JP2009132944A - エアロゾルデポジション法による成膜体の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エアロゾルデポジション法により、100μmを超える厚さにおいても圧粉体とならず緻密な成膜体を安定的に形成する方法を提供する。
【解決手段】アルミナ等の原料微粒子を搬送ガスと混合してエアロゾル化し、ノズル11から石英ガラス等の被堆積基板21に噴射して成膜する際、エアロゾル中の原料微粒子13の被堆積基板21への噴射時の入射角度を、基板21を回転させる等の方法により変化させつつ噴射することにより、圧粉体の形成を阻止して緻密な成膜体を形成する。
【選択図】図1
【解決手段】アルミナ等の原料微粒子を搬送ガスと混合してエアロゾル化し、ノズル11から石英ガラス等の被堆積基板21に噴射して成膜する際、エアロゾル中の原料微粒子13の被堆積基板21への噴射時の入射角度を、基板21を回転させる等の方法により変化させつつ噴射することにより、圧粉体の形成を阻止して緻密な成膜体を形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、エアロゾルデポジション法を用いて膜厚の厚い成膜体を形成する方法に関する。
エアロゾルデポジション法(以下、AD法と記す)は、粒径が数十nm〜数μmのセラミックスあるいは金属の微粒子から成る原料をガスと混合してエアロゾル化し、ノズルを通して基板に噴射して、被膜を形成する技術である。近年、AD法は、低基板温度で、かつ高成膜速度で、原料である微粒子と同様の結晶構造を有する緻密な被膜が形成できる方法として着目されている。
AD法を用いた成膜装置について図6を用いて説明する。図6は、成膜装置の基本構成を示した概略図である。図中、61は被成膜基板、62は被成膜基板61を移動せしめるXYステージ、63はノズル、64は成膜チャンバ、65は分級器、66はエアロゾル発生器、67は高圧ガス供給源、68はマスフロー制御器、69はパイプライン、図中矢印は基板走査方向を模式的に示したものである。セラミックスあるいは金属からなる原料微粒子は、エアロゾル発生器66の内部でマスフロー制御器68を介して供給される搬送ガス(図示せず)と混合されてエアロゾル化される。成膜チャンバ64の内部は、真空ポンプ(図示せず)で〜50Pa程度に減圧されており、この圧力とエアロゾル発生器66内部の圧力との差圧によって生じるガス流によってエアロゾル化された原料微粒子は、分級器65を介して成膜チャンバ64内に導かれ、ノズル63を通して加速、被成膜基板61に噴射される。ガスによって搬送された原料微粒子は、1mm以下の微小開口のノズルを通すことで数百m/sまでに加速される。
加速された原料微粒子は被成膜基板61に衝突し、その運動エネルギーは一気に解放され、皮膜が形成されることになる。しかし、加速された原料微粒子が有する運動エネルギーが全て基板に衝突した原料微粒子の温度上昇に費やされたとしても、その温度は、例えばセラミックスの焼結に必要な温度等と比べると一桁程度低く、緻密な成膜体が得られるメカニズムについては不明な点が多い。しかし、その成膜過程には、原料微粒子の基板衝突時に発生する破砕が重要な役割担っていると考えられている。なお、“原料微粒子の破砕”とは、基板に飛来した原料微粒子自体の破砕と、既に基板表面に付着している原料微粒子の破砕の両者を意味する。
すなわち、特開2003−73855号公報においては、脆性材料から成る原料微粒子の場合、その微粒子の平均粒径が50nm以上で、かつその形状が非球形の不定形形状で、少なくとも一カ所以上、角を持つ形状とすることにより、当該角の部分に基板衝突時の衝撃力が集中し、原料微粒子の破砕が促進される結果、緻密な成膜体が得られることが開示されている。
特開2003−73855号公報
しかし、我々のAD法による膜厚の大きい成膜体を形成するための系統的な検討の結果、10〜20μm程度の成膜体は比較的容易に形成されるものの、それ以上の膜厚、例えば100μmを超える膜厚の成膜体を安定に形成することが困難であることが判明した。すなわち、成膜初期過程、換言すると膜厚が20μm程度以下と薄い状態においては、緻密な成膜体が得られるものの、膜厚が増大するにつれ緻密な成膜体は形成されず、圧粉体のみが形成される、と云う問題があることが明らかとなった。
