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JP2009154296A - 樹脂シート - Google Patents

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JP2009154296A
JP2009154296A JP2007331537A JP2007331537A JP2009154296A JP 2009154296 A JP2009154296 A JP 2009154296A JP 2007331537 A JP2007331537 A JP 2007331537A JP 2007331537 A JP2007331537 A JP 2007331537A JP 2009154296 A JP2009154296 A JP 2009154296A
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Hitomi Furukawa
仁美 古川
Shunichi Osada
俊一 長田
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Abstract

【課題】意匠性、高温成形加工性に優れ、かつ、接着面での剥離が生じない樹脂シート。
【解決手段】樹脂フィルムAと樹脂フィルムBが接着剤層または粘着剤層を介して積層された樹脂シートであり、接着剤部での90°剥離強度が0.3kg/cm以上であり、加熱処理前のヘイズ値と150℃の雰囲気下で30分加熱処理後のヘイズ値の差が3%以下であり、かつ、100℃におけるの長手方向および/または幅方向の伸度が100%以上であることを特徴とする樹脂シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、少なくとも2種類の樹脂フィルムが接着剤層または粘着剤層を介して積層された樹脂シートに関するものである。更に詳細には、本発明は、成型性が必要とされる部材や装飾用部材、例えば自動車用、携帯電話用装飾材などの光沢調や深みなどの意匠性が高い装飾材に関するものである。
少なくとも2種類の樹脂フィルムが接着剤層または粘着材層を介して積層された樹脂シートは、食品包装用、化粧品包装用、スピーカー用部材、意匠性フィルムなど、種々の分野にて使用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。特に、機能性を高めるために複数種のフィルムを接着剤などでラミネートした樹脂シートが多用されている。これら樹脂シートでも特に意匠性を有しかつ、成型用途で使用可能なものとしては、金属蒸着箔を樹脂シートとラミネートし、さらに成型性を向上させるために支持基材樹脂層とラミネートさせた熱成形用積層シートが利用されている(例えば、特許文献4参照)。また、屈折率の異なる樹脂層を光の波長レベルの層厚みで交互に多層に積層することにより発現する光の干渉現象を利用して、選択的に特定の波長を反射するフィルム(例えば特許文献5、6参照)なども知られており、化粧材や車、携帯電話などの装飾材料に利用されている。
しかしながら、金属蒸着箔を用いた樹脂シートは接着強度が低く成形、延伸時に剥離が生じたり、金属蒸着泊の延伸追従性が悪く成形が困難であるという問題があった。また、特定の波長を反射するフィルムは光学設計上フィルム厚みが限定されており、成型時のハンドリング性が悪く、深絞り成形が困難であった。
特開平2007−160709号公報 特開平2007−031661号公報 特開平2007−020139号公報 特開平2007−190702号公報 特開平3−41401号公報 特開平9−506837号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、意匠性、高温成形加工性に優れ、かつ、接着面での剥離が生じない樹脂シートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するための、本発明の樹脂シートは、樹脂フィルムAと樹脂フィルムBが接着剤層または粘着剤層を介して積層された樹脂シートであり、接着剤部での90°剥離強度が0.3kg/cm以上であり、加熱処理前のヘイズ値と150℃の雰囲気下で30分加熱処理後のヘイズ値の差が3%以下であり、かつ、100℃におけるの長手方向および/または幅方向の伸度が100%以上であることを特徴とする。
本発明の樹脂シートは樹脂フィルムAと樹脂フィルムBが接着剤層または粘着剤層を介して積層された樹脂シートであり、接着剤部でのとの90°剥離強度が0.3kg/cm以上であり、加熱処理前のヘイズ値と150℃の雰囲気下で30分加熱処理後のヘイズ値の差が3%以下であり、かつ、100℃における長手方向および/または幅方向の伸度が100%以上であることを特徴とするので、接着界面での剥離が生じず、成型後のトリミング断面での剥離が生じにくい、意匠性に優れ、成形性が良好な樹脂シートを提供することができる。
また、樹脂フィルムAおよび/または樹脂フィルムBが熱可塑性樹脂Xを主成分とする層(X層)と熱可塑性樹脂Yを主成分とする層(Y層)が交互に50層以上積層された樹脂フィルムとすることで、意匠性、光沢度に優れ、かつ、電磁波透過性が良好な樹脂シートを提供することができる。
以下に、本発明の実態の形態を詳細に説明する。
本発明の樹脂シートは、樹脂フィルムAと樹脂フィルムBが接着剤層または粘着剤層を介して積層された樹脂シートであり接着剤部での90°剥離強度が0.3kg/cm以上であり、加熱処理前のヘイズ値と150℃の雰囲気下で30分加熱処理後のヘイズ値の差が3%以下であり、かつ、100℃における長手方向および/または幅方向の伸度が100%以上である必要がある。このような樹脂シートは、接着界面での剥離が生じにくく、成型後のトリミング断面での剥離が生じず、意匠性に優れ、かつ、成形性に優れたものである。
本発明の樹脂フィルムに用いられる樹脂は特に限定されるものではないが、積層フィルムの製造の容易さ、製膜の容易さから熱可塑性樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂としては、たとえばポリエチレン・ポリプロピレン・ポリスチレン・ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂、脂環族ポリオレフィン樹脂、ナイロン6・ナイロン66などのポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート・ポリブチレンテレフタレート・ポリプロピレンテレフタレート・ポリブチルサクシネート・ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、4フッ化エチレン樹脂・3フッ化エチレン樹脂・3フッ化塩化エチレン樹脂・4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体・フッ化ビニリデン樹脂などのフッ素樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリグリコール酸樹脂、ポリ乳酸樹脂、などである。この中で、強度・耐熱性・透明性の観点から、特にポリエステルであることがより好ましい。またこれらの熱可塑性樹脂としてはホモ樹脂であってもよく、共重合または2種類以上のブレンドであってもよい。また、各熱可塑性樹脂中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、熱安定剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、屈折率調整のためのドープ剤などが添加されていてもよい。
