ここで、本発明者らは、遊技装置における発光装置の意匠効果や演出効果をさらに高めるべく、複数の発光体を収容してなる外装ケースを形成し、透光性を有する透光面を発光体に対して近接離反する方向に湾曲させた構成とすることを検討した。その結果、前記したように外装ケースの透光面を湾曲させると、発光体と透光面の湾曲部分との距離が各発光体毎に不均一となってしまう、いわゆる輝度ムラと称される現象が起こり、輝度の異なる部位が生じて正面全体が均一の輝度で発光しないことが判明した。また、従来技術では、発光体への供給電力を制御する等しなければ外装ケースの正面を介して視認される光の輝度を任意に調整することもできなかった。そのため、従来技術の発光装置では、外装ケースの透光面を湾曲させた場合に、輝度の調整が困難であり、意匠効果や演出効果を調整するのが困難であった。
また、従来技術においては、遊技装置における発光装置の意匠効果や演出効果をより一層高めるべく、所定方向に向けて発生する光の輝度の調整だけでなく、発光体において発生した光をある程度散乱させたいという要望もあった。すなわち、従来技術においては、遊技装置を使用している遊技者だけでなく、その遊技装置に隣接する位置にいる人に向けても発光することにより、これらの人たちの興味を引くように発光可能な発光装置や遊技装置を提供したいといった要望もあった。
そこで、かかる不具合を解消すべく、本発明は、輝度調整や光の散乱状態を容易かつ的確に調整可能な発光装置、並びに、当該発光装置を備えた遊技装置の提供を目的とした。
上記した課題を解決すべく本発明の遊技用の発光装置は、外装ケースと、当該外装ケースの内側から外側に向かう方向に光を放射可能な複数の発光体とを有し、前記外装ケースが、当該発光体において発生した光を透過可能な透光面を有し、前記外装ケースの透光面の一部又は全部に、前記発光体に対して近接離反する方向に湾曲した湾曲部があり、当該湾曲部と当該湾曲部に対向する位置に配された発光体との間の領域に、当該発光体毎、あるいは、複数の発光体からなる発光体群毎に対応して設けられた複数の導光体が設けられている。この導光体は、前記発光体側に位置する導入端と、前記湾曲部側に位置する導出端とを有し、発光体あるいは発光体群で発生した光が、導入端から導光体内に形成された光路に導入され、導出端から湾曲部に向けて導出されるものであり、前記導光体の導出端と湾曲部との間隔に基づいて、湾曲部を介して外装ケースの外側から視認される光の輝度が調整されていることを特徴とする遊技装置用の発光装置である。
本発明の発光装置では、導光体の導出端と湾曲部との間隔に基づいて、湾曲部を介して外装ケースの外側から視認される光の輝度が調整されている。換言すれば、本発明の発光装置は、導光体の導出端と湾曲部との間隔を調整することで、前記輝度を任意に調整することができる。よって、本発明によれば、外装ケースに湾曲部が設けられていても、外装ケースの外側から湾曲部を介して見える光の輝度を容易かつ的確に調整することができる。
ここで、上記した本発明の発光装置は、遊技装置用のものである。そのため、上記した発光装置は、遊技者に向けてのみ光るのではなく、遊技者の近隣にいる人にもある程度視認可能なように散乱した状態で光るように調整できれば、より一層高い意匠効果や演出効果が得られるものと想定される。
そこで、かかる知見に基づいて本発明の発光装置は、導光体の導入端と当該導光体に対応する発光体あるいは発光体群との間隔に基づいて、当該発光体あるいは発光体群から発せられる光の散乱状態が調整されることが好ましい。
この構成によれば、任意の散乱状態で散乱して光を発する発光装置を提供できる。従って、本発明によれば、遊技者に対する意匠効果や演出効果だけでなく、遊技者の近隣にいる人に対する意匠効果や演出効果も任意かつ適切に調整可能な発光装置を提供できる。
また、本発明の発光装置は、導光体が、導入端側から光路内に導入された光のうち、光路を形成する光路形成面に対して所定の角度以下の入射角で入射する光を反射し、光路形成面に対して所定の入射角を越える入射角で入射する光を、前記光路形成面から光路の外側に向けて透過するものであっても良い。
