JP2009164499A - 端面処理用治具およびそれを用いる半導体レーザ装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 半導体レーザ装置の光学損傷劣化を防止して、半導体レーザ装置本体の端面に反射率制御膜を形成することのできる端面処理用治具およびそれを用いる半導体レーザ装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 端面処理用治具3の窓部5を酸化物および窒化物の少なくとも一方で構成し、窓部5の窓4から端面が露出するように半導体レーザバー1を固定する。この状態で、半導体レーザバー1の端面9に反射率制御膜を形成して、半導体レーザ装置を製造する。これによって、反射率制御膜中に金属が取込まれることを防止し、取込まれた金属による光吸収を防止することができるので、半導体レーザ装置の光学損傷劣化を防止して、半導体レーザバー1の端面9に反射率制御膜を形成することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 端面処理用治具3の窓部5を酸化物および窒化物の少なくとも一方で構成し、窓部5の窓4から端面が露出するように半導体レーザバー1を固定する。この状態で、半導体レーザバー1の端面9に反射率制御膜を形成して、半導体レーザ装置を製造する。これによって、反射率制御膜中に金属が取込まれることを防止し、取込まれた金属による光吸収を防止することができるので、半導体レーザ装置の光学損傷劣化を防止して、半導体レーザバー1の端面9に反射率制御膜を形成することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体レーザ装置の光が射出する端面およびその反対側の端面に反射率制御膜を形成するときに好適に用いられる端面処理用治具およびそれを用いる半導体レーザ装置の製造方法に関する。
半導体レーザ装置は、その内部で発生した光を効率的に取出すこと、および半導体レーザ装置の酸化に起因する劣化を防止することを目的として、光が射出する端面およびその反対側の端面に反射率制御膜が形成される。半導体レーザ装置の前記端面に反射率制御膜を形成する場合、半導体レーザ装置は、以下のようにして製造される。まず、化合物半導体の基板上にp型およびn型から成る層を形成した後、p型層およびn型層の各々に電極を形成する。そして、劈開によって複数個の半導体レーザ装置本体が連なったバー状態にし、そのバー(以下「半導体レーザバー」という)とは異なる材料の直方体(以下「スペーサ」という)と交互に並べて、これらを固定する治具に取り付けて、前記端面に反射率制御膜を形成する(たとえば、特許文献1,2参照)。
前述の従来技術では、スパッタ法、真空蒸着法または化学気相成長(Chemical Vapor Deposition;略称:CVD)法などの方法を用いて、単層または少なくとも2層以上の多層膜を成膜することによって、反射率制御膜を形成する。これらの方法では、反射率制御膜を構成する材料の粒子が、エネルギーを持った状態で、半導体レーザバーおよびスペーサを固定する治具またはスペーサに衝突する。治具またはスペーサに衝突する粒子のうち、多くの粒子は付着するけれども、一部の粒子は治具またはスペーサをエッチングし、エッチングによって治具またはスペーサから放出された粒子が半導体レーザ装置の端面に形成される反射率制御膜中に取込まれる場合がある。
半導体レーザバーおよびスペーサを固定する治具が、たとえばステンレス鋼(SUS)などの金属で構成されている場合、金属が反射率制御膜中に取込まれることになる。金属が反射率制御膜に取込まれた状態でレーザ発振すると、その金属が光吸収し、光学損傷(Catastrophic Optical Damage;略称:COD)劣化を引起こして、半導体レーザ装置の信頼性が低下するという問題がある。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、半導体レーザ装置の光学損傷劣化を防止して、半導体レーザ装置本体の端面に反射率制御膜を形成することのできる端面処理用治具およびそれを用いる半導体レーザ装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の端面処理用治具は、半導体レーザ装置本体の端面に反射率制御膜を形成して半導体レーザ装置を製造するために半導体レーザ装置本体を固定する端面処理用治具であって、半導体レーザ装置本体の端面が露出する窓が形成される窓部を有し、少なくとも窓部は、酸化物および窒化物の少なくとも一方から成ることを特徴とする。
