乳酸樹脂にポリカルボジイミド系架橋剤を配合して架橋させる工程
工程(2):工程(1)で得られた架橋ポリ乳酸樹脂と、更に未架橋のポリ乳酸樹脂とを混合する工程
【選択図】 なし
Description
工程(1):ポリ乳酸樹脂(以下ポリ乳酸樹脂(a)という)にポリカルボジイミド系架橋剤を配合して架橋させる工程
工程(2):工程(1)で得られた架橋ポリ乳酸樹脂と、未架橋のポリ乳酸樹脂(以下ポリ乳酸樹脂(b)という)とを混合する工程
本発明の工程(1)は、ポリ乳酸樹脂(a)にポリカルボジイミド系架橋剤を配合して架橋させる工程である。
本発明の工程(2)は、工程(1)で得られた架橋ポリ乳酸樹脂と、ポリ乳酸樹脂(b)とを混合する工程である。
結晶核剤(1):分子中に水酸基とアミド基を有する化合物及びヒドロキシ脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種
結晶核剤(2):フェニルホスホン酸金属塩、リン酸エステルの金属塩、芳香族スルホン酸ジアルキルエステルの金属塩、ロジン酸類の金属塩、芳香族カルボン酸アミド、ロジン酸アミド、カルボヒドラジド類、N−置換尿素類、メラミン化合物の塩及びウラシル類からなる群から選ばれる少なくとも1種
結晶核剤(1)のうち分子中に水酸基とアミド基を有する化合物としては、水酸基を有する脂肪族アミドが好ましく、分子中に水酸基を2つ以上有し、アミド基を2つ以上有する脂肪族アミドがより好ましい。分子中に水酸基とアミド基を有する化合物の具体例としては、12−ヒドロキシステアリン酸モノエタノールアミド等のヒドロキシ脂肪酸モノアミド、メチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド等のヒドロキシ脂肪酸ビスアミド等が挙げられる。ポリ乳酸樹脂組成物の耐衝撃性、流動性、成形性、耐熱性、及び結晶核剤の耐ブルーム性の観点から、メチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド等のアルキレンビスヒドロキシステアリン酸アミドが好ましい。
工程(1):
ポリ乳酸樹脂(a)としてポリ乳酸樹脂(a−1)(三井化学(株)製、LACEA H−400)50部と、ポリカルボジイミド系架橋剤としてポリ(ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)(日清紡(株)製、カルボジライトLA−1)0.5部を、2軸押出機((株)池貝製 PCM-45)にて、シリンダーの設定温度200℃、回転数100rpm、30kg/hの供給量で溶融混練し、溶融混練物のストランドカットを行い、ポリ乳酸樹脂がポリカルボジイミド系架橋剤によりが架橋したポリ乳酸樹脂(架橋ポリ乳酸樹脂)のペレット(径:3〜4mm)を得た。
工程(1)で得られた架橋ポリ乳酸樹脂のペレットと、ポリ乳酸樹脂(b)としてポリ乳酸樹脂(b−1)(三井化学(株)製、LACEA H−400)、可塑剤としてコハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル)、及び結晶核剤としてエチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド(日本化成(株)製、スリパックスH)とを表1に示す割合で2軸押出機((株)池貝製 PCM-45)にて、シリンダーの設定温度190℃、回転数100rpm、30kg/hの供給量で溶融混練し、溶融混練物のストランドカットを行いポリ乳酸樹脂組成物のペレット(径:3〜4mm)を得た。得られたペレットは、70℃減圧下で1日乾燥し、水分量を500ppm以下とした。
工程(2)において、ポリ乳酸樹脂(b)としてポリ乳酸樹脂(b−2)(三井化学(株)製、LACEA H−100)を表1に示す割合で用いること以外、実施例1と同様の方法でポリ乳酸樹脂組成物のペレットを得た。
工程(1)で使用するポリ(ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)(日清紡(株)製、カルボジライトLA−1)の添加量を0.25部としたこと以外、実施例1の工程(1)と同様にして架橋ポリ乳酸樹脂のペレットを得た。
工程(1)で使用するポリ(ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)(日清紡(株)製、カルボジライトLA−1)の添加量を1部としたこと以外、実施例1の工程(1)と同様にして架橋ポリ乳酸樹脂のペレットを得た。
