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JP2017075088A - 板状ベーマイトおよび板状ベーマイトの製造方法 - Google Patents

板状ベーマイトおよび板状ベーマイトの製造方法 Download PDF

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JP2017075088A JP2016190236A JP2016190236A JP2017075088A JP 2017075088 A JP2017075088 A JP 2017075088A JP 2016190236 A JP2016190236 A JP 2016190236A JP 2016190236 A JP2016190236 A JP 2016190236A JP 2017075088 A JP2017075088 A JP 2017075088A
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隆之 藤田
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Abstract

【課題】新たな粒子形状を有する板状ベーマイトおよびその製造方法を提供すること。【解決手段】板状ベーマイトは、複数の板状部分が面内方向の一方方向に連なった粒子形状を有している。複数の板状部分は各々、略四角形や略六角形等の略多角形である。また、本形態において、板状ベーマイトは、複数の板状部分の各々の外縁に複数の凹凸を有している。かかる板状ベーマイトを製造するには、水酸化アルミニウムの粉体を水酸化ナトリウムの共存下で、複数の板状部分が面内方向の一方方向に連なった粒子形状を有する板状ベーマイトのスラリーが得られるまで水熱反応させる。その際、水酸化アルミニウムの粉体として、粒子径が異なる少なくとも2種類の水酸化アルミニウムの粉体を水酸化ナトリウムの共存下で水熱反応させる。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂フィラー等として利用される板状ベーマイトおよび板状ベーマイトの製造方法に関するものである。
板状アルミナ粒子を製造する際の出発原料や樹脂フィラー等として用いられる板状ベーマイトは、水熱反応等を利用して製造される(特許文献1〜4参照)。
特開平5−279019号公報 特開2001−180930号公報 特開2012−71996号公報 特開2007−223836号公報
特許文献1、2、3には、多角形の板状粒子からなる板状ベーマイトが開示され、特許文献4には、円形の板状粒子からなる板状ベーマイトが開示されている。
ここに、本願発明者は、新たな粒子形状を有する板状ベーマイトを提案する。すなわち、本発明の課題は、新たな粒子形状を有する板状ベーマイトおよびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る板状ベーマイトは、複数の板状部分が面内方向の一方方向に連なった粒子形状を有することを特徴とする。
本発明に係る板状ベーマイトは、複数の板状部分が面内方向の一方方向に連なった粒子形状を有しており、顕著な異方性を有している。このため、樹脂に対して新たな特性を付加する樹脂フィラーや、顕著な異方性を有する板状アルミナ粒子を製造する際の出発原料等としての利用が期待される。
本発明に係る板状ベーマイトにおいて、前記複数の板状部分の各々の外縁に複数の凹凸を有する構成を採用することができる。かかる構成によれば、外縁の凹凸によって樹脂との結合性を向上させた樹脂フィラー等としての利用が期待される。
本発明に係る板状ベーマイトにおいて、前記複数の板状部分は各々、略多角形である構成を採用することができる。
本発明に係る板状ベーマイトにおいて、前記一方方向における寸法を厚さで割った長径/厚みが2から150、あるいは2から120である構成を採用することができる。
本発明に係る板状ベーマイトにおいて、前記一方方向における寸法を前記一方方向に対して直交する他方方向における寸法で割った長径/短径が2から15、あるいは2から10である構成を採用することができる。
本発明に係る板状ベーマイトにおいて、比表面積が2m/gから10m/gである
構成を採用することができる。
本発明に係る板状ベーマイトにおいて、平均粒径D50が0.5μm以上である構成を採用することができる。また、本発明に係る板状ベーマイトにおいて、平均粒径D50が2μm以上である構成を採用することができる。また、本発明に係る板状ベーマイトにおいて、平均粒径D50が、例えば、10μm以下である構成を採用することができる。
本発明に係る板状ベーマイトの製造方法では、粒径が異なる少なくとも2種類の水酸化アルミニウムの粉体を水酸化ナトリウムの共存下で水熱反応させることが好ましい。かかる構成によれば、粒径が小さな水酸化アルミニウムと粒径が大きな水酸化アルミニウムとの配合比によって、板状ベーマイトの粒子径、比表面積、長径/厚み等を制御することができる。
