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JP2009271406A - 光源装置、モニタ装置、プロジェクタ、および光源装置の駆動方法 - Google Patents

光源装置、モニタ装置、プロジェクタ、および光源装置の駆動方法 Download PDF

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JP2009271406A
JP2009271406A JP2008123223A JP2008123223A JP2009271406A JP 2009271406 A JP2009271406 A JP 2009271406A JP 2008123223 A JP2008123223 A JP 2008123223A JP 2008123223 A JP2008123223 A JP 2008123223A JP 2009271406 A JP2009271406 A JP 2009271406A
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Kazuhisa Mizusako
和久 水迫
Akira Egawa
明 江川
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Seiko Epson Corp
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Abstract

【課題】複数のレーザ光源をパルス駆動方式にて駆動させる際に、射出する光量をより確実に制御できる、光源装置を提供する。
【解決手段】互いに並列に接続された複数のレーザ光源10と、複数のレーザ光源10から1または2以上のレーザ光源10を選択し、選択された1または2以上のレーザ光源10の各々に、レーザ光源10をパルス駆動する駆動信号を供給する光源駆動部12と、を備え、光源駆動部12は、複数種類の駆動信号の中から、選択したレーザ光源10の総数に対応する駆動信号を選択することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、光源装置、モニタ装置、プロジェクタ、及び光源装置の駆動方法に関するものである。
大画面化の有力な手段として、液晶パネルをライトバルブとして用いた投写型液晶プロジェクタが盛んに開発されている。この方式のプロジェクタでは、鮮やかな画像の再現のために光源の高輝度化が必須となっている。しかし、液晶パネルを用いて光源からの光を完全に遮断することは技術的に非常に難易度が高く、液晶パネルを透過する漏れ光が発生しやすい。そのため、光源の明るさが増加するほど、黒表示(または、暗表示)時に光漏れ等による黒浮きが顕著となり、光源の高輝度化がコントラストの向上に必ずしも反映されなくなる。
一方、光源を高輝度にすることは、液晶パネルの耐熱の面からもマイナス要因となる。特に、全般に暗い画面の場合は、高輝度の光源からの光の大半を液晶パネルにより遮断しなければならないため、液晶パネルでの熱吸収も大きくなり、液晶パネルが備える偏光板等の構成材料の熱劣化による破損につながる。
そこで、このような光源の高輝度化に伴う光漏れ(黒浮き)、液晶パネルでの熱吸収による破損、などの課題を解決する手段として、映像のピーク信号に基づき光源の出力を変化させコントラストを制御する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平06−160811号公報
ところが、特許文献1に記載されているようなメタルハライドランプでは、光源の出力を変化させる照明色温度の制約、瞬時・間欠点灯の不可、及び短寿命等について課題がある。そこで、このような課題を克服するメタルハライドランプに代わる光源として、レーザ光源に期待が寄せられている。複数のレーザ光源を集積したレーザアレイを、全体で1つの光源として用いることで、上記メタルハライドランプの課題を克服した光源とすることが検討されている。このようなレーザアレイ型光源では、例えば駆動させるレーザ光源の総数を変えることで、光源全体の明るさを調節することができると考えられる。
本発明は、複数のレーザ光源を用い、各々のレーザ光源の出力(射出する光量)を確実に制御できる光源装置及び駆動方法を提供することを目的とする。また、このような光源装置を備えたモニタ装置を提供することを目的とする。更に、入力される画像信号等に応じて光源の出力を確実に制御することで、より高画質な画像表示を実現するプロジェクタを提供することを目的とする。
発明者は、様々な検討を重ねた結果、複数のレーザ光源を備えたレーザアレイ型光源の各々のレーザ光源を、パルス信号を用いた変調駆動(以下、パルス駆動)方式にて駆動させる構成が良いとの発想に至った。パルス駆動方式を用いると、瞬間的に大容量の電流を流すことができるために強い発光強度が得られ、高輝度のレーザ光源を実現することができる。また、間欠的に非駆動状態を繰り返すことから、レーザ光源の総駆動時間を減らすことができ光源の長寿命化が可能となる。
しかしながら、上記のような様々な利点がある一方で、パルス駆動方式を上記レーザアレイの駆動方式に適用すると、新たな課題が生じることも合わせて明らかとなった。この課題は、パルス駆動を行いレーザ光源の光量を変化させながら、更に駆動させるレーザ光源の総数を変化させる場合に生じる。
上記のようなレーザアレイでは、複数のレーザ光源を並列に接続した並列回路となる。印加電圧一定の条件下において、このような並列回路で駆動するレーザアレイのレーザ光源数を増加させた場合には、回路上の導通部分が増えるため回路全体として抵抗が下がる。すると、回路の配線等に生じる寄生インダクタンスや寄生キャパシタンスの影響が相対的に大きくなり、パルス駆動の駆動波形が変化してしまう。
図14は、印加電圧一定の並列回路において、光源数の変化に対する駆動信号の波形の違いを示すシミュレーション結果である。図に示すように、光源数が1個の場合には駆動信号は矩形波となっているが、光源数が10個になると、三角波のようになまった駆動信号となっている。
