JP2009139511A - 電子写真用トナー、二成分現像剤、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも結着樹脂と着色剤と離型剤を含有する電子写真用トナーであって、該トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を混合・溶融・混練・粉砕させて得られる混合物Aと、少なくとも混合物Aの結着樹脂よりも溶融粘度の高い結着樹脂と離型剤(ただし、混合物Aが離型剤を含有するときは混合物Aの離型剤の含有量よりも含有量の多い離型剤)を混合・溶融・混練・粉砕させて得られる混合物Bとを、混合物A>混合物Bの混合重量比率で再度混合・溶融・混練・粉砕させて得る。
【選択図】図1
Description
Ar > Br ・・・(1)
1.5≦(Aw×Ar+Bw×Br)/(Ar+Br)<10 ・・・(2)
(ただし、Ar+Br=100(重量部)であり、Aw:混合物Aの離型剤重量(重量部)、Ar:混合物Aの樹脂重量(重量部)、Bw:混合物Bの離型剤重量(重量部)、Br:混合物Bの樹脂重量(重量部)を表わす。)
(トナーの再混練によるワックスの微分散化)
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤と離型剤を含有する電子写真用トナーであって、該トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を混合・溶融・混練・粉砕させて得られる混合物Aと、少なくとも混合物Aの結着樹脂よりも溶融粘度の高い結着樹脂と離型剤(ただし、混合物Aが離型剤を含有するときは混合物Aの離型剤の含有量よりも含有量の多い離型剤)を混合・溶融・混練・粉砕させて得られる混合物Bとを、混合物A>混合物Bの混合重量比率で再度混合・溶融・混練・粉砕させて得ることによって、高い含有量で離型剤をトナー中に微分散化することができ、高速で長期間にわたる画像形成においても光沢や定着温度幅の変化がなく、しかも転写チリの発生しない高画質の画像を出力するトナーを得たものである。
1.5≦(Aw×Ar+Bw×Br)/(Ar+Br)<10 (2)
(ただし、Aw:混合物Aの離型剤重量(重量部)、Ar:混合物Aの樹脂重量(重量部)、Bw:混合物Bの離型剤重量(重量部)、Br:混合物Bの樹脂重量(重量部)を表わす。)
かかる要件(2)は、混合物Aと混合物Bの再混合後の離型剤の含有量が1.5重量部未満、もしくは10重量部を超えると十分な微分散ができなくなることから導き出されたものであり、これによって、さらに離型剤の十分な微分散ができ、長時間ラン後の画像濃度や転写チリの低減に好ましい効果がもたらされるようになる。
また、小粒径の粉砕トナーの製造にも本発明は適している。すなわち、従来のワックス微分散化が達成されていないトナーを小粒径に粉砕すると、トナー表面に露出するワックス量が相対的に増加し、出力画像の不具合の原因となることが多かったが、本発明においては重量平均粒径が5.0μmのトナーにおいても、ワックスの帯電部材やキャリアへの付着による不具合を発生することなく長時間にわたって安定した画像を出力することができる。また、本発明におけるトナー粒径は何らこのサイズに限定されることなく、さらに小粒径のトナーを製造した場合にも同様な思考によって、不具合の発生しない製品を得ることができる。
(結着樹脂)
トナーの結着樹脂には、従来からトナーに使用されているもの全てが使用できる。例えば、ポリスチレン、ポリクロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチレン/ビニルナフタレン共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン/ビニルメチルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/アクリロニトリル/インデン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルブチルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、これらは単独であるいは2種以上を混合して使用される。
トナーの着色剤には、公知の染料及び顔料が全て使用できる。例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。
帯電制御剤には、従来から使用されている公知のものが全て使用でき、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
また、本発明に使用する離型剤は、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、結着樹脂との分散の中で、より離型剤として効果的に定着ローラーとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラーにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。
ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
