JP2009185719A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents
バルブタイミング調整装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009185719A JP2009185719A JP2008027213A JP2008027213A JP2009185719A JP 2009185719 A JP2009185719 A JP 2009185719A JP 2008027213 A JP2008027213 A JP 2008027213A JP 2008027213 A JP2008027213 A JP 2008027213A JP 2009185719 A JP2009185719 A JP 2009185719A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- housing
- valve timing
- peripheral wall
- chamber
- journal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01L—CYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
- F01L1/00—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
- F01L1/34—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift
- F01L1/344—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear
- F01L1/3442—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear using hydraulic chambers with variable volume to transmit the rotating force
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01L—CYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
- F01L1/00—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
- F01L1/34—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift
- F01L1/344—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear
- F01L1/3442—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear using hydraulic chambers with variable volume to transmit the rotating force
- F01L2001/3445—Details relating to the hydraulic means for changing the angular relationship
- F01L2001/34453—Locking means between driving and driven members
- F01L2001/34469—Lock movement parallel to camshaft axis
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01L—CYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
- F01L1/00—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
- F01L1/34—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift
- F01L1/344—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear
- F01L1/3442—Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear using hydraulic chambers with variable volume to transmit the rotating force
- F01L2001/3445—Details relating to the hydraulic means for changing the angular relationship
- F01L2001/34479—Sealing of phaser devices
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Valve Device For Special Equipments (AREA)
Abstract
【課題】外部への作動流体の漏れを低減し、駆動効率が向上するバルブタイミング調整装置を提供する。
【解決手段】バルブタイミング調整装置10は、ハウジング20、ベーンロータ50、ジャーナル16およびシールリング30を備えている。ハウジング20は、エンジンの駆動軸とともに回転し、内部に収容室が形成されている。ベーンロータ50は、ハウジング20の収容室を遅角室および進角室に仕切り、エンジンのカムシャフト15とともに回転し、遅角室および進角室に供給される作動油の圧力によりハウジング20に対して相対回動する。ジャーナル16は、ベーンロータ50のカムシャフト15側に設けられ、ハウジング20を軸受けする。ジャーナル16とハウジング20との間には環状のシールリング30が設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】バルブタイミング調整装置10は、ハウジング20、ベーンロータ50、ジャーナル16およびシールリング30を備えている。ハウジング20は、エンジンの駆動軸とともに回転し、内部に収容室が形成されている。ベーンロータ50は、ハウジング20の収容室を遅角室および進角室に仕切り、エンジンのカムシャフト15とともに回転し、遅角室および進角室に供給される作動油の圧力によりハウジング20に対して相対回動する。ジャーナル16は、ベーンロータ50のカムシャフト15側に設けられ、ハウジング20を軸受けする。ジャーナル16とハウジング20との間には環状のシールリング30が設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関(以下、「内燃機関」をエンジンという)の吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミングを運転条件に応じて変更するためのバルブタイミング調整装置に関する。
従来、エンジンの駆動軸と同期回転するタイミングプーリやチェーンスプロケットを介して従動軸を駆動し、タイミングプーリやチェーンスプロケットと従動軸との相対回転による位相差により吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方の開閉を行うベーン式のバルブタイミング調整装置が知られている。
特許文献1に開示されているバルブタイミング調整装置は、凸面を有する円盤状のプレートをベーンロータとハウジングとの間に挟み込み、ベーンロータの複数のベーンにより形成された油圧室間の作動油の漏れを低減している。一方、特許文献2に開示されているバルブタイミング調整装置は、ベーンロータあるいはハウジングの形状を工夫して各油圧室間の作動油の漏れを低減している。