光源に流れる電流量は波形の積分値で表されることから、駆動する光源の総数によって、レーザ光源を流れる電流量が異なる。また、電力量は電流量と印加電圧の積で表されることから、駆動する光源の総数によってレーザ光源に投入する電力量が異なり、レーザ光源が射出する光量が異なることとなる。このように、レーザ光源の総数と光量が線形(正比例)の関係を示さなくなり、レーザアレイの光量制御が困難となってしまう。
そこで、上記の課題を解決するため、本発明の光源装置は、互いに並列に接続された複数のレーザ光源と、前記複数のレーザ光源から1または2以上のレーザ光源を選択し、選択された前記1または2以上のレーザ光源の各々に、前記レーザ光源をパルス駆動する駆動信号を供給する光源駆動部と、を備え、前記光源駆動部は、複数種類の駆動信号の中から、選択したレーザ光源の総数に対応する駆動信号を選択することを特徴とする。
本発明において「駆動信号」とは、レーザ光源をパルス駆動させるためにレーザ光源に供給する駆動信号であり、「制御パラメータ」とは、駆動信号の波形のデューティ比(単位波形の幅に対する周期の比)、駆動信号の周波数、駆動信号の駆動電圧、駆動電流等であり、「複数種類の駆動信号」とは、駆動信号の波形のデューティ比、駆動信号の周波数、駆動信号の駆動電圧、駆動電流等の制御パラメータを変化させた駆動信号である。本発明の光源装置は、たとえ駆動させるレーザ光源の数が変化して寄生インダクタンスや寄生キャパシタンスの影響の程度が変化したとしても、駆動させるレーザ光源の総数に対応して、これらの駆動信号を変化させることで、所望の光量を射出させることができる。
本発明においては、前記光源駆動部は、前記複数のレーザ光源の各々に直列に接続するスイッチ回路を備え、前記スイッチ回路によって、前記レーザ光源をパルス駆動する前記駆動信号を供給することが望ましい。
この構成によれば、スイッチ回路のON状態/OFF状態を制御する制御信号を用いて、レーザ光源をパルス駆動させる駆動信号の制御パラメータを制御することができるため、駆動信号の調整が容易となる。
本発明においては、前記光源駆動部は、前記レーザ光源の総数と、前記レーザ光源の総数に応じた前記駆動信号と、の対応関係である信号選択条件を記憶する記憶手段を備え、前記記憶手段から取得する前記信号選択条件に基づいて、前記レーザ光源の総数に対応する駆動信号を選択することが望ましい。
この構成によれば、信号選択条件の追加、削除、変更を自由に行うことができ、信号選択条件の管理が容易となる。また、実際にレーザ光源を駆動する場合、レーザ光源の総数に応じて即座に好適な駆動信号を得ることができるので、駆動の高速化に寄与することができる。
本発明においては、前記光源駆動部は、前記複数のレーザ光源が射出すべき光量と、前記射出すべき光量に応じた前記レーザ光源の総数と、の対応関係である光源数選択条件を記憶する記憶手段を備え、前記記憶手段から取得する前記光源数選択条件に基づいて、前記射出すべき光量に対応する前記レーザ光源の総数を選択することが望ましい。
この構成によれば、光源数選択条件の追加、削除、変更を自由に行うことができ、光源数選択条件の管理が容易となる。また、実際にレーザ光源を駆動する場合、例えば入力される画像データに基づく射出すべき光量に応じて、即座に必要なレーザ光源の総数を得ることができるので、駆動の高速化に寄与することができる。
本発明においては、前記光源数選択条件は、前記レーザ光源の総数の増加に対して前記射出すべき光量が線形で増加する対応関係であることが望ましい。
この構成によれば、レーザ光源の総数と射出される光量とが線形(正比例)の関係となるため、光量の調節が容易となる。
本発明においては、前記光源駆動部は、前記複数種類の駆動信号の中から、前記制御パラメータのうちデューティ比を制御した駆動信号を選択することが望ましい。
レーザ光源をパルス駆動させる駆動信号において、駆動信号のデューティ比はレーザ光源のON状態/OFF状態の比に対応する。そのためデューティ比を変化させた駆動信号を選択することで、射出する光量を制御することができる。
本発明においては、前記光源駆動部は、前記複数種類の駆動信号の中から、前記制御パラメータのうち駆動周波数を制御した駆動信号を選択することが望ましい。
通常、回路には、配線パターンによる寄生抵抗(ESR)、寄生インダクタンス(ESL)、寄生キャパシタンス(ESC)が存在する。回路の負荷インピーダンスが大きく、電流量が少ないレーザ光源であれば、ESR、ESL、ESC等の寄生成分の影響は無視出来るが、回路の負荷インピーダンスが小さく電流量が大きいレーザ光源では、上記寄生成分の影響を無視出来なくなる。特に大電流パルス駆動を行うレーザ光源の場合は、上記寄生成分の中でも寄生インダクタンスの影響が大きくなる。
相対的に影響の小さい寄生抵抗、寄生キャパシタンスを無視し、影響の大きい寄生インダクタンスに着目すると、寄生インダクタンスによる回路インピーダンスは、虚数j、駆動信号の角周波数ω、インダクタンスL(H)により、次式(1)で表すことができる。
Figure 2009271406
周期ωは、駆動周波数fを用いて次式(2)で表すことができる。
Figure 2009271406
式(1)(2)より、周波数を小さくすることで、回路の寄生インダクタンスの影響を小さくすることができるため、レーザ光源の総数の増加に対して小さい周波数の駆動信号を選択することで、射出する光量を制御することができる。
本発明においては、前記光源駆動部は、前記複数種類の駆動信号の中から、前記制御パラメータのうち駆動電圧または駆動電流の値である駆動値を制御した駆動信号を選択することが望ましい。
レーザ光源からは、レーザ光源に投入される電力量に対応した光量が射出される。電力量はレーザ光源を流れる電流量と印加電圧との積で求められるため、レーザ光源の総数の変化に対応して駆動電圧または駆動電流を変化させた駆動信号を選択することで、射出する光量を制御することができる。
本発明においては、前記駆動値を検出する駆動値検出手段と、検出される前記駆動値の検出値、及び前記レーザ光源の総数に対応して選択される前記駆動値の選択値に基づいて、前記複数のレーザ光源への供給する前記駆動信号の前記駆動値を制御する駆動値制御手段と、を有することが望ましい。