次に本発明のトナーに使用される外添剤について説明する。一次粒子を凝集させて使用する外添剤は、柱状の結晶を形成可能な粒子であれば、特に限定されず、ごく一般的に電子写真用トナーに使用される材料を外添剤として使用することができる。また、前記外添粒子以外にも必要に応じて二次凝集の有無に関わらず外添剤を複数種使用することが可能であり、これらについても公知の材料を外添剤として使用することが可能である。これら外添剤としては、具体的には、流動性付与、帯電性や現像性付与の目的から、無機微粒子が好ましく用いられ、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。
本発明は、磁性一成分トナーにも使用することができる。また、磁性トナーとして使用する場合には、公知の磁性材料が使用でき、磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などが挙げられる。これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが好ましい。
本発明のトナーは、キャリアを使用する二成分現像剤用のトナーとしても使用できる。キャリアには、従来より公知の二成分現像剤用のものを使用することができ、例えば、鉄やフェライト等の磁性体粒子からなるキャリア、このような磁性体粒子を樹脂で被覆してなる樹脂コートキャリア、あるいは磁性体微粉末を結着樹脂中に分散して成るバインダ型キャリア等を使用することができ、磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などを使用できる。
また、上記以外にキャリアに使用される被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。またポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレン−アクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が挙げられる。
また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中にフィラーとして含有させてもよい。導電粉等としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、シリカ等が使用できる。これらは、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、導電粉の場合は電気抵抗の制御が困難になる。
(粉砕して造粒する(溶融混練法))
本発明に係るトナーを作製する方法としては、まず、前述した結着樹脂、着色剤としての顔料または染料、離型剤、荷電制御剤、その他の添加剤をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合した後、連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ、KCK社混練機等の熱混練機を用いて構成材料をよく混練する。このとき、比エネルギーを増加する方法として、混練処理量を低下する方法や、混練機設定温度を低くし、混練物を高粘度状態で混練する方法を用いる。
<トナーの粒径の測定>
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。本発明においては、コールターマルチサイザーIIを使用して測定した。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテルを0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
トナーの溶融粘度の測定には、フローテスターが使用され、例えば島津製作所製の高架式フローテスターCFT500D型が使用される。このフローテスターに下記の測定条件でトナーをセットし、昇温法によって各々軟化温度、流出開始温度、T1/2温度などを読み取ることができる。T1/2温度は、流出開始温度と、測定の終了温度におけるピストンストロークの中間値における温度を示し、トナーの熱特性をあらわす最も一般的な数値の一つである。このT1/2温度を本発明においては溶融粘度とする。
《測定条件》
荷重:10kg/cm2、昇温速度:3.0℃/min、
ダイ口径:0.5mm、ダイ長さ:1.0mm、開始温度50℃、
到達温度250.0℃、予熱時間200s、
《サンプル作製条件》
サンプル重量1.00gをフローテスター用成型器により径10.0mmに成型する。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量はGPC(gel permeation chromatography)によって以下の条件で測定した。
・装置:GPC−150C(ウォーターズ社製)
・カラム:KF801〜807(ショウデックス社製)
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:1.0mL/分
・試料:濃度0.05〜0.6%の試料を0.1mL(ミリリットル)注入した。
