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JP2009179864A - 耐応力緩和特性に優れた銅合金板 - Google Patents

耐応力緩和特性に優れた銅合金板 Download PDF

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Abstract

【課題】圧延方向に対して直角方向の耐応力緩和特性を満たし、他の端子・コネクタとしての要求特性にも優れたCu−Ni−Sn−P系銅合金板を提供することを目的とする。
【解決手段】特定組成のCu−Ni−Sn−P系の銅合金板であって、最終冷間圧延の圧下率を高めるとともに、この圧延の所要時間や最終低温焼鈍までの所要時間を意図的に短くし、3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡により測定された、少なくともNi原子かP原子かのいずれかを含む特定の原子の集合体を所定密度で含ませ、端子・コネクタ3としての要求特性である、圧延と直角方向の耐応力緩和特性を向上させ、圧延と平行方向の耐応力緩和特性との差(異方性)を小さくする。
【選択図】図2

Description

本発明は、耐応力緩和特性に優れた銅合金板に関し、特に、自動車用端子・コネクタなどの接続部品用として適する、耐応力緩和特性に優れた銅合金板に関する。
近年の自動車用端子・コネクタなどの接続部品には、エンジンルームのような高温環境下で信頼性を確保できる性能が求められる。この高温環境下での信頼性において最も重要な特性のひとつは、接点嵌合力の維持特性、いわゆる耐応力緩和特性である。
図2に、自動車用端子・コネクタなどの接続部品として、代表的な箱形コネクタ(メス端子3)の構造を示す。図2(a)は正面図、図2(b)は断面図を示す。この図2において、メス端子3は、上側ホルダー部4に押圧片5が片持ち支持されている。そしてホルダー内にオス端子(タブ)6が挿入されると、押圧片5が弾性変形し、その反力によりオス端子(タブ)6が固定される。なお、図2において、7はワイヤ接続部、8は固定用舌片である。
この図2のように、銅合金板からなるばね形状部品に定常の変位を与え、オス端子(タブ)6 をメス端子のばね形状をした接点(押圧片)5で嵌合しているような場合には、エンジンルームのような高温環境下に保持されていると、時間の経過とともに、その接点嵌合力を失っていく。したがって、耐応力緩和特性とは、これら接続部品が高温環境下に保持されても、銅合金板からなるばね形状部品の接点嵌合力が大きく低下しない、高温に対する抵抗特性である。
図1(a)、(b)に、この規格による耐応力緩和特性の試験装置を示す。この試験装置を用い、短冊状に切り出した試験片1の一端を剛体試験台2に固定し、他端を片持ち梁式に持ち上げて反らせ(反りの大きさd)、これを所定の温度及び時間で保持した後、室温下で除荷し、除荷後の反りの大きさ(永久歪み)をδとして求める。ここで、応力緩和率(RS)は、RS=(δ/d)×100で表される。
このような耐応力緩和特性に優れる銅合金としては、従来から、Cu−Ni−Si系銅合金、Cu−Ti系銅合金、Cu−Be系銅合金などが広く知られているが、最近では、添加元素量が比較的少ないCu−Ni−Sn−P系銅合金が使用されている。このCu−Ni−Sn−P系銅合金は、大気中への開口部が広く開いた大規模溶解炉であるシャフト炉での造塊が可能で、その高生産性ゆえに大幅な低コスト化が可能となる。
このCu−Ni−Sn−P系銅合金自体の耐応力緩和特性の向上策も、従来から種々提案されている。例えば、下記特許文献1、2には、Cu−Ni−Sn−P系銅合金マトリックス中にNi−P金属間化合物を均一微細に分散させ、導電率を向上させると同時に耐応力緩和特性等を向上させることが開示されている。
また、下記特許文献2、3には、Cu−Ni−Sn−P系銅合金のP含有量を下げて、Ni−P化合物の析出を抑えた固溶型銅合金とすることが開示されている。更に、下記特許文献4には、Cu−Ni−Sn−P系銅合金板製造の際の仕上げ焼鈍の実体温度と保持時間とを規定して、導電率を向上させると同時に耐応力緩和特性等を向上させることが開示されている。
更に、下記特許文献5では、Cu−Ni−Sn−P系合金において、目開きサイズ0.1μm のフィルターによる抽出残渣法により測定した、0.1μm 以下の微細なサイズのNi化合物を増加させる一方で、0.1μm を越える粗大なサイズのNi化合物を抑制し、圧延方向に対して直角方向の耐応力緩和特性を向上させる。より具体的には、0.1μm を越える粗大なサイズのNi化合物を銅合金中のNi含有量に対する割合で40%以下として、0.1μm 以下の微細なサイズのNi化合物を増加させている。
特許第2844120号公報 特許第3871064号公報 特開平11−293367号公報 特開2002−294368号公報 特開2007−107087号公報
ところで、圧延された(圧延によって得られた)銅合金板の応力緩和率には異方性があり、前記図2におけるメス端子3の長手方向が、素材銅合金板の圧延方向に対しどの方向を向いているかによって、応力緩和率が異なった値となる。これは、前記応力緩和率測定でも同様で、試験片の長手方向が、素材銅合金板の圧延方向に対しどの方向を向いているかによって、測定応力緩和率が異なった値となる。この点で、銅合金板の圧延方向に対して直角方向の方が、平行方向よりも応力緩和率が低くなりやすい。
この点、前記図2において、素材銅合金板をプレス加工してメス端子3を製造する際には、メス端子3の長手方向(押圧片5の長手方向)が圧延方向に対し直角方向を向くように板取りされる場合がある。高い耐応力緩和特性が要求されるのは、通常は、押圧片5の長さ方向への曲げ(弾性変形)に対してである。したがって、このように圧延方向に対し直角方向を向くように板取りされる場合には、銅合金板の圧延方向に対しては、平行方向ではなく、直角方向に高い耐応力緩和特性を有することが要求される。
このため、圧延方向に対して平行方向とともに、圧延方向に対して直角方向の応力緩和率が高ければ、素材銅合金板の板取り方向によらず、圧延方向に対して平行方向や直角方向のいずれの方向に板取りされた場合でも、端子・コネクタとしての耐応力緩和特性を満たすことができる。しかし、前記した特許文献1〜5では、未だ十分には、圧延方向に対して直角方向の応力緩和率を高められておらず、更なる向上が求められていた。
この点に鑑み、本発明は、端子・コネクタとして、圧延方向に対して平行方向とともに、圧延方向に対して直角方向の応力緩和率が高い、耐応力緩和特性に優れたCu−Ni−Sn−P系銅合金板を提供することを目的とする。