かかる構成によれば、導光体に形成された光路内を通過する光のうち、導光体の光路形成面に対する入射角の小さなものを光路内で反射させて導出端側に進行させ、外装ケースの湾曲面を通して所望の輝度で光らせることができる。また、上記した構成によれば、光路形成面に対する入射角の大きなものが光路の外に透過するため、その分だけ発光体や発光体群で発生した光を散乱させることができる。そのため、本発明によれば、発光体において発生した光を外装ケースの湾曲面側に導いて所望の輝度で光らせると共に、発光体で発生した光の一部を散乱させることができ、より一層意匠効果や演出効果に優れた発光装置を提供することができる。
また、本発明の発光装置は、導光体が、対向する一対の反射面を有し、当該一対の反射面間に光路が形成されていても良い。
かかる構成によれば、導光体に形成された光路内を通過する光のうち、導光体を構成する一対の反射面間で反射する光を導出端側に進行させ、外装ケースの湾曲面を通して所望の輝度で光らせることができる。また、上記した構成によれば、導光体に形成された光路内を通過する光のうち、反射等によって反射面間から抜けた光を導光体の外側に散乱させることも可能である。従って、上記した構成によれば、外装ケースの湾曲面を所望の輝度で光らせつつ、発光体や発光体群で発生した光の一部を散乱させることができ、遊技装置用として用いるのに適した意匠効果や演出効果を発揮可能な発光装置を提供できる。
さらに本発明は、上述する発光装置を備えている遊技装置も提供している。
この遊技装置によれば、発光装置の透光面に設けられた湾曲部が所望の輝度で発光可能であり、意匠効果や演出効果に優れた遊技装置を提供することができる。また特に、発光体で発生した光を適度に散乱させることも可能であり、より一層意匠効果や演出効果に優れた遊技装置を提供することができる。
本発明によれば、輝度調整や光の散乱状態を容易かつ的確に調整可能な発光装置、並びに、当該発光装置を備えた遊技装置を提供できる。
続いて、本発明の一実施形態にかかる発光装置1について、図面1〜図8を参照しつつ詳細に説明する。具体的に図1は、図1(a)において本発明の一実施形態にかかる発光装置を示す斜視図であり、その図1(b)は図1(a)の分解斜視図、図2では図1(a)のA−A断面図を示している。また、図3は図1に示す発光装置における光の進行状態を説明する要部拡大断面図であり、その図3(a)では導光体の周面に入射した光の入射角が小さい場合、図3(b)では当該入射角が大きい場合を示している。また、図4(a)〜(c)は導光体の変形例を示している。また、図5は本発明の一実施例にかかる遊技装置の斜視図を示しており、図6ではその図5に示す遊技装置の内部構造を示す正面図、図7では図5に示す遊技装置の上パネル部を示す分解斜視図を示している。さらに、図8では、その(a)と(b)とにおいてそれぞれ、図5に示す遊技装置の上パネル部の要部をドア部の裏面側から正面視した状態を示す正面図と、そのC−C断面図を示している。
まず、図1について説明すれば、発光装置1は、大別して外装ケース2と、発光部3と、導光部5とを備えている。外装ケース2は、幅方向に細長く、ケース本体10とカバー11とを組み合わせることにより構成されている。ケース本体10は、外装ケース2の背面12および側面13,13と、底面15の一部を形成するものであり、透光性を有しない樹脂によって形成されている。背面12は、後に詳述する発光部3が取り付けられる部分であり、発光部3に繋がる配線を外装ケース2の外部に取り出すための開口12aが設けられている。
カバー11は、外装ケース2の正面16(透光面)および天面17と、底面15の一部を形成するものである。カバー11は、正面16および天面17がにおいて光が透過可能とされている。また、図1や図2に示すように、外装ケース2において、正面16は、全体的に背面12側、すなわち発光装置1の組み立て状態において発光部3側に向けて近接離反するように湾曲している。換言すれば、外装ケース2は、正面16の全体が、発光部3側に向けて近接離反するように湾曲した湾曲部とされている。また、カバー11をケース本体10に対して装着し、外装ケース2を形成すると、正面16および天面17がそれぞれケース本体10側に設けられた背面12および底面15に対向し、幅方向両端部が側面13,13で閉塞された空間18が形成される。