以上の条件で測定したポリエステル樹脂の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用してポリエステル樹脂の重量平均分子量を算出した。
数平均分子量は、GPC−150C(ウォーターズ社製)及びカラムKF801〜807(ショウデックス社製)を用いて測定した。このとき、溶媒としては、THF(テトラヒドロフラン)を用い、温度40℃、流速1.0ml/分で測定した。試料としては、0.05〜0.6重量%の樹脂溶液を用い、0.1ml注入した。また、THF100mlに樹脂1gを添加した時の不溶分が75重量%以上である場合は、溶媒として、DMF(ジメチルホルムアミド)を用いた。なお、数平均分子量は、単分散ポリスチレン標準試料を用いて作成した分子量校正曲線から算出した。
前記ガラス転移温度は、示差走査熱量計を用いて測定することができる。具体的には、次のような手順で決定される。測定装置として島津製作所社製TA−60WS、及びDSC−60を用い、次に示す測定条件で測定した。
〔測定条件〕
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50ml/min)
〔温度条件〕
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
測定した結果は、前記島津製作所社製データ解析ソフト(Ta−60、バージョン1.52)を用いて解析を行った。解析方法は2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線の最も低温側に最大ピークを示す点を中心として±5℃の範囲を指定し、解析ソフトのピーク解析機能を用いてピーク温度を求める。次に、DSC曲線で前記ピーク温度+5℃、及び−5℃の範囲で解析ソフトのピーク解析機能を用いて、DSC曲線の最大吸熱温度を求める。ここで示された温度がトナーのガラス転移温度(Tg)に相当する。
酸価(mgKOH/g)は以下の方法で測定した。
三角フラスコにワックス1〜1.5gを精秤し、これにキシレン20mlを加えた後、加熱溶解する。溶解後ジオキサン20mlを加え、液が濁り又はかすみを生じない間にN/10水酸化カリウム標準メタノール溶液で1%フェノールフタレイン溶液を指示薬としてできるだけ早く滴定する。同時に空試験を行なう。
・計算式
酸価=[5.61×(A−B)×f]/S
但し、
A:本試験に要したN/10水酸化カリウム標準メタノール溶液のml数
B:空試験に要したN/10水酸化カリウム標準メタノール溶液のml数
f:N/10水酸化カリウム標準メタノール溶液のファクター
S:試料(g)
水酸基価(mgKOH/g)は以下の方法で測定した。
試料0.5gを100mlのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mlを正しく加えた。その後、100℃±5℃の浴中に浸して加熱した。1〜2時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後水を加えて振り動かして無水酢酸を分解した。次いで、分解を完全にするため、再びフラスコを浴中で10分間以上加熱し放冷後、有機溶剤でフラスコの壁をよく洗浄した。このようにして得られた液をN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で電位差滴定を行い水酸基価を求めた(JIS K0070−1966に準ずる)。
離型剤の融点の測定には、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を使用した。まず試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。室温から昇温速度10℃/minで180℃まで加熱する。融点は、TAS−100システム中の解析システムを用いて、融点近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
上述した本発明のトナーが使用される画像形成方法は、像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含み、前記転写像が形成された記録媒体を定着部から排出するときの搬送速度を280mm/秒以上とする高速度で画像形成を行う画像形成方法である。
本発明においては、上記感光体(101)、帯電手段(102)、現像手段(103)、及びクリーニング手段(101)等の構成要素のうち、少なくとも感光体と現像手段とをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。そしてプロセスカートリッジが装着される画像形成装置は、記録媒体を定着部から排出するときの搬送速度が280mm/秒以上である高速の画像形成装置である。
まず、本発明のトナーの製造に用いた結着樹脂の合成例を示す。
(ポリエステル樹脂1)
温度計、攪拌機、冷却器および窒素導入管の付いた反応槽中にビスフェノールAのPO付加物(水酸基価 320)443部、ジエチレングリコール135部、テレフタル酸422部およびジブチルチンオキサイド2.5部を入れて、200℃で酸価が10になるまで反応させて、[ポリエステル樹脂1]を得た。本樹脂のTgは63℃、ピーク個数平均分子量6000であった。
