JP2009241785A - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電動モータ17の動力が、ギヤ機構19および運動変換機構20を有する動力伝達機構18を介して、転舵機構7に与えられる。転舵機構7のハウジングである第1のハウジング11の一部および電動モータ17のモータハウジング23の一部である第1のモータハウジング25が単一の材料で一体に形成される。第1のハウジング11と第1のモータハウジング25の間にECU22のための収容室24を区画する。
【選択図】図3
Description
電動モータの回転軸の軸方向に関して、電動モータと減速機構との間に、制御装置を配置する電動パワーステアリング装置が提案されている(例えば特許文献1,2を参照)。
また、上記モータハウジングの少なくとも一部はアルミニウムを含む材料で形成され、電動モータは、ロータ(54)およびステータ(55)を含み、上記ステータは、モータハウジングの内周に嵌合され単一の材料で一体に形成された環状のステータコア(580)とを有している場合がある(請求項5)。この場合、いわゆる一体型のステータコアを用いることにより、組立が容易である。また、ステータの極の位置精度を向上できるので、電動モータの効率を向上することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置としての電動パワーステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結しているステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に自在継手4を介して連結された中間軸5と、中間軸5に自在継手6を介して連結された例えばラックアンドピニオン機構からなる転舵機構7とを備えている。
ステアリングシャフト3は、車体に固定されたステアリングコラム10によって図示しない軸受を介して回転可能に支持されている。
転舵軸9の一対の端部は、それぞれ第1および第3のハウジング11,13から突出し、各端部にはそれぞれタイロッド14が結合されている。各タイロッド14は対応するナックルアーム(図示せず)を介して対応する転舵輪15に連結されている。
ピニオン軸8は、自在継手6を介して中間軸5に連なる入力軸8bと、ピニオン8aに連なる出力軸8cと、入力軸8bと出力軸8cとを同軸上に連結するトーションバー8dとを備えている。
動力伝達機構18は、電動モータ17の出力回転を減速する例えば平行軸歯車機構からなるギヤ機構19と、ギヤ機構19の出力回転を転舵軸9の軸方向移動に変換する例えばボールねじ機構からなる運動変換機構20とを備えている。
ECU22は、トルクセンサ21からのトルク検出結果、および図示しない車速センサからの車速検出結果等に基づいて電動モータ17を制御する。具体的には、ECU22では、トルクと目標アシスト量との関係を車速毎に記憶したマップを用いて目標アシスト量を決定し、電動モータ17の発生するアシスト力を目標アシスト量に近づけるように制御する。
本実施の形態の主に特徴とするところは、電動モータ17のモータハウジング23の一部および第1のハウジング11が、単一の材料で一体に形成されている点にある。また、モータハウジング23の少なくとも一部および第2のハウジング12の少なくとも一部の間に、ECU22を収容する収容室24が区画されている点にある。
第1のハウジング11は、転舵軸9を収容するラックハウジング27と、上記の第1のモータハウジング25と、ラックハウジング27および第1のモータハウジング25を連結する連結部28とを単一の材料で一体に形成している。
第1のハウジング11および第2のハウジング12は、互いの端部で突き合わされ(或いは嵌め合わされ)、固定ねじ29を用いて互いに締結されている。また、第2のハウジング12および第3のハウジング13は、互いの端部で突き合わされ(或いは嵌め合わされ)、固定ねじ30を用いて互いに締結されている。第1のハウジング11および第2のハウジング12の互いの端部が、図3に示すような環状のシール部材85によって封止されている。
駆動ギヤ31およびその支軸34は、第2および第3のハウジング12,13に連通するように形成された収容孔35,36内に収容されている。駆動ギヤ31の支軸34は、一対の端部を有している。これら一対の端部は、それぞれ対応する軸受37,38を介して、第2および第3のハウジング12,13によって回転可能に支持されている。
第2のハウジング12の収容孔35,40は、収容室24に連通する開口35a,40aを有している。これらの開口35a,40aは、電動モータ17のモータハウジング23によって覆われている。
また、第2のハウジング12の第2の壁面102は、環状平面により構成されており、その環状平面は、電動モータ17の回転軸52の中心軸線C1または上記中心軸線C1の延長線(支軸34の中心軸線C2に一致)とは直交し且つ上記中心軸線C1または上記延長線の回りを取り囲んでいる。また、制御装置としてのECU22は、回転軸52の中心軸線C1または上記延長線の回りに配置されている。
電動モータ17は、上記モータハウジング23と、モータハウジング23内に収容されたロータ54およびステータ55を含む。
ECU22の収容室24を区画するハウジングの一部である第1のモータハウジング25は、収容室24とモータ室60とを仕切る仕切り壁67を底壁として含んでいる。この仕切り壁67に、上記第1の壁面101が設けられている。仕切り壁67の外周の近傍から第2のモータハウジング26側に向かって筒状突起68が延びており、その筒状突起68の外周に、第2のモータハウジング26の一端が嵌合されている。
収容室24には、ECU22の一部を構成するパワー基板73および制御基板74が収容され保持されている。パワー基板73には、電動モータ17を駆動するためのパワー回路の少なくとも一部(例えばFETなどのスイッチング素子)が実装されている。上記の各コイル59と接続されたバスバー61は、第1のモータハウジング25の上記仕切り壁67を挿通して収容室24内に進入するバスバー端子75を介して、パワー基板73に接続されている。
