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JP2009155116A - 針状ベーマイトの製造方法 - Google Patents

針状ベーマイトの製造方法 Download PDF

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JP2009155116A JP2007331562A JP2007331562A JP2009155116A JP 2009155116 A JP2009155116 A JP 2009155116A JP 2007331562 A JP2007331562 A JP 2007331562A JP 2007331562 A JP2007331562 A JP 2007331562A JP 2009155116 A JP2009155116 A JP 2009155116A
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resin
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Yusuke Kawamura
祐介 川村
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Abstract

【課題】簡便な操作で生産性よく長軸長1μm未満の針状ベーマイトを製造しうる方法を提供する。
【解決手段】本発明の製造方法は、硫酸アルミニウムの酸性水溶液に、水素イオン濃度がpH4以上になるまで固体状態の塩基性マグネシウム化合物を添加してアルミニウム加水分解物を析出させたのち、150℃以上に加熱して水熱処理することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、長径1μm未満の針状ベーマイトの製造方法に関する。
針状ベーマイト〔AlOOH〕は樹脂材料の剛性、耐衝撃性などを向上させるための充填材として知られている。かかる針状ベーマイトの製造方法としては、特許文献1〔特開2000−239014号公報〕には、酢酸マグネシウムを溶解した水溶液に水酸化アルミニウムを添加してオートクレーブ中で水熱処理することにより長軸長が1μm以上の針状ベーマイトを製造する方法が開示されているが、この方法では長軸長が1μm未満の針状ベーマイトを製造することは困難である。また、長軸長が1μm未満の針状ベーマイトを製造する方法としては、特許文献2〔特開2006−56739号公報〕に、アルミニウム塩水溶液に水酸化ナトリウム等を溶解させたアルカリ水溶液を加えて水素イオン濃度pH4.5とすることによりアルミニウム加水分解物を析出させ、その後、120℃で24時間保持し、180℃で20分保持し、次いで10℃以下に急冷したのち、再度加熱して140℃で1週間保持する条件で水熱処理する方法が開示されている。
かかる従来の製造方法では、アルカリ水溶液を添加することで、長軸長1μm未満の針状ベーマイトを得ているが、より簡便な方法により製造できる方法が望まれていた。
特開2000−239014号公報 特開2006−56739号公報
そこで本発明者は、安価なアルミニウム塩水溶液を用いて、簡便な操作で生産性よく長軸長1μm未満の針状ベーマイトを製造しうる方法を開発するべく鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、硫酸アルミニウムを含む酸性水溶液に、100℃以下で、水素イオン濃度がpH4以上になるまで、固体状態の塩基性マグネシウム化合物を添加してアルミニウム加水分解物を析出させ、アルミニウム加水分解物を150℃以上に加熱して水熱処理することを特徴とする針状ベーマイトの製造方法を提供するものである。
本発明の方法によれば、安価なアルミニウム塩水溶液を用いて、簡便な操作により、極めて短時間で長軸長1μm未満の針状ベーマイトを製造することができる。
本発明の製造方法に用いられる硫酸アルミニウム〔Al2(SO4)3〕は、固体状態のものを水に溶解させたものでも、硫酸水溶液に水酸化アルミニウムを溶解させた液状のものでもよい。硫酸アルミニウムは、「硫酸バンド」あるいは「硫バン」などの名称で無機凝集剤として排水処理等に多量に販売、使用されており、非常に安価に入手できるアルミニウム金属塩である。
硫酸アルミニウムを含む酸性水溶液1Lあたりのアルミニウム塩の濃度は、Al23に換算して、容積効率の点で通常は0.05モル/L以上であり、析出したアルミニウム加水分解物の取り扱いが容易である点で、通常5モル/L以下である。
硫酸アルミニウムを含む水溶液は、通常、水素イオン濃度pH4未満の酸性を示すが、さらに酸を加えて水素イオン濃度をpH1〜2に調整してもよい。酸としては、具体的には硫酸、硝酸などの無機酸、酢酸などの有機酸などが挙げられる。
かかる酸性水溶液に塩基性マグネシウム化合物を加える。塩基性マグネシウム化合物は粉末状、または単独で水などに分散させてスラリー状、もしくは、塩基性マグネシウム化合物を含むスラリーを湿式粉砕機により粉砕してゾル状として添加してもよいが、通常は粉末状で加える。これにより、従来必要であったアルカリ水溶液を準備するための溶解工程を省略できるため、製造プロセスの簡略化につながる。