ここで、ポリエステルとは、ジカルボン酸成分骨格とジオール成分骨格との重縮合体であるホモポリエステルや共重合ポリエステルのことをいう。ホモポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンジフェニルレートなどが代表的なものである。特にポリエチレンテレフタレートは、安価であるため、非常に多岐にわたる用途に用いることができ好ましい。
また、本発明における共重合ポリエステルとしては、次にあげるジカルボン酸成分骨格とジオール成分骨格とより選ばれる少なくとも3つ以上の成分からなる重縮合体が好ましい。ジカルボン酸骨格成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸とそれらのエステル誘導体などが挙げられる。グリコール骨格成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコールなどが挙げられる。
また、本発明でいうX層とY層については、面内平均屈折率差が0.03以上であることが好ましい。より好ましくは0.05以上であり、さらに好ましくは0.1以上である。屈折率差が0.03より小さい場合には、十分な反射率が得られず好ましくないものである。これを達成するには、Y層の樹脂が非晶性であるとよい。この場合、テンターでの熱処理によりY層の配向緩和が起き、より面内平均屈折率差が広がる方向に行くため好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂Xと熱可塑性樹脂Yの好ましい組み合わせとしては、樹脂Xと樹脂YのSP値の差の絶対値が1.0以下であることが好ましい。この場合、層間剥離が生じにくくなる。より好ましくは、樹脂Xからなる層と樹脂Yからなる層が同一の基本骨格を含んでなることが好ましい。ここでいう基本骨格とは樹脂を構成する繰り返しの単位であり、例えば一方の樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合は、エチレンテレフタレートが基本骨格である。樹脂Xと樹脂Yが同一の基本骨格を含む樹脂であるとさらに層間での剥離は生じにくくなるものである。
前記より、本発明の積層フィルムは熱可塑性樹脂Xがポリエチレンテレフタレート、熱可塑性樹脂Yがスピログリコールを含んでなるポリエステルであることが好ましい。スピログリコールを含んで成なるポリエステルとは、スピログリコールを共重合したコポリエステル、またはホモポリエステル、またはそれらをブレンドしたポリエステルのことを言う。スピログリコールを含んでなるポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとのガラス転移温度差が小さいため、成形時に過延伸になりにくく、かつ層間剥離もしにくいため好ましい。より好ましくは、熱可塑性樹脂Xがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートであり、熱可塑性樹脂Yがスピログリコールおよびシクロヘキサンジカルボン酸を含んでなるポリエステルである。熱可塑性樹脂Yがスピログリコールおよびシクロヘキサンジカルボン酸を含んでなるポリエステルであると、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとの面内屈折率差が大きくなるため、高い反射率を得やすくなる。また、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとのガラス転移温度差が小さいため、成形時に過延伸になりにくく、かつ層間剥離もしにくい。
また、本発明の樹脂シートは、接着剤部での90°剥離強度が0.3kg/cm以上である必要がある。好ましくは1.0kg/cm、さらに好ましくは1.5kg/cm以上である。剥離強度が0.3kg/cm未満の場合には、十分な密着性が得られず、延伸あるいは成形途中でフィルムが剥離してしまう可能性があるため好ましくない。接着強度が1.5kg/cm以上であると、延伸あるいは成形、成形後のトリミング工程などでも剥離は発生せず、意匠性を維持できるため好ましい。
本発明に用いられる接着剤としては、慣用のフェノール樹脂系接着剤、レゾルシノール樹脂系接着剤、フェノール−レゾルシノール樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、ポリウレタン樹脂系接着剤、ポリエステルウレタン樹脂系接着剤ポリアロマチック系接着剤、などの熱硬化性樹脂系接着剤;エチレン−不飽和カルボン酸共重合体などを用いた反応型接着剤;酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、塩化ビニル樹脂、ナイロン、シアノアクリレート樹脂等の熱可塑性樹脂系接着剤;クロロプレン系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、SBR系接着剤、天然ゴム系接着剤などのゴム系接着剤などが挙げられる。また、接着剤層にかえて粘着剤層を設けることも可能であり、粘着剤層を構成する粘着剤としてはアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリアルキルシリコン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤などが挙げられる。
特に、本発明では樹脂フィルムとの密着性、延伸、成型時の追随性からポリエステルウレタン樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、アクリル系粘着剤が好ましい。
ポリエステルウレタン系樹脂、ウレタン系樹脂のいずれかにより形成されているとは、末端に水酸基を持つポリオールとポリイソシアネート、または末端にイソシアネート基を持つウレタンプレポリマーとポリオールを組み合わせ反応させることで硬化し、接着剤または粘着剤として機能するものである。ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオールが使用できる。例えば、ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシエチレン−プロピレン共重合ポリオール、ポリテトラメチレンポリオールなどの単独あるいはそれらの混合物が挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、ジカルボン酸(アジピン酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸など)とグリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコールなど)とを重縮合させ得られたポリオール、例えば、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリエチレン−プロピレンアジペート等のポリオールがあり、また、ポリラクトンポリオール、例えば、ポリカプロラクトンポリオールの単独あるいはそれらの混合物、ポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、貴志レンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、カルボジイミド変性MDI、ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族系ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートおよび脂環式系ポリイソシアネートが挙げられる。上記ポリイソシアネートは単独あるいはそれらの混合物として使用できる。
