JP2009269315A - 液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷効率の向上を図るとともに印字性能を長期的に維持することを可能とし、製品性能の高い液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出装置を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明の液滴吐出ヘッドは、流路形成基板22と、流路形成基板22上に設けられた複数の圧電素子23と、流路形成基板22の複数の圧電素子23側に設けられたリザーバ形成基板25と、リザーバ形成基板25上に設けられた複数のドライバIC26と、リザーバ形成基板25の開口部60に露出している圧電素子23のリード電極47の各々に対して、少なくとも2つのドライバIC26を接続するフレキシブル基板27とを備えている。
【選択図】図4
【解決手段】本発明の液滴吐出ヘッドは、流路形成基板22と、流路形成基板22上に設けられた複数の圧電素子23と、流路形成基板22の複数の圧電素子23側に設けられたリザーバ形成基板25と、リザーバ形成基板25上に設けられた複数のドライバIC26と、リザーバ形成基板25の開口部60に露出している圧電素子23のリード電極47の各々に対して、少なくとも2つのドライバIC26を接続するフレキシブル基板27とを備えている。
【選択図】図4
Description
本発明は、液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出装置に関するものである。
マイクロデバイスを製造する方法の一つとして液滴吐出法(インクジェット法)が提案されている。この液滴吐出法は、デバイスを形成するための材料を含む機能液を液滴状にして、液滴吐出ヘッドより吐出する方法である。下記特許文献1には、液滴吐出ヘッド(インクジェット式記録ヘッド)に関する技術の一例が開示されている。この特許文献1に開示されている液滴吐出ヘッドでは、駆動素子(圧電素子)が、駆動デバイス(ドライバIC)にワイヤボンディングで接続された構造となっている(例えば、特許文献1)。
ところで、液滴吐出法に基づいてマイクロデバイスを製造する際、マイクロデバイスの更なる微細化の要求に応えるために、液滴吐出ヘッドに設けられたノズル開口部同士の間の距離(ノズルピッチ)をできるだけ小さく(狭く)することが望まれている。駆動素子はノズル開口部に対応して複数設けられるため、ノズルピッチを小さくすると、そのノズルピッチに対応して駆動素子同士の間の距離も小さく(短く)する必要がある。
特開2006−296616号公報
特開2006−68989号公報
ところが、駆動素子同士の間隔を狭くすると、これら複数の駆動素子のそれぞれとドライバICとをワイヤボンディングによって接続する際に、ワイヤの本数が大量であるため、隣接するワイヤ(配線)間で短絡が生じ易くなることからワイヤボンディングを行うためには配線(実装)が非常に難しくなり、作業性が著しく低下してしまう。また、このようなワイヤボンディング実装では接続部の強度が弱く、歩留まりが向上しないという問題がある。また、ワイヤの本数が大量であるため、ワイヤボンディング実装に長時間を要することになる。
そこで、このようなワイヤボンディングによる接続に起因する問題を解消するため、アウターリードとして機能する配線パターンを予め形成したフレキシブル基板(可撓性基板)を用いて、アウターリードボンディング(OLB:Outer Lead Bonding)接続を行うことでワイヤ同士の短絡等の不都合を生じさせることなく、駆動素子(圧電素子)と駆動デバイス(ドライバIC)との間の電気的接続を行うことが考えられている(例えば、特許文献2)。
OLB接続を用いることによって大量のワイヤを一括接続することができるので作業時間を大幅に減少する。
OLB接続を用いることによって大量のワイヤを一括接続することができるので作業時間を大幅に減少する。
ところで、印刷物が大きい等の場合には各フレキシブル基板に各々実装されたドライバICが連続して駆動することになる。ドライバICは、ノズルピッチを小さくするとともにノズル本数を増やすことで高解像度化と印字速度向上を図るに際し、熱損失による発熱も大きくなってくる。このドライバICの発熱は、液滴吐出ヘッドの温度上昇を招き、インク吐出特性の変動要因となる問題が考えられる。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、連続動作時にも良好な液滴吐出性能を維持することが可能な液滴吐出ヘッドおよび長時間の連続稼動が可能な製品性能の高い液滴吐出装置を提供することを目的としている。
本発明の液滴吐出ヘッドは、上記課題を解決するために、第1基板と、該第1基板上に設けられた複数の駆動素子と、前記第1基板の前記複数の駆動素子側に設けられた第2基板と、該第2基板上に設けられた複数の駆動回路部と、前記第2基板の開口部に露出している前記駆動素子の端子部の各々に対して、少なくとも第1の前記駆動回路部及び第2の前記駆動回路部を接続するフレキシブル基板と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、1つの駆動素子に対して少なくとも2つの駆動回路部(第1の駆動回路部および第2の駆動回路部)が接続されているので、例えば第1の駆動回路部と第2の駆動回路部の駆動を交互に切り換えて動作させることが可能となる。第1および第2の駆動回路部の駆動を切り換えることで、駆動素子の駆動、すなわち液滴の吐出動作を停止させることなく各駆動回路部の発熱量を抑えることができる。これにより、安定的な吐出動作が行えて、良好なインク吐出特性を長期的に維持することが可能になる。
また、前記第1駆動回路部と前記第2駆動回路部は排他的に動作し、一方の前記駆動回路が所定の温度になったとき、他方の前記駆動回路に駆動が切り換えられることが好ましい。
本発明によれば、各駆動回路部の温度が所定温度以上に上昇するのを抑えることができる。これによって良好なインク吐出特性を長期的に維持することが可能となる。
