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JP2009190607A - 自動車用ホイール - Google Patents

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JP2009190607A JP2008034284A JP2008034284A JP2009190607A JP 2009190607 A JP2009190607 A JP 2009190607A JP 2008034284 A JP2008034284 A JP 2008034284A JP 2008034284 A JP2008034284 A JP 2008034284A JP 2009190607 A JP2009190607 A JP 2009190607A
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Abstract

【課題】ホイールリムの表側ビードシート部の内側に形成される内周空域に水や砂などが溜まることを抑制でき得る自動車用ホイールを提案する。
【解決手段】ホイールリム2の表側リムフランジ部11に、ホイールディスク3の外周縁に設けられた嵌合外周部24を内嵌し、その裏側から溶接して一体化してなるものであって、ホイールディスク3が、嵌合外周部24の外端から表側ビードシート部13の内周面13aより内方に至る水抜き凹部25を、周方向に複数配設してなる構成としたものである。この水抜き凹部25によって、表側ビードシート部13の内側に形成されたビードシート内周空域29に入った水や砂などを排出することができる。また、嵌合外周部24は、水抜き凹部25間で撓み易くなることから、表側リムフランジ部11に嵌合し易く、歪みなどの発生を抑制できるため、高い耐久性を発揮し得る。
【選択図】図2

Description

本発明は、タイヤが装着されるホイールリムと車軸が連結されるホイールディスクとを嵌合して溶接することにより一体化してなる自動車用ホイールに関するものである。
自動車用ホイールにあっては、略円筒形状のホイールリムと略円盤形状のホイールディスクとを溶接してなる、いわゆる2ピースタイプのものがある。この2ピースタイプの自動車用ホイールとして、ホイールリムのドロップ部にホイールディスクを内嵌して溶接してなるドロップ嵌合タイプや、ホイールリムの表側ビードシート部にホイールディスクを内嵌して溶接してなるビード嵌合タイプのものが良く知られている。また、ホイールディスクの外周縁に、タイヤの表側ビードを支持する表側リムフランジ部を設けた構成であるフルフェイスタイプのものも知られている。このフルフェイスタイプのものにあっては、そのホイールリムが、一方の開口周縁に表側ビードシート部を設け且つ他方の開口周縁に裏側リムフランジ部を設けた構成であり、一方の開口周縁をホイールディスクの裏面に突き当てて溶接してなるものである。このフルフェイスタイプの自動車用ホイールは、前記したドロップ嵌合タイプやビード嵌合タイプに比して、ホイールディスクの意匠面を大きく確保でき、意匠性を高めることができるという優れた利点を有している。
ところが、上記したフルフェイスタイプの場合、そのホイールリムの一方の開口周縁を、ホイールディスクの裏面に突き当てて溶接するため、該ホイールリムとホイールディスクとの中心軸線を一致することが難しい。そのため、ホイールリムとホイールディスクとの各中心軸線を一致させるための専用装置を要し、製造工程が増えるため、製造時間が長くなってしまう。さらに、ホイールリムの開口周縁とホイールディスクとを全周に亘って確実に溶接しなければならない。これは、全周溶接が不完全であると、この自動車用ホイールにタイヤを組み付けた際に、タイヤ内の空気が漏れてしまうという不具合を生ずる。そのため、この全周溶接する溶接工程にあっては、溶接時間が長くなると共に、溶加材の使用量も増える。このようなことから、総じて製造コストが増えるという問題がある。
また、自動車用ホイールとして、ホイールリムの表側リムフランジ部に、ホイールディスクの外周縁部を内嵌して溶接するようにした構成も提案されている(例えば、特許文献1)。この構成の場合には、上記したビード嵌合タイプやドロップ嵌合タイプに比して、ホイールディスクの意匠面を大きく確保できるため、意匠性を向上できるという利点を有する。さらには、ホイールリムの表側リムフランジ部にホイールリムの外周縁部を内嵌することから、該ホイールリムとホイールディスクとの中心軸線を比較的容易に一致することができ、上記したフルフェイスタイプのような専用装置を要しない。また、フルフェイスタイプのように全周に亘って溶接することも要しない。
特開平9−2003号公報
ところで、上記したフルフェイスタイプの構成にあっては、ホイールディスクに設けられた飾り孔より外方の領域とホイールリムの表側ビードシート部とにより形成された、該表側ビードシート部の内側に存在する内周空域に、水や砂などが溜まり易いという現象がある。同様の現象が、上記した特許文献1の構成にあっても生じ得る。しかし、この特許文献1には、この現象を解決するための構成が開示されていない。そのため、自動車用ホイールとして使用するために、この現象の解決が求められている。
また、上記した特許文献1の構成にあっては、ホイールリムの表側リムフランジ部にホイールディスクの外周縁部を内嵌して組み付ける際に、歪みが生じることを抑制することが求められている。この歪みを抑制することにより、自動車の走行中に生じる振れを抑制することができるからである。
本発明は、ホイールリムの表側ビードシート部の内側に形成される内周空域に水や砂などが溜まることを抑制する自動車用ホイールを提案するものである。