また、本発明においてアクリル系粘着剤にはアルキル基を有するビニルモノマーを主成分都市、官能基を有する種々のビニルモノマーを共重合した物を用いることができる。例えばアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基とメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基など)、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、などのヒドロキシ基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミドなどのアミド基含有モノマー、N,N―ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N―ジエチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ基含有モノマー、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのアミノ基含有モノマー、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩など)などのカルボキシル基またはその塩を含有するモノマーなどを用いることができ、これら1種もしくは2種以上のモノマーを用いて共重合される。さらに、これらは多種のモノマーと共重合することができる。
多種のモノマーとしては例えば、アクリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有モノマー、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、およびそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)などのスルホン酸基またはその塩を含有するモノマー、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸およびそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)などのカルボキシル基またはその塩を含有するモノマー、無水マレイン酸、無水イタコンなどの酸無水物を含有するモノマー、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルトリスアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アルキルイタコン酸モノエステル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化ビニルなどを用いることができる。
また、変性アクリル共重合体、例えば、ポリエステル、ウレタン、エポキシなどで変性したブロック共重合体、グラフト共重合体なども可能である。
本発明で使用する架橋剤としては、例えば、ヒドロキシル基やカルボキシル基を含むアクリル系樹脂を用いる場合、架橋剤としてポリエポキサイド化合物やポリイソシアネート化合物を用いることが好ましい。ポリエポキサイド化合物としては、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグロセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、レゾルシングリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジクリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル等を挙げることができる。また、ポリイソシアネート化合物としては、トルイレンジイソシアネート、2,4−トルイレンジイソシアネートダイマー、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス−(p−イソシアネートフェニル)チオホスファイト、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。その他に、メラミン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メチロール化あるいはアルキロール化した尿素系、アクリルアミド系、ポリアミド系樹脂、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤などを用いることができる。
また、本発明の接着剤層および粘着材層には各種の添加剤、例えば粘度調整剤、レベリング剤、ゲル化防止剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、易滑剤、顔料、染料、有機または向きの微粒子、充填剤、耐電防止剤、核剤などが配合されてもよい。
本発明の接着剤、粘着材の塗液調整に用いる希釈剤には、沸点が120℃以下の1種以上の低沸点溶剤と、その低沸点溶剤よりも高沸点の高沸点溶剤との混合溶剤を用いることができる。ここで、120℃以下としたのは、基材シートの耐熱性を考慮した乾燥温度130℃以下で、できるだけ速やかに蒸発する必要があるからである。さらに、高沸点溶剤は、好ましくは、低沸点溶剤の中で最も高沸点の溶剤よりも少なくとも40℃以上、より好ましくは40℃以上80℃以下高い沸点を有するものを用いることが好ましい。高沸点溶剤は、塗膜表面の固化を防止して他の低沸点の蒸発を促進する働きをするものである。また、塗工時の塗液の粘度上昇を抑制して塗工性を向上させる働きも有する。低沸点溶剤の具体例を挙げれば、炭化水素系溶剤としては、トルエン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ノルマルヘプタン等を挙げることができ、ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等を挙げることができ、エステル系溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル等を挙げることができ、エーテル系溶剤としては、1,4−ジオキサン等を挙げることができる。好ましくは、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチルから選択された1種以上の溶剤である。これに対し、高沸点溶剤には、メチルブチルケトン、ダイアセトンアルコール、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等を挙げることができる。好ましくは、メチルブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルから選択された1種の溶剤である。また、高沸点溶剤の希釈溶剤中の含有量は、5〜20重量%、より好ましくは7〜15重量%である。5重量%より少ないと、低沸点溶剤の蒸発促進に十分な効果がなく、また20重量%を超えると、高沸点溶剤自体が塗膜内から完全に除去されず、塗膜内に残留する可能性があるからである。
