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JP2009269642A - ラップフィルムロール体収容容器 - Google Patents

ラップフィルムロール体収容容器 Download PDF

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JP2009269642A
JP2009269642A JP2008120797A JP2008120797A JP2009269642A JP 2009269642 A JP2009269642 A JP 2009269642A JP 2008120797 A JP2008120797 A JP 2008120797A JP 2008120797 A JP2008120797 A JP 2008120797A JP 2009269642 A JP2009269642 A JP 2009269642A
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Tsugio Sato
藤 二 男 佐
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Abstract

【課題】 ロール体の飛び出しを防止し、ラップフィルム裁断後の引き出し端縁の巻き戻りを阻止すると共に、小さな掌にも把持し易く、しかも安定的に定置可能な新たなラップフィルム用の収容容器を提供する。
【解決手段】 上蓋5前部折り曲げ部50を容器本体3前部30外側に該容器本体3高さよりも短く下降し、その下端に亘ってフィルムカッター52を添設した前垂れ片51に形成する一方、容器本体3内に収容したロール体2を同底部31に接地させぬよう、当該容器本体3前部30、底部31、後部32とから形成される溝部33断面形状を、少なくとも同前部30と底部31との境界辺りに所定長さの斜辺6が形成されたものとなし、且つ当該前垂れ片51背面との間に、垂下状の自由端となるラップフィルム20引き出し端縁22を同前部30から離反状としてしまう間隙部7を確保し得るよう規制してなるラップフィルムロール体収容容1である。
【選択図】 図2

Description

この発明は、食品などを包装するラップフィルムやアルミホイル、クッキングペーパーなどのロール体を収納する容器に関するものであり、こうしたロール体収容容器を製造する分野は勿論のこと、その製造、輸送、保管、陳列および販売などに必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
市場に販売されている一般家庭向けの食品用ラップフィルムは、一般に図10の従来型ラップフィルムロール体収容容器の斜視図、および図11のラップフィルムロール体収容容器の断面図中に示すように、幅30cmか22cm、長さ30mないし50mの透明樹脂フィルム20を厚紙製の紙筒21に捲回、積層されたロール体2が、厚紙製の箱型容器本体3に収められたものとなっており、該容器本体3は、ロール体2を収容可能なサイズに設定された前部30、底部31、後部32、および、それらによって形成された溝部33両端を塞ぐ左右両側部34,34からなり、同容器本体3上面に開口した開口部35に臨む後部32上端縁に後部折り曲げ部4を介して上蓋5を連続形成し、同上蓋5の開口部35に臨む容器本体3前部30上端縁を越えた直近箇所が前部折り曲げ部50となり、同容器本体3前部30外側に折り曲げ、そのまま当該容器本体3高さよりも小さい値の寸法分だけ直線的に下降して所定巾とする前垂れ片51に形成し、該前垂れ片51の下端全長に亘ってフィルムカッター52が添設、形成され、ラップフィルム20を使用する場合には、当該箱型容器本体3を図示しない片手に保持し、その内部に収められているロール体2端縁22を図示しない反対がわの手で摘み、同開口部35を通じて必要量を引き出してから上蓋5を閉鎖して抑え込み、同上蓋5、前垂れ片51下端にあるフィルムカッター52にラップフィルム20対応箇所を押し当て、引き裂き状に裁断し、食品類の包装などに利用するものである。
このような箱型容器本体3に収納されたラップフィルム20ロール体2は、同ラップフィルム20、引き出し端縁22を外側に向けて引き出し操作すると、該ロール体2自体が、その軸心(図示せず)回りに自転しながら、図11中の一点鎖線矢印および一点鎖線円弧に示すように、様々な(上下、前後、斜めなどの)方向に跳ね動く現象が発生し、当該上蓋5で上面開口部35を適度な閉鎖加減にしないと、ロール体2が容器本体3外に飛び出してしまうことが多くあり、または、引き出し操作によって同ロール体2が底部31上に浮いたまま、フィルムカッター52により、切断した後、当該上蓋5を抑えていた手を放すと、同ロール体2が底部31上に落下して、ラップフィルム20、引き出し端縁22が容器本体3内に巻き戻り、ロール体2外周壁に密着状となってしまい、再度ラップフィルム20端縁22を引き出そうとするときには、ラップフィルム20端縁22を見つけて引き出すのに大変苦労してしまうことになるなど、無難に使用するには、何度か失敗(裁断に失敗した分のラップフィルム20は、利用できず廃棄しなければならないことも多い。)しながら、ある程度の要領を覚える必要があり、さらにまた、同図11中に示すように、フィルムカッター52で切断した後のラップフィルム20端縁22が、当該上蓋5前垂れ片51の抑え付けによって前部30外壁面に密着状となってしまい、後に利用する際に同ラップフィルム20端縁22を探し、剥がすのに一苦労してしまうという不都合な現象を招くことがあった。
こうしたロール体2の飛び出しや、ラップフィルム端縁22の容器本体3内への巻き戻りなどの問題を解決しようと、従前より図10および図11中に示すように、容器本体3開口部35に相当する前部30上端縁、および左右両側部34,34上端縁の双方または何れか一方に、直線状折り曲げ部分を介して内向きに折り曲げられた抑えフラップ部36,36,36が一体形成されたものとし、ロール体2平面形状の周囲を上がわから抑え込むものとしたり、左右両側部34,34の各中央付近に、ロール体2の紙筒21内径よりも僅かに小さな外径寸法に設定された舌片状部分が、その外周の一部を除くミシン孔によって形成されたものとし、利用者が左右各舌片状部分を容器本体3内に押し込むようにして切り起こし、該紙筒21両端に遊嵌状となって回転自在に支持するようになる枢支用舌片部37,37を設けたりしたものなどが市販されているが、前記抑えフラップ部36,36,36を大きくし過ぎると、回転時、摺動摩擦を増大してラップフィルム端縁22の円滑な引き出し操作の障害となってしまい、また、小さくてはロール体2の飛び出しを防止できないという欠点を有しており、前記枢支用舌片部37,37は、ロール体2の枢着に充分な強度を持たせるとロール体2の円滑な回転を阻害し、強度不足ではロール体2の飛び出しを阻止できないという欠点があり、何れも容器本体3からロール体2を取り出したり、装着したりするのには不便な構造となってしまい、利用者が満足できるような有効な解決策とはなっていなかった。
