JP2009110988A - フレキシブルプリント配線板、それを用いたインレットシート、rfidメディア及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】共押出しにより熱接着層及び基材層を形成した二軸延伸ポリエステルフィルムと、熱接着層を介して該二軸延伸ポリエステルフィルム表面に接着された金属箔からなる積層体をエッチング処理して製造されたフレキシブルプリント配線板において、二軸延伸ポリエステルフィルムの基材層が200〜300℃に融点を有し、熱接着層がワックスを含有するポリエステル樹脂からなること特徴とするフレキシブルプリント配線板。
【選択図】なし
Description
これらのシートやフィルムを用いてRFIDメディアを製造するにおいては、シートやフィルムの表面にICチップやアンテナ回路などを配したインレットシートの片面又は両面に別のシートやフィルムを配し、その間にホットメルト接着剤などを挟んで熱プレスを行うことで、溶融接着させて積層体を得ている。しかし、この製造方法においては生産性や製品の性能の面で解決しがたい幾つかの問題を抱えている。
本発明のFPCに関連する従来技術としては、以下のような技術が開示されている。
(1)表面がアモルファスポリエチレンテレフタレートを含む基材とこれに接触して形成された金属パターンからなるICカード用アンテナコイル構成体。(例えば、特許文献1を参照)
(2)塩化ビニル樹脂を含む基材とこれに接触して形成された金属パターンからなるICカード用アンテナコイル構成体。(例えば、特許文献2を参照)
(3)ポリエステル樹脂フィルムに金属箔を積層してなるICカード用基板。(例えば、特許文献3を参照)
(4)ポリエステル樹脂フィルムの表面に、共押出しによって熱接着層を積層した熱接着性ポリエステルフィルム。(例えば、特許文献4、5を参照)
本発明に関連するRFIDメディアの製造方法として、以下のような従来技術が開示されている。
(5)ロール状素材に配線を印刷してICを積載するICタグロールの製造方法(例えば、特許文献4を参照)
(6)ロール状のICカード材料を用いたICカードの製造方法(例えば、特許文献5を参照)
(7)二本のベルトの間にプラスチックシートを供給して加熱ロールで熱した後に、液状オイルを圧媒とする連続プレス工程で接着させるICカードの製造方法(例えば、特許文献6を参照)
(8)上下のラミネートフィルムをラミネートロールで接着するICカードの製造方法(例えば、特許文献7を参照)
(9)回路モジュールの表面に接着剤を介してカバーシートを接着し、低温・低圧でロールプレスしたのち、高温・高圧で静圧プレスするICカードの製造方法(例えば、特許文献8を参照)
(10)接着剤として紫外線硬化型樹脂を使用し、ロール加圧によって接着剤層を平坦化した後に紫外線照射して接着剤層の厚みが均一なICカードを製造する方法(例えば、特許文献9を参照)
(11)ロール状のシート材に反応型接着剤を塗布してICチップを封入した後にシート材で挟み込み、接着剤を反応・硬化させるICカードの製造方法(例えば、特許文献10を参照)
(12)ICカード基盤表面に軟化温度が低い樹脂層を予め被覆してから、プラスチックフィルムや接着剤層を積層するICカードの製造方法(例えば、特許文献11を参照)
[1]共押出しにより熱接着層及び基材層を形成した二軸延伸ポリエステルフィルムと、熱接着層を介して該二軸延伸ポリエステルフィルム表面に接着された金属箔からなる積層体をエッチング処理して製造されたフレキシブルプリント配線板において、二軸延伸ポリエステルフィルムの基材層が200〜300℃に融点を有し、熱接着層がワックスを含有するポリエステル樹脂からなること特徴とするフレキシブルプリント配線板。
[2]二軸延伸ポリエステルフィルムの基材層が、その内部に白色顔料及び/又は微細空洞を含有する白色ポリエステルフィルムであることを特徴とする[1]に記載のフレキシブルプリント配線板。
[3]熱接着層が、非晶性ポリエステル樹脂Aとこれに非相溶な熱可塑性樹脂B及びワックスの混合物からなることを特徴とする請求項1又は2いずれかに記載のフレキシブルプリント配線板。
[4]
熱接着層が以下(1)〜(4)の全ての特徴を有する請求項1〜3いずれかに記載のフレキシブルプリント配線板。
(1)非晶性ポリエステル樹脂Aのガラス転移温度が50〜95℃。
(2)熱可塑性樹脂Bが、融点が50〜180℃の結晶性樹脂、又はガラス転移温度が−50〜150℃の非晶性樹脂、それらの混合物。
(3)熱接着層中に熱可塑性樹脂Bを1〜30質量%含有。
(4)熱接着層の厚みが5〜30μm。
[5][1]に記載のフレキシブルプリント配線板のエッチング処理によって露出した熱接着層を介して更に樹脂からなる別のフィルムを接着して積層したフレキシブルプリント配線板。
[6][1]〜[5]のフレキシブルプリント配線板に集積回路を配したRFIDメディア用インレットシート。
[7][6]のインレットシートを用いて構成したRFIDメディア。
[8]ロール状に巻き取られたウェブ状フィルムと金属箔を巻き出しながら連続で熱ラミネートする工程を有したフレキシブルプリント配線板の製造方法において、ウェブ状フィルムとして共押出しによって形成されたワックスを含有するポリエステル樹脂からなる熱接着層を200〜280℃に融点を有するポリエステル基材層に形成した二軸延伸ポリエステルフィルムを用いることを特徴とするフレキシブルプリント配線板の製造方法。
