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JP2009128393A - 防眩材料 - Google Patents

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JP2009128393A JP2007299882A JP2007299882A JP2009128393A JP 2009128393 A JP2009128393 A JP 2009128393A JP 2007299882 A JP2007299882 A JP 2007299882A JP 2007299882 A JP2007299882 A JP 2007299882A JP 2009128393 A JP2009128393 A JP 2009128393A
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Abstract

【課題】 本発明は、防眩機能、高コントラスト及びギラツキ防止の機能をバランスよく備えた、高精細なLCDにも適用可能な防眩材料を提供することを目的とする。
【解決手段】 少なくとも一方の面に凹凸形状が形成され、該凹凸形状を有する面の傾斜角が次式(1)および(2)の分布条件を満たす防眩材料。前記防眩材料が、透光性基体上に樹脂層が積層されてなることが好ましい。
【数1】
Figure 2009128393

[A:傾斜角1.6°以上の全体に占める割合、B:(傾斜角0.4°以上1.6°未満の全体に占める割合)÷(傾斜角0.4°未満の全体に占める割合)]
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等のディスプレイ表面に設ける防眩材料に関し、特に高コントラストやギラツキ防止が要求される、例えば30インチ以上の大型高精細液晶テレビに好適に使用できる防眩材料に関する。
近年、LCDやPDP等のディスプレイが発達し、携帯電話から大型テレビまで、数多くの用途に様々なサイズの製品が製造・販売されるようになってきた。
これらのディスプレイは、表示装置表面に蛍光燈などの室内照明、窓からの太陽光の入射、操作者の影などの写り込みにより、画像の視認性が妨げられる。そのため、ディスプレイ表面には、画像の視認性を向上するために、表面反射光を拡散し、外光の正反射を抑え、外部環境の写り込みを防ぐことができる(防眩性を有する)微細凹凸構造を形成させた防眩フィルムなどの、機能性フィルムが最表面に設けられている(従来AG)。
これら機能性フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」という。)やトリアセチルセルロース(以下、「TAC」という。)等の透光性基体上に、微細凹凸構造を形成させた防眩層を一層設けたものや、光拡散層上に低屈折率層を積層したものなどが、一般に製造販売されている。
しかしながら、近年ディスプレイの大型化、高精細化および高コントラスト化が進み、機能性フィルムにはさらなる性能の向上が求められている。
ディスプレイの最表面に防眩フィルムを用いた場合には、防眩性を発現させるための防眩フィルムの光拡散効果が逆に作用し、黒表示の画像を白っぽくさせ、コントラストが低下してしまうという問題があった。リビングなどの明るい部屋での使用の際は、特に顕著であった。このため、光拡散効果による防眩性を多少犠牲にしてでも、高コントラストを達成できる防眩フィルムが要求されている(高コントラストAG)。
また、高コントラスト達成のために、防眩フィルムの上層に低反射層を一層もしくは高屈折率層と低屈折率層を交互に複数層設ける方法も用いられている(低反射層つきAG)。
一方で、防眩フィルムを最表面に用いた場合には、微細凹凸構造に起因すると考えられるギラツキ(輝度の強弱の部分)が表面に発生し視認性を低下させる問題がある。このギラツキは、ディスプレイの画素数の増加に伴う画素の精細化、および画素分割方式などのディスプレイの技術の向上に伴い発生しやすくなり、ギラツキ防止効果を持った防眩フィルムが求められている(高精細AG)。
ギラツキ防止効果を達成するためには、特許文献1のように、機能性フィルム表面の平均山間隔、中心線平均表面粗さおよび十点平均表面粗さを細かく規定したり、また画面への外光の写り込み、ギラツキ現象や白味のバランスを調整する方法として、特許文献2および特許文献3のように表面ヘイズと内部ヘイズの範囲を細かく規定したりする方法も開発が進められている。このため、高精細LCDに用いられる光拡散性シートの設計では、ギラツキ防止効果を奏するための内部拡散性と、白ぼけ防止効果を奏するために表面拡散性を制御することが行われている。
特開2002−196117号公報 特開平11−305010号公報 特開2002−267818号公報