また、加熱処理前のヘイズ値と150℃雰囲気下で30分加熱処理後のヘイズ値の差が3%以下である必要がある。より好ましくは1%以下である。ヘイズ値の差が1%以下であると、成形後の外観変化がほとんどなく、意匠性に優れた成型体となる。
本発明の樹脂シートは、100℃における長手方向または幅方向の伸度が100%以上でなければならない。より好ましくは150%以上である。100℃雰囲気下での伸度が150%以上であると、成型性が良好なため真空成形、真空圧空成形、超高圧成形、プレス成形、インサート成形に適した樹脂シートとなる。
本発明の樹脂シートは、樹脂フィルムAおよび/または樹脂フィルムBが熱可塑性樹脂Xを主成分とする層(X層)と熱可塑性樹脂Yを主成分とする層(Y層)が交互に50層以上積層された樹脂フィルムであり、かつ、加熱前と90℃雰囲気下で30分加熱後の色差(ΔEab)が10以下であることが好ましい。このような場合、意匠性を有した樹脂シートとなり、かつ、成形後の外観変化がない優れた成型体となるため好ましい。
本発明の樹脂フィルムAおよび/または樹脂フィルムBが熱可塑性樹脂Xを主成分とする層(X層)と熱可塑性樹脂Yを主成分とする層(Y層)が交互に50層以上積層された樹脂フィルムとは、X層とY層を厚み方向に規則的に積層した構造を有している部分が存在することと定義される。すなわち、本発明のフィルム中のX層とY層の厚み方向における配置の序列がランダムな状態ではないことが好ましく、X層とY層以外の第3の層以上についてはその配置の序列については特に限定されるものではない。また、X層、Y層、熱可塑性樹脂ZのからなるZ層を有する場合には、X(YZX)n、X(YZYX)n、X(YXYZYX)nなどの規則的順列で積層されることがより好ましい。ここでnは繰り返しの単位数であり、例えばX(YZX)nにおいてn=3の場合、厚み方向にXYZXYZXYZXの順列で積層されているものを表す。
また、本発明の樹脂フィルムAおよび/または樹脂フィルムBは熱可塑性樹脂Xからなる層(X層)と熱可塑性樹脂Yからなる層(Y層)が交互に合計50層以上積層されていることが好ましい。より好ましくは200層以上であり、さらに好ましくは500層以上である。A層とB層を合計50層以上積層した構造を含まなければ、30%以上の反射率を有する帯域が得られにくい。200層以上積層すると、反射帯域を広幅化することが可能となる。また、500層以上であると、300〜600nmの広い反射帯域において50%以上の反射率を有することがさらに容易となり、この反射波長を可視領域に設定することで金属調の外観を有する積層フィルムを得ることができる。また、上限値としては特に限定するものではないが、装置の大型化や層数が多くなりすぎることによる積層精度の低下に伴う波長選択性の低下を考慮すると、5000層以下であることが好ましい。
本発明の樹脂フィルムAおよび/または樹脂フィルムBの加熱前と90℃雰囲気下で30分加熱後の色差(ΔEab)が10以下であることが好ましい。より好ましくは5以下、さらに好ましくは3以下である。ΔEabが10より大きい場合、色調変化が目視にて容易に確認することが可能となり好ましくない。色差が3以下であると、色調変化は目視にてほとんど分からない程度であり、延伸や成形、印刷加工を行っても意匠性を維持することが可能であり好ましいものである。
本発明の樹脂シートは230℃の雰囲気下で60秒加熱処理を行い、その後90℃雰囲気下で240時間熱処理後の異物析出量が30個/mm以下であることが好ましい。30個/mmより多い場合、意匠性、樹脂シートの平面性が損なわれるため好ましくない。好ましくは10個/mm以下、より好ましくは0個/mmである。この場合、真空成形や圧空成形、真空圧空成形を行った樹脂シートを車内装加飾材などの耐熱性が要求される箇所に使用されたとしても、初期とかわらぬ意匠性を維持できるため好ましい。なお、ここでいう大きさが1μm以上の異物とは、最大径の長さが1μm以上であるもののことを言う。
本発明の樹脂シートは、樹脂フィルムAおよび/または樹脂フィルムBの彩度Cが6以上であり、樹脂フィルムAと樹脂フィルムBを積層してなる樹脂シートの彩度CAB が5以下であることが好ましい。樹脂シートの彩度CAB が5より大きい場合、目視にて無彩色ではないことが容易に確認可能となるため、金属代替えの意匠性樹脂シートとしては適さないものとなるが、接着剤層および/または粘着剤層を介して積層させることにより彩度CAB を無彩色に近づけることが可能となる。好ましくは彩度CAB が3以下である。この場合、目視では無彩色にみえるため意匠性として非常に好ましいものである。
本発明の樹脂フィルムAおよび樹脂フィルムBはコロナ処理を施していることが好ましい。コロナ処理を施すことで樹脂フィルムと接着剤層および粘着剤層を構成する接着剤、粘着剤との親和性が向上し、より高い接着強度をえることが可能となる。
接着剤、粘着剤と樹脂フィルムの親和性を向上させる手法としては、プラズマ処理、フレーム処理、電子線照射処理、粗面化処理、オゾン処理などの表面処理が施されてもよい。
本発明の樹脂シートは、150℃雰囲気下におけるフィルム長手方向と幅方向の熱収縮率差が3%以下であることが好ましい。より好ましくは1.5%以下である。熱収縮率差が3%より大きい場合、成型時の長手方向と幅方向の熱収縮率の差が大きく、位置精度が求められる様な意匠用途では使いづらく好ましくない。1.5%以下であれば、熱収縮率がほぼ同程度であるため位置精度が保たれ、かつ、3次元成型を行う際には長手方向、幅方向関係なくバランスよく延伸されるため好ましいものである。
本発明の樹脂シートは引き裂き強度が5N/mm以上であることが好ましい。より好ましくは10N/mm以上である。5N/mm未満の場合、成形後のトリミング工程により樹脂シートが裂けてしまう可能性があり好ましくない。
本発明の樹脂フィルムは、その表面に易接着層、易滑層、ハードコート層、帯電防止層、耐摩耗性層、反射防止層、色補正層、電磁波シールド層、紫外線吸収層、印刷層、透明導電層、ガスバリア層、ホログラム層、剥離層、粘着層、接着層などの機能性層を形成してもよい。
本発明の成形体としては、本発明の樹脂フィルム以外に、黒色や反射ピークの補色となる色を吸収する色吸収層や、ハードコート層、耐候層(UVカット層)、着色層、接着層、基材樹脂層のいずれかを含んでなることも好ましい。このような成形体はオールポリマーから構成することが可能であり、金属や重金属などを含まないため、環境負荷が小さく、リサイクル性にも優れ、電磁波障害を起こさないものである。
次に、発明の樹脂シートの好ましい製造方法を以下に説明する。
樹脂フィルムを積層ポリエステルフィルムとする場合、2種類の樹脂Xおよび樹脂Yをペレットなどの形態で用意する。ペレットは、必要に応じて事前乾燥を熱風中あるいは真空下で行い、押出機に供給される。押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルタなどを介して異物や変性した樹脂などを取り除く。さらに、樹脂はダイにて目的の形状に成形された後、吐出される。
本発明の樹脂フィルムを得るための方法としては、2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出された樹脂を次に積層装置に送り込む。積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィードブロックやスタティックミキサーなどを用いて多層に積層する方法を使用することができる。また、これらを任意に組み合わせても良い。ここで本発明の効果を効率よく得るためには、各層ごとの層厚みを個別に制御できるマルチマニホールドダイもしくはフィードブロックが好ましい。フィードブロックの構造は、多数の微細スリットを有する櫛形のスリット板に部材を少なくとも1個有しており、2つの押出機から押し出された樹脂Xと樹脂Yが、各マニホールドを経由して、スリット板に導入される。ここでは導入板を介して、樹脂Xと樹脂Yが選択的に交互にスリットに流入するため、最終的にはX/Y/X/Y/X・・・といった多層膜を形成することができる。また、スリット板をさらに重ね合わせることにより、層数を増やすことも可能であり、なおかつ、スリット板の間隙を調整することにより各層厚みを制御することが可能である。
