JP2009140780A - 圧着端子およびこれを用いた電気コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】圧着部でのケーブル芯線に対する圧着力が強力で、外力の方向に係りなく、確実にその圧着力を維持でき、かつ安価に製造できる圧着端子を提供する。
【解決手段】金属板を軸線まわりに筒状に丸めて作られ、軸線方向一端側に相手端子と接続される接触部2をそして他端側に開口部3Dからのケーブル芯線の受入れ後に直径方向に圧潰される圧着部3を有している圧着端子1において、圧着部3は上記軸線まわりに筒状に丸められた際に周方向一端部と周方向他端部とが互いに連結される連結部を有し、該連結部は周方向一端部にスリット3Aがそして周方向他端部に該スリット3Aへ貫入される係止片3Bが設けられていて、該係止片3Bが上記スリット3Aへの貫入後に上記周方向一端部の外周面に接面するように屈曲変形加工を受けて上記連結部を形成する。
【選択図】図1
【解決手段】金属板を軸線まわりに筒状に丸めて作られ、軸線方向一端側に相手端子と接続される接触部2をそして他端側に開口部3Dからのケーブル芯線の受入れ後に直径方向に圧潰される圧着部3を有している圧着端子1において、圧着部3は上記軸線まわりに筒状に丸められた際に周方向一端部と周方向他端部とが互いに連結される連結部を有し、該連結部は周方向一端部にスリット3Aがそして周方向他端部に該スリット3Aへ貫入される係止片3Bが設けられていて、該係止片3Bが上記スリット3Aへの貫入後に上記周方向一端部の外周面に接面するように屈曲変形加工を受けて上記連結部を形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は圧着端子に関する。
圧着端子は一般に、軸線方向の一端側に相手コネクタの端子と接触する接触部、他端側にケーブル芯線が圧着結線される圧着部を有している。該圧着部は、ケーブル芯線を受ける略U字状溝を形成すると共に両脚が圧着片をなしている。この略U字状溝内にケーブル芯線を配し、このケーブル芯線をカシメ包囲するように上記圧着片を屈曲することにより圧潰して、圧着結線がなされる。
特許文献1では、対向する二つの圧着片は、B字状をなすようにして両者の先端同士が重なることなく屈曲してカシメを受けて互いに接している。その際、屈曲された先端同士がスプリングバックによりカシメが緩くなることを防止するために、特許文献2では、圧着片の先端を粗面として、その摩擦力の増大により、上記スプリングバックを防止せんとしている。
さらには、圧着片同士を上記のB字状に屈曲せずに、特許文献3では、圧着片の先端同士を重ねた後に圧潰して複雑な形に変形させて互いの噛み合せを強くしてそれらの分離を防止せんとしている。
特開2005−050736
特開平09−185966
特開平07−073950
特許文献1ないし3のいずれにおいても、圧着片は圧潰により芯線を保持するので保持力は強力である。しかし、圧着片同士の接触面に対して直角方向の外力がこれらの圧着片に作用したときには、これに対して抗することがないので、比較的容易に分離し、その結果、圧着力が低下し、場合によっては、ケーブル芯線は圧着部で不安定に保持され、抜けてしまう虞れさえある。
したがって、圧着部は、周方向にて繋ぎ目のない管状部材として予め形成されていることが望ましいが、このような管状部材を成形するには切削加工が必要となり、その分コスト高となる。
また、これに加えて、特許文献1ないし3のいずれにおいても、圧着片の圧潰には特殊な圧着工具が必要となり、その分コスト高となる。
本発明は、このような事情に鑑み、圧着部でのケーブル芯線に対する圧着力が強力で、外力の方向に係りなく、確実にその圧着力を維持でき、かつ安価に製造できる圧着端子を提供することを課題とする。
