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JP2009162242A - クリップ取付座 - Google Patents

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Kazuaki Ishibashi
一昭 石橋
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Abstract

【課題】クリップの取付作業性を向上させるとともに、取り付け後にクリップの抜けを有効に阻止できるようにする。
【解決手段】クリップ取付座1は、クリップ2が有する軸部3を保持する保持板部10を備えている。保持板部10には、クリップ2の軸部3が挿入されるクリップ挿入孔20と、クリップ挿入孔20の縁部から突出する突起21、22と、突起21、22をクリップ挿入孔20の外方へ向けて変位させるための空隙部23、24とが設けられている。クリップ挿入孔20の突起21、22が形成された縁部は、クリップ挿入孔20の奥側へ行くほど、空隙部23、24から離れるように形成された部分を有している。
【選択図】図4

Description

本発明は、部品等を組み付ける場合に使用されるクリップを当該部品に取り付けておくためのクリップ取付座に関する。
従来より、例えば、特許文献1に開示されているように、樹脂製部品をクリップを用いて組み付けることが行われている。樹脂製部品には、クリップが取り付けられるクリップ取付座が設けられている。クリップ取付座には、クリップが有する軸部が挿入されるクリップ挿入孔が形成されている。このクリップ挿入孔は、クリップ取付座の一縁部に開放してクリップ取付座の内方へ向けて延びるように形成されている。クリップ挿入孔の縁部には、クリップの軸部の抜けを阻止するための突起がクリップ挿入孔の内方へ向けて突設されている。さらに、クリップ取付座には、突起をクリップ挿入孔の外方へ向けて変位させるための空隙部が設けられている。この空隙部は、クリップ挿入孔の縁部に沿って延びるスリット形状とされている。
そして、クリップをクリップ取付座に取り付ける際に、軸部をクリップ挿入孔の開放側から挿入すると、クリップの軸部が突起に当たる。すると、空隙部によって突起がクリップ挿入孔の外方へ変位するので、軸部の挿入力を低減することが可能になる。一方、クリップが取り付けられた後は、突起が元の位置に戻り、これにより、クリップの軸部が突起に係合して軸部の抜けが阻止される。
実開昭63−62617号公報
ところが、特許文献1のクリップ取付座では、空隙部がクリップ挿入孔の縁部に沿って延びるスリット形状とされている。このため、クリップ挿入孔に挿入されたクリップの軸部が抜け方向に移動して突起に当たったときに、突起がクリップ挿入孔の外方へ向けて変位しやすく、軸部の抜けを有効に阻止できない虞れがある。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、クリップを取り付けるときには小さい力で取り付けできるようにして取付作業性を向上させ、しかも、取り付け後には、クリップの軸部の抜けを有効に阻止できるようにすることにある。
上記目的を達成するために、第1の発明では、クリップが取り付けられるクリップ取付座において、上記クリップが有する軸部を保持する保持板部を備え、上記保持板部には、該保持板部の一縁部に開放して該一縁部から該保持板部の内方へ延びる切り欠き形状に形成され、その開放部分から上記クリップの軸部が挿入されるクリップ挿入孔と、上記クリップ挿入孔の縁部から該クリップ挿入孔の内方へ向けて突出し、該クリップ挿入孔に挿入された上記クリップの軸部に係合して該軸部の抜けを阻止する突起と、上記突起を上記クリップ挿入孔の外方へ向けて変位させるための空隙部とが設けられ、上記クリップ挿入孔の突起が形成された縁部は、該クリップ挿入孔の奥側へ行くほど上記空隙部から離れるように形成された部分を有している構成とする。