本発明の第一発明は、タイヤが装着されるホイールリムと、車軸が連結されるホイールディスクとを嵌合して溶接してなる自動車用ホイールにおいて、ホイールリムが、タイヤの表側ビードを支持する表側ビードシート部から外方へ起立する立ち上がり周部と、該立ち上がり周部から表側へ湾曲した湾曲周部とからなる表側リムフランジ部を備えてなると共に、ホイールディスクが、その外周縁に設けられた、表側リムフランジ部の湾曲周部に内嵌し且つ立ち上がり周部の表側面に着座する嵌合外周部と、該嵌合外周部の外端から表側ビードシート部の内周面より内方に至る、周方向に所定間隔をおいて配設された複数の水抜き凹部とを備えてなり、ホイールディスクの嵌合外周部を、ホイールリムの表側リムフランジ部に嵌合して、ホイールディスクの裏側から溶接することによりホイールリムと一体化してなるものであることを特徴とする自動車用ホイールである。
かかる構成にあっては、ホイールディスクに形成した水抜き凹部が、その凹部内端を、ホイールリムの表側ビードシート部の内周面より内方位置としたものであるから、該水抜き凹部の、表側ビードシート部の内周面よりも内側となる内寄り空域によって、所謂水抜き孔を構成することができる。これにより、ホイールディスクの外周縁とホイールリムの表側ビードシート部とにより形成された、該表側ビードシート部の内側に存在する空域(以下、ビードシート内周空域と言う)に、水や砂などが入っても、水抜き凹部により形成される水抜き孔から排出されることから、ビードシート内周空域に水や砂などが溜まることを抑制でき得る。
また、嵌合外周部は、複数の水抜き凹部により、周方向で複数に分割されたような形態となっている。そして、この水抜き凹部が、表側ビードシート部の内周面より内方へ至るように形成されていることから、嵌合外周部の、各水抜き凹部により分割された各領域は、その径方向幅が比較的長くなっており、撓み易く、ホイールリムの表側リムフランジ部に内嵌し易い。そのため、ホイールディスクをホイールリムに嵌合する工程で、該嵌合に要する力(以下、嵌合圧力)を低減することができる。さらに、嵌合する際に、ホイールディスクの嵌合外周部やホイールリムの表側リムフランジ部の湾曲周部などに歪みを生じてしまうことを抑制でき、該歪みによって生ずるホイールディスクやホイールリムの表側フランジ部の真円度低下を抑制することもでき得る。而して、ホイールディスクとホイールリムとを適正かつ安定して嵌合することができ、自動車の走行中に生じる振れを抑制するという優れた効果を発揮することができ得る。
上述した第一発明の自動車用ホイールにあって、ホイールリムの表側リムフランジ部を構成する湾曲周部が、その周端部を内方へ折り曲げるようにして形成されてなり、ホイールディスクの嵌合外周部を、前記湾曲周部の周端部と立ち上がり周部との間で、当該湾曲周部に内嵌するようにしたものであり、ホイールディスクの水抜き凹部が、その凹部内端を、ホイールディスクの嵌合外周部とホイールリムとを溶接した溶接部の外端縁より内方位置とするように形成されてなるものである構成が提案される。
ここで、表側リムフランジ部を構成する湾曲周部は、内方へ折り曲げられてなる構成であるから、その周端部の内径が、外側へ最も凸な部位の内径に比して小径となる。そして、ホイールディスクの外径は、その嵌合外周部を湾曲周部に内嵌することから、該湾曲周部の周端部の内径に比して大きくなる。このようなホイールディスクとホイールリムとにあっても、上述したように、本発明のホイールディスクの嵌合外周部が撓み易いことから、該嵌合外周部を湾曲周部に比較的容易に内嵌することができる。そのため、嵌合する際に、嵌合外周部や湾曲周部などに歪みを生ずることを抑制でき、ホイールディスクやホイールリムの表側フランジ部の真円度低下を抑制できる。
かかる構成にあっては、表側リムフランジ部の湾曲周部が内方へ折り曲げられてなる構成であることから、ホイールディスクの嵌合外周部を、該湾曲周部の周端部と立ち上がり周部との間で一層安定して嵌合保持することができる。
さらに本構成にあっては、水抜き凹部の凹部内端を、溶接部の外端縁に比して径方向で内方位置となるようにしていることから、この溶接部を形成した後には、該溶接部の形成前に比して、ホイールディスクの嵌合外周部の剛性が向上して撓み難くなる。そのため、ホイールディスクをホイールリムに嵌合する際には、該ホイールディスクの嵌合外周部が撓み易く、該ホイールリムの表側フランジ部に比較的容易に内嵌することができると共に、嵌合して溶接した後には、嵌合外周部の剛性が向上し、ホイールディスクとしての剛性も向上する。而して、ホイールディスクとホイールリムとを適正かつ安定して嵌合することができ、且つ自動車走行中に生ずる振れを抑制するという優れた作用効果を発揮することができ得る。
尚、本構成の自動車用ホイールは、上記のように溶接部を形成することによりホイールディスクの剛性が向上するため、水抜き凹部を有さない構成と同レベルのホイールディスクの剛性を有するものとなり得る。これにより、ホイールディスクの剛性を向上することを目的として、該ホイールディスクの厚肉化することを必要としないことから、これに伴う重量増加の問題も生じず、水抜き凹部に応じた軽量化を得ることができる。