これら特許文献に記載された発明は、防眩機能、高コントラスト、ギラツキ防止から選択される一つの機能を満足させることはできるものの、一方の機能を追求すると他方の機能が犠牲になるという、いわゆるトレードオフの関係にあった。これらの問題は小型画面よりも大画面で起こりやすくなるものであり、特に外光の映り込みを解決することが困難であった。したがって、透光性基体上に防眩層を1層積層しただけの単純な構成では、これら機能を満足することは出来なかった。そこで、これら機能を同時に付与する方法として、多層に積層した膜やフィルム表面の形状などの開発が進められているが、多層化により複数回透光性基体上に塗工する工程が必要となりコストが多く掛かるという問題がある。また、多層化による各層間のバランスを調整することが難しく、実際には使用する目的に応じて、防眩機能、高コントラスト、ギラツキ防止から選択される一部の機能を実現しているにすぎないものであった。
そこで、本発明は、防眩機能、高コントラスト及びギラツキ防止の機能をバランスよく備えた、高精細なLCDにも適用可能な防眩材料を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究の結果、防眩材料の表面に微細な凹凸形状を形成しつつ、その凹凸形状の傾斜角の分布を最適化することで、これまでトレードオフの関係を有していた防眩機能、高コントラスト及びギラツキ防止の各機能のいずれもが最適化される範囲が存在することを見出し、本発明を完成させたものである。
本発明は、少なくとも一方の面に凹凸形状が形成され、該凹凸形状を有する面の傾斜角が次式(1)および(2)の分布条件を満たすことを特徴とする防眩材料である。
Figure 2009128393
[A:傾斜角1.6°以上の全体に占める割合、B:(傾斜角0.4°以上1.6°未満の全体に占める割合)÷(傾斜角0.4°未満の全体に占める割合)]
また、前記防眩材料が、透光性基体上に樹脂層が積層されてなることが好ましく、前記樹脂層が、透光性樹脂微粒子を含み、前記透光性基体が積層されてなる面と反対側の面に凹凸形状が形成されていることが好ましい。
また、前記凹凸形状の凹凸平均間隔(Sm)が50〜250μmであることが好ましく、前記防眩材料の内部ヘイズが5〜40であることが好ましい。
更にまた、前記樹脂層上に低反射層が積層されてなることが好ましい。
本発明の防眩材料は、防眩性、高コントラスト、ギラツキ防止といった機能をバランスよく具備するものであり、ディスプレイ表面に用いた場合に視認性の良い高画質のディスプレイ表示が可能となるものである。そして、塗工工程を少なくすることでのコスト低減も併せて可能とするものである。
本最良形態に係る防眩材料は、防眩材料の少なくとも一方の面に、所定の傾斜角が分布するように凹凸形状が形成されていることを基本構成とする。前記凹凸形状は防眩材料の片面に形成されていてもよいし、両面に形成されてもよい。
本発明における防眩材料としては特に制限されないが、例えば、透光性基体そのもの、透光性基体上に樹脂層が積層されてなるもの、樹脂層そのものを挙げることができる。樹脂層そのものは、透光性基体などの支持体上に樹脂層を形成させた後、当該樹脂層を剥離することにより、樹脂層そのものを得ることができる。
透光性基体上に樹脂層が積層されてなる場合としては、例えば、片面に所定の形状を有する透光性基体において、そのもう一方の面上に樹脂層を積層してもよいし、所定の凹凸形状を有する透光性基体の面上に樹脂層が積層されていてもよい。また、透光性基体上に樹脂層を積層した後、該樹脂層に所定の凹凸形状を形成させてもよい。さらにまた、透光性基体上に、透光性微粒子を含有させてなる樹脂層を積層してもよい。
また、透光性微粒子を樹脂層に含有させることにより、樹脂層の面に所望の凹凸形状を形成させることができる。
本発明における防眩材料は透光性基体および樹脂層以外に、他の層を有していてもよい。ここで他の層としては、例えば、偏光基体、低反射層、他の機能付与層(例えば、帯電防止層、近赤外線(NIR)吸収層、ネオンカット層、電磁波シールド層、ハードコート層)、を挙げることができる。当該他の層の位置としては、例えば、透光性基体の片面に設けても両面に設けてもよいし、透光性基体と樹脂層の間に設けてもよいし、透光性基体上に積層されてなる樹脂層上に積層してもよい。
以下、本最良形態に係る防眩材料を中心に説明する。
<透光性基体>
本発明を構成する透光性基体としては、透光性である限り特に限定されず、石英ガラスやソーダガラス等のガラスも使用可能であるが、PET、TAC、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、含ノルボルネン樹脂、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド等の各種樹脂フィルムを好適に使用することができる。なお、PDP、LCDに用いる場合は、PET、TACフィルムがより好ましい。
これら透光性基体の透明性は高いものほど良好であるが、全光線透過率(JIS K7105)としては80%以上、より好ましくは90%以上が良い。また、透光性基体の厚さとしては、軽量化の観点からは薄い方が好ましいが、その生産性やハンドリング性を考慮すると、1〜700μmの範囲のもの、好ましくは25〜250μmを使用することが好適である。