ところで、バルブタイミング調整装置の作動油の漏れは、ベーンロータとハウジングとの隙間を通じて各油圧室間で作動油が漏れるバルブタイミング調整装置内部における内部漏れと、ハウジングとハウジングを軸受けする部材との間の隙間を通じて作動油がバルブタイミング調整装置外部へ漏れる外部漏れとに大別される。
上述の特許文献1と特許文献2に開示されているバルブタイミング調整装置は、作動油の内部漏れについては低減できるものの、外部漏れについては低減できない。そのため、外部漏れを考慮しつつバルブタイミング調整装置のベーンロータを良好に回動駆動させるためには、作動油の供給量を増加させる必要がある。作動油の供給量を増加する場合、作動油を供給するポンプを駆動するために余分なエネルギーが必要となる。その結果、エンジンのエネルギー損失を招き、ひいては燃費が悪化するおそれがある。
特許第3567551号公報
特開2006−77662号公報
そこで、本発明の目的は、外部への作動流体の漏れを低減し、駆動効率が向上するバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1記載の発明では、ハウジング、ベーンロータ、軸受部およびシール部材を備えている。ハウジングは、エンジンの駆動軸とともに回転し、内部に収容室が形成されている。ベーンロータは、ハウジングの収容室を遅角室および進角室に仕切り、エンジンの従動軸とともに回転し、遅角室および進角室に供給される作動流体の圧力によりハウジングに対して相対回動する。軸受部は、ベーンロータの従動軸側または反従動軸側の一方または両方に設けられ、ハウジングを軸受けする。軸受部とハウジングとの間には環状のシール部材が設けられている。これにより、ハウジング内部に形成された遅角室内および進角室内の作動流体が、軸受部とハウジングとの間の隙間を通じてハウジング外部へ漏れるのを低減することができる。その結果、バルブタイミング調整装置を駆動するための作動流体の供給量を低減することができる。したがって、バルブタイミング調整装置の駆動効率を高めることができる。
請求項2記載の発明では、シール部材の外周縁部はハウジングの内周壁に形成された環状の溝部に収容され、シール部材の内周壁は軸受部の外壁の全周に渡って液密に当接している。これにより、ハウジング内部からハウジング外部への作動流体の漏れを効果的に低減することができる。
請求項3記載の発明では、シール部材の内周縁部は軸受部の外周壁に形成された環状の溝部に収容され、シール部材の外周壁はハウジングの内壁の全周に渡って液密に当接している。これにより、ハウジング内部からハウジング外部への作動流体の漏れを効果的に低減することができる。
請求項3記載の発明では、シール部材の内周縁部は軸受部の外周壁に形成された環状の溝部に収容され、シール部材の外周壁はハウジングの内壁の全周に渡って液密に当接している。これにより、ハウジング内部からハウジング外部への作動流体の漏れを効果的に低減することができる。
請求項4記載の発明では、ハウジングの内周壁または軸受部の外周壁に形成された溝部の径方向における深さをD、シール部材の径方向における幅をW、ハウジングと軸受部との間に形成される隙間の軸受部径方向における最大の幅をCとすると、C<W≦Dである。すなわち、C<Wのため、ハウジングと軸受部との間に形成される隙間を通じてハウジング内部からハウジング外部へ作動流体が漏れるのを低減することができる。
ところで、仮にW>Dとすると、軸受部がハウジングを軸受けするとき、軸受部とシール部材との間に過度な軸受荷重がかかるため、シール部材の異常磨耗を招くおそれがある。しかし、本発明の場合、W≦Dのため、軸受部がハウジングを軸受けするとき、軸受部とハウジングとの間にのみ、もしくは軸受部とシール部材との間および軸受部とハウジングとの間に軸受荷重がかかる。そのため、シール部材のみに過度な軸受荷重がかかることを回避できる。これにより、シール部材の異常磨耗を防止することができる。したがって、ハウジング内部からハウジング外部への作動流体の漏れを低減できるとともに、シール部材の異常磨耗を防止することができる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置を図1〜3に示す。第1実施形態のバルブタイミング調整装置は、作動流体として作動油を用いる油圧制御式であり、排気弁のバルブタイミングを調整する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置を図1〜3に示す。第1実施形態のバルブタイミング調整装置は、作動流体として作動油を用いる油圧制御式であり、排気弁のバルブタイミングを調整する。
図1に示すように、バルブタイミング調整装置10は、ハウジング20およびベーンロータ50などを備えている。ハウジング20は、プレートハウジング21、シューハウジング22およびチェーンスプロケット23からなる。プレートハウジング21およびシューハウジング22は一体に形成され、ボルト12によってチェーンスプロケット23と同軸上に固定されている。また、シューハウジング22およびチェーンスプロケット23には、位置決めのための位置決めピン6が嵌め込まれている。チェーンスプロケット23は、外周にギア231を有している。
ギア231には、図示しないチェーンが巻回されている。すなわち、ハウジング20は、チェーンによってエンジンの駆動軸であるクランクシャフトとギア231を介して接続している。これにより、ハウジング20は、クランクシャフトから駆動力が伝達され、クランクシャフトと同期して回転する。ハウジング20は、図2に示すように時計周り方向へ回転する。
図1に示す従動軸としてのカムシャフト15は、ハウジング20、ベーンロータ50およびジャーナル16を経由してクランクシャフトの駆動力が伝達される。カムシャフト15は、図示しない排気弁を開閉駆動する。軸受部としてのジャーナル16は、ベーンロータ50とカムシャフト15との間に設けられている。ベーンロータ50、ジャーナル16およびカムシャフト15は、ボルト14により同軸上に固定されている。ベーンロータ50とジャーナル16との回転方向の位置決めは、ベーンロータ50およびジャーナル16に位置決めピン7を嵌め込むことにより行われる。また、ジャーナル16とカムシャフト15との回転方向の位置決めは、ジャーナル16およびカムシャフト15に図示しない位置決めピンを嵌め込むことにより行われる。
このような構成により、ベーンロータ50、ジャーナル16およびカムシャフト15は、ハウジング20に対して同軸に相対回転可能である。カムシャフト15、ジャーナル16、ベーンロータ50およびハウジング20は、図1に示す矢印X方向から見て時計方向へ回転する。以下、この回転方向をクランクシャフトに対するカムシャフト15の進角方向とする。
カムシャフト15に接続するジャーナル16は、チェーンスプロケット23に対し所定の位相差をおいて回転可能にチェーンスプロケット23に挿入されている。ジャーナル16のチェーンスプロケット23に挿入される部分の外径は、チェーンスプロケット23の内径よりもやや小さい。ジャーナル16は、外周壁の一部がチェーンスプロケット23の内周壁の一部と当接してハウジング20を軸受けする。このとき、ジャーナル16の外周壁とチェーンスプロケット23の内周壁との間には、反矢印X方向から見て略三日月状の隙間111が形成される。ジャーナル16とチェーンスプロケット23との間には、後に詳述するシールリング30が設けられている。
図2に示すように、ハウジング20のシューハウジング22は、略筒状の周壁221と、周壁221から径方向内側へ延びるシュー222、223、224、225とを有している。シュー222、223、224、225は、略台形状に形成され、周壁221の回転方向にほぼ等間隔に配置されている。シュー222、223、224、225により回転方向に所定角度範囲で四箇所に形成された間隙にはそれぞれベーンを収容する扇状の収容室24が四室形成されている。