上記課題を解決するために、
本発明により提供される第1の手段は、
原料微粒子を搬送ガスと混合してエアロゾル化し、該搬送ガスと共に、原料微粒子をノズルを通して加速して被堆積基板表面に向けて噴射せしめることにより減圧チャンバ内で成膜体を形成するエアロゾルデポジション法であって、該ノズルから噴射された原料微粒子の該被堆積基板の被堆積表面への入射角度を変化させつつ成膜することを特徴とするエアロゾルデポジション法による成膜体の形成方法である。
また、本発明により提供される第2の手段は、
前記第1の手段において、該入射角度の変化が連続的かつ周期的であることを特徴とするエアロゾルデポジション法による成膜体の形成方法である。
本発明により提供される第1の手段は、
原料微粒子を搬送ガスと混合してエアロゾル化し、該搬送ガスと共に、原料微粒子をノズルを通して加速して被堆積基板表面に向けて噴射せしめることにより減圧チャンバ内で成膜体を形成するエアロゾルデポジション法であって、該ノズルから噴射された原料微粒子の該被堆積基板の被堆積表面への入射角度を変化させつつ成膜することを特徴とするエアロゾルデポジション法による成膜体の形成方法である。
また、本発明により提供される第2の手段は、
前記第1の手段において、該入射角度の変化が連続的かつ周期的であることを特徴とするエアロゾルデポジション法による成膜体の形成方法である。
更に、本発明により提供される第3の手段は、
前記第1の手段において、該入射角度の変化が間歇的かつ周期的であることを特徴とするエアロゾルデポジション法による成膜体の形成方法である。
前記第1の手段において、該入射角度の変化が間歇的かつ周期的であることを特徴とするエアロゾルデポジション法による成膜体の形成方法である。
AD法で形成された膜であって、成膜初期段階では緻密な成膜体で、膜厚の増加と共に圧粉体となった膜の組織を電子顕微鏡で観察した結果、例えば図7に模式的に示すような組織を有していることが明らかとなった。図7は、搬送ガス流量が一定の条件下で形成した膜の断面組織を模式的に示した概略図であり、図中71は基板、72は成膜体層、73は圧粉体層である。すなわち、搬送ガス流量が一定で、原料微粒子の基板入射角度が基板71の表面の法線方向と略一致する条件下で作成した膜の組織は、同図に示したように、成膜体層72では緻密な膜が形成されており、かつ成膜体層72を構成する粒子の径は原料微粒子の粒径の約1/10〜1/5であった。一方、圧粉体層73においては、基板71からの距離が大きくなるにつれ(膜厚が増加するにつれ)、空隙部の数、大きさ共に増大し、かつ圧粉体層を構成する粒子の径も増大し、最終的には原料微粒子の粒径と同程度になることが明らかとなった。また、成膜体層72と圧粉体層73との境界は明瞭に区別できるものではなく、成膜体層から圧粉体層への組織変化は連続的に発生していることも明らかとなった。
この観察結果より、圧粉体層73が形成される原因は、膜厚の増加につれて原料微粒子の破砕(前述したように、“原料微粒子の破砕”とは基板に飛来した原料微粒子自体の破砕と既に基板表面に付着した原料微粒子の破砕の両者を意味する。)が発生し難くなっていることにあることが判る。
一方、原料微粒子が破砕される原因は、その基板衝突時における原料微粒子の有する運動エネルギーの解放に伴う衝撃力であり、係る原料微粒子の有する運動エネルギーは基板衝突速度によって決定される。ところで、原料微粒子の基板衝突速度は、搬送ガスの流量によって決定されることから、搬送ガス流量が一定の条件下で成膜する場合には、原料微粒子の基板衝突速度は常に一定であり、衝突時に解法される運動エネルギーも一定になる。従って、理想的には、形成された膜厚の如何を問わず、原料微粒子の破砕は同様に発生して然るべきである。
しかし、前述したように、AD法で形成した膜の断面組織を電子顕微鏡で観察した結果、膜厚の増加と共に、空隙部の数及びその大きさ、共に増大していることから、以下に述べるような現象が発生してものと想定される。