塩基性マグネシウム化合物としては、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩基性硫酸マグネシウム〔MgSO4・5Mg(OH)2・3H2O〕など、中性の水への溶解性が低いものが挙げられる。この中でも好ましくは水酸化マグネシウムである。
また、塩基性マグネシウム化合物の粒径は、凝集粒子径として10μm以下であり、好ましくは5μm以下である。凝集粒子径が10μm以上である場合、硫酸アルミニウムを含む酸性水溶液との混合中および水熱処理時に塩基性マグネシウム化合物が溶解し難くなるため、好ましくない。なお、凝集粒子径とは、レーザー回折法により測定した粒子径を意味する。
塩基性マグネシウム化合物の濃度は、アルミニウム塩濃度および加水分解物を得るためのpHから決定されるが、通常は0.1モル/L以上である。また、塩基性マグネシウム化合物を多量に添加した場合には、水溶液中への塩基性マグネシウム化合物の溶解に時間を要するため、通常は10モル/L以下である。
塩基性マグネシウム化合物は、水素イオン濃度がpH4以上となるまで加えられる。塩基性マグネシウム化合物を加えることにより、硫酸アルミニウムを含む酸性水溶液は中和されて、その水素イオン濃度が次第に低下し、アルミニウム加水分解物が生成して、通常はスラリー状またはゲル状となって析出する。塩基性マグネシウム化合物は、水素イオン濃度がpH4以上となるまで添加されるが、反応に使用する機器が腐食しにくい点で、pH9以下となるように添加することが好ましく、更には針状ベーマイトが容易に得られる点で、pH7以下となるように加えることが好ましい。
塩基性マグネシウム化合物を添加して加水分解物を析出させる際の温度は100℃以下、好ましくは50℃以下であり、通常は水溶液の凍結温度以上である。硫酸アルミニウムを含む酸性水溶液に塩基性マグネシウム化合物を加える際に中和反応熱が生ずることから、塩基性マグネシウム化合物の添加は、上記温度を超えないように、冷却しながら塩基性マグネシウム化合物を添加することが好ましい。
かくして水素イオン濃度がpH4以上になるまで塩基性マグネシウム化合物を添加することにより、硫酸アルミニウムを含む酸性水溶液中のアルミニウム塩が加水分解されてアルミニウム加水分解物が生成し、通常はスラリー状またはゲル状となって析出する。
pHを4以上になるまで塩基性マグネシウム化合物のみを添加してもよいが、併せて、例えばアンモニアなどのような金属成分を含まない塩基を加えてpHを4以上にすることもできる。例えばアンモニアを用いる場合には、ガス状で吹き込んで加えてもよいが、アンモニア水溶液として加えることが好ましい。
次いでアルミニウム加水分解物が析出した後の加水分解混合物を150℃以上、通常は250℃以下に加熱する。加熱は、例えばオートクレーブなどの圧力容器内で、加圧下に行われる。加圧は、密閉した圧力容器内で加水分解混合物を加熱することにより発生する水蒸気により行われてもよいし、外部から圧縮窒素、圧縮空気などを供給することにより行われてもよい。
加水分解混合物の加熱は、通常、混合物の温度が所定の温度に達してから10分以上かけて行われる。かかる温度に加熱することにより、析出したアルミニウム加水分解物がベーマイトへ構造転移し、目的とする針状のベーマイトを含むスラリーを得ることができる。
加熱時間は10分以上であり、通常24時間未満である。上記の水熱処理後、スラリーを回収し、減圧ろ過、遠心分離といった公知の方法で固液分離した後、水または水/メタノール混合溶液によって洗浄し、副生物の塩等の不純物を除くことが好ましい。
かくして目的の針状ベーマイトを得ることができる。この針状ベーマイトの長軸長は、通常1μm未満であり、アスペクト比(長軸長/短軸長)は10以上である。
本発明の方法によって得られた針状ベーマイトは高アスペクト比を有しており、樹脂用充填材として有用である。本発明の針状ベーマイトが樹脂に充填されてなる樹脂組成物は、機械的強度に優れている。
樹脂としては、例えばオレフィン樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、メタクリル樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。
オレフィン樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン単独重合体が挙げられる。オレフィン樹脂として、例えばエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体などのポリオレフィン共重合体も挙げられ、ポリオレフィン共重合体はランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。
芳香族ポリエステル樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられる。
脂肪族ポリエステル樹脂としては、例えばポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレートなどが挙げられる。
芳香族ポリアミド樹脂としては、例えばナイロン−6、ナイロン−10、ナイロン−12、ナイロン−46などが挙げられる。
