JP2006155224A - Rfidタグ用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 加工をされたり、商品や箱へ貼付したり、それを読んだりする際に発生する静電気によって通信が妨げられたり、場合によってはICチップが劣化あるいは破壊されたりするなどの不都合を生じることのないRFIDタグに好適なポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】 1×1013Ω/□以下の表面抵抗を有する帯電防止層を少なくともフィルム片面に有し、当該帯電防止層がフィルム製造工程内で設けられたものであることを特徴とするRFIDタグ用ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】 1×1013Ω/□以下の表面抵抗を有する帯電防止層を少なくともフィルム片面に有し、当該帯電防止層がフィルム製造工程内で設けられたものであることを特徴とするRFIDタグ用ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明は、RFIDタグ用フィルムに関するものであり、さらに詳しくは、RFIDタグに適した帯電防止ポリエステルフィルムに関するものである。
ユビキタス情報時代の端末として、グローバル時代の輸送ラベルとして、トレーサビリティーできるラベルとして、最近RFIDタグが注目されている。RFIDタグとは、RFID(Radio Frequency Identification)システムの媒体として、電波を用いて非接触で情報の交信ができるタグである。なお、「RFIDタグ」は、「ICタグ」、「電子タグ」、「無線ICタグ」、「非接触IC」、「非接触ICラベル」、「トランスポンダ」等と、種々の名称で表現される場合もある。また、チップのセキュリティーを強化しカード形状としたものは、「非接触カード」となる。本発明においては、代表して「RFIDタグ」と表現することとする。
RFIDタグは、通常、ポリエステルフィルムに設けたアンテナ回路と当該回路に接続されたRFIDチップとからなるインレットと呼ばれるタグの本体を、必要に応じ、表面に紙やフィルム等の他の基材からなる表面カバーと貼り合わせてタグやラベル形状としたものや、カード形状としたものである。商品や箱へ貼付するために粘着層を設けた基材と貼合して粘着ラベル状とする場合もあり、意匠性を上げるために、ポリエステルフィルムに印刷したり、表面カバーに印刷したりした紙やフィルムを使うこともある。
RFIDタグのアンテナ回路は、リーダライタというRFIDタグの情報を読み出したり情報を書き込んだりする装置のアンテナから送られた電波により、電力と信号を受ける役割をする。信号は、RFIDチップ内の演算部で処理され、RFIDチップ内のメモリ部に蓄えられる。また、読み出す場合は、リーダライタから受けた電波による電力により、メモリ部の情報を処理して、アンテナ回路からリーダライタへ送り返される。こうした通信の仕方としては、使用する電波の波長に応じ、電磁誘導方式と電波通信方式の2方法が知られている。RFIDタグにつけるアンテナ回路として、電磁誘導方式では、ループ状のアンテナ回路が必要であり、電波通信方式では、送信される電波に共振する構造のアンテナ回路が必要である。
RFIDタグは、上述のような加工をされたり、また、商品や箱へ貼付したり、それを読んだりするが、それぞれの工程で、静電気を発生することがあり、このため、通信が妨げられたり、RFIDチップが劣化したりすることが懸念される。これを防止する方法として、帯電防止剤を配合する方法やフィルム基材に帯電防止剤をコートし乾燥する方法が提案されているが、前者の方法では、帯電防止剤のブリードアウトによる弊害があり、後者の方法では、コートや乾燥装置の運転費用や、作業環境面への配慮が必要であり、コスト高となる問題がある(特許文献1)。
特開2003−288560号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、静電気の発生を防ぎ、RDIDタグ用として好適なフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の構成を有するフィルムによれば、RFIDタグとして好適であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、1×1013Ω/□以下の表面抵抗を有する帯電防止層を少なくともフィルム片面に有し、当該帯電防止層がフィルム製造工程内で設けられたものであることを特徴とするRFIDタグ用ポリエステルフィルムに存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸のようなジカルボン酸またはそのエステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールのようなグリコールとを溶融重縮合させて製造されるポリエステルである。