収容室24内において、パワー回路が実装されたパワー基板73は、第1の壁面101および第2の壁面102のうち第1の壁面101に相対的に近接して配置されている。すなわち、上記の仕切り壁67は、電動モータ17の回転軸52の軸方向X1に関しての厚みt1が相対的に厚い厚肉部67aと相対的に薄い薄肉部67bとを含んでいる。厚肉部67aは、収容室24内に突出するように設けられている。
本実施の形態では、パワー基板73は厚肉部67aにおける第1の壁面101に対して熱伝導可能に接触しており、上記の厚肉部67aは、パワー基板73の熱を逃がすためのヒートシンクとして機能している。
制御基板74は、電動モータ17の回転軸52の軸方向X1に関して、第2のハウジング12の第2の壁面102とパワー基板73との間に配置されている。パワー基板73および制御基板74は、電動モータ17の回転軸52の軸方向X1に関して所定の間隔を隔てて配置されている。また、電動モータ17の回転軸52の中心軸線C1に沿う方向に関して、制御基板74および継手53の互いの少なくとも一部が重なるようにレイアウトされている。
フランジ84の端面84a(図5では、上面)は、平面にされている。この端面84aに上記のシール部材85が接触することになる。また、フランジ84は、径方向外方に向かって突出する複数(本実施の形態では一対)のブラケット状の取付部86を有している。各取付部86には、当該取付部86をその厚み方向に貫通するねじ挿通孔87が形成されている。各ねじ挿通孔87には、第1のモータハウジング25および第2のハウジング12を締結するための上記の固定ねじ29が挿通される。
第1の壁面101のうち、厚肉部67aにおける部分が、パワー基板73を受ける座部103を構成している。座部103は、発熱要素としてのFET80を有するパワー基板73に、熱伝導可能に接触している。発熱要素の熱は、パワー基板73から、ヒートシンクを構成する厚肉部67aおよび取付部86を介して、第2のハウジング12と一体のラックハウジング27側へ逃がされる。
また、外周壁83に形成された保持部に、バッテリーからECU22に電源供給するための端子や、外部からの信号の入、出力用の端子が設けらた電気コネクタ88が保持されている。
また、モータハウジング23によって支持される回転軸52およびラックハウジング27によって支持される転舵軸9間の平行度を向上することができる。この点からも振動を低減することができる。また、両ハウジングが別部材で構成される場合と比較して、両ハウジング25,27間での熱伝導性を格段に向上することができるので、両ハウジング25,27を発熱要素(例えばFET80等)の熱を逃がすために用いる場合に、良好に熱を逃がすことができる。
また、制御装置としてのECU22を、電動モータ17の回転軸52の中心軸線C1(または上記中心軸線C1の延長線)の回りに配置したので、収容室24の内部のスペースをECU22の配置に有効に利用することができ、ひいては、回転軸52の軸方向X1に関して、電動パワーステアリング装置1をより小型にすることができる。
本発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、図6に示すように、第1のハウジング11Aの一部として軸方向に延長された第1のモータハウジング25Aを用い、この第1のモータハウジング25Aの内周に、単一の材料で一体に形成された環状のステータコア580を、圧入または焼き嵌めによって固定して、モータハウジング23Aを組み立てるようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、本発明が、電動モータの出力を操舵補助力として出力する電動パワーステアリング装置に適用された例について説明したが、これに限らない。例えば、操舵部材の操舵角に対する転舵輪の転舵角の比を変更可能な伝達比可変機構を備え、伝達比可変機構を駆動するために電動モータの出力を用いる伝達比可変式の車両用操舵装置や、操舵部材と転舵輪との機械的な連結が解除され、転舵輪を電動モータの出力で操向するステア・バイ・ワイヤ式の車両用操舵装置等に、本発明を適用してもよい。
また、上述の実施形態では、電動モータ17として、ブラシレスモータを用いる例について説明したが、これに限らず、ブラシレスモータ以外のモータを、電動モータ17として用いてもよい。
Claims (5)
- 電動モータと、電動モータの動力が動力伝達機構を介して入力される転舵機構とを備え、
転舵機構のハウジングの少なくとも一部および電動モータのモータハウジングの少なくとも一部が、単一の材料で一体に形成されていることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1において、上記動力伝達機構のハウジングは開口を有し、
上記モータハウジングは、上記開口を覆うように動力伝達機構のハウジングに連結されていることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1または2において、上記動力伝達機構のハウジングの少なくとも一部およびモータハウジングの少なくとも一部によって区画される収容室内に、電動モータの駆動を制御する制御装置が収容されていることを特徴とする車両用操舵装置。
- 請求項1から3の何れか1項において、上記転舵機構のハウジングは、車両の左右方向に延びる転舵軸を収容するハウジングを含むことを特徴とする車両用操舵装置。
- 請求項1から4の何れか1項において、上記モータハウジングの少なくとも一部はアルミニウムを含む材料で形成され、
電動モータは、ロータおよびステータを含み、
上記ステータは、モータハウジングの内周に嵌合され単一の材料で一体に形成された環状のステータコアを含むことを特徴とする車両用操舵装置。
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