本発明の特徴である230℃の雰囲気下で60秒加熱処理を行い、その後90℃雰囲気下で240時間熱処理後の異物析出量が50個/mm以下とするためには、接着剤面に最近接している熱可塑性樹脂層の厚みが200nm以下であることが好ましい。より好ましくは150nm以下である。表層厚みを薄膜化することにより、異物原因の1つであるオリゴマーの表面析出を抑制することが可能となる。また、第二の方法として、貼り合わせ面側の表層を非晶性樹脂、あるいはΔHmが200℃以下の樹脂で形成することも好ましい。また、オリゴマー析出抑制効果のある易接着層を設けることも好ましい。
また、屈折率の異なる2種の樹脂を積層させることにより、下記式1を用いて任意の波長にて反射率をえることが可能である。また、各層厚みによって任意に反射波長次を調整できる。反射率についてはA層とB層の屈折率差と、A層とB層の層数にて制御する。
2×(na・da+nb・db)=λ 式1
na:A層の面内平均屈折率
nb:B層の面内平均屈折率
da:A層の層厚み(nm)
db:B層の層厚み(nm)
λ:主反射波長(1次反射波長)
さらに、層厚みが一方の表面から反対側の表面に向かうにつれて徐々に厚くなる層構成を含んでいることが好ましい。この場合、広帯域で反射率をえられるため意匠性にすぐれた樹脂フィルムとなる。
このようにして所望の層構成に形成した溶融積層体は、次にダイにて目的の形状に成形された後、吐出される。そして、ダイから吐出された多層に積層されたシートは、キャスティングドラム等の冷却体上に押し出され、冷却固化され、キャスティングフィルムが得られる。この際、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させる方法や、スリット状、スポット状、面状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させる方法、ニップロールにて冷却体に密着させ急冷固化させる方法が好ましい。
このようにして得られたキャスティングフィルムは、必要に応じて二軸延伸することが好ましい。二軸延伸とは、長手方向および幅方向に延伸することをいう。延伸は、逐次二軸延伸しても良いし、同時に二方向に延伸してもよい。また、さらに長手および/または幅方向に再延伸を行ってもよい。特に本発明では、面内の配向差を抑制できる点や、表面傷を抑制する観点から、同時二軸延伸を用いることが好ましい。
逐次二軸延伸の場合についてまず説明する。ここで、長手方向への延伸とは、フィルムに長手方向の分子配向を与えるための延伸を言い、通常は、ロールの周速差により施され、この延伸は1段階で行ってもよく、また、複数本のロール対を使用して多段階に行っても良い。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましく用いられる。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+100℃が好ましい。
このようにして得られた一軸延伸されたフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
また、幅方向の延伸とは、フィルムに幅方向の配向を与えるための延伸を言い、通常は、テンターを用いて、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、幅方向に延伸する。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましく用いられる。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましい。
同時二軸延伸の場合について次に説明する。同時二軸延伸の場合、幅方向における反射ピークの反射率の差が±10%以下にすることが容易となるため好ましい。同時二軸延伸の場合には、得られたキャストフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
次に、キャストフィルムを、同時二軸テンターへ導き、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、長手方向と幅方向に同時および/または段階的に延伸する。同時二軸延伸機としては、パンタグラフ方式、スクリュー方式、駆動モーター方式、リニアモーター方式があるが、任意に延伸倍率を変更可能であり、任意の場所で弛緩処理を行うことができる駆動モーター方式もしくはリニアモーター方式が好ましい。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、面積倍率として6〜50倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、面積倍率として8〜30倍が特に好ましく用いられる。特に同時二軸延伸の場合には、面内の配向差を抑制するために、長手方向と幅方向の延伸倍率を同一とするとともに、延伸速度もほぼ等しくなるようにすることが好ましい。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。
こうして二軸延伸されたフィルムは、本発明の樹脂フィルムの特徴である長手方向および幅方向の熱収縮率差3%以下とするために、引き続きテンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うことが好ましい。この熱処理の際に、幅方向での主配向軸の分布を抑制するため、熱処理ゾーンに入る直前および/または直後に瞬時に長手方向および/または幅方向に弛緩処理を行っても良い。
また、本発明の樹脂シートは、樹脂フィルムAと樹脂フィルムBが接着剤層または粘着剤層を介して積層されていることを特徴とする。接着剤層および粘着剤層による接着方法としては慣用の溶剤型接着剤を用いたドライラミネーション法、ウェットラミネーション法、ホットメルトラミネーション法などで積層することができる。
接着剤の塗工方式は、グラビアコーター、グラビアリバースコーター、リップコーター、フレキソコーター、ブランケットコーター、ロールコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、キスタッチコーター、キスタッチリバースコーター、コンマコーター、コンマリバースコーター、マイクロリバースコーターなどの塗工方式を用いることが出来る。接着剤または粘着剤の塗布量は0.1〜30g/m2の範囲が好ましく、より好ましくは2〜15g/m2である。2g/m2未満であると接着力が弱く、剥離しやすくなるため好ましくない。15g/m2より多い場合、乾燥性が低下し、外観不良となりやすい。また、異物の押し痕が残りやすく、意匠性の低下につながるため好ましくない。
本発明の樹脂シートは、ハードコート層、帯電防止層、耐摩耗性層、反射防止層、色補正層、紫外線吸収層、印刷層、金属層、透明導電層、ガスバリア層、ホログラム層、剥離層、粘着層、エンボス層、接着層、離形層などの機能性層を形成してもよい。
