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JP2009186567A - 画像投射装置 - Google Patents

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JP2009186567A JP2008023846A JP2008023846A JP2009186567A JP 2009186567 A JP2009186567 A JP 2009186567A JP 2008023846 A JP2008023846 A JP 2008023846A JP 2008023846 A JP2008023846 A JP 2008023846A JP 2009186567 A JP2009186567 A JP 2009186567A
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悠 山内
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Abstract

【課題】 色分解合成だけでは達成できない色再現領域を拡大することができ、しかも投射画像に色ムラの発生が少なく、良好なる画質の投射画像が得られる画像投射装置を得ること。
【解決手段】 画像信号に基づいて制御される第1、2、3の画像表示素子と、光源手段から出射した光束を第1、第2、第3の画像表示素子に入射させる色分解光学系を含む照明光学系と、該第1、第2、第3の画像表示素子からの光束を被投射面に投射する投射光学系とを有する画像投射装置において、該照明光学系は、前記光源手段と前記色分解光学系との間の光路中に色補正フィルターを有し、該色補正フィルターは、ある波長の光に対する透過率が60%未満であり、かつ前記ある波長の補色成分を含む波長帯の平均透過率が70%以上90%以下の範囲内であり、白色表示を行う際、前記第1、第2、第3の画像表示素子を照明する光の光量の比率を適切に設定したこと。
【選択図】図1

Description

本発明は画像投射装置に関し、例えば液晶パネル(画像表示素子)やDMD等に基づく投射像原画をスクリーン面上に拡大投影するカラープロジェクターに好適なものである。
従来、液晶パネルやDMD等の画像表示素子に基づく投影像原画をスクリーン面上に拡大投影するようにした画像投射装置(プロジェクター)が種々と提案されている。
これらのプロジェクターでは、大画面の映像(投射画像)を得るために、ライトバルブ(画像表示素子)に映像信号に応じた光学像を形成し、その光学像に光を照射し投写レンズによりスクリーン上に拡大投写している。
このうち赤,緑,青光の3原色光に対応してライトバルブを3つ用いて高輝度,高解像度でかつ色再現性の良好な画像投射装置がよく知られている。
図23はライトバルブ(液晶パネル)を3つ用いた画像投射装置の構成概略図である。この画像投射装置においては、光源101から射出した光束を、放物面リフレクター102、第1、2のフライアイレンズ103、104を用いて被照明面である液晶パネル108,109,110を照明している。この光源からの光で被照明面を照明する照明光学系中には、照明光の偏光方向をS偏光に揃える偏光変換素子105、コンデンサーレンズ106、そして色分解光学系107等が配置されている。そして、この照明光学系によって照明された液晶パネル108,109,110によって形成される像は、投射レンズに111よりスクリーンS上に投射拡大される。
ここで色分解光学系107における光学作用を説明する。コンデンサーレンズ106から集光した白色光は、ダイクロミラー112でG光とRB光の2色に分解される。
ここではG光がダイクロミラー112を透過し、RB光がダイクロミラー112を反射する。ダイクロミラー112を透過したG光は、偏光板113で検光され、第1の偏向分離プリズム114を反射し、G用位相板115を透過しG用の反射型の画像表示素子108を照明する。
G用の反射型の液晶表示素子108で偏光状態をG用の画像に基づいて変調された光は、第1の偏光分離プリズム114を透過して、第2の偏向分離プリズム116を透過して投射レンズ111へ至る。
一方、ダイクロイックミラー112で反射したS偏光のRB光は偏光板117で検光され、波長選択性位相板118によりB光のみP偏光に偏光方向を回転することで、R光とB光を互いに異なる偏光方向にしている。R光は第3の偏光分離プリズム119で反射し、R用位相板120を透過しR用の反射型の画像表示素子110を照明する。