発光部3は、発光装置1の光源となる部分であり、反射板20と複数の発光体21とを有する。反射板20は、外装ケース2の背面12とほぼ同様の形状を有する長細い板体であり、光を反射可能とされている。反射板20は、外装ケース2の内側においてネジ等を用いて背面12に取り付けられている。そのため反射板20は、外装ケース2の正面16に対向しており、空間18内で発生した光を正面16側に向けて反射可能とされている。また、反射板20には、その長手方向に複数の発光体21が並べて取り付けられている。発光体21には、従来公知の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)や豆電球等を採用することができ、本実施形態では発光ダイオードが採用されている。発光体21は、外装ケース2の背面12側から正面16側に向けて光が出るように発光可能とされている。
導光部5は、外装ケース2の空間18内であって、背面12側に設けられた発光部3と正面16との間に設けられている。導光部5は、樹脂製で筒状の導光体30を複数備えている。導光体30は、内部に発光部3で発生した光を正面16側に向けて導くための光路35を有する。また、図1や図2に示すように、光路35は、導光体30の周面36(光路形成面)によって全周が囲まれて形成されている。導光体30の開口径は、上記した発光体21における発光部分の幅よりも大きい。
さらに、導光体30は、周面36に対して所定の角度aを以下の入射角で入射した光については図3(a)に示すように光路35内に向けて反射するが、角度aを越える入射角で入射した光については図3(b)に示すように外部に透過する特性を有している。そのため、導光体30の光路35に入射した光のうち、周面36に対して所定の角度aを以下の入射角で入射する光については光路35内に向けて反射しながら光路35の一端側から他端側に向けて進行するが、角度aを越える入射角で周面36に入射する光については光路35の外側に向けて散乱する。
図2に示すように、導光体30は、空間18内を正面16側や背面12側に対してほぼ直交する方向に横断している。導光体30は、発光部3に設けられた各発光体21毎に対応して設けられており、その一端側(以下、導入端30aとも称す)が発光体21に臨む位置に設けられている。また、各導光体30の導入端30aと、発光体21との間には、間隔L1の隙間32が設けられている。すなわち、図2に示すように、発光体21の先端を通る平面Pと、導入端30aを通る平面Qとの間隔がL1とされている。また、各導光体30と発光体21との間隔L1は、いずれも均一とされている。
一方、導光体30の他端側(以下、導出端30bとも称す)についても、正面16に臨むように設けられているが、導出端30bと正面16との間には間隔L2の隙間33が設けられている。具体的には、発光体21の中心を通り、発光体21の取付面たる反射板20に対して垂直な軸Cを想定した場合、これと正面16との交点Tを通る平面Sと導光体30の導出端30bを通る平面Rとの間隔がL2とされている。また、各導光体30と正面16との間隔L2についても、上記した間隔L1と同様にいずれも均一とされている。さらに、上記したように、正面16は湾曲した形状とされている。そのため、導光体30は、各発光体21と正面16との間隔に応じてそれぞれ長さが異なる。
続いて、本実施形態の発光装置1を作動させた場合の発光原理および発光状態について説明する。発光装置1は、外装ケース2内に収容されている各発光体21に対して図示しない外部電源から電力が供給されることにより、各発光体21が独立的に発光可能とされている。また、各発光体21の動作は、図示しない制御手段等によって制御することができ、これにより連続的に発光させたり、点滅させる等、所定の発光パターンで発光させることができる。
本実施形態の発光装置1は、各発光体21が発光した場合における光の進み方に特徴を有する。具体的には、通電に伴い、各発光体21が発光すると、これにより発生した光の大部分が導光体30の導入端30aから光路35内に進入する。具体的には、図3に示すように、発光体21の中心を通り、外装ケース2の背面12や正面16、反射板20に対して垂直な軸C、並びに、発光体21の中心を通り、導入端30aの径方向の端部を通る直線D,Eを想定した場合、直線D,Eのなす角θの範囲内で進行する光については、導入端30aから光路35a内に進入する。一方、直線D,Eのなす角θの範囲外で進行する光については、導光体30の光路35内に入ることなく、発散する。本実施形態では、前記した角θが約120度の範囲となるように間隔L1が調整されている。
