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JP2009173851A - つや出し剤及び硬質表面用清掃シート - Google Patents

つや出し剤及び硬質表面用清掃シート Download PDF

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JP2009173851A JP2008147536A JP2008147536A JP2009173851A JP 2009173851 A JP2009173851 A JP 2009173851A JP 2008147536 A JP2008147536 A JP 2008147536A JP 2008147536 A JP2008147536 A JP 2008147536A JP 2009173851 A JP2009173851 A JP 2009173851A
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Abstract

【課題】天然油脂を用いたつや出し剤でありながら、合成樹脂を用いたつや出し剤の様な高光沢を付与することができるつや出し剤及びこれを用いた硬質表面用清掃シートを提供する。
【解決手段】つや出し剤は、(A)不乾性油又は乾性油から選択される1種以上の天然油脂、(B)セルロースエーテル又はスターチエーテルを主鎖とする多糖誘導体であって、そのヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが式:−E−(OA)−E−Rで表される基で置換された多糖誘導体と、(C)グリセリン、(D)下記式(2)で表される非イオン性界面活性剤を含有する。硬質表面用清掃シートは前記つや出し剤をシート基材に含浸して作製する。
Figure 2009173851

【選択図】なし

Description

本発明は、つや出し剤に関し、特に床などの硬質表面に高光沢を付与できるつや出し剤及びこれを用いた硬質表面用清掃シートに関する。
従来、床などの硬質表面のつや出しをする場合、髪や埃などの汚れを取り除く洗浄剤や布、スポンジ等と、つや出しを行うワックス剤(つや出し剤)とを用い、洗浄処理、ワックス処理を順次行っていた。このため、硬質表面のつや出しを行なうには多大な手間と時間がかかっていた。
特許文献1には、硬質表面のワックス仕上げ処理を効果的且つ省力的に行うことのできるワックス剤として、アルカリ金属の炭酸塩及び重炭酸塩の少なくとも1つを含む水溶液を電気分解して得られた電解洗浄液と、人体への健康阻害要因となりにくい天然ワックスを主成分とするワックス剤とを含有する洗浄ワックス剤が記載されている。
天然ワックスを主成分とするワックス剤は、つや出し剤を塗布後に、磨き上げのための仕上げ拭きが必要である。しかし、特許文献1に記載の洗浄ワックス剤は、仕上げ拭きの必要はなく簡便ではあるが、満足できるつや効果を付与できない。
特開2005−154560号公報
従って、本発明の目的は、天然油脂を用いたつや出し剤でありながら、合成樹脂を用いたつや出し剤の様な高光沢を付与することができるつや出し剤、及びこれを用いた硬質表面用清掃シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、硬質表面に高光沢を付与し得るつや出し剤について種々検討した結果、オレイン酸等の不飽和結合(二重結合)の少ない脂肪酸を多く含んだ特定の天然油脂が優れた光沢付与能を有しているとの知見を得、更に検討した結果、該特定の天然油脂と、特定の高分子乳化剤と、グリセリンと、特定の界面活性剤との4成分を含有する組成物が、つや出し剤として有効であるとの知見を得た。
本発明は、前記知見に基づきなされたもので、(A)不乾性油又は乾性油から選択される1種以上の天然油脂と、(B)セルロースエーテル又はスターチエーテルを主鎖とする多糖誘導体であって、そのヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが下記一般式(1)で表される基で置換された多糖誘導体と、(C)グリセリンと、(D)下記一般式(2)で表される非イオン性界面活性剤とを含有するつや出し剤を提供することにより、前記目的を達成したものである。
−E1−(OA)n−E2−R (1)
〔前記式(1)中、E1はヒドロキシ基又はオキソ基が置換していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基を示し、nは0〜50の数を示し、n個のAは同一又は異なって、炭素数1〜6のアルキレン基を示し、E2はエーテル結合又はオキシカルボニル基を示し、Rはヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数4〜30のアルキル基又はヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基若しくはその塩を示す。〕
Figure 2009173851
〔前記式(2)中、R2は炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐鎖の飽和あるいは不飽和の炭化水素基又はコレステリル基を示す。〕
また本発明は、前記つや出し剤をシート基材に含浸させてなる硬質表面用清掃シートを提供することにより、前記目的を達成したものである。
本発明のつや出し剤によれば、床などの硬質表面に拭きスジを生じさせずに高光沢を効率的に付与することができる。また、本発明の硬質表面用清掃シートによれば、硬質表面の汚れを除去しつつ高光沢を付与することができ、合成樹脂を用いたワックス剤のように溶剤を多量に含まないため、作業環境を悪化させない。更に、塗布前の洗浄作業、及び一度つや出し処理を施した硬質表面に対して、再度つや出し処理を行う場合の被膜を除去する作業を必要としないため作業の軽減が図られる。
以下、先ず、本発明のつや出し剤について説明する。
