JP5625932B2 - 投射型表示装置 - Google Patents
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Description
投射型表示装置は、光源からの照明光を液晶表示素子に照射し、液晶表示素子に表示されている画像をスクリーン上に拡大投射するものである。
2個の光源を用い、高輝度の照明光を液晶表示素子に照射することができる照明装置及びそれを用いた投射型表示装置が特許文献1に記載されている。
光軸が一致する位置に互いに対向した状態で配設された2つの光源から射出したそれぞれの光束は、それぞれシリンドリカルレンズで2つの光源の中間位置に配設され三角柱鏡のそれぞれの反射面に集光される。三角柱鏡のそれぞれの反射面に入射した光束は、反射し入射方向に対して90度折り曲げられ互いに同一方向となると共に、2つの光束は合成され合成光束として射出する。三角柱鏡から射出した合成光束は、その光軸上にあるシリンドリカルレンズで略平行光にされ、2つの光源の光軸から45度傾斜したダイクロイックミラーに入射する。ダイクロイックミラーで色分解された後に、レンズアレイで照度むらが低減され液晶表示素子に照射される。
そのため、合成光束の楕円型の断面形状の長軸方向では、ダイクロイックミラーに入射する角度が大きく、ダイクロイックミラーで透過または反射する光の波長帯域にばらつきが発生する。結果として、液晶表示素子に入射する光束の断面において色のむらが発生し、投射される映像も色むらが発生してしまうという不具合があった。
1)互いに異なる方向に照明光を射出するよう配置される2つの光源(21a、21b)と、前記2つの光源(21a、21b)からの前記照明光の光軸が交わる位置に配置され、前記2つの光源(21a、21b)から射出された照明光を2つの反射部で同一方向にそれぞれ反射して、1つの光束として合成し合成光として射出する光合成部(22)と、前記光合成部(22)で合成された前記合成光を色分離面(410)において光の波長に応じて分光し、波長の異なる各色光としてそれぞれ射出する色分離部(41,43)と、前記色分離部(41,43)で分光された前記各色光を外部からの映像信号に基づいてそれぞれ光変調して各色の変調光として射出する光変調部(51r,51g,51b)と、前記光変調部(51r,51g,51b)でそれぞれ光変調された前記各色の変調光を合成し映像光として射出する色合成部(6)と、前記色合成部(6)で合成された前記映像光を拡大し投射像として投射する光投射部(7)と、を備え、前記光源(21a、21b)は、前記光源(21a、21b)から射出された前記照明光の光軸が水平面内となるように配置され、前記光合成部(22)で合成された前記合成光の光束の断面は、前記光合成部(22)に入射する照明光の入射方向に対応する第1の軸における長さが、前記第1の軸と直交する第2の軸における長さより長く、前記色分離部(41,43)は、前記色分離部(41,43)の前記色分離面が鉛直方向から45度傾斜して配置され、前記色分離部(41,43)の前記色分離面は前記合成光の光軸に対し所定の角度傾斜しており、前記光束の前記第1の軸が前記色分離面の傾斜方向と直交して入射するよう配置されていることを特徴とする投射型表示装置(1,10)。
(2)前記光合成部(22)で反射された照明光を、所定偏光軸を有する直線偏光に偏光変換する偏光変換部を備え、前記色分離部(41,43)に所定偏光軸を有する直線偏光を入射することを特徴とする(1)に記載の投射型表示装置(1,10)。
(3)前記2つの光源(21a、21b)は、照明光を射出する射出口側が対向するよう配置していることを特徴とする(1)または(2)に記載の投射型表示装置(1,10)。
なお、全図において、共通な機能を有する部品には同一符号を付して示し、一度説明したものに関しては、繰り返した説明を省略する。
図1は本発明の第1の実施形態の投射型表示装置の光学系の構成を示す概略平面図である。なお、図1は、投射型表示装置を設置台等に設置した際に、投射型表示装置に対して側面(水平方向)から描いた図である。
図2は本発明の第1の実施形態の投射型表示装置の光学系の構成を図1と異なる角度から見た状態を示す概略平面図である。なお、図2は、図1の矢印A方向から見た図であり、投射型表示装置を設置台等に設置した際に、投射型表示装置に対して上面(垂直方向)から描いた図である。
ここでは、キセノンランプを用いた場合について説明する。
キセノンランプは、図2に示すように透明石英製発光管210a,210bの両側に電極211a,211b,212a,212bがガラス封着され、その内部にキセノンガスを封入した両口金型(ダブルエンド型)ランプ構造を有している。