この目的を達成するための、本発明耐応力緩和特性に優れた銅合金板の要旨は、質量%で、Ni:0.1〜3.0%、Sn:0.01〜3.0%、P:0.01〜0.3%を各々含有し、残部銅および不可避的不純物からなる銅合金板であって、3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡により測定された原子の集合体を含み、この原子の集合体は、少なくともNi原子かP原子かのいずれかを含むとともに、これらNi原子とP原子との互いに隣り合う原子同士の距離が0.90nm以下であって、かつCu原子とNi原子とP原子との合計個数が15個以上、100個未満で構成されるものであり、この原子の集合体を5×105 個/μm3 以上の平均密度で含むこととする。
ここで、前記銅合金板が、更に、質量%で、Fe:0.5%以下、Zn:1%以下、Mn:0.1%以下、Si:0.1%以下、Mg:0.3%以下に規制することが好ましい。また、前記銅合金が、更に、Ca、Zr、Ag、Cr、Cd、Be、Ti、Co、Au、Ptの含有量を、これらの元素の合計で1.0質量%以下とすることが好ましい。更に、前記銅合金が、Hf、Th、Li、Na、K、Sr、Pd、W、S、C、Nb、Al、V、Y、Mo、Pb、In、Ga、Ge、As、Sb、Bi、Te、B、ミッシュメタルの含有量を、これらの元素の合計で0.1質量%以下とすることが好ましい。
本発明では、耐応力緩和特性向上の機構につき、転位論に基づき、室温および熱活性下での転位移動のピン止め力(ピン止め効果)を最大化する方法につき検討した。この結果、これまで前記した特許文献によって注目されていた、微細とは言ってもミクロンオーダーの析出物ではなく、これまでは全く注目されていなかった、更に、それよりも細かい、原子レベルでの原子の集合体(クラスター)を活用することに着想した。この原子の集合体は、超微細な析出物とも言うべきものであるが、原子レベルでの微細さゆえに、一般的に言う析出物のように、はっきりした結晶構造を持っているわけではない。したがって、本発明では、敢えて超微細析出物とは言わず、原子の集合体(クラスター)と称する。
そして、原子数10個分(直径5nm未満)の原子の集合体(クラスター)を、Cu−Ni−Sn−P系銅合金中に、高密度に分散させることで、室温および熱活性下での転位移動のピン止め力が最大化され、耐応力緩和特性が向上することを、理論的に導出した。
本発明者らは、更に、この事実を裏付けるべく、100個未満の原子構造分析が可能な、後述する3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡により、前記原子数10個分程度の原子の集合体(クラスター)の分析を試みた。即ち、圧延方向に対して直角方向の耐応力緩和特性が優劣相異なる、幾つかのCu−Ni−Sn−P系銅合金板につき、互いの前記原子の集合体の存在形態(存在状態)の違いを確かめた。
この結果、本発明が規定する前記原子の集合体の存在状態によって、他の材料条件に互いに差が無い、Cu−Ni−Sn−P系銅合金板同士の耐応力緩和特性が大きく異なることを知見した。即ち、本発明が規定する前記原子の集合体が多いほど、圧延方向に対して直角方向の耐応力緩和特性を向上させるとともに、圧延方向に対して平行方向あるいは直角方向などの特定の方向に対する異方性が小さくなる(圧延方向に対して平行方向と直角方向との耐応力緩和特性の差が小さくなる)。ここで、前記他の材料条件に差が無いとは、上記耐応力緩和特性の優劣が相異なる板の、互いの成分組成は勿論、通常のTEMやSEMなどの組織観察、あるいは抽出残渣法やX線回折などの分析によっても、互いに差が無いことを意味する。
ここで、本発明が規定する前記原子の集合体は、100個の原子からなったとしても、その大きさは、せいぜい50Å(オングストローム)程度である。したがって、現在、最大の倍率が20万倍の透過型電子顕微鏡(TEM)であっても、観察できる限界(検出限界)ギリギリか、限界以下である。また、銅合金板は、強度を増すために、冷間圧延上がりが最終の板製品であることが多く、冷間圧延による転位が多く入った試料では、転位か析出物かは判別しがたい。このため、前記最大倍率のTEMであっても、実際問題として、本発明が規定する前記原子の集合体を観察(検出)できない。
また、前記特許文献5のような、目開きサイズ0.1μm のフィルターによる抽出残渣法では、0.1μm 以下の微細なサイズの析出物か、0.1μm を越える粗大なサイズの析出物かは判別可能である。但し、0.1μm 以下の微細なサイズの析出物といっても、本発明が規定する100個未満の原子からなる原子の集合体か、それより大きな析出物か、あるいは固溶している元素かは、判別できない。
即ち、これらの事実は、上記耐応力緩和特性の優劣が相異なる板を、これらTEMやSEMなどの組織観察、あるいは抽出残渣法やX線回折などの分析を駆使して行っても、本発明が規定する前記原子の集合体の存在状態の違いまでは、とても検知できないことを意味する。また、前記最大倍率のTEMであっても、あるいは前記抽出残渣法であっても、本発明が規定する前記原子の集合体が存在するか否かさえ識別できないことも意味する。
一方で、この3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡による分析は、高密度化された磁気記録膜や電子デバイスの分析などに汎用されている。また、鋼材の分野でも組織分析に使用されている。例えば、特開2006−29786号公報では鋼材中の炭素含有微細析出物に含まれる元素の種類や量の分析に使用されている。また、特開2007−254766号公報では鋼材中の硫化物とFeとの界面のC量、N量の分析(原子/nm2 )にも使用されている。
しかし、本発明の銅合金分野では、この3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡が使用された例は皆無に等しい。これは、後述する製造条件の違いにより、前記した従来のCu−Ni−Sn−P系銅合金板には、本発明が規定する前記原子の集合体が元々少なくなることにも起因している。即ち、従来において、Cu−Ni−Sn−P系銅合金板に対して、例え、この3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡による分析を試みたとしても、元々数が少ない前記原子の集合体を検出する確率自体がかなり低くなってしまう。
また、本発明のように、耐応力緩和特性向上の機構につき、前記した転位論に基づき考察していく技術思想がなければ、銅合金板に対して、3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡による分析を試みる動機付けがそもそもない。従来において、銅合金分野で3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡による分析の使用例や、本発明が規定する前記原子の集合体に関する公知の記載がないのは、このような事情にも起因している。