また、透光性基体に、アルカリ処理、コロナ処理、プラズマ処理、スパッタ処理、ケン化処理等の表面処理や、界面活性剤、シランカップリング剤等の塗布、またはSi蒸着などの表面改質処理を行うことにより、透光性基体と、樹脂層および他の層との密着性を向上させることができる。
<樹脂層>
次に、本最良形態に係る樹脂層について詳述する。本最良形態に係る樹脂層を構成する材料は特に限定されないが、放射線硬化型樹脂組成物を使用することが好ましい。放射線硬化型樹脂組成物は、熱や紫外線等の放射線で硬化する樹脂組成物を意味するものであって、設備コストの削減や生産性を向上させることができる。放射線硬化型樹脂組成物としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等のラジカル重合性官能基や、エポキシ基、ビニルエーテル基、オキセタン基等のカチオン重合性官能基を有するモノマー、オリゴマー、プレポリマーを単独で、または適宜混合した組成物が用いられる。モノマーの例としては、アクリル酸メチル、メチルメタクリレート、メトキシポリエチレンメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等を挙げることができる。オリゴマー、プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、多官能ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、アルキットアクリレート、メラミンアクリレート、シリコーンアクリレート等のアクリレート化合物、不飽和ポリエステル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルや各種脂環式エポキシ等のエポキシ系化合物、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル等のオキセタン化合物を挙げることができる。これらは単独、もしくは複数混合して使用することができる。
放射線硬化型樹脂組成物は、そのままで電子線照射により硬化可能であるが、紫外線照射による硬化を行う場合は、光重合開始剤の添加が必要である。なお、用いられる放射線としては、紫外線、可視光線、赤外線、電子線のいずれであってもよい。また、これらの放射線は、偏光であっても無偏光であってもよい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のラジカル重合開始剤、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物等のカチオン重合開始剤を単独または適宜組み合わせて使用することができる。
本最良形態では、放射線硬化型樹脂組成物に、その重合硬化を妨げない範囲で高分子樹脂を添加使用することができる。この高分子樹脂は、後述する樹脂層塗料に使用される有機溶剤に可溶な熱可塑性樹脂であり、具体的にはアクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ、これらの樹脂中には、カルボキシル基やリン酸基、スルホン酸基等の酸性官能基を有することが好ましい。
また、放射線硬化型樹脂組成物にレベリング剤、増粘剤、帯電防止剤等の添加剤を含有させることができる。レベリング剤は、塗膜表面の張力均一化を図り塗膜形成前に欠陥を直す働きがあり、上記放射線硬化型樹脂組成物より界面張力、表面張力共に低い物質が用いられる。増粘剤は、上記放射線硬化型樹脂組成物へチキソ性を付与する働きがあり、後述する透光性樹脂微粒子や顔料等の沈降防止による樹脂層表面の微細な凹凸形状形成に効果がある。
本発明における樹脂層は、放射線硬化型樹脂組成物に、必要に応じて高分子樹脂および添加剤を含有させた硬化物により構成されることが好ましい。放射線硬化型樹脂層の形成方法としては、例えば、透光性基体上に放射線硬化型樹脂組成物と有機溶剤からなる塗料を塗工し、有機溶剤を揮発させた後に放射線(例えば電子線または紫外線照射)を照射することにより硬化させることができる。ここで使用される有機溶剤としては、放射線硬化型樹脂組成物を溶解するのに適したものを選ぶ必要がある。具体的には、透光性基体への濡れ性、粘度、乾燥速度といった塗工適性を考慮して、アルコール系、エステル系、ケトン系、エーテル系、芳香族炭化水素から選ばれた単独または混合溶剤を使用することができる。
樹脂層の厚さは1.0〜12.0μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは2.0〜11.0μmの範囲であり、さらに好ましくは3.0〜10.0μmの範囲である。樹脂層が1.0μmより薄い場合は、紫外線硬化型時に酸素阻害による硬化不良を起こし、樹脂層の耐磨耗性が劣化しやすくなる。樹脂層が12.0μmより厚い場合は、樹脂層の硬化収縮によるカールの発生や、マイクロクラックの発生、透光性基体との密着性の低下、さらには光透過性の低下が生じてしまう。そして、膜厚の増加に伴う必要塗料量の増加によるコストアップの原因ともなる。
<透光性微粒子>