また、そもそも、図10および図11中に示すように、矩形断面形状とした従来型のロール体2収容容器1は、片手で把持するのが難しく、手の小さな子供や女性などには非常に使い難いものであった。
(従来の技術)
そうした事情を打開しようとして、例えば、後記する特許文献1(1)に掲載されている発明のように、容器本体の前部と底部との間を曲面で結ぶ形状として容易に握持できるようにし、内部のラップフィルムを交換することによって恒久的に利用可能な「ラップフィルムケース」や、同特許文献1(2)に示されている「ラップフィルム収納紙箱」発明に見られるとおりの、横長長方形状の底部と後部との間に、横長長方形状の斜面板を、夫々折り目線を介して連設し、左右の正方形状の両側部の底後隅部を夫々斜めに切断し、掌に密着して良く馴染み、またフィルムを切断した時の反動による巻戻り量を少なくできるようにしたもの、または、同特許文献1(3)に提案されているものに代表されるように、容器本体の前部を本体内部空間が上窄まりとなるように、内向きに傾斜させたものとし、ロール体2の飛び出しを阻止するようにした「ロール状フィルム体の収納箱」や、同特許文献1(4)に見られるような、容器本体3前部の内面上端部の長さ方向に沿って内向きに突出する筒状補強部を設けてロール体2の飛び出しを阻止するものとした「ラップフィルム収納箱」などが散見される。
しかし、前者特許文献1(1)や同特許文献1(2)などに示されているような底部と前部との間か、または、底部と後部との間かの何れか一方か、あるいは双方かの何れかに傾斜面もしくは曲面を形成したロール体収容容器は、手の小さな子供や女性などにも把持し易いという利点が得られる反面、底部面積が狭くなり、テーブルや棚上などに載置した際などに安定せずに横転したり、転倒したりし易くなってしまい、使い勝手が悪化してしまうという欠点を有するものであった。また、後者特許文献1(3)および同特許文献1(4)などに開示されたもののように、容器本体の上面開口部を上窄まり状としたり、容器本体前部の上端部に筒状補強部を内向き突設したものなどは、ロール体の飛び出しを抑制する機能が得られるが、容器本体上面の開口部が狭まり、開封直後の使い始めや誤ってラップフィルム引き出し端縁を容器本体内に巻き込んでしまったときなどに、同ラップフィルム端縁引き出しのため、ロール体を容器本体内から取り出やび収納する場合などの作業性が大幅に悪化してしまうという欠点を生じるものであった。
(1)特開平11−91795号公報 (2)特開2003−291959号公報 (3)特開平8−217084号公報 (4)特開2004−91030号公報
(問題意識)
上述してきたとおり、従前までに提案のある各種ラップフィルムロール体用の収容容器は、何れも掌に馴染みやすい外郭形状とするよう5角形以上の多角形状断面形や、一部に曲面を有する断面形状に設定したものにあっては、収容容器自体の底部面積が減少してしまって横転や転倒が起こり易くなり、テーブルや収納棚などへの載置、安定性の面で従来品よりも使い勝手が悪化してしまうという欠点を生じるものであり、また、収容したロール体の飛び出しを防止するよう容器本体の上面開口部を縮小したり、容器本体前部の内面上端部に筒状部分を形成したものなどにあっては、上面開口部の開口面積が減少してしまいロール体の取り出しや収容の際の操作性を悪化させてしまうという欠点を生ずるものであり、こうした欠点を解決できる技術については未だ存在しないという状況にある。
(発明の目的)
そこで、この発明は、ロール体の飛び出しを防止し、ラップフィルム裁断後の引き出し端縁の巻き戻りを阻止できると共に、小さな掌にも把持し易く、しかも安定的に定置可能な新たなラップフィルム用の収容容器の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造のラップフィルムロール体収容容器を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明のラップフィルムロール体収容容器は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、所定サイズのラップフィルムを捲回したロール体収容に相応しい空間を実現するように規制したサイズの前部、底部、後部と、それらで形成される溝部両端を塞ぎ、且つ安定据え置き用とすべく、その底辺長が当該ロール体最大径以上となる矩形または矩形状に規制してなる左右両側部とから、上面だけを開口して開口部とした箱型の容器本体に形成すると共に、該開口部に臨む後部上端縁からは、同縁を後部折り曲げ部として当該容器本体開口部を隠蔽可能とする形状の上蓋を連続形成した上、同上蓋にあって開口部に臨む容器本体前部上端縁を越えた直近箇所を前部折り曲げ部として同容器本体前部外側に折り曲げ、そのまま当該容器本体高さよりも小さい値の寸法分だけ直線的に下降して所定巾とする前垂れ片に形成し、該前垂れ片の下端全長に亘ってフィルムカッターを添設、形成したものとする一方、当該容器本体の前部、底部、後部とから形成される溝部断面形状を、少なくとも同前部と底部との境界辺りに所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分が形成されたものとなし、溝部内部に収容したロール体を同底部に接地させず、且つ当該前垂れ片背面との間に、垂下状の自由端となるラップフィルム引き出し端縁を同前部から離反状としてしまう間隙部を確保し得るよう規制してなるものとした構成を要旨とするラップフィルムロール体収容容器である。
この基本的な構成からなるラップフィルムロール体収容容器を表現を変えて示すと、所定サイズのラップフィルムを捲回したロール体収容に相応しい空間を実現するように規制したサイズの前部、底部、後部と、それらで形成される溝部両端を塞ぎ、且つ安定据え置き用とすべく、その底辺長が当該ロール体最大径以上となる矩形または矩形状に規制してなる左右両側部とから、上面だけを開口して開口部とした箱型の容器本体に形成すると共に、該開口部に臨む後部上端縁からは、同縁を後部折り曲げ部として当該容器本体開口部を隠蔽可能とする形状の上蓋を連続形成した上、同上蓋にあって開口部に臨む容器本体前部上端縁を越えた直近箇所を前部折り曲げ部として同容器本体前部外側に折り曲げ、そのまま当該容器本体高さよりも小さい値の寸法分だけ直線的に下降して所定巾とする前垂れ片に形成し、該前垂れ片の下端全長に亘ってフィルムカッターを添設、形成したものとする一方、当該容器本体の前部、底部、後部とから形成される溝部断面形状を、少なくとも同前部と底部との境界辺りに所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分が形成されたものとなし、溝部内部に収容したロール体を同底部に接地させず、且つ当該前垂れ片背面との間に、垂下状の自由端となるラップフィルム引き出し端縁を同前部から離反状としてしまう間隙部を確保し得るよう規制し、ロール体からのラップフィルム引出し量如何に係わらず、容器本体内のロール体の遊びを無くして、容器本体前部および前垂れ片背面間間隙部内におけるラップフィルム引き出し端縁の位置および姿勢の独自性を確保するようにしてなるものとした構成からなるラップフィルムロール体収容容器となる。