本発明のつや出し剤は、下記(A)〜(D)の4成分を必須成分として含有する。
・(A)成分:不乾性油又は乾性油から選択される1種以上の天然油脂
・(B)成分:セルロースエーテル又はスターチエーテルを主鎖とする多糖誘導体であって、そのヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが前記一般式(1)で表される基で置換された多糖誘導体
・(C)成分:グリセリン
・(D)成分:前記一般式(2)で表される非イオン性界面活性剤
(A)成分の天然油脂は、つや出し成分であり、主として塗布ムラや拭きスジを生じさせずに高光沢のつや出し効果の発現に寄与する。塗布ムラは、塗布時につや出し剤がきれいに塗布できない箇所である。また、拭きスジは、塗布時につや出し剤がきれいに塗布されたにもかかわらず、該つや出し剤の乾燥後に光沢を発現しない箇所である。
(A)成分の天然油脂としては、ハイオレイックサフラワー油(紅花)、ハイオレイックヒマワリ油、オリーブ油、椿油、ヒマシ油等の不乾性油;グレープシード油、大豆油、あまに油、えの油、きり油、サフラワー油、ヒマワリ油等の乾性油が挙げられ、本発明ではこれらの1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。これらの天然油脂は、何れも植物油であり、25℃で液状又はペースト状のものである。
本発明のつや出し剤は、つや出し成分として(A)成分の天然油脂を用いることにより、つや出し成分として合成樹脂やシリコーンを用いたつや出し剤に比して、遜色の無い光沢感及び拭きスジ防止性を示し、且つ再度のつや出し処理においては、前回のつや出し処理で形成された被膜の除去処理を行う必要が無く、常法通りつや出し剤を1度塗りするだけで、拭きスジの無い高光沢を実現できる。更に、シリコーンを用いた時のように、塗布面に滑りが生じないため、転倒などの危険性がない。
上述した天然油脂の中でも、特に、不飽和結合(二重結合)の少ない脂肪酸であるオレイン酸又はリノール酸〔オレイン酸(炭素数18)の二重結合の数1、リノール酸(炭素数18)の二重結合の数2〕を主成分とする(全組成中に50質量%以上含有する)ものが好ましく、とりわけ、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックヒマワリ油、オリーブ油、椿油、ヒマシ油、あまに油、えの油、きり油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油及びグレープシード油は、少量で高いつや出し効果が得られるため、本発明で好ましく用いられる。中でも、ハイオレイックヒマワリ油、オリーブ油、椿油、グレープシード油、大豆油が好ましく、更に好ましくはハイオレイックヒマワリ油、オリーブ油、椿油、グレープシード油である。ハイオレイックヒマワリ油は、通常のヒマワリ油に比して、オレイン酸の含有量が多いという特徴がある。
(A)成分の天然油脂は、つや出し効果の観点から、全組成中に0.01〜70質量%好ましくは0.01〜50質量%、更に好ましくは0.01〜45質量%含有される。
(B)成分の多糖誘導体は、(C)成分のグリセリン及び(D)成分の非イオン性界面活性剤と併用されることにより、本発明のつや出し剤においては主として(A)成分の天然油脂の乳化剤として作用する。即ち、(A)成分の天然油脂と共に(B)成分の多糖誘導体、(C)成分のグリセリン及び(D)成分の非イオン性界面活性剤を併用することにより、つや出し剤中における油脂の油滴径が小さくなり、これにより、乳化状態が安定すると共に光沢付与能が向上する。
(B)成分の多糖誘導体は、セルロースエーテル又はスターチエーテルを主鎖とするものであるが、該セルロースエーテル又はスターチエーテルとしては、セルロース又はスターチにおける水酸基の水素原子の一部をアルキル基及び/又はヒドロキシアルキル基で置換したアルキルエーテルが好ましい。
前記セルロースエーテルの好適な例としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられ、特にヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が好ましい。
前記スターチエーテルの好適な例としては、メチルスターチ、エチルスターチ、ヒドロキシエチルスターチ、ヒドロキシメチルヒドロキシエチルスターチ、ヒドロキシプロピルスターチ等が挙げられ、ヒドロキシエチルスターチ、ヒドロキシプロピルスターチが好ましい。
前記セルロースエーテル又はスターチエーテルにおいては、ヒドロキシアルキル基のヒドロキシ基に更にアルキル基又はヒドロキシアルキル基が置換して、例えばポリオキシエチレン鎖等を形成することも可能である。
従って、本発明に係るセルロースエーテル又はスターチエーテルにおけるアルキル基又はヒドロキシアルキル基の置換度は、構成単糖残基当たり3.0を超える置換度も可能であり、0.01〜3.5、更に0.1〜3、更に1〜3が好ましく、特に1.5〜2が好ましい。また、その重量平均分子量は、1万〜200万、5万〜150万、特に10万〜60万の範囲が好ましい。
(B)成分の多糖誘導体は、前記セルロースエーテル又はスターチエーテルのヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、次式(1):−E1−(OA)n−E2−Rで表される基で置換されたものであり、その置換度は、構成単糖残基当たり0.0001〜1.0、更に0.0005〜0.5、更に0.001〜0.1の範囲が好ましく、特に0.001〜0.05が好ましい。
ヒドロキシエチルセルロースを主鎖とする場合の(B)成分の多糖誘導体の部分構造の一例を示せば以下のとおりである。
Figure 2009173851