R用の反射型の液晶表示素子110で偏光状態をR用の画像に基づいて変調された光は、第3の偏光分離プリズム119を透過して、波長選択性位相板121で偏光を回転し、第2の偏光分離プリズム116を反射し、投射レンズ111へ至る。
B光は第3の偏光分離プリズム119を透過し、B用位相板122を透過しB用の反射型の画像表示素子を照明する。
B用の反射型の液晶表示素子で偏光状態をB用の画像に基づいて変調された光は、第3の偏光分離プリズム119を反射して、第2の偏光分離プリズム116を反射し、投射レンズ111へ至る。
一般に、画像投射装置において、色分解合成だけでは達成できない色再現領域を実現する場合がある。このとき図24に示すように、光源1からダイクロイックミラー112の間に色補正フィルター123を投入して、色再現領域を拡大した画像投射装置が知られている(特許文献1)。
図24の例では偏光変換素子105とコンデンサーレンズ106の間に色補正フィルター123を配置している。
色補正フィルター123は例えば図25に示す分光透過特性を有するようなものを用いている。この色補正フィルター123の分光特性は波長580nm近傍のオレンジ領域をカットしたノッチ部NMと、オレンジ領域の補色に相当するBG帯域のハーフミラー特性部を呈する。
オレンジ部をカットすることで、緑の純度を高めることができ、色再現領域が広がる。しかしオレンジ部をカットすることで白色光の色度座標は、大きくシアン側にずれてしまう、そこでオレンジ領域の補色に相当するBG帯域をハーフミラーにすることで白色光の色度座標の調整を行っている。色補正フィルターのみで、色再現領域の拡大と白色の色度座標調整を行うため、コントラストの低下が少ない。
特開2004−219727
従来の色補正フィルターを用いた画像投射装置では、スクリーン面内において色ムラが発生する傾向がある。
一般的に色補正フィルターを投入するモードには、色優先モードやD65モードなどがある。これらのモードは、色補正フィルターを投入しないモードに対して白色の色度座標のy値が低い。
図26にxy色度図におけるマッカダム楕円(10倍拡大)を示す。図中の楕円内の色は人間にとって同じ色に見えることを意味する。したがって楕円形状の大きい緑部は色度座標が多少変わっても同じ色に見え、逆に緑部に対して楕円形状の小さい赤部、青部は少し色度座標が変わるだけで見える色味も異なる。
色補正フィルターを入れることで、入れる前に対して白色の色度座標が赤青よりになることでスクリーン面内における白色の色度座標ズレが許容できないレベルになってくる場合がある。色補正フィルターを入れることで、白色の色度座標も調整する為に色ムラを補正することができず、画面内にムラが残ってしまう場合がある。
本発明は、色分解合成だけでは達成できない色再現領域を拡大することができ、しかも投射画像に色ムラの発生が少なく、良好なる画質の投射画像が得られる画像投射装置の提供を目的とする。
本発明の画像投射装置は、画像信号に基づいて制御される第1、2、3の画像表示素子と、光源手段から出射した光束を第1、第2、第3の画像表示素子に入射させる色分解光学系を含む照明光学系と、該第1、第2、第3の画像表示素子からの光束を被投射面に投射する投射光学系とを有する画像投射装置において、
該照明光学系は、前記光源手段と前記色分解光学系との間の光路中に色補正フィルターを有し、
該色補正フィルターは、ある波長の光に対する透過率が60%未満であり、かつ前記ある波長の補色成分を含む波長帯の平均透過率が70%以上90%以下の範囲内であり、
白色表示を行う際、前記第1の画像表示素子が、前記第1の画像表示素子から前記投射光学系に導かれる第1の画像光の光量を、前記第1の画像表示素子を照明する第1の照明光の光量の50%以上95%以下になるように調整しており、
白色表示を行う際、前記第2の画像表示素子が、前記第2の画像表示素子から前記投射光学系に導かれる第2の画像光の光量を、前記第2の画像表示素子を照明する第2の照明光の光量の70%以上95%以下になるように調整しており、
白色表示を行う際、前記第3の画像表示素子が、前記第3の画像表示素子から前記投射光学系に導かれる第3の画像光の光量を、前記第3の画像表示素子を照明する第3の照明光の光量の90%以上100%以下になるように調整していることを特徴としている。