駆動値の検出値を実測すると共に、駆動値の選択値と該検出値とが一致するように駆動値を制御することができるため、駆動値を検出しない場合と比べ、より正確に駆動値を制御することが可能となり、正確に射出する光量を制御することができる。
本発明のモニタ装置は、上述の光源装置と、前記光源装置により照明された被写体を撮像する撮像部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、光源装置から射出する光量を確実に制御し、良好な撮像が可能なモニタ装置を提供することができる。
本発明のプロジェクタは、上述の光源装置と、前記光源装置からの光を画像信号に応じて変調する変調部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、光源装置から射出する光量を確実に制御すると共に、光量が制御された光を変調部で変調することで、ダイナミックレンジが広く映像表現力に優れたプロジェクタを提供することができる。
本発明の光源装置の駆動方法は、複数のレーザ光源を備え、前記複数のレーザ光源から選択する1または2以上のレーザ光源の各々をパルス駆動させる光源装置の駆動方法であって、選択したレーザ光源の総数に対応して複数種類の駆動信号の中から選択される駆動信号によって、前記選択したレーザ光源の各々を駆動することを特徴とする。
この方法によれば、選択されたレーザ光源の総数に応じた駆動信号を各々のレーザ光源に供給するので、レーザ光源の総数の変化による光量の変化を抑制し、確実に制御された光量を射出することができる。
[第1実施形態]
以下、図1〜図8を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る光源装置について説明する。本実施形態では、本発明に係る光源装置を、半導体レーザアレイである半導体レーザ(LD)光源装置(以降、レーザ光源装置)に適用した例について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
図1は、本実施形態に係るレーザ光源装置の概略構成図である。レーザ光源装置2は、レーザ光を射出する複数(本実施形態では10個)のレーザ光源10と、これらレーザ光源10を駆動する光源駆動部12と、を備える。
本実施形態では、レーザ光源10として、光の共振する方向が基板面10aに対して垂直であり、レーザ光が基板面10aに対して垂直に射出するVCSEL(Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser)型と呼ばれるものを用いる。
複数のレーザ光源10は、例えば同一基板上に規則的に配置されたアレイ構造を備えている。本実施形態では、複数のレーザ光源10が1つの配列軸方向に並ぶ1次元のアレイ構造を備え、隣り合うレーザ光源10の間の距離が一定の距離となっている。複数のレーザ光源10がこのようなアレイ構造を備えることで、発光量を均一化することができる。更に各レーザ光源相互の隙間を小さくすることで、複数のレーザ光源10を全体で1つの光源として用いることができ、発光面積の広い光源として供することができる。
なお、レーザ光源10は、必ずしも複数の発光部が同一基板上に形成されたものに限ることはなく、個別に作製された複数のレーザ光源を支持基板上に実装するなどしてアレイ化したものであってもよい。また、複数のレーザ光源10が交差する2つの配列軸方向に並ぶ2次元のアレイ構造であってもよい。
図2は、本実施形態に係るレーザ光源装置の概略回路図である。図に示すように、レーザ光源装置2は、複数のレーザ光源10が並列回路を構成しており、光源駆動部12と接続されている。光源駆動部12は、10個全てのレーザ光源10に駆動信号を供給し、全てのレーザ光源10がパルス駆動される。光源駆動部12は、回路全体に電圧を印加し所定の駆動電流を供給する光源駆動回路14と、制御信号に基づいて各レーザ光源10をパルス駆動させ、複数のレーザ光源10から射出されるレーザ光の総量を制御する光源制御回路16と、入力される画像データ等に基づいて複数のレーザ光源10の出力を算出すると共に、レーザ光源10をパルス駆動させる適切な駆動条件を選択する駆動信号選択回路20と、を備える。
本実施形態では、駆動信号選択回路20は光源駆動部12の一部を構成することとしたが、駆動信号選択回路20の機能の一部または全部を備える回路をレーザ光源装置2と別体に用意し、光源駆動部12に接続することとしてもよい。
光源制御回路16は、駆動するレーザ光源10の数を切り替えることにより射出するレーザ光の光量を制御する。前述のように、レーザ光源装置2は並列回路であり、各々のレーザ光源10を各自独立に制御することができる。
光源制御回路16は、複数のレーザ光源10の各々に直列に接続されているスイッチ回路18と、各々のスイッチ回路18と接続され、各スイッチ回路18に個別の制御信号を供給しスイッチ回路18を制御するスイッチ制御回路17と、を備えている。
スイッチ制御回路17は、個々のスイッチ回路18をON状態とするか、OFF状態とするかを制御する(切り替える)ための信号(制御信号)を供給する。スイッチ回路18は、スイッチ制御回路17から供給される制御信号に基づき、スイッチ回路18のON状態/OFF状態に応じた電流をレーザ光源10に供給し、レーザ光源10を駆動させる。
スイッチ回路18は、複数のレーザ光源10の各々について、駆動/非駆動を選択すると共に、スイッチ制御回路17から供給される制御信号に基づいて選択されたレーザ光源10をパルス駆動させる駆動信号を生成し、レーザ光源10に供給する。スイッチ回路18としては、スイッチ動作をする半導体素子であるトランジスタ等の3端子型素子を用いることができ、この場合には、スイッチ制御回路17は各スイッチ回路18のトランジスタのゲート端子に駆動信号に対応する駆動電位を供給する。本実施形態では、スイッチ回路18として、FET(Field effect transistor:電界効果トランジスタ)を用いる。
本実施形態のレーザ光源装置2は、駆動するレーザ光源10の数と、駆動するレーザ光源10の各々をパルス駆動させることで得られる階調出力と、を組み合わせることで、射出されるレーザ光の総量を制御する。