工程(1)において、ポリ乳酸樹脂(a−1)(三井化学(株)製、LACEA H−400)の量を75部とする以外は実施例1の工程(1)と同様にして架橋ポリ乳酸樹脂のペレットを得た。
工程(1)において、ポリ乳酸樹脂(a−1)(三井化学(株)製、LACEA H−400)の量を25部とする以外は実施例1の工程(1)と同様にして架橋ポリ乳酸樹脂のペレットを得た。
工程(1)においてポリ(ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)の代わりにポリ(ジイソプロピルフェニルカルボジイミド)(ラインケミー製、スタバクゾールP)を0.5部用いる以外は実施例1の工程(1)と同様にして架橋ポリ乳酸樹脂のペレットを得た。
工程(1)のシリンダーの設定温度を210℃としたこと以外、実施例1の工程(1)と同様にして架橋ポリ乳酸樹脂のペレットを得た。
工程(2)において、可塑剤として1,3,6−ヘキサントリカルボン酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのトリエステルを表1に示す量用いる以外は実施例1と同様の方法でポリ乳酸樹脂組成物のペレットを得た。
工程(2)において、可塑剤としてグリセリンにエチレンオキサイドを6モル付加させたトリアセテートを表1に示す量用いる以外は実施例1と同様の方法でポリ乳酸樹脂組成物のペレットを得た。
工程(2)において、可塑剤としてアジピン酸ジエステル(大八化学(株)製、DAIFATTY-101)を表1に示す量用いる以外は実施例1と同様の方法でポリ乳酸樹脂組成物のペレットを得た。
工程(2)において、結晶核剤として、エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド(日本化成(株)製、スリパックスH)と、無置換のフェニルホスホン酸亜鉛塩(日産化学工業(株)製 PPA−Zn)を表1に示す量用いたこと以外、実施例1と同様の方法でポリ乳酸樹脂組成物のペレットを得た。
工程(1)のシリンダーの設定温度を220℃としたこと以外、実施例1の工程(1)と同様にして架橋ポリ乳酸樹脂のペレットを得た。
工程(2)において、難燃化剤として、リン酸塩(アデカ(株)製、アデカスタブFP−2200)を表1に示す量用いたこと以外、実施例12と同様の方法でポリ乳酸樹脂組成物のペレットを得た。
工程(2)において、難燃化剤として、水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製、B703)、リン酸エステル(味の素ファインテクノ(株)製 レオフォス65)、無機充填剤として、ガラス繊維(日本電気硝子(株)製、T−187)を表1に示す量用いたこと以外、実施例12と同様の方法でポリ乳酸樹脂組成物のペレットを得た。
工程(2)において、難燃化剤として、水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製、B703)と、無機充填剤として、ガラス繊維(日本電気硝子(株)製、T−187)を表1に示す量用いたこと以外、実施例12と同様の方法でポリ乳酸樹脂組成物のペレットを得た。
工程(2)において、可塑剤としてコハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステルと、アジピン酸ジエステル(大八化学(株)製、DAIFATTY-101)を表1に示す量用いたこと以外、実施例16と同様の方法でポリ乳酸樹脂組成物のペレットを得た。
工程(1)を行わず、ポリ乳酸樹脂(b)としてポリ乳酸樹脂(b−1)(三井化学(株)製、LACEA H−400)、可塑剤としてコハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル、結晶核剤としてエチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド(日本化成(株)製、スリパックスH))を表1に示す割合で2軸押出機((株)池貝製 PCM-45)にて、シリンダーの設定温度190℃、回転数100rpm、30kg/hの供給量で溶融混練し、溶融混練物のストランドカットを行いポリ乳酸樹脂がポリカルボジイミド系架橋剤によりが架橋したポリ乳酸樹脂組成物のペレット(径:3〜4mm)を得た。