本発明によれば、色ムラの発生が少なく、良好なる画質の画像を投射する画像投射装置を提供することができる。
本発明の画像投射装置は、光源手段1と第1,第2,第3の液晶表示素子(画像表示素子)と、それらの液晶表示素子を照明する照明光学系(照明装置)と、それらの液晶表示素子からの画像光を投射する投射光学系(投射レンズ)とを有している。尚、前述の第1、2、3の液晶表示素子は、外部からの入力された、或いは記憶媒体に記憶された画像信号に基づいて(不図示の制御回路によって)制御(駆動)されている。
照明装置は、光路中から挿脱可能な色補正フィルターと色分解合成光学系を有している。色補正フィルターは1つの波長(例えば550nm〜600nm、好ましくは570nm〜590nmの範囲内の1つの波長、好ましくは5nm以上の波長領域の光)での透過率が60%未満である。尚、この色補正フィルターは、透過率が60%未満であればどのような特性でも良く、例えば反射率を40%以上としても、吸収率を40%以上としても、反射率と吸収率を足し合わせた値を40%以上としても良い。
又、1つの波長の補色成分(例えば420nm〜580nmの範囲内の1つの波長)を含む波長帯での平均透過率が70%〜90%の範囲内で略均一な透過率(ハーフミラー特性)特性を有している。
この他の可視光領域における波長域(波長600nm〜700nm)では透過率が100%近いフィルター(透過用のダイクロイックミラー)となっている。
また、更に、第1、2、3の液晶表示素子においては、以下のような電気調整を行っている。
第1の画像表示素子を照明する第1の波長帯(青色光、B光、波長420nm〜500nm、少なくとも450nm〜480nmを含む)の光の出力強度(第1の照明光に対する第1の画像光の割合)を50%以上95%以下のレベルに電気調整している。
第2の画像表示素子を照明する第2の波長帯(緑色光、G光、波長500nm〜580nm少なくとも510nm〜540nmを含む)の光の出力強度(第2の照明光に対する第2の画像光の割合)を70%以上95%以下のレベルに電気調整している。
第3の画像表示素子を照明する第3の波長帯(赤色光、R光、波長580nm〜650nm少なくとも610nm〜640nmを含む)の光の出力強度(第3の照明光に対する第3の画像光の割合)を90%以上100%以下のレベルに電気調整している。
尚、本実施例は、主に可視光領域(400nm〜700nm、好ましくは420nm〜650nm)の光に対して機能する色補正フィルターで光量を調節したり、電気調整を行ったりしている。
ここで電気調整とは、例えば第1〜第3の画像表示素子が液晶表示素子(液晶パネル)のときは次のことをいう。
液晶パネルの場合、一般的に電圧のON−OFFにより偏光状態を回転あるいは非回転させる事で白黒表示を行っている。例えば黒表示時は電圧0V、白表示時は電圧10Vとした場合、中間調(灰色)は0Vと10Vの間で表すことができる。ここで電気調整とは白表示時に10Vでは無く0〜10Vの間の電圧(例えば8Vの電圧)を加え偏光方向を完全に(90度)回転させず、一部の光のみの偏光方向を回転させる事によって光量を落とすことである。
例えば、第1の画像表示素子が白を表示する場合、通常、第1の画像表示素子は、第1の画像表示素子を照明する光(第1の照明光)の全てを第1の画像光として投射光学系に導くように照明光に対して位相差を付与する。しかしながら、ここでは、第1の画像表示素子を照明する全ての光のうち50%以上95%以下の光を投射光学系に導くように、第1の画像表示素子が照明光に対して位相差を付与している。これは、白を表示する場合、全照明光を投射光学系に導くように画像表示素子を制御した場合に投射光学系に導かれる光(全照明光、と考えても良い)の光量の50%以上95%を投射光学系に導くようにしている、とも言える。更に以下のようにも言える。第1の画像表示素子を第1直線偏光で照明しており、白を表示したい場合に、通常は全ての照明光を第2直線偏光(画像光)に変換するが、本発明においては照明光の50%以上95%以下の光だけを第2直線偏光に変換する。勿論、第1直線偏光を画像光とする(投射光学系に導くように構成する)場合は、この逆であり、照明光の50%以上95%以下の光だけを第1直線偏光のまま画像表示素子から出射させる。この電気調整についての説明は、以下の、第2、3の画像表示素子も同じであり、以下に記載する各実施例においても勿論同じである。