温度計、攪拌機、冷却器および窒素導入管の付いた反応槽中にビスフェノールAのPO付加物(水酸基価 320)443部、ジエチレングリコール135部、テレフタル酸422部およびジブチルチンオキサイド2.5部を入れて、230℃で酸価が7になるまで反応させて、[ポリエステル樹脂2]を得た。本樹脂のTgは65℃、ピーク個数平均分子量(Mp)16000であった。
次に、本発明のトナーの製造に用いたマスターバッチ1の作製例を示す。
・水 25部
・カーボンブラック(三菱化学社製 #C−44) 50部
・ポリエステル樹脂(ビスフェノールAのPO、EO付加物とテレフタル酸からなり、Tg:60℃、Mw:25000、Mp:115℃の線状ポリエステル)
50部
上記のトナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、混合物を2本ロールを用いて120℃で45分間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し[マスターバッチ1]を得た。
・ポリエステル樹脂1 100部
・カルナバワックス 1部
・マスターバッチ1 10部
上記のトナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20B)で、1500rpmで3分間混合し、一軸混練機(Buss社製の小型ブス・コ・ニーダー)にて、設定温度:入口部100℃、出口部50℃で、フィード量:2kg/hrの条件で混練を行い、[母体トナーA1]を得た。
次いで、[母体トナーA1]を圧延冷却し、パルペライザーで粉砕し、更に、I式ミル(日本ニューマチック社製、IDS−2型)にて、平面型衝突板を用い、エアー圧力:6.8atm/cm2、フィード量:0.5kg/hrの条件にて微粉砕を行い、次に分級機(アルピネ社製の132MP)で分級を行って、[母体トナー粒子A1]を得た。[母体トナー粒子A1]の溶融粘度は、T1/2=123℃であった。
・ポリエステル樹脂2 100部
・カルナバワックス 10部
・マスターバッチ1 10部
上記のトナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20B)で、1500rpmで3分間混合し、一軸混練機(Buss社製の小型ブス・コ・ニーダー)にて、設定温度:入口部150℃、出口部120℃で、フィード量:2kg/hrの条件で混練を行い[母体トナーB1]を得た。
次いで、[母体トナーB1]を圧延冷却し、パルペライザーで粉砕し、更に、I式ミル(日本ニューマチック社製、IDS−2型)にて、平面型衝突板を用い、エアー圧力:6.8atm/cm2、フィード量:0.5kg/hrの条件にて微粉砕を行い、次に分級機(アルピネ社製の132MP)で分級を行って、[母体トナー粒子B1]を得た。[母体トナー粒子B1]の溶融粘度は、T1/2=135℃であった。
[母体トナー粒子A1]・・・75部
[母体トナー粒子B1]・・・25部
上記の構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20B)で、1500rpmで3分間混合し、一軸混練機(Buss社製の小型ブス・コ・ニーダー)にて、設定温度:入口部120℃、出口部90℃で、フィード量:2kg/hrの条件で混練を行い、[母体トナー1]を得た。
次いで、[母体トナー1]を圧延冷却し、パルペライザーで粉砕し、更に、I式ミル(日本ニューマチック社製、IDS−2型)にて、平面型衝突板を用い、エアー圧力:10.0atm/cm2、フィード量:0.1kg/hrの条件で微粉砕を行い、次に分級機(アルピネ社製の132MP)にて分級を行って、[母体トナー粒子1]を得た。
・二次凝集した疎水性の酸化チタン 1.0部
・一次粒径10nmの疎水性シリカ 1.0部
・一次粒径110nmの真球状ヘキサメチルジシラザン疎水化処理シリカ
1.0部
以上をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20B)にて混合してトナーを得た。なお、混合条件は、周速30m/secで、30秒回転、60秒回転停止、のセットを5回繰り返した。
得られたトナーを[トナー1]とする。[トナー1]の重量平均粒径(D4)は5.1μm、個数平均粒径(Dn)は4.0μmであった。
A4サイズの用紙(T6000 70W T目、リコー社製)に3cm×5cmの均一な長方形になるような画像を紙面の先端から6cmの位置に、付着量0.85mg/cm2のトナーを線速280mm/secにて定着させた(トナー重量は画像出力前後の用紙の重量から計算した)。このときの、通紙枚数100K枚後における記録媒体上の画像濃度の変動と、転写チリの有無を目視ランク評価によって行い、長時間連続出力時における画質変動を調べた。ただし、ランクは5段階とし、1:変動大〜5:変動小(4以上を合格)とした。
その結果、[トナー1]は長時間連続出力後においても画質変動は小さく、ランク4以上をキープしたことがわかった。また、キャリアスペントに伴った帯電量変化から生じる転写チリ画像劣化も発生しないことが分かった。
