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JP3912988B2 - 硬質表面用艶出し洗浄剤物品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬質表面用艶出し洗浄剤物品に関し、特に自動車の塗装面に対して高い艶出し効果を有する硬質表面洗浄剤物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、室内の床や自動車のボディー等の硬質表面には、汚れの付着防止や美観の点からワックスがけが行われているが、これらは多大な労力と時間を費やすものである。特に自動車ボディーの洗浄艶出しについては、カーシャンプー等を用いて汚れを除去し拭き取った後、水で濯ぎ水分を十分拭き取ってから、天然又は合成ワックスを塗布、乾燥させ、ワックスを拭き上げる等の一連の作業が必要とされ、より簡単に、しかも好ましい艶や光沢を付与する方法が求められている。
【0003】
このような作業を簡単にする方法として、特開昭62−47331号公報、特開平11−152462号公報には、ワックスやシリコーンを含む艶出し布が開示されている。これらの公報に開示の技術は、ワックス成分や洗浄成分を含浸させた布で硬質表面を拭く方法である。しかしながら、このような方法では、かなり丁寧に表面を拭かなければ、艶むらが残るため美観の点で好ましくなく、作業性の点からも改善が求められる。
【0004】
従って、本発明の目的は、簡便に硬質表面に艶出し効果を付与でき、しかも艶むらがない硬質表面用艶出し洗浄剤物品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)アミノ変性シリコーン0.05〜10重量%、(b)テルペン化合物0.01〜2重量%、及び(c)水を含有する洗浄液を、繊維集合体に含浸させてなる硬質表面用艶出し洗浄剤物品であって、繊維集合体が、下記に示される(A−1)繊維及び(A−2)繊維から構成される不織布からなり、重量比で(A−2)繊維/(A−1)繊維=50/50〜5/95であって、繊維集合体1重量部に対して該洗浄液を1.5〜5重量部含浸させてなる硬質表面用艶出し洗浄剤物品を提供する。
(A−1)繊維:ポリオレフィン系繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維及びこれらの複合繊維から選ばれる繊度0.01〜0.9 dtex の分割型極細繊維。
(A−2)繊維:ポリオレフィン系繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維及びこれらの複合繊維(芯鞘状繊維、サイドバイサイド型繊維等)、ポリウレタン、親水化処理を施したポリエステル、ポリビニルアルコール繊維、レーヨン、コットン、パルプから選ばれる繊度0.8〜10 dtex の繊維
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の硬質表面用艶出し洗浄剤物品について詳述する。
【0007】
本発明の洗浄剤は、(a)成分としてアミノ変性シリコーンを含有する。アミノ変性シリコーンは、オルガノポリシロキサンオイルであり、具体的には、ジメチルポリシロキサンオイル(以下、ジメチルシリコーンという)、ジメチルシリコーンのメチル基の一部がフェニル基で置換されているフェニルメチルポリシロキサン、同じくメチル基の一部が水素で置換されているメチルハイドロジェンポリシロキサン、分子の末端に反応性のシラノール基を持つジメチルポリシロキサンジオール等のストレートシリコーンのメチル基の一部が、アミノ基を含む有機基になっているオルガノポリシロキサンオイルであるアミノ変性シリコーンは、「シリコーンハンドブック」(伊藤邦雄編集、日刊工業新聞社発行、1990年8月31日、初版1刷)の第6章を中心に例示されている。本発明では、とりわけ下記(I)で示されるアミノ変性シリコーンがより好ましい。また、これらのアミノ変性シリコーン、1種類であっても、複数を組み合わせて使用してもかまわない。
【0008】
【化1】
Figure 0003912988
【0009】
撥水性化合物としてのアミノ変性シリコーン、アミノ当量が500〜50000g/mol、さらには500〜20000g/mol、特に1000〜20000g/molのものが好ましい。
【0010】