尚、本実施例において更に好ましくは、第1の画像表示素子において第1の波長帯の画像光を50%以上85%以下のレベルに電気調整すると良い。また、第2の画像表示素子において第2の波長帯に画像光を70%以上85%以下のレベルに電気調整すると尚好ましい。更に、第3の画像表示素子において第3の波長帯の画像光を90%以上100%以下のレベルに電気調整すると好ましい。
DMDパネルにおける白黒は、DMDパネルの表面のミラーの角度によって表現している。白表示ではミラーに入射した光が投射レンズに入射する向き1にチルトさせ、黒表示ではミラーに入射した光が投射レンズに入射しない向き2にチルトさせる。
中間調は上記の向き1と向き2の間にチルトさせることで表せる。
電気調整とは白表示時に向き1と向き2の間にチルトさせ完全に投射レンズに光を入射させず一部投射レンズ外に光を反射させることで光量を落とすことである。この原理を用いて、DMDパネルを用いる画像投射装置においても、一部の色光の表示において白表示時の光量を故意に落とすことによって、色(白色)のバランスを調整している(色ムラを低減している)。
次に本発明の画像投射装置を各図とともに説明する。
図1は本発明の実施例1の要部概略図である。図中、1は連続スペクトルで白色光を発光する光源(光源手段)である。2は光源1からの光を所定の方向に集光するリフレクターである。
3は第1光束分割部材である。4は第2光束分割部材である。第1光束分割部材3、第2光束分割部材4は、それぞれが複数の微細な光学素子を有するフライアイレンズアレイ(微細な光学素子が2次元的に配列されている)より成っており、光源手段1からの光を複数の光束に分割している。
第1光束分割部材3を第1レンズアレイ、第2光束分割部材4を第2レンズアレイともいう。23はUVIRカットフィルターであり、紫外光及び赤外光をカット(遮光)している。24は光路中から挿脱可能な色補正フィルターである。
5は入射した無偏光光を所定の偏光光に揃えて出射させている偏光変換素子である。6は集光光学系であり、コンデンサーレンズより成っている。各部材2〜6は照明光学系を構成している。
7はダイクロイックミラーであり、G光を透過し、B光とR光を反射している。25はトリミングフィルターである。8,9,10は互いに異なった被照射面に設けた第1,第2,第3の画像表示素子(ライトバルブ)である。
画像表示素子8〜10は光を反射し、画像変調して画像を表示する順に緑用(G用)の反射型の液晶表示素子(液晶パネル)、赤用(R用)の反射型の液晶表示素子(液晶パネル)、青用(B用)の反射型の液晶表示素子(液晶パネル)である。
11,12,13はそれぞれG用、R用,B用の位相板(1/4波長板)である。14は第1の偏光ビームスプリッターである。15は第2の偏光ビームスプリッターである。16は第1の偏光板で、17は第2の偏光板である。18はR光の偏光状態を90度変換させ、B光の偏光状態を変換しない色選択性位相板である。19は第3の偏光板で、20は第4の偏光板である。21はG用の投射光を反射し、B用とR用の投射光を透過する色合成プリズムである。22は投射レンズ(投射光学系)である。
各部材7,11〜21は色分解光学系を構成している。
次に光学的な作用を説明する。光源手段1から発した光はリフレクター2により所定の方向に反射集光される。
ここでリフレクター2の反射面は放物面形状をなしており、放物面の焦点位置に設けた光源手段1の発光点からの光は放物面形状の反射面で反射した後、対称軸に平行な光束となる。
リフレクター2からの集光光束は、第1レンズアレイ3に入射する。その後、UVIRカットフィルター23、色補正フィルター24を介し第2レンズアレイ4に入射する。
第1レンズアレイ3は外形状が矩形の正の屈折力を有する微小レンズを複数個マトリックス状に組み合わせて構成されている。そして入射した光束はそれぞれの微小レンズに応じた複数の光束に分割され、かつ集光され、第2レンズアレイ4を経て、マトリックス状に複数の光源像(第1の発光点像)を偏光変換素子5の近傍に形成する。
偏光変換素子5は図27に示すように偏光分離素子5aと反射面4bと1/2波長板5cからなる複数の偏光変換部5dをマトリックス状に配列した構成より成っている。
図27では偏光変換部5dを1つだけ示している。マトリックス状に集光する複数の光束はその列に対応した偏光分離面5aに入射し、透過するP偏光成分の光LPと反射するS偏光成分の光LSに分割される。