これらの酸成分とグリコール成分とからなるポリエステルは、通常行われている方法を任意に使用して製造することができる。例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステル交換反応をさせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させるかして、実質的に芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステル、またはその低重合体を形成させ、次いでこれを減圧下、加熱して 重縮合させる方法が採用される。 その目的に応じ 脂肪族ジカルボン酸を共重合しても構わない。
本発明におけるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸のようなジカルボン酸またはそのエステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールのようなグリコールとを溶融重縮合させて製造されるポリエステルである。これらの酸成分とグリコール成分とからなるポリエステルは、通常行われている方法を任意に使用して製造することができる。例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステル交換反応をさせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させるかして、実質的に芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステル、またはその低重合体を形成させ、次いでこれを減圧下、加熱して 重縮合させる方法が採用される。 その目的に応じ 脂肪族ジカルボン酸を共重合しても構わない。
本発明で用いるポリエステルとしては、代表的には、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート等が挙げられるが、その他に上記の酸成分やグリコール成分を共重合したポリエステルであってもよく、必要に応じて他の成分や添加剤を含有していてもよい。これらポリエステルには、フィルムの走行性を向上する等の目的で、炭酸カルシウム、カオリン、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム等の無機粒子やアクリル樹脂、グアナミン樹脂等の有機粒子や触媒残差を粒子化させた析出粒子を含有させることができる。これら粒子の粒径や量は、目的に応じて適宜決めることができる。また、適宜、各種安定剤、潤滑剤、帯電防止剤等を加えることも出来る。
本発明のポリエステルフィルムは、二軸延伸ポリエステルフィルムであることが好ましい。二軸延伸ポリエステルフィルムを得る製膜方法としては、通常知られている製膜法であればよく、特に制限はない。例えば、押出機より溶融押し出して得た未延伸フィルムをまず、ロール延伸法により、60〜120℃で2〜6倍に延伸して、一軸延伸ポリエステルフィルムを得、次いで、テンター内で先の延伸方向とは直角方向に80〜130℃で2〜6倍に延伸し、さらに、150〜250℃で1〜600秒間熱処理を行う逐次二軸延伸製膜方法でよい。また、未延伸フィルムを縦、横に同時に延伸し、その後テンターにて熱処理する同時二軸延伸製膜方法でもよい。本発明の製膜方法は、複数台の押し出し機を使った多層フィルムであってもよい。
RFIDタグの製造工程では、ポリエステルフィルムに熱がかかるので、本発明のポリエステルフィルムを150℃で30分間処理した後の熱収縮率については、縦および横の熱収縮率がそれぞれ2.0%以下であることが好ましく、さらには、1.2%以下であることがさらに好ましい。RFIDタグとした時に、タグのカールやソリを減らすには、150℃で30分間処理した後の熱収縮率が0.6%以下のポリエステルフィルムを使うことが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムの厚みは12〜125μmの二軸延伸フィルムが好ましい。
本発明は、ポリエステルフィルムの製膜時に帯電防止層を設けることを必須とし、さらに当該帯電防止層の表面抵抗が1×1013Ω/□以下である必要があり、好ましくは1×1012Ω/□以下である。