キセノンランプは、図示しない点灯装置から陽極211a,211bと陰極212a,212bとの間に高電圧が印加されることにより、陽極211a,211bと陰極212a,212bとの間に放電路が形成される。その後、陽極211a,211bと陰極212a,212bとの間には、点灯装置から突入電流が供給されアーク放電に移行し、光源21a,21bから光が発生する。点灯装置からは、アーク放電を安定して維持するよう電流が供給される。
それぞれの照明光は、三角柱鏡22で反射されることにより図3に示すように合成される。
光源21aから射出された照明光220aと光源21bから射出された照明光220bとは、それぞれの光軸中心221a,221bが一致しないため、その断面形状は円形とはならず、三角柱鏡22で反射された際に図2におけるC−C断面方向が長い略楕円形状の照明光222となる。
凸レンズ23から射出した照明光は、UV・IRカットフィルター24で紫外帯域の光と赤外帯域の光が反射ないしは吸収されることにより除去され、可視光帯域の光が透過して射出し、偏光変換部3に入射する。
第1のレンズアレイ31を射出した光束は、第1のレンズアレイ31の焦点位置に設置された第2のレンズアレイ32に入射する。
第1のレンズアレイ31と第2のレンズアレイ32とを有するインテグレータ光学系は、光源21a,21bから射出された光束の形状と光変調素子の形状とを一致させると共に、光変調素子上に照射される光の照度を均一にすることができる。そのため、第1のレンズアレイ31と第2のレンズアレイ32とを用いることで、光源21a,21bから射出した光束に色むらがある場合や光束にちらつきがある場合でも、スクリーン上に色むらやちらつきを大幅に抑制された投射像を形成することができる。
偏光変換素子33に入射する照明光は偏光状態に規則性がない非偏光(ランダム偏光ともいう)の状態である。
偏光変換素子33では、入射したランダム偏光の照明光をP偏光とS偏光とに分離し、更にP偏光をS偏光に偏光変換することにより、入射した照明光を効率的に所定の直線偏光に変換し射出する。偏光変換素子33の構成としては、公知の構成のものを用いることができる。
偏光変換素子33を射出したS偏光の照明光は、コンデンサレンズ34に略平行光で入射される。
第1のダイクロイックミラー41では、入射したP偏光の照明光を青色(B)光と赤緑色(RG)光とに分光する。
ここでは、第1のダイクロイックミラー41がB光を反射しRG光を透過する特性を有する場合について説明するが、逆の場合においても適宜その他の構成を配置すればよい。
第2のダイクロイックミラー43では、入射したP偏光のRG光を赤色(R)光と緑色(G)光とに分光する。
ここでは、第2のダイクロイックミラー43がG光を反射しR光を透過する特性を有する場合について説明するが、逆の場合においても適宜その他の構成を配置すればよい。
各反射型液晶表示素子52r,52g,52bで反射し変調されたR光,G光,B光は、各反射型偏光板53r,53g,53bで反射して光路が90度折り曲げられクロスダイクロイックプリズム 6の射出面6aを除く3ヶ所の入射面からクロスダイクロイックプリズム 6にそれぞれ入射する。
前述のとおり三角柱鏡22で合成された照明光は、三角柱鏡22の2つの反射面(図2における223a,223b)の接合線を略中心として三角柱鏡22の反射方向(光の射出方向)から見て光源21a,21b方向に広がった略楕円形状の照明光222となる。第1のダイクロイックミラー41または第2のダイクロイックミラー43の傾斜方向は、この楕円形状の照明光220の長軸方向(図3のX)が第1のダイクロイックミラー41または第2のダイクロイックミラー43の傾斜方向と直交する方向にする。
図4は、第1のダイクロイックミラー41の境界面(色分離面ともいう)410の側の1点(点D)に着目した際に、その点に入射する光及びその点で反射する光について示した説明図である。
第1のダイクロイックミラー41は、楕円形状の照明光220の入射方向に対して境界面410が45度傾斜して配置されている。そのため、楕円形状の照明光220のなかで光軸を通る光は、第1のダイクロイックミラー41に対して45度の入射角で入射する。
この光線の照明光220の楕円形状の長軸方向は、第1のダイクロイックミラー41の境界面410の傾斜方向Kと直交している。