以上のとおりの新規な構成からなるこの発明のラップフィルムロール体収容容器によれば、従前までのものでは、ラップフィルム引き出し端縁の収め方や取扱い処理に課題を残したり、それらに対処したために容器自体の安定性に支障が出たり、容器本体へのロール体の収納、取り出しの操作性を悪化してしまうというなど欠点を開所し切れていないものとなっていたが、前部、底部、後部で形成する溝部両端を、底辺長が当該ロール体最大径以上となる矩形または矩形状に規制した左右両側部で塞ぎ、上面開口部を有した容器本体に形成し、後部上端縁の後部折り曲げ部を介して上蓋を連続した上、同上蓋の前部上端縁を越えた直近箇所を前部折り曲げ部とし、前部外側に該容器本体高さよりも短く下降し、その下端に亘ってフィルムカッターを添設した前垂れ片に形成する一方、溝部内部に収容したロール体を同底部に接地させないよう、当該前部、底部、後部とから形成される溝部断面形状を、少なくとも同前部と底部との境界辺りに所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分が形成されたものとなし、且つ当該前垂れ片背面との間に、垂下状の自由端となるラップフィルム引き出し端縁を同前部から離反状としてしまう間隙部を確保し得るよう規制してなるものとし、該間隙部が、ラップフィルム引き出し端縁の該前部外壁への密着を防ぎ、次回以降のフィルム引き出し端縁の摘み出しを容易にすると共に、収容したロール体を、前記所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分と後部との間か、または、該所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分同士間かの何れかに保持されるよう収容し、同ロール体のラップフィルム引き出しの際の回転軸心が安定的に維持されるものとなし、ラップフィルムの引き出しに伴うロール体の跳ね上がりや、上面開口部からの飛び出しなどを確実に防止できるものとなる上、子供や女性の小さな手にも把持し易く、しかも左右両側部下端およびそれら下端面付近が、前記所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分の形状、寸法に関わらず、当該収容容器底部がわの4角付近を確りと支持して、テーブルや棚上などに置いたときに、不用意な横転や転倒を確実に防止するなど、従前まで解決されていなかった様々な場面での取扱い性を大幅に改善することができるという秀れた特徴が得られるものである。
換言すると、前記所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分と、上蓋の前垂れ片およびフィルムカッターとの間に、間隙部を確保して引き出し端縁を前部、前垂れ片背面から独立した自由端としたままの状態にするため、少なくとも同前部と底部との境界辺りに所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分を形成し、ラップフィルムの巻き戻りを防止する如く、ロール体(の回転中心)が収容容器内部で動けないようにする構造が必須となるが、該所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分が功を奏し、当該ラップフィルムロール体収容容器の縦断面周囲寸法を縮小するものとなり、小さな子供や女性などの手にも確実に把持できるものとなり、従来型のものに比較して遙かに秀れた操作性を得ることができるものとなるということができる。
加えて、容器本体の前部、底部、後部とから形成される溝部断面形状が、同後部と底部との間では直角を確保したままに形成したラップフィルムロール体収容容器は、同前部と底部との境界辺りにのみ所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分を形成したものとなり、組み立て構造および製造工程を複雑化することなく、前述の効果を奏するものとすることができる。
また、容器本体の前部、底部、後部とから形成される溝部断面形状が、同後部と底部との間にも、所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分が形成されてなるものとしたラップフィルムロール体収容容器は、収容したフィルムロール体の回転中心を、収容容器の中央寄りに保持可能になると共に、同フィルムロール体外周面が、前後がわの両斜辺、斜辺対湾曲部分、湾曲部分対斜辺または両湾曲部分の何れかの組み合わせによって均衡、保持されるものとなり、一段と確実にフィルムロール体の跳ね上がりや飛び出しを防止できる上、同収容容器全体の重心を、その中心付近に配するものとなって、テーブルや棚上などに、より安定的に載置することができるものとなる。
さらにまた、容器本体の前部と底部との境界辺りに形成する所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分は、容器本体溝部全長方向中心から左右均衡した配置になるよう規制した上、同溝部全長よりも短い範囲に形成されてなるものとしたものは、該斜辺または湾曲部分のフィルムロール体外周面への接触、保持面積を減少させることができ、ラップフィルム引き出しの際の接触抵抗を大幅に低減し、より軽快な引き出し操作を実現可能とするものとなる。
そして、上蓋は、左右両端にも夫々左右垂れ片が下降形成され、対応する左側部または右側部の各外がわに添設状となり得るようにすると共に、夫々の容器本体前部がわ端縁が前垂れ片に連結されてなるものとしたものは、各左右垂れ片が上蓋左右両端と前垂れ片左右端とを略直角状に連結することから、上蓋全体の剛性を高め、一段と安全且つ容易にラップフィルムを裁断することができるようになり、しかも上蓋が、容器本体、開口部をより確実に閉鎖し、埃や害虫などの侵入を一段と確実に阻止でき、ラップフィルムのさらに衛生的な保管を実現化することができるものとなる。