本発明は、ポリエステルフィルムの製膜時に帯電防止層を設けることを必須とし、さらに当該帯電防止層の表面抵抗が1×1013Ω/□以下である必要があり、好ましくは1×1012Ω/□以下である。
製膜時にフィルムに帯電防止層を設ける方法としては、例えば、逐次二軸延伸法においては、縦一軸延伸後のフィルムに耐電防止剤を含有する塗布液を塗布した後、横に延伸する方法、または、二軸延伸フィルム後に塗布し乾燥する方法がある。方法に制約はないが、一軸延伸フィルムに塗布し、次いで横延伸し、熱処理する方法によれば、塗布層を均一に薄くできる等の特徴があり好ましい。また、同時二軸延伸法においては、延伸前の非晶フィルムに塗布し、同時二軸延伸し、その後熱処理する方法が好ましい。
本発明で用いる帯電防止剤としては、スルホン酸塩やアルキル硫酸エステル塩およびカチオン系の化合物がある。
スルホン酸金属塩としては、アルキルスルホン酸金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホイソフタル酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩を挙げることができる。金属塩の金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウムがよい。ここで、アルキル基としては、炭素数が8〜30のものがよい。炭素数が少ないと塗布剤を構成する樹脂との相溶性が悪く、炭素数が多いと帯電防止能の効きが悪くなることがある。実際に使う際には、炭素数が異なる化合物の混合物を用いることが多い。
本発明で使うカチオン系帯電防止剤としては、例えば、4級アンモニウム塩基を有する化合物がある。これは、分子中の主鎖や側鎖に、4級アンモニウム塩基を含む構成要素を持つ化合物を指す。そのような構成要素としては、例えば、ピロリジウム環、アルキルアミンの4級化物、さらにこれらをアクリル酸やメタクリル酸と共重合したもの、N−アルキルアミノアクリルアミドの4級化物、ビニルベンジルトリメチルアンモニウム塩、2−ヒドロキシ3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩等を挙げることができる。さらに、これらを組み合わせて、あるいは他の樹脂と共重合させても構わない。また、これらの4級アンモニウム塩の対イオンとなるアニオンとしては例えば、ハロゲン、アルキルサルフェート、アルキルスルホネート、硝酸等のイオンが挙げられる。
また本発明においては、4級アンモニウム塩基を有する化合物は高分子化合物であることが望ましい。数平均分子量が、通常は1000以上、さらには2000以上、特に5000以上、500000以下であることが望ましい。分子量が低すぎる場合は、帯電防止剤がブリードアウトし、接触する面に転移するトラブルを発生させる。分子量が高すぎる場合は、塗布液の粘度が高くなりすぎ、塗布性が悪くなるトラブルが発生することがある。
本発明の帯電防止層として帯電防止剤の他に、ポリオレフィン系樹脂および/またはフッ素系樹脂を配合してもよいが、さらに帯電防止層中には、必要に応じて上記以外の水溶性または水分散性のバインダー樹脂の1種もしくは2種以上を併用し塗布性の向上を図ってもよい。かかるバインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、ポリビニルアルコール等が挙げられる。これらは、それぞれの骨格構造が共重合等により実質的に複合構造を有していてもよい。複合構造を持つバインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂グラフトポリエステル、アクリル樹脂グラフトポリウレタン、ビニル樹脂グラフトポリエステル、ビニル樹脂グラフトポリウレタン等が挙げられる。
さらに本発明では、帯電防止層に架橋反応性化合物を含んでいてもよい。架橋反応性化合物は、帯電防止層を構成する成分化合物の官能基と架橋反応することで、帯電防止剤の転移性を防止し、また、帯電防止層の固着性(ブロッキング性)、耐水性、耐溶剤性、機械的強度が改良される。本発明で用いる架橋剤としては、メラミン系架橋剤やエポキシ系架橋剤がある。メラミン系架橋剤としては、アルキロールまたはアルコキシアルキロール化したメラミン系化合物であるメトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン等が例示され、メラミンの一部に尿素等を共縮合したものも使用できる。エポキシ系架橋剤としては、水溶性あるいは水溶化率50%以上のエポキシ基を持つ化合物であればよい。