ベーンロータ50は、ボス部51と、ボス部51の外周側に回転方向へほぼ等間隔に配置されたベーン52、53、54、55とを有している。ベーンロータ50は、ハウジング20に対し相対回転可能にハウジング20の内部に収容されている。ベーン52、53、54、55は各収容室24に回転可能に収容されている。なお、ベーンロータ50の各ベーンにおける外径は、シューハウジング22の周壁221における内径よりも小さく設定されている。また、ベーンロータ50のボス部51における外径は、シューハウジング22の各シューにおける内径よりも小さく設定されている。そのため、ベーンロータ50の外周壁とシューハウジング22の内周壁とは摺動しない。
ベーン52、53、54、55は、各収容室24を遅角室としての遅角油圧室と進角室としての進角油圧室とに仕切っている。すなわち、シュー222とベーン52との間に遅角油圧室81が形成され、シュー223とベーン53との間に遅角油圧室82が形成され、シュー224とベーン54との間に遅角油圧室83が形成され、シュー225とベーン55との間に遅角油圧室84が形成されている。また、シュー225とベーン52との間に進角油圧室91が形成され、シュー222とベーン53との間に進角油圧室92が形成され、シュー223とベーン54との間に進角油圧室93が形成され、シュー224とベーン55との間に進角油圧室94が形成されている。
ベーン52、53、54、55とシューハウジング22の周壁221との間、およびベーンロータ50のボス部51とシュー222、223、224、225との間に、シールチップ17が配設されている。シールチップ17は、ベーン52、53、54、55、およびボス部51の外周壁に設けた溝にはめ込まれており、例えばばねなどによりシューハウジング22の周壁221における内周壁、またはシュー222、223、224、225における内周壁に向けて押し付けられている。この構成により、シールチップ17は各遅角油圧室と各進角油圧室とを液密に保持し、各遅角油圧室と各進角油圧室との間の作動油の漏れを低減している。
図1に示すように、ベーンロータ50のベーン52には、チェーンスプロケット23側端面から軸方向の途中まで穴部521が形成されている。これにより、穴部521のプレートハウジング21側には底部522が形成されている。穴部521には、筒部材523が嵌め込まれている。筒部材523は略円筒状に形成され、軸方向の途中に筒部材523の外側と内側を連通する孔524を有している。筒部材523の内側には、規制部材としてのストッパピストン100およびスプリング101が収容されている。ストッパピストン100は、略円筒状に形成され、筒部材523に軸方向へ往復移動可能に収容されている。スプリング101は、軸方向の一方の端部が底部522に接し、他方の端部がストッパピストン100に接している。スプリング101は、圧縮コイルスプリングであり、軸方向へ伸びる力を有している。これにより、スプリング101は、ストッパピストン100をチェーンスプロケット23側へ付勢している。
チェーンスプロケット23に形成された凹部232には、嵌合部としての嵌合リング102が圧入保持されている。ストッパピストン100は、嵌合リング102に嵌合可能である。ストッパピストン100および嵌合リング102の嵌合側は、テーパ状に形成されている。そのため、ストッパピストン100は、嵌合リング102に滑らかに嵌合する。ストッパピストン100のチェーンスプロケット23側に形成された油圧室103、ならびにストッパピストン100の外周に形成された油圧室104に供給される作動油の圧力は、嵌合リング102からストッパピストン100が抜け出す方向へ働く。ストッパピストン100は、油圧室103および油圧室104から受ける力とスプリング101の付勢力とのバランスにより、嵌合リング102に嵌合したり嵌合リング102から抜け出たりする。図2に示すように、油圧室103は通路525を経由して遅角油圧室81と連通し、油圧室104は孔524および通路526を経由して遅角油圧室81と連通している。
図2はシューハウジング22に対してベーンロータ50が最も進角した状態を示しており、この状態においてストッパピストン100は嵌合リング102に嵌合しているので、ベーンロータ50はチェーンスプロケット23と連結されチェーンスプロケット23に対する相対回転が規制される。そのため、ベーンロータ50は、チェーンスプロケット23すなわちハウジング20とともに回転する。このとき、ベーン52は、シュー222の側面に接している。したがって、クランクシャフトからカムシャフト15に回転駆動力が伝達され、カムシャフト15に正・負の反転トルクが生じてもベーンロータ50とハウジング20とは相対的な回転振動を発生することなく、打音の発生が防止される。ストッパピストン100が嵌合リング102から抜け出ると、ベーンロータ50はチェーンスプロケット23との連結を解除され、シューハウジング22に対して最進角位置から最遅角位置の角度範囲内で相対回転自在である。
図1に示すように、流体供給源としてのオイルポンプ1は、オイルタンク2から汲み上げた作動油を供給通路3に供給する。切換弁70は、公知の電磁スプール弁であり、カムシャフト15よりもオイルポンプ1側において、供給通路3および排出通路4と、遅角通路80、進角通路90との間に設置されている。切換弁70は、電子制御装置(ECU)5から電磁駆動部71に供給されるデューティー比制御された駆動電流により切換制御される。切換弁70のスプール72は、駆動電流のデューティー比に基づいて変位する。このスプール72の位置により、切換弁70は、遅角油圧室81、82、83、84および進角油圧室91、92、93、94への作動油の供給、ならびに遅角油圧室81、82、83、84および進角油圧室91、92、93、94からの作動油の排出を切り換える。上述の切換制御によって、切換弁70は、状態701、状態702または状態703に切り換わる。切換弁70の状態701は、切換弁70への通電をオフした状態である。
図示しない軸受により回転を支持されているカムシャフト15の外周壁には、環状通路151、152が形成されている。環状通路151は遅角通路80と接続し、環状通路152は進角通路90と接続している。カムシャフト15、ジャーナル16およびボス部51の内部には、カムシャフト15、ジャーナル16およびボス部51を軸方向に連通する四つの遅角通路85が形成されている。遅角通路85は、環状通路151に接続している。
カムシャフト15の内部には、環状通路152とカムシャフト15のジャーナル16側とを接続する進角通路95が形成されている。略円筒状のジャーナル16の内周壁161とボルト14の外周壁との間には、略円筒状の進角通路96が形成されている。また、略円筒状のボス部51の内周壁511とボルト14の外周壁との間には、略円筒状の進角通路97が形成されている。進角通路96は、進角通路95と進角通路97とを接続している。
図2に示すように、ボス部51の内部には、遅角通路85と各遅角油圧室とを接続する四つの遅角通路86が形成されている。これにより、遅角通路80と各遅角油圧室とは、環状通路151、遅角通路85、86を経由して連通している。また、ボス部51の内部には、進角通路97と各進角油圧室とを接続する四つの進角通路98が形成されている。これにより、進角通路90と各進角油圧室とは、環状通路152、進角通路95、96、97、98を経由して連通している。
次に、シールリング30の詳細について図1および図3を用いて説明する。なお、図3はバルブタイミング調整装置10の模式的断面図であり、各部材の形状的特徴を強調するため実際の部材の寸法比率とは異なっている。