本発明によれば、各駆動回路部の温度が所定温度以上に上昇するのを抑えることができる。これによって良好なインク吐出特性を長期的に維持することが可能となる。
また、前記フレキシブル基板に前記第1駆動回路部及び前記第2駆動回路部が設けられ、前記第1駆動回路部および前記第2駆動回路部が、能動面とは反対側の面を互いに対向させて配置されるよう、前記フレキシブル基板が湾曲していることが好ましい。
本発明によれば、フレキシブル基板を湾曲させることで、第2基板上に第1駆動回路部と第2駆動回路部とを積層することが可能になる。また、第2基板に対して複数の駆動回路部を搭載する際の領域を最小限に抑えることができる。
本発明によれば、フレキシブル基板を湾曲させることで、第2基板上に第1駆動回路部と第2駆動回路部とを積層することが可能になる。また、第2基板に対して複数の駆動回路部を搭載する際の領域を最小限に抑えることができる。
また、前記フレキシブル基板は、前記第1駆動回路部と前記駆動素子の前記端子部とを接続する複数の第1配線パターンと、前記第2駆動回路部から延在する第2配線パターンと、を有し、前記第2配線パターンは、前記第1配線パターンを介して前記駆動素子と電気的に接続されていることが好ましい。
本発明によれば、第1駆動回路部あるいは第2駆動回路部のいずれにおいても駆動素子を駆動させることができる。そのため、駆動素子を停止させることなく、第1駆動回路部と第2駆動回路部との駆動の切り替えを行うことが可能となり、液滴吐出ヘッドの印刷効率が低下するのを防ぐことができる。
本発明によれば、第1駆動回路部あるいは第2駆動回路部のいずれにおいても駆動素子を駆動させることができる。そのため、駆動素子を停止させることなく、第1駆動回路部と第2駆動回路部との駆動の切り替えを行うことが可能となり、液滴吐出ヘッドの印刷効率が低下するのを防ぐことができる。
また、前記第1駆動回路部を備えた第1の前記フレキシブル基板と、前記第2駆動回路部を備えた第2の前記フレキシブル基板とが積層されていることが好ましい。
本発明によれば、フレキシブル基板を湾曲させる必要がないので、従来どおりの製法で各フレキシブル基板をそれぞれ実装することができ、優れた製造性を有する液滴吐出ヘッドとなる。
本発明によれば、フレキシブル基板を湾曲させる必要がないので、従来どおりの製法で各フレキシブル基板をそれぞれ実装することができ、優れた製造性を有する液滴吐出ヘッドとなる。
また、前記第1駆動回路部と第2駆動回路部との間に冷却材が配置されていることが好ましい。
本発明によれば、積層された第1駆動回路部と第2駆動回路部との間に冷却材を配置しておくことで、各駆動回路部の熱を効率よく放散させ冷却することができる。これにより、駆動回路部の温度上昇を抑制することができる。
本発明によれば、積層された第1駆動回路部と第2駆動回路部との間に冷却材を配置しておくことで、各駆動回路部の熱を効率よく放散させ冷却することができる。これにより、駆動回路部の温度上昇を抑制することができる。
また、前記第2基板と、前記第1駆動回路部または前記第2駆動回路部との間に冷却材が配置されていることが好ましい。
本発明によれば、第2基板と駆動回路部との間に冷却材を配置しておくことにより、駆動回路部の熱を第2基板に逃がし、駆動回路部の温度上昇を抑制することができる。
本発明によれば、第2基板と駆動回路部との間に冷却材を配置しておくことにより、駆動回路部の熱を第2基板に逃がし、駆動回路部の温度上昇を抑制することができる。
また、冷却材が、伝熱部材を含む接着剤であることが好ましい。
本発明によれば、駆動回路部の冷却と同時に駆動回路部の接着固定を行なうことができる。
本発明によれば、駆動回路部の冷却と同時に駆動回路部の接着固定を行なうことができる。
また、第1駆動回路部および前記第2駆動回路部の各々の出力端子にダイオードが設けられていることが好ましい。
本発明によれば、各駆動回路部の出力端子にダイオードを設けておくことにより、動作していない回路に駆動信号が流れ込むのを防止できるので、各駆動回路部の故障が防止される。
本発明によれば、各駆動回路部の出力端子にダイオードを設けておくことにより、動作していない回路に駆動信号が流れ込むのを防止できるので、各駆動回路部の故障が防止される。
本発明の液滴吐出装置は、先に記載の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、上述したように、吐出性能を長期的に維持可能な構成とされた液滴吐出ヘッドを備えているので、この液滴吐出装置自体も、液滴の吐出性能に優れた信頼性の高いものとなる。また、印刷効率も向上した製品性能の高い液滴吐出装置とすることができる。
本発明によれば、上述したように、吐出性能を長期的に維持可能な構成とされた液滴吐出ヘッドを備えているので、この液滴吐出装置自体も、液滴の吐出性能に優れた信頼性の高いものとなる。また、印刷効率も向上した製品性能の高い液滴吐出装置とすることができる。
<第1実施形態>
本発明の液滴吐出ヘッドの第1実施形態について、図1〜図5を参照しながら説明する。図1は液滴吐出ヘッドの第1実施形態を示す外観斜視図、図2は液滴吐出ヘッドをノズル開口側から見た斜視図の一部破断図、図3は図1のA−A線矢視断面図、図4(a)は図3の要部を拡大して示す断面図、(b)はフレキシブル基板の配線パターン同士の接続状態を示す斜視図、図5はフレキシブル基板の平面図である。
本発明の液滴吐出ヘッドの第1実施形態について、図1〜図5を参照しながら説明する。図1は液滴吐出ヘッドの第1実施形態を示す外観斜視図、図2は液滴吐出ヘッドをノズル開口側から見た斜視図の一部破断図、図3は図1のA−A線矢視断面図、図4(a)は図3の要部を拡大して示す断面図、(b)はフレキシブル基板の配線パターン同士の接続状態を示す斜視図、図5はフレキシブル基板の平面図である。
液滴吐出ヘッド1は、図1〜3に示すようにドライバIC26(駆動回路部)と、該ドライバIC26により駆動される圧電素子23(駆動素子)とを形成してなる基体とを備え、機能液の液滴を吐出するよう構成されたものである。
液滴吐出ヘッド1は、ノズル基板21と、ノズル基板21の上面に設けられた流路形成基板22(第1基板)と、流路形成基板22の上面に設けられて圧電素子23の駆動により変位する振動板24と、振動板24の上面に設けられたリザーバ形成基板25(第2基板)と、リザーバ形成基板25の上面側に設けられて圧電素子23とドライバIC26とを電気的に接続するフレキシブル基板27とを備えている。