本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、前記端面処理用治具によって半導体レーザ装置本体を固定し、前記端面処理用治具の窓から露出する半導体レーザ装置本体の端面に、反射率制御膜を形成する工程を備えることを特徴とする。
また本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、複数の半導体レーザ装置本体を、隣合う2つの半導体レーザ装置本体間にスペーサを介在させて配置して、前記端面処理用治具によって固定し、前記端面処理用治具の窓から露出する各半導体レーザ装置本体の端面に、反射率制御膜を形成する工程を備え、前記スペーサは、酸化物および窒化物の少なくとも一方から成ることを特徴とする。
本発明の端面処理用治具によれば、半導体レーザ装置本体は、窓部の窓から端面が露出するように固定される。この状態で、半導体レーザ装置本体の端面に反射率制御膜を形成して、半導体レーザ装置が製造される。半導体レーザ装置本体の端面に反射率制御膜の材料を付着させて反射率制御膜を形成するときに、端面処理用治具の窓部に反射率制御膜の材料が付着して、窓部がエッチングされると、エッチングによって放出された窓部の材料が反射率制御膜中に取込まれる。端面処理用治具の窓部が金属から成る場合、反射率制御膜中に金属が取込まれ、取込まれた金属が光吸収し、光学損傷劣化を引起こす。本発明の端面処理用治具の窓部は、酸化物および窒化物の少なくとも一方から成るので、窓部の材料が反射率制御膜中に取込まれる場合、反射率制御膜中には酸化物または窒化物の少なくとも一方が取込まれることになる。
したがって、反射率制御膜中に金属が取込まれることを防止し、取込まれた金属による光吸収を防止することができるので、半導体レーザ装置の光学損傷劣化を防止して、半導体レーザ装置本体の端面に反射率制御膜を形成することができる。
本発明の半導体レーザ装置の製造方法によれば、窓部が酸化物および窒化物の少なくとも一方から成る端面処理用治具で半導体レーザ装置本体を固定して、窓部の窓から露出する半導体レーザ装置本体の端面に反射率制御膜を形成するので、半導体レーザ装置本体の端面に形成される反射率制御膜の中に金属が取込まれることを防止し、取込まれる金属による光吸収を防止することができる。これによって、半導体レーザ装置の光学損傷劣化を防止し、信頼性が高い半導体レーザ装置を得ることができる。
また本発明の半導体レーザ装置の製造方法によれば、窓部が酸化物および窒化物の少なくとも一方から成る端面処理用治具によって、複数の半導体レーザ装置本体が固定される。隣合う2つの半導体レーザ装置本体間には、酸化物および窒化物の少なくとも一方から成るスペーサが介在する。この状態で、端面処理用治具の窓部に形成される窓から露出する各半導体レーザ装置本体の端面に反射率制御膜が形成される。各半導体レーザ装置本体の端面に反射率制御膜の材料を付着させて反射率制御膜を形成するとき、端面処理用治具の窓部およびスペーサがエッチングされて、それらの材料が放出されることがある。