[9]
ロール状に巻き取られた複数のウェブ状フィルムとフレキシブルプリント配線板又はインレットシートを巻き出しながら連続で熱ラミネートする工程を有するRFIDメディアの製造方法において、[1]〜[6]いずれかに記載のフレキシブルプリント配線板又はインレットシートを用いることを特徴とするRFIDメディアの製造方法。
[10]アンテナ回路を[1]〜[6]いずれかに記載のフレキシブルプリント配線板又はインレットシートの二軸延伸ポリエステルフィルム熱接着層面に配したことを特徴とする[9]に記載のRFIDメディアの製造方法。
本発明のFPCは、基材として予め熱接着層を設けた二軸延伸ポリエステルフィルムを用いるため、熱ラミネート加工やその前工程において接着剤層を塗布したり、積層したりする必要がなく、製造工程を簡略化することができる。
本発明のFPCで用いる二軸延伸ポリエステルフィルムでは、空洞含有ポリエステルフィルムを製造する公知技術によって、フィルム中に微細空洞を多数含有させることができる。これは、従来のPVCやPETGシートでは困難であった技術である。これによって、熱接着性ポリエステルフィルムの見かけ密度、すなわち空洞含有量ひいてはフィルムのクッション性や柔軟性をRFIDメディアに用いるにおいて適切な範囲に調節することができる。
また、本発明のFPCでは、二軸延伸ポリエステルフィルムが、その内部に白色顔料又は微細空洞を含有する白色ポリエステルフィルムであることがより好ましい実施形態である。
また、本発明のRFIDメディアは、上記のインレットシートを用いて構成されることが好ましい実施形態である。
[フレキシブプリント配線板]
本発明のFPCは、共押出しにより予め熱接着層を形成した二軸延伸ポリエステルフィルムと、熱接着層によりフィルム表面に接着された金属箔からなる積層体をエッチング処理して製造されたFPCであり、エッチング処理した後の二軸延伸ポリエステルフィルムの融点が200〜300℃に観測されるものである。
また、本発明では、FPCとして加工された後に二軸延伸ポリエステルフィルムが200〜300℃の範囲において融点を示す必要がある。二軸延伸ポリエステルフィルムを用いて製造された従来公知のFPCは、金属箔を熱ラミネート接着するために、基材を構成するポリエステル樹脂の融点を超える温度まで加熱して接着されたものである。
これら従来のFPCは接着性において十分な性能を発揮するものの、基材のポリエステルフィルムが実質的に非晶化されていることから、FPCを使用してRFIDを製造する工程あるいはRFIDやFPCの製品として使用される場合での耐熱性が不十分である。すなわち、後工程でロールから巻き出して別の樹脂シートなどと積層する場合に基材が軟化して十分な張力を加えることが困難であったり、RFIDやFPCとして使用する際の環境温度によって変形を生じたりする場合がある。
なお、接着強度をこの範囲に調整する方法としては、熱接着層を後に述べるような適切な設計にするほか、熱接着時の温度を90〜200℃、好ましくは130℃〜180℃の範囲で調節することによって可能である。
インレットシートとは、フィルム基材の表面に金属などの導体で形成されたアンテナ回路と、これに接続されたコンデンサーやICなどからなるRFIDメディア製造のための中間製品である。
なお、接着強度をこの範囲に調整する方法としては、熱接着層を後に述べるような適切な設計にするほか、熱接着時の温度を90〜200℃、好ましくは130℃〜180℃の範囲で調節することによって可能である。
本発明のFPCにおいては、共押出しにより予め熱接着層を形成した二軸延伸ポリエステルフィルムを用いることを特徴とする。この二軸延伸ポリエステルフィルムについて詳述する。
本発明のFPCにおいては、基材として共押出しにより予め熱接着層を形成した二軸延伸ポリエステルフィルムを用いることが重要であり、この熱接着層にはワックスを含有していることが重要である。
本発明で用いる二軸延伸ポリエステルフィルムは、少なくとも一層の二軸延伸ポリエステルフィルム層を基材とする。この層は従来公知の方法によって容易に光学特性や力学特性を調節することができる。
本発明のRFIDメディアの製造方法では、まずロール状に巻き取られた複数のウェブ状フィルムを巻き出しながら積層する。従来一般に用いられているプレス工程による製造では基材フィルムなどを枚葉で積層しているが、本発明の方法ではロール状に巻き取られたウェブ状基材を用いるので、取り扱い性が大幅に向上するとともに、基材シート群の平置きに必要な広い保管場所も不要であり、保管やハンドリング中に荷崩れを起こしたり、一枚一枚のシートの間に異物などを混入したりするリスクも小さく、工程の煩雑さを大幅に軽減することができる。
(1)樹脂の融点とガラス転移温度
JIS K 7121に記載の「プラスチックの転移温度測定方法」により、DSC測定を行った。サンプルは、拡大鏡つきミクロトームを用いてフィルムより熱接着層を切削した小片約10mgを、アルミパンに密封して300℃で3分間溶融し、液体窒素でクエンチしたものを用いた。測定器には示差走査熱量計(セイコーインスツルメント社製、EXSTAR6200DSC)を用い、乾燥窒素雰囲気下で実施した。室温より10℃/分の速さで加熱して中間点ガラス転移温度を求めた後、融解ピーク温度(融点)を求めた。