(3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡)
本発明が規定する100個未満の原子からなる前記原子の集合体は、現時点では、公知の3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡を用いてのみ、測定可能である。3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡(3DAP:3D Atom Probe Field Ion Microscope 、以下3DAPとも略記する)は、電界イオン顕微鏡(FIM)に、飛行時間型質量分析器を取り付けたものである。このような構成により、電界イオン顕微鏡で金属表面の個々の原子を観察し、飛行時間質量分析により、これらの原子を同定することのできる局所分析装置である。また、3DAPは、試料から放出される原子の種類と位置とを同時に分析可能であるため、原子の集合体の構造解析上、非常に有効な手段となる。このため、前記した通り、磁気記録膜や電子デバイスあるいは鋼材の組織分析に使用されている。
3DAPでは、先端を針状に整形した試料に高電圧を印加し、先端に生じる高電界を利用して、この試料先端部分の原子構造を調べる。電界イオン顕微鏡(FIM)においては、まず真空チャンバー内に導入されたイメージングガスが、この試料先端近傍でイオン化し、試料の先端針状部の物質を継続的にイオン化する。これらイオン化した原子は、電界に導かれて、この試料に対向したマイクロチャネルプレートなどの検出器側に、順次移動し、結像する。
この検出器は、位置敏感型検出器であり、個々のイオンの質量分析(原子種である元素の同定)とともに、個々のイオンの検出器に至るまでの飛行時間を測定することによって、その検出された位置(原子構造位置)を同時に決定できるようにしたものである。したがって、3DAPは、前記試料先端の原子の位置及び原子種を同時に測定できるため、前記試料先端の原子構造を、3次元的に再構成、観察できる特長を有する。また、前記電界蒸発は、前記試料の先端面から順次起こっていくため、前記試料先端からの原子の深さ方向分布を原子レベルの分解能で調べることができる。
この3DAPは高電界を利用するため、分析する試料は、金属等の導電性が高いことが必要で、しかも、試料の形状は、一般的には、先端径が100nmφ前後あるいはそれ以下の極細の針状にする必要がある。このため、Cu−Ni−Sn−P系銅合金板の板厚中央部から試料を採取して、この試料を精密切削装置で切削および電解研磨して、分析用の前記極細の針状先端部を有する試料を作製する。測定方法としては、例えば、Imago Scientific Instruments社製の「LEAP3000X」を用いて、前記先端を針状に成形した銅合金板試料に、10kVオーダーの高パルス電圧を印加し、試料先端から数百万個の原子を継続的にイオン化して行う。測定領域は、前記試料先端径約50nmφの範囲で、試料先端からの深さ100nm程度までとする。イオンは、前記位置敏感型検出器によって検出し、前記パルス電圧を印加されて、前記試料先端から個々のイオンが飛び出してから、検出器に到達するまでの飛行時間から、イオンの質量分析(原子種である元素の同定)を行う。
更に、前記電界蒸発が、前記試料の先端面から順次規則的に起こっていく性質を利用して、イオンの到達場所を示す、2次元マップに適宜深さ方向の座標を与え、解析ソフトウエア「IVAS」を用いて、3次元マッピング(3次元での原子構造:アトムマップの構築)を行う。これによって、前記試料先端の3次元アトムマップが得られる。

そして、この3次元アトムマップを、更に、包絡分析法(DEA=Data Envelopment Analysis )を用いて解析する。即ち、この3次元アトムマップにおける、NiおよびP原子の隣り合う距離が0.90nm以下で、かつCu原子とNi原子とP原子との合計個数が15個以上、100個未満で構成されるものを、本発明が規定する原子の集合体(クラスター)として、その個数密度を測定、評価する。この原子の集合体密度測定は、前記試料数3個について行い、これらの結果を平均化する。
ここで、前記包絡分析法は「包絡分析法(Data Envelopment Analysis :DEA 法)に関する報告(ISDL Report No.20020202002、渡邉真也、廣安知之、三木光範)などに概要が記載されている通り、公知の手法(ソフトウエア)である。この包絡分析法は、多入力、多出力の多目的問題において、評価対象を効率という側面から評価するものである。即ち、(出力値の総和/入力値の総和)から導き出される効率の評価(重み付け)を行い、より少ない入力値からより多くの出力値を得る、分析や解析の効率化のための手法(ソフトウエア)である。この手法は、1978年にテキサス大学のCharnes らによって提案されて以来、上記3DAPのような金属分析だけではなく、企業、経営、事業の診断や、社会システム分析など、様々な分野で利用されている。
(3DAPによる原子の検出効率)
但し、これら3DAPによる原子の検出効率は、現在のところ、前記イオン化した原子のうちの50%程度が限界であり、残りの原子は検出できない。この3DAPによる原子の検出効率が、将来的に向上するなど、大きく変動すると、本発明が規定する原子の集合体の平均個数密度(個/μm3 )の3DAPによる測定結果が変動してくる可能性がある。したがって、この原子の集合体の平均個数密度の測定に再現性を持たせるためには、3DAPによる原子の検出効率は約50%と略一定にすることが好ましい。
(原子の集合体の定義)
本発明では、請求項で規定する原子の集合体(クラスター)を、少なくともNi原子かP原子かのいずれかを含むとともに、これらNi原子とP原子との互いに隣り合う原子同士の距離が0.90nm以下であって、かつCu原子とNi原子とP原子との合計個数が15個以上、100個未満で構成されるものと定義し、その平均個数密度(個/μm3 )を測定、評価する。ここで、前記した互いに隣り合う原子とは、Ni原子とP原子との異なる原子同士だけではなく、Ni原子同士、P原子同士でも良い。この点、例えばNi原子かP原子のいずれかが検出されずに0個であっても、Ni原子同士かP原子同士かのいずれかが、前記隣り合う距離(0.90nm以下)と、個数(15個以上、100個未満)とを満たせば、本発明で定義する原子の集合体とし、本発明で定義する原子の集合体として平均個数密度にカウントする。
