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JP2009272656A - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子及びその製造方法 Download PDF

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勝史 秋田
Kensaku Motoki
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Abstract

【課題】発光素子への加工等が容易で、且つ良好な発光をする発光素子を提供する。
【解決手段】導電性基板8がFe-Ni合金であって、前記導電性接着剤がAu-Sn半田7である。本発明による半導体発光素子の製造方法は、GaAs(111)A基板1に発光層を含むGaN系半導体層の積層を成長した後、導電性の接着剤により前記積層表面に設けた電極面と導電性基板とを接着した後、GaAs(111)A基板1を除去する。GaAs(111)A基板1をアンモニア系エッチャントによるウェットエッチングによって除去する。
【選択図】図1

Description

この発明は,窒化ガリウム(GaN)系半導体を使用した主に青色および緑色の発光素子及びその製造方法に関する。
図6は、たとえば日経サイエンス10月号(1994)、p.44に記載された、現在市販されているサファイア基板を用いたGaN系の青色および緑色の発光素子の構造を示す断面図である。
この青色および緑色発光素子は、サファイア基板11と、基板11上に形成されたGaNバッファ層12と、GaNバッファ層12上に形成された六方晶のGaNエピタキシャル層13とから構成されたエピタキシャルウェハ上に、クラッド層14、発光層15、クラッド層16およびGaNエピタキシャル層17が順に形成されて窒化物系半導体層が積層された構造となる。GaNエピタキシャル層13、17上には、電極18、19がそれぞれ形成されている。また、この青色および緑色発光素子において、GaNバッファ層12は、サファイア基板11とGaNエピタキシャル層13との格子定数の差による歪を緩和するために設けられている。
上記の青色および緑色の発光素子は、基板11として絶縁性のサファイアを用いているため、電極を形成して素子を作成する際には、2種の電極を同一面側に形成する必要あることから、フォトリソグラフィによるパターニングが2回以上必要になり、さらに反応性イオンエッチングによる窒化物のエッチングを行う必要もあり、複雑な工程を要する。
また、サファイアは硬度が高いため、素子分離の際に切断しにくいという問題もある。そこで、このような欠点を有するサファイアに代えて、導電性のGaAsを基板として使用するという試みがなされている。
たとえばJournal of CrystalGrowth164(1996)、p149にはGaAs(100)面上に立方晶のGaNの成長が、Journal ofElectronic Materials vol.24 No.4(1995)、p213ではMOVPE法(有機金属気相エピタキシャル法)によるGaAs(111)A面上及びGaAs(111)B面上へのGaNの成長が報告されている。
また特開平8ー181070号公報には、700℃(摂氏700度)以上の温度範囲おいて特性のよいGaNエピタキシャル層の成長が得られる有機金属クロライド気相エピタキシャル法が開示されている。この方法ではIII化合物半導体の原料であるIII族有機金属を塩化水素と同時に反応管内に導入することにより、III族元素を塩化物として基板上に供給する。
特開平8ー181070号公報
日経サイエンス10月号(1994)、p.44 Journalof CrystalGrowth 164(1996)、p149 Journalof ElectronicMaterials vol.24 No.4(1995)、p213
従来のGaN系半導体層の発光素子は、絶縁性で硬いサファイアを基板に用いているため、電極作製に複雑なプロセスを要し、素子分離の際の切断等の加工も困難があるのは前述の通りである。そこで、例えば導電性GaAsのような基板を用いれば、このような問題は解決される。
しかし、例えばGaAsの基板を用いると、GaN系半導体層の発光層から出た光がGaAsの基板に吸収され、その基板からの反射光の強度が下がる。そのためGaAsの基板を用いた場合には十分な発光強度を得ることができない。それは、GaAsの基板のバンドギャップ(結晶内電子の量子状態エネルギーの差)が、GaN系半導体層のそれよりも小さいためと考えられている。