図8は、原料微粒子の基板衝突によって発生する圧力と成膜体層及び圧粉体層に発生する歪みとの関係を模式的に示した図である。一般的に、圧力(応力)と歪みとは、同図に示したように、圧力が小さい領域では、圧力に応じて歪みは線形的に増加するが(図中、弾性変形領域)、その後圧力の上昇に歪み量は追従しなくなり、最終的には破砕に至る(図中破砕発生点)。圧粉体層においては、空隙部が多数存在するため、緻密な成膜体層に比べて変形し易く、弾性変形領域が広いと考えられ、結果として破砕が発生するために要する圧力(以下、臨界圧力と記す)も大きくなっていると推定される。すなわち、原料微粒子の基板衝突によって発生する圧力が、成膜体層における臨界圧力は超えるが、圧粉体層の臨界圧力を下回る場合には、一旦圧粉体層が形成されると、最早基板に付着した原料微粒子の破砕は発生せず、圧粉体層が形成され続けることになる。
このような圧粉体層の形成を阻止するためには、圧粉体層の形成の源となる、基板表面に付着している未破砕の原料微粒子、若しくは破砕が不充分な微粒子を除去することが必要となる。また、未破砕原料微粒子、若しくは破砕が不充分な微粒子は、基板表面、あるいは基板に既に形成されている成膜体との密着力が低いと考えられ、比較的容易に除去され得るものと考えられる。
すなわち、本発明は、以下に説明する基板に入射する原料微粒子のエッチング効果に着目し、未破砕原料微粒子、若しくは破砕が不充分な微粒子を除去しつつ緻密な成膜体を形成せんとするものである。
図3〜5に原料微粒子の入射方向、換言すると入射角度の影響を示す。
図3aは原料微粒子の入射方向と入射角度との関係を示す模式図で、図中31は基板、32は成膜された膜、33はノズル、34はノズル開口部、35はノズル開口部34から噴射された原料微粒子である。図3bは基板位置を固定して一定時間形成された成膜体の形状を模式的に示したものである。図中、36は成膜体の形状、37は等膜厚線、Pは最も膜厚の厚い点を基板に投影した点である。基板31を固定し、一定時間原料微粒子を基板表面に向けて噴射せしめた場合、原料微粒子35は、ある程度の方向分布を持って基板に入射するため、形成された成膜体は成膜体36に示すような山型の形状となる。ここで云う、原料微粒子の入射方向とは点Pとノズル開口部34の中心と結ぶ直線に平行で、かつノズル開口部34から点Pに向かう方向の意である。大略的には、図3aに示した矢印、及びブロック矢印で示した方向と理解される。また、ここで云う基板入射角度とは、図3aに示すように、基板表面法線方向と入射方向とのなす角度、Θの意である。
図4は基板入射角度と一定時間成膜した成膜体の膜厚との関係を示す。図中●印は、搬送ガス流量が小さい場合、□印は搬送ガス流量が大きい場合に対応する。いずれの場合も、基板入射角度が0度で成膜した場合に得られる膜厚で規格化されている。同図に示したように、基板入射角度が20度を超えた辺りから、成膜体の膜厚は急激に減少しはじめ、搬送ガス流量が小さい場合の減少量は、同流量が大きい場合に比べて小さい。この原因は、基板入射角度の増大と共に、基板に入射する粒子のエッチング効果が顕在化することにあると推定される。
図5は、一定の膜厚の成膜体を形成した後、一定時間、原料微粒子を基板に入射せしめた後の膜厚減少量と入射角度との関係を示したものである。図5と同様に、図中●印は、搬送ガス流量が小さい場合、□印は搬送ガス流量が大きい場合に対応する。また、同図において、膜厚減少量が0とは、膜厚の減少が発生しない場合、及び基板に入射された原料微粒子が堆積されて膜厚が増加した場合の両者を意味する。
同図に示したように、搬送ガス流量が大きい場合、入射角度が25度を超えた辺りから、膜厚減少が顕在化するのに対し、搬送ガス流量が小さい場合には入射角度が40度を超えた辺りから膜厚減少が顕在化する。
以上の結果から、AD法においては、原料微粒子の基板入射角度、及び搬送ガス流量を適当に選定することにより、原料微粒子のエッチング効果を制御できることが理解される。
