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JP2009274969A - 血清トリグリセリド濃度低下剤 - Google Patents

血清トリグリセリド濃度低下剤 Download PDF

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JP2009274969A JP2008125703A JP2008125703A JP2009274969A JP 2009274969 A JP2009274969 A JP 2009274969A JP 2008125703 A JP2008125703 A JP 2008125703A JP 2008125703 A JP2008125703 A JP 2008125703A JP 2009274969 A JP2009274969 A JP 2009274969A
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Koichi Yasunaga
浩一 安永
Sachiko Niwa
祥子 丹羽
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Abstract

【課題】腹部脂肪燃焼を促進させて初期段階からの体重減少効果が高められるだけでなく、空腹時における血清トリグリセリド濃度及び遊離脂肪酸濃度を低下させることができる有効な製剤を提供すること。
【解決手段】(A)茶抽出物又はその濃縮物でもよい非重合体カテキン類及び(B)テアニンを有効成分として含有し、更なる空腹時における血清トリグリセリド濃度及び遊離脂肪酸濃度の低減の観点から、これ以外のアミノ酸類、例えば、(C)アスパラギン酸、(D)アルギニンが含有していてもよい、空腹時における血清トリグリセリド濃度低下剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、血清トリグリセリド濃度低下剤に関する。
脂肪は、蛋白質、糖質とともに重要な栄養素で、特にエネルギー源として有用であるが、高カロリー(9kcal/g)であるため、肥満を助長し生活習慣病などの問題を引き起こす原因となる。脂肪を多く使用した食事はおいしく、しかも現代人はこのような食事に慣れてしまっているため、飽食状態にある先進諸国においては、医療費の増大とあいまって、国家的な問題となっている。このような背景から、近年、特に健康の維持増進、疾病の予防治療に対する関心が高まり、脂肪と肥満や生活習慣病との関連についての研究が数多く行われるようになってきた。
例えば、特許文献1には、非重合体カテキン類を特定量含み、非エピ体とエピ体を特定割合で含有する容器詰飲料が、有意に蓄積体脂肪の燃焼を促進させることが報告されている。また、特許文献2には、非重合体カテキン類に、ナトリウムイオン及びカリウムイオンを特定割合で組み合せた容器詰飲料が、運動習慣を組み合わせることによって体脂肪低減効果を増大させることが報告されている。これらの文献のうち、特許文献1において血清トリグリセリド濃度が測定されているが、血清トリグリセリド濃度の有意な低減効果は確認されていない。
一方、特許文献3には、非重合体カテキン類に、テアニンとグルタミン酸又はその塩を組み合わせた容器詰飲料が提案されている。この容器詰飲料は、苦味、渋味を抑制して風味の改善を目的とするもので、体脂肪や血清トリグリセリド濃度の低減については全く検討されていない。
このように、従来、非重合体カテキン類と、特定のアミノ酸との併用が血清の特定成分に及ぼす作用について十分な検討がなされていないのが実情である。
特開2002−326932号公報 特開2006−158379号公報 特開2008−63321号公報
したがって、本発明は、血清トリグリセリド濃度の低減に有効な製剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、非重合体カテキン類と、特定のアミノ酸との組み合わせが血清トリグリセリド濃度の低減に有効であることを見出した。
すなわち、本発明は、(A)非重合体カテキン類及び(B)テアニンを有効成分として含有する、空腹時における血清トリグリセリド濃度低下剤を提供するものである。
本発明においては、非重合体カテキン類及び特定のアミノ酸類を組み合わせることで、腹部脂肪燃焼を促進させて初期段階からの体重減少効果が高められるだけでなく、空腹時における血清トリグリセリド濃度及び遊離脂肪酸濃度を低下させることができる。このような効果は、非重合体カテキン類及び特定のアミノ酸類の摂取と運動負荷を組み合わせることで、より一層増強させることが可能である。
本発明の空腹時における血清トリグリセリド濃度低下剤(以下、「製剤」とも称する)は、(A)非重合体カテキン類及び(B)テアニンを有効成分として含有することを特徴とするものである。