前記式(1)中、E1で示されるヒドロキシ基又はオキソ基が置換していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基としては、直鎖又は分岐鎖のいずれでもよく、特に炭素数2又は3の直鎖のアルキレン基が好ましい。具体的には、例えばエチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、2−ヒドロキシトリメチレン基、1−ヒドロキシメチルエチレン基、1−オキソエチレン基、1−オキソトリメチレン基、1−メチル−2−オキソエチレン基等が好ましく、特に2−ヒドロキシトリメチレン基、1−ヒドロキシメチルエチレン基が好ましい。
前記式(1)中、Aで示される同一又は異なって炭素数1〜6のアルキレン基としては、直鎖又は分岐鎖のいずれでもよく、特に炭素数2又は3の直鎖のアルキレン基が好ましい。具体的には、例えばエチレン基、プロピレン基及びトリメチレン基等が好ましく、特にエチレン基が好ましい。
前記式(1)中、nで表される(−OA−)の重合度は、つや出し剤の乳化安定性の観点から、8〜120が好ましく、10〜60が更に好ましく、特に10〜20が好ましい。n個のAは同一でも異なってもよい。ここでnは平均付加モル数の意味である。
前記式(1)中、E2はエーテル結合又はオキシカルボニル基(−OCO−又は−COO−)であるが、エーテル結合が好ましい。
前記式(1)中、Rで示されるヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数4〜30のアルキル基としては、直鎖又は分岐鎖のいずれでもよく、炭素数5〜25、更に6〜20のものが好ましく、特に炭素数6〜20の直鎖アルキル基が好ましい。具体的には、例えばオクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イソステアリル基等が好ましく、特にドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基が好ましい。
前記式(1)中、Rで示されるヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基としては、例えば2−スルホエチル基、3−スルホプロピル基、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基、2−スルホ−1−(ヒドロキシメチル)エチル基等が挙げられ、中でも3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基、2−スルホエチル基が好ましい。
当該スルホアルキル基は、その全てあるいは一部がNa、K、Ca、Mg等の1族又は2族元素、アミン類、アンモニウム等の有機カチオン等との塩となっていてもよい。
また、スルホアルキル基の置換度は、構成単糖残基当たり0〜1.0、更に0〜0.8、特に0〜0.5の範囲が好ましい。
(B)成分の多糖誘導体は、国際公開第00/73351号パンフレット記載の方法に準じて製造すればよく、例えばセルロースエーテル又はスターチエーテルを、次式(3):E3−(OA)n−E2−R〔式(3)中、E3は炭素数3〜6のエポキシ化アルキル基、ヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、又はカルボキシ基若しくは炭素数2〜6のカルボキシアルキル基若しくはそれらの誘導体を示し、n、A、E2及びRは前記と同じ意味を示す。〕で表されるポリオキシアルキレン化剤と反応させ、所望により更にスルホン化剤(ビニルスルホン酸、ヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数1〜5のハロアルカンスルホン酸、炭素数2〜6のエポキシ基を有するスルホン酸及びそれらの塩)と反応させることにより製造できる。
(B)成分の多糖誘導体としては、本出願人の先の出願に係る特開2004−83844号公報に記載の多糖誘導体を用いることができる。
(C)成分のグリセリン及び(D)成分の非イオン性界面活性剤は、何れも本発明のつや出し剤においては主として(A)成分の天然油脂の乳化助剤として作用するものであり、つや出し剤の乳化安定性を高め、光沢付与能を高める上で重要な成分である。
(C)成分のグリセリンは、つや出し剤の乳化安定性、ツヤ出し効果、及び拭きスジ防止の観点から、全組成中に0.1〜50質量%好ましくは0.1〜40質量%、更に好ましくは0.1〜35質量%含有される。
(D)成分の非イオン性界面活性剤としては、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009173851
〔前記式(2)中、R2は炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐鎖の飽和あるいは不飽和の炭化水素基又はコレステリル基を示す。〕
前記式(2)で表される化合物におけるR2は炭素数8〜30、好ましくは8〜20の直鎖若しくは分岐鎖の飽和あるいは不飽和の炭化水素基又はコレステリル基である。具体的にはオクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、2−エチルヘキシル基、イソデシル基、イソセチル基、イソステアリル基、ヘキシルデシル基、ヘプチルウンデシル基、オクチルドデシル基、オレイル基、コレステリル基が挙げられる。
(D)成分の非イオン性界面活性剤は、つや出し剤の乳化安定性、及びつや出し効果の観点から、具体例としては、2−エチル−ヘキシルグリセリルエーテル、オクチルグリセリルエーテル、イソデシルグリセリルエーテル、デシルグリセリルエーテル等が挙げられる。本発明ではこれらの1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
(D)成分の非イオン性界面活性剤は、つや出し剤の乳化安定性、つや出し効果、土ボコリ、綿ボコリの吸塵の観点から、全組成中に好ましくは0.01〜20質量%、更に好ましくは0.1〜10質量%含有される。
本発明のつや出し剤は、つや出し効果及び拭きスジ防止とつや出し剤の乳化安定性とのバランスの観点から、(B)成分の多糖誘導体1質量部に対し、(A)成分の天然油脂を0.01〜70質量部、(C)成分のグリセリンを2〜50質量部、(D)成分の非イオン性界面活性剤を0.1〜10質量部含有することが好ましい。