樹脂に本発明の方法によって得られた針状ベーマイトを充填するには、例えば樹脂として熱可塑性樹脂を用いる場合には、この熱可塑性樹脂を本発明の針状ベーマイトと共に溶融混練すればよい。溶融混練には、例えばバンバリーミキサー、プラストミル、ブラベンダープラストグラフ、一軸押出機、二軸押出機などが挙げられる。また、本発明の針状ベーマイトを、前記熱可塑性樹脂などのモノマー中に添加して重合方法や、本発明の針状ベーマイトを、前記熱可塑性樹脂を溶解させた溶媒中に添加し、溶媒を除去することでも充填できる。
樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合には、熱硬化前の未硬化樹脂を本発明の方法によって得られた針状ベーマイトと共に混合したのち、加熱して硬化させればよい。混合には、例えばヘンシェルミキサー、リボンブレンダーなどが用いられる。
針状ベーマイトの充填量は、樹脂100質量部に対して通常0.1質量部以上、好ましくは1質量部以上であり、樹脂への充填の容易である点、および充填により得られる樹脂組成物の成形が容易である点で、100質量部以下、好ましくは50質量部以下である。
本発明の針状ベーマイトを樹脂に充填することにより得られる樹脂組成物は、例えば分散剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、結晶化促進剤(造核剤)、顔料、染料などの着色剤などを含有していてもよい。また、本発明の針状ベーマイト以外の充填材、例えばカーボンブラック、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、クレーなどの粒子状充填材、ワラストナイトなどの短繊維状充填材、チタン酸カリウムなどのウィスカーなどが挙げられる。
かかる樹脂組成物は、通常、成形体に成形されて使用される。成形方法としては、例えば射出成形法、圧縮成形法、押出成形法などが挙げられる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例によって限定されるものではない。
なお、各実施例で得られた粉末は以下の方法で評価した。
(1)主結晶相
X線回折装置〔リガク社製、「RINT2000」〕を用いて得た粉末X線回折スペクトルをJCPDS(Joint Committee on Powder Diffraction Standards)と比較することにより同定した。
(2)BET比表面積
比表面積測定装置〔マウンテック社製「Macsorb HMModel−1208」〕を用いて窒素ガス吸着法により求めた。
(3)粒子の長径、短径
透過型電子顕微鏡により観察して求めた。
(4)凝集粒子径
レーザー散乱式粒度分布測定装置〔リードアンドノース社製、マイクロトラックHRA〕を用いて、水酸化マグネシウムを0.1%ヘキサメタリン酸ソーダ水溶液に分散させて、重量基準でD50として求めた。
実施例1
Al23に換算して0.19モルに相当する量の硫酸アルミニウムを含む液状の硫酸アルミニウム〔住友化学社製の硫酸アルミニウム水溶液「JIS水道用規格品」〕242gを純水397gで希釈し、これに、撹拌下、室温〔25℃〕で、粉末状の水酸化マグネシウム〔凝集粒子径0.83μm〕33.8g(0.58モル)を粉末状で添加し、更に1時間撹拌した。1時間経過後の混合物は、水素イオン濃度がpH4.8であり、ゲル状のアルミニウム加水分解物が析出していた。その後、内容積1Lのオートクレーブ中、500rpmで撹拌しながら200℃まで90分かけて昇温し、同温度を4時間保持して水熱処理を行った。その後、冷却して内容物を取り出し、水2Lと混合したのちに遠心分離により固形分を回収する洗浄操作を3回繰り返し、洗浄後の固形分を120℃に加熱して乾燥させて、白色粉末を得た。
この白色粉末は、主結晶相がベーマイト、BET比表面積が180m2/g、長軸長が100nm〜200nm、短軸長が5nm〜10nmであり、アスペクト比は10〜20であった。この白色粉末の透過型電子顕微鏡写真を図1に示す。
比較例1
水酸化マグネシウムに代えて、水酸化ナトリウム〔和光純薬工業社製、試薬特級〕を水に溶解させた濃度3.6モル/Lの水溶液200mL(0.72モル)を添加した以外は実施例1と同様に操作した。なお、この水溶液を添加・1時間撹拌した後の水素イオン濃度はpH4.2であった。得られた白色粉末は、主結晶相がソーダ明礬〔NaAl3(SO4)2(OH)6〕であり、1〜3μmの角張った形状であった。この白色粉末の走査型電子顕微鏡写真を図2に示す。
実施例1で得た白色粉末の透過型電子顕微鏡写真である。 比較例1で得た白色粉末の走査型電子顕微鏡写真である。

Claims (2)

  1. 硫酸アルミニウムを含む酸性水溶液に、水素イオン濃度がpH4以上になるまで固体状態の塩基性マグネシウム化合物を添加してアルミニウム加水分解物を析出させ、得られたアルミニウム加水分解物を150℃以上に加熱して水熱処理することを特徴とする針状ベーマイトの製造方法。
  2. マグネシウム化合物が水酸化マグネシウムである請求項1に記載の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017075088A (ja) * 2015-10-13 2017-04-20 大明化学工業株式会社 板状ベーマイトおよび板状ベーマイトの製造方法

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