本発明において、(A)非重合体カテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレートからなる非エピ体カテキン類(以下、「非エピ体」ともいう)と、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートからなるエピ体カテキン類(以下、「エピ体」ともいう)を合わせての総称であり、非重合体カテキン類の濃度は前記8種の合計量に基づいて定義される。ここで、非重合体カテキン類中のエピ体の割合(以下、「(E)エピ体率」ともいう)とは、これら4種のエピ体の総和質量を非重合体カテキン類8種の総和質量に対する百分率で表した数値である。
また、(A)非重合体カテキン類には、エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びカテキンガレートからなるガレート体と、エピガロカテキン、ガロカテキン、エピカテキン及びカテキンからなる非ガレート体がある。ここで、非重合体カテキン類中のガレート体の割合(以下、「(F)ガレート体率」ともいう)とは、これら4種のガレート体の総和質量を非重合体カテキン類8種の総和質量に対する百分率で表した数値である。
また、本発明の製剤に含まれる(E)非重合体カテキン類中のエピ体率は、40〜95質量%が好ましく、更に好ましくは50〜90質量%、特に好ましくは55〜90質量%である。これにより、呈味がより一層優れるようになり、後を引くような収斂味も少なく好ましい。
更に、本発明の製剤に含まれる(F)非重合体カテキン類中のガレート体率は、20〜90質量%が好ましく、更に好ましくは30〜90質量%、特に好ましくは40〜90質量%である。これにより、呈味がより一層優れるようになり、後を引くような収斂味も少なく好ましい。
本発明の製剤は、有効成分として(B)テアニンを含有するが、これ以外のアミノ酸類を含有していてもよく、空腹時における血清トリグリセリド濃度及び遊離脂肪酸濃度の低減の観点から、例えば、(C)アスパラギン酸、(D)アルギニンが好ましい。
これらアミノ酸類は、L−体、D−体、DL−体のいずれの異性体をも使用することができるが、天然に存在する観点からL−体が好ましい。また、アミノ酸類は、市販品を用いてもよく、また公知の方法により製造又は抽出したものを使用してもよい。
本発明の製剤は、運動負荷と組み合わせて摂取することで、腹部脂肪燃焼を促進させて初期段階からの体重減少効果がより一層高められるだけでなく、空腹時における血清トリグリセリド濃度及び遊離脂肪酸濃度を顕著に低下させることができる。すなわち、本発明の製剤は運動習慣との組み合わせにより、体脂肪低減作用が増大するだけなく、空腹時における血清トリグリセリド濃度及び遊離脂肪酸濃度の低減効果が増強されるから、継続して投与することが好ましく、投与期間は2週間以上とすることが好ましい。
運動負荷は、ウォーキングやジョギングなどの低度〜中度のもので十分であり、具体的には、運動負荷の強度が5(MET-hours of activity per week)以上、特に5〜30(MET-hours of activity per week)が好ましい。なお、「MET-hours of activity per week」とは、運動所要量の尺度になっている単位で、各運動時代謝量を安静時代謝量で割った値(MET)に相当する運動を1週間に行った時間で計測される。例えば、自転車漕ぎや水中運動は4METSに相当し、この運動を毎日1時間行うと、28 MET hour of activity per weekに相当する。また、本発明の製剤は、食事時や食間、運動の前後など特に限定なく自由に摂取することが可能であるが、一日当たりの規定量を30分程度で摂取することが好ましい。
本発明の製剤において有効成分として投与される(A)非重合体カテキン類の量は、成人に対して一日当たり400mg以上が好ましく、より好ましくは500mg以上、更に好ましくは550mg以上、特に好ましくは600mg以上である。その上限は3000mgが好ましく、更に好ましくは2500mg、特に好ましくは2000mgである。
また、(B)テアニンの投与量は、成人に対して一日当たり25mg以上が好ましく、更に好ましくは27mg以上、特に好ましくは29mg以上である。その上限は139mgが好ましく、更に好ましくは116mg、特に好ましくは93mgである。
また、本発明の製剤中の(B)テアニンと、(C)アスパラギン酸との質量比[(C)/(B)]は、0.2以下が好ましく、更に好ましくは0.1以下、特に好ましくは0.05以下である。その下限は0.001が好ましく、更に好ましくは0.01、特に好ましくは0.02である。
更に、本発明の製剤は(D)アルギニンを更に含有していてもよく、(D)アルギニンの投与量は一日当たり2.6mg以上が好ましく、更に好ましくは2.8mg以上、特に好ましくは3.0mg以上である。その上限は114mgが好ましく、更に好ましくは120mg、特に好ましくは96mgである。