JIS K 7122に記載の「プラスチックの転移熱測定方法」により融解熱量を求めた。DSC測定の詳細は上記の融点の測定と同様にした。
JIS K 7367−5に記載の「プラスチック−毛細管型粘度計を用いたポリマー希釈溶液の粘度の求め方−」により、フェノール/1、1、2、2−テトラクロロエタン(60/40;質量部)の混合溶媒を用いて、30℃で測定した。
粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S2500)で観察し、粒子の大きさに応じて適宜倍率を変え、写真撮影したものを拡大コピーした。次いで、ランダムに選んだ少なくとも200個以上の粒子について、各粒子の外周をトレースした。画像解析装置にてこれらのトレース像から粒子の円相当径を測定し、それらの平均値を平均粒子径とした。
JIS K 7130に記載の「発泡プラスチック−フィルム及びシート−厚さ測定方法」により測定した。測定器は電子マイクロメーター(マール社製、ミリトロン1240)を用いた。測定すべきフィルムの任意の4箇所より5cm角サンプル4枚を切り取り、一枚あたり各5点(計20点)測定して平均値を厚みとした。
測定すべきフィルムの任意の3箇所より小片を切り取った。ミクロトームを用いてこの小片を切削し、フィルム表面に直交するフィルム断面を作成した。この断面に白金パラジウム合金をスパッタリングしてサンプルとし、走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S2500)を用いて断面を検鏡した。フィルム全厚みが一視野に含まれる適切な倍率で観察して、各層の厚みを測定した。測定は各視野あたり3箇所で行い、合計9箇所の平均値をもって積層厚みとした。
任意の5箇所より切り取った100mm四方のサンプル5枚について、JIS K 7222に記載の「発泡プラスチック及びゴム−見かけ密度の測定」により測定した。測定は室温で行い、平均値をもって見かけ密度とした。なお、表記を簡便にするため単位はg/cm3に換算した。
測定すべきフィルムを任意の3箇所より長手方向に100mm、幅方向に50mmに枚葉状に切り出し、無荷重の状態で、110℃で30分間加熱処理した後、フィルムの凸部を下にして水平なガラス板上に静置して、ガラス板と立ち上がったフィルム4隅の下端との垂直距離を最小目盛り0.5mm単位で定規を用いて測定し、この4箇所の測定値の平均値をカール値とした。3枚について測定を行い、この平均値をカール値とした。
作製したFPCについて、回路と熱接着層との間の接着面を注意深く剥離した。この熱接着層の剥離面において界面剥離している部分を選び、回路の圧痕の段差を視野に含むようにして上記(5)と同様に三次元形状の画像を得た。同ソフトウェアの断面解析機能によって、圧痕の段差と直交する断面形状プロファイルを得た。このプロファイルから、プリント回路による圧痕の深さを求め、もとの回路の高さで除して賦形率を求めた。また、圧痕の外縁部分において、圧痕部から非圧痕部に至る段差について勾配(段差中央部を含み、段差の約1/3部分での勾配)を求め、賦形部外縁の勾配とした。なお、観察は3視野について行って合計15プロファイルの平均値を評価した。
透過光学濃度計(マクベス社、RD−914)を用いて、白色光での光学濃度を測定した。測定すべきサンプルの任意の5箇所より切り取った50mm四方のサンプル5枚について測定を行い、その平均値を光学濃度とした。
JIS K 7125に記載の「発泡プラスチック−フィルム及びシート−摩擦係数の試験方法」により測定した。測定器は引張り試験機(島津製作所製、AG1KNI)を用いた。測定すべきFPCサンプルの表裏両面を対向させて、滑り片に加える荷重は1、500gとし、合計5回の平均値を静摩擦係数とした。
作製したFPC又は金属箔積層体について、JIS X 6305−1の方法で金属箔とフィルムの剥離強度を測定した。なお実施例において、接着界面での剥離が発生せずフィルム基材が破壊したものは「材料破壊」と記し、十分な接着力(はく離強度)であると判断した。
作製したFPC又はRFIDメディアの外観を目視で評価した。接着面への気泡の残留やシワ、著しい反り、波打ち(平面性)、集積回路などに起因する凹凸を観察し、実用上差し支えないものを「良好」、意匠性に問題のあるものを「不良」とした。
作製したFPC又はRFIDメディアを清浄で平らなステンレス鋼板(SUS304、厚さ0.8mm)上に静置し、オーブンを用いて空気雰囲気下、110℃で24時間加熱保持した。加熱前後の試料外観(光沢損失や変色、曇り、ひび割れ、変形、融解、融着)を目視評価し、加熱前後で差異の認められないものを○、差異の認められるものを程度に応じて△又は×とした。
作製したRFIDメディアについて、RF−IDデモキット(オムロンソフトウェア社製、L720−H01T−W001)を用いて交信テストを行った。50枚のタグ又はカードについて評価を行い交信不能な不良品の発生率を求めた。不良品発生率が1%未満の場合を○、1%以上5%未満の場合を△、5%以上の場合を×とした。