また、前垂れ片下端全長に亘って添設、形成するフィルムカッターは、その刃先方向を下方向きとなるようにしてなるものは、上蓋前垂れ片下端へのフィルムカッターの装着構造を、外の構造に比較して大幅に簡素化することができ、より経済的な製造を実現、可能とすることができ、容器本体前部に直交する方向にラップフィルムを引き裂くのに有利な構造とすることができる。
さらにまた、前垂れ片下端全長に亘って添設、形成するフィルムカッターは、その刃先方向が容器本体前部がわに向くようにしてなるものは、フィルムカッターの刃先が外側に向かって露出するのを確実に防止して安全性を格段に高めたものとすることができる上、容器本体前部に直交する方向にラップフィルムを引き裂く場合の刃先剛性を大幅に高めることができ、換言すればフィルムカッターを薄型化、軽量化、低廉化するのに有利な構造といえる。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
ロール体は、主に食品を容易且つ衛生的に包装することを目的とした樹脂フィルム(ラップフィルム)を厚紙製の紙筒に捲回、積層状としたものであり、該ラップフィルムは、セロハン、ポリエチレンテレフタレート、延伸ポリプロピレン、ナイロン(商品名)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリメチルペンテン、またはそれらの複合樹脂などからなるフィルムということができ、それ以外のアルミホイルやキッチンペーパーなどのシートを、筒体に捲回状に積層してなるものと置き換えることが可能である。
容器本体は、ロール体を上面開口部から収容可能とし、該ロール体からラップフィルムを引き出すよう操作した場合に、同ロール体の中心より下がわとなる円筒周壁面を回転自在、且つ安定的に保持可能とする機能を果たし、ロール体収容に相応しい空間を実現するように規制したサイズの前部、底部、後部と、それらで形成される溝部両端を塞ぎ、且つ安定据え置き用とすべく、その底辺長が当該ロール体最大径以上となる矩形または矩形状に規制してなる左右両側部とから、上面だけを開口して開口部とした箱型のものとし、少なくとも該前部と底部との境界辺りに所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分が形成されたものとなし、溝部内部に収容したロール体を同底部に接地させないよう収容、保持可能なものとしなければならならず、例えば従前からの殆どのものがそうであるように厚紙製の箱体からなるものとする外、場合によっては樹脂シート製や金属シート製または樹脂成形品などとすることも勿論可能である。
容器本体溝部は、容器本体前部、底部、後部および左右両側部、ならびに少なくとも同前部と底部との境界辺りに形成した所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分によって包囲された溝型の空間部分であってロール体収容に相応しいサイズの空間を囲むものであり、上面が開口部を形成、施蓋時以外は開放状態のものとしなければならず、容器本体前後部の下端と底部前後端との間、双方に所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分を形成してなるものとすることができる。
容器本体前部は、同底部、後部、左右両側部によってロール体収容に相応しい空間を実現化する溝部周壁の一部を形成するものであり、その下端を必ず、同前部と底部との境界辺りに形成した所定長さの斜辺の上端か、または所定曲率の湾曲部分の上端かの何れか一方に一体化すると共に、左右端を左右両側部前端夫々に一体化したものとし、左右幅寸法を収容対象物であるロール体の収容に相応しい幅寸法に設定したものとしなければならず、上端縁には、ロール体の飛び出しを阻止可能な抑えフラップ部を内向きに折り曲げ可能に一体化、形成したものとすることができる。
容器本体底部は、同前部、後部、左右両側部によってロール体収容に相応しい空間を実現化する溝部の一部を形成するものであり、その前端を必ず同前部と同底部との境界辺りに形成した所定長さの斜辺の下端か、または所定曲率の湾曲部分の下端かの何れか一方に一体化すると共に、左右端を左右両側部下端付近の夫々に一体化した上、その後端には、後部下端を一体化したものとするか、または、後部と同底部との境界辺りに形成した所定長さの斜辺の下端か、または所定曲率の湾曲部分の下端を一体化したものとするかの何れか一方に設定したものとし、且つ、後部と所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分との間に保持されるか、あるいは、前後部下端の夫々に一体化された所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分の間に保持されたロール体が、接地(接触)しない寸法、配置となるよう設定されたものとし、左右幅寸法を収容対象物であるロール体の収容に相応しい幅寸法に設定したものとしなければならない。
容器本体後部は、同前部、底部、左右両側部によってロール体収容に相応しい空間を実現化する溝部の一部を形成するものであり、その下端を、同底部の後端か、または、同底部後端との境界辺りに形成した所定長さの斜辺の上端か、あるいは所定曲率の湾曲部分の上端かの何れか一方に一体化すると共に、左右両側部の後端付近、夫々に一体化したものとすることができ、その上端には、上蓋後端との境界付近となる後部折り曲げ部を一体化してなるものとしなければならない。
容器本体左右両側部は、容器本体前部、底部、後部と、それらで形成される溝部両端を塞ぐと共に、同前部と底部との境界辺りに形成された所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分、および必要に応じて後部と底部との境界辺りに形成された所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分により、減少してしまった底部接地面積を補うよう、容器本体の左右端底部縁を前部と後部との間に亘って拡張し、安定据え置きを担うものとなるという機能を果たし、底辺前後長寸法が当該ロール体最大径以上となる矩形または矩形状に規制してなるものとしなければならず、左右双方の下端縁が互いに水平線状、且つ平行状の接地線状面を確保可能に形成されたものとし、且つ容器本体の左右端を支持するに充分な強度を確保したものとすべきであり、それら上端部夫々に、ロール体の飛び出しを阻止可能な抑えフラップ部が内向きに折り曲げ可能に一体化、形成されたものとしたり、また、それら中央部分夫々に、ミシン孔によって象られた舌片状部分を容器本体内に押し込むようにして切り起こし、同容器本体内に収容されているロール体の紙筒両端中に遊嵌状となって、同ロール体を回転自在に支持するようになる枢支用舌片部が、一体形成されたものとしたりすることができる。