本発明では、前記アミノ変性シリコーンを水に乳化させたエマルジョンとして用いることが好ましく、乳化剤として界面活性剤を用いることが好ましい。乳化剤として好ましい界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、脂肪酸塩等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキシド付加物、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド、アルキルグルコシド、アルキルグリセリルエーテル等の非イオン界面活性剤、アミンオキシド、スルホベタイン、カルボベタイン等の両性界面活性剤、モノ長鎖アルキル4級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキル4級アンモニウム塩、トリ長鎖アルキル4級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン等のシリコーン界面活性剤を挙げることができる。
【0011】
本発明で特に好ましい乳化剤は、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド、アルキルグルコシド、アルキルグリセリルエーテル、モノ長鎖アルキル4級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキル4級アンモニウム塩である。
【0012】
本発明では、乳化剤/アミノ変性シリコーンの配合重量比が、好ましくは1/1000〜2/1、より好ましくは5/1000〜1/1、特に好ましくは1/100〜1/1であることが洗浄性の点から好ましい。また、乳化粒子の平均粒径は0.01〜30μm、好ましくは0.01〜5μmであることが、洗浄性及び安定性の点から好ましい
【0013】
本発明の洗浄液は、(b)成分としてテルペン化合物を用いる。ここでテルペン化合物とは、イソプレンが重合した不飽和炭化水素、及びこれと同一骨格を有する不飽和炭化水素又は飽和炭化水素(以下、炭化水素系テルペン化合物という)であり、 さらにこれらにヒドロキシ基、ケトン基、エステル基が結合したアルコール化合物(以下、アルコール系テルペン化合物という)、 ケトン化合物、エステル化合物もテルペン化合物に含まれる。また、イソプレンの重合度が2つの場合をモノテルペン化合物、3つの場合をセスキテルペン化合物、4つの場合をジテルペン化合物として一般に分類されている。
【0014】
本発明では、前記テルペン化合物の中でも飽和もしくは不飽和の鎖状あるいは環状の炭化水素系モノテルペン化合物、又は飽和もしくは不飽和の鎖状あるいは環状のアルコール系モノテルペン化合物が艶むらを低減する目的で好ましい。特に具体的に好ましい化合物としては、α−ピネン、β−ピネン、カンフェン、リモネン、ジペンテン、ターピノレン、ミルセンである炭化水素系テルペン化合物、リナロール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、ヒドロキシシトロネロール、テトラヒドロリナロール、ミルセノール、ターピネオール、メントール、ボルネオール、イソプレゴール、ターピネン、ジヒドロミルセノール、ラバンジュロール、テトラヒドロゲラニオールであるアルコール系テルペン化合物が良好である。
【0015】
本発明の洗浄液は、前記(a)成分及び前記(b)成分を、(c)成分である水に溶解又は分散させた水溶液の形態であり、(a)成分の含有量は0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、特に好ましくは0.1〜3重量%であり、(b)成分の含有量は0.01〜2重量%、好ましくは0.01〜1重量%、特に好ましくは0.01〜0.5重量%である。また、洗浄液に用いる水は微量に存在する重金属を取り除いたイオン交換水又は蒸留水が良好であり、また、塩素又は次亜塩素酸塩を水に対して0.1ppm〜5ppm添加した滅菌水を使用しても差し支えない。
【0016】
本発明の洗浄液には、水溶性溶剤(但し、(b)成分ではない)を添加することが洗浄性の点から好ましい。ここで水溶性溶剤とは、20℃の水に10重量%以上溶解する溶剤である。好ましい溶剤としては、(i )炭素数1〜5の1価アルコール、(ii)炭素数4〜12の多価アルコール、(iii )下記の一般式(1)で表される化合物、(iv)下記の一般式(2)で表される化合物、(v)下記の一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
【0017】
【化2】