本発明の第二発明は、タイヤが装着されるホイールリムと、車軸が連結されるホイールディスクとを嵌合して溶接してなる自動車用ホイールにおいて、ホイールリムが、タイヤの表側ビードを支持する表側ビードシート部から外方へ起立する立ち上がり周部と、該立ち上がり周部から表側へ湾曲した湾曲周部とからなる表側リムフランジ部を備えてなると共に、ホイールディスクが、その外周縁に設けられた、表側リムフランジ部の湾曲周部に内嵌し且つ立ち上がり周部の表側面に着座する嵌合外周部と、該嵌合外周部の外端縁から表側ビードシート部の内周面より内方に至るように表方へ隆起する隆起部と、隆起部の外側に設けられた水抜き凹部とを備えてなり、ホイールディスクの嵌合外周部を、ホイールリムの表側リムフランジ部に嵌合して、前記隆起部を溶接しないようにホイールディスクの裏側から溶接することによりホイールリムと一体化してなるものであることを特徴とする自動車用ホイールである。
かかる構成にあっては、ホイールディスクの隆起部と表側リムフランジ部の立ち上がり周部との間に形成された空隙を介して、ビードシート内周空域と水抜き凹部とが連通し、所謂水抜き孔を構成している。この水抜き孔により、上記した第一発明と同様に、ビードシート内周空域に水や砂などが溜まってしまうことを抑制できる。
また、本構成のホイールディスクは、その剛性が隆起部により向上することから、総じて当該自動車用ホイールの耐久性を向上することができ得る。
さらにまた、本構成は、水抜き凹部を比較的小さく形成することができるため、該水抜き凹部を小さくしたデザインとしたい場合に有効に適用でき得る。一方、隆起部は、意匠性の構成要素とすることもできるため、該隆起部の形態を適宜設定することにより意匠性の向上に寄与することができ得る。
尚また、本構成にあっては、隆起部と水抜き凹部とからなる構成部位を、ホイールディスクに一箇所設けるようにしても良いし、複数箇所設けるようにしても良い。
上述した第二発明の自動車用ホイールにあって、ホイールリムの表側リムフランジ部を構成する湾曲周部が、その周端部を内方へ折り曲げるようにして形成されてなり、ホイールディスクの嵌合外周部を、前記湾曲周部の周端部と立ち上がり周部との間で、当該湾曲周部に内嵌するようにしたものである構成が提案される。
ここで、表側リムフランジ部を構成する湾曲周部は、内方へ折り曲げられてなる構成であるから、その周端部の内径が、外側へ最も凸な部位の内径に比して小径となる。そして、ホイールディスクの外径は、その嵌合外周部を湾曲周部に内嵌することから、該湾曲周部の周端部の内径に比して大きくなる。そのため、かかる構成にあっては、ホイールディスクの嵌合外周部を、該湾曲周部の周端部と立ち上がり周部との間で一層安定して嵌合保持することができ、ホイールディスクとホイールリムとが一層強く接合されたものとなる。
上述した第一発明および第二発明の自動車用ホイールにあって、ホイールリムは、タイヤの裏側ビードを支持する裏側ビードシート部から外方へ起立する立ち上がり周部と、該立ち上がり周部から裏側へ湾曲した湾曲周部とからなる裏側リムフランジ部を備えてなり、表側リムフランジ部が、その湾曲周部の厚みを、裏側リムフランジ部の湾曲周部に比して薄肉となるように形成されたものである構成が提案される。
ここで、表側リムフランジ部は、ホイールディスクの嵌合外周部が嵌合していることから、走行中にタイヤから作用する負荷を、該ホイールディスクにより受け止めることができる。そのため、本構成のように、表側リムフランジ部を裏側リムフランジ部に比して薄肉化した場合にあっても、所望の強度と耐久性を発揮でき得る。
かかる構成にあっては、表側リムフランジ部を構成する表側の湾曲周部が、撓み易くなることから、ホイールディスクの嵌合外周縁を内嵌する際に、一層容易に内嵌することができ、該内嵌に要する嵌合圧力を低減することもでき得る。そのため、嵌合する際に歪みが生じることを抑制できるから、走行中に生じた負荷による振れを一層抑制する効果に優れ、高い耐久性を発揮でき得る。また、表側リムフランジ部が薄肉となるため、軽量化できると共に、材料量をも低減できる。
本発明の第一発明は、ホイールディスクが、その外周縁に設けた嵌合外周部の外端から表側ビードシート部の内周面より内方に至る水抜き凹部を、周方向に所定間隔をおいて複数配設してなり、嵌合外周部を、ホイールリムの表側リムフランジ部を構成する湾曲周部に内嵌し且つ該リムフランジ部の立ち上がり周部の表側面に着座するように嵌合し、ホイールディスクの裏側から溶接してホイールリムと一体化してなるものである。この構成では、水抜き凹部によって、ビードシート内周空域に入った水や砂などを排出することができるから、該ビードシート内周空域に水や砂などが溜まることを抑制でき得る。また、嵌合外周部は、複数の水抜き凹部が設けられていることにより撓み易くなっていることから、表側リムフランジ部に嵌合する際に、比較的容易に内嵌でき、歪みの発生を抑制でき得る。そのため、自動車の走行中に生じる振れを抑制するという優れた効果を奏し、高い耐久性を発揮し得る。
上述した第一発明にあって、ホイールリムの表側リムフランジ部を構成する湾曲周部が、その周端部を内方へ折り曲げるようにして形成されてなり、ホイールディスクの嵌合外周部を、前記湾曲周部の周端部と立ち上がり周部との間で、当該湾曲周部に内嵌するようにしたものであり、ホイールディスクの水抜き凹部が、その凹部内端を、ホイールディスクの嵌合外周部とホイールリムとを溶接した溶接部の外端縁より内方位置とするように形成されてなるものである構成とした場合には、嵌合する際に嵌合外周部が撓み易いことから、このような湾曲周部に内嵌する際にも比較的容易に内嵌でき、歪みや局所的な発生を抑制できると共に、嵌合外周部を該湾曲周部の周端部と立ち上がり周部との間で一層安定して嵌合保持できるため、自動車の走行中に発生する振れを抑制する効果がさらに向上する。また、本構成は、溶接部の外端縁が、水抜き凹部の凹部内端に比して径方向外側に位置することから、溶接後には嵌合外周部の剛性が向上するため、ホイールディスクとホイールリムとを適正かつ安定して嵌合保持することができ、且つ自動車走行中に生ずる振れを抑制する効果に一層優れる。さらにまた、本構成は、ホイールディスクの剛性を適正に維持しつつ、水抜き凹部に従って軽量化することができ得る。