容器本体開口部は、容器本体内部空間中にラップフィルムロール体を収容姿勢のままで、同容器本体上面を通じて出入れ可能にすると共に、該ロール体のフィルム引き出し端縁を、同容器本体上面を通じて同内部空間より引き出し可能とする機能を果たし、容器本体前部、後部、それらで形成される溝部両端を塞ぐ左右両側部の各上端縁が包囲する形状部分であって、容器本体上面を通じて所定サイズのラップフィルムロール体を収容するのに相応しい平面形状に設定されたものとしなければならない。
後部折り曲げ部は、容器本体後部上端縁に上蓋後端縁を、折り曲げ開閉自在とするよう一体化する機能を果たし、後述する実施例に示すように、当該ロール体収容容器を形成するシート素材に薄肉部またはV溝などをプレス加工または刻設するなどして後部上端縁に沿う直線状の応力集中部分(脆弱部分)を形成し、該応力集中部分を境に上蓋が開閉自在に回動するよう設定したものとすることができる外、別部品からなる枢軸機構や、軟質樹脂シート、布などからなるヒンジ機構を添設したものなどとすることが可能である。
上蓋は、当該容器本体開口部を開閉自在に隠蔽可能とし、ラップフィルムを必要量引き出して裁断するときに、同容器本体内に収容されたロール体から、開口部外前方に引き出したラップフィルム引き出し端がわ中途適所を、容器本体前部上端縁との間に挟み込み状に挟持し、ラップフィルムの引き出し量(裁断位置)を規制可能とする機能を果たすものであり、該容器本体開口部を隠蔽可能な形状とし、同開口部に臨む容器本体前部上端縁を越えた直近箇所を前部折り曲げ部として同容器本体前部外側に折り曲げ、前垂れ片に形成し、該前垂れ片の下端全長に亘ってフィルムカッターを添設、形成したものとしなければならず、後述する実施例に示すように、左右両端にも夫々左右垂れ片が下降形成され、対応する左側部または右側部の各外がわに添設状となり得るようにすると共に、夫々の容器本体前部がわ端縁が前垂れ片の左右端がわに連結されてなるものとすることができる。
上蓋の前部折り曲げ部は、当該ロール体収容容器の製造過程において、同上蓋と前垂れ片とを互いに直角状に折曲加工、容易とするよう同上蓋前端縁と前垂れ片上端縁とを境に折り曲げ容易、且つ一体に連結する機能を果たし、前記後部折り曲げ部と略同様のものとすることができる。
前垂れ片は、上蓋が容器本体開口部を閉鎖した場合に、該容器本体前部外面との間に垂下状の自由端となるラップフィルム引き出し端縁を、同前部から離反状としてしまう間隙部を確保し得るものとなり、しかも容器本体高さの中途適所となる下端全長に亘ってフィルムカッターを添設可能とする機能を果たし、施蓋状態にある上蓋の、容器本体前部上端縁を越えた直近箇所に相当する同上蓋前部折り曲げ部から、当該容器本体高さよりも小さい値の寸法分だけ直線的に下降した、収容対象のラップフィルム巾に略一致するか、または、容器本体左右長を僅かに超えた所定巾寸法の板状をなすものとし、その下端の略全長に亘ってフィルムカッターを添設したものとしなければならず、左右巾中央付近適所を親指で抑えるようにしたまま、ラップフィルムを安全且つ簡単に引き裂くことができる程度に充分な剛性を有し、形状維持できるものとすべきであり、該前垂れ片左右端縁に対し、上蓋左右端縁に各上端を一体化した両側垂れ片の前端縁がわを夫々一体化し、一段と剛性を高めたものとするのが望ましい。
フィルムカッターは、概ね鋸刃状の充分に硬質な切刃部分を、前記前垂れ片の下端に添って形成し、ラップフィルム引き出し端がわの所望適所を簡便に裁断可能とする機能を果たし、収容対象のラップフィルムを簡単に裁断可能な程度の形状および硬度を有するものとし、容器本体前部と底部との境界辺りに形成した所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分との間にラップフィルム引き出し端縁を同前部から離反状としてしまう間隙部を確保し得るよう規制された配置としなければならず、少なくともラップフィルム巾に相当する長さか、または、僅かにラップフィルム巾を超えた長さかの何れか一方に設定されたものとし、ラップフィルムは簡単に引き裂き、裁断可能であるが、手指などの多少の接触では容易に怪我を負わない程度の刃先状態に設定し、金属製や硬質樹脂製、複合材料製のもの等、所望の強度、形状、寸法、安全性、生産性などの各種条件を満たすものとすべきであり、刃先を前垂れ片に略平行な下向きとするか、または、前垂れ片に略直交し、容器本体前部と底部との境界辺りに形成した所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分がわに刃先が向かう内向き姿勢とするかの何れかに設定されたものとすることができる。
前記容器本体および上蓋の各部必要箇所には、夫々適宜各部分同士を接着、結合可能とする結合片を一体化したものとし、端部同士が突き合わせ状の配置となる隣接部品に、該結合片を重ね合わせ、接着剤または熔着などによって一体化、結合するようにしたものとすることができ、例えば、後述する実施例に示すように、容器本体前部の左右端縁夫々に結合片を延伸、一体化し、同前部に対して直角となるよう内がわ方向に折曲した左右結合片夫々の外側面に、左右両側部の各内側面対応箇所が重なるよう接着剤によって一体化、結合したものとすることができる。
所定長さの斜辺は、上方(容器本体開口部)に向かうほど容器本体溝部内の前後間寸法を拡開状とし、換言すれば、下方(容器本体底部)に向かうほど容器本体溝部内の前後間寸法を縮小するよう規制可能とし、容器本体後部に対峙するよう容器本体前部と底部との境界辺りに形成して同後部内壁面との間に収容ロール体を回転自在に保持可能とするか、または、容器本体前部と底部との境界辺りにある同斜辺と、容器本体後部と底部との境界辺りにある同斜辺との間に収容ロール体を回転自在に保持可能とするかの何れかの機能を果たすものであり、後述する実施例に示すように、ラップフィルムロール体の中心より下方となる外周壁面に接触、支持可能なものにすると共に、少なくとも容器本体前部と底部との境界辺りに設けたものとし、上蓋前垂れ片およびフィルムカッターとの間にラップフィルム引き出し端縁を同前部から離反状としてしまう間隙部を確保し得るよう規制された配置となるよう設定しなければならず、容器本体後部と底部との境界辺りに設けたり、前後斜辺を前後対象形状に設定したものとすることができる外、前後の各斜辺の長さおよび角度を個別に設定し、前後非対称形状のものとすることができ、各斜辺は、所定曲率の湾曲部分に置き換えることが可能である。
また、後述する実施例に示すように、容器本体前部と同底部との境界辺りに形成する所定長さの斜辺は、容器本体溝部全長方向中心から左右均衡した配置になるよう規制した上、同溝部全長よりも短い範囲に形成されてなるものとすることができる。
所定曲率の湾曲部分は、前記所定長さの斜辺と略同等の機能を果たし得るものであり、前記所定長さの斜辺に置き換えることができ、その曲率は、容器本体内部空間がわに向いて凹面筒状となるものとすることが可能である外、後述する実施例に示すように、外向きに凸面筒状となるよう設定されたものとすることができる。