端面処理用治具の窓部およびスペーサは、酸化物および窒化物の少なくとも一方から成るので、窓部およびスペーサが金属から成る場合とは異なり、エッチングによって窓部およびスペーサの材料が放出されても、反射率制御膜の中に金属が取込まれることを防止し、取込まれた金属による光吸収を防止することができる。特に本発明では、窓部だけでなく、スペーサも、酸化物および窒化物の少なくとも一方から成るので、反射率制御膜中への金属の取込みをより確実に防止することができる。したがって、半導体レーザ装置の光学損傷劣化をより確実に防止し、信頼性が高い半導体レーザ装置を得ることができる。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態である半導体レーザ端面処理用治具3を示す平面図である。図2は、図1の切断面線II−IIから見た断面図である。図3は、保持治具7を簡略化して示す斜視図である。図4は、固定治具8を簡略化して示す斜視図である。図1では、後述する図5に示すウエハ15をバー状態に劈開して成る半導体レーザバー1とスペーサ2とが交互に配置され、かつ半導体レーザ端面処理用治具(以下「端面処理用治具」という)3に固定された状態を示している。換言すれば、図1では、複数の半導体レーザバー1が、隣合う2つの半導体レーザバー1間にスペーサ2を介在させて配置され、かつ端面処理用治具3に固定された状態を示している。
図1は、本発明の第1の実施の形態である半導体レーザ端面処理用治具3を示す平面図である。図2は、図1の切断面線II−IIから見た断面図である。図3は、保持治具7を簡略化して示す斜視図である。図4は、固定治具8を簡略化して示す斜視図である。図1では、後述する図5に示すウエハ15をバー状態に劈開して成る半導体レーザバー1とスペーサ2とが交互に配置され、かつ半導体レーザ端面処理用治具(以下「端面処理用治具」という)3に固定された状態を示している。換言すれば、図1では、複数の半導体レーザバー1が、隣合う2つの半導体レーザバー1間にスペーサ2を介在させて配置され、かつ端面処理用治具3に固定された状態を示している。
半導体レーザバー1は、後述する図6に示すように、複数個の半導体レーザ装置本体20が予め定める方向に連なって直方体状に形成される。スペーサ2は、半導体レーザバー1と同様に直方体状に形成される。したがって図1に示すように複数の半導体レーザバー1を、隣合う2つの半導体レーザバー1間にスペーサ2を介在させて幅方向に並べて配置することによって、複数の半導体レーザ装置本体20が、隣合う2つの半導体レーザ装置本体20間にスペーサ2を介在させて配置される。
端面処理用治具3は、半導体レーザ装置本体の端面である半導体レーザバー1の端面9に、後述する図7に示すように反射率制御膜22,23を形成して半導体レーザ装置21を製造するために、半導体レーザ装置本体、具体的には半導体レーザバー1を固定する治具である。端面処理用治具3は、ザグリ部6が形成される保持治具7と、半導体レーザバー1およびスペーサ2を、保持治具7と協働して挟持して固定する固定治具8とを備えて構成される。保持治具7および固定治具8は、その厚み方向一方から見て略正方形枠状に形成されている。
また図2および図3に示すように、保持治具7にザグリ部6を形成することによって、半導体レーザバー1およびスペーサ2を保持治具7に取付けることが可能となる。端面処理用治具3は、半導体レーザ装置本体の端面9が露出する窓4が形成される窓部5を有する。本実施の形態では、保持治具7の外方に臨む表面部および固定治具8の外方に臨む表面部が、窓部5を構成する。半導体レーザ装置本体は、窓部5の窓4から端面9が露出するように固定される。
半導体レーザ装置本体の端面9に反射率制御膜を形成するにあたって、本実施の形態では、反射率制御膜の材料が、反射率制御膜の予め定める第1成膜方向11または第1成膜方向11と180度異なる第2成膜方向12から付着されるように、端面処理用治具3を成膜装置に配置する。反射率制御膜は、スパッタ法、真空蒸着法または化学気相成長(CVD)法などの方法を用いて、単層または少なくとも2層以上の多層膜を成膜することによって形成される。本実施の形態における第1成膜方向11は、半導体レーザ装置本体の2つの端面9のうち、一部が固定治具8と接する側の端面9に垂直でかつその端面9に近接する方向であり、第2成膜方向12は、半導体レーザ装置本体の2つの端面9のうち、一部が保持治具7と接する側の端面9に垂直でかつその端面9に近接する方向である。
半導体レーザ装置本体の端面9が、第1および第2成膜方向11,12に垂直となるように、半導体レーザバー1およびスペーサ2を保持治具7のザグリ部6に配置することによって、半導体レーザ装置本体の端面9に反射率制御膜を形成する前の工程が完了する。