本発明の目的は、上述の問題点を解決した製造が容易で、良好な発光をする半導体発光素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明による半導体発光素子の製造方法は、成長用基板の上に成長した発光層を含む窒化ガリウム(GaN)系半導体層からなる積層の表面に設けた電極面と導電性基板とを、導電性接着剤を用いて接着した後、前記成長用基板を除去して製造することを特徴とする。また、この製造方法では、前記成長用基板のバンドギャップは前記発光層のバンドギャップよりも小さいことを特徴とする。この製造方法では、前記成長用基板が立方晶(111)基板であって、前記窒化ガリウム(GaN)系半導体層が六方晶であることを特徴とする。この製造方法では、前記成長用基板をアンモニア系エッチャントを用いたウエットエッチングにより除去することを特徴とする。この製造方法では、前記成長用基板がガリウム砒素(GaAs)、インジウム燐(InP)、インジウム砒素(InAs)若しくはガリウム燐(GaP)からなる立方晶(111)基板であって、前記窒化ガリウム(GaN)系半導体層が六方晶であることを特徴とする。この製造方法では、前記導電性基板が鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金または銅−タングステン(Cu−W)合金であることを特徴とする。この製造方法では、前記導電性接着剤が金−スズ(Au−Sn)半田または鉛−スズ(Pb−Sn)半田であることを特徴とする。本発明に係る半導体発光素子は、上記の半導体発光素子の製造方法によって製造された半導体発光素子であって、発光層を含む窒化ガリウム系半導体層からなる積層と、該積層の一方の表面に設けたp型電極と、該積層の他方の表面に設けたn型電極と、前記p型電極とn型電極のいずれか一方の電極に導電性接着剤で接着された導電性基板とを備える。この半導体発光素子では、前記導電性基板が鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金または銅−タングステン(Cu−W)合金であることを特徴とする。また、この半導体発光素子では、前記導電性接着剤が金−スズ(Au−Sn)半田または鉛−スズ(Pb−Sn)半田であることを特徴とする。
本発明による半導体発光素子は、p型電極が設けられたp型GaN層と、前記p型電極と導電性接着剤により接着された導電性基板と、前記p型GaN層上に形成されたGaN系半導体層の積層構造、あるいは、n型電極がもうけられたn型GaN層と、前記n型電極と導電性接着剤により接着された導電性基板と、前記n型GaN層上に形成されたGaN系半導体層の積層構造とからなる。
そして、本発明の半導体発光素子は、前記導電性基板がFe-Ni合金またはCu-W合金であって、前記導電性接着剤がAu-Sn半田またはPb-Sn半田である。
本発明による半導体発光素子の製造方法は、GaAs、InP、InAs若しくはGaPである成長用基板にGaN系半導体層の積層を成長した後、導電性接着剤により前記積層の表面に設けた電極面を導電性基板に接着した。そして、前記GaAs、InP、InAs若しくはGaPである成長用基板を除去することを特徴としている。
また、前記成長用基板が立方晶(111)基板であり、前記GaN系半導体層が六方晶である。特に成長用基板がGaAs(111)Aであり、GaN系半導体層が六方晶である。成長用基板をアンモニア系エッチャントによってウェットエッチングすることにより除去する。
本発明に係る半導体発光素子は、p型電極が設けられたp型窒化ガリウム層若しくはn型電極が設けられたn型窒化ガリウム層、前記p型若しくはn型電極に導電性接着剤で接着された導電性基板、及び前記p型若しくはn型窒化ガリウム層上であってp型若しくはn型電極が設けられている面とは反対面の上に成長した発光層を含む窒化ガリウム系半導体層からなる積層とで構成されている。
本発明の半導体発光素子では、導電性基板が鉄-ニッケル(Fe-Ni)合金または銅-タングステン(Cu-W)合金であることが好ましい。
本発明の半導体発光素子では、導電性接着剤が金-スズ半田または鉛-スズ半田であるようにしてもよい。
本発明の半導体発光素子の製造方法は、成長用基板の上に成長した発光層を含む窒化ガリウム系半導体層からなる積層の表面に設けた電極面と導電性基板とを、導電性接着剤を用いて接着した後、前記成長用基板を除去して製造する。
本発明の製造方法では、成長用基板がガリウム砒素(GaAs)、インジウム燐(InP)、インジウム砒素(InAs)若しくはガリウム燐(GaP)であることが好ましい。
本発明の製造方法では、成長用基板がガリウム砒素(GaAs)、インジウム燐(InP)、インジウム砒素(InAs)若しくはガリウム燐(GaP)からなる立方晶(111)基板であって、窒化ガリウム系半導体層が六方晶であることが好ましい。
本発明の製造方法では、成長用基板がガリウム砒素(GaAs)からなる立方晶(111)A基板であることが好ましい。
本発明の製造方法では、成長用基板をアンモニア系エッチャントを用いたウェットエッチングにより除去するようにしてもよい。