第1の発明によれば、クリップ挿入孔が設けられた保持板部に、クリップ挿入孔の縁部から突出する突起と、該突起をクリップ挿入孔の外方へ向けて変位させるための空隙部とを設けたので、クリップの軸部をクリップ挿入孔に挿入する際には、突起が変位することによって小さい力で挿入でき、クリップの取付作業性を向上させることができる。また、クリップ挿入孔の突起が形成された縁部は、該クリップ挿入孔の奥側へ行くほど空隙部から離れるように形成された部分を有している。このため、クリップ挿入孔の突起が形成された縁部の剛性は、クリップ挿入孔の奥側へ行くほど高まることになる。これにより、クリップの軸部が、クリップ挿入孔の奥側から開放側へ向けて抜け方向に移動して突起に当たった際には、突起が変位し難く、クリップの軸部の抜けを有効に阻止できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るクリップ取付座1が設けられたサイドステップモール100を示すものである。このサイドステップモール100は、樹脂材を一体成形してなるものであり、自動車のサイドシル(図示せず)に取り付けられるようになっている。サイドステップモール100は、サイドシルの側面に沿うように延びる側壁部101と、サイドシルの下面に沿って延びる下壁部102と、端壁部103とを有している。側壁部101の車両後部は、上方へ延出するように形成されている。尚、この実施形態の説明では、説明の便宜を図るために、車両前側を単に「前」といい、後側を単に「後」というものとする。
サイドステップモール100の側壁部101内面(サイドシル側の面)には、複数のクリップ取付座1、1、…(図2や図3に示す)が前後方向に間隔をあけて設けられている。これらクリップ取付座1には、組付用のクリップ2(図4及び図5に示す)が取り付けられ、このクリップ2は、サイドシルに形成された係合孔(図示せず)に差し込まれて係合するようになっている。つまり、サイドステップモール100は、複数のクリップ2、2、…によりサイドシルに組み付けられるようになっている。
この実施形態の説明では、クリップ取付座1の構造について説明する前に、図4及び図5に基づいてクリップ2の構造について説明する。クリップ2は、樹脂の一体成形品である。クリップ2には、サイドシルの係合孔への挿入方向基端側に、クリップ取付座1に保持される軸部3が形成され、先端側には、係合孔に差し込まれる差し込み部4が形成されている。軸部3の基端には、径方向に延出する第1円板部5が形成されている。軸部3の第1円板部5から先端側に離れた部位には、径方向へ延出し、かつ、差し込み部4側へ向けて傾斜する傘状の第2円板部6が形成されている。第2円板部6の径は、第1円板部5の径よりも大きく設定されている。差し込み部4は、軸部3の径方向に弾性変形する変形部7、7と、リブ8、8とを備えている。
次に、クリップ取付座1の構造について説明する。各クリップ取付座1は、図4に示すように、サイドステップモール100の内側(サイドシル側)から見たときに、大略、上下方向に長い矩形の箱形をなしている。図2及び図3にも示すように、各クリップ取付座1は、クリップ2の軸部3を保持する保持板部10を備えている。保持板部10は、上下方向に平坦に延びており、サイドステップモール100の側壁部101内面からサイドシル側へ離れて位置している。保持板部10の上部は、側壁部101の上側に連なっている。保持板部10の上部には、側壁部101に連なる複数のリブ11、11、11が前後方向に間隔あけて形成されている。図3に示すように、保持板部10の後部には、側壁部101内面へ向けて延びる後板部12が形成されている。後板部12は平坦に形成されており、後板部12と保持板部10とのなす角度は略直角とされている。後板部12の上部には、側壁部101に連なる連繋部13が形成されている。
保持板部10の下部には、側壁部101内面へ向けて略平坦に延びる下板部14が形成されている。下板部14と保持板部10とのなす角度は、大略、直角とされている。下板部14の後縁部は、後板部12に連なっている。下板部14の側壁部101側の端部には、下方へ延びる延長板部15が形成されている。この延長板部15には、円形の貫通孔15aが形成されている。延長板部15の後縁部は、後板部12に連なっている。
図4に示すように、延長板部15の下縁部は、前側へ向けて下降傾斜して延びている。延長板部15の前後両縁部には、前側リブ16及び後側リブ17がそれぞれ形成されている。これらリブ16、17は、下板部14の前後両側縁部に連なっている。延長板部15の前後方向中央部近傍には、中央リブ18が形成されている。この中央リブ18は、下板部14の前後方向中央部に連なっている。
延長板部15の下縁部には、側壁部101へ向けて突出する突出板部19が連なっている。突出板部19は、前側へ向けて下降傾斜して延びている。突出板部19の先端部は、サイドステップモール100の側壁部101に連なっている。