図3に示す保持治具7および図4に示す固定治具8は、実際には保持治具7および固定治具8の両者を固定するねじ、ならびに半導体レーザバー1の長さ寸法および本数にあわせて、それらを構成する多数の部品を含んで構成されるが、理解を容易にするために、図3では保持治具7を簡略化して示し、図4では固定治具8を簡略化して示している。保持治具7および固定治具8の形態は、必ずしも図3および図4に示した形態に限定されるものではなく、たとえば、保持治具7および固定治具8が、その厚み方向一方から見て長方形枠状に形成されていてもよい。
本実施の形態において、端面処理用治具3を構成する保持治具7および固定治具8のうち、少なくとも窓部5に相当する部分は、酸化物および窒化物の少なくとも一方の材料から成る。本実施の形態では、端面処理用治具3の全体、すなわち保持治具7および固定治具8の全体が、酸化物および窒化物の少なくとも一方の材料から成る。このように本実施の形態では、端面処理用治具3の窓部5を、酸化物および窒化物の少なくとも一方の材料から成るようにしているが、同じ酸化物または窒化物でも材料が異なると、反射率制御膜の屈折率に影響を及ぼすので、端面処理用治具3の窓部5を構成する材料は、半導体レーザ装置本体の端面9に形成する反射率制御膜と同じ材料であることが好ましい。
本実施の形態の反射率制御膜は、酸化物または窒化物の少なくとも一方の材料で構成される。酸化物の一例としては、酸化アルミニウム、酸化シリコン、酸化タンタル、酸化チタン、酸化マグネシウム、および酸化ニオブが挙げられる。また窒化物の一例としては、窒化アルミニウムおよび窒化シリコンが挙げられる。反射率制御膜は、前記酸化物または窒化物を単層または少なくとも2層以上の多層膜を成膜することによって形成される。本実施の形態の端面処理用治具3は、前記反射率制御膜と同一の材料によって構成される。
前述のように本実施の形態の端面処理用治具3によれば、半導体レーザ装置本体は、窓部5の窓4から端面9が露出するように固定される。この状態で、半導体レーザ装置本体の端面9に反射率制御膜を形成して、半導体レーザ装置が製造される。第1または第2成膜方向11,12から、半導体レーザ装置本体の端面9に反射率制御膜の材料を付着させて反射率制御膜を形成するとき、端面処理用治具3の窓部5に反射率制御膜の材料が付着して、窓部5がエッチングされると、エッチングによって放出された窓部5の材料が反射率制御膜中に取込まれる。端面処理用治具3の窓部5が金属から成る場合、反射率制御膜中に金属が取込まれ、取込まれた金属が光吸収し、光学損傷劣化を引起こす。本実施の形態の端面処理用治具3の窓部5は、酸化物および窒化物の少なくとも一方から成るので、窓部5の材料が反射率制御膜中に取込まれる場合、反射率制御膜中には酸化物または窒化物の少なくとも一方が取込まれることになる。
したがって、反射率制御膜中に金属が取込まれることを防止し、取込まれた金属による光吸収を防止することができるので、半導体レーザ装置の光学損傷劣化を防止して、半導体レーザ装置本体の端面9に反射率制御膜を形成することができる。
反射率制御膜は、前述のようにスパッタ法、真空蒸着法またはCVD法などの方法を用いて形成されるが、本実施の形態の端面処理用治具3は、反射率制御膜の材料の粒子のエネルギーが高いスパッタ法によって反射率制御膜を形成する場合に、特に有効に前述の効果を奏する。
また、本実施の形態の端面処理用治具3によれば、前述の方法で反射率制御膜を形成する前に、希ガス、窒素ガス、酸素ガス、もしくはこれらの混合ガスを含むプラズマで、半導体レーザ装置本体の端面9の汚染物、水分、自然酸化膜などを除去する場合にも、前述の反射率制御膜を形成するときと同様の効果を奏する。
図5は、GaAs基板に対するエピタキシャル成長工程、絶縁膜形成工程および金属電極形成工程が終了した段階のウエハ15の構成を示す断面図である。図6は、図5に示すウエハ15を共振器長に劈開した半導体レーザバー1を示す斜視図である。図7は、半導体レーザ装置21の構成を示す断面図である。