上記したようにして光路35内に進入した光のうち、光路35aの伸びる方向と平行に進む光は、そのまま光路35内を外装ケース2の正面16側に向けて真っ直ぐ進む。一方、光路35に対して交差する方向に進む光の大部分については、図3(a)のように光路35を取り囲む導光体30の周面36において反射しながら正面16側に向けて進むが、残りについては、図3(b)のように周面36を透過して光路35の外部に向けて散乱する。さらに具体的には、光路35内を進む光のうち、周面36に対して所定の角度a以下の入射角で入射する光については、周面36において反射しながら光路35を進み、導出端30bから正面16に向けて放出される。一方、光路35内にいおいて、周面36に対して所定の角度aよりも大きい入射角で入射する光については、周面36を透過し、光路35の外側にでる。このようにして、光路35内を進む光の一部については、導光体30から散乱する。
ここで、上記したように、本実施形態では、各導光体30の導出端30bと外装ケース2の正面16との間隔L2は、いずれの部位においても同一とされている。すなわち、図2に示すように正面16が最も外装ケース2の外側に張り出した部分(以下、山部とも称す)に対応する位置であっても、外装ケース2の内側に凹んだ部分(以下、谷部とも称す)に対応する位置であっても、導光体30の導出端30bと正面16との間隔L2はほぼ均一とされている。そのため、発光装置1は、正面16の山部や谷部等、いずれの位置においてもほぼ同一の輝度で光ることとなる。
また、上記したように、外装ケース2を構成するカバー11は、透光性を有する樹脂によって構成されている。そのため、各導光体30の光路35内に入ることなく、導入部30a側の位置で散乱した光や、各導光体30において周面36を透過して光路35の外側に漏れ出して散乱した光についても、外装ケース2の正面16や天面17から視認することができる。
上記したように、本実施形態の発光装置1では、各導光体30の導出端30bと、正面16との間隔L2が略均一に調整されているため、正面16が湾曲しているにもかかわらず、正面16を介して外装ケースの外側から視認される光の輝度が部位によらず略均一調整されている。換言すれば、発光装置1では、導出端30bと、これに対向する位置にある正面16との間隔L2を全ての導光体30についてほぼ均一とすることで、正面16の山部、谷部、あるいはこれらの中間位置であっても発光体21から発せられる光の輝度が略均一に調整されている。そのため、発光装置1では、正面16の湾曲形状によらず、輝度ムラが発生しない。
なお、上記実施形態では、導光体30の導出端30bと正面16との間隔L2を部位によらずほぼ均一とした構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、正面16の一部における輝度と、他の部位の輝度とが異なる構成としたい場合は、導光体30の導出端30bと正面16との間隔L2を部位によって異なるように調整することも可能である。また、例えば正面16の一部の肉厚が他の部分と異なっていたり、正面16の一部に透光性を下げるようなフィルム類が装着される場合のように、正面16の一部と、他の部分とで透光性に差がある場合がある。この場合において、正面16から発せられる光の輝度を調整したい場合についても、各発光体21に対応する位置における正面16の透光性を加味した上で、前記した間隔L2を調整することにより輝度ムラを解消したり、所望の部位における輝度が他の部位と異なるように調整することも可能である。すなわち、発光装置1は、上記実施形態に示した例に限らず、各導光体30の導出端30bと正面16との間隔L2を調整することにより、輝度を所望の状態に調整することができる。