駆動信号選択回路20は、入力される画像データ等に基づいて、複数のレーザ光源10の出力を算出すると共に、レーザ光源10をパルス駆動させる適切な駆動信号を選択する。駆動信号選択回路20で行う駆動信号の選択方法については、後に詳述する。
図3は、各々のレーザ光源10の駆動について説明する説明図である。図3(a)は、1個のレーザ光源10への投入電流とレーザ光量との関係を示す図、いわゆる出力特性曲線であり、横軸が電流I(無単位)、縦軸が光量L(無単位)である。電流をゼロから増加させていくと、ある程度までは発光が開始しないが、ある値を超えると発光が開始し、それ以降は電流の増加に伴って光量が増加する領域S(遷移領域と呼ぶ)がしばらく続く。そして、ある値のところで光量が最大となり、それ以降は電流を増加させても光量はむしろ減少する。レーザ光源10は、一般的に以上のような出力特性を示す。
一方、図3(b)は横軸に電流I(無単位)、縦軸に光量/電流(dL/dI、無単位)をとり、これらの関係を示したものである。本実施形態では、光量/電流の値が最大、すなわち、出力特性曲線の勾配が最大となるときの電流値を「しきい値」と定義する。
複数のレーザ光源10を駆動する場合、レーザ光のしきい値の付近では各々のレーザ光源10の個体差による発光量の違いが顕著となり、同じ電流を投入したとしても、レーザ光源毎にその出力には大きな違いを生じる。そのため、パルス駆動させてレーザ光源10に流す駆動電流値として、個体差による影響が大きいレーザ光源のしきい値を避けた値を設定し、しきい値を避けた第1及び第2の電流値によりレーザ光源10を駆動させると、出力をより確実に制御することができる。
第1の電流値には、複数のレーザ光源10の複数のしきい値Ithのうち、最も小さいしきい値Ithmin未満の値に設定され、第2の電流値には、最も大きいしきい値Ithmaxを超える値に設定することが好ましい。本実施形態では、全てのレーザ光源10が実質的にレーザ光を射出していない状態(OFF状態)の電流値を第1の電流値に設定し、全てのレーザ光源10が実質的にレーザ光を射出している状態(ON状態)の電流値を第2の電流値に設定して、第1及び第2の電流値の2値の電流値でパルス駆動させることにより、出力を容易且つ確実に制御する。
続いて、図4から図8を用いて、本実施形態のレーザ光源装置2の駆動方法を説明する。
図4は、本実施形態のレーザ光源装置2の全体構成を説明する概略図である。本実施形態の光源駆動部12は、駆動信号選択回路20と光源制御回路16とを備えている。駆動信号選択回路20は、光源数選択手段22と駆動信号選択手段24と記憶手段26とを有している。また、光源制御回路16は、スイッチ制御回路17とスイッチ回路18とを有している。
外部から入力される光源装置2に入力される画像データ等の入力データは、光源駆動部12が備える駆動信号選択回路20に入力されて、入力データに応じた駆動信号が選択され、次いで選択された駆動信号が光源制御回路16に入力されることで、駆動信号に応じてレーザ光源10を駆動させる。以下、各構成について詳細に述べる。
駆動信号選択回路20が備える光源数選択手段22は、入力データの最大輝度から射出すべき光量を算出すると共に、射出すべき光量に応じた駆動させるレーザ光源の総数を選択する。また、駆動信号選択手段24は、選択されたレーザ光源の総数に応じて好適な駆動信号を選択する。光源数選択手段22や駆動信号選択手段24には、DSP(Digital Signal Processor)、PLD(Programmable Logic Device)、CPLD(Complex PLD)、FPGA(Fielf Programmable Gate Alley)などの集積回路を用いることができる。
また、記憶手段26は、射出すべき光量とレーザ光源の総数との対応関係である光源数選択条件と、レーザ光源の総数と駆動信号との対応関係である信号選択条件と、を記憶している。光源数選択手段22および駆動信号選択手段24は、記憶手段26から各選択条件を取得可能となっている。光源数選択条件と信号選択条件は、これらの対応関係を示す計算式を記憶させておき、対応する値を算出することとしても良く、また、予め算出した対応関係を示す複数のデータを集積したルックアップテーブルを記憶させておき、対応する値を選択することとしても良い。
このような構成の駆動信号選択回路20にデータが入力されると、まず光源数選択手段22で、入力データの最大輝度から得られる射出すべき光量と、記憶手段26に記憶された光源数選択条件と、を用いて、駆動するレーザ光源の総数を算出する。
次いで駆動信号選択手段24で、光源数選択手段22で算出されたレーザ光源の総数と、記憶手段26に記憶された信号選択条件と、を用いて、レーザ光源の総数に対する駆動信号を選択する。このようにして駆動信号選択回路20で選択された駆動信号は、光源制御回路16に入力される。
光源制御回路16では、駆動信号選択回路20にて選択された駆動信号に基づいて、スイッチ制御回路17からレーザ光源10をパルス駆動させるスイッチ制御信号を供給する。スイッチ回路18では、スイッチ制御信号に応じてゲート電極に駆動電位が印加される。すると、スイッチ回路18は、スイッチ制御信号に応じて駆動信号であるパルス電流をレーザ光源10に供給し、レーザ光源10が点灯(発光)してレーザ光を射出する。本実施形態のレーザ光源装置2は、このようにして入力データを処理し、レーザ光を射出する。
次に、図5から図8を用いて駆動信号の選択方法を説明する。本実施形態では、複数種類の駆動信号のうち、駆動波形のデューティ比もしくは駆動周波数を制御した駆動信号を選択してレーザ光源装置2を駆動する。以下の図5から図8の説明においては、図4に示す各構成要素の符号を使用して説明する。
[1]デューティ比を制御した駆動信号を選択
本実施形態のレーザ光源装置2は、レーザ光源10に供給する駆動信号のデューティ比を制御した駆動信号を選択することによって、必要とする光量を射出させることができる。図5は、デューティ比の異なる駆動信号を説明する説明図である。図5(a)は、本発明を適用せずデューティ比を変更しない場合の駆動信号を示し、図5(b)は、本発明を適用しデューティ比を変更する場合の駆動信号を示す。