間隙部は、施蓋状態の上蓋、前垂れ片背面と容器本体前部外面との間に、垂下状の自由端となるラップフィルム引き出し端縁を、同容器本体前部から離反状となるよう所定の空間を確保する機能を果たし、施蓋状態にある上蓋、前垂れ片背面と容器本体前部外面との間、および同容器本体前部外面とフィルムカッター52の刃先との間夫々に、ラップフィルム引き出し端縁が容器本体前部外面に密着状とならない程度に充分な隙間を形成可能なものとしなければならない。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図1のラップフィルムロール体収容容器の斜視図、図2のラップフィルムロール体収容容器の縦断面図、図3の展開したラップフィルムロール体収容容器の平面図に取り上げた事例は、上蓋5前部折り曲げ部50を容器本体3前部30外側に該容器本体3高さよりも短く下降し、その下端に亘ってフィルムカッター52を添設した前垂れ片51に形成する一方、容器本体3内部に収容したロール体2を同底部31に接地させないよう、当該容器本体3前部30、底部31、後部32とから形成される溝部33断面形状を、少なくとも同前部30と底部31との境界辺りに所定長さの斜辺6が形成されたものとなし、且つ当該前垂れ片51背面との間に、垂下状の自由端となるラップフィルム20引き出し端縁22を同前部30から離反状としてしまう間隙部7を確保し得るよう規制してなるものとしたこの発明のラップフィルムロール体収容容器における代表的な一実施例を示すものである。
それら図1ないし3各図からも明確に把握できるとおり、この発明のラップフィルムロール体収容容器1は、幅30cmか22cm、長さ30mないし50mの透明ラップフィルム20を、直径30ないし40mmの厚紙製筒21に捲回したロール体2を収容するのに相応しい空間を実現するサイズに設定した前部30、底部31、後部32と、それらで形成される溝部33両端を塞ぎ、且つ安定据え置き用とするために、その底辺長が当該ロール体2最大径を僅かに超えた矩形状に規制してなる左右両側部34,34とからなり、上面だけに開口部35を開口した箱型の容器本体3を有し、該後部32と底部31との間は直角を確保したままに形成したものとする一方、該前部30と底部31との境界辺りには、同底部31の前後端間寸法が、前記紙筒21の外径より僅かに小さくなるよう規制する如く、所定長さの斜辺6を形成したものとする。
該容器本体3の開口部35に臨む後部32上端縁を後部折り曲げ部4とし、同後部32上端縁には、該後部折り曲げ部4を介して当該容器本体3開口部35を隠蔽可能とする形状、面積の上蓋5を連続形成した上、同上蓋5の前端縁であって、開口部35に臨む容器本体3前部30上端縁を越えた直近箇所を前部折り曲げ部50とし、同容器本体3前部30外側に折り曲げ、そのまま当該容器本体3高さよりも小さい値の寸法分だけ直線的に下降して所定巾とする前垂れ片51に形成し、該前垂れ片51の下端全長に亘ってフィルムカッター52を添設、形成されたものとする。
該上蓋5は、左右両端にも夫々左右垂れ片53,53が下降形成され、対応する左側部34または右側部34の各外がわに添設状となり得るようにすると共に、左右垂れ片53,53夫々の容器本体3前部30がわ端縁を、前垂れ片51左右端に連結したものとしている。
したがって、前記溝部33内部に収容したロール体2を同底部31に接地させず、しかも当該前垂れ片51背面との間に、垂下状の自由端となるラップフィルム20引き出し端縁22を同前部30から離反状としてしまう間隙部7を確保し得るよう規制し、ロール体2からのラップフィルム20引出し量如何に係わらず、容器本体3内のロール体2の遊びを無くして、容器本体3前部30および前垂れ片51背面間間隙部7内におけるラップフィルム20引き出し端縁22の位置および姿勢の独自性を確保するよう設定したものとなる。
当該ラップフィルムロール体収容容器1は、例えば、図3中に示すような形状に裁断された厚紙の破線で示す部分を夫々設計角度に折り曲げて組み立てることが可能であり、必要となる各所に適宜形状、寸法の結合片38,38,54,54,60,60などを形成し、それら結合片38,38,54,54,60,60などの必要箇所を、同図3中の二点鎖線に示すとおりに、対応箇所に接着剤を用いて重ね合わせ、結合するよう組み立てるものであり、組み立て後に容器本体3の開口部35に臨む同前部30上端縁、および左右両側部34,34上端縁の夫々には適宜寸法に設定した抑えフラップ部36,36,36を形成し、また、左右両側部34,34の各内壁がわとなり、溝部33に収容されたロール体2紙筒21の中心が対応する適所夫々には、同紙筒21内径よりも僅かに小さな外径寸法に設定された枢支用舌片部37,37が、外周の一部を除くミシン孔によって該紙筒21端内に向けて曲げ起こし可能とする如く形成されたものとしている。
図4の前後に所定長さの斜辺を形成したラップフィルムロール体収容容器の斜視図、および、図5の前後に所定長さの斜辺を形成したラップフィルムロール体収容容器の断面図に示すものは、容器本体3の前部30、底部31、後部32とから形成される溝部33断面形状が、同後部32と底部31との間にも所定長さの斜辺6を形成したものであり、前後対峙状配置となる所定長さの斜辺6,6は互いに前後対象形状となるよう設定されたものとしている。また、上蓋5前垂れ片51下端全長に亘って添設、形成するフィルムカッター52は、その刃先方向が容器本体3前部30下の所定長さの斜辺6がわに向き、しかも当該前垂れ片51背面およびフィルムカッター52と前部30前外面およびその直下にある所定長さの斜辺6前外面との間に、垂下状の自由端となるラップフィルム20引き出し端縁22を同前部30および所定長さの斜辺6から離反状としてしまう間隙部7を確保し得るよう設定したものである。
この実施例2以降、前記実施例1と同一部分、または同一機能を果たすものには、同一符号を付して説明を省略することとする。
図6の容器本体前部と底部との間に湾曲部分を形成したラップフィルムロール体収容容器の斜視図、および、図7の容器本体前部と底部との間に湾曲部分を形成したラップフィルムロール体収容容器の断面図に示すものは、容器本体3前部30と底部31との間に、溝部33の外側に向けて円筒型凸面状とするよう厚紙素材を三次元的に折曲、成型してなる所定曲率に規制した湾曲部分6が、容器本体3溝部33全長方向中心(図6中の一点鎖線に示す中心)から左右均衡した配置となるよう規制された上、同溝部33全長Lよりも短い範囲L1に形成されてなるものとし、その両端がわ所定範囲L2,L2(左右巾が互いに等しい)には、所定曲率の湾曲部分6が形成されていない形状とするよう設定したものである。