したがって、前記した本発明で規定する原子の集合体(クラスター)とは、より具体的には、Ni原子とP原子の両方か、あるいはNi原子かP原子のいずれかの原子を必ず含む。そして、これらNi原子とP原子との異なる原子同士、Ni原子同士、P原子同士の、互いに隣り合う原子同士の距離が0.90nm以下で、かつCu原子とNi原子とP原子との合計個数が15個以上、100個未満で構成されるものを言う。それゆえ、前記3DAP分析により測定する際に、仮に、前記隣り合う距離内の原子の個数が前記個数密度を満たしていたとしても、この原子の集合体が、Ni原子やP原子をいずれも含まないものであれば、本発明が規定する原子の集合体ではなく、カウントしない。また、これらNi原子とP原子との互いに隣り合う原子同士の距離が、大きく離れすぎた場合には、原子の集合体であるとは言えない。
更に、銅合金の成分組成によっては、当然、Cu原子、Ni原子、P原子以外の、Sn、Feなどの原子(合金元素や不純物由来)が原子の集合体中に含まれ、これらその他の原子が3DAP分析によりカウントされる場合が必然的に生じる。しかし、そのようなSn、Fe、Zn、Mn、Si、Mgなどのその他の原子(合金元素や不純物由来)が原子の集合体に含まれるとしても、Cu、NiおよびP原子の総数に比べると少なく、多くても各々せいぜい数個レベルである。それゆえ、このような、その他の原子を集合体中に含む場合でも、前記Ni、P原子の規定距離と、前記Cu、Ni、P原子の規定合計個数の条件を満たすものは、本発明の原子の集合体として、Cu、Ni、P原子のみからなる原子の集合体と同様に機能する。したがって、前記した隣り合う距離内の原子の個数密度を満たす場合は、その他の原子を集合体中に含む場合でも、本発明の原子の集合体としてカウントし、前記した隣り合う距離内の原子の個数密度条件を満たさない場合は、本発明の原子の集合体とはせず、カウントしない。
本発明の原子の集合体としては、Cu―Ni―P、Cu―Ni、Cu―P、Ni―P、Niのみ、Pのみの6種類の組み合わせがある。ただ、実際に、後述する適正条件にて製造した銅合金板を、前記3DAP分析してカウントされる本発明の原子の集合体としては、Cu―Ni―Pが大部分で、Cu―Niは少量であり、その他の種類はあまり観察(カウント)されない。このような本発明の原子の集合体は、後述する通り、最終冷間圧延前の焼鈍における冷却過程と最終冷間圧延にて生成した原子の集合体の核となる原子空孔に、最終低温焼鈍において、Cu、Ni、Pの原子が拡散して閉塞(トラップ)して生成する。
(原子の集合体規定の意義)
本発明では、以上のような定義によって規定され、前記3DAP分析により測定される原子の集合体を、Cu−Ni−Sn−P系銅合金板組織中に、5×105 個/μm3 以上の平均密度で含むこととする。これによって、Cu−Ni−Sn−P系銅合金板の耐応力緩和特性を向上させることができる。即ち、本発明が規定する前記原子の集合体が多いほど、圧延方向に対して直角方向の耐応力緩和特性を向上させるとともに、圧延方向に対して平行方向あるいは直角方向などの特定の方向に対する異方性が小さくなる(圧延方向に対して平行方向と直角方向との耐応力緩和特性の差が小さくなる)。
これに対して、この原子の集合体が5×105 個/μm3 未満の平均密度では、原子の集合体が少なすぎて、室温および熱活性下での転位移動のピン止め力を最大化できなくなる。このため、Cu−Ni−Sn−P系銅合金板の前記耐応力緩和特性を向上できなくなる。
ここで、本発明の原子の集合体の、Cu原子とNi原子とP原子との合計個数を15個以上、100個未満としたのは、この合計個数が15個未満では、サイズが10Å未満となり、小さすぎて、室温および熱活性下での転位移動のピン止め力が小さくなるからである。一方で、この原子の集合体を構成する、Cu原子とNi原子とP原子との合計個数が100個以上では、原子の集合体が粗大すぎて、耐応力緩和特性を向上させる、室温および熱活性下での転位移動のピン止め力を最大化する効果が少なくなるからである。
(銅合金成分組成)
次に、本発明銅合金の成分組成につき、以下に説明する。本発明では、銅合金の成分組成を、前提として、前記した通り、シャフト炉造塊が可能で、その高生産性ゆえに大幅な低コスト化が可能なCu−Ni−Sn−P系銅合金とする。
そして、この銅合金が、成分組成の面から、前記高効率化、高速化した自動車用端子・コネクタなどの接続部品を製造するプレス成形工程などに対応し、自動車用端子・コネクタなどの接続部品としての要求特性をも満たす、強度、耐応力緩和特性、導電率にも優れたものとする。このために、Cu−Ni−Sn−P系銅合金の成分組成を、Ni:0.1〜3.0%、Sn:0.01〜3.0%、P:0.01〜0.3%を各々含有し、残部銅および不可避的不純物からなるものとする。なお、各元素の含有量の%表示は、全て質量%の意味である。以下に銅合金の合金元素につき、その添加理由や抑制理由について説明する。
(Ni)
Niは、Pとともに、本発明が規定する前記100個未満の原子からなる原子の集合体を形成して、強度や耐応力緩和特性を向上させる重要元素である。また、それ以外でも、通常通り、銅合金マトリックス中に固溶あるいはPなどの他の合金元素と微細な析出物や化合物を形成して、強度や耐応力緩和特性を向上させるのに必要な元素である。
Niの含有量が0.1%未満では、後述する最適な本発明製造方法によっても、本発明が規定する前記100個未満の原子からなる原子の集合体の密度が不足し、耐応力緩和特性が低下する。また、これよりも大きなNi化合物量やNiの固溶量の絶対量も不足し、やはり強度や耐応力緩和特性が低下する。このため、Niの含有量は0.1%以上、好ましくは0.3%以上の含有が必要である。
但し、3.0%を超えて、より厳しくは2.0%を超えて、Niを過剰に含有させると、Niの酸化物、晶出物、析出物などの化合物が粗大化、あるいは粗大なNi化合物が増大する一方で、微細なNi化合物量やNiの固溶量が低下する。また、これらの粗大化したNi化合物は、破壊の起点となる。これらの結果、却って、耐応力緩和特性が低下するし、強度や曲げ加工性も低下する。したがって、Niの含有量は0.1〜3.0%の範囲、好ましくは0.3〜2.0%の範囲とする。
(Sn)
Snは、銅合金マトリックス中に固溶して強度を向上させる。更に固溶しているSnは焼鈍中の再結晶による軟化や応力緩和を抑制する。Sn含有量が0.01%未満では、Snが少な過ぎて、応力緩和を抑制できない。一方、Sn含有量が3.0%を超えると、導電率が著しく低下して、30%IACS以上の導電率が達成できないだけでなく、前記固溶しているSnが結晶粒界に偏析して、強度や曲げ加工性も低下する。したがって、Snの含有量は0.01〜3.0%の範囲、好ましくは0.1〜2.0%の範囲とする。
(P)