本発明に係る板状ベーマイトの製造方法では、水酸化アルミニウムの粉体として、粒径が10倍以上異なる、少なくとも2種類の水酸化アルミニウムの粉体を水酸化ナトリウムの共存下で水熱反応させることが好ましい。かかる構成によれば、水酸化ナトリウムの配合量によって、板状ベーマイトの粒子径、比表面積、長径/厚み等を制御することができる。
本発明に係る板状ベーマイトは、複数の板状部分が面内方向の一方方向に連なった粒子形状を有しており、顕著な異方性を有している。このため、樹脂に対して新たな特性を付加する樹脂フィラーや、顕著な異方性を有する板状アルミナ粒子を製造する際の出発原料等としての利用が期待される。
本発明を適用した板状ベーマイトの形状を示す図面代用写真である。 本発明を適用した板状ベーマイトの形状を模式的に示す説明図である。
図面等を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(板状ベーマイトの粒子形状)
図1は、本発明を適用した板状ベーマイトの形状を示す図面代用写真である。図2は、本発明を適用した板状ベーマイトの形状を模式的に示す説明図である。
図1および図2に示すように、本発明を適用した板状ベーマイト1は、複数の板状部分11が面内方向の一方方向に連なった粒子形状を有している。複数の板状部分11は、例えば、略四角形や略六角形等の略多角形である。また、本形態において、板状ベーマイト1は、複数の板状部分11の各々の外縁に複数の凹凸12を有している。複数の板状部分11は、面内方向の一方方向に直線的に連なった構造を有している他、複数の板状部分11が面内方向の一方方向に連なっているが、湾曲しながら連なっていることもある。
本形態において、板状ベーマイト1では、一方方向における寸法(長径寸法)を厚さで割った長径/厚みが、例えば、2から150、あるいは2から120である。また、一方方向における寸法を一方方向に対して直交する他方方向における寸法で割った長径/短径が、例えば、2から15、あるいは2から10である。また、板状ベーマイト1の比表面積は、例えば、2m/gから10m/gである。板状ベーマイト1の平均粒径D50は、0.5μm以上、さらには、2μm以上であり、平均粒径D50の上限は、例えば、10μm以下である。
かかる板状ベーマイト1では、複数の板状部分11が面内方向の一方方向に連なった粒子形状を有しており、顕著な異方性を有している。このため、樹脂に対して新たな特性を付加する樹脂フィラーや、顕著な異方性を有する板状アルミナ粒子を製造する際の出発原料等としての利用が期待される。また、板状ベーマイト1は、複数の板状部分11の各々の外縁に複数の凹凸12を有している。このため、例えば、樹脂フィラーとして用いた際、外縁の凹凸12によって樹脂との結合性を向上させることができる。
(製造方法および実施例)
本発明に係る板状ベーマイトの製造方法では、その一例を表1に示すように、水酸化アルミニウムの粉体を水酸化ナトリウムの共存下で、複数の板状部分が面内方向の一方方向に連なった粒子形状を有する板状ベーマイトのスラリーが得られるまで水熱反応させる。その後、水洗、乾燥を行えば、図1および図2を参照して説明した板状ベーマイトを得ることができる。本形態では、水酸化アルミニウムの粉体と水酸化ナトリウムを、表1に示す所定量取り、純水で全量を2500mlとする。次に、オートクレーブを用いて140℃で密閉水熱反応を行った後、得られた板状ベーマイトを水洗、乾燥後、評価した。
上記の製造方法においては、実施例1、2、3のように、水酸化アルミニウムの粉体として、粒径が異なる少なくとも2種類の水酸化アルミニウムの粉体を水酸化ナトリウムの共存下で水熱反応させる。また、水酸化アルミニウムの粉体として、粒径が10倍以上異なる、少なくとも2種類の水酸化アルミニウムの粉体を水酸化ナトリウムの共存下で水熱反応させる。実施例1、2、3、4では、粒径が0.8μmの水酸化アルミニウムの粉体と、粒径が57μmの水酸化アルミニウムの粉体とを用い、粒径の差は、約71倍である。
かかる構成によれば、粒径が小さな水酸化アルミニウムと粒径が大きな水酸化アルミニウムとの配合比によって、板状ベーマイトの粒子径、比表面積、長径/厚み等を制御することができる。より具体的には、実施例1、2、3を比較すると、粒径が57μmの水酸化アルミニウムの使用比率の増加とともに生成する板状ベーマイトの粒子径も増加していることがわかる。また、水酸化ナトリウム配合量により粒子径、比表面積、長径/厚み等を制御することができる。また、実施例3、4を比較すると水酸化ナトリウム配合量の増加により生成する板状ベーマイトの長径/厚みが大幅に増加していることがわかる。これ
らより、平均粒径D50が2μm以上である板状ベーマイトを得ることができる。その理由は、まず、粒径が小さな水酸化アルミニウムが最初に溶けた後、粒径が大きな水酸化アルミニウムが後で溶けることによって、粒子が異方性をもって成長しやすいと考えられる。なお、粒径が10倍以上異なる水酸化アルミニウムを用いた場合には、上記の効果を得やすい一方、粒径の違いが10倍未満の場合、粒径が異なる水酸化アルミニウムを用いた効果が得られにくい傾向にある。
なお、平均粒径D50の測定には、レーザー回折散乱型用い、測定試料はヘキサメタリン酸Na水溶液中で超音波ホモジナイザー分散処理を行った。また、比表面積の測定には、BET法を用いた。
1・・板状ベーマイト
11・・板状部分
12・・凹凸