本発明のつや出し剤は、前記(A)〜(D)の4成分に加えて、バランス量の水を含有する。水の含有量は、つや出し剤の全質量に対して50〜99.9質量%、好ましくは70〜99質量%である。
また、本発明のつや出し剤には、前記(A)〜(D)の4成分及び水に加えて更に、本発明の効果を妨げない範囲で、この種のつや出し剤に使用される他の成分を適宜含有させることができる。他の成分としては、前記(D)成分以外の界面活性剤、抗菌・抗カビ剤、水溶性有機溶媒、水溶性ポリオール類、pH調整剤、粘度調整剤、酸化防止剤、香料、色素等を挙げることができる。これら他の成分の含有量は特に制限されないが、つや出し剤の全質量に対して好ましくは0.001〜10質量%である。
本発明のつや出し剤に含有可能な前記(D)成分以外の界面活性剤としては、例えば以下のものが用いられる。非イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラウリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ピログルタミン酸イソステアリン酸ジエステル等のポリオキシエチレンヒマシ油、又は硬化ヒマシ油誘導体;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノイソステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート等のポリオキシエチレングリセリルモノイソステアレート、ポリオキシエチレングリセリルトリイソステアレート等のポリオキシグリコールの脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンヘキシルデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル;等のポリオキシエチレン付加型界面活性剤のほか、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキル(炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖)グリコシド(平均糖縮合度1〜5)等が挙げられる。陰イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキル硫酸塩系界面活性剤;ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルアラニンナトリウム等のN-アシルアミン酸塩系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ジポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、トリポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ジポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ジポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩系界面活性剤などが挙げられる。両性界面活性剤として、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルアミンオキサイド等が挙げられる。陽イオン性界面活性剤として、ジ長鎖アルキル四級アンモニウム塩、モノ長鎖アルキル四級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキルポリオキシエチレン四級アンモニウム塩、ビス(ヒドロキシアルキル)四級アンモニウム塩、アミド/エステル結合を有する四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの成分(前記(D)成分以外の界面活性剤)は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。好ましくは、低泡性の非イオン性界面活性剤が望ましい。
本発明のつや出し剤に含有可能な抗菌・抗カビ剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム、ジフェニル、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、チアベンダゾール、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウム、サリチル酸、2−(2−フリル)−3−(5−ニトロ−2−フリル)アクリル酸アミド、ラウリルトリメチルアンモニウム−2,4,5−トリクロルフェノキサイド、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ペンゼトニウム、トリクロロカルバニリド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物(ケーソンCG)、イミダゾリジニルウレア、1,3−ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン(DMDMヒダントイン)、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(BIT)及びその誘導体(プロキセルBDN)、ε−ポリリジン、乳酸ナトリウム、ナイシン、カテキン、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタンが挙げられる。これらの抗菌・抗カビ剤は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のつや出し剤に含有可能な水溶性有機溶媒としては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール(PG)、グリセリン、1,3−ブチレングリコールが挙げられる。