保持板部10には、クリップ2の軸部3が挿入されるクリップ挿入孔20が形成されている。クリップ挿入孔20は、保持板部10の前縁部に開放して該前縁部から該保持板部10の後方(内方)へ延びる大略U字の切り欠き形状とされている。クリップ挿入孔20の開放側の両縁部は、開放端に近づくほど互いに離れるように延びる傾斜部20a、20aで構成されている。クリップ挿入孔20の傾斜部20a、20aよりも奥側(後側)の両縁部は、互いに略平行に直線状に延びていて、これら両縁部の幅は、軸部3の径と略同じは若干広めに設定されている。クリップ挿入孔20の上側の縁部には、傾斜部20aよりも奥側に上側突起21がクリップ挿入孔20の内方へ向けて突出するように形成され、下側の縁部には、同様に下側突起22が形成されている。上側及び下側突起21、22は、クリップ挿入孔20に挿入されたクリップ2の軸部3に係合して軸部3の抜けを阻止するためのものである。上側及び下側突起21、22は対向しており、各先端面は尖っている。
保持板部10には、上側及び下側突起21、22をクリップ挿入孔20の外方へそれぞれ変位させるための上側及び下側空隙部23、24が形成されている。上側空隙部23は、上側突起21から上方へ所定距離離れて形成された円形の貫通孔で構成されている。図4に示すように、上側空隙部23の中心を通って上下方向に延びる仮想線Xは、上側突起21の前後方向の中心を通るようになっている。つまり、上側空隙部23の中心と上側突起21の前後方向の中心とは対応している。
すなわち、上側空隙部23が円形の貫通孔で、しかも、上側空隙部23の中心と上側突起21の前後方向の中心とが対応しているので、クリップ挿入孔20の上側突起21が形成された縁部は、クリップ挿入孔20の奥側へ行くほど、上側空隙部23の縁部から離れる部分を有することになる。これにより、クリップ挿入孔20の上側突起21が形成された縁部の剛性は、クリップ挿入孔20の奥側へ行くほど高まることになる。また、下側空隙部24も上側空隙部23と同様に形成されており、下側空隙部24の中心と下側突起22の前後方向の中心とは対応していて、クリップ挿入孔20の下側突起22が形成された縁部の剛性は、クリップ挿入孔20の奥側へ行くほど高まっている。
保持板部10の上側及び下側空隙部23、24の中心よりも前側には、それぞれ、前側凸部26、26が形成されている。前側凸部26、26は、傾斜部20a、20aの近傍に配置されている。保持板部10の上側及び下側空隙部23、24よりも後側には、それぞれ、後側凸部27、27が形成されている。後側凸部27、27は、クリップ挿入孔20の奥側の端部に対応するように配置されている。上側の後側凸部27と下側の後側凸部27との間隔は、前側凸部26、26の間隔よりも広く設定されている。前側凸部26と後側凸部27との間には、上下方向に延びる突条部28、28が形成されている。図5に仮想線で示すように、クリップ2の軸部3は、クリップ挿入孔20に挿入された状態で前側凸部26と後側凸部27との間に位置するようになっている。また、図2及び図3に示すように、保持板部10の前部には、クリップ2を挿入時にガイドするガイド部29、29が形成されている。これらガイド部29、29は、保持板部10の前縁に近づくほど薄肉となる形状とされている。
次に、上記のように構成されたクリップ取付座1にクリップ2を取り付ける場合について説明する。まず、図4及び図5に示すように、クリップ2の軸部3をクリップ挿入孔20の開放側に位置付ける。このとき、クリップ2の第1円板部5と第2円板部6との間に保持板部10がくるようにしておく。そして、クリップ2の軸部3をクリップ挿入孔20の奥側へ移動させていく。このとき、クリップ挿入孔20の開放側の縁部に傾斜部20a、20aが形成されているので、軸部3がクリップ取付座1の上下方向に多少ずれていても、軸部3が傾斜部20a、20aに摺接することで、クリップ挿入孔20の上下方向中心に導かれる。クリップ2をクリップ挿入孔20の奥側へさらに移動させていくと、軸部3が、上側及び下側突起21、22に当たり、上側及び下側突起21、22は、軸部3により押される。このとき、保持板部10に上側空隙部23が形成されていることにより、上側突起21が、比較的小さい力で上方(クリップ挿入孔20の外方)へ変位する。また、下側突起22も同様に下方(クリップ挿入孔20の外方)へ変位する。これにより、クリップ2の軸部3が上側及び下側突起21、22を乗り越えて、図5に仮想線で示すように、クリップ挿入孔20の奥側まで挿入される。このように、突起21、22が小さい力で変位するので、クリップ2の取付作業性を向上させることができる。