すなわち、本発明は、ノズルから噴射された原料微粒子の基板入射角度を変化させつつ成膜することにより、前述したエッチング効果と堆積効果とを調和させ、圧粉体層の形成の源となる、基板表面に付着している未破砕の原料微粒子、若しくは破砕が不充分な微粒子を除去しつつ、膜厚が厚く、かつ緻密性に優れた成膜体を形成せんとするものである。
本発明により、AD法を用いて超100μm厚の膜厚の厚い成膜体を安定して形成することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1及び図2は本発明の実施の形態を示す模式図である。
図1及び図2は本発明の実施の形態を示す模式図である。
図1は、成膜時におけるノズルと基板とのなす角度が変化する様子を模式的に示した図である。図中、11はノズル、13は第1のノズルから噴射される原料微粒子である。また、図中の矢印、及びブロック矢印は、原料微粒子13の基板入射方向を、またブロック矢印に(1)(2)(3)(4)と付したのは、基板が回転する順序を示したものである。すなわち、成膜開始時には、図1aに示すように、原料微粒子13は、基板21の被成膜面と略直交する方向から入射し、一定の時間、成膜が行われる。その後、基板21が時計方向に回転して、所望の角度に達した時に静止し、その状態で一定の時間、成膜が行われる(図1bに対応)。その後、再び基板21は反時計方向に回転して、図1aに示す状態で静止して、また一定の時間、成膜が行われる。その後、基板21は反時計方向に回転し、所望の角度に達した時に静止し、その状態で一定の時間、成膜が行われる(図1cに対応)。その後、再び基板21は時計方向に回転して、図1aに示す状態で静止して、また一定の時間、成膜が行われる。以上のサイクルを繰り返すことにより、成膜体の形成が行われる。図2には、その様子を、成膜時間と原料微粒子13の入射角度との関係として示す。図中、“0”は、原料微粒子が基板表面に直交する方向から基板に入射する図1aの場合に対応し、また正負の極大は、例えば、図1b、図1cの場合に対応する。図2aは前述した、間歇的に基板入射角度が変化する場合、図2bは連続的に同角度が変化する場合を示している。特に図2aの場合には、基板が回転する間、成膜を持続しても、また中断してもどちらでも構わない。
このように、成膜中に基板を回転させることにより、原料微粒子13の基板入射角度を変化せしめ、膜の堆積が優先的に行われる状態と、エッチング効果が顕在化する状態を交互に繰り返すことにより、成膜体表面に付着した未破砕原料微粒子、あるいは破砕が不充分な粒子を除去しつつ、膜が形成されるため、圧粉体の形成は阻止され、緻密な成膜体が形成されることになる。なお、ここで云う“エッチング効果が顕在化する”とは、必ずしも膜が全く堆積が全く堆積されず、エッチングのみが発生する場合のみならず、堆積速度が減少しはじめる場合をも意味する。基板入射角度の極大、あるいは極小値としてどの領域を選定するか、換言すると、膜の堆積は全く行われず、エッチングのみが発生する角度を選定するか、あるいはエッチングは発生しているが、なお膜の堆積も生じている角度を選定するかは、原料微粒子の種類、あるいは圧粉体の生じ易さによって適宜選定されるべきものである。
以下、実施例を用いて、本発明の実施の形態について、更に詳細に説明する。
原料微粒子として平均粒径が0.7μmのアルミナ粒子を用い、搬送ガスとして空気を用いて成膜した。ノズルのノズル開口は、5nm×0.3nmで、用いた基板は石英ガラスである。搬送ガス流量は、4l/minで、このときノズルから噴射されたアルミナ微粒子の基板衝突速度は、共に240m/sで、アルミナ微粒子の基板入射角度が0度の場合、その堆積速度は10μm/minであった。
同条件下で成膜した結果、膜厚が30μmを超えた辺りから圧粉体の形成が顕著に認められ、100μmを超える膜厚の成膜体は形成できなかった。
同条件下で成膜した結果、膜厚が30μmを超えた辺りから圧粉体の形成が顕著に認められ、100μmを超える膜厚の成膜体は形成できなかった。