これらの水溶性の有機溶媒は単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のつや出し剤に含有可能な水溶性ポリオール類は、分子内に水酸基を2個以上有する多価アルコールであり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール等のアルキレングリコール;ジプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;グルコース、マルトース、マルチトース、ショ糖、フラクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、スレイトール等の糖アルコール;グリセリン、ポリグリセリン、エリスリトール、及び澱粉分解還元アルコールが挙げられる。これらの水溶性ポリオール類は単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のつや出し剤に含有可能なpH調整剤としては、例えば、塩酸や硫酸などの無機酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、マロン酸、マレイン酸などの有機酸などの酸剤や、水酸化ナトリウムや水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、アンモニアやその誘導体、モノエタノールアミンやジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン塩など、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ剤が挙げられる。これらのpH調整剤は単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用することが出来る。
本発明のつや出し剤に含有可能な粘度調整剤としては、例えば、天然多糖類、セルロース系高分子及び澱粉系高分子等の半合成高分子、ビニル系高分子及びポリエチレンオキシド等のその他合成高分子、ポリアクリル酸系、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体系、粘土鉱物等の水溶性高分子が挙げられる。これらの粘度調整剤は単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のつや出し剤は、前記各成分を含有してなる、液状の水系組成物とすることができる。本発明のつや出し剤は、対象面に直接塗布してから、又は使用時に清掃シートに含浸してから、又は予め含浸してある清掃シートを用い、対象面を拭くという形で使用される。使用時には、モップなどの掃除具に装着して使用することができる。
前記使用方法が可能なつや出し剤の粘度は、ブルックフィールド粘度(25℃)で、1〜10000mPa・s、好ましくは1〜1000mPa・s、更に好ましくは1〜800mPa・sである。つや出し剤の粘度が斯かる範囲内にあると、安定した徐放性、及び含浸工程でのハンドリングの点で特に好ましい。ここで、前記粘度はブルックフィールド型粘度計を用いて測定される。使用ローター及び回転数は、つや出し剤粘度に応じて適宜変更する。つや出し剤の粘度調整は、上述した水溶性有機溶媒、水溶性ポリオール類、pH調整剤及び粘度調整剤を適宜組み合わせて用いることにより行なうことができる。
また、本発明のつや出し剤のpH(液温25℃におけるpH)は、つや出し剤の乳化安定性、安全性、又は洗浄性能の観点から、好ましくは3〜10、更に好ましくは5〜9.5である。
本発明のつや出し剤は、常法により製造することができる。例えば、(B)成分の多糖誘導体、(C)成分のグリセリン、(D)成分の非イオン性界面活性剤、(A)成分の天然油脂及び水、更に必要に応じて他の成分を順次添加することにより製造することができる。
本発明のつや出し剤は、従来の液状のつや出し剤と同様に使用することができ、床、家具、又は木製品等の硬質表面のつや出し剤として有効である。本発明のつや出し剤によれば、少量で、硬質表面に拭きスジを生じさせずに高光沢を付与することができ、合成樹脂を用いたワックス剤のように溶剤を多量に含まないため、作業環境を悪化させない。また、再度のつや出し処理においては、硬質表面に残留している被膜の除去や仕上げ拭き等の作業をせずに、新たにつや出し剤を塗布するだけでつや出し効果が得られるため、作業性にも優れる。
次に、本発明の硬質表面用清掃シート(以下、清掃シートともいう)について説明する。
本発明の清掃シートは、上述した本発明のつや出し剤を、シート基材に含浸させてなるものである。清掃シートは、予め含浸されていても、使用時に含浸されるものでも良い。斯かる清掃シートは、つや出し剤による優れた光沢付与能のみならず、シート基材による硬質表面の汚れ捕集能も有しているため、硬質表面を該清掃シートで一度拭くだけで、硬質表面の洗浄とつや出しを同時に行なうことができ、硬質表面のつや出し処理の軽減を図ることができる。
本発明の清掃シートにおいては、つや出し剤をシート基材の全質量に対し、1〜8倍、特に2〜5倍の質量比で含浸させることが好ましい。シート基材につや出し剤を含浸させる方法としては、例えば、適当な容器に収容されているつや出し剤中に、シート材を浸漬する方法が挙げられる。
前記シート基材としては、上述した本発明のつや出し剤を保持し得るものであれば良く、例えば、織布、不織布、編布、紙、等を用いることができる。シート基材の坪量や厚みは、清掃シートの用途等に応じて適宜設定することができる。また、前記シート基材の形成材料としては、レーヨン、コットン、パルプ、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ナイロン繊維、アセテート繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、親水性セルロース繊維、熱可塑性繊維、等が好ましく用いられる。これらのシート基材の形成材料は単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