図5(a)に示すように、駆動信号Pは周期T、幅τの単位駆動信号が複数(図では2つ)集合してなる。本実施形態のレーザ光源装置2は、複数のレーザ光源10が並列に接続されているため、駆動するレーザ光源10の総数が増加すると、回路の寄生インダクタンスや寄生キャパシタンスの影響が強まる。そのため、レーザ光源10に供給される駆動信号Pは回路のインピーダンスの影響を受け、図に示すような、三角波のようになまった駆動信号Pとなる。そのため、理想的な矩形波の駆動信号と比較すると、図に斜線部として示した遺失電流量d1だけレーザ光源に電流が供給されず、電力量が不足することとなる。
そこで、本実施形態のレーザ光源装置2は、駆動信号Pのデューティ比r(周期Tに対する幅τの割合、τ/T)を制御することにより、遺失分を補い電流量の不足を解消することとしている。即ち、レーザ光源10に供給する駆動信号Pを、デューティ比r1(r1=τ1/T1)の駆動信号P1から、図5(b)に示すデューティ比r2(r2=τ2/T2)のスイッチ制御信号P2に変更する(ただし、r1<r2)。
このように駆動信号Pのデューティ比rを変化させると、単位時間にレーザ光源10に流れる電流量が変化するため、レーザ光源10に対し、図に示す差分d2だけ多く電流を供給することが出来る。そのため、遺失電流量d1と差分d2とが等しくなるデューティ比rの駆動信号Pを選択することで、レーザ光源10へ投入する電力量を補うことができる。以上のように、レーザ光源装置2では、デューティ比rを制御した駆動信号Pを選択することで、必要とする光量を射出することができる。
上記のような、好適な駆動信号による駆動を実現するため、レーザ光源装置2が備える光源駆動部12では次のような処理を行う。即ち、光源駆動部12に入力される入力データに基づき、光源数選択手段22において射出すべき最大の光量を算出し、算出した射出すべき光量を射出可能なレーザ光源の総数を算出する。次いで、駆動信号選択手段24においてレーザ光源の総数に対応する駆動信号のデューティ比を算出し、レーザ光源の総数が射出すべき光量を射出可能とする好適な駆動信号を選択する。次いで、選択したデューティ比を備えた駆動信号で、選択されたレーザ光源10を駆動させ、所望の光量を射出する。以下詳細に説明する。
図6は、デューティ比を制御した駆動信号を選択する方法を示した説明図である。
図6(a)は、光源数選択手段22で行われる処理について説明する図である。図は、選択するレーザ光源の総数(光源総数)を横軸に、レーザ光源から射出すべきレーザ光の光量を縦軸にとった、印加電圧一定の条件下における光源総数と光量との対応関係(光源数選択条件LC)を示すグラフである。
前述のように、光源総数に応じた駆動信号を選択しない場合には、例えば光源総数が増加するとレーザ光源10に投入する電力量が低下する。そのため、図のグラフGのように、光源総数Nの増加に伴い、光源選択条件LCから緩やかに乖離する対応関係を示す。このような対応関係であると光量の制御が複雑となる。そこで、光量の制御を容易にするために、光源数選択条件LCとしては、光源総数の増加に伴い光量が線形に増加する関係を設定することが好ましい。このような光源選択条件LCは、例えば、1つのレーザ光源をパルス駆動させた場合に射出可能な光量を示すグラフGを元に、正比例の関係を備えるものとして、複数のレーザ光源の射出光量を算出して設定することができる。
光源数選択手段22では、まず入力データを元に必要とする光量Lが求められ、光源選択条件LCに基づいて、必要光量Lを射出可能な光源総数Nが求められる。
図6(b)は、駆動信号選択手段24で行われる処理について説明する図である。図は、光源総数を横軸に、光源総数に応じた駆動信号のデューティ比を縦軸にとった、印加電圧一定の条件下における光源総数とデューティ比との対応関係(駆動信号選択条件DC1)を示すグラフである。
駆動信号選択条件DC1は、用いるレーザ光源や回路構成から、抵抗値やインピーダンス値を求め算出することができる。また、予め抵抗値やインピーダンス値を実測し、実測値に基づいて駆動信号選択条件DC1を設定しても構わない。
駆動信号選択手段24では、駆動信号選択条件DC1に基づいて、光源総数Nを駆動させて必要光量Lを得ることができる駆動信号Pのデューティ比rが求められる。
図6(c)は、デューティ比rの駆動信号Pで光源総数Nのレーザ光源10を駆動させた光量を示す図である。レーザ光源10を駆動する駆動信号Pが、光源総数Nの駆動に好適なデューティ比rを備えているため、光源選択条件LCを再現した駆動をさせることが可能となり、必要光量Lを射出させることができる。このようにして、本発明を適応して光源総数Nに適した駆動信号Pを選択することで、光源選択条件LCとグラフGとの乖離を埋め、確実に光量を制御した好適な駆動を実現することができる。
[2]駆動周波数を制御した駆動信号を選択
また、本実施形態のレーザ光源装置2は、レーザ光源10に供給する駆動信号の、駆動周波数を制御した駆動信号を選択することによって、必要とする光量を射出させることもできる。図7は、駆動信号Pの駆動周波数を示す図である。図7(a)は、本発明を適用せず駆動周波数を変更しない場合の駆動信号を示し、図7(b)は、本発明を適用し駆動周波数を変更する場合の駆動信号を示す。
図7(a)に示す駆動周波数f1の駆動信号P3から、図7(b)に示す駆動周波数f2の駆動信号P4(ただし、f1>f2)に変更する場合、前述した式(1)(2)より、回路のインピーダンスはf2/f1倍に変化する。駆動周波数fは、例えばスイッチ制御回路17から供給するスイッチ制御信号の周波数を制御することで制御可能である。そのため、駆動周波数fを変更することで回路のインピーダンスを低減させることができ、その結果、レーザ光源10により多くの電流を供給し、より多くの電力をレーザ光源10へ投入することができる。以上のように、レーザ光源装置2では、駆動周波数fを制御した駆動信号Pを選択することで、必要とする光量を射出することができる。
上記のような、好適な駆動信号による駆動を実現するため、レーザ光源装置2が備える光源駆動部12では次のような処理を行う。即ち、レーザ光源装置2は、駆動信号選択手段24においてレーザ光源の総数に対応する駆動信号の駆動周波数を算出し、レーザ光源の総数が射出すべき光量を射出可能とする好適な駆動信号を選択する。次いで、選択したデューティ比を備えた駆動信号で、選択されたレーザ光源10を駆動させ、所望の光量を射出する。以下詳細に説明する。