シール部材としてのシールリング30は、例えば樹脂などにより略円環状に形成され、図1および図3に示すようにジャーナル16とチェーンスプロケット23との間に設けられている。シールリング30の内周壁は、ジャーナル16の外周壁の全周に渡って液密に当接している。ジャーナル16の外周壁に対向するチェーンスプロケット23の内周壁には、円環状の溝部233が形成されている。シールリング30の外周縁部は、溝部233に収容されている。
シール部材としてのシールリング30は、例えば樹脂などにより略円環状に形成され、図1および図3に示すようにジャーナル16とチェーンスプロケット23との間に設けられている。シールリング30の内周壁は、ジャーナル16の外周壁の全周に渡って液密に当接している。ジャーナル16の外周壁に対向するチェーンスプロケット23の内周壁には、円環状の溝部233が形成されている。シールリング30の外周縁部は、溝部233に収容されている。
ジャーナル16がハウジング20を軸受けするとき、ジャーナル16の外周壁とチェーンスプロケット23の内周壁との間には、図3のY方向から見て略三日月状の隙間111が形成される。シールリング30の径方向の幅をW、ジャーナル16とチェーンスプロケット23との間に形成される隙間111のジャーナル16径方向における最大の幅をCとすると、シールリング30の幅Wは、C<Wの関係を満たすように設定されている。これにより、ハウジング20内部から隙間111を通じてハウジング20外部へ作動油が漏れるのを低減することができる。
上述のように、チェーンスプロケット23のギア231には、図示しないチェーンが巻回されている。そのため、ジャーナル16がハウジング20を軸受けするとき、チェーンの張力がチェーンスプロケット23を経由し軸受荷重としてジャーナル16の外周壁に加わる。本実施形態の場合、溝部233の径方向における深さをDとすると、シールリング30の幅Wは、W≦Dの関係を満たすように設定されている。そのため、ジャーナル16がハウジング20を軸受けするとき、ジャーナル16とチェーンスプロケット23との間にのみ、もしくはジャーナル16とシールリング30との間およびジャーナル16とチェーンスプロケット23との間に軸受荷重がかかる。その結果、シールリング30のみに過度な軸受荷重がかかることを回避できるため、シールリング30の異常磨耗を防止することができる。
次にバルブタイミング調整装置10の作動を説明する。
(1)図1および図2に示すように、エンジン始動時オイルポンプ1からの作動油が油圧室103および104にまだ導入されていないとき、クランクシャフトの回転に伴いベーンロータ50はシューハウジング22に対して最進角位置にあり、ストッパピストン100はスプリング101の付勢力により嵌合リング102に嵌合しており、ベーンロータ50はストッパピストン100によりチェーンスプロケット23と連結されている。
(1)図1および図2に示すように、エンジン始動時オイルポンプ1からの作動油が油圧室103および104にまだ導入されていないとき、クランクシャフトの回転に伴いベーンロータ50はシューハウジング22に対して最進角位置にあり、ストッパピストン100はスプリング101の付勢力により嵌合リング102に嵌合しており、ベーンロータ50はストッパピストン100によりチェーンスプロケット23と連結されている。
(2)切換弁70の状態701が選択されてオイルポンプ1から作動油が圧送されると、進角通路90、環状通路152、進角通路95、96、97、98を経由して進角油圧室91、92、93、94に作動油が流入する。しかしながら、進角油圧室91、92、93、94に流入した作動油の圧力がそれぞれベーン52、53、54、55の側面に作用するとともに、ストッパピストン100は嵌合リング102に嵌合した状態のため、ベーンロータ50はシューハウジング22に対して依然として図2に示す最進角位置に保持される。そのため、ベーンロータ50とシューハウジング22との打音の発生は防止される。
(3)切換弁70が状態701から状態703に切り換わると、オイルポンプ1から遅角通路80、環状通路151、遅角通路85、86を経由して遅角油圧室81、82、83、84に作動油が流入するとともに、通路525を通じて油圧室103に作動油が流入し、通路526、および孔524を通じて油圧室104に作動油が流入する。また、このとき、進角油圧室91、92、93、94はオイルタンク2へ開放される。油圧室103および油圧室104に流入した作動油の圧力が高まると、ストッパピストン100は、スプリング101の付勢力に抗して穴部521のプレートハウジング21側にストッパピストン100を押し込む方向に働く。すると、ストッパピストン100が嵌合リング102から完全に抜け出るので、ベーンロータ50はチェーンスプロケット23との連結を解除される。
遅角油圧室81、82、83、84に流入した作動油の圧力がそれぞれベーン52、53、54、55の側面に作用すると、ベーンロータ50はシューハウジング22に対して図2に示す遅角方向へ回転し、カムシャフト15により開閉駆動される排気弁のバルブタイミングが遅らされる。シューハウジング22に対してベーンロータ50が回転することによりベーンロータ50が最進角位置から移動すると、ストッパピストン100と嵌合リング102との周方向位置がずれるので、ストッパピストン100は嵌合リング102に嵌合しなくなる。
(4)再び切換弁70の状態701を選択すると、ベーンロータ50はシューハウジング22に対して図2に示す進角方向へ回転し、カムシャフト15により開閉駆動される排気弁のバルブタイミングが早められる。ベーンロータ50がシューハウジング22に対して進角方向あるいは遅角方向へ回転している途中で切換弁70の状態702を選択すると、遅角油圧室81、82、83、84および進角油圧室91、92、93、94の作動油は流入および流出が遮断され、ベーンロータ50は中間の位置に保持され、所望のバルブタイミングを得ることができる。
以上説明したように、第1実施形態では、ジャーナル16とチェーンスプロケット23との間に円環状のシールリング30が設けられている。これにより、ハウジング20内部に形成された遅角油圧室内および進角油圧室内の作動油が、ジャーナル16とチェーンスプロケット23との間の隙間111を通じてハウジング20外部へ漏れるのを低減することができる。その結果、バルブタイミング調整装置10を駆動するための作動油の供給量を低減することができる。したがって、バルブタイミング調整装置10の駆動効率を高めることができる。
また、第1実施形態では、シールリング30の外周縁部はチェーンスプロケット23の内周壁に形成された円環状の溝部233に収容されるとともに、シールリング30の内周壁はジャーナル16の外周壁の全周に渡って液密に当接している。これにより、ハウジング20内部からハウジング20外部への作動油の漏れを効果的に低減することができる。
さらに、第1実施形態では、チェーンスプロケット23の内周壁に形成された溝部233の径方向における深さをD、シールリング30の径方向における幅をW、ジャーナル16とチェーンスプロケット23との間に形成される隙間111のジャーナル16径方向における最大の幅をCとすると、C<W≦Dの関係を満たす。C<Wのため、隙間111を通じてハウジング20内部からハウジング20外部へ作動油が漏れるのを低減することができる。また、W≦Dのため、ジャーナル16がハウジング20を軸受けするとき、ジャーナル16とチェーンスプロケット23との間にのみ、もしくはジャーナル16とシールリング30との間およびジャーナル16とチェーンスプロケット23との間に軸受荷重がかかる。そのため、シールリング30のみに過度な軸受荷重がかかることを回避できる。これにより、シールリング30の異常磨耗を防止することができる。したがって、ハウジング20内部からハウジング20外部への作動油の漏れを低減できるとともに、シールリング30の異常磨耗を防止することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態によるバルブタイミング調整装置を図4に示す。図4は、第2実施形態によるバルブタイミング調整装置の模式的断面図であり、各部材の形状的特徴を強調するため実際の部材の寸法比率とは異なっている。なお、第2実施形態は、第1実施形態の変形であり、第1実施形態と基本的に同一の部材を有するが、一部の部材の形状等が第1実施形態と異なる。第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