実施例1で作製した[母体トナー1]を混練後圧延冷却し、パルペライザーで粉砕し、更に、I式ミル(日本ニューマチック社製、IDS−2型)にて、平面型衝突板を用い、エアー圧力:5.0atm/cm2、フィード量:0.5kg/hrの条件で微粉砕を行い、次に分級機(アルピネ社製の132MP)にて分級を行って、[母体トナー粒子2]を得た。
次いで[母体トナー粒子2]に[母体トナー粒子1]の場合と同様にして外添剤を混合しトナーを作製した。得られたトナーを[トナー2]とする。[トナー2]の重量平均粒径(D4)は7.4μm、個数平均粒径(Dn)は4.6μmであった。
実施例1で作製した[母体トナー1] を混練後圧延冷却し、パルペライザーで粉砕し、更に、I式ミル(日本ニューマチック社製、IDS−2型)にて、平面型衝突板を用い、エアー圧力:4.8atm/cm2、フィード量:0.8kg/hrの条件で微粉砕を行い、次に分級機(アルピネ社製の132MP)にて分級を行って、[母体トナー粒子3]を得た。
次いで[母体トナー粒子3]に[母体トナー粒子1]の場合と同様にして外添剤を混合しトナーを作製した。得られたトナーを[トナー3]とする。[トナー3]の重量平均粒径(D4)は9.8μm、個数平均粒径(Dn)は7.9μmであった。
この[トナー3]について、[トナー1]と同様の評価を行ったところ、長時間連続出力後においても画質変動は小さく、ランク4以上をキープしたことがわかった。また、キャリアスペントに伴った帯電量変化から生じる転写チリ画像劣化も発生しないことが分かった。
実施例1で作製した[母体トナー粒子A1]と[母体トナー粒子B1]を以下の重量部数で、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20B)にて1500rpmで3分間混合した。
[母体トナー粒子A1] 51部
[母体トナー粒子B1] 49部
混合したトナー構成材料を一軸混練機(Buss社製の小型ブス・コ・ニーダー)にて設定温度:入口部120℃、出口部90℃で、フィード量:2kg/hrの条件で混練を行い、[母体トナー4]を得た。
次いで[母体トナー4]を圧延冷却し、パルペライザーで粉砕し、更に、I式ミル(日本ニューマチック社製、IDS−2型)にて、平面型衝突板を用い、エアー圧力:5.0atm/cm2、フィード量:0.5kg/hrの条件にて微粉砕を行い、次に分級機(アルピネ社製の132MP)にて分級を行って、[母体トナー粒子4]を得た。
次いで[母体トナー粒子4]に[母体トナー粒子1]の場合と同様にして外添剤を混合しトナーを作製した。得られたトナーを[トナー4]とする。[トナー4]の重量平均粒径(D4)は7.5μm、個数平均粒径(Dn)は5.0μmであった。
この[トナー4]について、[トナー1]と同様の評価を行ったところ、長時間連続出力後においても画質変動は小さく、ランク4以上をキープしたことがわかった。また、キャリアスペントに伴った帯電量変化から生じる転写チリ画像劣化も発生しないことが分かった。
実施例1で作製した[母体トナー粒子A1]と[母体トナー粒子B1]の重量混合比をそれぞれ60/40、70/30、85/15とした以外は上記[トナー4]の場合と同様にして、[トナー5〜7]を得た。得られた[トナー5〜7]の重量平均粒径(D4)は7.6μm、7.5μm、7.4μm、個数平均粒径(Dn)は5.1μm、4.6μm、5.0μm、であった。
これら[トナー5〜7]について、[トナー1]と同様の評価を行ったところ、長時間連続出力後においても画質変動は小さく、ランク4以上をキープしたことがわかった。また、キャリアスペントに伴った帯電量変化から生じる転写チリ画像劣化も発生しないことが分かった。
実施例1において作製した[母体トナー粒子A1]の離型剤(カルナウバワックス)含有量を0部とした[母体トナー粒子A2]75部と、[母体トナー粒子B1]25部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20B)で、1500rpmで3分間混合し、次に一軸混練機(Buss社製の小型ブス・コ・ニーダー)で、設定温度:入口部120℃、出口部90℃で、フィード量:2kg/hrの条件で混練を行い、[母体トナー8]を得た。
次いで[母体トナー8]を圧延冷却し、パルペライザーで粉砕し、更に、I式ミル(日本ニューマチック社製、IDS−2型)にて、平面型衝突板を用い、エアー圧力:5.0atm/cm2、フィード量:0.5kg/hrの条件で微粉砕を行い、次に分級機(アルピネ社製の132MP)にて分級を行って、[母体トナー粒子8]を得た。
次いで[母体トナー粒子8]に[母体トナー粒子1]の場合と同様にして外添剤を混合しトナーを作製した。得られたトナーを[トナー8]とする。[トナー8]の重量平均粒径(D4)は7.6μm、個数平均粒径(Dn)は5.0μmであった。
この[トナー8]について、[トナー1]と同様の評価を行ったところ、長時間連続出力後においても画質変動は小さく、ランク4以上をキープしたことがわかった。また、キャリアスペントに伴った帯電量変化から生じる転写チリ画像劣化も発生しないことが分かった。