図8の手掛かり溝を形成したラップフィルムロール体収容容器の斜視図、および、図9の手掛かり溝を形成したラップフィルムロール体収容容器の断面図に示すものは、容器本体3底部31後端寄り外壁面の、同後部32下端付近に相当する箇所であって同底部31の全長より僅かに狭い範囲に亘り、中央が深く、左右端に向かうほど浅くなるよう設定した手掛かり溝8を成型し、さらに、同様の手掛かり溝8を上蓋5前垂れ片51上端寄り外壁面の、上蓋5天面前端寄りとなる箇所に形成したものの一例である。
(実施例の作用)
以上のとおりの構成からなるこの発明で実施例1のラップフィルムロール体収容容器1は、図3に示すよう裁断した厚紙から、効率的に製造可能なものであり、図1および図2中に示すように、上蓋5を開放して溝部33に収容したロール体2のラップフィルム引き出し端縁22必要量を引き出すと、その引き出し操作に伴い、該ロール体2は、容器本体3後部32と、上端がわが前傾状となる所定長さの斜辺6との間に保持されたまま、図11中の従来型において一点鎖線および同矢印で示してあるような跳ね上がり現象を起こすこともなく、殆ど定位置に止まったまま、安定して繰り出し方向に向けて回転動してラップフィルムを摺動状とすることとなる。
引き出したラップフィルム20を裁断する場合には、図2中に示すように、容器本体3前部30上端縁と、これに接合する上蓋5天面先端がわ裏面との間に、ラップフィルム20の中途適所を挟み込み、固定状としてしまうよう該上蓋5を閉鎖して抑え込んだ上、間隙部7から外部に露出しているラップフィルム20引き出し端縁22がわをフィルムカッター52に当てるよう操作して引き裂き状に裁断することが可能である。
そして、図2中に示すように、裁断終了後に間隙部7に残された新たなラップフィルム20引き出し端縁22は、容器本体3前部30外面およびこれに対峙する上蓋5前垂れ片51背面の双方から独立した自由端としたままの状態となり、ラップフィルム20引き出し端縁22の次回の摘みだし操作が容易になる。また、上蓋5を閉鎖状態に押さえ込む操作を止めた場合にも、当該ロール体2は、容器本体3後部32と、上端がわが前傾状となる所定長さの斜辺6との間に安定的に保持されたままとなって、底部31に落下できずに止まることから、間隙部7に垂れ下がり状に引き出されていたラップフィルム20引き出し端縁22が、容器本体3内に不用意に巻き戻されてしまって次回の摘み出しに支障を来してしまうような事態を確実に防止する。
この発明の実施例2に取り上げたラップフィルムロール体収容容器1は、図4および図5中に示すように、容器本体3前部30と底部31との境界辺り、ならびに、同後部32と底部31との境界辺りの双方に前後対象形状となるよう所定長さの斜辺6,6を形成してあり、それら前後の所定長さの斜辺6,6間にロール体2を緩やかに保持するものとなって、前記実施例1の図2中に示した後部32の垂直と所定長さの斜辺6との間に保持するものに比較し、より摺動抵抗を軽減し、軽快にラップフィルム20を引き出し操作し得るものとなる。
また、同図4および図5中に示すように、フィルムカッター52の刃先を容器本体3前部30と底部31との境界辺りに形成した所定長さの斜辺6に向けた姿勢に設定したものは、フィルムカッター52の露出状態を少なくし得る。
更に、実施例3に示すこの発明のラップフィルムロール体収容容器1は、図6および図7中に示すように、容器本体3前部30と底部31との境界辺りに形成した所定曲率の湾曲部分6の形成範囲巾L1を容器本体3溝部33全長方向中心(図6中の一点鎖線)から左右均衡した配置となるよう規制し、且つ溝部33全長Lより、左右夫々所定巾分L2,L2狭く設定してあり、該所定曲率の湾曲部分6のロール体2への接触面積が減少且つ均衡配置となってロール体2の回転を一段と安定化すると共に、回転時の摺動、摩擦抵抗を軽減可能させ得る。
図8および図9に示す実施例4のラップフィルムロール体収容容器1では、上蓋5前垂れ片51の手掛かり溝8に図示しない親指を、また、容器本体3底部31の手掛かり溝8に図示しないその他の4本の指を掛けるようにして確実に握持し得るものとなる。
(実施例の効果)
以上のような構成からなる実施例1のラップフィルムロール体収容容器1は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、図1ないし図3に示したように、容器本体3前部30と底部31との境界辺りにのみ所定長さの斜辺6を形成したものであり、同図3中に示したように、原料厚紙素材の形状を簡素化して、廉価にて製造することを可能にするという効果がある。
また、実施例2のラップフィルムロール体収容容器1は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、図4および図5中に示すように、前後対象形状の所定長さの斜辺6,6を設けてあり、溝部33内におけるロール体2の摺動抵抗を前後均等化および大幅に低減し、ラップフィルム20引き出し端縁22を一段と円滑に引き出す効果の点で有利なものとなっている。
そして、実施例3に取り上げてあるラップフィルムロール体収容容器1は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、図6および図7中に示すように、所定曲率の湾曲部分6が、その円筒内面形状をなした接触壁面によってロール体2との周回り方向接触面長を、前記実施例1中に示した所定長さの斜辺6の場合に比較して僅かに拡大し、接触圧力を分散可能として摩擦抵抗を格段に低減可能となり、しかも図6中に示すように、湾曲部分6の範囲巾L2を溝部33全長Lより短くしてあり、ロール体2の回転時、摺動摩擦を一層削減し、ラップフィルム20引き出し端縁22を、より軽快に引き出す点で有利になるもである。
更に、実施例4に見るラップフィルムロール体収容容器1は、図8および図9中に示すように、上蓋5前垂れ片51の手掛かり溝8、および、容器本体3底部31の手掛かり溝8の夫々に、図示しない片手の親指と、その他の4本の指とを、掛けるように握持し得るようにして手が滑って落下してしまうようなことを確実に阻止できるものとし、しかも引き出したラップフィルム20を裁断する場合にも、上蓋5をより確実に閉鎖することができ、不完全施蓋による裁断ミスが格段に減少することとなり、裁断の失敗によって無駄に破棄されるラップフィルム20の量を大幅に削減することになるという利点が加わることとなる。
(結 び)