本発明の第2実施形態によるバルブタイミング調整装置を図4に示す。図4は、第2実施形態によるバルブタイミング調整装置の模式的断面図であり、各部材の形状的特徴を強調するため実際の部材の寸法比率とは異なっている。なお、第2実施形態は、第1実施形態の変形であり、第1実施形態と基本的に同一の部材を有するが、一部の部材の形状等が第1実施形態と異なる。第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
シールリング30は、第1実施形態と同様、ジャーナル16とチェーンスプロケット23との間に設けられている。シールリング30の外周壁は、チェーンスプロケット23の内周壁の全周に渡って液密に当接している。ジャーナル16の外周壁においてチェーンスプロケット23の内周壁に対向する箇所には、円環状の溝部162が形成されている。シールリング30の内周縁部は、溝部162に収容されている。
ジャーナル16がハウジング20を軸受けするとき、ジャーナル16の外周壁とチェーンスプロケット23の内周壁との間には、第1実施形態と同様、図4のY方向から見て略三日月状の隙間111が形成される。シールリング30の径方向の幅をW、ジャーナル16とチェーンスプロケット23との間に形成される隙間111のジャーナル16径方向における最大の幅をCとすると、シールリング30の幅Wは、C<Wの関係を満たすように設定されている。これにより、ハウジング20内部から隙間111を通じてハウジング20外部へ作動油が漏れるのを低減することができる。
また、溝部162の径方向における深さをDとすると、シールリング30の幅Wは、W≦Dの関係を満たすように設定されている。そのため、ジャーナル16がハウジング20を軸受けするとき、ジャーナル16とチェーンスプロケット23との間にのみ、もしくはジャーナル16とシールリング30との間およびジャーナル16とチェーンスプロケット23との間に軸受荷重がかかる。その結果、シールリング30のみに過度な軸受荷重がかかることを回避できるため、シールリング30の異常磨耗を防止することができる。
以上説明したように、第2実施形態では、第1実施形態と同様、ジャーナル16とチェーンスプロケット23との間に円環状のシールリング30が設けられているため、作動油が隙間111を通じてハウジング20内部からハウジング20外部へ漏れるのを低減することができる。したがって、バルブタイミング調整装置を駆動するための作動油の供給量を低減することができ、バルブタイミング調整装置の駆動効率を高めることができる。
また、第2実施形態では、シールリング30の内周縁部はジャーナル16の外周壁に形成された円環状の溝部162に収容されるとともに、シールリング30の外周壁はチェーンスプロケット23の内周壁の全周に渡って液密に当接している。これにより、ハウジング20内部からハウジング20外部への作動油の漏れを効果的に低減することができる。
さらに、第2実施形態では、ジャーナル16の外周壁に形成された溝部162の深さD、シールリング30の幅W、ジャーナル16とチェーンスプロケット23との間に形成される隙間111の最大の幅Cは、C<W≦Dの関係を満たす。これにより、第1実施形態と同様、ハウジング20内部からハウジング20外部への作動油の漏れを低減できるとともに、シールリング30の異常磨耗を防止することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態によるバルブタイミング調整装置を図5および図6に示す。図6は、第3実施形態によるバルブタイミング調整装置の模式的断面図であり、各部材の形状的特徴を強調するため実際の部材の寸法比率とは異なっている。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
本発明の第3実施形態によるバルブタイミング調整装置を図5および図6に示す。図6は、第3実施形態によるバルブタイミング調整装置の模式的断面図であり、各部材の形状的特徴を強調するため実際の部材の寸法比率とは異なっている。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第3実施形態の場合、図5に示すようにベーンロータ50のカムシャフト15側に設けられたジャーナル16に加え、ベーンロータ50の反カムシャフト15側にも軸受部としてのブッシュ18が設けられている。ブッシュ18は、底部181を有する略円筒形状に形成されている。底部181には、孔182が形成されている。ブッシュ18は、孔182にボルト14が通されることにより、カムシャフト15、ジャーナル16およびベーンロータ50に同軸に固定され、カムシャフト15、ジャーナル16およびベーンロータ50とともに回転可能である。
ベーンロータ50に接続するブッシュ18は、プレートハウジング21に対し所定の位相差をおいて回転可能にプレートハウジング21に挿入されている。ブッシュ18のプレートハウジング21に挿入される部分の外径は、プレートハウジング21の内径よりもやや小さい。ブッシュ18は、外周壁の一部がプレートハウジング21の内周壁の一部と当接してハウジング20を軸受けする。ブッシュ18とプレートハウジング21との間には、シールリング40が設けられている。
シール部材としてのシールリング40は、例えば樹脂などにより略円環状に形成されている。図5および図6に示すようにシールリング40の内周壁は、ブッシュ18の外周壁の全周に渡って液密に当接している。ブッシュ18の外周壁に対向するプレートハウジング21の内周壁には、円環状の溝部211が形成されている。シールリング40の外周縁部は、溝部211に収容されている。
ブッシュ18がハウジング20を軸受けするとき、ブッシュ18の外周壁とプレートハウジング21の内周壁との間には、図6のX方向から見て略三日月状の隙間112が形成される。シールリング40の径方向の幅をW1、ブッシュ18とプレートハウジング21との間に形成される隙間112のブッシュ18径方向における最大の幅をC1とすると、シールリング40の幅W1は、C1<W1の関係を満たすように設定されている。これにより、ハウジング20内部から隙間112を通じてハウジング20外部へ作動油が漏れるのを低減することができる。
また、溝部211の径方向における深さをD1とすると、シールリング40の幅W1は、W1≦D1の関係を満たすように設定されている。そのため、ブッシュ18がハウジング20を軸受けするとき、ブッシュ18とプレートハウジング21との間にのみ、もしくはブッシュ18とシールリング40との間およびブッシュ18とプレートハウジング21との間に軸受荷重がかかる。その結果、シールリング40のみに過度な軸受荷重がかかることを回避できるため、シールリング40の異常磨耗を防止することができる。
以上説明したように、第3実施形態では、ブッシュ18とプレートハウジング21との間に円環状のシールリング40が設けられているため、作動油が隙間112を通じてハウジング20内部からハウジング20外部へ漏れるのを低減することができる。したがって、バルブタイミング調整装置を駆動するための作動油の供給量を低減することができ、バルブタイミング調整装置の駆動効率を高めることができる。