図6からわかるように入射角が45度から小さい方向にずれると半値波長が長波長側にずれる。ここで、半値波長とは反射率が50%となる波長のことであり、入射角が45度のときには約520nmである。一方、入射角が45度から大きい方向にずれると半値波長が短波長側にずれる。入射角が30度のときは半値波長が約540nmであり、入射角が60度のときは半値波長が約510nmとなる。このように、光の入射角が変化すると反射される光の波長帯域が変化する。同様に透過率の帯域も変化する。
非偏光の場合はS偏光とP偏光との組み合わせと考えられるため、同様の角度依存性を示す。
図5には、第1のダイクロイックミラー41に入射する光の角度が図4と90度異なる場合について示している。
図5の場合、第1のダイクロイックミラー41の境界面410の傾斜方向Kと、入射する光の光線230の長軸方向とが平行となっている。境界面410の傾斜方向Kと光線230の長軸方向が平行ということは、第1のダイクロイックミラー41に入射する光の入射角のばらつきが大きいということである。
結果として、図4の構成にすることにより、第1のダイクロイックミラー41で反射あるいは透過する光の波長帯域の変化が小さく、投射される投射像の色調変化が小さく、色むらを少なくすることができる。
図8は、第1の実施形態のダイクロイックミラーに入射及び反射する光を説明する説明図である。光の入射方向に対して45度傾斜して配置された第1のダイクロイックミラー41に45度の入射角で入射した場合の入射と反射の光軸を破線で示す。入射面411(第1のダイクロイックミラー41の境界面410の法線と45度の入射角で入射する光の光軸とのなす面)内において、破線で示す入射光から角度がα度ずれた場合の入射光を実線で示す。
図10に示すように、入射面411内において破線で示す入射光の角度からα度ずれた場合は、ずれ量と実際の入射角とが比例の関係を示す。一方、面411に直行する面内において破線で示す入射光の角度からβ度ずれた場合は、ずれ量βが±20度ずれた場合でも実際の入射角が50度以内であり、入射角のずれが5度以内となる。
このように、入射面411に直行する面内において入射光線の角度がずれる場合、実際の入射角に与える影響は少ないことが言える。結果として、面411に直行する面内において入射光線の角度がずれても、第1のダイクロイックミラー41で反射あるいは透過する光の波長帯域の変化が小さく、投射される投射像の色調変化が小さく、色むらを少なくすることができる。
図11は、光源21a,21bの配置方向が鉛直方向に対向して配置した場合(a)と、光源21a,21bの配置方向が水平方向に対向して配置した場合(b)とについて示している。
更に、図11(a),(b)には、それぞれ最も温度か高い位置を破線の円で示している。
図11(a)では、光源21a,21bは、三角柱鏡22を中心として対向して配置されており、その向きは、光源21a,21bが鉛直方向に並ぶように位置している。
光源21a,21bが鉛直方向に配置した場合、下側に配置された光源21aでは三角柱鏡22に近い側の領域214の温度が高い。また、上側に配置された光源21bでは、三角柱鏡22から遠い側の領域215の温度が高い。このように2つの光源21a,21bで温度が高い領域が異なり、光源21a,21b内部での温度分布に違いがある。そのため、光源21aから射出する照明光の輝度と光源21bから射出する照明光の輝度とで違いが発生する。
光源21a,21bが水平方向に配置した場合、2つの光源21a,21bのもっとも温度が高い領域は2つの電極(211aと212a、211bと212b)の間の領域216,217となり、2つの光源21a,21bの温度分布が三角柱鏡22を中心として対称な状態となり、光源21a,21b内部での温度分布が同等になる。そのため、光源21aから射出する照明光の輝度と光源21bから射出する照明光の輝度とがほぼ同等となる。
次に、第1の実施形態に対して偏光変換素子の位置を変更した場合について、第2の実施形態として説明する。
図12は、本発明の第2の実施形態の投射型表示装置の光学系の構成を示す概略平面図である。なお、図12は、投射型表示装置を設置台等に設置した際に、投射型表示装置に対して側面(水平方向)から描いた図である。
図13は本発明の第1の実施形態の投射型表示装置の光学系の構成を図12と異なる角度から見た状態を示す概略平面図である。なお、図13は、図12の矢印A方向から見た図であり、投射型表示装置を設置台等に設置した際に、投射型表示装置に対して上面(垂直方向)から描いた図である。
なお、図12及び図13において、図1及び図2と同様の構成については同一の符号を用いて説明する。