ノズル基板21は、例えばステンレスやガラスセラミックスによって構成されており、ノズル基板21を貫通する貫通孔であって機能液の液滴を吐出するノズル開口31が複数形成されている。そして、Y軸方向に複数並んで形成されたノズル開口31によって、ノズル開口群31A〜31Dが構成されている。
ここで、ノズル開口群31Aとノズル開口群31BとはX軸方向に関して対向配置され、ノズル開口群31Cとノズル開口群31DとはX軸方向に関して対向配置されている。また、ノズル開口群31Cはノズル開口群31Aに対してY軸方向で隣り合うように形成され、ノズル開口群31Dはノズル開口群31Bに対してY軸方向で隣り合うように形成されている。
なお、図2では、ノズル開口群31A〜31Dがそれぞれ6個のノズル開口31によって構成されているように示されているが、実際には、例えば720個程度のノズル開口31が形成されている。
流路形成基板22は、例えば剛体であるシリコン単結晶によって形成されており、複数の隔壁35は、流路形成基板22の母材であるシリコン単結晶基板を異方性エッチングすることで形成されている。
また、流路形成基板22の下面には例えば接着剤や熱溶着フィルムなどを介してノズル基板21が固定されている一方、流路形成基板22の上面には振動板24が設けられている。
また、流路形成基板22の下面には例えば接着剤や熱溶着フィルムなどを介してノズル基板21が固定されている一方、流路形成基板22の上面には振動板24が設けられている。
そして、複数の隔壁35を有する流路形成基板22と、ノズル基板21と、振動板24とで囲まれた空間によって、ノズル開口31より吐出される機能液が配置される圧力発生室36が形成されている。この圧力発生室36は、開口群31A〜31Dのそれぞれを構成する複数のノズル開口31に対応するようにして、Y軸方向に複数並んで形成されている。
そして、ノズル開口群31Aに対応して形成された複数の圧力発生室36によって圧力発生室群36Aが構成される。同様に、ノズル開口群31Bに対応する複数の圧力発生室36によって圧力発生室群36Bが構成され、ノズル開口群31Cに対応する複数の圧力発生室36によって圧力発生室群36Cが構成され、ノズル開口群31Dに対応する複数の圧力発生室36によって圧力発生室群36Dが構成されている。圧力発生室群36Aと圧力発生室群36BとはX軸方向に関して互いに対向するように配置され、圧力発生室群36Cと圧力発生室群36DとはX軸方向に関して互いに対向するように配置されている。
圧力発生室群36Aを構成する複数の圧力発生室36の一方の端部は、リザーバ37の一部を構成する供給路38を介して連通部39により互いに連通されている。連通部39は、流路形成基板22に形成された貫通孔であって、後述するリザーバ部51に接続されている。
同様に、圧力発生室群36B〜36Dを構成する圧力発生室36の端部も、それぞれ供給路38を介して連通部39によって互いに連通されている。
同様に、圧力発生室群36B〜36Dを構成する圧力発生室36の端部も、それぞれ供給路38を介して連通部39によって互いに連通されている。
流路形成基板22とリザーバ形成基板25との間に配置された振動板24は、流路形成基板22の上面を覆うように設けられた弾性膜41と、弾性膜41の上面に設けられた下電極膜42とを備えている。弾性膜41は、例えば厚さ1〜2μm程度の二酸化シリコンによって形成されており、下電極膜42は、例えば厚さ0.2μm程度の白金などによって形成されている。なお、本実施形態において、下電極膜42は、複数の圧電素子23に共通する電極となっている。
振動板24を変位させるための圧電素子23、すなわち駆動素子は、下電極膜42の上面に設けられた圧電体膜45と、圧電体膜45の上面に設けられた上電極膜46と、上電極膜46の引出配線であるリード電極47(端子部)とを備えている。
圧電体膜45は、例えば厚さ1μm程度の金属酸化物によって構成されている。また、上電極膜46は、例えば厚さ0.1μm程度の白金などによって構成され、リード電極47は、例えば厚さ0.1μm程度の金などによって構成されている。なお、リード電極47と下電極膜42との間には、絶縁膜(図示略)が設けられている。
圧電素子23は、複数のノズル開口31及び圧力発生室36のそれぞれに対応するように複数設けられている。すなわち、圧電素子23は、ノズル開口31ごと(圧力発生室36ごと)に設けられている。そして、上述のように、下電極膜42が複数の圧電素子23の共通電極として機能し、上電極膜46及びリード電極47が複数の圧電素子23の個別電極として機能する。
また、ノズル開口群31Aを構成する各ノズル開口31と対応するようにY軸方向に複数並んで設けられた圧電素子23により、圧電素子群23Aが形成される。同様に、ノズル開口群31Bと対応する圧電素子群23Bが形成され、ノズル開口群31Cと対応する圧電素子群(図示略)が形成され、ノズル開口群31Dと対応する圧電素子群(図示略)が形成されている。これら圧電素子群23Aと圧電素子群23Bとは、X軸方向において互いに対向するように配置されている。また、ノズル開口群31C,31Dにそれぞれ対応する圧電素子群同士は、X軸方向において互いに対向するように配置されている。
なお、圧電素子23は、圧電体膜45、上電極膜46及びリード電極47に加えて下電極膜42を含むものであってもよい。すなわち、本実施形態における下電極膜42は、圧電素子23としての機能と振動板24としての機能とを兼ね備える構成としてもよい。また、本実施形態では、弾性膜41及び下電極膜42によって振動板24が構成されているが、弾性膜41を省略して下電極膜42が弾性膜41の機能を兼ね備える構成としてもよい。
リザーバ形成基板25は、例えば流路形成基板22と同一材料であるシリコン単結晶によって形成されている。なお、リザーバ形成基板25としては、流路形成基板22の熱膨張率とほぼ同一の熱膨張率を有する材料によって形成されていることが好ましく、例えばガラスやセラミックス材料などを用いてもよい。