透光性微粒子を樹脂層に含有させることにより、樹脂層の表面に微細な凹凸を形成させることができる。透光性微粒子を樹脂層に含有させる場合、樹脂層として放射線硬化型樹脂組成物を使用することが好ましい。放射線硬化型樹脂組成物を使用することにより、透光性樹脂微粒子との屈折率差を0.2以下にすることができやすくなり、全光線透過率を好適に維持することができる。
透光性樹脂微粒子としては、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン系樹脂等よりなる有機透光性樹脂微粒子を使用することができる。透光性樹脂微粒子の屈折率は、1.40〜1.75が好ましく、屈折率が1.40未満または1.75より大きい場合は、透光性基体あるいは樹脂マトリックス(透光性微粒子を除く樹脂層の全固形分)との屈折率差が大きくなり過ぎ、全光線透過率が低下する。
透光性樹脂微粒子の平均粒径は、0.3〜10μmの範囲のものが好ましく、1〜5μmがより好ましい。粒径が0.3μmより小さい場合は防眩性が低下するため、また10μmより大きい場合は、ギラツキを発生すると共に、表面凹凸の程度が大きくなり過ぎて表面が白っぽくなってしまうため好ましくない。また、上記樹脂中に含まれる透光性樹脂微粒子の割合は特に限定されないが、樹脂組成物100重量部に対し、1〜20重量部とするのが防眩機能、ギラツキ等の特性を満足する上で好ましく、樹脂層表面の微細な凹凸形状とヘイズ値をコントロールし易い。
ここで、「屈折率」は、JIS K−7142に従った測定値を指す。また、「平均粒径」は、電子顕微鏡で実測した100個の粒子の直径の平均値を指す。
<他の層>
本発明においては、透光性基体上に偏向基体を積層してもよい。また、樹脂層が積層された透光性基体の反対面に偏向基体を積層してもよい。ここで、当該偏光基体は、特定の偏光のみを透過し他の光を吸収する光吸収型の偏光フィルムや、特定の偏光のみを透過し他の光を反射する光反射型の偏光フィルムを使用することが出来る。光吸収型の偏光フィルムとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニレン等を延伸させて得られるフィルムが使用可能であり、例えば、2色性素子として沃素または染料を吸着させたポリビニルアルコールを一軸延伸して得られたポリビニルアルコール(PVA)フィルムが挙げられる。光反射型の偏光フィルムとしては、例えば、延伸した際に延伸方向の屈折率が異なる2種類のポリエステル樹脂(PEN及びPEN共重合体)を、押出成形技術により数百層交互に積層し延伸した構成の3M社製「DBEF」や、コレステリック液晶ポリマー層と1/4波長板とを積層してなり、コレステリック液晶ポリマー層側から入射した光を互いに逆向きの2つの円偏光に分離し、一方を透過、他方を反射させ、コレステリック液晶ポリマー層を透過した円偏光を1/4波長板により直線偏光に変換させる構成の日東電工社製「ニポックス」やメルク社製「トランスマックス」等が挙げられる。
更に、樹脂層上に低反射層を設けると、コントラストが向上するため好ましい。低反射層は樹脂層上に設ければよいのであって、例えば、樹脂層/低反射層からなる層構成や透光性基体/樹脂層/低反射層からなる層構成などを挙げることができる。この場合、低反射層の屈折率が樹脂層の屈折率より低いことが必要である。具体的には、低反射層の屈折率が1.45以下であることが好ましい。これらの特徴を有する材料としては、例えばLiF(屈折率n=1.4)、MgF(n=1.4)、3NaF・AlF(n=1.4)、AlF(n=1.4)、NaAlF(n=1.33)、等の無機材料を微粒子化し、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂等に含有させた無機系低反射材料、フッ素系、シリコーン系の有機化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、放射線硬化型樹脂等の有機低反射材料を挙げることができる。その中で、特に、フッ素系の含フッ素材料が汚れの防止の点において好ましい。また、低反射層は、臨界表面張力が20dyne/cm以下であることが好ましい。臨界表面張力が20dyne/cmより大きい場合は、低反射層に付着した汚れが取れにくくなる。
上記含フッ素材料としては、有機溶剤に溶解し、その取り扱いが容易であるフッ化ビニリデン系共重合体や、フルオロオレフィン/炭化水素共重合体、含フッ素エポキシ樹脂、含フッ素エポキシアクリレート、含フッ素シリコーン、含フッ素アルコキシシラン、等を挙げることができる。これらは単独でも複数組み合わせて使用することも可能である。