本発明の第二発明は、ホイールディスクが、その外周縁に設けた嵌合外周部の外端縁から表側ビードシート部の内周面より内方に至るように表方へ隆起する隆起部を配設すると共に、該隆起部の外側に水抜き凹部を設けてなり、嵌合外周部を、ホイールリムの表側リムフランジ部を構成する湾曲周部に内嵌し且つ該リムフランジ部の立ち上がり周部の表側面に着座するように嵌合し、ホイールディスクの裏側から溶接してホイールリムと一体化してなるものである。この構成では、隆起部と水抜き凹部とにより、ビードシート内周空域に入った水や砂などを排出することができるから、該ビードシート内周空域に水や砂などが溜まることを抑制でき得る。また、ホイールディスクが隆起部により高い剛性を有し、高い耐久性を発揮し得る。さらにまた、比較的小さな水抜き凹部を形成できるため、該水抜き凹部を小さくしたデザインとする場合に有効に適用できる。さらに、隆起部をホイールディスクの意匠性の構成要素とすることにより、該意匠性の向上に寄与でき得る。
上述した第二発明にあって、表側リムフランジ部を構成する湾曲周部が、その周端部を内方へ折り曲げるようにして形成されてなり、ホイールディスクの嵌合外周部を、前記湾曲周部の周端部と立ち上がり周部との間で、当該湾曲周部に内嵌するようにした構成の場合には、嵌合外周部を表側リムフランジ部により一層安定して嵌合保持できることから、ホイールディスクとホイールリムとが一層強く接合されたものとなる。
また、上述した第一発明および第二発明にあって、表側リムフランジ部が、その湾曲周部の厚みを、裏側リムフランジ部の湾曲周部に比して薄肉となるように形成されたものである構成とした場合には、表側リムフランジ部が撓み易くなり、ホイールディスクの嵌合外周縁を内嵌する際に、比較的容易に内嵌でき、嵌合外周部や表側リムフランジ部に歪みが発生することを抑制する効果が一層向上する。また、表側の湾曲周部の薄肉化に伴って、軽量化し且つ材料量を低減することができる。
本発明の実施例1〜3を各添付図面を用いて詳述する。
図1は、本発明にかかる実施例1の自動車用ホイール1の平面図であり、図2は、当該自動車用ホイール1の縦断面図である。この自動車用ホイール1は、スチール板から成形されたホイールリム2とホイールディスク3とを接合して成る、いわゆる2ピースタイプのスチール製ホイールである。そして、この自動車用ホイール1は、ホイールディスク3の外周縁に設けた嵌合外周部24を、ホイールリム2の表側リムフランジ部11に内嵌して溶接してなる構成である。尚、本実施例にあって、ホイールディスク3の背面側から意匠面側へ向かう方向を表方向としている。また、ホイール径方向に沿って、自動車用ホイール1の中心軸線S1へ向かう方向を内方向としている。
上記したホイールリム2にあっては、略円筒形状をなし、その両端開口縁にタイヤの表裏のビードを支持する表裏のリムフランジ部11,12が設けられ、各リムフランジ部11,12に、タイヤの表裏のビードを着座させて支持固定する表裏のビートシート部13,14が連成されている。さらに、表裏のビードシート部13,14の間には、タイヤ装着時にタイヤの表裏のビードを落とすためのドロップ部15が設けられている。
ここで、表裏のリムフランジ部11,12は、本実施例1では同じ形態としており、表裏のビードシート部13,14から外方へ起立するように連成された表裏の立ち上がり周部17,18と、該表裏の立ち上がり周部17,18から夫々に表側又は裏側に折れ曲がり、さらに内方へ折れ曲がるように延出して全体的に湾曲した表裏の湾曲周部19,20とから構成されている(図2、図3参照)。この表裏のリムフランジ部11,12は、各々の湾曲周部19,20の周端部19a,20aにおける内径が、各々の湾曲周部19,20の、最も外方へ突出した凸周部19b,20bの内径に比して小さくなっている。
このようなホイールリム2は、略長方形状のスチール製平板を、その短辺同士を突合せ溶接することにより円筒形状とした後、これを回転させた状態で、所定の金型を当該円筒の内外両側から挟圧するロール加工により成形でき、従来の成形方法を適用することができる。そのため、この成形工程については、その説明を省略する。
一方、上記したホイールディスク3にあっては、図4のように、略円盤形状をなし、その中央に車軸のハブと連結するハブ取付部21が設けられており、該ハブ取付部21の周縁から径方向に沿って外方へ突出してスポーク部22が、周方向に均等間隔で複数設けられている。そして、各スポーク部22の周方向間にそれぞれ、飾り孔23が形成されており、ホイールディスク3の外周縁に嵌合外周部24が設けられている。また、ハブ取付部21には、その中央にハブ孔27が形成されており、その径方向外側に位置して周方向で互いに均等間隔となるように、複数個のボルト孔28が設けられている。尚、このホイールディスク3の各部位はそれぞれ、ホイールディスク3の中心軸線S1を中心とする同心状に形成されている。
ここで、スポーク部22は、ハブ取付部21の周縁から表方へ盛り上がるように形成されており、嵌合外周部24は、ホイールディスク3の中心軸線S1に直交する平面方向に沿うように形成されている。また、ホイールディスク3には、その外周縁部に、各スポーク部22の径方向中心線に沿って水抜き凹部25が各々設けられている。この水抜き凹部25は、嵌合外周部24の外端から内方へ至り、この凹部内端25aが、ホイールディスク3とホイールリム2とが嵌合した状態で、表側ビードシート部13の内周面13aより内方位置となるように形成されている(図2、図3(B)参照)。本実施例1にあっては、6本のスポーク部22が周方向で均等間隔に設けられており、水抜き凹部25も周方向で均等間隔に六箇所設けられている。