上記実施形態では、正面16全体にわたって湾曲した形状にした例、すなわち正面全体を湾曲部とした例を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば正面16の一部のみに導光体30に対して近接離反する方向に湾曲した湾曲部を設けた構成としてもよい。また、上記実施形態では、発光体21で発生した光を正面16に導き、正面16における輝度を調整する構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば透光性を有する天面17を本発明で言うところの透光面とし、これに湾曲部を設けた構成としてもよい。また、例えば正面16および天面17のように、複数の面を本発明で言うところの透光面とし、これらの双方に湾曲部を設けた構成としてもよい。かかる構成によれば、より一層変化に富んだ意匠効果や演出効果を得ることができる。
上記したように、本実施形態の発光装置1では、導光体30の導入端30aと、当該導光体30に対応する発光体12との間に隙間32を設け、この間隔L2を調整することにより、発光体12から発せられる光の散乱状態が調整されている。さらに、導光体30を構成する筒として、所定の角度aを越える入射角で入射する光を導光体30の外側に散乱させることが可能なものを採用している。そのため、発光装置1では、正面16において見える光の輝度を調整できるだけではなく、外装ケース2内で光を散乱させることにより、所望の広がり方で光を広がらせ、意匠効果や演出効果をより一層高めることができる。なお、上記実施形態では、間隔L2を調整したり、導光体30として所定の角度aを越える入射角で入射する光を導光体30の外側に散乱させることが可能なものを採用することで発光体21において発生する光の一部を適宜散乱させる構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、これらの構成を備えていないものであってもよい。
上記実施形態では、発光体21と導光体30とが一対一で対応するように設けられた例を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。さらに具体的には、複数の発光体21からなる発光体群を想定し、一つの発光体群に対して導光体30が一つ用意されたものであってもよい。なお、このように発光体群を想定する場合は、発光体群を構成する各発光体21の並び方は特に限定されない。また、このように一つの発光体群に対して一つの導光体30を準備する場合であっても、発光体21と導光体30とが一対一で対応するように設けられる場合であっても、導光体30の断面形状は上記したように円形である必要はなく、楕円形や矩形等、適宜の形状とすることができる。
また、上記実施形態で示した導光体30は、外周全体が光を反射可能な面(周面36)で取り囲まれた構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、例えば図4(a)〜(c)に示す導光体40のように、例えば透明の筒体のように光の大部分を透過する支持筒41の内部に光を反射可能で板状の光路形成面43,43を一対、ほぼ並行に配したものであってもよい。かかる構成とした場合についても、図4(d)に示すように、発光体21で発生した光が光路形成面43,43間に形成された光路45内に入射した場合に、この光が光路形成面43,43で反射しつつ外装ケース2の正面16等からなる透光面の湾曲部に導かれ、所望の輝度で光ることとなる。
また、導光体40のような構成とした場合は、図示状態において平行に配された光路形成面43,43間においては光が反射するが、光路形成面43,43に入射することなく上下方向に光が進んだ場合、この光は光路形成面43,43間に形成された光路45から抜けることとなる。そのため、導光体40のようなものを採用した場合は、上記実施形態で示したように全周が光を反射可能な周面36で囲まれた導光体30を採用した場合に比べ、光路45から外に漏洩する光の量が多くなり、光の散乱による意匠効果や演出効果をより一層向上させることができる。なお、上記した導光体40は、透明の支持筒41によって一対の光路形成面43,43を支持した構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、単に光路形成面43,43に相当するものを平行に並べた構成としてもよい。
上記実施形態では、全ての発光体21が反射板20によって形成される面上に並べて配されたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、発光体21の一部又は全部の取付位置が異なるものであってもよい。