作製したICタグ又はICカードについて、RF−IDデモキット(オムロンソフトウェア社製、L720−H01T−W001)を用いて交信テストを行った。10枚のタグ又はカードの端部を非金属製の把持具で把持し、およそ50cmの距離から徐々に受信アンテナに近づけて認識される最長距離を測定した。最も遠くで認識した場合と、最も近くまで認識しなかった場合の通信距離から平均通信距離とバラつきを求めた。
[ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)]
固有粘度が0.62dl/g、Sb含有量が144ppm、Mg含有量が58ppm、P含有量が40ppm、不活性粒子及び内部析出粒子は実質的に含有ないポリエチレンテレフタレート樹脂を使用した。
[ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN樹脂)]
固有粘度が0.63dl/g、Sb含有量が250ppm、Mg含有量が58ppm、P含有量が40ppm、不活性粒子及び内部析出粒子は実質的に含有ないポリエチレンナフタレート樹脂(PEN樹脂)を使用した。
非晶性ポリエステル樹脂A1:グリコール成分がエチレングリコール/ネオペンチルグリコール=70/30モル比であり、固有粘度が0.62dl/g、Sb含有量が150ppm、Mg含有量が60ppm、P含有量が40ppmの共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を使用した。この樹脂のDSC装置による分析では融点は観測されず、ガラス転移温度は74℃であった。
非晶性ポリエステル樹脂A2:ジカルボン酸成分がテレフタル酸/ナフタレンジカルボン酸=60/40モル比であり、固有粘度が0.62dl/g、Sb含有量が150ppm、Mg含有量が60ppm、P含有量が40ppm、1.5μmである無定形シリカ粒子が500ppm含有した共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を使用した。この樹脂のDSC装置による分析では融点は観測されず、ガラス転移温度は98℃であった。
非晶性ポリエステル樹脂A3:ジカルボン酸成分がテレフタル酸/セバシン酸=90/10モル比であり、グリコール成分がエチレングリコール/ネオペンチルグリコール=90/10モル比であり、固有粘度が0.62dl/g、Sb含有量が150ppm、Mg含有量が60ppm、P含有量が40ppmの共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を使用した。この樹脂のDSC装置による分析では融点は観測されず、ガラス転移温度は52℃であった
メルトフローレート1.5のポリスチレン樹脂(日本ポリスチレン社製、G797N)20質量%、メルトフローレート3.0の気相法重合ポリプロピレン樹脂(出光石油化学社製、F300SP)20質量%及びメルトフローレート180のポリメチルペンテン樹脂(三井化学社製、TPX DX820)60質量%をペレット混合し、二軸押出機に供給して十分に混練りし、ストランドを冷却、切断して空洞形成剤含有マスターペレットを調整した。
上記のポリエチレンテレフタレート樹脂50質量%に、平均粒径0.3μm(電子顕微鏡法)のアナタース型二酸化チタン50質量%を混合したものをベント式二軸押出機に供給して予備混練りした後、溶融ポリマーを連続的にベント式単軸混練り機に供給して混練りして酸化チタン含有マスターペレットを調整した。
上記の非晶性ポリエステル樹脂A1を95質量%と、ポリエチレンワックス(三井化学社製、ハイワックスNL500、融点105℃)5質量%を混合したものをベント式二軸押出機に供給して285℃で予備混練りした。この溶融ポリマーを連続的に単軸押出機に供給して混練りしてワックス含有マスターペレットW1を調整した。
上記の非晶性ポリエステル樹脂A1を80質量%と、ポリエチレングリコール(東邦化学社製、PEG10000、融点56℃)20質量%を混合したものをベント式二軸押出機に供給して270℃で予備混練りした。この溶融ポリマーを連続的に単軸押出機に供給して混練りしてワックス含有マスターペレットW2を調整した。
[熱接着性二軸延伸ポリエステルフィルムの製造]
上記の空洞形成剤含有マスターペレット8質量%と上記酸化チタン含有マスターペレット8質量%、及び上記PET樹脂84質量%よりなる混合物を原料Mとした。また、上記の非晶性ポリエステル樹脂A1を80質量%とアタクチックポリスチレン樹脂(日本ポリスチレン社製、G797N;ガラス転移温度95℃)を10質量%、ワックス含有マスターペレットW1を10質量%の混合物を原料Cとした。
原料M及び原料Cを水分率80ppmまで真空乾燥して、各々別の押出機に供給して溶融しフィードブロックに導き、原料Mからなる中間層(基材)の両面に原料Cからなる熱接着層が積層されるようにフィードブロックで接合した後、T型ダイスより20℃に調節された冷却ドラム上にフィルム状に押し出し、厚み2.4mmの3層構成の未延伸フィルムを製造した。なお、未延伸フィルム製造時、冷却ドラムの反対面には20℃に調節した冷風を吹き付けて冷却した。