また、2−(パーフルオロデシル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチルメタクリレート、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチルメタクリレート、3−(パーフルオロ−8−メチルデシル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の含フッ素メタクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシルプロピルアクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチルアクリレート等の含フッ素アクリレート、3−パーフルオロデシル−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ−9−メチルデシル)−1,2−エポキシプロパン等のエポキサイド、エポキシアクリレート等の放射線硬化型の含フッ素モノマー、オリゴマー、プレポリマー等を挙げることができる。これらは単独若しくは複数種類混合して使用することも可能である。
さらに、5〜30nmのシリカ超微粒子を水若しくは有機溶剤に分散したゾルとフッ素系の皮膜形成剤を混合した低反射材料を使用することもできる。5〜30nmのシリカ超微粒子を水若しくは有機溶剤に分散したゾルは、ケイ酸アルカリ塩中のアルカリ金属イオンをイオン交換等で脱アルカリする方法や、ケイ酸アルカリ塩を鉱酸で中和する方法等で知られた活性ケイ酸を縮合して得られる公知のシリカゾル、アルコキシシランを有機溶媒中で塩基性触媒の存在下に加水分解と縮合することにより得られる公知のシリカゾル、さらには上記の水性シリカゾル中の水を蒸留法等により有機溶剤に置換することにより得られる有機溶剤系のシリカゾル(オルガノシリカゾル)が用いられる。これらのシリカゾルは水系及び有機溶剤系のどちらでも使用することができる。有機溶剤系シリカゾルの製造に際し、完全に水を有機溶剤に置換する必要はない。上記シリカゾルは、SiOとして0.5〜50重量%濃度の固形分を含有する。シリカゾル中のシリカ超微粒子の構造は、球状、針状、板状等様々なものが使用可能である。
また、皮膜形成剤としては、アルコキシシラン、金属アルコキシドや金属塩の加水分解物や、ポリシロキサンをフッ素変性したものなどを用いることができる。上記のような皮膜形成剤の中でも、特にフッ素化合物を用いることにより、低反射層の臨界表面張力が低下して油分の付着を抑制することができるので好ましい。本発明の低反射層は、上記で述べた材料を例えば溶剤で希釈し、スピンコーター、ロールコーター、印刷等の方法で放射線硬化型樹脂層上に設けて乾燥後、熱や放射線(紫外線の場合は上記の光重合開始剤を使用する)等により硬化させることによって得ることができる。放射線硬化型の含フッ素モノマー、オリゴマー、プレポリマーは耐汚染性には優れているが、濡れ性が悪いため、組成によっては樹脂層として放射線硬化型樹脂組成物を使用した場合、低反射層をはじくという問題や、低反射層が樹脂層から剥がれるという問題が生じるおそれがある。この問題を防ぐために、樹脂層に使用する放射線硬化型樹脂組成物としては、アクリロイル系、メタクリロイル系、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等重合性不飽和結合を有するモノマー、オリゴマー、プレポリマーを適宜混合し、使用することが望ましい。
なお、熱によるダメージを受けやすいPET、TAC等のプラスチック系フィルムを透光性基体に使用する場合は、これら低反射層の材料としては、放射線硬化型樹脂組成物を選択することが好ましい。
低反射層が良好な反射防止機能を発揮するための厚さについては、公知の計算式で算出することができる。入射光が低反射層に垂直に入射する場合に、低反射層が光を反射せず、かつ100%透過するための条件は次の関係式を満たせばよいとされている。なお、式中Nは低反射層の屈折率、Nは樹脂層の屈折率、hは低反射層の厚さ、λは光の波長を示す。
Figure 2009128393
上記(3)式によれば、光の反射を100%防止するためには、低反射層の屈折率が下層(樹脂層)の屈折率の平方根になるような材料を選択すればよいことが分かる。ただし、実際は、この数式を完全に満たす材料は見出し難く、限りなく近い材料を選択することになる。上記(4)式では(3)式で選択した低反射層の屈折率と、光の波長から低反射層の反射防止膜としての最適な厚さが計算される。例えば、放射線硬化型樹脂層、低反射層の屈折率をそれぞれ1.50、1.38、光の波長を550nm(視感度の基準)とし、これらの値を上記(4)式に代入すると、低反射層の厚さは0.1μm前後の光学膜厚、好ましくは0.1±0.01μmの範囲が最適であると計算される。
次に、本最良形態に係る防眩材料の凹凸形状について詳述する。
当該防眩材料の凹凸形状は、ASME/1995(ASME:American Society of Mechanical Engineers、アメリカ機械学会規格)に従って求められる凹凸形状の傾斜角の分布が、以下の(1)および(2)式を満足することで、防眩機能、高コントラスト、ギラツキ防止のバランスの取れた防眩材料を得ることができる。
Figure 2009128393
[A:傾斜角1.6°以上の全体に占める割合、B:(傾斜角0.4°以上1.6°未満の全体に占める割合)÷(傾斜角0.4°未満の全体に占める割合)]