図8は、駆動信号選択手段24で行われる処理について説明する図である。図は、光源総数を横軸に、光源総数に応じた駆動信号の駆動周波数を縦軸にとった、印加電圧一定の条件下における光源総数と駆動周波数との対応関係(駆動信号選択条件DC2)を示すグラフである。
駆動信号選択条件DC2は、用いるレーザ光源や回路構成から、抵抗値やインピーダンス値を求め算出することができる。また、予め抵抗値やインピーダンス値を実測し、実測値に基づいて駆動信号選択条件DC2を設定しても構わない。
駆動信号選択手段24では、駆動信号選択条件DC2に基づいて、光源総数Nを駆動させて必要光量Lを得ることができる駆動信号Pの駆動周波数fが求められる。このようにして、本発明を適応して光源総数Nに適した駆動信号Pを選択することで、好適な駆動を実現することができる。
以上のような構成のレーザ光源装置2によれば、駆動させるレーザ光源10の光源総数Nに対応して、レーザ光源10の駆動信号Pのデューティ比r、駆動周波数fを変化させることで、必要光量Lを射出させることができる。
また、本実施形態では、複数のレーザ光源10の各々に直列に接続するスイッチ回路18を備え、スイッチ回路18によって、レーザ光源18にパルス駆動信号を供給することとしている。スイッチ回路18のON状態/OFF状態を制御するスイッチ制御信号を用いて、駆動信号Pを制御することができるため、駆動信号Pの調整が容易となる。
また、本実施形態では、光源駆動部12は、光源総数Nと光源総数Nに応じた駆動信号Pとの対応関係である信号選択条件DCを記憶する記憶手段26を備え、信号選択条件DCに基づいて光源総数Nに対応する駆動信号Pを選択することとしている。そのため、信号選択条件DCの追加、削除、変更を自由に行うことができ、信号選択条件DCの管理が容易となる。また、実際にレーザ光源10を駆動する場合、光源総数Nに応じて即座に好適な駆動信号Pを得ることができるので、駆動の高速化に寄与することができる。
また、本実施形態では、光源駆動部12は、必要光量Lと必要光量Lに応じた光源総数Nとの対応関係である光源数選択条件LCを記憶する記憶手段26を備え、光源数選択条件LCに基づいて光源総数Nを選択することとしている。そのため、光源数選択条件LCの追加、削除、変更を自由に行うことができ、光源数選択条件LCの管理が容易となる。また、実際にレーザ光源10を駆動する場合、例えば入力される画像データに基づく必要光量Lに応じて、即座に必要な光源総数Nを得ることができるので、駆動の高速化に寄与することができる。
また、本実施形態では、光源数選択条件LCが、光源総数Nの増加に対して必要光量Lが線形で増加する対応関係となっているため、光量の調節が容易である。
また、以上のようなレーザ光源装置2の駆動方法によれば、選択されたレーザ光源10の光源総数Nに応じた駆動信号Pを各々のレーザ光源10に供給するので、光源総数Nの変化による光量の変化を抑制し、確実に制御された光量を射出することができる。
なお、本実施形態においては、全てのレーザ光源10にスイッチ回路18が直列に接続されており、全てのレーザ光源10をパルス駆動することとしたが、スイッチ回路18を接続しないレーザ光源を設け、連続駆動させるレーザ光源とパルス駆動させるレーザ光源を混在させることもできる。
また、本実施形態においては、光源数選択条件LCが、光源総数Nの増加に対して必要光量Lが線形で増加する対応関係となっていることとしたが、線形関係でない場合であっても、必要光量に基づいて光源総数Nを良好に選択することができる。
[第2実施形態]
図9は、本発明の第2実施形態に係るレーザ光源装置4の説明図である。本実施形態のレーザ光源装置4は、第1実施形態と一部共通している。したがって、本実施形態において第1実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図に示すように、レーザ光源装置4は、回路の駆動値を検出する駆動値検出手段32と、検出手段32により検出される駆動値の検出値、および駆動信号選択回路20で選択した駆動信号の選択値に基づいて回路の駆動値を制御する駆動値制御手段34と、を有する。ここで、「駆動値」とは、駆動信号の制御パラメータのうち、電源駆動回路14によりレーザ光源10に加える駆動電圧または駆動電流の値を指す。
図10は、本実施形態のレーザ光源装置4の全体構成を説明する概略図である。駆動信号選択回路26で選択された駆動信号のデータは、スイッチ制御回路17に供給されると共に、駆動値制御手段34に供給される。駆動値制御手段34は、駆動値検出手段32で検出される駆動値の検出値と選択された駆動信号の選択値とを比較し、検出値と選択値とを一致させるように光源駆動回路14を制御する。
図11は、駆動信号選択手段24で行われる処理について説明する図であり、図11(a)は制御する駆動値が駆動電圧である場合、図11(b)は制御する駆動値が駆動電流である場合を示す。図11(a)は、光源総数を横軸に、光源総数に応じた駆動信号の駆動電圧を縦軸にとった、光源総数と駆動電圧との対応関係(駆動信号選択条件DC3)を示すグラフであり、図11(b)は、光源総数を横軸に、光源総数に応じた駆動信号の駆動電流を縦軸にとった、光源総数と駆動電流との対応関係(駆動信号選択条件DC4)を示すグラフを示す。
本実施形態では、回路のインピーダンスの影響によりレーザ光源10を流れる電流量が減少し、そのために減少する電力量を補うために、レーザ光源10を駆動させる駆動値を制御する。電力量は、電流量と印加電圧との積により求めることができるため、印加電圧または電流量を制御することで、投入電力量を制御することができる。
駆動信号選択条件DC3,4は、用いるレーザ光源や回路構成から、抵抗値やインピーダンス値を求め算出することができる。また、予め抵抗値やインピーダンス値を実測し、実測値に基づいて設定しても構わない。
駆動電圧を制御する場合、駆動信号選択手段24では、駆動信号選択条件DC3に基づいて、光源総数Nを駆動させて必要光量Lを得ることができる駆動信号Pの駆動電圧vが求められる。駆動電流を制御する場合、駆動信号選択手段24では、駆動信号選択条件DC4に基づいて、光源総数Nを駆動させて必要光量Lを得ることができる駆動信号Pの駆動電流jが求められる。このようにして、本発明を適応して光源総数Nに適した駆動信号Pを選択することで、好適な駆動を実現することができる。