Pは、Niと本発明が規定する前記100個未満の原子からなる原子の集合体を形成して、強度や耐応力緩和特性を向上させる重要元素である。また、それ以外でも、通常、Niなどの他の元素と微細な析出物を形成して、強度や耐応力緩和特性を向上させるのに必要な元素である。また、Pは脱酸剤としても作用する。Pの含有量が0.01%未満では、最適な本発明製造方法によっても、本発明が規定する前記100個未満の原子からなる原子の集合体の密度が不足し、耐応力緩和特性が低下する。また、これよりも大きなP系の析出物粒子も不足し、耐応力緩和特性が低下するため、0.01%以上の含有が必要である。但し、0.3%を超えて過剰に含有させると、P化合物が粗大化し、却って耐応力緩和特性が低下するし、強度や熱間加工性も低下する。したがって、Pの含有量は0.01〜0.3%の範囲とする。好ましくは、0.02〜0.2%の範囲とする。
(Fe、Zn、Mn、Si、Mg)
Fe、Zn、Mn、Si、Mgは、スクラップなどの溶解原料から混入しやすい不純物である。これらの元素は、各々の含有効果があるものの、総じて導電率を低下させる。また、含有量が多くなると、シャフト炉で造塊しにくくなる。したがって、高い導電率を得る場合には、各々、Fe:0.5%以下、Zn:1%以下、Mn:0.1%以下、Si:0.1%以下、Mg:0.3%以下と規制する。一方、Fe、Zn、Mn、Si、Mgには後述する含有効果もあり、また、これらFe、Zn、Mn、Si、Mgを低減すればするほど、溶解コストも高くなる。したがって、本発明では、これらFe、Zn、Mn、Si、Mgについて、上記上限値以下の含有は許容する。
Feは、Snと同様に、銅合金の再結晶温度を高める。しかし、0.5%を超えると導電率が低下する。好ましくは、0.3%以下とする。Znは、錫めっきの剥離を防止する。しかし、1%を超えると導電率が低下して高導電率を得られない。また、シャフト炉で造塊する場合は0.05%以下が望ましい。そして、自動車用端子として使用する温度領域(約150〜180℃)であれば、0.05%以下の含有でも錫めっきの剥離を防止できる効果がある。Mn、Siには脱酸剤としての効果がある。しかし、0.1%を超えると、導電率が低下して高導電率を得られない。また、シャフト炉で造塊する場合には、更に、Mn:0.001%以下、Si:0.002%以下と各々することが望ましい。Mgは耐応力緩和特性を向上させる作用がある。しかし、0.3%を超えると、導電率が低下して高導電率を得られない。また、シャフト炉で造塊する場合には、0.001%以下が望ましい。
(Ca、Zr、Ag、Cr、Cd、Be、Ti、Co、Au、Pt)
本発明銅合金は、更に、不純物として、Ca、Zr、Ag、Cr、Cd、Be、Ti、Co、Au、Ptを、これらの元素の合計で1.0%以下含有することを許容する。これらの元素は、結晶粒の粗大化を防止する作用があるが、これらの元素の合計で1.0%を越えた場合、導電率が低下して高導電率を得られない。また、シャフト炉で造塊しにくくなる。
この他、Hf、Th、Li、Na、K、Sr、Pd、W、S、C、Nb、Al、V、Y、Mo、Pb、In、Ga、Ge、As、Sb、Bi、Te、B、ミッシュメタルも不純物であり、これらの元素の合計で0.1%以下に制限することが好ましい。
(銅合金板製造方法)
次に、本発明銅合金板の製造方法について以下に説明する。本発明銅合金板の製造工程自体は、仕上げ焼鈍工程の条件を除き、常法により製造できる。即ち、成分組成を調整した銅合金溶湯の鋳造、鋳塊面削、均熱、熱間圧延、そして冷間圧延と焼鈍の繰り返しにより最終(製品)板を得る。但し、本発明銅合金板が、強度、耐応力緩和特性などの必要な特性を得るためには、好ましい製造条件があり、以下に各々説明する。
本発明が規定する前記100個未満の原子からなる原子の集合体は、銅合金板の製造工程における、最終の低温焼鈍で生成させる。このため、最終の低温焼鈍で、本発明が規定する前記原子の集合体の密度を満たす銅合金板の組織とするためには、後述する通り、前工程である、仕上げ焼鈍=最終冷間圧延前の焼鈍条件、最終の冷間圧延の条件、更には、仕上げ焼鈍から最終の低温焼鈍までの時間を調整する必要がある。
即ち、後述する通り、前記仕上げ焼鈍における室温までの平均冷却速度を大きく(速く)するとともに、この仕上げ焼鈍後から最終の冷間圧延開始までの所要時間(板が室温で保持される時間)を短くする必要がある。また、最終の冷間圧延の圧下率を大きくするとともに、この最終の冷間圧延終了後から最終の低温焼鈍開始までの所要時間について、室温で保持される時間を短くする必要がある。
先ず、前記した本発明銅合金組成の鋳造の際には、大規模溶解炉であるシャフト炉での高生産性な造塊が可能である。但し、銅合金溶解炉での合金元素の添加完了から鋳造開始までの所要時間を1200秒以内とし、更に、鋳塊の加熱炉より鋳塊を抽出してから熱延終了までの所要時間を1200秒以下と、できるだけ短時間とすることが好ましい。
このような、銅合金溶解炉での合金元素の添加完了から鋳造開始までの短時間化と、更に、鋳塊の加熱炉より鋳塊を抽出してから熱間圧延終了までの短時間化によって、粗大なNi化合物を抑制するとともに、微細なNi化合物量やNiの固溶量を確保することができる。この結果、銅合金板の、導電率、耐応力緩和特性、強度を確保できる。
なお、後段の主に冷延条件、焼鈍条件により、本発明が規定する前記100個未満の原子からなる原子の集合体の密度や、微細なNi化合物量やNiの固溶量を制御しようとしても、熱間圧延終了までの上記前段の工程において、微細なNi化合物量やNiの固溶量の絶対量が少なくなっている。更に、上記前段の工程において生成した粗大なNi化合物が多い場合には、冷延、焼鈍工程で析出した微細生成物は、この粗大生成物にトラップされてしまい、マトリックス中に独立して存在する微細生成物はますます少なくなる。このため、Niの添加量が多い割には、十分な強度と優れた耐応力緩和特性を得ることができなくなる可能性がある。
熱間圧延については、常法に従えばよく、熱間圧延の入り側温度は600〜1000℃程度、終了温度は600〜850℃程度とされる。熱間圧延後は水冷又は放冷する。
その後、熱延板を一次冷間圧延(粗冷間圧延、中延べ冷間圧延)→仕上げ焼鈍(最終冷間圧延前の焼鈍)→最終冷延→最終低温焼鈍を行なって、銅合金薄板を製造する。一次冷間圧延(粗冷間圧延、中延べ冷間圧延)では、冷間圧延と焼鈍とを、板厚に応じて、適宜繰り返されても良い。
(仕上げ焼鈍=最終冷間圧延前の焼鈍)
仕上げ焼鈍焼鈍は、板の実体温度として、最高到達温度が500〜800℃の範囲で行い、その温度から室温までの平均冷却速度を100℃/s以上とする。この平均冷却速度を100℃/s以上とすることで、続く最終冷延における圧下率を60%以上とすることと合わせて、最終の低温焼鈍で生成させる前記原子の集合体の核となる原子空孔の数が増加する。反対に、この平均冷却速度が小さければ(遅ければ)、続く、最終冷間圧延の圧下率を60%以上としても、本発明が規定する前記原子の集合体の核となる原子空孔の数が減少、不足する。この結果、最終低温焼鈍における前記原子の集合体の生成数が減少し、本発明が規定する前記原子の集合体の密度を満たす銅合金板の組織とすることができなくなる可能性が高くなる。