突起21、22を乗り越えた状態のクリップ2の第2円板部6には、前側凸部26及び後側凸部27が接し、クリップ2が所定位置でぐらつくことなく保持される。
上記のようにしてクリップ取付座1に取り付けられたクリップ2の差し込み部4をサイドシルの係合孔に挿入して係合させることで、サイドステップモール100が車体に組み付けられる。
次に、上記のようにして取り付けられたクリップ2が抜け方向(クリップ挿入孔20の開放側)へ移動した場合について説明する。クリップ2が抜け方向に移動すると、軸部3が上側及び下側突起21、22に当たる。このとき、クリップ挿入孔20の上側及び下側突起21、22が形成された縁部の剛性が、クリップ挿入孔20の奥側へ行くほど高まっているので、軸部3が当たった上側及び下側突起21、22はクリップ挿入孔20の外方へ変位し難い。よって、クリップ2が抜け難くなる。
以上説明したように、この実施形態に係るクリップ取付座1によれば、クリップ挿入孔20が設けられた保持板部10に、抜け止め用の突起21、22と、突起21、22をクリップ挿入孔20の外方へ向けて変位させるための空隙部23、24とを設けたので、クリップ2の軸部3をクリップ挿入孔20に挿入する際には、突起21、22が変位することによって小さい力で挿入でき、クリップ2の取付作業性を向上させることができる。また、クリップ挿入孔20の突起21、22が形成された縁部は、該クリップ挿入孔20の奥側へ行くほど空隙部23、24から離れるように形成された部分を有している。このため、クリップ挿入孔20の突起21、22が形成された縁部の剛性は、クリップ挿入孔20の奥側へ行くほど高まることになる。これにより、クリップ2の軸部3が、クリップ挿入孔20の奥側から開放側へ向けて抜け方向に移動して突起21、22に当たった際には、突起21、22が変位し難く、クリップ2の軸部3の抜けを有効に阻止できる。
尚、この実施形態では、サイドステップモール100に設けられたクリップ取付座1に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、例えば、図示しないが、バンパーや、フロントスポイラー、リヤスポイラー等の車両用の樹脂製部品をはじめ、その他各種樹脂製部品のクリップ取付座にも本発明を適用することができる。
また、空隙部23、24の形状は、円形に限られるものではなく、クリップ挿入孔20の突起21、22が形成された縁部からクリップ挿入孔20の奥側へ行くほど、そのクリップ挿入孔20の突起21、22が形成された縁部と、空隙部23、24のクリップ挿入孔20側の縁部との距離が長くなるように形成された空隙部、例えば、楕円形や多角形等であってもよい。
また、クリップ2の形状は、上記した形状に限られるものではなく、クリップ挿入孔20に挿入される軸部3を有するものであれば、特に限定されない。
また、本発明では、クリップ取付座2に2つの突起21、22を形成した場合について説明したが、これに限らず、突起は1つであってもよい。
以上説明したように、本発明に係るクリップ取付座は、例えば、車両用の樹脂製部品に設けることができる。
本発明に係るクリップ取付座が設けられたサイドステップモールの斜視図である。 サイドステップモールのクリップ取付座近傍を前側から見た斜視図である。 サイドステップモールのクリップ取付座近傍を後側から見た斜視図である。 サイドステップモールのクリップ取付座近傍を内側から見た正面図である。 図4のV−V線における断面図である。
符号の説明
1 クリップ取付座
2 クリップ
3 軸部
10 保持板部
20 クリップ挿入孔
21、22 突起
23、24 空隙部

Claims (1)

  1. クリップが取り付けられるクリップ取付座において、
    上記クリップが有する軸部を保持する保持板部を備え、
    上記保持板部には、
    該保持板部の一縁部に開放して該一縁部から該保持板部の内方へ延びる切り欠き形状に形成され、その開放部分から上記クリップの軸部が挿入されるクリップ挿入孔と、
    上記クリップ挿入孔の縁部から該クリップ挿入孔の内方へ向けて突出し、該クリップ挿入孔に挿入された上記クリップの軸部に係合して該軸部の抜けを阻止する突起と、
    上記突起を上記クリップ挿入孔の外方へ向けて変位させるための空隙部とが設けられ、
    上記クリップ挿入孔の突起が形成された縁部は、該クリップ挿入孔の奥側へ行くほど上記空隙部から離れるように形成された部分を有していることを特徴とするクリップ取付座。
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