得られた未延伸フィルムを、加熱ロールを用いて70℃に均一に加熱し、さら赤外線ヒーターを用いてフィルム温度が95℃となるように加熱しながら、ロール間で速度差を利用して縦方向に3.4倍に延伸した。このようにして得られた縦一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持し、フィルム表面温度がおよそ100℃になるよう熱風で予熱した後、およそ140℃まで加熱しながら横方向に3.8倍に延伸した。その後、フィルム幅を固定した状態で乾燥熱風によっておよそ230℃まで加熱して熱固定を行い、およそ200℃まで冷却しながら幅方向に5%の弛緩熱処理を行った。その後徐々に冷却を行い、フィルムの表面温度が熱接着層のガラス転移温度よりも十分に低い温度となった45℃でフィルム端部を切除し、次いでフィルムをロール状に巻き取った。
以上の方法により、厚さ200μmの熱接着性ポリエステルフィルムを得た。なお、フィルム断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、各層の厚み(熱接着層Aa/中間層(基材)/熱接着層Ab)は、およそ20/160/20(単位:μm)であった。
上記で得られた熱接着性二軸延伸ポリエステルフィルムを用いて、以下の方法でFPCを作製した。
まず、上記で得たフィルムのロールをスリット加工して幅400mm、巻き長さ100mのウェブ状フィルムのロールを得た。このフィルムの片面に同幅のアルミニウム箔(1N30−O、厚さ20μm)をロールから巻き出しながら積層し、熱ラミネート接着を施した。
ここで用いたラミネート接着工程の模式図を図1に示す。
ロールより巻き出されたウェブ状の熱接着性二軸延伸ポリエステルフィルムを、ガイドロールを通じて表面温度100℃に加熱された予熱ロールに10m/分の速度で導き、張力を20N/mに調節ながら予熱した。他方でアルミニウム箔を、ガイドロールを通じて張力を50N/mに調節しながら巻き出し、160℃に加熱されたラミネートロールで上記熱接着性ポリエステルフィルムを積層してラミネート接着した。ラミネートされた後のウェブ状の積層体は空中での放熱と表面温度20℃の冷却ロールでの冷却を経て、表面温度40℃まで冷却された後にガイドロールを通じてロール状に巻き取った。
次に、この積層体表面のアルミニウム箔をエッチングしてアンテナ回路を形成した。
まず、アルミ箔表面に紫外線硬化型エッチングレジストインキ(東洋紡績社製、ER225N)を用いて回路パターンを連続印刷し、紫外線を照射(500mJ/cm2)してインキを硬化させた。炭酸ナトリウム水溶液(1質量%)を用いてレジストを現像した後、塩酸を添加した塩化第二鉄水溶液(39質量%)でエッチングし、水酸化ナトリウム水溶液(3質量%)で洗浄してレジスト層を除去した。これを水洗したのち、140℃で連続乾燥させてFPCを得た。
上記で得られたFPCを用いてインレットシートを製造した。すなわち、ロールより巻き出されたウェブ状のFPC連続体について、そのICを実装すべき位置に絶縁インキ(東洋紡績社製、SR610C)と導電インキ(東洋紡績社製、DW545)を用いてジャンパー回路を印刷した。この導電性インキを接着剤としてRFID用ICチップ(ISO15693準拠、13.56MHz)をFPC上に固定した。これをロール状に巻き取り、RFIDメディア用インレットシートを得た。
次に、上記で得たインレットシートを用いて、熱ラミネート工程によってRFIDメディアを製造した。製造工程の模式図を図2に示す。
ロールより巻き出されたウェブ状のインレットシートを、ガイドロールを通じて表面温度120℃に加熱された予熱ロールに10m/分の速度で導き、張力を30N/mに調節ながら予熱した。他方でウェブ状の微細空洞含有ポリエステルフィルム(東洋紡績社製、クリスパーK2323、250μm)を、ガイドロールを通じて張力を30N/mに調節しながら巻き出し、上記と同様にして予熱ロールで予熱した。これらのフィルムを160℃に加熱されたラミネートロールで上記熱インレットシートの両面に積層してラミネート接着した。ラミネートされた後のウェブ状のRFIDメディアは空中での放熱と表面温度20℃の冷却ロールでの冷却を経て、表面温度40℃まで冷却された後にガイドロールを通じてRFIDメディア製品ロールとして巻き取った。得られたRFIDメディアの製品ロールは定法によって打ち抜き加工を行い、86mm×54mmのRFIDメディア(ICカード)を得た。
上記の酸化チタン含有マスターペレット30質量%と上記のPET樹脂35質量%、前期非晶性ポリエステル樹脂A1が35質量%よりなる混合物を原料Mとした。また、上記の非晶性ポリエステル樹脂A2が85質量%と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(宇部丸善ポリエチレン社製、ユメリット2040F;融点116℃)15質量%の混合物を原料Cとした。また、未延伸フィルムを製造する際に共押出しする各層の厚みを変更し、厚さ250μm、すなわち熱接着層Aa/中間層/熱接着層Abの各層の厚さを12/26/12(単位:μm)とした。その他は実施例1と同様にして熱接着性二軸延伸ポリエステルフィルムを作製した。
また、実施例1と同様にして得た金属箔積層体の表面をレジスト処理及びエッチング処理して幅0.5mm、間隔0.4mmの複条パターンを10条作成した。この回路を形成した金属箔積層体に図3のラミネート工程を用いて、基材に用いたものと同じ熱接着性二軸延伸ポリエステルフィルムをラミネートした。