AとBは、A≦0.1、且つ、0.9≦B≦1.9が好ましい。さらに好ましくは、A≦0.07、且つ、1.0≦B≦1.7である。0.2<Aであると、ギラツキが強くなるため好ましくない。また、0.2<Aであるか、2.5<Bのいずれかであると、防眩材料の表面における光散乱硬化が増加し、白っぽい画像となり、コントラストが低下するため好ましくない。特に、明るい部屋でのコントラスト(明室コントラスト)が著しく低下してしまう。B<0.8であると、光拡散効果が弱くなり防眩性が減少してしまう。
本発明において規定する凹凸形状の傾斜角の分布は、まず、ASME/1995に従って、防眩材料の凹凸形状を測定する。次に、凹凸形状を測定した測定全長において、測定長さ(X)0.5μm毎の凹凸の高さ(Y)を算出し、局所傾斜(ΔZ)を以下の式から算出する。
Figure 2009128393
ここで、ΔZは、ある任意の測定位置dXにおける局所傾斜をいう。続いて、傾斜角(θ)を以下の式から算出する。
Figure 2009128393
上式により傾斜角(θ)を測定全長にわたって求めた後、傾斜角(θ)を0.1°刻みとした度数分布を作成し、本発明で規定する所定の傾斜角を有するものの割合を求めた。
また、前記凹凸形状は、凹凸平均間隔(Sm)が50〜250μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは55〜220μm、更に好ましくは60〜180μmである。
凹凸の平均間隔が250μmより大きくなるとギラツキが悪くなる。50μmより小さくなると、防眩性が悪くなる。
更に、当該防眩材料は、透過像鮮明度が5.0〜70.0の範囲(JIS K7105に従い0.5mm光学くしを用いて測定した値)が好ましく、20.0〜65.0がより好ましい。透過像鮮明度が5.0未満ではコントラストが悪化し、70.0を超えると防眩性が悪化するため、ディスプレイ表面に用いる防眩材料に適さなくなる。
当該防眩材料の樹脂層中に透光性微粒子を含有させる場合などは、次式(5)〜(8)を充足する内部ヘイズ値(X)と全ヘイズ値(Y)を有することが好ましい。ここで、本発明における「全ヘイズ値」は防眩材料のヘイズ値を指し、本発明における「内部ヘイズ値」は防眩材料の凹凸形状表面に、粘着剤付透明性シートを貼り合わせた状態のもののヘイズ値から粘着剤付透明性シートのヘイズ値を引いた値を指す。粘着剤付透明性シートのヘイズ値は、防眩材料の表面に貼り合わせる前に、あらかじめ測定しておくことが好ましい。
尚、いずれのヘイズ値も、JIS K7015に従い測定した値を指す。
Figure 2009128393
ここで、X+35<Yであるか、50<Yのいずれかであると、表面での光拡散効果が大きくなることにより表面が白っぽくなり、コントラストが低下する。特に明室でのコントラストが悪くなる。X>YまたはX>40のいずれかであると、防眩材料(特に光学機能層)内部の光拡散効果が大きくなることで、コントラストが低下する。特に暗室でのコントラストが低下する。X>Y、Y>X+35またはX<5のいずれかであると、防眩材料内部の光拡散効果が小さくなるため、ギラツキが発現する。
10〜30型の中小型用の液晶ディスプレイにおける好ましい範囲は、次式(5)および(9)〜(11)を充足する内部ヘイズ値(X)と全ヘイズ値(Y)を有することが好ましい。
Figure 2009128393
また、X+1<Y<X+8、且つ、18<X<40の範囲にあることがさらに好ましく、X+2≦Y≦X+6、且つ、25≦X≦35の範囲にあることが特に好ましい。
また、高精細、高コントラストが要求される30型より大型の液晶ディスプレイ(TV)における好ましい範囲は、次式(12)および(13)を充足する内部ヘイズ値(X)と全ヘイズ値(Y)を有することが好ましい。
Figure 2009128393
次に、本最良形態に係る防眩材料の製造方法について詳述する。
まず、本発明の特徴である表面凹凸形状を施す方法について記述する。表面凹凸形状を施す方法としては、押出成形、射出成形、エンボッシング、ナノインプリントなどの技術の組み合わせで行う方法や、コーティングや印刷により行う方法がある。
技術の組み合わせで行う方法としては、透光性基体または樹脂層を構成する原料をスクリュ(またはプランジャ)で加熱シリンダ(バレル)内に送り込み、加熱流動化させ、先端のダイ(原料の通過断面穴を持った金型)を通過させて形を与え、引き出すと共に、型付け用ロールやコンベアベルト等の型付け手段を、必要に応じて加熱しつつ押し付けて行う方法がある。また、放射線硬化型樹脂などを主成分とする樹脂層を透光性基体上に塗布形成する際に、凹凸を有する型付け用フィルムで塗膜を被覆したまま紫外線や電子線を照射し固化させるか、形成された塗膜に型付け用ロール等の型付け手段を、必要に応じて加熱しつつ押し付けるとともに紫外線や電子線を照射し固化させるか、あるいは、剥離面に凹凸を有する剥離性基材上に樹脂層を塗布した後、紫外線や電子線を照射することにより固化・形成させた転写シートを作成し、該シートを用いて透光性基体などの被転写体に転写する方法等も使用することができる。型付けロール等の型付け手段を使用する方法は、型付けフィルムなどの消耗部材を使用する方法よりも、ランニングコスト的に有利で好ましい。透光性基体が紫外線吸収剤を含有している場合は、紫外線は樹脂層側から照射することが望ましい。