本発明に係る半導体発光素子は、発光層を含む窒化ガリウム系半導体層からなる積層と、該積層の表面に設けた電極と、前記電極に導電性接着剤で接着された導電性基板とを備える。
本発明の半導体発光素子では、導電性基板が鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金または銅−タングステン(Cu−W)合金であることが好ましい。
本発明の半導体発光素子では、導電性接着剤が金−スズ(Au−Sn)半田または鉛−スズ(Pb−Sn)半田であるようにしてもよい。
以上説明したように、この発明によれば、基板での光の吸収が少なく、良好に発光する半導体発光素子を提供でき、該半導体発光素子を容易に製造することが可能になった。
実施例においてGaAs基板をエッチング除去したときまでの、エピタキシャルウェハの構造を示す断面図である。 実施例においてp型電極を作製したときまでの、エピタキシャルウェハの構造を示す断面図である。 実施例においてp型GaN層側を鉄-ニッケル合金に接着したときまでの、エピタキシャルウェハの構造を示す断面図である。 有機金属クロライド気相エピタキシャル法の装置の概要を示す図である。 比較例においてGaAs基板側に電極を作製したときまでの、エピタキシャルウェハの構造を示す断面図である。 サファイア基板を用いた青色半導体発光素子の一例の構造を示す断面図である。
発明の実施の形態の説明は,窒化ガリウム(GaN)系半導体を使用した主に青色および緑色の発光素子及びその製造方法に関する。本発明の実施の形態による半導体発光素子は、発光素子の構造に絶縁層を含まない。従って、絶縁層であるサファイアを基板に用いた場合のように電極形成に複雑なプロセスを必要としない。また、GaN系半導体層の発光層よりもバンドギャップの小さいGaAsのようなものを成長用基板として用いた場合、導電性基板に導電性接着剤を用いて発光層を含むGaN系半導体層の積層を接着した後、その積層を成長させた成長用基板を除去すれば、前記成長用基板による光の吸収がなくなり良好な発光となる。
導電性基板として導電性並びに熱伝導性に優れたFe-Ni合金またはCu-W合金を用いると、低消費電力による発光が可能であり、熱の放出もよくなる。
導電性接着剤には融点が250℃(摂氏250度)以上あるAu-Sn半田(例えば、融点280℃(摂氏280度)の市販品)またはPb-Sn半田(例えば、融点280℃(摂氏280度)の市販品)を用いると、電極形成のために温度を200℃(摂氏200度)程度まで上げることができ、良好な電極を容易に作成できる。
GaN系半導体層の積層が形成される成長用基板として、GaAs、InP、InAs若しくはGaPを用いると、その成長用基板は容易にエッチング除去できる。また立方晶(111)基板を用いると六方晶GaNをエピタキシャル成長することができる。
さらに、GaAs(111)A基板((111)面の上が、全てGaであるGaAs基板)を用いれば、良好なGaN系半導体層の積層を作製することができる。
GaAs基板のエッチングにはアンモニア系エッチャントを用いてウェットエッチングを行うと、GaAs基板をエッチング除去することが容易であって、またGaN系半導体層並びにその積層に損傷を与えることがないため、上記エッチャントが好ましい。
次に本願発明をどのように実施するかを具体的に示した実施例を記載する。
(実施例) 有機金属クロライド気相エピタキシャル法(図4にその装置の概要を示すが、石英からなる反応チャンバー54にGaAs(111)A基板1を設置する。本装置は、ガス導入口51、52、排気口53及び抵抗加熱ヒーター55を備えている。なお、本装置は本願発明者が開示した特開平8ー181070号公報に示した装置と同じである。)を用いて、厚さ350マイクロメートル(μm)のGaAs(111)A基板1上に、厚さ100nmのGaNバッファ層2、厚さ2マイクロメートル(μm)でキャリア濃度1×1019(cm-3)のn型GaN層3、厚さ0.1マイクロメートル(μm)のInGaN発光層4、厚さ0.5マイクロメートル(μm)でキャリア濃度1×1018(cm-3)の0.5マイクロメートル(μm)のp型GaN層5からなるGaN系半導体層の積層を、この順に成長した。
上記GaN系半導体層からなる積層の最表面であるp型GaN層5の上にNi、Auの順に蒸着してなる電極6を作製し、400℃(摂氏400度)、5分の合金化を施した。GaAs(111)A基板1、GaN系半導体層からなる積層、及び電極6からなるエピタキシャルウェハの断面を示したのが図2である。
この後、融点280℃(摂氏280度)の市販のAu-Sn半田7を用いて、上記最表面のp型GaN層5の上の電極6にFe-Ni合金(重量%でNiが46%、残部がFe及び不可避的不純物よりなる。)の導電性基板8を接着した。(図3)