ポリ(ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)(日清紡(株)製、カルボジライトLA−1)0.5部を加えたこと以外、比較例1と同様の方法でポリ乳酸樹脂組成物のペレットを得た。
工程(1):
ポリ乳酸樹脂(a)としてポリ乳酸樹脂(a−1)(三井化学(株)製、LACEA H−400)100部と、ポリカルボジイミド系架橋剤としてポリ(ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)(日清紡(株)製、カルボジライトLA−1)0.5部を2軸押出機((株)池貝製 PCM-45)にて、シリンダーの設定温度200℃、回転数100rpm、30kg/hの供給量で溶融混練し、溶融混練物ストランドカットを行い、架橋ポリ乳酸樹脂のペレット(径:3〜4mm)を得た。
工程(1)で得られた架橋ポリ乳酸樹脂のペレットと、可塑剤(コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル)、及び結晶核剤(エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド(日本化成(株)製、スリパックスH))とを表1に示す割合で2軸押出機((株)池貝製 PCM-45)にて、シリンダーの設定温度190℃で、回転数100rpm、30kg/hの供給量で溶融混練し、溶融混練物のストランドカットを行いポリ乳酸樹脂組成物のペレット(径:3〜4mm)を得た。
得られたペレットを、シリンダー温度を200℃とした射出成形機(日本製鋼所製 J75E-D)を用いて射出成形し、金型温度80℃、成形時間60秒でテストピース〔角柱状試験片(63mm×12mm×5mm)〕を得た。このテストピースについて、JIS-K7110に基づいて、衝撃試験機(株式会社上島製作所製 863型)を使用して、Izod衝撃強度を測定した。
Izod衝撃強度の数値が高いほど耐衝撃性に優れるが、Izod衝撃強度が100以上あれば実用上問題ない。
得られたペレットを、シリンダー温度を200℃とした射出成形機(日本製鋼所製 J75E-D)を用いて、幅8mm、厚み3mmのスパイラル状試験片が成形可能な金型を金型温度80℃に設定し、射出圧力を942MPaとし、射出成形を実施し、このときの流動長を測定した。なお、流動長は試験片に刻印されている目盛りを読み取ることで判断した。また、金型温度が一定になるまで流動長が変化するので、成形開始から少なくとも20ショット以降のショットにおける、10ショットの流動長の平均を、厚みで割った値、すなわち平均流動長/厚み=L/Dとし、流動性の指標とした。
流動性の数値が高いほど流動性に優れるが、流動性が120以上あれば実用上問題ない。
得られたペレットを、シリンダー温度を200℃とした射出成形機(日本製鋼所製 J75E-D)を用いて射出成形し、金型温度80℃、成形時間60秒でテストピース〔角柱状試験片(5in×1/2in×1/16in)〕を得た。このテストピースを用いて、Underwriters Laboratories社の安全標準UL94 垂直燃焼試験の手順に基づき、垂直に保持した試料の下端に10秒間ガスバーナーの炎を接炎させ、燃焼が30秒以内に止まったならば、さらに10秒間接炎させ、n=5にて燃焼試験を実施した。UL94垂直燃焼試験(UL94V)の判定基準に基づき、V−2、V−1、V−0、Notの判定を行った。判定基準を以下に示した。
・V−0
いずれの接炎の後も、10秒以上燃焼を続ける試料がない。
5個の試料に対する10回の接炎に対する総燃焼時間が50秒を超えない。
固定用クランプの位置まで燃焼する試料がない。
試料の下方に置かれた脱脂綿を発火させる、燃焼する粒子を落下させる試料がない。
2回目の接炎の後、30秒以上赤熱を続ける試料がない。
・V−1
いずれの接炎の後も、30秒以上燃焼を続ける試料がない。
5個の試料に対する10回の接炎に対する総燃焼時間が250秒を超えない。
固定用クランプの位置まで燃焼する試料がない。
試料の下方に置かれた脱脂綿を発火させる、燃焼する粒子を落下させる試料がない。
2回目の接炎の後、60秒以上赤熱を続ける試料がない。
・V−2
いずれの接炎の後も、30秒以上燃焼を続ける試料がない。
5個の試料に対する10回の接炎に対する総燃焼時間が250秒を超えない。
固定用クランプの位置まで燃焼する試料がない。