9 O(CH2 4 s (C3 6 O)t 10 (1)
〔式中、R9 及びR10は、それぞれ水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はベンジル基を示すが、R9 及びR10の双方が水素原子となる場合を除く;sは0〜10、tは0〜10の数をそれぞれ示すが、s及びtの双方が0である場合を除く]
【0018】
【化3】
Figure 0003912988
[式中、R11及びR12は、炭素数1〜3のアルキル基を示す]
【0019】
【化4】
13OCH2 CH(OH)CH2 OH (3)
[式中、R13は炭素数、1〜8のアルキル基を示す〕
【0020】
前記(i)の炭素数1〜5の1価アルコールとしては、一般的にエタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールが挙げられる。これらの低級アルコールを配合することにより低温における系の安定性をさらに向上させることができる。
【0021】
前記(ii)の炭素数4〜12の多価アルコールとしては、イソプレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
【0022】
前記(iii)の化合物は、前記一般式(1)において、R9 、R10がアルキル基である場合の炭素数は1〜4が特に好ましい。また、前記一般式(1)中、エチレンオキサイド(EO)及びプロピレンオキサイド(PO)の平均付加モル数のs及びtは、それぞれ0〜10の数のものが用いられるが、これらの付加順序は特に限定されず、ランダム付加したものであってもよい。
【0023】
前記(iii)の化合物の具体例としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシエチレン(p=2〜3)ポリオキシプロピレン(p=2〜3)グリコールジメチルエーテル(pは平均付加モル数を示す)、ポリオキシエチレン(p=1〜4)グリコールフェニルエーテル、フェニルカルビトール、フェニルセロソルブ、ベンジルカルビトール等が挙げられる。このうち、洗浄力及び使用感の点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリオキシエチレン(p=3)グリコールフェニルエーテルが好ましい。
【0024】
また、前記(iv)の化合物としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノンが好適なものとして例示される。
【0025】
前記(v)の化合物としては、アルキルグリセリルエーテル化合物であり、好ましくはR13が3〜8のアルキル基が好ましい。
【0026】
これらの中でも、艶出し洗浄効果の点から、前記(i)〜(iii )、(v)の水溶性溶剤が好ましく、具体的には1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンフェニル(又はベンジル)エーテル(エチレンオキサイド付加モル数1〜5)、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましく、特にエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。水溶性溶剤は艶出し洗浄剤中に好ましくは0.1〜20重量%、特に好ましくは0.5〜10重量%含有することが良好である。
【0027】
本発明では、艶出し洗浄剤に、さらに例えば特開平7−233394号公報第3欄第49行〜第4欄第24行に記載の金属イオン封鎖剤、増粘剤、着色剤、香料、殺菌剤、防腐剤等の洗浄剤に通常用いられる成分や、ワックス成分、アルカリ剤及び特開平10−287900号公報の請求項4記載の水不溶性又は水難溶性固体粒子を含有させることができる。これらの成分を含有させる場合には、艶出し洗浄剤中に5重量%以下含有させることが望ましい。
【0028】
本発明では、前記洗浄剤を繊維集合体(以下、基材Aともいう)に含浸させる。ここでいう繊維集合体とは、単繊維が複数本集まり、編み込み、交絡又は部分的に熱融着により構造化された集合体を示す。
【0029】
繊維集合体としては、後述の(A−1)繊維及び(A−2)繊維から構成される不織布を用いる。不織布としては、湿式不織布、ケミカルボンド、サーマルボンド(エアースルー)、エアレイ等の乾式不織布の他に、スパンレース、スパンボンド、メルトブローン、ニードルパンチ又はステッチボンドを挙げることができるが、特に湿式不織布、ケミカルボンド、サーマルボンド(エアースルー)、メルトブローン又はスパンレースから選ばれる1種以上が加工性と使用感の点から好ましい。