実施例1において作製した[母体トナー粒子A1]の離型剤(カルナウバワックス)含有量を2部とした[母体トナー粒子A3]75部と、[母体トナー粒子B1]25部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20B)で、1500rpmで3分間混合し、次に一軸混練機(Buss社製の小型ブス・コ・ニーダー)にて設定温度:入口部120℃、出口部90℃で、フィード量:2kg/hrの条件で混練を行い、[母体トナー9]を得た。
次いで[母体トナー9]を圧延冷却し、パルペライザーで粉砕し、更に、I式ミル(日本ニューマチック社製、IDS−2型)にて、平面型衝突板を用い、エアー圧力:5.0atm/cm2、フィード量:0.5kg/hrの条件にて微粉砕を行い、次に分級機(アルピネ社製の132MP)で分級を行って、[母体トナー粒子8]を得た。
次いで[母体トナー粒子9]に[母体トナー粒子1]の場合と同様にして外添剤を混合しトナーを作製した。得られたトナーを[トナー9]とする。[トナー9]の重量平均粒径(D4)は7.6μm、個数平均粒径(Dn)は5.1μmであった。
この[トナー9]について、[トナー1]と同様の評価を行ったところ、長時間連続出力後においても画質変動は小さく、ランク4以上をキープしたことがわかった。また、キャリアスペントに伴った帯電量変化から生じる転写チリ画像劣化も発生しないことが分かった。
実施例1において作製した[母体トナー粒子A1]75部と、[母体トナー粒子B1]の離型剤(カルナウバワックス)含有量を5部とした[母体トナー粒子B2]25部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20B)で、1500rpmで3分間混合し、次に一軸混練機(Buss社製の小型ブス・コ・ニーダー)にて設定温度:入口部120℃、出口部90℃で、フィード量:2kg/hrの条件で混練を行い、[母体トナー10]を得た。
次いで、[母体トナー10]を[トナー4]の場合と同様に処理してトナーとした。得られたトナーを[トナー10]とする。[トナー10]の重量平均粒径(D4)は7.6μm、個数平均粒径(Dn)は5.0μmであった。
この[トナー10]について、[トナー1]と同様の評価を行ったところ、長時間連続出力後においても画質変動は小さく、ランク4以上をキープしたことがわかった。また、キャリアスペントに伴った帯電量変化から生じる転写チリ画像劣化も発生しないことが分かった。
実施例1において作製した[母体トナー粒子A1]75部と、[母体トナー粒子B1]の離型剤(カルナウバワックス)含有量を15部とした[母体トナー粒子B3]25部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、次に一軸混練機(Buss社製の小型ブス・コ・ニーダー)にて、設定温度:入口部130℃、出口部100℃で、フィード量:2kg/hrの条件で混練を行い、[母体トナー11]を得た。
次いで、[母体トナー11]を[トナー4]の場合と同様に処理してトナーとした。得られたトナーを[トナー11]とする。[トナー11]の重量平均粒径(D4)は7.6μm、個数平均粒径(Dn)は5.0μmであった。
この[トナー11]について、[トナー1]と同様の評価を行ったところ、長時間連続出力後においても画質変動は小さく、ランク4以上をキープしたことがわかった。また、キャリアスペントに伴った帯電量変化から生じる転写チリ画像劣化も発生しないことが分かった。
実施例1において作製した[母体トナー粒子A1]75部と、[母体トナー粒子B1]の離型剤(カルナウバワックス)含有量を25部とした[母体トナー粒子B4]25部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20B)で1500rpmで3分間混合し、次に一軸混練機(Buss社製の小型ブス・コ・ニーダー)にて、設定温度:入口部150℃、出口部120℃で、フィード量:2kg/hrの条件で混練を行い、[母体トナー12]を得た。
次いで、[母体トナー12]を[トナー4]の場合と同様に処理してトナーとした。得られたトナーを[トナー12]とする。[トナー12]の重量平均粒径(D4)は7.5μm、個数平均粒径(Dn)は5.0μmであった。
この[トナー12]について、[トナー1]と同様の評価を行ったところ、長時間連続出力後においても画質変動は小さく、ランク4以上をキープしたことがわかった。また、キャリアスペントに伴った帯電量変化から生じる転写チリ画像劣化も発生しないことが分かった。
実施例1において作製した[母体トナー粒子A1]75部と、[母体トナー粒子B1]の離型剤(カルナウバワックス)含有量を3部とした[母体トナー粒子B5]25部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20B)で、1500rpmで3分間混合し、次に一軸混練機(Buss社製の小型ブス・コ・ニーダー)にて、設定温度:入口部120℃、出口部90℃で、フィード量:2kg/hrの条件で混練を行い、[母体トナー13]を得た。
次いで、[母体トナー13]を[トナー4]の場合と同様に処理してトナーとした。得られたトナーを[トナー13]とする。[トナー13]の重量平均粒径(D4)は7.2μm、個数平均粒径(Dn)は4.6μmであった。