上記の空洞形成剤含有マスターペレット6質量%と上記のPET樹脂94質量%よりなる混合物を原料Mとした。また、上記の非晶性ポリエステル樹脂A2を87質量%と共重合ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製、融点138℃)3質量%、ワックス剤含有マスターペレットW2を10質量%の混合物を原料Cとした。また、未延伸フィルムを製造する際に共押出しする各層の厚みを変更し、厚さ125μm、すなわち熱接着層Aa/中間層/熱接着層Abの各層の厚さを10/100/15(単位:μm)とした。その他は実施例1と同様にして熱接着性二軸延伸ポリエステルフィルムを作製した。
ここで得たフィルムを用いて、実施例1と同様にしてFPCを作製した。但し、金属箔としてはアルミニウム箔に代えて銅箔(CU−JIS C 6515−E2−S−2規格品、35μm)を用い、熱接着層Ab層側のフィルム表面に回路を設けた。また、ここで得たFPCを用いて、実施例1と同様にしてRFIDメディア用インレットシートを作製した。
次に、上記で得たインレットシートを用いて、熱ラミネート工程によってRFIDメディアを製造した。製造工程の模式図を図4に示す。
ロールより巻き出されたウェブ状のインレットシートを、ガイドロールを通じて表面温度300℃に加熱された赤外線ヒーターの間に10m/分の速度で導き、張力を30N/mに調節ながら表面温度100℃に予熱した。他方でウェブ状の微細空洞含有ポリエステルフィルム(東洋紡績社製、クリスパーK2323、50μm)を、ガイドロールを通じて張力を10N/mに調節しながら巻き出し、160℃に加熱されたラミネートロールで上記熱インレットシートの両面に積層してラミネート接着した。ラミネートされた後のウェブ状のRFIDメディアは空中での放熱と表面温度20℃の冷却ロールでの冷却を経て、表面温度40℃まで冷却された後にガイドロールを通じてRFIDメディア製品ロールとして巻き取った。このRFIDメディアの片面に粘着加工を施した後に打ち抜き加工を行い、120mm×54mmのRFIDメディア(ICタグ)を得た。
上記の空洞形成剤含有マスターペレット15質量%と上記のPET樹脂85質量%よりなる混合物を原料Mとした。また、上記の非晶性ポリエステル樹脂A3を88質量%と環状ポリオレフィン樹脂(三井化学社製、APL8008T、ガラス転移温度70℃)6質量%、ワックス含有マスターペレットW1を6質量%の混合物を原料Cとした。また、未延伸フィルムを製造する際に共押出しする各層の厚みを変更し、厚さ125μm、すなわち熱接着層Aa/中間層/熱接着層Abの各層の厚さを15/220/15(単位:μm)とした。その他は実施例1と同様にして熱接着性二軸延伸ポリエステルフィルムを作製した。
上記のPET樹脂のみを原料Mとした。また、上記の非晶性ポリエステル樹脂A1を70質量%と上記のアタクチックポリスチレン樹脂5質量%、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂5質量%、ワックス含有マスターペレットW1を20質量%の混合物を原料Cとした。また、未延伸フィルムを製造する際に共押出しする各層の厚みを変更し、厚さ80μm、すなわち熱接着層Aa/中間層/熱接着層Abの各層の厚さを20/40/20(単位:μm)とした。その他は実施例1と同様にして熱接着性二軸延伸ポリエステルフィルムを作製した。その他は実施例1と同様にして、FPC、インレットシート及びRFIDメディア(ICカード)を作製した。
上記の空洞形成剤含有マスターペレット8質量%と上記のPEN樹脂92質量%よりなる混合物を原料Mとした。また、上記の非晶性ポリエステル樹脂A2を80質量%とアタクチックポリスチレン樹脂を10質量%、ワックス含有マスターペレットW1を10質量%からなる混合物を原料Cとした。
原料M及び原料Cを水分率80ppmまで真空乾燥して、各々別の押出機に供給して溶融してフィードブロックに導き、原料Mからなる中間層(基材)の両面に原料Cからなる熱接着層が積層されるようにフィードブロックで接合した後、T型ダイスより20℃に調節された冷却ドラム上にフィルム状に押し出し、厚み2.4mmの3層構成の未延伸フィルムを製造した。なお、未延伸フィルム製造時、冷却ドラムの反対面には20℃に調節した冷風を吹き付けて冷却した。
得られた未延伸フィルムを、加熱ロールを用いて100℃に均一に加熱し、さらに赤外線ヒーターを用いてフィルム温度が120℃となるように加熱しながら、ロール間で速度差を利用して縦方向に3.0倍に延伸した。このようにして得られた縦一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持し、フィルム表面温度がおよそ140℃になるよう熱風で予熱した後、およそ170℃まで加熱しながら横方向に3.4倍に延伸した。その後、フィルム幅を固定した状態で乾燥熱風によっておよそ240℃まで加熱して熱固定を行い、およそ200℃まで冷却しながら幅方向に5%の弛緩熱処理を行った。その後徐々に冷却を行い、フィルムの表面温度が熱接着層のガラス転移温度よりも十分に低い温度となった後フィルム端部を切除し、次いでフィルムをロール状に巻き取った。