このような投与量とすることで、腹部脂肪燃焼が促進されるとともに、空腹時における血清トリグリセリド濃度及び遊離脂肪酸濃度を有意に低減させることができる。
本発明に使用する(A)非重合体カテキン類は、一般的には茶葉から抽出した茶抽出物、その濃縮物又はそれらの精製物に含まれているため、これらから得られるものが好ましく、具体的には茶抽出物、その濃縮物又はそれらの精製物が配合される。
茶からの抽出は、Camellia属、例えばC.sinensis及びC.assamica、やぶきた種又はそれらの雑種から選ばれる茶葉から製茶された茶葉を、水又は熱水を使用して攪拌抽出等により行うことができる。当該製茶された茶葉としては、煎茶、番茶、玉露、てん茶、かぶせ茶等の緑茶類;総称して烏龍茶と呼ばれる鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の半発酵茶;紅茶と呼ばれるダージリン、ウバ、キーマン等の発酵茶が挙げられる。中でも、高濃度の(A)非重合体カテキン類を入手しやすい点から、緑茶類が好ましい。また、抽出する際に使用する水又は熱水に抽出助剤を添加してもよく、抽出助剤としてはアスコルビン酸等の有機酸又はその塩(例えば、ナトリウム塩)を用いることができる。
茶抽出物の濃縮は、茶葉から抽出された茶抽出物から水分の一部を除去して行うことができ、例えば、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報等に例示されている方法を採用することができる。市販品としては、三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」、サントリー(株)「サンウーロン」等が挙げられる。また、茶抽出物の精製は、溶剤やカラムを用いて沈殿物等を除去することにより行うことができる。茶抽出物の濃縮物及び精製物の形態としては、固体、水溶液、スラリー状等種々のものが挙げられる。
本発明において使用する(A)非重合体カテキン類は、茶抽出物又はその濃縮物を水又は有機溶媒水溶液に懸濁させ、生じた沈殿を濾過する前に、活性炭、酸性白土及び活性白土から選ばれる少なくとも1種を添加し精製して得られた茶抽出物の精製物に由来するものが好ましく、活性炭と、酸性白土又は活性白土とを添加し精製して得られた茶抽出物の精製物に由来するものが特に好ましい。
茶抽出物又はその濃縮物を、活性炭、酸性白土及び活性白土と接触させる順序は特に限定されないが、例えば、茶抽出物又はその濃縮物を水又は有機溶媒水溶液に分散又は溶解させた後、活性炭と、酸性白土又は活性白土に接触させる方法が好ましく採用される。
精製に使用する有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類が挙げられ、特に飲食品への使用を考慮すると、アルコール類、特にエタノールが好ましい。水としては、イオン交換水、蒸留水、水道水、天然水等が挙げられ、特に味の点からイオン交換水が好ましい。
茶抽出物又はその濃縮物と、水又は有機溶媒水溶液との割合は、水又は有機溶媒水溶液100質量部に対して、茶抽出物又はその濃縮物(乾燥質量換算)を10〜40質量部、特に10〜30質量部添加して処理するのが、処理効率の点で好ましい。
接触処理には、10〜180分程度の熟成時間を設けることが好ましく、これらの処理は10〜60℃で行うことができ、更に10〜50℃、特に10〜40℃で行うのが好ましい。
有機溶媒水溶液中の有機溶媒と水との質量比は、非重合体カテキン類濃度の向上と茶由来の香料成分除去の観点から、99/1〜70/30、特に97/3〜75/25が好ましい。
接触処理に用いる活性炭としては、市販品を使用することができ、例えば、ZN−50(北越炭素社製)、クラレコールGLC、クラレコールPK−D、クラレコールPW−D(クラレケミカル社製)、白鷲AW50、白鷲A、白鷲M、白鷲C(武田薬品工業社製)等が挙げられる。活性炭の細孔容積は0.01〜0.8mL/g、特に0.1〜0.8mL/gが好ましい。また、比表面積は800〜1600m2/g、特に900〜1500m2/gの範囲のものが好ましい。なお、これらの物性値は窒素吸着法に基づく値である。
活性炭の使用量は、水又は有機溶媒水溶液100質量部に対して0.5〜8質量部、特に0.5〜3質量部添加するのが、精製効率及びろ過工程におけるケーク抵抗が小さい点で好ましい。
接触処理に用いる酸性白土及び活性白土は、ともに一般的な化学成分として、SiO2、Al23、Fe23、CaO、MgO等を含有するものであるが、SiO2/Al23比が3〜12、特に4〜9であるものが好ましい。また、Fe23を2〜5質量%、CaOを0〜1.5質量%、MgOを1〜7質量%含有する組成のものが好ましい。
酸性白土又は活性白土の比表面積は、50〜350m2/gが好ましく、pH(25℃、5質量%サスペンジョン)は2.5〜8、特に3.6〜7が好ましい。例えば、酸性白土としては、ミズカエース#600(水澤化学社製)等の市販品を用いることができる。