リザーバ形成基板25には、連通部39のそれぞれと対応するリザーバ部51がY軸方向に延びるように形成されている。このリザーバ部51と上述した連通部39とによってリザーバ37が構成される。
また、リザーバ形成基板25には、各連通部39の側壁に接続されて各連通部39に機能液を導入する導入路52が形成されている。
また、リザーバ形成基板25には、各連通部39の側壁に接続されて各連通部39に機能液を導入する導入路52が形成されている。
また、リザーバ形成基板25の上面には、コンプライアンス基板53が接合されている。このコンプライアンス基板53は、封止膜54及び固定板55を有する。
封止膜54は、例えば厚さ6μm程度のポリフェニレンスルフィドフィルムのような剛性が低く可撓性を有する材料によって形成されている。そして、封止膜54によってリザーバ部51の上部が封止されている。
封止膜54は、例えば厚さ6μm程度のポリフェニレンスルフィドフィルムのような剛性が低く可撓性を有する材料によって形成されている。そして、封止膜54によってリザーバ部51の上部が封止されている。
また、固定板55は、例えば厚さ30μm程度のステンレス鋼のような金属などの硬質の材料によって形成されている。この固定板55のうち、リザーバ部51に対応する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部56となっている。したがって、リザーバ部51の上部は、可撓性を有する封止膜54のみによって封止されたものとなっており、この構成により、内部圧力の変化によって変形可能な可撓部57となっている。
リザーバ部51の外側のコンプライアンス基板53上には、導入路52に連通してリザーバ部51に機能液を供給するための機能液導入口58が形成されている。通常、機能液導入口58からリザーバ部51に機能液が供給されると、例えば圧電素子23の駆動時の機能液の流れや周囲の熱などによってリザーバ部51内に圧力変化が生じる。
しかしながら、上述のように、リザーバ部51の上部が封止膜54のみによって封止された可撓部57となっているので、この可撓部57が撓み変形してその圧力変化を吸収する。したがって、リザーバ部51内は一定の圧力に保持される。なお、他の部分は固定板55によって十分な強度に保持されている。
また、リザーバ形成基板25のX軸方向における中央部には、Y軸方向に延びる4本の溝状の開口部60が形成されている。これらの開口部60は、X軸方向に並んだ2つずつの開口部60がY軸方向に延びる壁部25Aにより仕切られており、それぞれの開口部60からX軸方向外側の領域に、圧電素子群23A,23Bを振動板24との間で封止する封止部61A,61Bと、圧電素子群23C,23Dを振動板24との間で封止する封止部(不図示)とが形成されている。より詳しくは、封止部61Aは、圧力発生室群36Aに対応する圧電素子群23Aを振動板24との間で封止し、封止部61Bは圧電素子群23Bを封止している。
リザーバ形成基板25のうち、圧電素子23と対向する領域には、圧電素子23の運動を阻害しない程度の空間が確保されており、この空間を密封可能な圧電素子保持部62が形成されている。圧電素子保持部62は、各封止部(61A,61B,…)のそれぞれに形成されており、圧電素子群23A〜23Dを覆う大きさで形成されている。また、圧電素子23のうち、少なくとも圧電体膜45は、この圧電素子保持部62内に密封されている。なお、圧電素子群23C,23Dを覆う封止部の図示は省略しているが、封止部61A,61Bと同様の構成となっている。
このように、リザーバ形成基板25は、圧電素子23を外部環境から遮断し、圧電素子23を封止するための封止部材としての機能を有している。リザーバ形成基板25で圧電素子23を封止することにより、水分などの外部環境による圧電素子23の破壊を防止することができる。
なお、本実施形態では、圧電素子保持部62の内部を密封した状態としただけであるが、例えば圧電素子保持部62内の空間を真空や、窒素またはアルゴン雰囲気などとすることで圧電素子保持部62内を低湿度に保持することができ、圧電素子23の破壊をより確実に防止することができる。
また、各封止部(61A,61B,…)の圧電素子保持部62によって封止されている圧電素子23のうち、リード電極47の一方の端部は、各封止部(61A,61B,…)の外側まで延びており、開口部60において露出した流路形成基板22上に配置されている。
ドライバIC26は、例えば回路基板や駆動回路を含む半導体集積回路(IC)を有するドライバICであり、各ノズル開口群31A〜31Dに対して2つずつ計8個設けられている。各ドライバIC26は、フレキシブル基板27の一方の面の所定領域(実装領域)にフリップチップ実装されている。さらに、樹脂78によって各フレキシブル基板27上にモールドされている。
(フレキシブル基板)
本実施形態では、フレキシブル基板に特徴を有していることから、以下フレキシブル基板の構成について図1〜図5を適宜参照して詳述する。なお、図4および図5には、フレキシブル基板27Aを例に挙げて示しているが、他のフレキシブル基板27B〜27Dについても同様の構成をなすものである。以下、フレキシブル基板27Aを中心に説明する。
本実施形態では、フレキシブル基板に特徴を有していることから、以下フレキシブル基板の構成について図1〜図5を適宜参照して詳述する。なお、図4および図5には、フレキシブル基板27Aを例に挙げて示しているが、他のフレキシブル基板27B〜27Dについても同様の構成をなすものである。以下、フレキシブル基板27Aを中心に説明する。
図1に示すように、フレキシブル基板27は、可撓性を有したフレキシブル回路基板からなるもので、4つの開口部60のそれぞれに対応して4つ設けられている。図5に示すように、フレキシブル基板27Aは、フィルム基材71と、フィルム基材71の一面に形成された配線パターン72a,72b、配線パターン74a,74b、グランド配線パターン76a,76b、圧電素子23と接触して接続される端子部73を備えている。
フィルム基材71は、例えば厚さ25μm程度のポリイミドからなる絶縁性のフィルムであって、その下面27a(図5では手前側の面)に、銅などの導電性材料からなる配線パターン72a,72b、配線パターン74a,74b、およびグランド配線パターン76a,76bが、プリント方式により電解メッキやエッチングなどの手法によって形成されている。