以上の方法により、厚さ200μmの熱接着性ポリエステルフィルムを得た。なお、フィルム断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、各層の厚み(熱接着層Aa/中間層(基材)/熱接着層Ab)は、およそ20/160/20(単位:μm)であった。
上記で得られたフィルムを用い、実施例3と同様にしてFPC、インレットシート及びRFIDメディア(ICタグ)を作製した。
上記の空洞形成剤含有マスターペレット8質量%と酸化チタン含有マスターペレット8質量%と上記のPET樹脂84質量%よりなる混合物を原料Mとした。また、上記の非晶性ポリエステル樹脂A1を95質量%とポリプロピレン樹脂を5質量%の混合物を原料Cとした。この他は実施例1と同様にしてFPC、インレットシート及びRFIDメディア(ICカード)を作製した。
上記の酸化チタン含有マスターペレット30質量%と上記のPET樹脂70質量%よりなる混合物を原料Mとした。また、上記の非晶性ポリエステル樹脂A2を94質量%とアタクチックポリスチレン樹脂を6質量%の混合物を原料Cとした。この他は実施例2と同様にしてフレキシブルフラットケーブル(FPCの一形態)を作製した。
微細空洞を含有しない透明二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績社製、コスモシャインA4300、厚さ100μm)の片面に押出しラミネート法によってホットメルト接着剤(東洋紡績社製、バイロンGM920)を塗布し、各層の厚み(熱接着層Aa/中間層(基材)/熱接着層Ab)がおよそ10/100/15(単位:μm)の接着剤層を有した二軸延伸ポリエステルフィルムを作製した。
このフィルムは摩擦係数が大きく、また表面が著しく平滑であったため、ロールによる金属箔の熱ラミネート接着が困難であった。そのため、従来公知のヒートプレス法によって、FPCを作製した。すなわち、上記フィルムを30cm四方に切り出した後、その熱接着層Ab層側表面に実施例3で用いた銅箔を積層し、上下両面をテフロン(登録商標)シートで保護して熱プレス(140℃、0.3MPa、10分間)により接着した。この金属箔積層体について、実施例1と同様のレジスト処理及びエッチング処理をバッチ工程にて施し、FPCを作製した。
次に、このFPCを用いてインレットシート及びRFIDメディアを作製した。すなわち、上記FPCについて実施例1と同様にしてインレットシートを作製した後、そのインレットシートの両面に空洞含有ポリエステルフィルム(東洋紡績社製、クリスパーK2323、50μm)を配して熱プレス(140℃、0.3MPa、10分間)により接着した。その他は実施例3と同様にして、RFIDメディア(ICタグ)を得た。
微細空洞を含有しない透明二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績社製、E5000、厚さ250μm)と上記のアルミニウム箔をロールから巻き出しながら積層し、熱ラミネート接着を施した。すなわち、図3のラミネート接着工程を用い、ロールより巻き出されたウェブ状の透明二軸延伸ポリエステルフィルムを、ガイドロールを通じて温度180℃に加熱された熱風オーブンに10m/分の速度で導き、張力を5N/mに調節ながら予熱した。他方でアルミニウム箔を、ガイドロールを通じて張力を10N/mに調節しながら巻き出し、290℃に加熱されたテフロン(登録商標)製ラミネートロールで上記二軸延伸ポリエステルフィルムを積層してラミネート接着した。ラミネートされた後のウェブ状の積層体は空中での放熱と表面温度60℃のテフロン(登録商標)製冷却ロールでの冷却を経て、表面温度40℃まで冷却された後にガイドロールを通じてロールに巻き取った。
得られた金属箔積層体について、実施例4と同様のレジスト処理、エッチング処理と錫メッキ処理を施し、フレキシブルフラットケーブル(FPCの一形態)を作製した。
上記の酸化チタン含有マスターペレット10質量%、及び上記の非晶性ポリエステル樹脂A90質量%よりなる混合物を原料Mとした。この原料Mを水分率80ppmまで真空乾燥して一台の押出機に供給した。この原料を押出機内部で280℃まで加熱して溶融混合した後、T型ダイスより20℃に調節された冷却ドラム上に押し出し、未延伸の非晶性白色ポリエステル樹脂シート(厚み0.3mm)を製造した。なお、冷却ドラムの反対面には20℃、相対湿度30%に調節した冷風を吹き付けて冷却した。
得られたシートは耐熱性が不十分であったため、加熱時に十分な張力を加えることができず、ロールによる金属箔の熱ラミネートが困難であった。そのため、比較例3と同様にして従来公知のヒートプレス法によって、バッチ工程でFPCとインレットシート、RFIDメディア(ICタグ)を作製した。
空洞含有ポリエステルフィルム(東洋紡績社製、クリスパーK1212、厚さ100μm)の片面にエポキシ含有ポリエステルポリウレタン接着剤を3g/m2の厚みに塗布した後に、上記のアルミニウム箔をロールから巻き出しながら連続工程でドライラミネート接着した。また、この金属箔積層体について実施例1と同様にしてFPC及びインレットシートを作製した。次に、上記で得たインレットシートについて、上記の接着剤を用いてドライラミネート接着を行い、RFIDメディアを製造した。