反射されたS偏光成分の光は反射面5bで反射し、P偏光成分と同じ方向に出射し、1/2波長板5cを透過し、P偏光成分と同じ偏光成分に変換され、偏光方向が揃った光として射出する。
偏光変換された複数の光束は、偏光変換素子5の近傍で集光した後、発散光束として集光光学系(照明光レンズ)6に至る。照明光は偏光変換素子で所定の偏光状態に揃えられ、コンデンサーレンズ6から出射した照明光はダイクロミラー7でG光とRB光に分割される。
G光は偏光板16で偏光され,偏光ビームスプリッター14、位相板11を通過してG用の反射型の液晶表示素子8に至る。
R光とB光はトリミングフィルター25を介し、偏光板17で偏光され、色選択性位相板18でB光のみ入射状態とは直交する偏光状態に変換される。
R光は偏光ビームスプリッター15で反射し、位相板12を介してR用の反射型の液晶表示素子9に至る。
B光は偏光ビームスプリッター15を通過して位相板13を介してR用の反射型の液晶表示素子9とは異なる位置のB用の反射型の液晶表示素子10に至る。
G用反射型の液晶表示素子8で光変調された反射した光は、位相板11を介し偏光ビームスプリッター14で反射し、偏光板19で検光され、色合成プリズム21で反射して投射レンズ22に至る。
R用の反射型の液晶表示素子9で光変調され反射した光は、位相板12を介し偏光ビームスプリッター15を通過し、位相板20を介し色合成プリズム21を通過して投射レンズ22に至る。
B用の反射型の液晶表示素子10で光変調され反射した光は、位相板13を介し偏光ビームスプリッター15で反射し、偏光板20で検光され、色合成プリズム21を通過して投射レンズ22に至る。
色合成プリズム21で合成された各色の光は投射レンズ22によって所定面上に設けたスクリーン(被投射面)Sに画像として投影される。
本実施例では、照明光の色へ変換する色フィルタータ24は第1のレンズアレイ3と第2のレンズアレイ4の間に設けている。
図2は、UVIRカットフィルター23の分光特性の説明図である。UVIRカットフィルタ23は、波長425nm以下の光と波長680nm以上の光を照明光からカットしている。
図3はダイクロミラー7の分光特性の説明図である。ダイクロミラー7は、波長550nm〜585nmの光を透過し、それ以外の波長の光を反射している。
図4はトリミングフィルター25の分光特性の説明図である。トリミングフィルター25は、波長550nm〜590nmの光を反射し、それ以外の波長の光を透過している。
これらの光学素子を用いた結果、スクリーンSに投射される光のW(白色光)のスペクトル分布(分光強度、分光分布)は図5に示すような分布となる。又、RGB光のスペクトル分布(分光強度、分光分布)は、図6に示すような分布となる。
図5,図6のスペクトル分布による色度座標はxy色度系で
W=(0.30,0.36)
B=(0.15,0.04)
G=(0.36,0.63)
R=(0.65,0.35)
となる。
図7は本実施例における色補正フィルター24の分光特性図である。縦軸は透過率T(割合で表示)である。
実施例の色補正フィルター24は、光源手段と色分解合成系との間の光路中に配置されている。色補正フィルターは、ひとつの波長の反射率が40%以上、かつひとつの波長の補色成分を含む波長帯の平均透過率が70%以上90%以下の範囲内でハーフミラー特性を有している。
具体的には、本実施例の色補正フィルター24は光入出射面の両面がコーティングがされている。そして片面がノッチ形状NMの透過部になっている。又逆面が可視光のある波長帯が略均一の透過率より成るハーフミラー部HMになっている。そして、それ以外の波長帯域は透過率が100%に近い透過帯TMとなるダイクロミラー面である。
ここでノッチ部NMの中心波長は580nmであり、この色補正フィルター24はこの580nmを中心とする波長領域の光(オレンジ色の光)に対する透過率が40%以下(図7においては20%)である。つまりこの580nmを中心とする波長領域の光(オレンジ色の光、10nm以上の幅を持つ波長領域の光)の60%以上(図7においては80%)を遮光(カット)している。
又、この色補正フィルター24は、B光とG光(400nm以上560nm以下、前述のオレンジ色の光よりも短波長側の光)に対する透過率(光量)が70%〜90%の範囲内(図7においては75%)である。つまり、B光とG光の10%以上30%以下(図7においては25%)の光を遮光している。