【0030】
不織布に使用する(A−1)繊維は、極細繊維である。ここで極細繊維とは、「繊維便覧」(第2版、繊維学会編、丸善株式会社、平成6年3月25日発行)の第49〜51頁に記載されているものであり、高分子相互配列体繊維法、剥離型複合紡糸法、改良型従来式紡糸法、減量加工法、スーパードロー法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法、叩解法、混合紡糸法、タック紡糸法、発泡シート化法、遠心紡糸法、組成変性法により製造することができる。
【0031】
上記極細繊維としては、剥離型複合紡糸法により製造された分割型極細繊維を用いる。この分割型極細繊維は、機械力、圧力等により繊維が複数本に分割され、異型断面の極細繊維を形成する繊維であり、対象とする硬質表面への密着性が増加することにより粒子汚れの捕集性が向上するとともに、艶出し剤を均一に塗布できる点で好ましい。また、分割数は、作業性及び固体粒子汚れによる硬質表面の傷付きが低い点から、6〜20分割繊維、好ましくは6〜10分割繊維、特に8分割繊維が望ましい。
【0032】
さらに、この(A−1)繊維の繊度は、0.01〜1.2dtexであり、特に好ましくは0.01〜0.9dtexであることがこの粒子汚れの捕集性及び固体粒子汚れによる硬質表面の傷付きが低い点から良好である。
【0033】
また、(A−1)繊維の繊維長には特に制限は無く、長繊維フィラメント及び短繊維ステープルファイバーの何れも用いることができ、特に20〜110mmの短繊維ステープルファイバーが好ましい。
【0034】
さらに、(A−1)繊維の材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル繊維、ナイロン等のポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維及びこれらの複合繊維から選ばれるものが、粒子汚れの捕集性及び固体粒子汚れによる硬質表面の傷付きが低い点から好ましい。
【0035】
本発明に用いられる基材Aには、前記(A−1)繊維に加えて、(A−2)繊維であるポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオエフィン系繊維、ポリエステル繊維、ナイロン等のポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維及びこれらの複合繊維(芯鞘状繊維、サイドバイサイド型繊維等)、ポリウレタン、親水化処理を施したポリエステル、ポリビニルアルコール繊維、レーヨン、コットン、パルプ、好ましくはアクリル、ナイロン、親水化処理を施したポリエステルから選ばれる繊維の1種以上を混合する
【0036】
また、(A−2)繊維の繊度は、作業性及び固体粒子汚れによる硬質表面の傷付きが低い点から、0.8〜10dtexであり、さらに好ましくは0.8〜5dtexである。
【0037】
(A−2)繊維の繊維長には特に制限は無く、長繊維フィラメント及び短繊維ステープルファイバーの何れも用いることができ、特に20〜110mmの短繊維ステープルファイバーが好ましい。
【0038】
(A−2)繊維/(A−1)繊維の配合重量比は、作業性及び固体粒子汚れによる傷付きが低い点より、50/50〜5/95、好ましくは40/60〜10/90である。
【0039】
(A−1)繊維と(A−2)繊維とは、繊維同士を交錯して混合する方法や、繊維を並列又は積層して混合する方法で複合させてもよいが、本発明で繊維集合体が不織布の場合には、両者を含むウェブを形成する方法、または該ウェブを交絡させる方法で複合したものが洗浄効果、艶出し効果及び摩擦抵抗性の点から良好である。なお、本発明でいう「ウェブ及びウェブの形成方法」は、繊維学会編集 丸善(株)発行、第348〜351頁に記載されている通りである。
【0040】
また、本発明に用いられる基材Aの目付けは、5〜200g/m2 、特に15〜100g/m2 であることが、粒子汚れの捕集性、傷付きの点及びコストの点で好ましい。
【0041】
また、前記繊維集合体(基材A)は、清掃対象面との接触部分(表層)にさえあれば良く、また可撓性材料(以下、基材Bという)との積層体として、この積層体に前記艶出し洗浄剤を含浸して用いても差し支えない。
【0042】