半導体レーザ装置21となる半導体レーザ装置本体20は、ガリウム砒素(GaAs)基板、インジウムリン(InP)基板または窒化ガリウム(GaN)基板上に、エピタキシャル成長して、レーザ光が発振する領域を形成して製造される。本実施の形態では、GaAs基板を用いた、発振波長が650nmの半導体レーザ装置の製造方法について説明する。半導体レーザ装置の基板および発振波長は、必ずしも前記基板および前記発振波長に限定されるものではない。
複数の半導体レーザ装置本体20を含むウエハ15は、GaAs基板11に活性層12およびクラッド層13をエピタキシャル成長法によって結晶成長し、結晶側および基板側に電極14をそれぞれ形成して製造される。このようにして製造されたウエハ15を共振器長に劈開して、複数個の半導体レーザ装置本体20が連なった半導体レーザバー1を製造する。劈開によって形成された端面9に、前述の端面処理用治具3を用いて、スパッタ法、真空蒸着法またはCVD法などの各種成膜方法によって反射率制御膜を形成する。
高出力が要求される半導体レーザ装置21では、レーザ光を射出する側の端面9に反射率の低い反射率制御膜(以下「第1反射率制御膜」という場合がある)22を形成し、その反対側の端面9には反射率の高い反射率制御膜(以下「第2反射率制御膜」という場合がある)23を形成する。第1反射率制御膜22の反射率は、単に低ければよいというものではなく、半導体レーザ装置に要求される特性に応じて選定される。高出力の半導体レーザ装置では、第1反射率制御膜22の反射率として3%〜7%程度の反射率が選定され、戻り光対策が必要な場合は7%〜10%程度の反射率が選定される。また第2反射率制御膜23の反射率は、60%以上、好ましくは80%以上である。図7に示すように、端面9に第1および第2反射率制御膜22,23を形成した後は、半導体レーザバー1をチップごとに、すなわち半導体レーザ装置本体20ごとに分離することによって、半導体レーザ装置21が得られる。
本実施の形態の半導体レーザ装置の製造方法によれば、窓部5が酸化物および窒化物の少なくとも一方から成る端面処理用治具3で半導体レーザ装置本体20を固定して、窓部5の窓4から露出する半導体レーザ装置本体20の端面9に第1および第2反射率制御膜22,23を形成するので、半導体レーザ装置本体20の端面9に形成される第1および第2反射率制御膜22,23の中に金属が取込まれることを防止し、取込まれる金属による光吸収を防止することができる。これによって、半導体レーザ装置21の光学損傷劣化を防止し、信頼性が高い半導体レーザ装置21を得ることができる。
<第2の実施の形態>
次に本発明の第2の実施の形態の端面処理用治具およびそれを用いる半導体レーザ装置の製造方法について説明する。本実施の形態の半導体レーザバーの製造工程については、前述の第1の実施の形態と同様であるので、対応する箇所に同一の参照符を付して、第1の実施の形態と共通する説明を省略する。
次に本発明の第2の実施の形態の端面処理用治具およびそれを用いる半導体レーザ装置の製造方法について説明する。本実施の形態の半導体レーザバーの製造工程については、前述の第1の実施の形態と同様であるので、対応する箇所に同一の参照符を付して、第1の実施の形態と共通する説明を省略する。
第1の実施の形態では、端面処理用治具3を酸化物または窒化物の材料で構成する場合について説明したが、酸化物および窒化物は金属に比べて加工しにくく、また製造コストが増大するという問題がある。したがって、ザグリ部6が形成される保持治具7は、特に金属、たとえばステンレス鋼(Stainless Used Steel;略称:SUS)で構成されることが望ましい。
本実施の形態の端面処理用治具32は、前述のような端面処理用治具の加工性およびコストを考慮したものであり、第1または第2成膜方向11,12から半導体レーザバー1の端面に反射率制御膜を成膜する場合、反射率制御膜が付着する位置に、酸化物または窒化物の材料で構成されるカバー治具を、図1〜図4に示される第1の実施の形態の端面処理用治具3に取付けて構成される。すなわち本実施の形態の端面処理用治具32は、第1の実施の形態の端面処理用治具3と同様の構成の治具本体31と、カバー治具25,28とを備えて構成される。