コーティングや印刷により行う方法としては、例えば、透光性基体上に樹脂マトリックス中に透光性微粒子を分散させた塗料を、従来の塗工方式や印刷方式により、塗工・印刷し、乾燥後、硬化処理して表面に微細な凹凸形状を有する樹脂層を設ける方法などがあるが、特に制限はない。塗工方式や印刷方式の具体例としては、エアドクターコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、ダムコーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティングや、グラビア印刷等の凹版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷等あげられる。
次に、本発明の特徴である表面凹凸形状やヘイズ値等の各種パラメータをコントロールする方法を詳述する。
まず、表面の凹凸形状を施す方法としては、既述の通り、型付きロールや型付きフィルムなどのレプリカを被凹凸形成面に押し当て、転造する方法と、透光性基体上に、透光性微粒子を含有する樹脂層を設ける方法とに大きく分けることができるが、そのコントロールは、前者の場合、例えば、従来のフォトリソグラフィーの技術を使用し、フォトマスクの選定、エッチング条件などの調整により行うことができる。後者の場合、透光性微粒子の添加量(単位面積あたりの含有量)、塗膜厚さ、塗料物性、乾燥条件などにより調節することができる。この時に、材料として増粘剤を用いることにより、微粒子の沈降が抑えられ、厚さ方向の微粒子の位置が調節しやすくなる。
X(内部ヘイズ)及びY(全ヘイズ)を本発明で規定した範囲内とするための調整は、例えば、樹脂層中に含有せしめた透光性微粒子と、樹脂マトリックスの屈折率の差や、透光性微粒子の含有量、更には乾燥条件など既述したパラメータの制御により調節できる。
本発明の実施例および比較例を以下に説明する。
〔実施例1〕
膜厚80μmのTACフィルム(全光線透過率92%)からなる透光性基体の片面上に、表1の実施例1に記載された樹脂層成分をディスパーにて1時間撹拌後、ダイヘッドコーティング方式にて塗布した。100℃で1分間乾燥した後、傾斜角の分布がA=0.1、B=1.0になるようにフォトリソグラフィー法で凹凸形状を施した型付きロール(表面フッ素処理)表面に、塗布面が完全に接触するようにバックアップロールでニップしながら押し当て、その直後、型付きロールに塗布面が接している状態のまま、透光性基体側から160Wメタルハライドランプによる紫外線照射(照射距離10cm、照射時間30秒)を行った。続いて、凹凸形状を有する樹脂層側に、窒素雰囲気中で前記と同様の条件で紫外線照射を行い塗布膜を完全に硬化させ樹脂層を形成させた。このようにして、実施例1の防眩材料を得た。
〔実施例2、3及び比較例1〜3〕
膜厚80μmのTACフィルム(全光線透過率92%)からなる透光性基体の片面上に、表1の実施例2、3及び比較例1〜3に記載された透光性微粒子を含む樹脂層成分をサンドミルにて1時間分散することによって得られた塗料を、リバースコーティング方式にて塗布した。100℃で1分間乾燥後、窒素雰囲気中で160W/cm集光型高圧水銀灯1灯で紫外線照射(照射距離15cm、照射時間30秒)を行い塗工膜を硬化させ樹脂層を形成させた。このようにして、実施例2、3及び比較例1〜3の防眩材料を得た。
尚、表1に示されている樹脂層用塗料における屈折率は原料の数値であり、硬化後の屈折率は一般に0.01〜0.03変動しやすい。
Figure 2009128393
前記実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた防眩材料の傾斜角の分布を算出し、その結果を表2に示した。
Figure 2009128393
上記表2の傾斜角の分布は、以下の手順に従い算出した。
まず、ASME/1995に従い、表面粗さ測定器(商品名:サーフコーダSE1700α、小坂研究所社製)を用いて、樹脂層上(透光性基体を具備していない面)に形成された凹凸形状を測定した。測定条件は以下の通りである。
・測定長さ :4.0mm
・フィルター :GAUSS
・λc(粗さカットオフ値) :0.8
・λf(うねりカットオフ値) :10λc
・縦倍率 :20,000倍
・横倍率 :500倍
次に、凹凸形状を測定した測定全長において、測定長さ(X)0.5μm毎の凹凸の高さ(Y)を算出し、局所傾斜(ΔZ)を以下の式から算出した。
Figure 2009128393
ここで、ΔZは、ある任意の測定位置dXにおける局所傾斜をいう。
続いて、傾斜角(θ)を以下の式から算出した。
Figure 2009128393
上式により傾斜角(θ)を測定全長にわたって求めた後、傾斜角(θ)を0.1°刻みとした度数分布を作成し、本発明で規定する所定の傾斜角を有するものの割合を求めた。
次に前記実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた防眩材料を用い、全ヘイズ値、内部ヘイズ値、全光線透過率、透過像鮮明度、中心線平均表面粗さ(Ra)、凹凸平均間隔(Sm)、防眩性、コントラスト、およびギラツキを下記方法により測定、評価した。