Claims (13)

  1. 複数の板状部分が面内方向の一方方向に連なった粒子形状を有することを特徴とする板状ベーマイト。
  2. 前記複数の板状部分の外縁に複数の凹凸を有することを特徴とする請求項1に記載の板状ベーマイト。
  3. 前記複数の板状部分が各々、略多角形であることを特徴とする請求項1または2に記載の板状ベーマイト。
  4. 前記一方方向における寸法を厚さで割った長径/厚みが2から150であることを特徴とする請求項1から3までの何れか一項に記載の板状ベーマイト。
  5. 前記一方方向における寸法を厚さで割った長径/厚みが2から120であることを特徴とする請求項4に記載の板状ベーマイト。
  6. 前記一方方向における寸法を前記一方方向に対して直交する他方方向における寸法で割った長径/短径が2から15であることを特徴とする請求項1から5までの何れか一項に記載の板状ベーマイト。
  7. 前記一方方向における寸法を前記他方方向における寸法で割った長径/短径が2から10であることを特徴とする請求項6に記載の板状ベーマイト。
  8. 比表面積が2m/gから10m/gであることを特徴とする請求項1から7までの何れか一項に記載の板状ベーマイト。
  9. 平均粒径D50が0.5μm以上であることを特徴とする請求項1から7までの何れか一項に記載の板状ベーマイト。
  10. 平均粒径D50が2μm以上であることを特徴とする請求項9に記載の板状ベーマイト。
  11. 平均粒径D50が10μm以下であることを特徴とする請求項9または10に記載の板状ベーマイト。
  12. 粒子径が異なる少なくとも2種類の水酸化アルミニウムの粉体を水酸化ナトリウムの共存下で水熱反応させることを特徴とする板状ベーマイトの製造方法。
  13. 水酸化アルミニウムの粉体として、粒子径が10倍以上異なる、少なくとも2種類の水酸化アルミニウムの粉体を水酸化ナトリウムの共存下で水熱反応させることを特徴とする請求項12に記載の板状ベーマイトの製造方法。
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