図8は、端面処理用治具32に備わる第1カバー治具25を示す斜視図である。図9は、第1および第2カバー治具25,28を保持治具29と固定治具30とに取付けた状態を示す斜視図である。図10は、図9の切断面線X−Xから見た断面図である。
本実施の形態では、治具本体31は、前述の第1の実施の形態の端面処理用治具3と同様に構成されるが、治具本体31を構成する保持治具29および固定治具30は、金属から成る。第1および第2カバー治具25,28は、その厚み方向一方から見て略正方形枠状に形成される。第1および第2カバー治具25,28全体の大きさは、第1の実施の形態の端面処理用治具3に相当する治具本体31よりも大きく、また窓26は治具本体31の窓4と同じかまたは小さくなるように作製する。第2カバー治具28は、図9に示すように、治具本体31を覆うのみで、半導体レーザバー1およびスペーサ2を保持する必要がないので、板に孔を開けた程度の加工で済む。したがって第1および第2カバー治具25,28を含んで端面処理用治具32を構成することによって、前述の加工が困難という問題および製造コストが増大するという問題が解消される。
第1および第2カバー治具25,28は、酸化物および窒化物の少なくとも一方から成る。これによって、保持治具29と固定治具30とが、金属、たとえばSUSで構成されるとしても、予め定める第1成膜方向11または第1成膜方向11と180度異なる第2成膜方向12から、反射率制御膜を構成する材料の粒子を衝突させて反射率制御膜を形成するときに、SUSに反射率制御膜の材料が付着することはなく、反射率制御膜へのSUSの取込みを防止できる。このようにSUSなどの金属材料の反射率制御膜への取込みが発生しないので、信頼性の高い半導体レーザ装置が得られる。第1および第2カバー治具25,28の材料は、第1の実施の形態で述べたように、好ましくは端面9に形成する反射率制御膜22,23と同じ材料であることが好ましい。
本実施の形態では、保持治具29および固定治具30はいずれも金属から成るので、保持治具29および固定治具30をそれぞれ覆うように、2つのカバー治具25,28が設けられる。カバー治具の数は、2つに限定されず、保持治具29および固定治具30を構成する材料に応じて選ばれる。たとえば、保持治具29および固定治具30のうち、固定治具30のみが酸化物および窒化物の少なくとも一方で構成される場合、固定治具30を覆う第1カバー治具25は不要となり、また、保持治具29のみが酸化物および窒化物の少なくとも一方で構成される場合、保持治具29を覆う第2カバー治具28は不要となる。
本実施の形態の端面処理用治具によれば、治具本体31とカバー治具25,28とを備えて端面処理用治具32が構成される。半導体レーザ装置本体20は、治具本体31によって固定され、半導体レーザ装置本体20の端面9が露出する窓26は、治具本体31を覆うカバー治具25,28の窓部27に形成される。これによって、治具本体31を窓部27とは別の材料で形成することができるので、治具本体31を加工しやすく、かつ安価な材料、たとえば金属によって形成することができる。またカバー治具25,28を簡単な構成、たとえば板に孔を開けた程度の加工で形成できるような構成にすることができるので、カバー治具25,28を容易に、かつ安価に製造することができる。したがって、端面処理用治具32全体を酸化物および窒化物の少なくとも一方で形成する場合に比べて、端面処理用治具32を容易に、かつ安価に製造することができる。
<第3の実施の形態>
次に本発明の第3の実施の形態の端面処理用治具およびそれを用いる半導体レーザ装置の製造方法について説明する。本実施の形態の半導体レーザバーの製造工程および端面処理用治具は、前述の第1の実施の形態と同様であるので、対応する箇所に同一の参照符を付して、第1の実施の形態と共通する説明を省略する。
次に本発明の第3の実施の形態の端面処理用治具およびそれを用いる半導体レーザ装置の製造方法について説明する。本実施の形態の半導体レーザバーの製造工程および端面処理用治具は、前述の第1の実施の形態と同様であるので、対応する箇所に同一の参照符を付して、第1の実施の形態と共通する説明を省略する。