(最終冷間圧延)
最終冷間圧延は通常の3〜4回のパス数で行なう。但し、本発明が規定する前記100個未満の原子からなる原子の集合体の密度を満たす、銅合金板の組織とするためには、先ず、最終の冷間圧延の圧下率を60%以上と大きくする。これによって、本発明が規定する前記原子の集合体の核となる原子空孔の数が増加し、後の最終の低温焼鈍で、前記原子の集合体が生成して、本発明が規定する前記原子の集合体の密度を満たす銅合金板の組織とすることができる。一方、最終の冷間圧延の圧下率が60%未満では、それまでの前記一次冷間圧延の圧下率が、例え60%以上であっても、本発明が規定する前記原子の集合体の核となる原子空孔の数が減少、不足して、最終の低温焼鈍における前記原子の集合体の生成数が減少し、本発明が規定する前記原子の集合体の密度を満たす銅合金板の組織とすることができなくなる。
(最終低温焼鈍までの所要時間)
また、最終低温焼鈍において、銅合金板の組織を、本発明が規定する前記原子の集合体の密度を満たすものとするためには、これらの各工程条件に加えて、これら各工程間における、板が室温で保持される所要時間を、それぞれについて60分以内の短時間とし、最終低温焼鈍までの時間をできるだけ短くする必要がある。
即ち、先ず、前記仕上げ焼鈍後から最終の冷間圧延までの、前記仕上げ焼鈍後の冷却による板の室温到達時から最終の冷間圧延の1パス目の開始までの所要時間を60分以内と短くする必要がある。また、この最終の冷間圧延終了後(最終パス終了後)から、最終の低温焼鈍(板の昇温)開始までの所要時間を60分以内の短時間とする必要がある。
これら工程間それぞれにおける、板の室温で保持される時間が各々60分を超えると、最終低温焼鈍までの時間、即ち、板が室温で保持される時間が長くなる。このため、本来のCu原子やNi原子あるいはP原子ではなく、特に拡散の速いH原子やC原子、O原子などにより、前記原子の集合体の核となる原子空孔の閉塞(トラップ)が大きく進む。即ち、このH原子やC原子、O原子などによるトラップは、前記した板の室温での保持時間に比例して進行するため、それぞれの工程での、室温で保持される時間が長くなるほど、本来のCu原子やNi原子やP原子がトラップする、原子の集合体の核となる原子空孔の数が減少していく。
このため、前記したそれぞれの工程間での所要時間(板が室温で保持される時間)が各々60分を超えると、例え、最終の低温圧延前の焼鈍における室温までの平均冷却速度を100℃/s以上、最終冷間圧延の圧下率を60%以上としても、本発明が規定する前記原子の集合体の核となる原子空孔の数が減少、不足する。この結果、最終低温焼鈍における前記原子の集合体の生成数が減少し、本発明が規定する前記原子の集合体の密度を満たす銅合金板の組織とすることができなくなる。なお、最終冷間圧延工程は、リバース圧延などにより、短時間(数分)にて上記パス数の圧延が完了し、しかも圧下をかけた状態であるので、前記原子の集合体の核となる原子空孔の閉塞は進まず、板の室温で保持される所要時間としては、問題としない。
これらの工程間での室温での板の保持時間の短縮は、これを優先して、意識的に行わない限り、他の多数の優先事項や、他のロットや工程との兼ね合いで、必然的に長くなる。したがって、通常の、あるいは従来の製造方法では、これらの工程間での室温での板の保持時間の短縮は、他の多数の優先事項や、他のロットや工程との兼ね合いで、優先されないために、必然的に数時間の単位で長くなる。したがって、通常の、あるいは従来の製造方法では、必然的と言って良いほど、これらそれぞれの工程間での、板の室温で保持される時間が各々60分を超えて長くなる。この結果、最終低温焼鈍における前記原子の集合体の生成数が必然的に減少し、本発明が規定する前記原子の集合体の密度を満たす銅合金板の組織とすることができなくなる。
なお、このような原子空孔へのH原子やC原子、O原子などの拡散、トラップを阻止するためには、液体窒素によって冷却するなどして、銅合金板を、室温ではなく、極低温に保持すれば良い。しかし、このような極低温への冷却は、現在のところ、銅合金板の製造方法としては現実的ではない。したがって、通常の板の製造工程では、板が室温で保持される、前記仕上げ焼鈍後から最終の冷間圧延までの所要時間と、この最終冷間圧延後に最終の低温焼鈍を開始するまでの所要時間を、各々60分以内の短時間とする。
(最終低温焼鈍)
最終の低温焼鈍において、本発明が規定する前記100個未満の原子からなる原子の集合体を生成させる。最終の低温での焼鈍においては、原子の集合体の核となる原子空孔を、Cu、Ni、Pの各原子の拡散によって閉塞(トラップ)させ、前記原子の集合体を生成させ、本発明が規定する前記原子の集合体の密度を満たす銅合金板の組織とする。この最終の低温焼鈍は、連続焼鈍炉(実体温度200〜500℃で10〜60秒程度)、バッチ焼鈍炉(実体温度100〜400℃で1〜20時間程度)のどちらでも可能である。
以下に本発明の実施例を説明する。前記した好ましい製造条件により、本発明が規定する前記100個未満の原子からなる超微細析出物の密度が種々異なる銅合金薄板を製造した。そして、これら各銅合金薄板の、導電率、引張強度、0.2%耐力、耐応力緩和特性などの諸特性を評価した。
具体的には、表1に示す各化学成分組成の銅合金(記載元素量を除いた残部組成はCu)を、それぞれコアレス炉にて溶製した後、半連続鋳造法(鋳造の冷却凝固速度2℃/sec)で造塊して、厚さ70mm×幅200mm×長さ500mmの鋳塊を得た。これら各鋳塊を、共通して、以下の条件にて圧延して銅合金薄板を製造した。即ち、各鋳塊の表面を面削して加熱後、加熱炉で960℃で加熱した後、直ちに熱延終了温度750℃で熱間圧延を行って、厚さ10〜20mmの板とし、650℃以上の温度から水中に急冷した。
この際、溶解炉での合金元素添加完了から鋳造開始までの所要時間は、各例とも共通して1200秒以下とし、加熱炉抽出から熱延終了までの所要時間は、各例とも共通して1200秒以下とした。
この熱延板を、酸化スケールを除去した後、一次冷間圧延→仕上げ焼鈍→最終冷延→最終低温焼鈍を行なって、銅合金薄板を製造した。即ち、熱延板を一次冷間圧延(粗冷間圧延、中延べ冷間圧延)し、一次冷延後の板を面削して、この板の仕上げ焼鈍を、焼鈍炉にて、板の実体温度として最高到達温度を600℃とし、この温度から室温までの平均冷却速度を表2に示すように種々変えた。また、この仕上げ焼鈍後の冷却による板の室温到達時から最終の冷間圧延の1パス目の開始までの所要時間も、表2のように種々変えた。