また、この色補正フィルター24のR光、つまり600m以上670nm以下の波長領域の光(可視光領域のうち前述のオレンジ色の光の波長領域よりも長波長側の光)に対する透過率はほぼ100%(98%以上)であり、R光は実質的に全て透過する。
このような分光特性を持つ色補正フィルター24と、図5、6に示すようなスペクトル分布を持つ光源を用いた場合に、スクリーンSに投射される光のW(白色)光のスペクトル分布を図8に、RGB光のスペクトル分布を図9に示す。
B光とG光の光量が減少するので図8,図9においては相対的にR光の光量が増えたようなグラフとなっている。このときの色度座標は
W=(0.298,0.313)
B=(0.15 ,0.04)
G=(0.32 ,0.67)
R=(0.65 ,0.35)
となる。
これによりG光の色座標は色域が拡大する方向に補正され、B光、R光はほぼ同じ状態が保たれる。
しかし白色座標はターゲットであるD65(0.313,0.329)から離れている。
そこで本実施例では、第1の画像表示素子を照明する第1の波長帯を50%以上95%以下のレベルに電気調整している。又、第2の画像表示素子を照明する第2の波長帯を70%以上95%以下のレベルに電気調整している。又、第3の画像表示素子を照明する第3の波長帯を90%以上100%以下のレベルに電気調整している。
具体的に本実施例では、反射型液晶表示素子の反射率を前述した電気的方法(電気調整)によりB光を80%、G光を90%に調整することで白色座標(白色表示時の画像光の色座標)がD65近傍に位置するように構成する。このときR光の反射率は電気的にほぼ100%である。また、反射型液晶表示素子の反射率とは、液晶表示素子における反射率では無く、液晶表示素子に入射した光に対する、液晶表示素子で反射し、且つ偏光ビームスプリッタや偏光板によって検光(アナライズ)された光の割合を指す。以下に記載する液晶表示素子の透過率についても同様である。
ここでの反射率100%とは、液晶表示素子の持つ最大の利用効率の値をしめす。
例えば液晶表示素子の最大の利用効率を70%とすると、反射率50%とは1の入射照明光に対して0.35(1×0.7×0.5)の光がスクリーン上に向かうことを意味する。
前記色補正フィルター24と前記電気調整の効果を合わせる(足し合わせる)と、図10のような分光特性を持つ色補正フィルターを光路中に挿入したのと同じ効果が得られる。この図10からもわかるようにB帯域とG帯域のレベルに段差がある。色補正フィルター24のハーフミラー部(透過率が略均一(±5%以内)の領域)と電気調整の度合いに自由度を持たせることができるため、できるだけ明るさを損なわず白色の色味調整を行うことができる。
以下にスクリーンS上の投射像の色ムラ補正について記す。
一般的に、液晶表示素子の透過率、あるいは反射率の面内ムラがあるため、RGB光が合成されてスクリーンS上に投影された映像に色ムラが発生する。
本実施例では、スクリーンS上に発生した色ムラを電気調整を行う際に補正している。詳しく説明すると、色補正フィルター24を投入後のスクリーン中心の白色を構成するRGB光のバランスを基準にする。
例えば図11のようにRに対してB光が90%、G光が110%とする点があるとする。その点をスクリーン中心と同様に電気調整で白色座標をD65に調整するときに図12のようにB光、G光の反射型液晶表示素子の反射率をそれぞれ約90%、約80%に調整すれば良い。この結果ムラの量と、電気調整量を合わせて図13に示すとおりB光は80%、G光は90%になり、スクリーン中心値を電気的にB光を80%、G光を90%に調整した結果と一致する。
本実施例においては、色補正フィルター24を光路中に挿入し、且つ電気調整を行うモードにおける白色光の色度座標が以下のような範囲に入るように調整している。
0.28≦x≦0.34
0.29≦y≦0.36
ここで、上記の範囲をD65近傍と考えても良いし、D65の座標を中心とした半径0.2の円、好ましくは半径0.1の円の内側であれば、D65近傍(或いはD65)に位置している、と考えても良い。
このように白色の座標を電気で調整する際に調整度合いを変えることでスクリーン上の色ムラも補正し、人間の目にとって色ズレの敏感度の高いD65近傍においてムラが目立たない白色を実現することができる。
本実施例の色補正フィルター24は反射タイプの光学フィルターより成り、発熱しない。色補正フィルター24の位置は、図1に示す位置に限定されず、リフレクター1からダイクロミラー7までの白色光の光路であればよい。