色分離部8は、第1のダイクロイックミラー41と、反射ミラー42と、第2のダイクロイックミラー43と、第1のレンズアレイ81と、第2のレンズアレイ82と、第1の偏光変換素子83と、第1のコンデンサレンズ84と、第3のレンズアレイ85と、第4のレンズアレイ86と、第2の偏光変換素子87と、第2のコンデンサレンズ88とを有している。
色分離部8では、照明光は、まず入射方向に対して45度に傾斜した第1のダイクロイックミラー41に入射する。
第1のダイクロイックミラー41では、入射した照明光を青色(B)光と赤緑色(RG)光とに分光する。
ここでは、第1のダイクロイックミラー41がB光を反射しRG光を透過する特性を有する場合について説明するが、逆の場合においても適宜その他の構成を配置すればよい。
第1のレンズアレイ81を射出した光束は、第1のレンズアレイ81の焦点位置に設置された第2のレンズアレイ82に入射する。
第1のレンズアレイ81と第2のレンズアレイ82とを有するインテグレータ光学系は、光源21a,21bから射出された光束の形状と光変調素子の形状とを一致させると共に、光変調素子上に照射される光の照度を均一にすることができる。そのため、第1のレンズアレイ81と第2のレンズアレイ82とを用いることで、光源21a,21bから射出した光束に色むらがある場合や光束にちらつきがある場合でも、スクリーン上に色むらやちらつきを大幅に抑制された投射像を形成することができる。
偏光変換素子83に入射する照明光は偏光状態に規則性がない非偏光(ランダム偏光ともいう)の状態である。
偏光変換素子83では、入射したランダム偏光の照明光をP偏光とS偏光とに分離し、更にS偏光をP偏光に偏光変換することにより、入射した照明光を効率的に所定の直線偏光に変換し射出する。偏光変換素子83の構成としては、公知の構成のものを用いることができる偏光変換素子83を射出したP偏光の照明光は、コンデンサレンズ84に略平行光で入射し、その後、光変調部5に入射する。
第2のコンデンサレンズ88を射出したP偏光の照明光は光の入射方向に対して45度に傾斜した第2のダイクロイックミラー43に入射する。
第2のダイクロイックミラー43では、入射したS偏光のRG光を赤色(R)光と緑色(G)光とに分光され、それぞれ光変調部5に入射する。
第1のダイクロイックミラー81に非偏光が入射した場合、反射または透過する光の反射率あるいは透過率は前述のとおり直線偏光の場合と同様である。つまり、非偏光の場合も、入射角によって反射率及び透過率の波長帯域が変化する。
このため、上述のとおり光源21a,21bから射出する光の合成方向と第1のダイクロイックミラー41での分光方向とが直交する構成とすることにより、投射画像の色むらを低減することができる。
Claims (3)
- 互いに異なる方向に照明光を射出するよう配置された2つの光源と、
前記2つの光源からの前記照明光の光軸が交わる位置に配置され、前記2つの光源から射出された照明光を2つの反射部で同一方向にそれぞれ反射して、1つの光束として合成し合成光として射出する光合成部と、
前記光合成部で合成された前記合成光を色分離面において光の波長に応じて分光し、波長の異なる各色光としてそれぞれ射出する色分離部と、
前記色分離部で分光された前記各色光を映像信号に基づいてそれぞれ光変調して各色の変調光として射出する光変調部と、
前記光変調部でそれぞれ光変調された前記各色の変調光を合成し映像光として射出する色合成部と、
前記色合成部で合成された前記映像光を拡大し投射する光投射部と、
を備え、
前記光源は、前記光源から射出された前記照明光の光軸が水平面内となるように配置され、
前記光合成部で合成された前記合成光の光束の断面は、前記光合成部に入射する照明光の入射方向に対応する第1の軸における長さが、前記第1の軸と直交する第2の軸における長さより長く、
前記色分離部は、前記色分離部の前記色分離面が鉛直方向から45度傾斜して配置され、
前記色分離部の前記色分離面は前記合成光の光軸に対し所定の角度傾斜しており、前記光束の前記第1の軸が前記色分離面の傾斜方向と直交して入射するよう配置され
ていることを特徴とする投射型表示装置。 - 前記光合成部で反射された照明光を、所定偏光軸を有する直線偏光に偏光変換する偏光変換部を備え、
前記色分離部に所定偏光軸を有する直線偏光を入射することを特徴とする請求項1記載の投射型表示装置。 - 前記2つの光源は、照明光を射出するそれぞれの射出口側が対向するよう配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の投射型表示装置。
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