また、第3実施形態では、シールリング40の外周縁部はプレートハウジング21の内周壁に形成された円環状の溝部211に収容されるとともに、シールリング40の内周壁はブッシュ18の外周壁の全周に渡って液密に当接している。これにより、ハウジング20内部からハウジング20外部への作動油の漏れを効果的に低減することができる。
さらに、第3実施形態では、プレートハウジング21の内周壁に形成された溝部211の深さD1、シールリング40の幅W1、およびジャーナル16とチェーンスプロケット23との間に形成される隙間112の最大の幅C1は、C1<W1≦D1の関係を満たす。これにより、ハウジング20内部からハウジング20外部への隙間112を通じた作動油の漏れを低減できるとともに、シールリング40の異常磨耗を防止することができる。
このように、第3実施形態では、ジャーナル16およびブッシュ18によりハウジング20を軸受している。そして、ジャーナル16とチェーンスプロケット23との間にシールリング30が設けられているとともに、ブッシュ18とプレートハウジング21との間にもシールリング40が設けられている。そのため、ハウジング20内部からハウジング20外部への隙間111を通じた作動油の漏れに加え、隙間112を通じた作動油の漏れも低減することができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態によるバルブタイミング調整装置を図7に示す。図7は、第4実施形態によるバルブタイミング調整装置の模式的断面図であり、各部材の形状的特徴を強調するため実際の部材の寸法比率とは異なっている。なお、第4実施形態は、第3実施形態の変形であり、第3実施形態と基本的に同一の部材を有するが、一部の部材の形状等が第3実施形態と異なる。第3実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
本発明の第4実施形態によるバルブタイミング調整装置を図7に示す。図7は、第4実施形態によるバルブタイミング調整装置の模式的断面図であり、各部材の形状的特徴を強調するため実際の部材の寸法比率とは異なっている。なお、第4実施形態は、第3実施形態の変形であり、第3実施形態と基本的に同一の部材を有するが、一部の部材の形状等が第3実施形態と異なる。第3実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
シールリング40は、第3実施形態と同様、ブッシュ18とプレートハウジング21との間に設けられている。シールリング40の外周壁は、プレートハウジング21の内周壁の全周に渡って液密に当接している。ブッシュ18の外周壁においてプレートハウジング21の内周壁に対向する箇所には、円環状の溝部183が形成されている。シールリング40の内周縁部は、溝部183に収容されている。
ブッシュ18がハウジング20を軸受けするとき、ブッシュ18の外周壁とプレートハウジング21の内周壁との間には、第3実施形態と同様、図7のX方向から見て略三日月状の隙間112が形成される。シールリング40の径方向の幅をW1、ブッシュ18とプレートハウジング21との間に形成される隙間112のブッシュ18径方向における最大の幅をC1とすると、シールリング40の幅W1は、C1<W1の関係を満たすように設定されている。これにより、ハウジング20内部から隙間112を通じてハウジング20外部へ作動油が漏れるのを低減することができる。
また、溝部183の径方向における深さをD1とすると、シールリング40の幅W1は、W1≦D1の関係を満たすように設定されている。そのため、ブッシュ18がハウジング20を軸受けするとき、ブッシュ18とプレートハウジング21との間にのみ、もしくはブッシュ18とシールリング40との間およびブッシュ18とプレートハウジング21との間に軸受荷重がかかる。その結果、シールリング40のみに過度な軸受荷重がかかることを回避できるため、シールリング40の異常磨耗を防止することができる。
図8に、第4実施形態によるバルブタイミング調整装置、および軸受部とハウジングとの間にシール部材を設けていないバルブタイミング調整装置(以下、従来のバルブタイミング調整装置とする。)、それぞれにおける作動油の漏れ量の測定結果を示す。図8のグラフの縦軸は作動油の漏れ量を示し、横軸はベーンロータとハウジングとの間の軸方向におけるクリアランスの幅を示している。図8において、実線L1は第4実施形態によるバルブタイミング調整装置から外部へ漏れる作動油の量すなわち外部漏れ量を示し、実線L2は第4実施形態によるバルブタイミング調整装置内部における油圧室間で漏れる作動油の量すなわち内部漏れ量と外部漏れ量とを合計した漏れ量を示している。一方、破線L3は従来のバルブタイミング調整装置の外部漏れ量を示し、破線L4は従来のバルブタイミング調整装置の内部漏れ量と外部漏れ量とを合計した漏れ量を示している。
L1とL3とを比較すると、第4実施形態によるバルブタイミング調整装置の外部漏れ量は、従来のバルブタイミング調整装置の外部漏れ量に比べて大きく低減されていることがわかる。これは、第4実施形態によるバルブタイミング調整装置の場合、軸受部とハウジングとの間にシール部材が設けられ、軸受部とハウジングとの間の隙間を通じた作動油の漏れが低減されているからである。なお、第4実施形態によるバルブタイミング調整装置および従来のバルブタイミング調整装置において、ベーンロータとハウジングとの間の軸方向におけるクリアランスの幅が増大しても、外部漏れ量は一定であることがわかる。
L2およびL4から、第4実施形態によるバルブタイミング調整装置および従来のバルブタイミング調整装置の両者とも、ベーンロータとハウジングとの間のクリアランスの幅が増大するに従い内部漏れ量も増大していることがわかる。しかしながら、第4実施形態によるバルブタイミング調整装置の場合、軸受部とハウジングとの間のシール部材により作動油の外部漏れ量が低減されているため、内部漏れ量と外部漏れ量との合計すなわちバルブタイミング調整装置全体における作動油の漏れ量は、従来のバルブタイミング調整装置に比べて大きく低減されていることがわかる。
以上説明したように、第4実施形態では、第3実施形態と同様、ブッシュ18とプレートハウジング21との間に円環状のシールリング40が設けられているため、作動油が隙間112を通じてハウジング20内部からハウジング20外部へ漏れるのを低減することができる。したがって、バルブタイミング調整装置を駆動するための作動油の供給量を低減することができ、バルブタイミング調整装置の駆動効率を高めることができる。
また、第4実施形態では、シールリング40の内周縁部はブッシュ18の外周壁に形成された円環状の溝部183に収容されるとともに、シールリング40の外周壁はプレートハウジング21の内周壁の全周に渡って液密に当接している。これにより、ハウジング20内部からハウジング20外部への作動油の漏れを効果的に低減することができる。
さらに、第4実施形態では、ブッシュ18の外周壁に形成された溝部183の深さD1、シールリング40の幅W1、ブッシュ18とプレートハウジング21との間に形成される隙間112の最大の幅C1は、C1<W1≦D1の関係を満たす。これにより、第3実施形態と同様、ハウジング20内部からハウジング20外部への隙間112を通じた作動油の漏れを低減できるとともに、シールリング40の異常磨耗を防止することができる。
(他の実施形態)
本発明の他の実施形態では、軸受部とハウジングとの間に設けられるシール部材は、樹脂に限らず金属等任意の材料により形成してもよい。シール部材の材料が樹脂以外の材料であっても、上述の複数の実施形態と同様にハウジング内部からハウジング外部への作動油の漏れを低減することができる。また、本発明の他の実施形態では、ハウジングを軸受けするジャーナルは、カムシャフトと一体に設けられていてもよい。