前記洗浄剤は、繊維集合体1重量部に対して1.5〜5重量部、好ましくは1.5〜4重量部含浸させることが、洗浄性及び艶出し効果の点から好ましい。また、含浸後は、水あるいは水溶性溶剤が揮散しないように密閉容器、特にアルミ箔層を有する多層フィルムにてピロー包装して貯蔵することが望ましい。
【0043】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明する。
【0044】
〔実施例1〜5及び比較例1〜2〕
<繊維集合体の調製>
基材1:基材Bとして芯がポリプロピレンからなり鞘がポリエチレンからなる芯鞘構造で、立体クリンプ形状をもつ低融点繊維(2.8dtex×51mm、鞘成分の融点130℃)を用いて繊維同士を140℃で熱接着させ、目付30g/m2 のサーマルボンド(エアスルー)不織布を作製した。次に、基材Aとして、分割前繊度3.3dtex、繊維長51mmのポリエステルとポリエチレンより構成される8分割可能な菊花型の分割繊維(分割後の平均繊度0.42dtex)とアクリル繊維(0.9dtex、51mm)とを重量比で70対30で混合し、常法のカード機で作製した目付27g/m2 の繊維ウエブを得た。得られた前記基材Aを前記基材Bであるサーマルボンド(エアスルー)不織布の両面に積層した。次いで、ウォーターニードリング処理を施し、サーマルボンド(エアスルー)不織布と繊維ウエブとを交絡させて、積層体であるシート状基材を作製した(面積300mm×300mm、目付84g/m2 、シート厚さ1100μm、基材A(両面の合計)/基材Bの厚さの比は5/5である)。
【0045】
<洗浄液の調製>
表1に示す配合割合で洗浄液を調製した。
【0046】
<性能評価方法>
実際の車と同等の黒色メタリック塗装が施されたプレート(1000mm×1000mm)を屋外に3週間放置し、土埃が付着した試験用塗装プレートを得た。
【0047】
表1に示した組成の艶出し洗浄剤を、300mm×300mmの大きさに切った基材に含浸させた表1の艶出し洗浄シートを4つ折りにし、前記試験用塗装プレートを拭き取り、塗装プレートの艶を下記の評価基準で3人のパネラーにより判定した。判定結果を平均し、評価点が1以上2未満の場合を○、2以上3未満を△、3以上を×として表1に示した。
【0048】
(評価)
むらがなく均一な艶がでる:1
ややむらがみられるが満足できるレベルである:2
艶むらがみられる:3
かなり艶むらがみられる:4
【0049】
【表1】
Figure 0003912988
【0050】
【発明の効果】
本発明の艶出し洗浄剤物品によれば、簡便に硬質表面の艶出しを行うことができ、しかも艶むらを生じることがない。

Claims (2)

  1. (a)アミノ変性シリコーン0.05〜10重量%、(b)テルペン化合物0.01〜2重量%、及び(c)水を含有する洗浄液を、繊維集合体に含浸させてなる硬質表面用艶出し洗浄剤物品であって、繊維集合体が、下記に示される(A−1)繊維及び(A−2)繊維から構成される不織布からなり、重量比で(A−2)繊維/(A−1)繊維=50/50〜5/95であって、繊維集合体1重量部に対して該洗浄液を1.5〜5重量部含浸させてなる硬質表面用艶出し洗浄剤物品。
    (A−1)繊維:ポリオレフィン系繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維及びこれらの複合繊維から選ばれる繊度0.01〜0.9 dtex の分割型極細繊維。
    (A−2)繊維:ポリオレフィン系繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維及びこれらの複合繊維(芯鞘状繊維、サイドバイサイド型繊維等)、ポリウレタン、親水化処理を施したポリエステル、ポリビニルアルコール繊維、レーヨン、コットン、パルプから選ばれる繊度0.8〜10 dtex の繊維。
  2. 前記(b)テルペン化合物が、α−ピネン、β−ピネン、カンフェン、リモネン、ジペンテン、ターピノレン、ミルセン、リナロール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、ヒドロキシシトロネロール、テトラヒドロリナロール、ミルセノール、ターピネオール、メントール、ボルネオール、イソプレゴール、ターピネン、ジヒドロミルセノール、ラバンジュロール、テトラヒドロゲラニオールから選ばれるモノテルペン化合物である請求項1記載の硬質表面用艶出し洗浄剤物品。
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