ヘイズ値は、JIS K7105に従い、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色社製)を用いて測定した。
内部ヘイズを測定する際に使用した粘着剤付透明性シートは、以下の通りである。
透明性シート:成分 ポリエチレンテレフタレート(PET)
厚さ 38μm
粘着剤 :成分 アクリル系粘着剤
厚さ 10μm
粘着剤付透明性シートのヘイズ:3.42
全光線透過率は、JIS K7105に従い、上記ヘイズメーターを用いて測定した。
透過像鮮明度は、JIS K7105に従い、写像性測定器(商品名:ICM−1DP、スガ試験機社製)を用い、測定器を透過モードに設定し、光学くし幅0.5mmにて測定した。
RaおよびSmは、JIS B0601−1994に従い、前記表面粗さ測定器を用いて測定した。
防眩性は、透過画像鮮明度の値が0〜30のとき◎、31〜70のとき○、71〜100のとき×とした。
コントラストは、各実施例および各比較例の防眩材料の樹脂層形成面と反対面に、無色透明な粘着層を介して液晶ディスプレイ(商品名:LC−37GX1W、シャープ社製)の画面表面に貼り合せ、液晶ディスプレイ画面の正面上方60°の方向から蛍光灯(商品名:HH4125GL、ナショナル社製)にて液晶ディスプレイ表面の照度が200ルクスとなるようにした後、液晶ディスプレイを白表示及び黒表示としたときの輝度を色彩輝度計(商品名:BM−5A、トプコン社製)にて測定し、得られた黒表示時の輝度(cd/m)と白表示時の輝度(cd/m)を以下の式にて算出した時の値が、600〜800のとき×、801〜1000のとき○、1001〜1200のとき◎とした。
コントラスト=白表示の輝度/黒表示の輝度
ギラツキは、各実施例および各比較例の防眩材料の樹脂層形成面と反対面に、無色透明な粘着層を介して解像度が50ppiの液晶ディスプレイ(商品名:LC−32GD4、シャープ社製)と、解像度が100ppiの液晶ディスプレイ(商品名:LL−T1620−B、シャープ社製)と、解像度が120ppiの液晶ディスプレイ(商品名:LC−37GX1W、シャープ社製)と、解像度が140ppiの液晶ディスプレイ(商品名:VGN−TX72B、ソニー社製)と、解像度が150ppiの液晶ディスプレイ(商品名:nw8240−PM780、日本ヒューレットパッカード社製)と、解像度が200ppiの液晶ディスプレイ(商品名:PC−CV50FW、シャープ社製)の画面表面にそれぞれ貼り合わせ、暗室にて液晶ディスプレイを緑表示とした後、各液晶TVの法線方向から解像度200ppiのCCDカメラ(CV−200C、キーエンス社製)にて撮影した画像において、輝度バラツキが確認されない時の解像度を測定した。解像度の値が、0〜50ppiのとき×、51〜140ppiのとき○、141〜200ppiのとき◎とした。
上記評価方法による評価結果を表3に示す。
Figure 2009128393
表3の結果から明らかなように、実施例1〜3の防眩材料は、防眩性、コントラスト、ギラツキをバランスよく充足するものであったが、傾斜角の分布Aが0.2を超える比較例1、2の防眩材料はコントラストとギラツキが満足するに至らず、傾斜角の分布Bが0.8未満の比較例3の防眩材料は、防眩性を満足することができなかった。
以上のように、透光性基体上の最表面に微細な凹凸形状を設けることに加え、凹凸形状の傾斜角の分布を適切な範囲に制御することにより、防眩性、コントラストおよびギラツキをバランスよく満足する防眩材料を提供することができる。

Claims (6)

  1. 少なくとも一方の面に凹凸形状が形成され、該凹凸形状を有する面の傾斜角が次式(1)および(2)の分布条件を満たすことを特徴とする防眩材料。
    Figure 2009128393
    [A:傾斜角1.6°以上の全体に占める割合、B:(傾斜角0.4°以上1.6°未満の全体に占める割合)÷(傾斜角0.4°未満の全体に占める割合)]
  2. 前記防眩材料が、透光性基体上に樹脂層が積層されてなることを特徴とする請求項1に記載の防眩材料。
  3. 前記樹脂層が、透光性樹脂微粒子を含み、前記透光性基体が積層されてなる面と反対側の面に凹凸形状が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の防眩材料。
  4. 前記凹凸形状の凹凸平均間隔(Sm)が50〜250μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防眩材料。
  5. 前記防眩材料の内部ヘイズが5〜40であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防眩材料。
  6. 前記樹脂層上に低反射層が積層されてなることを特徴とする請求項2または3に記載の防眩材料。
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