この[トナー13]について、[トナー1]と同様の評価を行ったところ、長時間連続出力後においても画質変動は小さく、ランク4以上をキープしたことがわかった。さらにキャリアスペントに伴った帯電量変化から生じる転写チリ画像劣化も発生しないことが分かった。
実施例1において作製した[母体トナー粒子A1]55部と、実施例1において作製した[母体トナー粒子B1]の場合の離型剤(カルナウバワックス)含有量を20部に変え、かつ、一軸混練機(Buss社製の小型ブス・コ・ニーダー)の混練条件を設定温度:入口部150℃、出口部120℃で、フィード量:0.5kg/hrに変更して得られた[母体トナー粒子B6]45部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20B)で、1500rpmで3分間混合し、次に一軸混練機(Buss社製の小型ブス・コ・ニーダー)にて、設定温度:入口部120℃、出口部90℃で、フィード量:2kg/hrの条件で混練を行い、[母体トナー14]を得た。
次いで、[母体トナー14]を[トナー4]の場合と同様に処理してトナーとした。得られたトナーを[トナー14]とする。[トナー14]の重量平均粒径(D4)は7.2μm、個数平均粒径(Dn)は4.6μmであった。
この[トナー14]について、[トナー1]と同様の評価を行ったところ、長時間連続出力後においても画質変動は小さく、ランク4以上をキープしたことがわかった。また、キャリアスペントに伴った帯電量変化から生じる転写チリ画像劣化も発生しないことが分かった。
(低溶融粘度の樹脂を使用したトナーの作製)
ポリエステル樹脂1 ・・・・ 100部
カルナバワックス ・・・・ 10部
マスターバッチ1 ・・・・ 10部
上記のトナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、一軸混練機(Buss社製の小型ブス・コ・ニーダー)にて以下の条件で混練を行い(設定温度:入口部100℃、出口部50℃で、フィード量:2kg/Hr)、[母体トナーA4]を得た。
更に、[母体トナーA4]を混練後圧延冷却し、パルペライザーで粉砕し、更に、I式ミル(日本ニューマチック社製IDS−2型にて、平面型衝突板を用い、エアー圧力:6.8atm/cm2、フィード量:0.5kg/hrの条件)にて微粉砕を行い、更に分級を行って(アルピネ社製の132MP)、[母体トナー粒子A4]を得た。[母体トナー粒子A4]の溶融粘度は、T1/2=123℃であった。
ポリエステル樹脂2 ・・・・ 100部
カルナバワックス ・・・・ 1部
マスターバッチ1 ・・・・ 10部
上記のトナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、一軸混練機(Buss社製の小型ブス・コ・ニーダー)にて以下の条件で混練を行い(設定温度:入口部150℃、出口部120℃で、フィード量:2kg/Hr)、[母体トナーB6]を得た。
更に、[母体トナーB6]を混練後圧延冷却し、パルペライザーで粉砕し、更に、I式ミル(日本ニューマチック社製IDS−2型にて、平面型衝突板を用い、エアー圧力:6.8atm/cm2、フィード量:0.5kg/hrの条件)にて微粉砕を行い、更に分級を行って(アルピネ社製の132MP)、[母体トナー粒子B6]を得た。[母体トナー粒子B6]の溶融粘度は、T1/2=135℃であった。
[母体トナー粒子A4]・・・60部
[母体トナー粒子B6]・・・40部
上記の構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、一軸混練機(Buss社製の小型ブス・コ・ニーダー)にて以下の条件で混練を行い(設定温度:入口部120℃、出口部90℃で、フィード量:2kg/Hr)、[母体トナー15]を得た。
更に、[母体トナー15]を混練後圧延冷却し、パルペライザーで粉砕し、更に、I式ミル(日本ニューマチック社製IDS−2型にて、平面型衝突板を用い、エアー圧力:10.0atm/cm2、フィード量:0.1kg/hrの条件)にて微粉砕を行い、更に分級を行って(アルピネ社製の132MP)、[母体トナー粒子15]を得た。
その後、[母体トナー粒子15]100部に対し、次の3種類の外添剤を混合した。
二次凝集した疎水性の酸化チタン・・・1.0部
一次粒径10nmの疎水性シリカ・・・1.0部
一次粒径110nmの真球状ヘキサメチルジシラザン疎水化処理シリカ
・・・1.0部
以上をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20B)にて混合してトナーを得た。なお、混合条件は、周速30m/secで、30秒回転、60秒回転停止、のセットを5回繰り返すとする。
以上で得られたトナーを[トナー15]とする。[トナー15]の重量平均粒径(D4)は7.6μm、個数平均粒径(Dn)は6.0μmであった。
上記のように作製した[トナー15]を[トナー1]と同様の評価を行ったところ、長時間連続出力によって許容範囲を超える転写チリが発生し、画質が低下した。
比較例1において作製した[母体トナーA4]のカルナバワックス配合比率を5部とし、その後は[母体トナーA4]と同様にして作製した[母体トナー粒子A5]51部と、比較例1において作製した[母体トナー粒子B6]49部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、一軸混練機(Buss社製の小型ブス・コ・ニーダー)にて以下の条件で混練を行い(設定温度:入口部120℃、出口部90℃で、フィード量:2kg/Hr)、[母体トナー16]を得た。