本発明の帯電防止層には必要に応じ、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、有機粒子、無機粒子、等の添加剤の少なくとも1種を含有していてもよい。
帯電防止層の厚さは乾燥厚さで、通常0.003〜1.5μm、好ましくは0.005〜0.5μmである。帯電防止層の厚さが0.003μm未満の場合は、十分な性能が得られない恐れがあり、1.5μmを超えるとフィルム同士のブロッキングが起こりやすくなる傾向がある。
帯電防止層は、フィルムの両面に設けることが好ましいが、片面であっても、効果を損ねない範囲で、どちらかの片面に塗布したフィルムであればよい。
ポリエステルフィルムに塗布する方法としては、例えば、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるような塗布技術を用いることができる。具体的には、エアドクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、リバースロールコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、キャストコーター、スプレイコーター、カーテンコーター、カレンダコーター、押出コーター、バーコーター等のような技術が挙げられる。
アンテナ回路の作成方法としては、代表的なものとして、金属箔をラミネートする方法と導電性インクを印刷する方法が知られている。金属箔をラミネートする方法は、基材とするポリエステルフィルムに接着剤を介してラミネートした金属箔をエッチングして、ループ状のアンテナ回路や共振タイプのアンテナ回路を形成する方法である。導電性インクを印刷する方法は、カーボン、黒鉛、銀、アルミニウムの粉体あるいはそれらの混合体などをビヒクルに分散した導電性インクをスクリーン印刷やインクジェット印刷で印刷し、電子線や紫外線で硬化する方法や加熱して硬化する方法である。ビヒクルとしては、電子線や紫外線で硬化する樹脂あるいは、熱で硬化する樹脂を用いることが好ましく、代表的なものとしては、例えば、アクリレート化合物、メタクリレート化合物、プロペニル化合物、アリル化合物、ビニル化合物、アセチレン化合物、不飽和ポリエステル類、エポキシポリ(メタ)アクリレート類、ポリ(メタ)アクリレートポリウレタン類、ポリエステルポリオールポリ(メタ)アクリレート類、ポリエーテルポリオールポリ(メタ)アクリレート類、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、スチレン、α−アルキルスチレン、その他のエポキシ化合物などの熱硬化性あるいは放射線硬化性の硬化性樹脂を挙げることができる。これらは2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の帯電防止層としては、上記のアンテナ回路印刷用の導電性インクとの接着性が良いことが好ましい。また。本発明のアンテナ回路との反対面に意匠性の印刷等をする場合には、インキ接着性がよいことが好ましい。また、タグや粘着ラベルに加工する際に使う、粘着層や接着層との接着性が優れることが好ましい。表面カバーや基材としては、ポリエステルフィルムを使えばよく、透明なフィルムや隠蔽性の高い白色フィルム、黒色フィルムを挙げることができる。これらのフィルムは帯電防止されている方が好ましい。
RFIDチップとアンテナ回路との接続方法としては、ワイヤーボンデイング、異方性導電フィルム、導電ペースト、クリーム半田ボールを用いた公知な方法でよく、絶縁樹脂を介してRFIDチップのバンプを回路へ突き刺す方法等でもよい。
本発明によれば、取り扱い中あるいは製造工程などで発生する静電気によって通信が妨げられたり、場合によってはICチップが劣化あるいは破壊されたりするなどの不都合を防げるRFIDタグに適したポリエステルフィルムを比較的廉価に提供できる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における評価方法やサンプルの処理方法は下記のとおりである。また、実施例及び比較例中の「部」は「重量部」を示す。
(1)ポリマーの極限粘度[η](dl/g)の測定方法
ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解させ、ウベローデ型粘度計にて30℃で測定した
ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解させ、ウベローデ型粘度計にて30℃で測定した
(2)表面固有抵抗値の測定方法