尚、上記した嵌合外周部24により、ホイールディスク3の外周縁を構成している。そして、本実施例1にあっては、ホイールディスク3の外径を、上記したホイールリム2の表側リムフランジ部11を構成する湾曲周部19の凸周部19bの内径と略同じとなるように設定している。そのため、ホイールディスク3の外径は、表側リムフランジ部11を構成する湾曲周部19の周端部19aの内径よりも大きくなっている。
このようなホイールディスク3は、略円形状のスチール製平板を、プレス加工することにより成形でき、従来の成形方法を適用することができる。そのため、この成形工程については、その説明を省略する。
本実施例1の自動車用ホイール1は、上述したホイールリム2とホイールディスク3とを嵌合して溶接することにより一体化してなるものである。すなわち、ホイールリム2の表側リムフランジ部11の表方から、ホイールディスク3を押し込み、該表側リムフランジ部11の湾曲周部19にホイールディスク3の嵌合外周部24を内嵌して、該嵌合外周部24の裏面を表側リムフランジ部11の立ち上がり周部17の表側面に着座する。そして、裏面側からアーク溶接により、嵌合外周部24と、ホイールリム2の表側ビードシート部13から表側リムフランジ部11に至る領域とを溶接する。ここで、アーク溶接は、ホイールディスク3の、周方向で六箇所に設けられた各水抜き凹部25間を溶接するように行っており、溶接部30を周方向で六箇所形成している(図1参照)。そして、この溶接部30は、その外端縁を、水抜き凹部25の凹部内端25aに比して外方位置となるように形成されている。すなわち、ホイールディスク3の中心軸線S1から溶接部30の外端縁に至る径方向距離D1が、該中心軸線S1から水抜き凹部25の凹部内端25aに至る径方向距離D2に比して長くなるように設けられている(D1>D2)。
この自動車用ホイール1は、図1のように、その意匠面側に、ホイールリム2の表側リムフランジ部11を構成する湾曲周部19の周端部19aが表出している以外は、ホイールディスク3により意匠面が構成されている。そのため、本実施例1の自動車用ホイール1は、上述した従来のドロップ嵌合タイプやビード嵌合タイプの自動車用ホイールに比して、ホイールディスク3の意匠面を大きく確保でき、優れた意匠性を発揮できる。このホイールディスク3の意匠面は、上述したフルフェイスタイプの自動車用ホイールに比しても、ほぼ同等の大きさを有している。
さらに、ホイールディスク3の嵌合外周部24に六箇所形成した各水抜き凹部25は、上述したように、その凹部内端25aが表側ビードシート部13の内周面13aより内方位置となるように設けられている。すなわち、水抜き凹部25は、その径方向幅が、ホイールリム2の表側リムフランジ部11の立ち上がり周部17の径方向幅に比して長くなっている(図2、図3(B)参照)。そして、各水抜き凹部25の、表側ビードシート部13の内周面13aより内側となる内寄り空域によって、当該ホイールディスク3を表裏方向に貫通する、いわゆる水抜き孔26が構成されている。そして、この水抜き孔26は、図2のように、ホイールディスク3の外周縁とホイールリム2の表側ビードシート部13とにより形成された、該表側ビードシート部13の内側に存在するビードシート内周空域29に開口している。そのため、ビードシート内周空域29に溜まり易い水や砂などを、各水抜き孔26により排出することができる。
また、ホイールディスク3の嵌合外周部24は、図4のように、六箇所に設けた各水抜き凹部25により、周方向に分割されたような形態となっている。そして、上述したように、水抜き凹部25が表側ビードシート部13の内周面13aより内方まで形成されていることから、各水抜き凹部25により分割された嵌合外周部24の各領域は、その径方向幅が比較的幅広となっている。そのため、嵌合外周部24の、各水抜き凹部25により分割された各領域が、それぞれ撓み易くなっている。これにより、上記したように、ホイールディスク3を、ホイールリム2の表側リムフランジ部11の前側から押し込んで嵌合する際に、該ホイールディスク3の嵌合外周部24を、表側リムフランジ部11の湾曲周部19に内嵌し易い。これは、本実施例1のように、表側リムフランジ部11を構成する湾曲周部19の周端部19aの内径が、ホイールディスク3の外径に比して小さくした構成にあっても、湾曲周部19に嵌合外周部24を内嵌し易い。そして、ホイールディスク3とホイールリム2とを嵌合する際に、嵌合外周部24や表側リムフランジ部11などに、歪みが生じることを抑制できるため、嵌合外周部24と表側リムフランジ部11の湾曲周部19との嵌合状態が安定する。さらに、表側リムフランジ部11の湾曲周部19が内方へ折り曲げられてなる構成であることから、該湾曲周部19の周端部19aと立ち上がり周部17との間で、ホイールディスク3の嵌合外周部24を一層安定して嵌合保持することができる。而して、自動車用ホイール1は、走行中に生じる振れを抑制する効果が高く、優れた耐久性を発揮し得る。
また、嵌合外周部24を表側リムフランジ部11の湾曲周部19に比較的容易に内嵌できることから、ホイールディスク3をホイールリム2に押し込んで嵌合する際の、この押し込むために要する嵌合力を低減することもできる。そのため、この嵌合する作業の作業性を向上できると共に、嵌合に使用する装置にかかるエネルギーも低減することができるという優れた利点を奏する。