前記シート基材の好ましい実施形態として、下記シート基材Aが挙げられる。
シート基材A:繊維長が2〜15mmで且つ繊度が10〜150dtexの熱可塑性繊維を10〜90重量%、及びセルロース系繊維を10〜90重量%含み、表面に前記熱可塑性繊維の先端部が多数存在して、清掃対象面に存する汚れに対する研摩性ないし掻き取り性を有するシート基材。
前記シート基材Aに本発明のつや出し剤を含浸させて得られた清掃シートの一面を清掃対象面(硬質表面)に押し当てて、こすりつけることにより、該清掃シートに含浸されているつや出し剤が洗浄対象面に放出され、清掃対象面に存する汚れを膨潤、溶解ないし浮き上がらせる。これと共に、清掃シートの洗浄表面に多数存在している前記熱可塑性繊維の先端部が、清掃対象面に存する汚れを研摩ないし掻き取る。これらの機械的及び化学的作用によって、汚れが清掃対象面から除去される。除去された汚れは、つや出し剤中に溶け込むかあるいは分散して、つや出し剤と共に清掃シートに吸収される。このようにして、清掃対象面が清浄な状態となると共に、つや出し剤の作用により清掃対象面に高光沢が付与される。
前記シート基材Aとしては、本出願人の先の出願に係る特開2003−61885号公報に記載の清掃用シートを用いることができる。前記シート基材Aの坪量は50〜500g/m2であることが好ましい。
また、前記シート基材の好ましい別の実施形態として、下記シート基材Bが挙げられる。
シート基材B:繊維ウェブの繊維絡合で形成された不織布からなり、本発明のつや出し剤が含浸された該不織布における清掃対象面と接触する表面層の、サンドペーパー(粒度1200番)に対する静摩擦抵抗値が900〜2500cNであるシート基材。
前記静摩擦抵抗値は、前記表面層の繊維交絡状態の指標となるものであり、静摩擦抵抗値が900〜2500cN、好ましくは1100〜2200cN、更に好ましくは1200〜2000cNの範囲にあることによって、髪の毛や埃等の汚れの捕集性とシート強度及びシート操作性とのバランスが良好となる。
前記静摩擦抵抗値は、本出願人の先の出願に係る特開2001−269300号公報の図2に示す方法で測定される。即ち、サンドペーパー(3M社製耐水ペーパー Techno sander粒度1200番)を張り付けた、底面が10cm×10cmの重り(サンドペーパーを含む全重量400g)を、水平な台上にしっかりと固定された、つや出し剤の含浸されたシート材(200mm×280mm)表面に、サンドペーパーのサンド面がシート材に対面するように載置する。重りの側面に糸を取り付け、この糸の他端を滑車を介して引張試験機(オリエンティック社製、RTM−25)のロードセルに取り付ける。引張試験機を作動させ、重りを500mm/minの速度で水平に30mm移動させ、その際の初期の最大静摩擦抵抗値を測定し、これを前記静摩擦抵抗値とする。測定は、シート基材の製造工程におけるシートの流れ方向(MD)と幅方向(CD)について実施し、サンドペーパーは1回の測定ごとに新しいものに交換する。MD及びCDの静摩擦抵抗値の何れもが前記範囲にあることが好ましい。
前記シート基材Bは、例えば、内層と該内層を上下から挟持する一体の外層とが一体化された積層シートが挙げられる。外層は、前記表面層に相当する層であり、例えば、親水性セルロース繊維を30〜98質量%、及び低融点の熱可塑性繊維を2〜70質量%程度含んで構成され、スパンレース法により製造することができる。内層は、紙、不織布、織物、樹脂ネット等の種々のシート材料から構成することができる。
前記シート基材Bとしては、本出願人の先の出願に係る特開2001−269300号公報に記載の床用清掃シートを用いることができる。前記シート基材Bの坪量は30〜300g/m2であることが好ましい。
また、前記シート基材の好ましい別の実施形態として、下記シート基材Cが挙げられる。
シート基材C:繊維ウエブを水流交絡させて形成された繊維集合体で、少なくとも一面が、該繊維集合体の構成繊維の交絡によって形成された多数の凸部と該凸部を取り囲む形状の凹部とを有し、前記繊維集合体の前記一面は、サンドペーパー(粒度1200番)に対する静摩擦抵抗値が900〜2500cNであるシート基材。
シート基材Cに係る静摩擦抵抗値は、上述したシート基材Bに係る静摩擦抵抗値と同じ意味である。シート基材Cは、髪の毛や固形ゴミを始めとするダストの捕集性能が高く、また、清掃時の摩擦抵抗が低く、操作性が良好なものである。
前記シート基材Cは、繊度5dtex以下の繊維を50重量%以上、特に3.5dtex以下の繊維を70重量%以上含んでいることが、清掃シートに孔あきの発生を防止する点、充分な嵩高さの発現及びその維持の点、並びに髪の毛の汚れ捕集性及び保持性の向上の点で好ましい。
前記シート基材Cとしては、本出願人の先の出願に係る特開2007−151821号公報に記載の床用清掃シートを用いることができる。前記シート基材Cの坪量は30〜300g/m2であることが好ましい。
また、前記シート基材の好ましい別の実施形態として、下記シート基材Dが挙げられる。
シート基材D:液透過性の表面シート及び液保持性の吸収シートを具備してなり、該表面シートと該吸収シートとが一体化されている。前記表面シートは、パルプ繊維と熱可塑性繊維とを含む繊維混合物により形成されており、且つ表面に複数の凸部を有している。前記繊維混合物における前記熱可塑性繊維の含有量は、該繊維混合物の全重量に対して40〜95重量%である。前記吸収シートは、親水性セルロース系繊維と熱可塑性繊維とからなる繊維混合物により形成されており、該熱可塑性繊維の含有量は、該吸収シートの全重量に対して5〜50重量%である。