叙述の如く、この発明のラップフィルムロール体収容容器は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からのラップフィルム容器に比較して格段に操作性に秀れ、裁断ミスによるラップフィルムの廃棄量を大幅に削減して遥かに経済的なものにすることができる上、ロール体の飛び出しや、ラップフィルム引き出し端縁の巻き戻り現象などを解消し、これまで様々に開発、提供を繰り返しては改良を重ねてきた樹脂フィルム業界およびそれに関連する樹脂材料業界はもとよりのこと、各メーカー毎に操作性が異なっていてラップフィルム裁断の要領に戸惑ってきた一般家庭や、そうした消費者の要望に応えようとするスーパーマーケット業界やホームセンター業界などにおいても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
図面は、この発明のラップフィルムロール体収容容器の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
ラップフィルムロール体収容容器を示す斜視図である。 縦断面化したロール体収容容器を示す側面図である。 展開したロール体収容容器を示す平面図である。 一部に変更を加えたロール体収容容器を示す斜視図である。 一部に変更を加えたロール体収容容器を示す断面図である。 湾曲部分を設けたロール体収容容器を示す斜視図である。 湾曲部分を設けたロール体収容容器を断面図である。 手掛かり溝を設けたロール体収容容器を示す斜視図である。 手掛かり溝を設けたロール体収容容器を示す断面図である。 従来のロール体収容容器を示す斜視図である。 従来のロール体収容容器を示す断面図である。
符号の説明
1 ラップフィルムロール体収容容器
2 ロール体
20 同 ラップフィルム
21 同 紙筒
22 同 ラップフィルム引き出し端縁
3 容器本体
30 同 前部
31 同 底部
32 同 後部
33 同 溝部
34 同 左右両側部
35 同 開口部
36 同 抑えフラップ部
37 同 枢支用舌片部
38 同 結合片
4 後部折り曲げ部
5 上蓋
50 同 前部折り曲げ部
51 同 前垂れ片
52 同 フィルムカッター
53 同 両側垂れ片
54 同 結合片
6 所定長さの斜辺(または所定曲率の湾曲部分)
60 同 結合片
7 間隙部
8 手掛かり溝
L 溝部全長
L1 同 湾曲部分の形成範囲巾
L2 同 湾曲部分を設けない範囲巾

Claims (8)

  1. 所定サイズのラップフィルムを捲回したロール体収容に相応しい空間を実現するように規制したサイズの前部、底部、後部と、それらで形成される溝部両端を塞ぎ、且つ安定据え置き用とすべく、その底辺長が当該ロール体最大径以上となる矩形または矩形状に規制してなる左右両側部とから、上面だけを開口して開口部とした箱型の容器本体に形成すると共に、該開口部に臨む後部上端縁からは、同縁を後部折り曲げ部として当該容器本体開口部を隠蔽可能とする形状の上蓋を連続形成した上、同上蓋にあって開口部に臨む容器本体前部上端縁を越えた直近箇所を前部折り曲げ部として同容器本体前部外側に折り曲げ、そのまま当該容器本体高さよりも小さい値の寸法分だけ直線的に下降して所定巾とする前垂れ片に形成し、該前垂れ片の下端全長に亘ってフィルムカッターを添設、形成したものとする一方、当該容器本体の前部、底部、後部とから形成される溝部断面形状を、少なくとも同前部と底部との境界辺りに所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分が形成されたものとなし、溝部内部に収容したロール体を同底部に接地させず、且つ当該前垂れ片背面との間に、垂下状の自由端となるラップフィルム引き出し端縁を同前部から離反状としてしまう間隙部を確保し得るよう規制してなるものとしたことを特徴とするラップフィルムロール体収容容器。
  2. 所定サイズのラップフィルムを捲回したロール体収容に相応しい空間を実現するように規制したサイズの前部、底部、後部と、それらで形成される溝部両端を塞ぎ、且つ安定据え置き用とすべく、その底辺長が当該ロール体最大径以上となる矩形または矩形状に規制してなる左右両側部とから、上面だけを開口して開口部とした箱型の容器本体に形成すると共に、該開口部に臨む後部上端縁からは、同縁を後部折り曲げ部として当該容器本体開口部を隠蔽可能とする形状の上蓋を連続形成した上、同上蓋にあって開口部に臨む容器本体前部上端縁を越えた直近箇所を前部折り曲げ部として同容器本体前部外側に折り曲げ、そのまま当該容器本体高さよりも小さい値の寸法分だけ直線的に下降して所定巾とする前垂れ片に形成し、該前垂れ片の下端全長に亘ってフィルムカッターを添設、形成したものとする一方、当該容器本体の前部、底部、後部とから形成される溝部断面形状を、少なくとも同前部と底部との境界辺りに所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分が形成されたものとなし、溝部内部に収容したロール体を同底部に接地させず、且つ当該前垂れ片背面との間に、垂下状の自由端となるラップフィルム引き出し端縁を同前部から離反状としてしまう間隙部を確保し得るよう規制し、ロール体からのラップフィルム引出し量如何に係わらず、容器本体内のロール体の遊びを無くして、容器本体前部および前垂れ片背面間間隙部内におけるラップフィルム引き出し端縁の位置および姿勢の独自性を確保するようにしてなるものとしたことを特徴とするラップフィルムロール体収容容器。
  3. 容器本体の前部、底部、後部とから形成される溝部断面形状が、同後部と底部との間では直角を確保したままに形成された、請求項1または2何れか記載のラップフィルムロール体収容容器。
  4. 容器本体の前部、底部、後部とから形成される溝部断面形状が、同後部と底部との間にも、所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分が形成されてなるものとした、請求項1または2何れか記載のラップフィルムロール体収容容器。
  5. 容器本体の前部と底部との境界辺りに形成する所定長さの斜辺または所定曲率の湾曲部分は、容器本体溝部全長方向中心から左右均衡した配置になるよう規制した上、同溝部全長よりも短い範囲に形成されてなるものとした、請求項1ないし4何れか記載のラップフィルムロール体収容容器。
  6. 上蓋は、左右両端にも夫々左右垂れ片が下降形成され、対応する左側部または右側部の各外がわに添設状となり得るようにすると共に、夫々の容器本体前部がわ端縁が前垂れ片に連結されてなるものとした、請求項1ないし5何れか記載のラップフィルムロール体収容容器。
  7. 前垂れ片下端全長に亘って添設、形成するフィルムカッターは、その刃先方向を下方向きとなるようにしてなるものとした、請求項1ないし6何れか記載のラップフィルムロール体収容容器。
  8. 前垂れ片下端全長に亘って添設、形成するフィルムカッターは、その刃先方向が容器本体前部がわに向くようにしてなるものとした、請求項1ないし6何れか記載のラップフィルムロール体収容容器。
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