日本ヒューレット・パッカード社製高抵抗測定器(HP4339B)および測定電極(HP16008B)を使用し、23℃,50%RHの測定雰囲気でサンプルを十分調湿後、印可電圧100Vで1分後の塗布層の表面固有抵抗値を測定した。
日本ヒューレット・パッカード社製高抵抗測定器(HP4339B)および測定電極(HP16008B)を使用し、23℃,50%RHの測定雰囲気でサンプルを十分調湿後、印可電圧100Vで1分後の塗布層の表面固有抵抗値を測定した。
(3)熱収縮率の測定方法
フィルムを長さ方向および幅方向に35mm幅×1000mm長の短冊状にサンプルを切り出し無張力状態にて150℃に設定されたオーブン(タバイエスペック(株)製:熱風循環炉)中に30分間熱処理を行い、熱処理前後の長さを直尺により測定し、下記式にて熱収縮率を求めた。
熱収縮率(%)=[(a−b)/a]×100
(上記式中、aは熱処理前のサンプルの長さ(mm)、bは熱処理後のサンプルの長さ(mm)を表す)
フィルムを長さ方向および幅方向に35mm幅×1000mm長の短冊状にサンプルを切り出し無張力状態にて150℃に設定されたオーブン(タバイエスペック(株)製:熱風循環炉)中に30分間熱処理を行い、熱処理前後の長さを直尺により測定し、下記式にて熱収縮率を求めた。
熱収縮率(%)=[(a−b)/a]×100
(上記式中、aは熱処理前のサンプルの長さ(mm)、bは熱処理後のサンプルの長さ(mm)を表す)
通常の溶融宿重合法にて、平均粒径が2.5μmの非晶質シリカを0.18部含有する極限粘度0.66のポリエチレンテレフタレートのチップを得た。このチップを乾燥し、水分量を50ppm以下としてから、295℃にて溶融し、冷却したドラム上に溶融押し出して無定型シートを得、次いで85℃〜100℃にて縦に3.5倍に延伸して縦一軸延伸フィルムを得た。このフィルムに下記の帯電防止剤液をグラビアコーターにて5μmコートし、90℃〜120℃の雰囲気で横に4.0倍延伸し、次いで235℃にて熱処理して、フィルム厚み38μmの二軸延伸ポリエステルフィルムをロール状に巻き上げた。このフィルムの150℃で30分の熱収縮率は、縦が1.0%、横が0.5%だった。帯電防止層の表面抵抗は3×109Ω/□であった。
帯電防止剤の組成:
ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(平均分子量:約30000)が65部、部分ケン化型ポリビニルアルコール(ケン化度:約88モル%)が5部、メトキシメチロールメラミン(大日本インキ社製、ベッカミン J101)が30部となるように、濃度2.0%の水溶液を作成した。
帯電防止剤の組成:
ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(平均分子量:約30000)が65部、部分ケン化型ポリビニルアルコール(ケン化度:約88モル%)が5部、メトキシメチロールメラミン(大日本インキ社製、ベッカミン J101)が30部となるように、濃度2.0%の水溶液を作成した。
実施例1にて、熱処理温度を242℃に変更する以外は同じ操作にて、150℃で30分の熱収縮率が、縦が0.5%、横が0.3%、帯電防止層の表面抵抗が3×109Ω/□のフィルムを得た。
実施例1および実施例2のフィルムの帯電防止層上に、銀粉を含む導電性インクであるアチソン社製「Electrodag PF−046」をスクリーン印刷し、加熱乾燥した導電層はセロハンテープを貼って剥がそうとしても剥げることなく、良好な接着性を示した。
(比較例1)
実施例1にて帯電防止層を設けず、38μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このポリエステルフィルムの表面抵抗は1×1015Ω/□であり、帯電しやすいフィルムのため、RFIDのタグとしては不適当であった。
実施例1にて帯電防止層を設けず、38μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このポリエステルフィルムの表面抵抗は1×1015Ω/□であり、帯電しやすいフィルムのため、RFIDのタグとしては不適当であった。
本発明のフィルムは、RFIDのタグ用として、好適に利用することができる。
Claims (1)
- 1×1013Ω/□以下の表面抵抗を有する帯電防止層を少なくともフィルム片面に有し、当該帯電防止層がフィルム製造工程内で設けられたものであることを特徴とするRFIDタグ用ポリエステルフィルム。
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