さらに、配線パターン72a(第1配線パターン)の一端(ドライバIC26A1側とは反対側の端部)には端子部73が形成され、配線パターン72b(第2配線パターン)の一端(ドライバIC26A2側とは反対側の端部)には配線接続用端子75が形成されている。配線パターン72bに設けられた配線接続用端子75は、配線パターン72aと接続される端子である。そして、フレキシブル基板27Aの端子部73側が、図4に示す開口部60内に存在する圧電素子23のリード電極47と接続する接続部27bとなっている。
また、フレキシブル基板27Aの下面27aの所定領域には、圧電素子23の下電極膜42に接続される配線パターン80a,80bが形成されている。
フレキシブル基板27Aの下面27aの所定領域には、圧電素子23を駆動するための2つのドライバIC26(ドライバIC26A1(第1駆動回路部)、ドライバIC26A2(第2駆動回路部))が設けられており、これらドライバIC26A1,26A2が互いの長手方向を平行にして並列に配置されている。そして、フレキシブル基板27Aの下面27aにそれぞれフリップチップ実装されることにより、ドライバIC26A1は配線パターン72aの他端に接続され、ドライバIC26A2は配線パターン72bの他端に接続されている。本実施形態におけるドライバIC26A1,26A2は、それぞれの出力端子26gにダイオード(不図示)を内蔵している。
フレキシブル基板27Aとリザーバ形成基板25との間には、熱伝導性接着剤65(冷却材:図4(a))が配置されており、これによってドライバIC26A1,26A2を備えるフレキシブル基板27Aがリザーバ形成基板25上に固定されている。熱伝導性接着剤65は、伝導率の高い伝熱部材としてAg系フィラーを多く含む、エポキシ樹脂等の有機樹脂を主成分とする高熱伝導性接着剤である。この熱伝導性接着剤65は、フレキシブル基板27Aをリザーバ形成基板25上に接着して固定するためだけでなく、本発明に係る冷却材としても機能する。
また、フレキシブル基板27Aには、外部コントローラCT(図1)と電気的に接続される外部信号入力部77a,77bが形成されており、ドライバIC26A1,26A2に接続する配線パターン74a,74bによって構成されている。外部信号入力部77a,77bから入力された外部信号は、配線パターン74a,74bを介してドライバIC26A1,26A2へとそれぞれ入力される。
上記したフレキシブル基板27Aは、ドライバIC26A1,26A2の配置方向(X軸方向)においてその下面27a側を内側にして筒状に湾曲されて用いられる。実装されたドライバIC26A1,26A2を巻き込むようにしてフレキシブル基板27を湾曲させることにより、ドライバIC26A1とドライバIC26A2が、能動面26bとは反対側の面26cを互いに対向させて積層された構成となっている。
このようにして、リザーバ形成基板25上に2つのドライバIC26A1,26A2を積層して配置することにより、リザーバ形成基板25に対して複数のドライバIC26を搭載する際の領域が最小限に抑えられている。
本実施形態では、各ドライバIC26A1,26A2の間に冷却材81が配置され、この冷却材81を介してドライバIC26A2上にドライバIC26A1が積層されている。冷却材81は、上記熱伝導性接着剤65と同様の材料を用いて形成されたもので、高熱伝導性を有している。
そして、図4(a)および図5に示すように、フレキシブル基板27Aのうち、ドライバIC26A1の実装領域と端子部73との間を折り曲げて、端子部73側の端部すなわち接続部27bを開口部60内に挿入させることで、接続部27bの下面側に設けられている端子部73と、開口部60に配置されているリード電極47とが接続されている。
このとき、フレキシブル基板27Aの配線接続用端子75側の端部27eを開口部60側へ折り曲げておくことで、立ち上がり部27fの内側(下面27a側)に位置する配線パターン72aと配線接続用端子75とが面することになり(図4(a),(b))、相互間を異方性導電材料79で接着して導通を得る構成とされている。つまり、ドライバIC26A2に接続する配線パターン72bは、ドライバIC26A1に接続する配線パターン72aを介して、圧電素子23のリード電極47と電気的に接続されている。
端子部73とリード電極47とは、例えば異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)のような異方性導電材料79によって接続されている。なお、異方性導電材料79に替えて非導電性フィルム(NCF:Non Conductive Film)や非導電性ペースト(NCP:Non Conductive Paste)、ロウ材を用いてもよい。
また、配線パターン72bの配線接続用端子75と配線パターン72aとを接続する接着材として、異方性導電材料を用いるようにしても良い。
同様にして、他のフレキシブル基板27B〜27Dについても圧電素子23のリード電極47にOLB実装されている。
上述した構成の液滴吐出ヘッド1は、各フレキシブル基板27A〜27Dのそれぞれに2つのドライバIC26(ドライバIC26A1〜26D1およびドライバIC26A2〜26D2)が積層された状態で実装されており、圧電素子23のリード電極47の各々に対して接続されている。本実施形態では、圧電素子23の駆動を停止させることなく、各圧電素子23に接続された2つのドライバIC26(ドライバIC26A1〜26D1およびドライバIC26A2〜26D2)を交互に駆動させることで印字を行う。
本実施形態では、各ドライバIC26に温度検出センサ(不図示)が設けられており、例えば、駆動中の一方のドライバIC26A1(26B1〜26D1)の温度が予め設定された温度(例えば60℃)に達したことが検知されると、外部コントローラCTによって他方のドライバIC26A2(26B2〜26D2)に駆動が切り換えられるようになっている。また、各ドライバIC26にはそれぞれ出力端子26g側にダイオードが設けられている。このダイオードは出力端子26gの信号出力方向が順方向となるように形成されており、動作していないときに他の回路の信号が流入して内部回路に不具合が生じるのを防ぐようになっている。