以上のような構成のレーザ光源装置4によれば、光源総数Nの変化に対応して駆動電圧vまたは駆動電流jを変化させた駆動信号Pを選択することで、射出する光量を制御することができる。
また、駆動中のレーザ光源装置4について駆動値検出手段32を用いてを実測する駆動値の検出値と、駆動信号選択手段24によって選択された駆動値の選択値とに基づき、駆動値制御手段34を用いて検出値と選択値とを一致させるように駆動値を制御することとしている。そのため、より正確に駆動値を制御し、射出する光量を制御することが可能となる。
なお、本実施形態のレーザ光源装置4は、スイッチ回路18を用いてレーザ光源10をパルス駆動するパルス駆動信号を生成することとしたが、光源駆動回路14がレーザ光源10をパルス駆動させるパルス駆動信号を生成することとしても良い。
[モニタ装置]
図12は、本発明に係るモニタ装置の概略構成図である。本実施の形態に係るモニタ装置50は、装置本体52と、光伝送部54と、を備える。装置本体52は、前述した第1実施形態のレーザ光源装置2を備え、その他に、光波長変換素子56及び反射ミラー58を備える。
光伝送部54は、光を送る側と受ける側の2本のライトガイド60,62を備える。各ライトガイド60,62は、多数本の光ファイバを束ねたもので、レーザ光を遠方に送ることができる。光を送る側のライトガイド60の入射側にはレーザ光源装置2が配設され、その射出側には拡散板64が配設されている。レーザ光源装置2から射出したレーザ光は、ライトガイド60を伝って光伝送部54の先端に設けられた拡散板64に送られ、拡散板64により拡散されて被写体を照射する。
光伝送部54の先端には、結像レンズ66も設けられており、被写体からの反射光を結像レンズ66で受けることができる。その受けた反射光は、受け側のライトガイド62を伝って、装置本体52内に設けられた撮像部としてのカメラ68に送られる。この結果、レーザ光源装置2により射出したレーザ光により被写体を照射したことで得られる反射光に基づく画像をカメラ68で撮像することができる。
以上のように構成されたモニタ装置50によれば、レーザ光源装置2から射出する光量を確実に制御し、良好な撮像が可能なモニタ装置50を提供することができる。
[プロジェクタ]
図13は、本発明に係るプロジェクタの概略構成図である。図中においては、簡略化のためプロジェクタ70を構成する筐体は省略している。本実施の形態に係るプロジェクタ70は、赤色光を射出する赤色レーザ光源装置72Rと、緑色光を射出する緑色レーザ光源装置72Gと、青色光を射出する青色レーザ光源装置72Bと、を備える。
赤色レーザ光源装置72Rは、前述した第1の実施の形態のレーザ光源装置2と同一の構成を備える。赤色のレーザ光LBrを射出する半導体レーザアレイである。緑色レーザ光源装置72Gは、前述した第1の実施の形態のレーザ光源装置2と同一の構成を備え、その他に、光波長変換素子56及び反射ミラー58を備える。この光波長変換素子56では、緑色の波長のレーザ光LBgを射出するように波長変換がなされている。青色レーザ光源装置72Bは、前述した第1の実施の形態のレーザ光源装置2と同一の構成を備え、その他に、光波長変換素子56及び反射ミラー58を備える。この光波長変換素子56では、青色の波長のレーザ光LBbを射出するように波長変換がなされている。
又、プロジェクタ70は、液晶ライトバルブ(変調部)74R,74G,74Bと、クロスダイクロイックプリズム(色光合成部)76と、投写レンズ(投写部)78と、を備える。液晶ライトバルブ74R,74G,74Bは、各色のレーザ光源装置72R,72G,72Bから射出された各色のレーザ光LBr,LBg,LBbをパソコン等から送られてきた画像信号に応じてそれぞれ変調する。クロスダイクロイックプリズム76は、液晶ライトバルブ74R,74G,74Bから射出された光を合成して投写レンズ78に導く。投写レンズ78は、液晶ライトバルブ74R,74G,74Bによって形成された像を拡大してスクリーン80に投写する。
更に、プロジェクタ70は、各レーザ光源装置72R,72G,72Bから射出されたレーザ光の照度分布を均一化させるため、各レーザ光源装置72R,72G,72Bよりも光路下流側に、均一化光学系82R,82G,82Bを設けている。これらによって照度分布が均一化された光によって、液晶ライトバルブ74R,74G,74Bを照明している。例えば、均一化光学系82R,82G、82Bは、ホログラムやフィールドレンズによって構成される。
各液晶ライトバルブ74R,74G,74Bによって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム76に入射する。このプリズムは4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成される。そして、合成された光は投写光学系である投写レンズ78によりスクリーン80上に投写され、拡大された画像が表示される。
以上のように構成されたプロジェクタ70によれば、レーザ光源装置72R,72G,72Bから射出する光量を確実に制御すると共に、光量が制御された光を液晶ライトバルブ74R,74G,74Bで変調することで、ダイナミックレンジが広く映像表現力に優れたプロジェクタ70を提供することができる。
尚、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブを用いたが、液晶以外のライトバルブを用いてもよいし、反射型のライトバルブを用いてもよい。このようなライトバルブとしては、例えば、反射型の液晶ライトバルブや、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micro mirror Device)が挙げられる。投射光学系の構成は、使用されるライトバルブの種類によって適宜変更される。
尚、本発明は上記した実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