このように色補正フィルター24を光路中より出し入れすることにより簡単に2つの色再現領域を実現できる。色補正フィルター24がない場合は光量がたくさん投射されるので明るい画像を投射することができる。
さらにこの色補正フィルター24の光路中からの出し入れと連動して、反射型液晶画像表示素子の駆動法を切り替えたり、照明光の光束を制限する絞りを制御するなどにより、より多くの映像状態を実現することも可能である。
図14は本発明の実施例2に係る色補正フィルターの分光特性を表わす説明図である。この実施例2の色補正フィルターは、580nmを中心とする波長領域の光(オレンジ色の光)に対する透過率が約5%であり、この波長領域の光の95%を遮光(反射、又は吸収、又は散乱)している。また、B光とG光(400nm以上560nm以下に対する透過率(光量)が80%であり、R光に対する透過率はほぼ100%(98%以上)である。
このような分光特性を持つ色補正フィルターと、図5、6に示すようなスペクトル分布を持つ光源を用いた場合に、スクリーンSに投射される光のW(白色)光のスペクトル分布を図16に、RGB光のスペクトル分布を図15に示す。
図15,図16のスペクトル分布による色度座標はxy色度系で
W=(0.288,0.296)
B=(0.15 ,0.04)
G=(0.28 ,0.69)
R=(0.65 ,0.35)
となる。
この実施例2においては緑(G光)の領域をより広く設定する構成となっている。
白色座標は実施例1と同様にD65(0.313,0.329)からずれていて、電気調整でB光を70%、G光を90%に調整することで白色座標をD65に調整している。
なお実施例1と同様にR光の反射率は電気的に100%である。
このような色補正フィルター24と電気調整の効果を合わせる(足し合わせる)と、図17のような分光特性を持つ色補正フィルターを光路中に挿入したのと同じ効果が得られる。
この図17からもわかるようにB帯域とG帯域のレベルに段差がある。色補正フィルターのハーフミラー部と電気調整の度合いに自由度を持たせることができるため、明るさを出来るだけ損なわず白色の色味調整を行うことができる。
本実施例では、この際に色補正フィルターの投入前のスクリーン上の色ムラの補正も行っている。色むら補正の方法は実施例1と同じである。
色補正フィルターを設ける画像投射装置の照明系は実施例1と同じである。
実施例1,2では反射型の画像表示素子を用いた画像投射装置(プロジェクタ)である。これに対し、実施例3は図18に示すような透過型の画像表示素子を用いた画像投射装置である。
図18において、図1に示す部材と同一部材には同符番を付している。68,69,70はそれぞれG,B,R光用の透過用の画像表示素子である。57、58、59,60、61は照明光を各々対応する画像表示素子に導く照明系レンズである。
62,63,64,65は各々照明光を折り曲げる反射ミラーである。66は第1のダイクロミラー,67は第2のダイクロミラーである。74はトリミングフィルターである。71は色合成プリズムである。色補正フィルター24は実施例1と同じ分光特性である。
UVIRフィルター23は図2と同じ分光特性である。
図19,図20,図21は各々第1のダイクロミラー66、第2のダイクロミラー67、トリミングフィルター74の分光特性の説明図である。
反射ミラー62で反射した白色光のうち第1のダイクロミラー66でB光が透過し、反射ミラー63、照明光レンズ58を介し画像表示素子69へ導かれる。
一方第1のダクロミラー66で反射したR光とG光のうち、第2のダイクロミラー67でG光が反射され、照明光レンズ57を介し画像表示素子68へ導かれる。又、第2のダイクロミラー67を透過したR光は、反射ミラー64、照明光レンズ60、反射ミラー65、照明光レンズ61を介し、トリミングフィルター74で色調整された後、画像表示素子70に導かれる。
これらの光学素子によりスクリーンSに投射される光のWRGBのスペクトル分布は、それぞれ図22に示すような分光分布となる。
結果として実施例1で示したスペクトル分布(図5)と同様となるので、実施例1,2で示した色補正フィルター24の効果は変わらない。つまり透過型のプロジェクタにおいても反射型のプロジェクタ同様に本発明は適用できる。
以上のように各実施例によれば、明るい状態と色を重視した状態を切り替えて利用者が目的応じて画像を投影することが可能である。そしてどちらの投影状態においても明るく、コントラストが高く、また色ムラの目立たない画像を得ることができる。