その後は、実施例4で使用した[トナー4]と同様の手法にてトナーを作製し、得られたトナーを[トナー16]とする。[トナー16]の重量平均粒径(D4)は7.1μm、個数平均粒径(Dn)は4.6μmであった。
この[トナー16]を[トナー1]と同様の評価を行ったところ、長時間連続出力によって許容範囲を超える転写チリが生じ、画質が低下した。
実施例1で作製した[母体トナー粒子A1]と[母体トナー粒子B1]の重量比を45/55とした以外は、実施例4で使用した[トナー4]と同様の手法でそれぞれ[トナー17]を得た。各々の重量平均粒径(D4)は7.4μm、個数平均粒径(Dn)は6.0μm、であった。
この[トナー17]を[トナー1]と同様の評価を行ったところ、長時間連続出力によって許容範囲を超える画像濃度変動が発生し、画質が低下した。
11 トナー断面
21 結着樹脂
22 離型剤
23 着色剤
24 外添剤
(図2について)
18 画像形成手段
20 タンデム画像形成装置
21 露光手段
22 2次転写装置
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
40、40Y、40C、40M 感光体
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
48 給紙路
62 1次転写装置
(図3について)
100 プロセスカートリッジ
101 感光体
102 帯電手段
103 現像手段
104 クリーニング手段
Claims (8)
- 少なくとも結着樹脂と着色剤と離型剤を含有する電子写真用トナーであって、該トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を混合・溶融・混練・粉砕させて得られる混合物Aと、少なくとも混合物Aの結着樹脂よりも溶融粘度の高い結着樹脂と離型剤(ただし、混合物Aが離型剤を含有するときは混合物Aの離型剤の含有量よりも含有量の多い離型剤)を混合・溶融・混練・粉砕させて得られる混合物Bとを、混合物A>混合物Bの混合重量比率で再度混合・溶融・混練・粉砕させて得ることを特徴とする電子写真用トナー。
- 混合物Aの溶融粘度は混合物Bの溶融粘度よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
- 混合物Aの離型剤の含有量は混合物Aの結着樹脂100重量部に対して0〜2重量部であり、混合物Bの離型剤の含有量は混合物Bの結着樹脂100重量部に対して5〜25重量部であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナー。
- 混合物Aの離型剤及び結着樹脂と混合物Bの離型剤及び結着樹脂は、下記式(1)及び式(2)の関係を満たすことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子写真用トナー。
〔数1〕
Ar > Br ・・・(1)
1.5≦(Aw×Ar+Bw×Br)/(Ar+Br)<10 ・・・(2)
(ただし、Ar+Br=100(重量部)であり、Aw:混合物Aの離型剤重量(重量部)、Ar:混合物Aの樹脂重量(重量部)、Bw:混合物Bの離型剤重量(重量部)、Br:混合物Bの樹脂重量(重量部)を表わす。) - 請求項1ないし4に記載のトナーとキャリアを含有することを特徴とする二成分現像剤。
- 像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含み、前記転写像が形成された記録媒体を定着部から排出するときの搬送速度を280mm/秒以上で行う画像形成方法であって、前記現像工程で使用されるトナーが請求項1ないし5のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
- 像担持体と、前記像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも含み、前記転写像が形成された記録媒体を定着部から排出するときの搬送速度が280mm/秒以上である画像形成装置であって、前記現像手段は前記像担持体上に形成された静電潜像を請求項1ないし5のいずれかに記載のトナーを用いて現像し可視像を形成するものであることを特徴とする画像形成装置。
- 少なくとも像担持体と現像手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であり、かつ、記録媒体を定着部から排出するときの搬送速度が280mm/秒以上である画像形成装置用プロセスカートリッジであって、前記現像手段は前記像担持体上に形成された静電潜像を請求項1ないし5のいずれかに記載のトナーを用いて現像し可視像を形成するものであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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