前記実施の形態では、半導体レーザアレイとしてVCSEL型のものを用いていたが、これに換えて、光の共振する方向が基板面に対して平行になる端面発光型の半導体レーザアレイを用いる構成としてもよい。更には、レーザ光源は、半導体レーザに換えて、固体レーザ、液体レーザ、ガスレーザ、自由電子レーザ等、他の種類のレーザとすることもできる。
又、前記実施の形態のプロジェクタ70は、いわゆる3板式の液晶プロジェクタであったが、これに換えて、色毎に時分割でレーザ光源装置を点灯することにより1つのライトバルブのみでカラー表示を可能とした構成等の単板式の液晶プロジェクタとしてもよい。
又、走査型のプロジェクタとしてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
本発明の第1実施形態に係るレーザ光源装置の概略構成図である。 本実施形態に係るレーザ光源装置の概略回路図である。 各々のレーザ光源の駆動についての説明図である。 第1実施形態のレーザ光源装置の全体構成を説明する概略図である。 駆動信号のデューティ比を示した図である。 駆動信号選択回路で行われる処理について説明する図である。 駆動信号の駆動周波数を示す図である。 駆動信号選択手段で行われる処理について説明する図である。 本発明の第2実施形態に係るレーザ光源装置の説明図である。 第2実施形態のレーザ光源装置の全体構成を説明する概略図である。 駆動信号選択手段で行われる処理について説明する図である。 本発明に係るモニタ装置の概略構成図である。 本発明に係るプロジェクタの概略構成図である。 光源数の変化に対する駆動信号の波形の違いを示す説明図である。
符号の説明
2,4…光源装置、10…レーザ光源、12…光源駆動部、18…スイッチ回路、26…記憶手段、32…駆動値制御手段(電圧制御手段、電流制御手段)、34…駆動値検出手段(電圧検出手段、電流検出手段)、50…モニタ装置、68…カメラ(撮像部)、70…プロジェクタ、74R,74G,74B…液晶ライトバルブ(変調部)、DC…駆動信号選択条件(信号選択条件)、f…駆動周波数、j…駆動電流、L…必要光量(射出すべき光量)、LC…光源数選択条件、N…光源総数(レーザ光源の総数)、P…駆動信号、r…デューティ比、v…駆動電圧、

Claims (12)

  1. 互いに並列に接続された複数のレーザ光源と、
    前記複数のレーザ光源から1または2以上のレーザ光源を選択し、選択された前記1または2以上のレーザ光源の各々に、前記レーザ光源をパルス駆動する駆動信号を供給する光源駆動部と、を備え、
    前記光源駆動部は、制御パラメータが異なる複数種類の駆動信号の中から、選択したレーザ光源の総数に対応する駆動信号を選択することを特徴とする光源装置。
  2. 前記光源駆動部は、前記複数のレーザ光源の各々に直列に接続するスイッチ回路を備え、
    前記スイッチ回路によって、前記駆動信号を供給することを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  3. 前記光源駆動部は、前記レーザ光源の総数と、前記レーザ光源の総数に応じた前記駆動信号と、の対応関係である信号選択条件を記憶する記憶手段を備え、
    前記記憶手段から取得する前記信号選択条件に基づいて、前記レーザ光源の総数に対応する駆動信号を選択することを特徴とする請求項1または2に記載の光源装置。
  4. 前記光源駆動部は、前記複数のレーザ光源が射出すべき光量と、前記射出すべき光量に応じた前記レーザ光源の総数と、の対応関係である光源数選択条件を記憶する記憶手段を備え、
    前記記憶手段から取得する前記光源数選択条件に基づいて、前記射出すべき光量に対応する前記レーザ光源の総数を選択することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光源装置。
  5. 前記光源数選択条件は、前記レーザ光源の総数の増加に対して前記射出すべき光量が線形で増加する対応関係であることを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
  6. 前記光源駆動部は、前記複数種類の駆動信号の中から、前記制御パラメータのうちデューティ比を制御した駆動信号を選択することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光源装置。
  7. 前記光源駆動部は、前記複数種類の駆動信号の中から、前記制御パラメータのうち駆動周波数を制御した駆動信号を選択することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光源装置。
  8. 前記光源駆動部は、前記複数種類の駆動信号の中から、前記制御パラメータのうち駆動電圧または駆動電流の値である駆動値を制御した駆動信号を選択することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光源装置。
  9. 前記駆動値を検出する駆動値検出手段と、
    検出される前記駆動値の検出値、及び前記レーザ光源の総数に対応して選択される前記駆動値の選択値に基づいて、前記複数のレーザ光源への供給する前記駆動信号の前記駆動値を制御する駆動値制御手段と、を有することを特徴とする請求項8に記載の光源装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の光源装置と、
    前記光源装置により照明された被写体を撮像する撮像部と、を備えることを特徴とするモニタ装置。
  11. 請求項1から9のいずれか1項に記載の光源装置と、
    前記光源装置からの光を画像信号に応じて変調する変調部と、を備えることを特徴とするプロジェクタ。
  12. 複数のレーザ光源を備え、前記複数のレーザ光源から選択する1または2以上のレーザ光源の各々をパルス駆動させる光源装置の駆動方法であって、
    選択したレーザ光源の総数に対応して複数種類の駆動信号の中から選択される駆動信号によって、前記選択したレーザ光源の各々を駆動することを特徴とする光源装置の駆動方法。
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