図3に示すエピタキシャルウェハを、アンモニア水と過酸化水素水を1:2で混合して25℃(摂氏25度)に保った溶液に90分間浸漬(ウェットエッチング)したところ、GaAs(111)A基板1のみが除去され図1の構造を得た。
図1の構造の最表面にあるGaNバッファ層2の上に200℃(摂氏200度)でインジウム(In)の電極を作成し、Ni、Auの順に蒸着してなる電極6との間に電流を流したところ、青色に発光した。なお、重量%でNiが46%、残部がFe及び不可避的不純物からなるFe-Ni合金に替えて、重量%でW80%、Cu20%の焼結合金を用いても、同様に良好な青色に発光した。
(比較例) Fe-Ni合金基板とGaAs基板の2種類の相違する基板によって、その相違する基板の光吸収による発光強度の違いを観察するため、図5に示すエピタキシャルウェハの断面のものを比較例とした。
すなわち、図2の構造におけるGaAs(111)A基板1側に、AuGeNi合金層、Ni層、及びAu層からなる積層構造の電極9を作成し、その電極9とNi、Auの順に蒸着してなる電極6との間に電流を流したところ、青色に発光した。もっとも、比較例の発光強度は、上記実施例の発光強度の7割程度の弱いものであった。
1:GaAs(111)A基板
2:GaNバッファ層
3:n型GaN層
4:InGaN発光層
5:p型GaN層
6:Ni、Auの順に蒸着してなる電極
7:Au-Sn半田
8:Fe-Ni合金の導電性基板
9:AuGeNi合金層、Ni層、Au層からなる積層構造からなる電極

Claims (10)

  1. 成長用基板の上に成長した発光層を含む窒化ガリウム(GaN)系半導体層からなる積層の表面に設けた電極面と導電性基板とを、導電性接着剤を用いて接着した後、前記成長用基板を除去して製造することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  2. 前記成長用基板のバンドギャップは前記発光層のバンドギャップよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載された半導体発光素子の製造方法。
  3. 前記成長用基板がガリウム砒素(GaAs)、インジウム燐(InP)、インジウム砒素(InAs)若しくはガリウム燐(GaP)からなる立方晶(111)基板であって、前記窒化ガリウム(GaN)系半導体層が六方晶であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された半導体発光素子の製造方法。
  4. 前記成長用基板をアンモニア系エッチャントを用いたウエットエッチングにより除去することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された半導体発光素子の製造方法。
  5. 前記成長用基板が立方晶(111)基板であって、前記窒化ガリウム(GaN)系半導体層が六方晶であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載された半導体発光素子の製造方法。
  6. 前記導電性基板が鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金または銅−タングステン(Cu−W)合金であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項4及び請求項5のいずれか一項に記載された半導体発光素子の製造方法。
  7. 前記導電性接着剤が金−スズ(Au−Sn)半田または鉛−スズ(Pb−Sn)半田であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載された半導体発光素子の製造方法。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載された、半導体発光素子の製造方法によって製造された半導体発光素子であって、発光層を含む窒化ガリウム系半導体層からなる積層と、該積層の一方の表面に設けたp型電極と、該積層の他方の表面に設けたn型電極と、前記p型電極とn型電極のいずれか一方の電極に導電性接着剤で接着された導電性基板とを備える半導体発光素子。
  9. 前記導電性基板が鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金または銅−タングステン(Cu−W)合金であることを特徴とする請求項8に記載された半導体発光素子。
  10. 前記導電性接着剤が金−スズ(Au−Sn)半田または鉛−スズ(Pb−Sn)半田であることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載された半導体発光素子。
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