この後に、圧下率を表2のように種々変えた最終冷間圧延を行った。この最終冷間圧延では、最終的な板厚は、各例とも共通して、0.25mmとした。即ち、表2に示す最終冷間圧延の圧下率は、その前工程である、熱間圧延上がり、一次冷間圧延上がりの各板厚で制御し、各例とも最終冷間圧延される(最終冷間圧延前の)板厚を種々変えることによって行った。
そして、この最終冷間圧延の最終パス終了直後から、最終低温焼鈍を開始する(板が加熱開始される)までの時間も、表2のように種々変えた。この最終低温焼鈍は、焼鈍温度(実体温度:板の最高到達温度)のみを、表2に示すような値に種々変えて、その温度で30秒保持した。そして、この最終低温焼鈍によって、銅合金製品薄板(各例とも板厚は共通して0.25mm)を得た。
なお、表1に示す各銅合金とも、記載元素量を除いた残部組成はCuであり、その他の不純物元素として、Aグループの元素である、Ca、Zr、Ag、Cr、Cd、Be、Ti、Co、Au、Ptの含有量は、表1の発明例9(表2、3の発明例15)を除き、各例とも共通して、これらの元素の合計で1.0質量%以下であった。また、Bグループの元素である、Hf、Th、Li、Na、K、Sr、Pd、W、S、Si、C、Nb、Al、V、Y、Mo、Pb、In、Ga、Ge、As、Sb、Bi、Te、B、ミッシュメタルの含有量は、表1の発明例10(表2、3の発明例16)を除いて、各例とも共通して、これらの元素全体の合計で0.1質量%以下であった。
このようにして得た銅合金板に対して、各例とも、銅合金板から試料を切り出し、各試料の組織、導電率、引張強度、0.2%耐力、耐応力緩和特性などの諸特性を評価した。これらの結果を表3に各々示す。
(組織の測定)
得た銅合金板の任意の位置の板中央部から採取した銅合金板試料3個について、前記した3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡と分析解析ソフトとを用いた、前記測定条件方法により、少なくともNi原子かP原子かのいずれかを含むとともに、これらNi原子とP原子との互いに隣り合う原子同士の距離が0.90nm以下であって、かつCu原子とNi原子とP原子との合計個数が15個以上、100個未満で構成される原子の集合体の平均密度(×105 個/μm3 )を求めた。なお、各例とも共通して、検出した原子の集合体は、Cu、Ni、P原子以外の原子:Sn、Fe、Zn、Mn、Si、Mgを集合体中に各々数個(1〜2個)のレベルで含んでいるものもあったが、前記Ni、P原子の規定距離と、前記Cu、Ni、P原子の規定合計個数の条件を満たす原子の集合体は、本発明の原子の集合体としてカウントした。
(平均結晶粒径の測定)
なお、FESEM/EBSPを用いた結晶方位解析方法により、各銅合金板試料の平均結晶粒径を測定した結果、各発明例、各比較例とも共通して、平均結晶粒径は5.0μm以下と微細であった。なお、試験片の測定箇所は、共通して、板の任意の位置の板中央部3箇所として、これら3箇所の各平均結晶粒径の測定値を平均化して、平均結晶粒径とした。
(引張試験)
前記銅合金薄板から試験片を採取し、試験片長手方向が板材の圧延方向に対し直角方向となるように、機械加工にてJIS5号引張試験片を作製した。そして、5882型インストロン社製万能試験機により、室温、試験速度10.0mm/min、GL=50mmの条件で、伸びを含めた、機械的な特性を測定した。なお、耐力は永久伸び0.2%に相当する引張り強さである。
(導電率測定)
前記銅合金薄板から試料を採取し、導電率を測定した。銅合金板試料の導電率は、ミーリングにより、幅10mm×長さ300mm の短冊状の試験片を加工し、JIS−H0505に規定されている非鉄金属材料導電率測定法に準拠し、ダブルブリッジ式抵抗測定装置により電気抵抗を測定して、平均断面積法により導電率を算出した。
(応力緩和特性)
前記銅合金薄板の、圧延方向に対して、平行方向と、平行方向より厳しい直角方向の応力緩和率を各々測定し、この方向の耐応力緩和特性を評価した。下記応力緩和率測定試験において、圧延方向に対して平行方向と直角方向の応力緩和率がいずれも10%未満で、この平行方向と直角方向の応力緩和率の差が3%以内のものが、耐応力緩和特性として合格となる。
応力緩和率は、具体的には、前記銅合金薄板から試験片を採取し、図1に示す片持ち梁方式を用いて測定した。幅10mmの短冊状試験片1(長さ方向が板材の圧延方向に対し直角方向になるもの)を切り出し、その一端を剛体試験台2に固定し、試験片1のスパン長Lの部分にd(=10mm)の大きさのたわみ量を与える。このとき、材料耐力の80%に相当する表面応力が材料に負荷されるようにLを決める。これを120℃のオーブン中に3000時間保持した後に取り出し、たわみ量dを取り去ったときの永久歪みδを測定し、RS=(δ/d)×100で応力緩和率(RS: %)を計算する。
表1、2から明らかな通り、表1の本発明組成内の銅合金(合金番号1〜10)である発明例は、特に、最終の低温圧延前の焼鈍を500〜800℃の範囲で行い、その温度から室温までの平均冷却速度を100℃/s以上としている。また、最終の冷間圧延の圧下率を60%以上とし、前記した仕上げ焼鈍後から最終の冷間圧延開始までの所要時間と、前記したこの最終の冷間圧延後から最終の低温焼鈍までの所要時間、それぞれについて、これら室温で保持される時間を60分以内として製造されている。また、前記した他の好ましい製造条件も満たしている。
このため、表3から明らかな通り、発明例は、3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡により測定された、本発明の前記原子の集合体を5×105 個/μm3 以上の平均密度で含む。
また、この他、発明例は、組成範囲が適切で、また上記した好ましい条件内で製造されているために、粗大なNiの酸化物、晶出物、析出物などのNi化合物が抑制され、前記原子の集合体以外の、比較的大きな微細なNi化合物などの量や、Niの固溶量を確保できているものと推考される。
この結果、発明例は、導電率が30%IACS以上で、圧延方向に対し直角方向のより厳しい応力緩和率が10%未満である端子・コネクタ特性を有している。また、圧延方向に対し直角方向と平行方向の応力緩和率の差も2〜3%程度と少ない。そして、その上で、更に、0.2%耐力が500MPa以上である機械的特性を有する。即ち、発明例は、導電率、強度が高く、特に耐応力緩和特性に優れ、これら特性を兼備した銅合金板となっている。
ただ、表2、3の発明例の中でも、その他の元素量が前記した好ましい上限を越える発明例15、16(表1の合金番号9、10)は、他の発明例に比して、導電率が比較的低くなっている。発明例15は、前記元素Aグループの元素の合計が、表1の合金番号9の通り、前記した好ましい上限1.0質量%を越えて高い。発明例16は、前記元素Bグループの元素の合計が、表1の合金番号10の通り、前記した好ましい上限0.1質量%を越えて高い。