また、発光装置1において、ケース本体10内に複数設けられた導光体30については、全てが同一の色に着色されたものであってもよく、一部または全部の導光体30が異なる色で着色されたものであってもよい。導光体30を着色することにより、導光体30を通った光を所望の色に発光させることができる。また、導光体30の一部または全部を異なる色に着色した場合は、色の異なる導光体30の配置や組み合わせにより、部位によって異なる色で発光させることが可能となり、さらに優れた意匠効果を発揮することが可能である。
発光装置1において、外装ケース2は、正面16が透光性を有するものであれば着色が施されたものであっても良いが、透明なものであってもよい。同様に、外装ケース2は、正面16だけでなく底面15や側面13等についても一部または全部が透明なものであってもよい。また特に、上記したように導光体30に着色を施したり、色の異なる導光体30を複数配置した場合については、外装ケース2の正面16や底面15、側面13等を透明とすることにより、内部が視認可能となるため、正面16や底面15や側面13が部位毎に様々な色で発光することとなり、優れた意匠効果を発揮することが可能となる。
続いて、上記実施形態に示した発光装置1を採用した実施例に係る遊技装置50について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、発光装置1の構成については、遊技装置50への適用に際して変更されている部分以外については詳細の説明を省略し、同一の符号を付して説明する。また、以下の説明では、特に断りのない限り、図5に示すように通常の使用状態で遊技装置50を設置した姿勢を基準として上下左右や奥行き方向の位置関係を説明する。
遊技装置50は、いわゆるパチスロ機である。図5に示すように、遊技装置50は、筐体60を有し、この筐体60の正面側に上記実施形態に示した発光装置1を一体的に組み付けた構成とされている。筐体60は、本体部70と、これに対して開閉自在に取り付けられたドア部80とを有する。図6に示すように、本体部70の内部には、従来公知のパチスロ機と同様に動作制御用の制御装置71や、回胴72、メダル払出装置73に加え、各種センサ類やスイッチ類等、様々な機器類が収容されている。制御装置71は、遊技装置50の動作を司るものであり、従来公知のCPUをはじめとする電子部品を基板に実装する等して形成されている。また、制御装置71は、遊技装置50の動作状態にあわせて発光装置1を所定の条件で点灯させたり点滅させたりすることができる。
また、図5に示すように、ドア部80の表面側(外側)、すなわち筐体60の正面をなし、使用状態において遊技者側に向く面には、メダル投入用の投入口81やメダル払出用の払出口82、回胴72を停止させるための回胴停止ボタン83、回胴72の回転始動用のレバー84、メダル返却ボタン85をはじめとする様々なボタンや、動作状態を表示したり装飾を施すために設けられた電飾、受け皿88、灰皿89等が設けられている。また、ドア部80には、窓部90が設けられており、これを介して本体部70内に設けられた回胴72を筐体60の正面側から視認可能とされている。
一方、ドア部80において窓部90の上方側の領域には、上パネル部91が設けられている。図7に示すように、上パネル部91には、ドア部80の正面側に配される上パネル部本体92に対して上記した発光装置1や、これとは別の発光装置93,93、液晶ユニット95が組み付けられている。具体的には、上パネル部本体92は、ドア部80の上方側の部分の骨格を形成するものであり、中央に液晶ユニット95用に設けられ、大きく開口した液晶ユニット取付部92aがある。また、液晶ユニット取付部92aに対して上方に隣接する位置には、発光装置1用の発光装置取付部92bが設けられており、その両脇に発光装置93用の発光装置取付部92c,92cが設けられている。また、液晶ユニット取付部92の下方側において両脇に隣接する位置には、スピーカー取付部92d,92dが形成されている。