反射率制御膜形成時は、端面処理用治具3だけでなく、スペーサ2にも反射率制御膜22,23を構成する材料が付着する。したがって、スペーサ2が金属である場合、スペーサ2に反射率制御膜22,23の材料が付着することによって、スペーサ2がエッチングされ、エッチングによってスペーサ2から放出された金属粒子が反射率制御膜22,23中に取込まれてしまう場合がある。
そこで本実施の形態では、スペーサ2を酸化物および窒化物の少なくとも一方の材料で構成することによって、反射率制御膜22,23中に金属粒子が取込まれることをさらに低減することができ、信頼性の高い半導体レーザ装置を得ることができる。
またスペーサ2の材料は、第1および第2の実施の形態で述べたように、端面9に形成する反射率制御膜22,23と同じ材料であることが好ましい。
本実施の形態では、前述の第2の実施の形態と同様に、端面処理用治具3にカバー治具25,28を取付ける構成であってもよい。このような構成の場合、前述の第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
本実施の形態の半導体レーザ装置の製造方法によれば、窓部5が酸化物および窒化物の少なくとも一方から成る端面処理用治具3によって、複数の半導体レーザ装置本体20が固定されるとき、隣合う2つの半導体レーザ装置本体20間には、酸化物および窒化物の少なくとも一方から成るスペーサ2が介在する。この状態で、端面処理用治具3の窓部5に形成される窓4から露出する各半導体レーザ装置本体20の端面9に反射率制御膜22,23が形成される。
端面処理用治具3の窓部5およびスペーサ2は、酸化物および窒化物の少なくとも一方から成るので、窓部5およびスペーサ2が金属から成る場合とは異なり、エッチングによって窓5およびスペーサ2の材料が放出されても、反射率制御膜22,23の中に金属が取込まれることを防止し、取込まれた金属による光吸収を防止することができる。特に本実施の形態では、窓部5だけでなく、スペーサ2も、酸化物および窒化物の少なくとも一方から成るので、反射率制御膜22,23中への金属の取込みをより確実に防止することができる。したがって、半導体レーザ装置の光学損傷劣化をより確実に防止し、信頼性が高い半導体レーザ装置を得ることができる。
1 半導体レーザバー、2 スペーサ、3,32 半導体レーザ端面処理用治具、4,26 窓、5,27 窓部、6 ザグリ部、7,29 保持治具、8,30 固定治具、9 端面、20 半導体レーザ装置本体、21 半導体レーザ装置、22 第1反射率制御膜、23 第2反射率制御膜、25 第1カバー治具、28 第2カバー治具、31 治具本体。
Claims (4)
- 半導体レーザ装置本体の端面に反射率制御膜を形成して半導体レーザ装置を製造するために半導体レーザ装置本体を固定する端面処理用治具であって、
半導体レーザ装置本体の端面が露出する窓が形成される窓部を有し、
少なくとも窓部は、酸化物および窒化物の少なくとも一方から成ることを特徴とする端面処理用治具。 - 半導体レーザ装置本体を固定する治具本体と、
前記窓部を有し、前記治具本体を覆うカバー治具とを備えることを特徴とする請求項1に記載の端面処理用治具。 - 請求項1または2に記載の端面処理用治具によって半導体レーザ装置本体を固定し、
前記端面処理用治具の窓から露出する半導体レーザ装置本体の端面に、反射率制御膜を形成する工程を備えることを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。 - 複数の半導体レーザ装置本体を、隣合う2つの半導体レーザ装置本体間にスペーサを介在させて配置して、請求項1または2に記載の端面処理用治具によって固定し、
前記端面処理用治具の窓から露出する各半導体レーザ装置本体の端面に、反射率制御膜を形成する工程を備え、
前記スペーサは、酸化物および窒化物の少なくとも一方から成ることを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
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