表2、3の発明例9(表1の合金番号3)はNi含有量が下限値0.1%である。発明例10(表1の合金番号4)はNi含有量が上限値3.0%である。発明例11(表1の合金番号5)はSn含有量が下限値0.01%である。発明例12(表1の合金番号6)はSn含有量が上限値3.0%である。発明例13(表1の合金番号7)はP含有量が下限値0.01%である。発明例14(表1の合金番号8)はP含有量が上限値0.3%である。
また、表2の発明例2〜4、6〜8は、仕上げ焼鈍後の冷却速度が100℃/s以上だが比較的小さいか、最終の冷間圧延の圧下率が60%以上だが比較的低いか、最終の低温焼鈍までの各工程間の所要時間が各々60分以内だが比較的長い。したがって、これら以外の条件が同じで、最終の冷間圧延の圧下率が比較的高く、最終の低温焼鈍までの各工程間の所要時間が比較的短い、表2の発明例1、5よりも、表3の通り、本発明の原子の集合体の平均密度が比較的小さい。この結果、これら発明例は、発明例1、5よりも、各々耐応力緩和特性、強度が比較的低い。
これに対して、表2、3の比較例17〜22は、製造方法が好ましい条件内で製造されている。にもかかわらず、これら比較例は、表1の合金番号11〜16の本発明組成外の銅合金を用いているために、本発明の原子の集合体の平均密度などの組織が外れ、また、例え、この組織が範囲内であっても、導電率、強度、耐応力緩和特性のいずれかが、発明例に比して著しく劣る。
比較例17はNiの含有量が下限を低めに外れている(表1の合金番号11)。このため、強度や耐応力緩和特性が低い。比較例18はNiの含有量が上限を高めに外れている(表1の合金番号12)。このため、強度と導電率のバランスが低い。
比較例19はSnの含有量が下限を低めに外れている(表1の合金番号13)ため、強度、耐応力緩和特性が低すぎる。比較例20の銅合金はSnの含有量が上限を高めに外れている(表1の合金番号14)ため、導電率が低い。
比較例21はPの含有量が下限を低めに外れている(表1の合金番号15)ため、強度、耐応力緩和特性が低い。比較例22はPの含有量が上限を高めに外れている(表1の合金番号16)ため、熱間圧延中に割れを生じて、特性評価ができなかった。
表2の比較例23〜31は通常あるいは従来の製造方法を模擬している。即ち、表1の本発明組成内の銅合金(合金番号1、2)であり、他の製造条件も発明例と同じく好ましい範囲内である。ただ、前記発明例と異なり、表2に示すように、仕上げ焼鈍後の室温までの平均冷却速度が低すぎるか、最終の冷間圧延の圧下率が低過ぎるか、最終の低温焼鈍までの各工程間の所要時間が長過ぎる。これによって、これら以外の条件が同じ、表2の発明例1、5よりも、表3の通り、本発明の原子の集合体の平均密度が本発明範囲を外れて小さ過ぎる。
これら比較例23〜31は、組成範囲が適切で、前記本発明の原子の集合体生成のための好ましい製造条件以外の、他の製造条件は、発明例と同じく好ましい範囲で製造されている。このため、粗大なNiの酸化物、晶出物、析出物などのNi化合物が抑制され、比較的大きな微細なNi化合物などの量や、Niの固溶量を確保できているものと推考される。しかし、これら比較例は、表3の通り、本発明の原子の集合体の平均密度が本発明範囲を外れて小さ過ぎるため、発明例1、5よりも、各々耐応力緩和特性が著しく低い。即ち、これら比較例は、圧延方向に対して直角方向の耐応力緩和特性が発明例に比して著しく劣る。また、圧延方向に対して直角方向の応力緩和率と、圧延方向に対して平行方向の応力緩和率との差も大きい。
表2の比較例31は最終の低温焼鈍温度が低すぎ、最終の低温焼鈍をしない場合と同等となっている。これによって、これら以外の条件が同じ、表2の発明例5よりも、表3の通り、本発明の原子の集合体の平均密度が本発明範囲を外れて小さ過ぎる。この結果、比較例31は、発明例5よりも、各々耐応力緩和特性が著しく低く、圧延方向に対して直角方向の応力緩和率と、圧延方向に対して平行方向の応力緩和率との差も大きい。
以上の結果から、圧延方向に対して直角方向の耐応力緩和特性を満たし、圧延方向に対して平行方向の耐応力緩和特性とに差があまりなく、他の端子・コネクタとしての要求特性にも優れたCu−Ni−Sn−P系銅合金板を得るための、本発明銅合金板の成分組成、組織、更には、この組織を得るための好ましい製造条件の意義が裏付けられる。
Figure 2009179864
Figure 2009179864
Figure 2009179864
以上説明したように、本発明によれば、圧延方向に対して直角方向の耐応力緩和特性を満たし、圧延方向に対して平行方向の耐応力緩和特性とに差があまりなく、他の端子・コネクタとしての要求特性にも優れたCu−Ni−Sn−P系銅合金板を提供することができる。この結果、特に自動車用端子・コネクタなどの接続部品用として好適である。
銅合金板の耐応力緩和試験を説明する断面図である。 箱形コネクタの構造を示す断面図である。
符号の説明
1:試験片、2:試験台、3:箱形コネクタ(メス端子)、4:上側ホルダー部、5:押圧片、6:オス端子、7:ワイヤ接続部、8:固定用舌片

Claims (4)

  1. 質量%で、Ni:0.1〜3.0%、Sn:0.01〜3.0%、P:0.01〜0.3%を各々含有し、残部銅および不可避的不純物からなる銅合金板であって、3次元アトムプローブ電界イオン顕微鏡により測定された原子の集合体を含み、この原子の集合体は、少なくともNi原子かP原子かのいずれかを含むとともに、これらNi原子とP原子との互いに隣り合う原子同士の距離が0.90nm以下であって、かつCu原子とNi原子とP原子との合計個数が15個以上、100個未満で構成されるものであり、この原子の集合体を5×105 個/μm3 以上の平均密度で含むことを特徴とする耐応力緩和特性に優れた銅合金板。
  2. 前記銅合金板が、更に、質量%で、Fe:0.5%以下、Zn:1%以下、Mn:0.1%以下、Si:0.1%以下、Mg:0.3%以下とした請求項1に記載の耐応力緩和特性に優れた銅合金板。
  3. 前記銅合金板が、更に、Ca、Zr、Ag、Cr、Cd、Be、Ti、Co、Au、Ptの含有量を、これらの元素の合計で1.0質量%以下とした請求項1または2に記載の耐応力緩和特性に優れた銅合金板。
  4. 前記銅合金板が、Hf、Th、Li、Na、K、Sr、Pd、W、S、C、Nb、Al、V、Y、Mo、Pb、In、Ga、Ge、As、Sb、Bi、Te、B、ミッシュメタルの含有量を、これらの元素の合計で0.1質量%以下とした請求項1乃至3のいずれか1項に記載の耐応力緩和特性に優れた銅合金板。
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