発光装置1は、上記したようにケース本体10とカバー11とを組み合わせてなる外装ケース2内に発光部3や導光部5を設けた構成である。ここで、本実施例の遊技装置50では、ケース本体10に相当するものが上パネル部本体92の発光装置取付部92bに一体的に形成されており、これに対してカバー11とを組み合わせることで外装ケース2を形成している点において上記実施形態で示したものと一部構成が異なる。また、発行装置取付部92の形状についても、上記したケース本体10とやや相違している。具体的には、上パネル部本体92の発光装置取付部92bは、上記実施形態で示した外装ケース2において背面12に相当する部分を形成する背面92aと、底面15に相当する部分の一部を形成する底面92bと、側面13,13に相当する部分を形成する側面92c,92cを有する。本実施形態では、側面13,13がテーパー状に傾斜している点が上記したケース10のものと相違する。そして、発光装置取付部92に対してカバー11を装着することにより、背面92aに対してカバー11側に設けられた正面16が対向し、底面92bに対してカバー11側に設けられた天面17が対向すると共に、長手方向両端部が側面92c,92cによって閉塞されて外装ケース2が形成されている。
外装ケース2内には、上記実施形態で示したのと同様の構成、位置関係で発光部3や導光部5が設けられている。すなわち、発光部3に設けられた複数の発光体21のそれぞれに対応するように導光部5の導光体30が設けられている。また、各発光体21と各導光体30の導入端30aとの間隔L1が、それぞれほぼ均一とされており、各導光体30の導出端30bと外装ケース2の正面16との間隔L2についてもそれぞれほぼ均一とされている。
発光装置93,93は、それぞれ上パネル本体92の発光装置取付部92c,92cに対してカバー93a,93aを装着することにより形成される空間内に発光ダイオードや豆電球等からなる図示しない発光体を内蔵した構造とされている。発光装置93,93についても、上記した発光装置1と同様に制御装置71によって制御され、遊技装置50の動作状態に連動して発光する。
図7や図8(a),(b)に示すように、液晶ユニット95は、裏板96に対して、液晶表示装置97やスピーカー98,98を取り付けた構成とされている。具体的には、裏板96は、透明な樹脂板によって構成されており、上パネル部本体92において遊技装置50の組み立て状態においてドア部80の裏側となる面(以下、単に裏面とも言う)に取り付けられている。また、液晶表示装置97は、画面97aを有し、これが裏板96に面接触した状態となるように固定されている。これにより、画面97aに表示される画像を上パネル本体92の裏側に固定された透明な裏板96を介して視認可能とされている。また、スピーカー98,98は、裏板96の下端側の隅の部分に設けられた凹部96a,96aに嵌め込まれた状態で裏板96に対して固定されている。スピーカー98,98は、裏板96の凹部96a,96aに相当する位置に取り付けられた保護網96b,96bによって保護されている。
一方、図6に示すように、ドア部80の内側は、従来公知のパチスロ機とほぼ同様の構成とされており、各種のスイッチ類や、スピーカー99、メダル返却通路100等がもうけられている。また、ドア部80の内側であって、ドア部80の上端側の部分には、上記した液晶表示装置95やスピーカー98が露出している。
上記したように、本実施例の遊技装置50は、制御装置71が遊技装置50の動作状態にあわせ、所定の条件で発光装置1や発光装置93,93を点滅させたり点灯させることができる。また、遊技装置50は、制御装置71の制御により、遊技装置50の動作状態にあわせて様々な画像を液晶表示装置97の画面97aに表示させたり、スピーカー98,99から音声や音楽を発生させることができる。
ここで、上記実施形態でも説明したように、本実施例で採用されている発光装置1は、外装ケース2の正面16が湾曲しているにもかかわらず、各発光体21で発せられる光が部位によらず略均一の輝度で光って見える。また、発光装置1は、各発光体21で発生した光の一部が外装ケース2内で散乱するため、遊技装置50の遊技者だけでなく、これに隣接する位置にいる人たちも視認可能なように光り、これらの人たちの興味も引くことができる。
なお、上記実施形態で示した遊技装置50は、いわゆるパチスロ機であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばパチンコ機に代表されるような他の種類の遊技装置であってもよい。