このように、各フレキシブル基板27に設けられた一対のドライバIC26,26を排他的に動作させる構成としたことにより、各ドライバIC26,26が高温になる前に動作を停止させることができ、ドライバIC26,26の過熱を防ぐことができる。
また、本実施形態では、積層されたドライバIC26A1〜26D1とドライバIC26A2〜26D2との間に設けられ、Ag系フィラーを多く含む冷却材81や熱伝導性接着剤65によって、積層されたドライバIC26,26の熱を放散させることができる。なお、冷却材81をドライバIC26A1〜26D1とドライバIC26A2〜26D2の間だけでなく、下段に位置するドライバIC26A2〜26D2の側面を覆うようにして設けてもよい。これにより、ドライバIC26A2〜26D2における放熱効率が高まるため、結果的に上段のドライバIC26A1〜26D1の発熱温度の上昇が抑えられて冷却するまでの時間が短縮される。
なお、上記においては、2つのドライバIC26の駆動を切り替えるための設定温度を60度としたが、冷却効率やドライバIC26の故障をより防止するために、一方のドライバIC26の温度が40度程度に達した時点で他方のドライバIC26に駆動を切り替えるように設定しても良い。このように、設定温度については、ドライバIC26の種類などに応じて適宜変更が可能である。
従来は、ドライバIC26はフレキシブル基板27に対して1つのみ設けられていたため、連続稼働によってドライバIC26の温度が過度に上昇すると、ドライバIC26の熱がリザーバ形成基板25を介して液滴吐出ヘッド1全体に伝わりインク吐出特性の変動要因となることが考えられた。
これに対して本実施形態の液滴吐出ヘッド1では、例えばドライバIC26A1(26B1〜26D1)の稼働中に回路が所定温度に達すると、停止中のドライバIC26A2(26B2〜26D2)に動作が切り替わり、その後、ドライバIC26A2(26B2〜26D2)が所定温度に達した場合にはドライバIC26A1(26B1〜26D1)に動作が切り替わるため、ドライバIC26A1(26B1〜26D1)及びドライバIC26A2(26B2〜26D2)の温度が過度に上昇してしまうのを防止できる。したがって、フレキシブル基板27A(27B〜27D)に実装されたドライバIC26の温度が過度に上昇するのを防止することができ、これによってインク吐出特性の変動要因を効果的に抑制することができる。
また、ドライバIC26A1(26B1〜26D1)及びドライバIC26A2(26B2〜26D2)が過熱されるのを防止できるため、ドライバIC26の故障も発生しにくくなる。
また、ドライバIC26A1(26B1〜26D1)及びドライバIC26A2(26B2〜26D2)が過熱されるのを防止できるため、ドライバIC26の故障も発生しにくくなる。
以上のように、駆動切り換え対象となる2つのドライバIC26,26は圧電素子23のリード電極47にそれぞれ接続されているので、圧電素子23の駆動を停止させることなく、各ドライバIC26の温度の上昇を抑えることが可能である。そのため、本実施形態の液滴吐出ヘッド1を後述の液滴吐出装置IJに搭載した場合に、圧電素子23を駆動するドライバIC26を冷却するために必要であった待機時間(印刷停止時間)をなくすことができるので、印刷効率を向上させることが可能となる。
<第2実施形態>
図6は、第2実施形態の液滴吐出ヘッドの要部を拡大して示す部分拡大図である。図7(a)は第1フレキシブル基板の平面図、(b)は第2フレキシブル基板の平面図である。なお、図6および図7においては、圧電素子群23Aに対応するドライバIC26A1,26A2の接続構成を例に挙げて説明するが、圧電素子群23B〜23Dに対応するドライバIC26B1、26B2、ドライバIC26C1、26C2、ドライバIC26D1、26D2についても同様の構成である。
図6は、第2実施形態の液滴吐出ヘッドの要部を拡大して示す部分拡大図である。図7(a)は第1フレキシブル基板の平面図、(b)は第2フレキシブル基板の平面図である。なお、図6および図7においては、圧電素子群23Aに対応するドライバIC26A1,26A2の接続構成を例に挙げて説明するが、圧電素子群23B〜23Dに対応するドライバIC26B1、26B2、ドライバIC26C1、26C2、ドライバIC26D1、26D2についても同様の構成である。
図6に示すように、本実施形態の液滴吐出ヘッド90では、各開口部60に対応して第1フレキシブル基板28と第2フレキシブル基板29とが接続されている。各フレキシブル基板28,29にはそれぞれドライバIC26が一つずつ実装されており、リザーバ形成基板25上にドライバIC26A1,26A2を積み上げるべく、第2フレキシブル基板29の上に第1フレキシブル基板28が積層されている。そして、各フレキシブル基板28,29の接続部28b,29b側が開口部60内に挿入されて、各々の端子部73,73が、開口部60内で露出する圧電素子23のリード電極47に接続されている。
図7(a),(b)に示すように、第1フレキシブル基板28には、その下面28a側に、配線パターン72c、配線パターン74、グランド配線パターン76、端子部73が設けられている一方、第2フレキシブル基板29には、下面29a側に、配線パターン72d、配線パターン74、グランド配線パターン76、端子部73が設けられている。
そして、第2フレキシブル基板29上に積層される第1フレキシブル基板28の接続配線部28cの長さL1は、第2フレキシブル基板29の接続配線部29cの長さL2よりも長くなるよう設計されており、これによってフレキシブル基板28,29の積層構造を実現している。
本実施形態では、リザーバ形成基板25と第2フレキシブル基板29との間に、伝導率の高いAg系フィラーを多く含む、エポキシ樹脂等の有機樹脂を主成分とする高熱伝導性接着剤からなる熱伝導性接着剤65が配置され、熱伝導性接着剤65を介してリザーバ形成基板25上に第2フレキシブル基板29(ドライバIC26A2)が接着固定されている。さらに、第1フレキシブル基板28と第2フレキシブル基板29との間にも同じ材料からなる冷却材81が配置され、第1フレキシブル基板28が第2フレキシブル基板29上に接着固定されている。この冷却材81を介して各ドライバIC26の熱を放熱させて冷却している。