本発明に使用した物性値の評価方法および接着剤、粘着剤を記載する。
(物性値の評価方法)
(1)積層厚み、接着剤および粘着剤層厚み、積層数、
フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡H−7100FA型((株)日立製作所製)を用い、加速電圧75kVでフィルムの断面を40000倍に拡大観察し、断面写真を撮影、層構成および、各層厚みを測定した。なお、場合によってはコントラストを高く得るために公知のRuO4やOsO4などを使用した染色技術を用いても良い。
積層構造の具体的な求め方を、説明する。約4万倍のTEM写真画像を、CanonScanD123Uを用いて画像サイズ720dpiで取り込んだ。画像をJPEG形式で保存し、次いで画像処理ソフトImage−Pro Plus ver.4(販売元 プラネトロン(株))を用いて、このJPGファイルを開き、画像解析を行った。画像解析処理は、垂直シックプロファイルモードで、厚み方向位置と幅方向の2本のライン間で挟まれた領域の平均明るさとの関係を、数値データとして読み取った。表計算ソフト(Excel2000)を用いて、位置(nm)と明るさのデータに対してサンプリングステップ6(間引き6)、3点移動平均の数値処理を施した。さらに、この得られた周期的に明るさが変化するデータを微分し、VBAプログラムにより、その微分曲線の極大値と極小値を読み込み、隣り合うこれらの間隔を1層の層厚みとして層厚みを算出した。この操作を写真毎に行い、全ての層の層厚みを算出した。
(2)固有粘度
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から、算出した。また、溶液粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で示した。なお、n数は3とし、その平均値を採用した。
(3)相対反射率
株式会社日立ハイテクノロジーズ製分光光度計U4100にφ60mm積分球(内面塗布BaSO)および10°傾斜スペーサーを取り付け反射率を測定した。反射率を基準化するため、標準反射板としてAl板を用いた。測定は下記の条件とした。
検出速度:波長240〜850nmは600nm/min
波長850〜1750nmは750nm/min
サンプリング間隔:1.00nm
スリット:波長240〜850nmは2.00nm
波長850〜1750nmは自動制御
PbS感度:2
(4)異なる熱可塑性樹脂間の面内屈折率差
積層フィルムを構成する熱可塑性樹脂を単独で用いて、積層フィルムと同じ製膜条件で単膜フィルムを製膜した。この際の製膜方法は、キャスティングまでは同じ方法で未延伸フィルムを製膜した。次いで、未延伸フィルムからサンプルを10cm×10cmの寸法に切り出し、ブルックナー製フィルムストレッチャー KARO−IVを用いて積層フィルムと同倍率で延伸し、さらに、得られた延伸フィルムを20cm×20cmの金枠に貼り付けてトンネルオーブン(泰伸製作所製)を用いて、積層フィルムと同様の温度で熱処理を施し、単膜フィルムを得た。なお、製膜時の熱処理温度が熱可塑性樹脂を溶融する温度の場合は、ポリイミドフィルムなどの支持体で挟みトンネルオーブンで熱処理を施した。得られた単膜フィルムのフィルム巾方向中央部からサンプルを長さ4×巾3.5cmの寸法で切り出し、アッベ屈折率計4T(アタゴ(株)製)を用いて、MD、TDの屈折率を求めた。光源は、ナトリウムD線 波長589nmを用いた。MDとTDの屈折率の平均を面内屈折率とし、異なる熱可塑性樹脂間での面内屈折率の差を面内屈折率差(絶対値)として、求めた(|熱可塑性樹脂Aの面内屈折率―熱可塑性樹脂Bの面内屈折率|)。なお、浸液には、ヨウ化メチレン、テストピースの屈折率は、1.74のものを用いた。
(5)強伸度
JIS−K7127(1999年)に規定された方法に従って、インストロンタイプの引張試験機を用いて測定した。なお、伸度はフィルム長手方向、幅方向いずれかの高い値とする。測定は下記の条件とした。
測定装置:オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置“テンシロンAMF/RTAー100”
試料サイズ:幅10mm×試長間50mm
引張り速度:300mm/min
測定環境:温度100℃
(6)90°剥離強度
樹脂シート(積層フィルムと異素材または同種の積層フィルムを貼り合わせたもの)を長さ25cm、幅1.5cmの寸法に切り出し、プラスチック基板に貼りつける。このとき、フィルム厚みが厚い方をプラスチック基板側とする。その後、樹脂シートの片方約10〜15cmを接着層を境として剥離させる。剥離が困難な場合は、溶剤を用い接着剤を取り除き剥離させる。剥離させたフィルムを株式会社イマダ製の90度剥離試験機を用い、剥離の際の強度を測定した。測定は下記の条件とした。
測定装置:株式会社イマダ製90度剥離試験機
フォースゲージ:ZP
テストスタンド:MX−500N−E−L550
アタッチメント:P90−200N
ソフトウェア :ZP−Recorder
試料サイズ:幅15mm×試長間50mm
引張り速度:200mm/min
測定環境:温度23℃、湿度65%RH。
剥離距離50mm分の平均の剥離強度を用いた。
(7)樹脂フィルムの彩度C*および樹脂シートの彩度CAB
サンプルを5cm×5cmで切り出し、次いでサンプルの片面をマジックインキ(登録商標)で黒く塗り、黒塗りを行った面と反対面を光源側となるようセットし、コニカミノルタ(株)製CM−3600dを用いて測定を行った。なお、3回の測定平均値を用いた。測定は下記の条件とした。
測定装置:コニカミノルタセンシング(株)
白色校正板:CM−A103
ゼロ校正ボックス:CM−A104
測定モード:反射SCI方式(正反射光、拡散反射光含む)
測定径:φ8mmターゲットマスク(CM−A106)
視野角度:10°視野
光源:D65
(8)色差(ΔEab)
サンプルを10cm×10cmで切り出し、as*値、bs*値を測定した後、90℃の雰囲気に保たれた熱風オーブン中に入れ無加重の状態で30分放置した後、室温に取り出した。このサンプルについて測定位置が同一となるようにしながらae*値、be*値を測定し、下記式1にて加熱処理前後の色差(ΔEab)を求めた。
なお、測定条件は上記彩度C*と同じとする。ただし、サンプルの黒塗布は行わない。
ΔEab=((a −a +(b −b 1/2 式1
(9)ヘイズ値
ヘイズ値を測定した樹脂シートを150°の雰囲気に保たれた熱風オーブン中に入れ、無加重の状態で30分間放置した後、室温に取り出した。このサンプルについて、測定位置が同一となるようにしながらヘイズを測定し、熱処理前後のヘイズ値の差(ΔHaze)を求めた。
なお、測定は直読式ヘイズメーターHGM−2DP(スガ試験機器製作所製)を用いた。ヘイズ(%)は拡散透過率を全光線透過率で除し、100を乗じて算出した。
(10)熱収縮率
フィルムを幅10mm、長さ150mmにサンプリングし、サンプルに約100mm間隔の標線をマークした後、万能投影機を用いて正確にこの標線の間隔を測定した。次に、フィルムサンプルを長さ方向に吊し、3gの荷重を長さ方向に加えて、150℃の雰囲気に保たれた熱風オーブン中で30分間加熱した。この加熱後の標線の間隔を測定し、フィルムの収縮量を原寸法に対する割合として百分率で表した。この値のフィルム長手方向と幅方向の差を算出した。
(11)引き裂き強度
軽荷重引裂試験機(東洋精機製)を用いて、JIS K 7128−2(エレメンドルフ引裂法)に基づいて引裂強さ(gf)を測定した。この計測値に9.8を乗じて、測定したフィルムの厚みで除して引裂強度mN/μmとした。なおこの引裂強度は縦方向および横方向のそれぞれ5サンプルの試験結果を平均化したものとした。