さらにまた、本実施例1の構成にあっては、上記したように、水抜き凹部25の凹部内端25aが、溶接部30の外端縁より内方位置となっている。すなわち、ホイールディスク3の中心軸線S1から溶接部30の外端縁に至る径方向距離D1が、該中心軸線S1から水抜き凹部25の凹部内端25aに至る径方向距離D2に比して長くなるように設けられている。この構成により、ホイールディスク3とホイールリム2とを溶接した後には、該ホイールディスク3の嵌合外周部24が前記溶接部30によって撓み難くなる。このように、ホイールディスク3の嵌合する際には、その嵌合外周部24の撓み易さにより容易に嵌合することができ、嵌合して溶接した後には、該嵌合外周部24の剛性向上によって当該嵌合を保持する効果をさらに高め得る。このような本実施例1の自動車用ホイール1は、そのホイールディスク3の剛性が、水抜き凹部を有さない従来構成とほぼ同レベルとなり得る。尚ここで、通常、剛性不足となると、板厚を厚くする手法により対処するが、このような手法を本実施例1の構成に適用する必要はなく、板厚増加に伴う重量増も生じない。そして、本実施例1の構成では、水抜き凹部25を設けていることから、該水抜き凹部25に応じて軽量化することができる。
尚、本実施例1のホイールディスク3は、上記したようにスチール製のものであり、通常、スチール製の板材をプレス加工することにより成形される。このホイールディスク3の成形工程にあって、プレス加工後に、該ホイールディスク3の外周縁を旋盤などにより切削加工を行い、ホイールディスク3の外周縁の形状を表側リムフランジ部11の内周面形状に倣うように成形する。尚、この切削加工として、ホイールディスク3の外周縁を面取りする等の加工を行うようにしても良い。また、切削加工により、ホイールディスク3の外周縁の真円度を向上することもでき得る。このように高い真円度のホイールディスク3を成形することにより、ホイールリム2と嵌合した場合に、該ホイールリム2がホイールディスク3の外周縁に倣うことから、ホイールリム2の真円度を高めることができ得る。これに伴って、自動車用ホイール1の真円度も高くなり、自動車の走行中に生ずる振れを一層抑制することができ得る。
実施例2の自動車用ホイール51にあっては、図5のように、ホイールディスク53に、その外周縁に設けられた嵌合外周部54の外端縁から、各スポーク部56の長手方向(径方向)に沿って、表側ビードシート部13の内周面13aより内方へ至る隆起部57が夫々設けられている。そして、この各隆起部57の外側に水抜き凹部55が形成されている。ここで、隆起部57は、表方へアーチ状に隆起する形状に形成されている。水抜き凹部55は、その凹部内端55aが表側ビードシート部13の内周面13aより外方位置となるように形成されている(図6、図7(B)参照)。すなわち、水抜き凹部55は、その径方向幅がホイールリム2の表側リムフランジ部11の立ち上がり周部17の径方向幅に比して短くなっている(図6、図7(B)参照)。
本実施例2にあっては、ホイールディスク53が、上記した実施例1と同様に六本のスポーク部56を備えてなる構成であり、上記した隆起部57および水抜き凹部55もそれぞれ六箇所に形成されている。
本実施例2にあっても、ホイールディスク53の嵌合外周部54は、上述した実施例1と同様に、ホイールディスク53の中心軸線S2と直交する平面方向に沿って形成されている。そして、嵌合外周部54の外端縁が、各水抜き凹部55により周方向で分割されたような形態となっている。
尚、本実施例2の自動車用ホイール51は、ホイールディスク53が隆起部57と水抜き凹部55とを備えた構成であり、その他の構成については上述した実施例1と同じ構成としており、同じ構成要素には同じ符号を記し、その説明を省略している。
このような本実施例2の自動車用ホイール51にあっても、図6,7のように、上述した実施例1と同様に、ホイールディスク53の嵌合外周部54を、ホイールリム2の表側リムフランジ部11に内嵌し、裏側からアーク溶接により溶接してなる。ここで、アーク溶接は、隆起部57を溶接しないように、各隆起部57の周方向間で行なっており、周方向で六箇所に溶接部30が形成されている。
この自動車用ホイール51では、ホイールディスク53の隆起部57と、ホイールリム2の表側リムフランジ部11の立ち上がり周部17との間には、トンネル状の空隙が形成され、当該空隙によりビードシート内周空域29と水抜き凹部55とが連通している(図7(B)参照)。このように隆起部57により形成されたトンネル状の空隙と水抜き凹部55とにより、いわゆる水抜き孔58が構成され、上述した実施例1と同様に、ビードシート内周空域29に入った水や砂などを排出することができ、水や砂などが溜まることを抑制でき得る。
また、周方向で均等間隔で配設された隆起部57によって、当該ホイールディスク53の剛性が向上する。そして、ホイールディスク53とホイールリム2とを嵌合した状態で保持する効果が高まる。
また、ホイールディスク53の各隆起部57は、当該自動車用ホイール51の意匠性にも寄与する。そのため、この隆起部57を、その長さ、幅、表方へ隆起する高さなどの形態を様々に設定することにより、意匠性を適当に高めることができ得る。一方、本実施例2の水抜き凹部55は、比較的小さく形成され、例えば、上述した実施例1の構成よりも小さい。そのため、ホイールディスク53の意匠面を、水抜き凹部55を比較的小さくしたデザインとしたい場合に、本実施例2の構成は有効である。
さらにまた、本実施例2の構成にあっては、上述した実施例1と同じ構成のホイールリム2を用いたものであることから、表側リムフランジ部11の湾曲周部19の周端部19aと立ち上がり周部17との間で、ホイールディスク53の嵌合外周部54を一層安定して嵌合保持することができ得る。