すなわち、ロールより巻き出されたウェブ状のインレットシートの回路側表面にエポキシ含有ポリエステルポリウレタン接着剤を3g/m2の厚みに塗布した後に、ウェブ状の微細空洞含有ポリエステルフィルム(東洋紡績社製、クリスパーK2323、250μm)をロールから巻き出しながらドライラミネート接着して、RFIDメディア(ICカード)を作製した。
上記の実施例及び比較例で得られた熱接着性二軸延伸ポリエステルフィルムの構成と特性を表1に、それを用いて得られたFPC及びRFIDメディアの特性を表2に示す。
一方、比較例1及び2では、フィルムと金属箔の間の滑り性が十分でないため、金属箔ラミネートの際に微細なシワを生じ、製品の外観上で問題を生じた。また、これに起因して不良率も高く、通信距離のバラつきも大きいという不都合が生じた。
また、比較例3では、フィルムと金属箔の間の滑り性が悪いため、著しいシワと気泡を生じて連続ラミネートで製品を製造することができず、ヒートプレス法による接着を余儀なくされた。このため、生産速度が低いだけでなく、不良率も大きくなった。さらに、ホットメルト接着剤層の厚みムラに起因して、通信距離のバラつきが大きくなった。
また、比較例4では、回路形成後のラミネート処理工程において、フィルムが熱変形を生じて平面性を失い、FPCにカールやシワなどの外観不良を生じた。これは、熱ラミネート接着で金属箔積層体を作製する際にフィルム層が溶融して、基材層が実質的に配向を有さない非晶性ポリエステルシートとなったためである。
また、比較例5では、基材層が実質的に配向を有さない非晶性ポリエステルシートを用いている。そのため、張力を加えた状態で加熱して熱ラミネートするのが困難であり、連続ラミネートで製品を製造することができなかった。そこで、ヒートプレス法を用いたが、ヒートプレス法による接着では、生産速度が低く、さらに不良率も低減することができなかった。
2:ガイドロール
3:巻き出された金属箔又はインレットシート、フィルムのロール
4:予熱ロール
5:ラミネートロール
6:冷却ロール
7:ニップロール
8:巻き取られたFPC又はRFIDメディアの製品ロール
9:加熱炉
10:赤外線ヒーター
Claims (10)
- 共押出しにより熱接着層及び基材層を形成した二軸延伸ポリエステルフィルムと、熱接着層を介して該二軸延伸ポリエステルフィルム表面に接着された金属箔からなる積層体をエッチング処理して製造されたフレキシブルプリント配線板において、二軸延伸ポリエステルフィルムの基材層が200〜300℃に融点を有し、熱接着層がワックスを含有するポリエステル樹脂からなること特徴とするフレキシブルプリント配線板。
- 二軸延伸ポリエステルフィルムの基材層が、その内部に白色顔料及び/又は微細空洞を含有する白色ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板。
- 熱接着層が、非晶性ポリエステル樹脂Aとこれに非相溶な熱可塑性樹脂B及びワックスの混合物からなることを特徴とする請求項1又は2いずれかに記載のフレキシブルプリント配線板。
- 熱接着層が以下(1)〜(4)の全ての特徴を有する請求項1〜3いずれかに記載のフレキシブルプリント配線板。
(1)非晶性ポリエステル樹脂Aのガラス転移温度が50〜95℃。
(2)熱可塑性樹脂Bが、融点が50〜180℃の結晶性樹脂、又はガラス転移温度が−50〜150℃の非晶性樹脂、それらの混合物。
(3)熱接着層中に熱可塑性樹脂Bを1〜30質量%含有。
(4)熱接着層の厚みが5〜30μm。 - 請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板のエッチング処理によって露出した熱接着層を介して更に樹脂からなる別のフィルムを接着して積層したフレキシブルプリント配線板。
- 請求項1〜5のフレキシブルプリント配線板に集積回路を配したRFIDメディア用インレットシート。
- 請求項6のインレットシートを用いて構成したRFIDメディア。
- ロール状に巻き取られたウェブ状フィルムと金属箔を巻き出しながら連続で熱ラミネートする工程を有したフレキシブルプリント配線板の製造方法において、ウェブ状フィルムとして共押出しによって形成されたワックスを含有するポリエステル樹脂からなる熱接着層を200〜280℃に融点を有するポリエステル基材層に形成した二軸延伸ポリエステルフィルムを用いることを特徴とするフレキシブルプリント配線板の製造方法。
- ロール状に巻き取られた複数のウェブ状フィルムとフレキシブルプリント配線板又はインレットシートを巻き出しながら連続で熱ラミネートする工程を有するRFIDメディアの製造方法において、請求項1〜6いずれかに記載のフレキシブルプリント配線板又はインレットシートを用いることを特徴とするRFIDメディアの製造方法。
- アンテナ回路を請求項1〜6いずれかに記載のフレキシブルプリント配線板又はインレットシートの二軸延伸ポリエステルフィルム熱接着層面に配したことを特徴とする請求項9に記載のRFIDメディアの製造方法。
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