同様にして、圧電素子群23B〜23Dに対応する他の開口部60にも第1および第2フレキシブル基板28,29が接続されている。
本実施形態の液滴吐出ヘッド90によれば、先に記載の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、フレキシブル基板を湾曲させたりする必要がないので、従来通りの製法で各フレキシブル基板28,29をそれぞれ実装することができ、製造が簡単である。
<第3実施形態>
図8は、第3実施形態の液滴吐出ヘッドの要部を拡大して示す部分拡大図である。なお、図8においては、圧電素子群23Aに対応するドライバIC26A1,26A2の接続構成を例に挙げて説明する。
先に記載の第2実施形態では2つのドライバIC26,26を横置きにした構成となっていたが、本実施形態ではドライバIC26,26を縦置きにした点において先の実施形態と異なっている。第2フレキシブル基板29に設けられたドライバIC26A2は、その端面26aを封止膜54に対向させた状態で、リザーバ形成基板25上に熱伝導性接着剤65を介して固定されている。第1フレキシブル基板28に設けられたドライバIC26A1は、その端面26aを開口部60内で露出するリード電極47と対向させた状態で、能動面26bとは反対側の面26cに設けられた冷却材81を介して第2フレキシブル基板29に接着固定されている。
図8は、第3実施形態の液滴吐出ヘッドの要部を拡大して示す部分拡大図である。なお、図8においては、圧電素子群23Aに対応するドライバIC26A1,26A2の接続構成を例に挙げて説明する。
先に記載の第2実施形態では2つのドライバIC26,26を横置きにした構成となっていたが、本実施形態ではドライバIC26,26を縦置きにした点において先の実施形態と異なっている。第2フレキシブル基板29に設けられたドライバIC26A2は、その端面26aを封止膜54に対向させた状態で、リザーバ形成基板25上に熱伝導性接着剤65を介して固定されている。第1フレキシブル基板28に設けられたドライバIC26A1は、その端面26aを開口部60内で露出するリード電極47と対向させた状態で、能動面26bとは反対側の面26cに設けられた冷却材81を介して第2フレキシブル基板29に接着固定されている。
同様にして、圧電素子群23B〜23Dに対応する他の開口部60にも第1および第2フレキシブル基板28,29が接続され、各々に設けられたドライバIC26B1〜26D1,26B2〜26D2等はいずれも縦位置に配置されている。
本実施形態の液滴吐出ヘッド91では、先に記載の第2実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、縦置き構造にしたことで、リザーバ形成基板25に対するドライバIC26,26の接続領域が大幅に削減され、ドライバIC26,26の熱がリザーバ形成基板25に伝熱することをより抑制することが可能になる。また、ドライバIC26,26はリザーバ形成基板25の開口部60の内側およびその近傍に設けられ、圧力発生室36上に位置するのを避けた構成とされている。そのため、圧力発生室36内に充填されるインクに対して、過熱したドライバIC26の熱の影響が及ぶことを防止することができる。また、積層した2つのドライバIC26,26を縦置きにすることで、各ドライバIC26,26が外気に触れる面積を増加させて放熱性を向上させている。これにより、冷却効率が格段に向上する。
このようなことから、液滴吐出ヘッドの温度上昇を確実に抑えてインク吐出特性の変動要因を効果的に抑制することができことから、液滴吐出ヘッド91によるインク吐出性能を長期的に維持することが可能となる。
このようなことから、液滴吐出ヘッドの温度上昇を確実に抑えてインク吐出特性の変動要因を効果的に抑制することができことから、液滴吐出ヘッド91によるインク吐出性能を長期的に維持することが可能となる。
また、図9に示すように、リザーバ形成基板25上にスペーサ82を配置して、圧電素子23からドライバIC26までの距離を調整するようにしても良い。このようなスペーサ82を設けることで、インクに熱が伝わりにくくなる。
<液滴吐出装置>
次に、前述した液滴吐出ヘッド1を備えた本発明の液滴吐出装置IJの一例について、図10を参照しながら説明する。図10は液滴吐出装置IJの概略構成を示す斜視図である。
次に、前述した液滴吐出ヘッド1を備えた本発明の液滴吐出装置IJの一例について、図10を参照しながら説明する。図10は液滴吐出装置IJの概略構成を示す斜視図である。
図10において液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1と、駆動軸4と、ガイド軸5と、外部コントローラCTと、ステージ7と、クリーニング機構8と、基台9と、ヒータ6とを備えている。ステージ7は、液滴吐出ヘッド1によって機能液が吐出される基板Pを支持するもので、基板Pを基準位置に固定する不図示の固定機構を備えたものである。液滴吐出ヘッド1のノズル開口部からは、ステージ7に支持されている基板Pに対し、機能液が吐出されるようになっている。
駆動軸4には駆動モータ2が接続されている。駆動モータ2はステッピングモータ等からなるもので、外部コントローラCTからY軸方向の駆動信号が供給されると、駆動軸4を回転させるようになっている。駆動軸4が回転すると、液滴吐出ヘッド1はY軸方向に移動する。ガイド軸5は基台9に対して動かないように固定されている。ステージ7は、駆動モータ3を備えている。駆動モータ3はステッピングモータ等からなるもので、外部コントローラCTからX軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ7をX軸方向に移動するようになっている。
外部コントローラCTは、液滴吐出ヘッド1に対して液滴吐出を制御するための電圧を供給する。さらに、外部コントローラCTは、駆動モータ2に対して液滴吐出ヘッド1のY軸方向への移動を制御する駆動パルス信号を供給するとともに、駆動モータ3に対してステージ7のX軸方向への移動を制御する駆動パルス信号を供給する。