前記シート基材Dにおいては、前記吸収シートの坪量は10〜300g/m2が好ましい。吸収シートの坪量が10g/m2未満であると水分の保持量が少なくなり清掃面積が狭くなり、300g/m2を超えると生産コストが高くなり、また清掃具での把持性が悪くなることがあるので好ましくない。また、前記表面シートの坪量は5〜100g/m2が好ましい。表面シートの坪量が5g/m2未満であるとシート強度が弱くなり、破れたりヨレたりし、100g/m2を超えると吸収シートから被清掃面への水分移行が悪くなり清掃性が悪くなるので、好ましくない。
前記シート基材Dとしては、本出願人の先の出願に係る特許第3621223号公報に記載の清掃シートを用いることができる。前記シート基材Dの坪量は20〜700g/m2であることが好ましい。
本発明の清掃シートは、単層構造でも良く2層以上の多層構造でも良い。また、本発明の清掃シートの表面(洗浄面)にエンボス加工等により凹凸構造が形成されていても良い。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜6及び比較例1〜6〕
下記表1に示す組成のつや出し剤をそれぞれ作製し、これらを実施例及び比較例のサンプルとした。各実施例及び比較例においては、(A)成分の天然油脂として、ハイオレイックヒマワリ油(横関油脂(株)製)、オリーブ油、大豆油、アマニ油(以上、和光純薬工業(株)製)、サフラワー油(MP Biomedicals社製)、グレープシード油(BORGES社製)を用い、(B)成分の多糖誘導体として、重合平均分子量20万、ヒドロキシエチル基の置換度14のヒドロキシエチルセルロースを用い、(C)成分のグリセリンとして、グリセリン(花王(株)製)を用い、(D)成分の非イオン性界面活性剤として、2−エチルヘキシルグリセリルエーテル(花王(株)製)を用いた。各実施例及び比較例におけるつや出し剤の作製手順は次の通りである。
(実施例1〜6におけるつや出し剤の作製手順)
下記表1に示す割合で、80℃で(C)成分に(B)成分をプロペラ等で攪拌し混合する。攪拌しながら必要量のイオン交換水を添加して更に攪拌する。攪拌しながら室温に冷却した後、(D)成分を添加し、再び60℃まで加温し、(A)成分を添加する。40℃に冷却後、残りのイオン交換水を添加し、攪拌しながら室温まで冷却してつや出し剤を得る。
(比較例1におけるつや出し剤の作製手順)
下記表1に示す割合で、80℃で(C)成分に(B)成分をプロペラ等で攪拌し混合する。攪拌しながら必要量のイオン交換水を添加して更に攪拌する。攪拌しながら室温に冷却した後、(D)成分と残りのイオン交換水を順次添加し、つや出し剤を得る。
(比較例2におけるつや出し剤の作製手順)
下記表1に示す割合で、80℃で(C)成分に必要量のイオン交換水を添加してプロペラ等で攪拌し混合する。攪拌しながら室温に冷却した後、(D)成分を添加し、再び60℃まで加温し、(A)成分を添加する。40℃に冷却後、残りのイオン交換水を添加し、攪拌しながら室温まで冷却してつや出し剤を得る。
(比較例3におけるつや出し剤の作製手順)
下記表1に示す割合で、80℃で(B)成分に必要量のイオン交換水を添加してプロペラ等で攪拌し混合する。攪拌しながら室温に冷却した後、(D)成分を添加し、再び60℃まで加温し、(A)成分を添加する。40℃に冷却後、残りのイオン交換水を添加し、攪拌しながら室温まで冷却してつや出し剤を得る。
(比較例4におけるつや出し剤の作製手順)
下記表1に示す割合で、80℃で(C)成分に(B)成分をプロペラ等で攪拌し混合する。攪拌しながら必要量のイオン交換水を添加して更に攪拌する。攪拌しながら室温に冷却した後、再び60℃まで加温し、(A)成分を添加する。40℃に冷却後、残りのイオン交換水を添加し、攪拌しながら室温まで冷却してつや出し剤を得る。
(比較例5におけるつや出し剤の作製手順)
下記表1に示す割合で、80℃で(C)成分に(B)成分をプロペラ等で攪拌し混合する。攪拌しながら必要量のイオン交換水を添加して更に攪拌する。攪拌しながら室温に冷却した後、(D)成分を添加し、再び60℃まで加温し、(A)成分を添加する。40℃に冷却後、残りのイオン交換水を添加し、攪拌しながら室温まで冷却してつや出し剤を得る。
(比較例6におけるつや出し剤の作製手順)
下記表1に示す割合で、80℃で(C)成分に(B)成分をプロペラ等で攪拌し混合する。攪拌しながら必要量のイオン交換水を添加して更に攪拌する。攪拌しながら室温に冷却した後、(D)成分を添加し、再び60℃まで加温し、(A)成分を添加する。40℃に冷却後、残りのイオン交換水を添加し、攪拌しながら室温まで冷却してつや出し剤を得る。
また、上記のようにして得られたつや出し剤を用いて次の手順で清掃シートを作製し、これらを実施例及び比較例の清掃シートのサンプルとした。
芯がポリプロピレンからなり鞘がポリエチレンからなる芯鞘構造で、立体クリンプ形状をもつ低融点繊維(2.8dtex×51mm)を用いて坪量27g/m2のエアースルー不織布を作製した。一方、レーヨン繊維(1.7dtex×40mm)と、アクリル繊維(1.0dtex×51mm)と、芯がポリプロピレンからなり鞘がポリエチレンからなる芯鞘繊維(1.0dtex×38mm)とを重量比50/25/25の比率で混合し、常法のカード機で作製した坪量19g/m2の繊維ウエブを、前記エアースルー不織布の上下に積層した。次いで低エネルギー条件でウォーターニードリング処理を施し、エアースルー不織布と繊維ウエブとを交絡させて繊維自由度の高い表面層を有する坪量65g/m2の複合スパンレースを不織布を調整した。超音波エンボス機を用い、得られた不織布の全面にダイヤ柄の凹凸模様からなるエンボス加工を施して清掃シートを得た。
得られた清掃シートに、前記つや出し剤を不織布重量に対して250重量%含浸させた。
〔評価〕
実施例及び比較例のつや出し剤について、上述したブルックフィールド粘度(25℃)及び液温25℃でのpHを測定し、下記方法により乳化状態、液安定性、光沢付与性及び表面外観をそれぞれ評価した。また、実施例及び比較例の清掃シートについて、下記方法により清掃性能を評価した。これらの結果を下記表1に示す。