試料の下方に置かれた脱脂綿を発火させる、燃焼する粒子の落下が許容される。
2回目の接炎の後、60秒以上赤熱を続ける試料がない。
・Not
いずれの接炎の後も、30秒を越えて燃焼を続けた。
得られたペレットを、シリンダー温度を200℃とした射出成形機(日本製鋼所製 J75E-D)を用いて射出成形し、金型温度80℃、成形時間60秒でテストピース〔角柱状試験片(125mm×12mm×6mm)〕を得た。このテストピースについて、JIS-K7191に基づいて、熱変形温度測定機(東洋精機製作所製 B-32)を使用して、荷重1.81MPaにおいて0.25mmたわむときの温度を測定した。この温度が高い方が耐熱性に優れていることを示す。
*2:ポリ乳酸樹脂(b−1)(三井化学(株)製、LACEA H−400)
*3:ポリ乳酸樹脂(b−2)(三井化学(株)製、LACEA H−100)
*4:ポリ(ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)(日清紡(株)製、カルボジライトLA−1)
*5:(ジイソプロピルフェニルカルボジイミド)(ラインケミー製、スタバクゾールP)
*6:コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル(合成品)
*7:1,3,6−ヘキサントリカルボン酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのトリエステル
*8:グリセリンにエチレンオキサイドを6モル付加させたトリアセテート
*9:アジピン酸ジエステル(大八化学(株)製、DAIFATTY-101)
*10:エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド(日本化成(株)製、スリパックスH)
*11:無置換のフェニルホスホン酸亜鉛塩(日産化学工業(株)製 PPA−Zn)
*12:水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製、B703)
*13:リン酸エステル(味の素ファインテクノ(株)製 レオフォス65)
*14:リン酸塩((株)アデカ製 アデカスタブ FP−2200)
*15:ガラス繊維(日本電気硝子(株)、T−187)
と流動性を示すことがわかる。
Claims (7)
- 下記工程(1)及び工程(2)を有するポリ乳酸樹脂組成物の製造法。
工程(1):ポリ乳酸樹脂(以下ポリ乳酸樹脂(a)という)にポリカルボジイミド系架橋剤を配合して架橋させる工程
工程(2):工程(1)で得られた架橋ポリ乳酸樹脂と、未架橋のポリ乳酸樹脂(以下ポリ乳酸樹脂(b)という)とを混合する工程 - 工程(1)において、200℃以上の温度でポリ乳酸樹脂(a)とポリカルボジイミド系架橋剤を溶融混練する請求項1記載のポリ乳酸樹脂組成物の製造法。
- 工程(2)において、さらに可塑剤を配合する、請求項1又は2記載のポリ乳酸樹脂組成物の製造法。
- 工程(2)において、さらに結晶核剤を配合する、請求項1〜3いずれかに記載のポリ乳酸樹脂組成物の製造法。
- ポリカルボジイミド系架橋剤が、ポリ(ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)及びポリ(ジイソプロピルフェニルカルボジイミド)から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4いずれかに記載のポリ乳酸樹脂組成物の製造法。
- 可塑剤が、コハク酸、アジピン酸又は1,3,6−ヘキサントリカルボン酸とポリエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル、及び酢酸とグリセリン又はエチレングリコールのエチレンオキサイド付加物とのエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項3〜5いずれかに記載のポリ乳酸樹脂組成物の製造法。
- 結晶核剤が、メチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド及びフェニルホスホン酸金属塩から選ばれる少なくとも1種である請求項4〜6いずれかに記載のポリ乳酸樹脂組成物の製造法。
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