(12)異物析出量
樹脂シートを10cm×10cmの大きさで切り出し、任意の5箇所をライカマイクロシステムズ株式会社製微分干渉顕微鏡(Leica DMLM)の総合倍率200倍で表面観察を行い異物数をカウントする。なお、ここでいう異物とは最大径が1μm以上の物と定義する。その後、この樹脂シートを熱収縮が生じないよう10cm×10cmの金枠に固定し、230℃に加熱したトンネルオーブン(泰伸製作所製)にて60秒過熱処理を行い、その後90℃の雰囲気に保たれた熱風オーブン中に入れ、無加重の状態で240時間加熱処理を行った。このサンプルについて、測定位置が同一となるようにしながら微分干渉顕微鏡の総合倍率200倍で表面観察を行い、異物数をカウントした。各測定箇所での加熱処理後の異物数から加熱処理前の異物数を差し引いた値を算出し、その5点の平均値を異物析出量(個/mm)とした。
(13)成型テスト、抜き加工
樹脂シートを株式会社浅野研究所所有の真空圧空成形機 TYPE:FKS−0631−20にて成形を行い、その後抜き打ち加工を行った。成型後、抜き打ち加工後に目視にて樹脂シートで剥離がみられた場合は×、剥離が発生していない場合は○とした。成形条件を以下に示す。
成型方法:真空圧空成形
圧空 :0.6MPa
金型 :凹型の円筒状、深さ5mm、半径20mm
また、得られた成型体をヒートサイクル試験し、その後クロスカット法による付着性試験を行った。方法はJIS K5600−5−6(1999年)に準じる。目視にて剥離が生じた場合は×、剥離が生じない場合は○とした。ヒートサイクル試験は、「−40℃雰囲気下に2時間放置後、+85℃雰囲気下にて2時間加重状態にて放置する」という条件を1サイクルとし、計18サイクル実施することを条件とした。
(接着剤および粘着剤)
<接着剤A>
大日本インキ化学工業株式会社製LX660を5重量部、大日本インキ化学工業株式会社製KW75を1重量部を酢酸エチル2重量部に溶解し、作製した。
<接着剤B>
三井化学ポリウレタン株式会社製ウレタンプレポリマー溶液“タケネート A−975”5重量部、三井化学ポリウレタン株式会社製ウレタンプレポリマー溶液“タケラック A−12”0.5重量部を酢酸エチル5重量部に溶解し、作製した。
<粘着剤C>
綜研化学製SKダイン1502Cを1重量部、架橋剤E−5XMを7重量部、L−45を3重量部、トルエン1重量部に溶解し、作製した。
<粘着剤D>
綜研化学製アクリル樹脂粘着剤SKダイン2094と架橋剤E−5XM,L−45を希釈溶剤(トルエン/メチルエチルケトン/シクロヘキサン=27g/27g/4g)で、粘着剤/E―5XM/L―45/希釈溶剤=200g/0.5g/0.7g/60gの割合となるように作製した。
(実施例1)
樹脂フィルムA、Bともに熱可塑性樹脂Xとして、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(PET)[東レ製F20S]を用いた。なお、この熱可塑性樹脂Xは結晶性樹脂である。また、熱可塑性樹脂Yとして固有粘度0.55のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分20mol%、スピログリコール成分15mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(CHDC20mol%/SPG15mol%共重合PET)を用いた。これら熱可塑性樹脂XおよびYは、それぞれ乾燥させたあと、別々の押出機にて供給した。
熱可塑性樹脂XおよびYは、それぞれ、押出機にて270℃の溶融状態とし、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギヤポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂X組成物/熱可塑性樹脂Y組成物=1.07/1.0になるように計量しながら、スリット数267個のスリット板3枚を用いた構成である801層フィードブロックにて合流させ積層体とした。合流した熱可塑性樹脂XおよびYは、フィードブロック内にて各層厚みが表面側から反対表面側に向かうにつれ徐々に厚くなるように変化させ、熱可塑性樹脂Xが401層、熱可塑性樹脂Yが400層からなる厚み方向に交互に積層された構造とした。また、隣接するA層とB層の層厚みはほぼ同じになるようにスリット形状を設計した。また、接着剤層に最近接する熱可塑性樹脂層の層厚みを50nmとなるようスリット形状を設計した。この設計では、350nmから1000nmに反射帯域が存在するものとなる。このようにして得られた計801層からなる積層体を、マルチマニホールドダイに供給し、シート状に成形した後、静電印加にて表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。なお、樹脂Xと樹脂Yが合流してからキャスティングドラム上で急冷固化されるまでの時間が約8分となるように流路形状および総吐出量を設定した。
得られたキャストフィルムを、75℃に設定したロール群で加熱した後、延伸区間長100mmの間で、フィルム両面からラジエーションヒーターにより急速加熱しながら、縦方向に3.0倍延伸し、その後一旦冷却した。次に、フィルム片面にコロナ処理を施しテンターに導き、100℃の熱風で予熱後、110℃の温度で横方向に3.3倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で235℃の熱風にて熱処理を行い、続いて同温度にて幅方向に6%の弛緩処理を施し、その後、室温まで徐冷後、巻き取った。樹脂フィルムAは91.4、μmであった。また、同様の方法にて厚み64.4μmの樹脂フィルムBを得た。
得られた樹脂フィルムのフィルム厚みが薄い樹脂フィルムBのコロナ処理を施した面にダイ方式のドライラミネータを用いて接着剤Aをリップコーターにて7μm塗布し、樹脂フィルムAのコロナ処理面とラミネートを行い樹脂シートを得た。ドライラミネートでは、接着剤の溶媒乾燥温度を60度から80度とし、ラミ時のニップ圧を4.0kg/cm3、ニップ温度を80度、エージングを40℃3日間行った。
得られた樹脂シートは彩度CAB が0.6とほぼ無彩色であり、反射率の高い金属光沢調を有し、かつ、熱処理前後でのヘイズ値の差、異物析出もほぼみられず意匠性に優れ、るものであった。また、伸度を180%と維持しつつ、剥離強度が1.69と高いため成形性に優れるものであった。得られた結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、マルチマニホールドダイに積層フィルムを供給したのち、さらにその表層に別の押出し機から熱可塑性樹脂Yを平均層厚みの50%の厚みとなるよう吐出量を調整し積層させ803層とし、接着界面へのコロナ処理を施さなかった以外は実施例1と同様の条件とした。
得られた樹脂シートは接着強度がやや低いものの意匠性に優れたものであった。得られた結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、熱可塑性樹脂Yをシクロヘキサンジメタノールを30mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(CHDM共重合PET)[イーストマン製 PETG6763]と固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを85:15の重量比で、二軸押出機にて混練しアロイ化した樹脂とし、ラミネートに用いる接着剤をBとした以外は同様の条件とした。