本発明の他の実施形態では、軸受部とハウジングとの間に設けられるシール部材は、樹脂に限らず金属等任意の材料により形成してもよい。シール部材の材料が樹脂以外の材料であっても、上述の複数の実施形態と同様にハウジング内部からハウジング外部への作動油の漏れを低減することができる。また、本発明の他の実施形態では、ハウジングを軸受けするジャーナルは、カムシャフトと一体に設けられていてもよい。
上述の複数の実施形態では、ベーンロータのカムシャフト側の軸受部とハウジングの間のみ、またはベーンロータのカムシャフト側および反カムシャフト側両方の軸受部とハウジングとの間にシール部材を設ける例を示した。しかし、本発明の他の実施形態では、ベーンロータの反カムシャフト側の軸受部とハウジングとの間のみにシール部材を設ける構成としてもよい。
また、上述の複数の実施形態では、軸受部またはハウジングのどちらか一方に円環状の溝部を形成し、シール部材の一部を溝部に収容する例を示した。しかし、本発明の他の実施形態では、軸受部およびハウジングの両方に溝部を形成してもよい。
上述の複数の実施形態では、バルブタイミング調整装置をエンジンの排気弁に適用する例について示した。しかし、本発明の他の実施形態では、バルブタイミング調整装置を吸気弁に適用してもよい。なお、本発明は、ストッパピストンを備えていないバルブタイミング調整装置にも適用することができる。
上述の複数の実施形態では、バルブタイミング調整装置をエンジンの排気弁に適用する例について示した。しかし、本発明の他の実施形態では、バルブタイミング調整装置を吸気弁に適用してもよい。なお、本発明は、ストッパピストンを備えていないバルブタイミング調整装置にも適用することができる。
10:バルブタイミング調整装置、15:カムシャフト(従動軸)、16:ジャーナル(軸受部)、18:ブッシュ(軸受部)、20:ハウジング、21:プレートハウジング(ハウジング)、22:シューハウジング(ハウジング)、23:チェーンスプロケット(ハウジング)、24:収容室、30、40:シールリング(シール部材)、50:ベーンロータ、81、82、83、84:遅角油圧室(遅角室)、91、92、93、94:進角油圧室(進角室)
Claims (4)
- 内燃機関の駆動軸から吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方を開閉駆動する従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記吸気弁および前記排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置において、
前記駆動軸とともに回転し、回転方向に所定角度範囲で形成される収容室を有するハウジングと、
前記従動軸とともに回転し、前記収容室を遅角室および進角室に仕切り、前記遅角室および前記進角室に供給される作動流体の圧力により遅角側または進角側に前記ハウジングに対して相対回動するように駆動されるベーンロータと、
前記ベーンロータの従動軸側または反従動軸側の一方または両方に設けられ、前記従動軸および前記ベーンロータとともに回転しつつ、前記ハウジングを軸受けする軸受部と、
前記軸受部と前記ハウジングとの間に設けられ、前記収容室から前記ハウジング外部への作動流体の漏れを防止する環状のシール部材と、
を備えることを特徴とするバルブタイミング調整装置。 - 前記シール部材の外周縁部は、前記ハウジングの内周壁に形成された環状の溝部に収容され、
前記シール部材の内周壁は、前記軸受部の外壁の全周に渡って液密に当接していることを特徴とする請求項1記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記シール部材の内周縁部は、前記軸受部の外周壁に形成された環状の溝部に収容され、
前記シール部材の外周壁は、前記ハウジングの内壁の全周に渡って液密に当接していることを特徴とする請求項1記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記溝部の径方向における深さをD、
前記シール部材の径方向における幅をW、
前記ハウジングと前記軸受部との間に形成される隙間の前記軸受部径方向における最大の幅をCとすると、
C<W≦Dであることを特徴とする請求項2または3記載のバルブタイミング調整装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008027213A JP2009185719A (ja) | 2008-02-07 | 2008-02-07 | バルブタイミング調整装置 |
US12/365,309 US20090199799A1 (en) | 2008-02-07 | 2009-02-04 | Valve timing adjusting apparatus |
DE102009000688A DE102009000688A1 (de) | 2008-02-07 | 2009-02-06 | Ventilsteuerzeitverstellvorrichtung |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008027213A JP2009185719A (ja) | 2008-02-07 | 2008-02-07 | バルブタイミング調整装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009185719A true JP2009185719A (ja) | 2009-08-20 |
Family
ID=40847478
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008027213A Pending JP2009185719A (ja) | 2008-02-07 | 2008-02-07 | バルブタイミング調整装置 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20090199799A1 (ja) |
JP (1) | JP2009185719A (ja) |
DE (1) | DE102009000688A1 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011163276A (ja) * | 2010-02-12 | 2011-08-25 | Mitsubishi Motors Corp | 可変動弁装置付エンジン |
JP2013209977A (ja) * | 2012-03-02 | 2013-10-10 | Aisin Seiki Co Ltd | 弁開閉時期制御装置 |
JP2013209976A (ja) * | 2012-03-02 | 2013-10-10 | Aisin Seiki Co Ltd | 弁開閉時期制御装置 |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102009022868B4 (de) * | 2009-05-27 | 2017-08-31 | Hilite Germany Gmbh | Flügelzellennockenwellenversteller |
JP5440853B2 (ja) * | 2010-01-08 | 2014-03-12 | アイシン精機株式会社 | 弁開閉時期制御装置 |
JP5321926B2 (ja) * | 2011-02-18 | 2013-10-23 | アイシン精機株式会社 | 弁開閉時期制御装置 |
JP5722743B2 (ja) * | 2011-10-14 | 2015-05-27 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 内燃機関のバルブタイミング制御装置 |