活性炭と、酸性白土及び活性白土との割合は、質量比で活性炭1に対して1〜10が好ましく、活性炭:酸性白土及び活性白土=1:1〜1:6であるのが好ましい。
本発明に用いる製剤は、非重合体カテキン類及び特定のアミノ酸類が所定の濃度になるように、茶抽出物、その濃縮物及びそれらの精製物から選ばれる少なくとも2種を組み合わせて配合するか、あるいは茶抽出物、その濃縮物及びそれらの精製物から選ばれる少なくとも1種を用い、必要によりアミノ酸類を添加して非重合体カテキン類及び特定のアミノ酸類を所定の濃度に調整することで得られる。
本発明の非重合体カテキン類及び前記アミノ酸類の組み合わせは、上記のとおり、優れた体脂肪低減効果のみならず、空腹時における血清トリグリセリド濃度及び遊離脂肪酸濃度の低減効果を奏することから、空腹時における血清トリグリセリド濃度低下剤だけなく、例えば、空腹時における遊離脂肪酸濃度低下剤、脂肪代謝促進剤等として有用である。
すなわち、かかる組み合わせは、医薬品、医薬部外品の形態で提供することが可能である。医薬品、医薬部外品としては、例えば、散剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、錠剤等の固形製剤や、水剤、懸濁剤、乳剤等の液体製剤等の経口投与剤が挙げられる。経口投与剤は、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、アルコール類、水、水溶性高分子、甘味料、矯味剤、酸味料等を添加して製造することが可能である。
また、本発明の非重合体カテキン類及び前記アミノ酸類の組み合わせは、食品として用いることができる。かかる食品としては、具体的には、パン、ケーキ、クッキー等のベーカリー食品類、チョコレート、キャンデー等の菓子類、ソース類、スープ類、ドレッシング類、マヨネーズ類、クリーム類が挙げられる。これら食品における有効成分の一日当たりの摂取量は、上記製剤の投与量と同様である。
非重合体カテキン類の測定
メンブランフィルター(0.8μm)でろ過した飲料を、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着した高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用いて、カラム温度35℃でグラジエント法により行った。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
アミノ酸の測定
サンプル調製は10mlのメスフラスコに、0.2mMの塩酸1mLを定量し、さらにサンプル9mLを加えてメスアップした。メンブランフィルター(0.45μm)で濾過した後、1mLをバイアル瓶に移し、測定サンプルとした。測定は日立製L−8800A形高速アミノ酸分析計を用い、本測定装置マニュアル記載の公定法である蛋白質加水分解物分析法により測定を行なった。
試験例
被験者132名からカテキン群及びコントロール群を無作為に抽出し、各被験者に表1に示す被検物質(製剤)500mL又は対照物質500mLを一日一本、12週間にわたって摂取時間を特に指定することなく30分以内に摂取させた。試験中、被験者に対して、習慣的なエネルギー摂取と、5(MET-hours of activity per week)以上の運動を義務付け、1日に2回以上カフェイン含有飲料を摂取することを禁止した。
被験者の構成は以下のとおりである。
年齢:21〜65歳の男女
(平均年齢:カテキン群は47歳、コントロール群は49歳)
胴回り:87cm以上の女性、90cm以上の男性
総コレステロール量:200mg/dL以上
BMI:25〜39.99Kg/m2
Figure 2009274969
12週間の試験期間中、180分/週を目標に弱〜中強度の運動を行った。1週間のうち3回以上はジムなどでの監視下の運動を行った。空腹時における体重及び胴回りについては隔週で測定を行った。
(1)空腹時における血清トリグリセリド濃度及び総コレステロール量の測定
ロッシュ試薬(Roche Modular社製)を用いて、血清トリグリセリド濃度及び総コレステロール量を測定した。その結果を表2に示す。
(2)空腹時における遊離脂肪酸濃度の測定
WACO(Dalton社製)を用いて遊離脂肪酸濃度を測定した。その結果を表2に示す。
(3)空腹時における体重及び胴回りの測定
普通に息を吐いた後に非伸縮性の身体測定用テープを用いて腸骨稜の高さに水平な面で胴回りを測定し、併せて体重を測定した。0週に対する各週における体重の差(ΔKg)を図1に示す。
(4)空腹時における身体組成及び脂肪分布の測定