実施例3の構成にあっては、図8,9のように、ホイールリム62が、表側リムフランジ部66を構成する湾曲周部69を、裏側リムフランジ部12の湾曲周部20に比して薄肉としたものである。この表側リムフランジ部66の湾曲周部69は、その剛性が、裏側リムフランジ部12の湾曲周部20に比して低くなっており、撓み易くなっている。
ここで、表側リムフランジ部66は、上述した実施例1と同様に、立ち上がり周部71と上記した薄肉の湾曲周部69とから構成されてなり、該湾曲周部69の周端部69aにおける内径が、湾曲周部69の、最も外方へ突出した凸周部69bの内径に比して小さくなっている。
上記したホイールリム62に、上述した実施例2と同じ構成のホイールディスク53を嵌合することにより、本実施例3の自動車用ホイール61を得る。すなわち、ホイールディスク53の嵌合外周部54を、ホイールリム62の表側リムフランジ部66の湾曲周部69に内嵌して、立ち上がり周部71に着座する。そして、裏側から、ホイールディスク53とホイールリム62とをアーク溶接して一体化する。ここで、アーク溶接は、上述した実施例2と同様に、隆起部57を溶接しないように、各隆起部57の周方向間で行なっている。
そして、ホイールディスク53を嵌合する際には、表側リムフランジ部66の湾曲周部69が撓み易いことから、比較的容易に嵌合することができる。そのため、ホイールディスク53やホイールリム62に歪みなどが生じてしまうことを抑制する効果が一層向上する。而して、本実施例3の自動車用ホイール61にあっては、走行中に発生する振れを抑制する効果が高く、一層優れた耐久性を発揮することができる。尚、前記したホイールディスク53とホイールリム62とを嵌合する際に要する嵌合力を一層低減することもでき得る。
また、ホイールリム62は、表側リムフランジ部66の湾曲周部69が薄肉化されていることから、その薄肉化に伴い軽量化される。そのため、自動車用ホイール61を自動車に装着することにより、バネ下荷重を低減でき、操安性や燃費などを向上することができるという優れた効果も生じ得る。また、前記薄肉化により、ホイールリム62を成形するための材料量(原単位)を低減できるため、材料費を削減することもできる。
この実施例3の構成では、表側リムフランジ部66の湾曲周部69が薄肉化されていることから、該湾曲周部69は裏側リムフランジ部12の湾曲周部20に比して強度低下している。しかし、表側リムフランジ部66の湾曲周部69には、その周方向に亘ってホイールディスク53の嵌合外周部54が内嵌するため、該湾曲周部69に作用する負荷を該ホイールディスク53により支えることができる。そのため、自動車用ホイール61として、所望の強度と耐久性を発揮することができ得る。
尚、本実施例3の構成にあっては、ホイールリム62の表側リムフランジ部66を構成する湾曲周部69を、裏側リムフランジ部12の湾曲周部20に比して薄肉化した以外は、上述した実施例2と同じ構成としており、同じ構成要素には同じ符号を記し、その説明を省略している。しかるに、実施例3の構成にあっても、表側ビードシート部13の内側に形成されたビードシート内周空域29に水や砂などが溜まることを抑制できるという、上述した実施例2と同様の作用効果を奏する。
一方、上述した実施例1〜3の他の構成として、実施例1のホイールディスク3と、実施例3のホイールリム62とを嵌合した構成とすることもできる(図示省略)。この場合には、ホイールディスク3の嵌合外周部24とホイールリム62の表側リムフランジ部66の湾曲周部69とのそれぞれの撓み易さの相乗効果によって、該ホールディスク3とホイールリム62との嵌合に要する力を一層低減できると共に、歪みなどが生じることを抑制する効果が一層向上する。したがって、自動車走行中に振れなどが発生することを一層抑制でき、耐久性がさらに向上する。
また、上述した実施例3の構成にあっては、表側リムフランジ部66の湾曲周部69を薄肉化した構成であるが、その他の構成として、表側リムフランジ部の立ち上がり周部と湾曲周部とを薄肉化する構成とすることもでき得る。この構成の場合には、表側リムフランジ部が一層撓み易くなるため、嵌合する際の歪みなどを抑制する効果が高く、走行中に生じる振れなどを一層抑制することができる。尚ここで、表側リムフランジ部の立ち上がり周部にあっても、ホイールディスクの嵌合外周部が着座して保持されることから、所望の強度や耐久性を発揮できる。
また、上述した実施例1〜3の構成にあっては、水抜き凹部25,55を周方向で等間隔をおいて配設した構成であるが、各水抜き凹部の間隔を夫々に異なるように設定した構成とすることもできる。例えば、特定のスポーク部の外側に水抜き凹部を設け、全てのスポーク部の外側に水抜き凹部を設けない構成としても良い。また、水抜き凹部を飾り孔の外側に設ける構成としても良い。
さらに、実施例2,3の構成にあっては、ホイールディスク53に、各スポーク部56毎に隆起部57と水抜き凹部55とを設けた構成としているが、これに限らず、一または所定数のスポーク部56に隆起部57と水抜き凹部55とを設ける構成とすることもできる。