比較例と同様、原料微粒子として平均粒径が0.7μmのアルミナ粒子を用い、搬送ガスとして空気を用いて成膜した。ノズルのノズル開口は、5nm×0.3nmで、用いた基板は石英ガラスである。搬送ガス流量は、4l/minで、このときノズルから噴射されたアルミナ微粒子の基板衝突速度は、共に240m/sで、アルミナ微粒子の基板入射角度が0度の場合、その堆積速度は10μm/minで、同角度が25度の場合は7μm/minであった。
成膜開始時の基板入射角度を0度に設定し、図2aに示した態様で基板入射角度を変化させた。すなわち、基板入射角度を0度に保持して、2分間成膜した後、基板入射角度を25度に設定して同様に2分間成膜し、その後基板入射角度を再び0度に設定して2分間成膜する、と云うサイクルを繰り返して、130μm厚のアルミナ成膜体を形成した。なお、入射角度を変化させるのに要した時間は約10秒であった。
実施例1と同様の条件で110μm厚のアルミナ成膜体を形成した。ただし、基板入射角度は、図2bに示したように、正弦波状に変化させた。振幅は30度(この場合の堆積速度は5μm/minであった)で周期は3分であった。
本発明により成る成膜方法は、AD法を用いて、100μmを超える厚さの成膜体を形成する上で有用であり、係る成膜体を用いた部品、材料に係る産業分野において利用可能である。
11 ノズル
13 ノズルから噴射される原料微粒子
31 基板
32 成膜された膜
33 ノズル
34 ノズル開口部
35 ノズル開口部44が噴射された原料微粒子
36 成膜体の形状
37 等膜厚線
61 被成膜基板
62 XYステージ
63 ノズル
64 成膜チャンバ
65 分級器
66 エアロゾル発生器
67 高圧ガス供給源
68 マスフロー制御器
69 パイプライン
71 基板
72 成膜体層
73 圧粉体層
P 最も膜厚の厚い点を基板に投影した点
13 ノズルから噴射される原料微粒子
31 基板
32 成膜された膜
33 ノズル
34 ノズル開口部
35 ノズル開口部44が噴射された原料微粒子
36 成膜体の形状
37 等膜厚線
61 被成膜基板
62 XYステージ
63 ノズル
64 成膜チャンバ
65 分級器
66 エアロゾル発生器
67 高圧ガス供給源
68 マスフロー制御器
69 パイプライン
71 基板
72 成膜体層
73 圧粉体層
P 最も膜厚の厚い点を基板に投影した点
Claims (3)
- 原料微粒子を搬送ガスと混合してエアロゾル化し、該搬送ガスと共に、原料微粒子をノズルを通して加速して被堆積基板表面に向けて噴射せしめることにより減圧チャンバ内で成膜体を形成するエアロゾルデポジション法であって、該ノズルから噴射された原料微粒子の該被堆積基板の被堆積表面への入射角度を変化させつつ成膜することを特徴とするエアロゾルデポジション法による成膜体の形成方法。
- 該入射角度の変化が連続的かつ周期的であることを特徴とする請求項1記載のエアロゾルデポジション法による成膜体の形成方法。
- 該入射角度の変化が間歇的かつ周期的であることを特徴とする請求項1記載のエアロゾルデポジション法による成膜体の形成方法。
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- 2007-03-13 TW TW096108518A patent/TW200741032A/zh unknown
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WO2012060309A1 (ja) | 2010-11-02 | 2012-05-10 | 日本碍子株式会社 | 結晶製造方法 |
US9663871B2 (en) | 2010-11-02 | 2017-05-30 | Ngk Insulators, Ltd. | Method for forming a single crystal by spraying the raw material onto a seed substrate |
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WO2007105674A1 (ja) | 2007-09-20 |
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