二重エネルギーX線吸収測定法(DEXA)により身体組成を測定し、腹部コンピュータ断面撮影により腹部脂肪面積を測定した。全身DEXAスキャンはLUNAR(GE社製)で行った。身体組成(脂肪量及び除脂肪量)は、Prodigy Advance DXA System社製のソフトウエアー(version 9.30)を用いて解析した。腹部コンピュータ断面撮影は、Somaton(Seimens社製)を用い、被験者を仰向けに寝かせてスライス厚7mm以下、腰部の4−5堆骨の高さで3スライス腹部CTスキャン撮影を行った。測定プロトコル及びCTスキャンデータの読み取りはBioImaging Technologies社製の標準プロトコールを用いて行った。その結果を図2に示す。
(5)統計分析
0週と12週との比較をSAS version 9.1.1により評価し、得られた数値は平均値±標準偏差で示した。
Figure 2009274969
表2の結果から、カテキン群において血清トリグリセリド濃度が有意に低下しており、非重合体カテキン類及び特定のアミノ酸類の組み合わせによる血清トリグリセリド濃度低減効果が確認された。なお、血清トリグリセリド濃度はメタボリックシンドロームの指標のひとつであり、これが低下することにより、脂質代謝が改善していることを示す。
また、血漿遊離脂肪酸濃度においてもカテキン群で有意な低減効果が認められたのに対し、コントロール群では僅かな増加が確認された。
カテキン群において試験開始後第2〜8週の体重がより一層有意に減少しており、第12週においても体重減少が確認された。
図2に示すように総腹部脂肪面積及び腹部皮下脂肪面積において有意な低減が認められ、また内臓脂肪面積も同様の低減が確認された。
これらの結果から、本発明の非重合体カテキン類及び特定のアミノ酸類の組み合わせにより、腹部脂肪の燃焼促進によって初期段階から体重減少効果が発現されるだけでなく、空腹時における血清トリグリセリド濃度及び遊離脂肪酸濃度が顕著に低減されることが確認された。
製造例
(緑茶抽出物の精製物)
市販の緑茶抽出物の濃縮物(ポリフェノンHG、三井農林(株)製)100gを95質量%エタノール490.9gに分散させ、活性炭クラレコールGLC(クラレケミカル社製)20gと酸性白土ミズカエース#600(水澤化学社製)50gを投入後、約10分間攪拌を続けた。そして、95質量%エタノール水溶液409.1gを10分間かけて滴下したのち、室温のまま約30分間の攪拌処理を続けた。その後、2号濾紙で活性炭及び沈殿物を濾過し、更に、孔径0.2μmの濾紙で濾過を行った。最後に水350mLを加えて減圧濃縮することによって緑茶抽出物の精製物を得た。この緑茶抽出物の精製物中の非重合体カテキン類濃度は15.5質量%であり、(C)アスパラギン酸/(B)テアニンの質量比、及び(D)アルギニン/(B)テアニンの質量比はともに0.034であった。
本発明の製剤を摂取したカテキン群及びコントロール群における体重の変化を示す図である。 本発明の製剤を摂取したカテキン群及びコントロール群における12週間後の空腹時における脂肪分布の変化を示す図である。

Claims (8)

  1. (A)非重合体カテキン類及び(B)テアニンを有効成分として含有する、空腹時における血清トリグリセリド濃度低下剤。
  2. 有効成分として(C)アスパラギン酸を更に含有する、請求項1記載の血清トリグリセリド濃度低下剤。
  3. 運動負荷の強度が5(MET-hours of activity per week)以上の運動負荷と組み合わせて摂取するためのものである、請求項1又は2記載の血清トリグリセリド濃度低下剤。
  4. (A)非重合体カテキン類の投与量が一日当り400mg以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の血清トリグリセリド濃度低下剤。
  5. (B)テアニンの投与量が一日当たり25mg以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の血清トリグリセリド濃度低下剤。
  6. (C)アスパラギン酸と(B)テアニンとの質量比[(C)/(B)]が0.2以下である、請求項2〜5のいずれか一項に記載の血清トリグリセリド濃度低下剤。
  7. 有効成分として(D)アルギニンを更に含有し、(D)アルギニンの投与量が一日当たり2.6mg以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の血清トリグリセリド濃度低下剤。
  8. (A)非重合体カテキン類が茶抽出物又はその濃縮物を水又は有機溶媒水溶液に懸濁させ、活性炭、酸性白土及び活性白土から選ばれる少なくとも1種に接触させて精製した茶抽出物の精製物から得られるものである請求項1〜7のいずれか一項に記載の血清トリグリセリド濃度低下剤。
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JP2013213004A (ja) * 2012-04-02 2013-10-17 Dainippon Printing Co Ltd オランザピンの製造方法

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