また、上述した実施例1〜3の構成にあっては、表側リムフランジ部11,66を内方へ折り曲げられた湾曲周部19,69を備えてなる構成としたものであるが、該表側リムフランジ部の形態はこれに限定されず様々に設定することができ得る。例えば、図10のように、自動車用ホイール81を構成するホイールリム82の表側リムフランジ部86を、立ち上がり周部17の外端から表方へ屈曲してなる湾曲周部87を備える構成とすることもできる。ここで、この表側リムフランジ部86の湾曲周部87は、上記の実施例1〜3の湾曲周部19,69のように内方へ折り曲げられていない。そのため、この表側リムフランジ部86を備えたホイールリム82に、上記の実施例1のホイールディスク3を嵌合する際には、その嵌合外周部24がほとんど撓まずに内嵌することができる。尚、同様に実施例2,3のホイールディスクを、前記ホイールリム82に内嵌した構成とすることもできる。また、この表側リムフランジ部の湾曲周部を、上述した実施例3と同様に、裏側リムフランジ部の肉厚より薄肉化した構成とすることもできる。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、その他の構成についても、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。例えば、アルミニウム合金やマグネシウム合金により成型した同じ構成の自動車用ホイールにあっても、同様の作用効果を発揮することができる。また、ホイールディスクとホイールリムとの溶接には、上記したアーク溶接に限らず、ガス溶接などにより実施することもでき得る。
本発明にかかる実施例1の自動車用ホイール1の平面図である。 同上の自動車用ホイール1の、図1のL−L断面図である。 (A)図2に示したX部の拡大図と、(B)図2に示したY部の拡大図である。 ホイールディスク3の平面図である。 実施例2の自動車用ホイール51の平面図である。 同上の自動車用ホイール51の、図5のM−M断面図である。 (A)図6に示したZ部の拡大図と、(B)図6に示したV部の拡大図である。 実施例3の自動車用ホイール61の縦断面図である。 (A)図8に示したW部の拡大図と、(B)図8に示したUの拡大図である。 別例の自動車用ホイール81の、(A)表側リムフランジ部86と嵌合外周部24との嵌合状態を示す拡大縦断図と、(B)表側リムフランジ部86と水抜き凹部25との関係を示す拡大縦断面図である。
符号の説明
1,51,61,81 自動車用ホイール
2,62,82 ホイールリム
3,53 ホイールディスク
11,66,86 表側リムフランジ部
12 裏側リムフランジ部
13 表側ビードシート部
13a (表側リムフランジ部13の)内周面
14 裏側ビードシート部
17,18,71 立ち上がり周部
19,20,69,87 湾曲周部
19a 周端部
24,54 嵌合外周部
25,55 水抜き凹部
25a (水抜き凹部25の)凹部内端
30 溶接部
57 隆起部

Claims (5)

  1. タイヤが装着されるホイールリムと、車軸が連結されるホイールディスクとを嵌合して溶接してなる自動車用ホイールにおいて、
    ホイールリムが、タイヤの表側ビードを支持する表側ビードシート部から外方へ起立する立ち上がり周部と、該立ち上がり周部から表側へ湾曲した湾曲周部とからなる表側リムフランジ部を備えてなると共に、
    ホイールディスクが、その外周縁に設けられた、表側リムフランジ部の湾曲周部に内嵌し且つ立ち上がり周部の表側面に着座する嵌合外周部と、該嵌合外周部の外端から表側ビードシート部の内周面より内方に至る、周方向に所定間隔をおいて配設された複数の水抜き凹部とを備えてなり、
    ホイールディスクの嵌合外周部を、ホイールリムの表側リムフランジ部に嵌合して、ホイールディスクの裏側から溶接することによりホイールリムと一体化してなるものであることを特徴とする自動車用ホイール。
  2. ホイールリムの表側リムフランジ部を構成する湾曲周部が、その周端部を内方へ折り曲げるようにして形成されてなり、ホイールディスクの嵌合外周部を、前記湾曲周部の周端部と立ち上がり周部との間で、当該湾曲周部に内嵌するようにしたものであり、
    ホイールディスクの水抜き凹部が、その凹部内端を、ホイールディスクの嵌合外周部とホイールリムとを溶接した溶接部の外端縁より内方位置とするように形成されてなるものであることを特徴とする請求項1に記載の自動車用ホイール。
  3. タイヤが装着されるホイールリムと、車軸が連結されるホイールディスクとを嵌合して溶接してなる自動車用ホイールにおいて、
    ホイールリムが、タイヤの表側ビードを支持する表側ビードシート部から外方へ起立する立ち上がり周部と、該立ち上がり周部から表側へ湾曲した湾曲周部とからなる表側リムフランジ部を備えてなると共に、
    ホイールディスクが、その外周縁に設けられた、表側リムフランジ部の湾曲周部に内嵌し且つ立ち上がり周部の表側面に着座する嵌合外周部と、該嵌合外周部の外端縁から表側ビードシート部の内周面より内方に至るように表方へ隆起する隆起部と、隆起部の外側に設けられた水抜き凹部とを備えてなり、
    ホイールディスクの嵌合外周部を、ホイールリムの表側リムフランジ部に嵌合して、前記隆起部を溶接しないようにホイールディスクの裏側から溶接することによりホイールリムと一体化してなるものであることを特徴とする自動車用ホイール。
  4. ホイールリムの表側リムフランジ部を構成する湾曲周部が、その周端部を内方へ折り曲げるようにして形成されてなり、
    ホイールディスクの嵌合外周部を、前記湾曲周部の周端部と立ち上がり周部との間で、当該湾曲周部に内嵌するようにしたものであることを特徴とする請求項3に記載の自動車用ホイール。
  5. ホイールリムは、
    タイヤの裏側ビードを支持する裏側ビードシート部から外方へ起立する立ち上がり周部と、該立ち上がり周部から裏側へ湾曲した湾曲周部とからなる裏側リムフランジ部を備えてなり、
    表側リムフランジ部が、その湾曲周部の厚みを、裏側リムフランジ部の湾曲周部に比して薄肉となるように形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の自動車用ホイール。
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