US8915222B2 (en) * | 2012-03-02 | 2014-12-23 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Variable valve timing control apparatus |
DE102012214963A1 (de) * | 2012-08-23 | 2014-02-27 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Radiale Nockenwellendruckmittelübertragung |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004143971A (ja) * | 2002-10-22 | 2004-05-20 | Aisin Seiki Co Ltd | 弁開閉時期制御装置 |
JP2006299891A (ja) * | 2005-04-19 | 2006-11-02 | Denso Corp | 駆動力伝達装置およびそれを用いた内燃機関用バルブタイミング調整装置 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3567551B2 (ja) | 1995-10-20 | 2004-09-22 | 株式会社デンソー | 内燃機関用バルブタイミング調整装置 |
JP4217977B2 (ja) | 2004-09-09 | 2009-02-04 | 株式会社デンソー | バルブタイミング調整装置 |
-
2008
- 2008-02-07 JP JP2008027213A patent/JP2009185719A/ja active Pending
-
2009
- 2009-02-04 US US12/365,309 patent/US20090199799A1/en not_active Abandoned
- 2009-02-06 DE DE102009000688A patent/DE102009000688A1/de not_active Withdrawn
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004143971A (ja) * | 2002-10-22 | 2004-05-20 | Aisin Seiki Co Ltd | 弁開閉時期制御装置 |
JP2006299891A (ja) * | 2005-04-19 | 2006-11-02 | Denso Corp | 駆動力伝達装置およびそれを用いた内燃機関用バルブタイミング調整装置 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011163276A (ja) * | 2010-02-12 | 2011-08-25 | Mitsubishi Motors Corp | 可変動弁装置付エンジン |
JP2013209977A (ja) * | 2012-03-02 | 2013-10-10 | Aisin Seiki Co Ltd | 弁開閉時期制御装置 |
JP2013209976A (ja) * | 2012-03-02 | 2013-10-10 | Aisin Seiki Co Ltd | 弁開閉時期制御装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE102009000688A1 (de) | 2009-08-13 |
US20090199799A1 (en) | 2009-08-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8991346B2 (en) | Valve timing control apparatus | |
JP5759654B2 (ja) | 油圧バルブ | |
JP2009185719A (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
JP5574189B2 (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
US8955479B2 (en) | Variable valve timing control apparatus of internal combustion engine and method for assembling the same | |
JP2009185766A (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
JP2016044652A (ja) | バルブタイミング調整システム及びその製造方法 | |
JP2009068448A (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
JP2008069651A (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
JP2021085398A (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
JP2020128785A (ja) | 流体制御弁、および、これを用いたバルブタイミング調整装置 | |
JP5811358B2 (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
JP2021085401A (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
JP4853676B2 (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
JP2007023953A (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
JP2009180148A (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
US6935291B2 (en) | Variable valve timing controller | |
JP5601542B2 (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
JP7251878B2 (ja) | 流体制御弁、および、これを用いたバルブタイミング調整装置 | |
JP5842767B2 (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
JP2013087626A (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
JP4168450B2 (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
JP2008157176A (ja) | バルブタイミング調整装置 | |
US11692464B2 (en) | Valve timing adjustment device | |
JP4463186B2 (ja) | バルブタイミング調整装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090616 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091210 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20091217 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100402 |