実施例1の光学配置を説明する図 図1のUVフィルターの特性図 図1のダイクロミラーの特性図 図1のダイクロミラーの特性図 実施例1の色補正フィルターがない状態のスペクトル分布の図 実施例1の色補正フィルターがない状態のRGB別のスペクトル分布の図 実施例1の補正フィルターの特性図 実施例1の色補正フィルターを投入した状態のスペクトル分布の図 実施例1の色補正フィルターを投入した状態のRGB別のスペクトル分布の図 実施例1の色補正フィルターと電気調整の効果を合わせた特性図 実施例1のスクリーン上のある点の色ムラを示すモデル図 実施例1の色ムラ部の電気調整量を示す図 実施例1の色ムラ部の電気調整後のRGB比を示す図 実施例2の補正フィルターの特性図 実施例2の色補正フィルターを投入した状態のスペクトル分布の図 実施例2の色補正フィルターを投入した状態のRGB別のスペクトル分布の図 実施例2の色補正フィルターと電気調整の効果を合わせた特性図 実施例3の光学配置を説明する図 実施例3の光学配置における第1のダイクロミラーの特性図 実施例3の光学配置における第2のダイクロミラーの特性図 実施例3の光学配置におけるトリミングフィルターの特性図 実施例3の色補正フィルターがない状態のスペクトル分布の図 従来例の色補正フィルターを投入しない状態の光学配置図 従来例の色補正フィルターを投入した状態の光学配置図 従来の色補正フィルターの特性 xy色度図におけるマッカダム楕円 図1の一部分の説明図
符号の説明
1 光源 、2 リフレクター 、3 第1のレンズアレイ、4 第2のレンズアレイ、5 偏光変換素子、6 コンデンサーレンズで、7 ダイクロミラー、25 トリミングフィルター、8,9,10 G、R,Bの反射型液晶表示素子、11,12,13 G、R,Bの位相板、14 第1の偏光ビームスプリッター、15 第2の偏光ビームスプリッター、16 第1の偏光板、17 第2の偏光板、18 色選択性位相板、19 第3の偏光板、20 第4の偏光板、21色合成プリズム、22 投射レンズ、23 UVIRカットフィルター、24 色補正フィルター

Claims (4)

  1. 画像信号に基づいて制御される第1、2、3の画像表示素子と、光源手段から出射した光束を第1、第2、第3の画像表示素子に入射させる色分解光学系を含む照明光学系と、該第1、第2、第3の画像表示素子からの光束を被投射面に投射する投射光学系とを有する画像投射装置において、
    該照明光学系は、前記光源手段と前記色分解光学系との間の光路中に色補正フィルターを有し、
    該色補正フィルターは、ある波長の光に対する透過率が60%未満であり、かつ前記ある波長の補色成分を含む波長帯の平均透過率が70%以上90%以下の範囲内であり、
    白色表示を行う際、前記第1の画像表示素子が、前記第1の画像表示素子から前記投射光学系に導かれる第1の画像光の光量を、前記第1の画像表示素子を照明する第1の照明光の光量の50%以上95%以下になるように調整しており、
    白色表示を行う際、前記第2の画像表示素子が、前記第2の画像表示素子から前記投射光学系に導かれる第2の画像光の光量を、前記第2の画像表示素子を照明する第2の照明光の光量の70%以上95%以下になるように調整しており、
    白色表示を行う際、前記第3の画像表示素子が、前記第3の画像表示素子から前記投射光学系に導かれる第3の画像光の光量を、前記第3の画像表示素子を照明する第3の照明光の光量の90%以上100%以下になるように調整していることを特徴とする画像投射装置。
  2. 前記色補正フィルターは光入出射面の両面がコーティングがされており、片面がノッチ形状の透過部になっており、逆面が可視光のある波長帯がハーフミラー部になっていて、それ以外の波長帯域は透過帯となるダイクロミラー面であることを特徴とする請求項1の画像投射装置。
  3. 前記色補正フィルターを光路中に挿入した際の白色の色度座標が
    0.28≦x≦0.34
    0.29≦y≦0.36
    の範囲であることを特徴とする請求項1又は2の画像投射装置。
  4. 前記ある波長は550nm〜600nmの間の波長であり、前記補色成分は420nm〜580nmの間の波長であることを特徴とする請求項1、2又は3の画像投射装置。
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