クリーニング機構8は液滴吐出ヘッド1をクリーニングするものであって、図示しない駆動モータを備えている。この駆動モータの駆動により、クリーニング機構8はガイド軸5に沿ってX軸方向に移動する。クリーニング機構8の移動も外部コントローラCTにより制御される。ヒータ6は、ここではランプアニールにより基板Pを熱処理する手段であり、基板P上に塗布された機能液に含まれる溶媒の蒸発及び乾燥を行うようになっている。このヒータ6の電源の投入及び遮断も、外部コントローラCTによって制御されるようになっている。
そして、液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1と基板Pを支持するステージ7とを相対的に走査しつつ基板Pに対して液滴を吐出する。
そして、液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1と基板Pを支持するステージ7とを相対的に走査しつつ基板Pに対して液滴を吐出する。
このような液滴吐出装置IJにあっては、前述したように、液滴の吐出特性の変動要因を効果的に抑制して、良好な吐出性能を長期的に確保することのできる液滴吐出ヘッド1を備えているので、液滴吐出装置自体も液滴の吐出性能に優れた信頼性の高いものとなる。また、印刷効率が向上した製品性能の高い液滴吐出装置IJが得られる。
なお、前述した実施形態において、液滴吐出ヘッド1より吐出される機能液液滴としては、液晶表示デバイスを形成するための液晶表示デバイス形成用材料、有機EL表示デバイスを形成するための有機EL形成用材料、電子回路の配線パターンを形成するための配線パターン形成用材料などを含むものとする。これにより、液滴吐出装置IJは、液滴吐出法に基づいて吐出した機能液液滴によって、前記各デバイスを製造することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもなく、上記各実施形態を組み合わせても良い。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
先の実施形態においては、圧電素子23のリード電極47の各々に対して少なくとも2つのドライバIC26を備えるようにしたが、ドライバIC26の数はこれに限ったものではない。例えば、ドライバIC26を3つ以上備える構成とし、各ドライバIC26を順に切り替えながら駆動するようにしてもよい。
また、開口部60内に樹脂を配置して、接続部27bの端子部73と圧電素子23のリード電極47との間をモールドしてもよい。
1…液滴吐出ヘッド、22…流路形成基板(第1基板)、23…圧電素子(駆動素子)、25…リザーバ形成基板(第2基板)、26A1〜26D1…ドライバIC(第1駆動回路部)、26A2〜26D2…ドライバIC(第2駆動回路部)、26b…能動面、26c…能動面とは反対側の面、26g…出力端子、27…フレキシブル基板、27b…接続部、28…第1フレキシブル基板、29…第2フレキシブル基板、47…リード電極(端子部)、60…開口部、72a…配線パターン(第1配線パターン)、72b…配線パターン(第2配線パターン)、65…熱伝導性接着剤(冷却材)、81…冷却材、IJ…液滴吐出装置
Claims (10)
- 第1基板と、
該第1基板上に設けられた複数の駆動素子と、
前記第1基板の前記複数の駆動素子側に設けられた第2基板と、
該第2基板上に設けられた複数の駆動回路部と、
前記第2基板の開口部に露出している前記駆動素子の端子部の各々に対して、少なくとも第1の前記駆動回路部及び第2の前記駆動回路部を接続するフレキシブル基板と、
を備えていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 前記第1駆動回路部と前記第2駆動回路部は排他的に動作し、
一方の前記駆動回路が所定の温度になったとき、他方の前記駆動回路に駆動が切り換えられることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッド。 - 前記フレキシブル基板に前記第1駆動回路部及び前記第2駆動回路部が設けられ、
前記第1駆動回路部および前記第2駆動回路部が、能動面とは反対側の面を互いに対向させて配置されるよう、前記フレキシブル基板が湾曲していることを特徴とする請求項1または2記載の液滴吐出ヘッド。 - 前記フレキシブル基板は、前記第1駆動回路部と前記駆動素子の前記端子部とを接続する複数の第1配線パターンと、前記第2駆動回路部から延在する第2配線パターンと、を有し、
前記第2配線パターンは、前記第1配線パターンを介して前記駆動素子と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッド。 - 前記第1駆動回路部を備えた第1の前記フレキシブル基板と、前記第2駆動回路部を備えた第2の前記フレキシブル基板とが積層されていることを特徴とする請求項1または2記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記第1駆動回路部と前記第2駆動回路部との間に冷却材が配置されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記第2基板と、前記第1駆動回路部または前記第2駆動回路部との間に冷却材が配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記冷却材が、伝熱部材を含む接着剤であることを特徴とする請求項6または7記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記第1駆動回路部および前記第2駆動回路部の各々の出力端子にダイオードが設けられていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッド。
- 請求項1から9のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
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