得られた樹脂シートは積層樹脂間の屈折率差が低いことから反射率が低いものであった。また、接着剤起因による剥離強度低下がみられた。得られた結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例3において、樹脂シートにコロナ処理を施さなかった以外は同様の条件とした。得られた樹脂シートはコロナ処理有りのものと比較して接着強度が低く、かつ、サブ層の樹脂を変更したことで加熱処理することでヘイズ値が増加する結果となった。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例4において、マルチマニホールドダイに積層フィルムを供給した後、さらにその表層に別の押出機から熱可塑性樹脂Xを層厚みが平均層厚みと同等となるよう吐出量を調整し積層させ803層とした。また、接着剤層を3μmとした。他の条件については実施例4と同様とした。
得られた樹脂シートは表層のPET層が厚くなったことにより異物析出量が増え、加熱処理後のヘイズ値増加量も増加し、かつ、接着剤層厚みを低下させたことにより剥離強度の低下がみられた。得られた結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1において、接着剤をCとした以外は同様の条件とした。得られた結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例1において、マルチマニホールドダイに積層フィルムを供給した後、さらにその表層に別の押出機から熱可塑性樹脂Xを層厚みが平均層厚みと同等となるよう吐出量を調整し積層させ803層とした以外は同様の条件とした。
得られた樹脂シートは表層のPET層厚膜化により、異物析出量が増加し、意匠性としての品位がやや低下したものであった。得られた結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例7において、熱可塑性樹脂Yをシクロヘキサンジメタノールを30mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(CHDM共重合PET)[イーストマン製 PETG6763]と固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを85:15の重量比で、二軸押出機にて混練しアロイ化した樹脂とした以外は同様の条件とした。
得られた樹脂シートはサブ層の変更とPET層の厚膜化により、異物析出量が増加する結果となった。得られた結果を表2に示す。
(実施例9)
実施例1において、樹脂フィルムAの製膜を51層のフィードブロックにて行い、フィードブロック内にて接着剤層に最近接する熱可塑性樹脂層の層厚みを10nmとなるようスリットを調整し、さらに各層の厚みが表面側から反対表面側まで一定となる構造にした。また、樹脂フィルムBには住友化学株式会社製アクリルフィルム(テクノロイS001)を用い、粘着剤をCとした。その他の条件については実施例1と同様とした。
得られた樹脂シートは耐候性を有し、特定の波長の光のみ反射し、奥行きのある意匠性にすぐれたものであった。得られた結果を表2に示す。
(実施例10)
実施例1においてフィードブロックを201層とした以外は同様の条件とした。
得られた樹脂シートは積層数が少ないために反射率が低いものであった。得られた結果を表2に示す。
(実施例11)
実施例1において、樹脂フィルムBを住友化学株式会社製アクリルフィルム(テクノロイS001)とした以外は同様の条件とした。
得られた樹脂シートは耐候性を有し、奥行きの感じられる意匠性にすぐれたものであった。得られた結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1において、接着剤塗布厚みを1μmとした以外は同様の条件とした。
得られた樹脂シートは接着強度が低く、延伸時に剥離してしまうものであった。得られた結果を表3に示す。
(比較例2)
実施例1において、接着剤をDとし、接着層厚みを3μmとした以外は同様の条件とした。得られた樹脂シートは接着強度が低く、延伸時、成型後の打ち抜き加工時に剥離が生じてしまうものであった。得られた結果を表3に示す。
(比較例3)
実施例1において、熱可塑性樹脂Yをシクロヘキサンジメタノールを30mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(CHDM共重合PET)[イーストマン製 PETG6763]と固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを50:50の重量比で、二軸押出機にて混練しアロイ化した樹脂とし、接着剤塗布厚みを1μmとした以外は同様の条件とした。
得られた樹脂シートは加熱によりヘイズ値が上昇し、なおかつ色調変化が大きいものであった。得られた結果を表3に示す。
Figure 2009154296
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本発明は、少なくとも2種類の樹脂フィルムが接着剤層または粘着剤層を介して積層された樹脂シートに関するものである。更に詳細には、本発明は、装飾用部材、例えば自動車用、携帯電話用装飾材などの光沢調や深みなどの意匠性が高い装飾材に関するものである。

Claims (9)

  1. 樹脂フィルムAと樹脂フィルムBが接着剤層または粘着剤層を介して積層された樹脂シートであり、接着剤部での90°剥離強度が0.3kg/cm以上であり、加熱処理前のヘイズ値と150℃の雰囲気下で30分加熱処理後のヘイズ値の差が3%以下であり、かつ、100℃における長手方向および/または幅方向の伸度が100%以上であることを特徴とする樹脂シート。
  2. 前記樹脂フィルムAおよび/または樹脂フィルムBが、いずれもそれぞれ熱可塑性樹脂Xを主成分とする層(X層)と熱可塑性樹脂Yを主成分とする層(Y層)が交互に50層以上積層された樹脂フィルムであり、かつ、加熱処理前と90℃雰囲気下で30分加熱後の色差(ΔEab)が10以下で請求項1に記載の樹脂シート。
  3. 樹脂シートを230℃の雰囲気下で60秒加熱処理を行い、その後90℃雰囲気下で240時間熱処理後、大きさが1μm以上の異物析出量が30個/mm以下で請求項1または2に記載の樹脂シート。
  4. 樹脂フィルムAおよび/または樹脂フィルムBの彩度Cが6以上であり、樹脂フィルムAと樹脂フィルムBを積層してなる樹脂シートの彩度CAB が5以下である請求項1から3のいずれかに記載の樹脂シート。
  5. 接着剤層および/または粘着剤層がポリエステルウレタン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂のいずれかである請求項1から4のいずれかに記載の樹脂シート。
  6. 樹脂フィルムAおよび樹脂フィルムBにコロナ処理を施してなる請求項1から5のいずれかに記載の樹脂シート。
  7. 150℃雰囲気下におけるフィルム長手方向と幅方向の熱収縮率差が3%以下である請求項1から6のいずれかに記載の樹脂シート。
  8. 樹脂シートの引き裂き強度が5N/mm以上である請求項1から7のいずれかに記載の樹脂シート。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の樹脂シートを用いた成型体。
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