<乳化状態の評価方法>
調製直後(調製してから6時間以内)のつや出し剤をスライドガラス上に適量のせ、デジタルマイクロスコープ(KEYENCE社製 VHX−500)で乳化した油滴粒子の状態を観察し、以下の基準で評価した。
○:油滴粒子径が5μm以下で均一である
×:油滴粒子径が5μmより大きいものが含まれる
<液安定性の評価方法>
つや出し剤を100ml入りガラス瓶に充填し、室温(25℃)の条件下で7日間静置保存した後、その外観を目視観察し、以下の基準で評価した。
○:乳化分離が認められない
×:乳化分離が認められる
<光沢付与性の評価方法>
MINOLTA社製光沢度計Mulit Gloss268を用い、入射角と受光角をそれぞれ60°に設定して、松下電工製フローリングウッディスーパーFに対してつや出し剤をwet塗布量3〜4g/m2で塗布し、塗布前と塗布後との光沢差(Δ光沢度)を求めた。この光沢差が大きいほど、光沢付与性は高評価となる。
<表面外観の評価方法>
前記<光沢付与性の評価方法>において光沢差がΔ5以上であったもの(つや出し効果が得られたもの)のみについて、つや出し剤を塗布してから5分後の塗布面の外観を目視観察し、以下の基準で評価した。
○:塗布面全体が均一に光沢を発現している
△:塗布面の一部が光沢を発現している
×:塗布面全体が光沢を発現しない
<清掃性能の評価方法>
市販の床用清掃具(商品名クイックルワイパー、花王(株)製)に清掃シートを装着した。100cm×100cmフローリング(松下電工製 ウッディタイルMT613T)上にJIS試験用ダスト7種(関東ローム層、細粒)を0.1g散布し(ハケを用いて均一に散布)フローリングを1往復で4列清掃した。この操作を6回繰り返した後、汚れた清掃シートを乾燥させて重量(清掃シートとつや出し剤由来の不揮発成分とダストとの合計重量)を測定し、この測定重量から、含浸前に測定した清掃シートの重量と理論上残留するつや出し剤由来の不揮発成分の重量とを差し引いて、ダストの捕集量を算出した。捕集されたダストの重量を、散布した全ダスト重量(0.6g=0.1g×6回)で除し、これに100を乗じてその値をダストの捕集率(%)とし、以下の基準で評価した。
○:捕集率80%以上(ダストの残留が目視では判らず、清浄な状態)
△:捕集率50〜79%(ダストが清掃面の一部に残留している状態)
×:捕集率50%未満(ダストが清掃面全体に残留している状態)
Figure 2009173851
表1の記載から明らかなように、実施例1〜6は、乳化状態、液安定性共に良好で、高い光沢付与性を有するものであった。
これに対し、比較例1は、(A)成分の天然油脂が配合されていないため、実施例1に比べ光沢付与性が低い。
また、比較例2は、(B)成分の多糖誘導体が配合されていないため、乳化状態、液安定性共に低く、また、光沢付与性が低く光沢発現は得られなかった。
また、比較例3は、(C)成分のグリセリンが配合されていないため、乳化状態、液安定性共に低く、また、光沢付与性が低く光沢発現は得られなかった。
また、比較例4は、(D)成分の非イオン性界面活性剤が配合されていないため、乳化状態、液安定性共に低く、また、光沢付与性が低く光沢発現は得られなかった。
また、比較例5は、(C)成分のグリセリンの代わりに1−3ブチレングリコールを配合したため、乳化状態、液安定性共に低く、光沢付与性も低い。
また、比較例6は、(C)成分のグリセリンの代わりにプロピレングリコールを配合したため、乳化状態、液安定性共に低く、また、光沢付与性が低く光沢発現は得られなかった。

Claims (4)

  1. (A)不乾性油又は乾性油から選択される1種以上の天然油脂と、(B)セルロースエーテル又はスターチエーテルを主鎖とする多糖誘導体であって、そのヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが下記一般式(1)で表される基で置換された多糖誘導体と、(C)グリセリンと、(D)下記一般式(2)で表される非イオン性界面活性剤とを含有するつや出し剤。
    −E1−(OA)n−E2−R (1)
    〔前記式(1)中、E1はヒドロキシ基又はオキソ基が置換していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基を示し、nは0〜50の数を示し、n個のAは同一又は異なって、炭素数1〜6のアルキレン基を示し、E2はエーテル結合又はオキシカルボニル基を示し、Rはヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数4〜30のアルキル基又はヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基若しくはその塩を示す。〕
    Figure 2009173851
    〔前記式(2)中、R2は炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐鎖の飽和あるいは不飽和の炭化水素基又はコレステリル基を示す。〕
  2. 前記(A)成分が、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックヒマワリ油、オリーブ油、椿油、ヒマシ油、あまに油、えの油、きり油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油及びグレープシード油からなる群から選択される1種以上である請求項1記載のつや出し剤。
  3. 前記(B)成分1質量部に対し、前記(A)成分を0.01〜70質量部、前記(C)成分を2〜50質量部、前記(D)成分を0.1〜10質量部含有する請求項1又は2記載のつや出し剤。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のつや出し剤をシート基材に含浸させてなる硬質表面用清掃シート。
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