本発明に係る圧着端子は、金属板を軸線まわりに筒状に丸めて作られ、軸線方向一端側に相手端子と接続される接触部をそして他端側に開口部からのケーブル芯線の受入れ後に直径方向に圧潰される圧着部を有している。
かかる圧着端子において、本発明では、圧着部は上記軸線まわりに筒状に丸められた際に周方向一端部と周方向他端部とが互いに連結される連結部を有し、該連結部は周方向一端部にスリットがそして周方向他端部に該スリットへ貫入される係止片が設けられていて、該係止片が上記スリットへの貫入後に上記周方向一端部の外周面に接面するように屈曲変形加工を受けて上記連結部を形成することを特徴としている。
本発明では、連結部の周方向一端部のスリットに周方向他端部の係止片を貫入した後、係止片を屈曲させて、上記周方向一端部の外周面に上記係止片を接面させて円筒形状の圧着部を形成する。これによって、該係止片と上記スリットとは鉤状に係止する。この結果、圧着部に対してどの方向から外力が加わっても係止片がスリットから外れないので、連結部が緩むことはない。
連結部は軸線方向で異なる複数位置に設けられていることが好ましい。このように、連結部を複数設けておくことにより、仮に、そのうちの一つが破損することがあっても他の連結部によって圧着部における周方向一端部と周方向他端部との連結を維持することができる。
複数の連結部は周方向で異なる位置に設けられていることが好ましい。このように、複数の連結部を周方向で異なる位置に設けておくことにより、そのうちの一つの連結部に対して該連結部を緩ませる方向に外力が作用しても、周方向にて異なる位置に設けられた他の連結部にはその外力が、連結部を緩ませる方向に作用しないので、該他の連結部は破損することはなく、周方向一端部と周方向他端部との連結を維持することができる。
複数の連結部のうち少なくとも一つの連結部は、スリットへ貫入後の係止片の屈曲方向が周方向で他の連結部に対して逆方向であることが好ましい。これによって、周方向における一方向で一つの連結部を緩めようとする外力が作用しても、該外力は他の連結部にて該連結部を締める方向に作用することとなるので、周方向一端部と周方向他端部との連結を良好に維持できる。
連結部は、軸線方向にて係止片に隣接して周方向に延びる当接片が設けられており、該当接片は係止片の屈曲変形時に、周方向一端部の内面に接面していることが好ましい。このような当接片を設けることにより、係止片がスリットに所定の長さだけ貫入されると、該当接片の外面は周方向一端部の内面に当接し、それ以上の係止片の貫入が規制される。したがって、複数の圧着端子を製造する場合、各圧着端子における係止片の貫入量が一定となりバラツキをなくすことができる。また、一つの圧着端子に複数の連結部が設けられている場合には、各連結部における上記貫入量を等しくすることも可能となり、該一つの圧着端子における連結部間でのバラツキをなくすことができる。
連結部は、係止片もしくは当接片が軸線方向にて圧着部の開口部側に位置し、上記開口部の周縁と軸線方向位置が一致した側縁を有していることが好ましい。このように、係止片もしくは当接片と開口部の周縁との軸線方向位置を一致させると、圧着部の開口部の周縁は軸線方向で平坦な縁部として形成される。この結果、該圧着部の開口部にケーブル芯線を挿入する際、該ケーブル芯線を円滑に挿入することができる。
連結部は、屈曲された係止片の内面と該内面が接面する周方向一端部の外周面の少なくとも一方の面に凹部もしくは凸部が形成されていることが好ましい。これによって、圧着部にケーブルを挿入した後、該圧着部を直径方向に圧潰して結線する際、凹部が形成された面と接面する面が該凹部に喰い込むか、あるいは凸部が形成された面と接面する面に該凸部が喰い込むので、係止片と周方向一端部とが結合する力は向上し、周方向一端部と周方向他端部との連結が確実なものとなる。
本発明は、以上説明したように、端子に圧着結線されるケーブル芯線を受け入れる圧着部の連結部を、周方向一端側にスリットを形成し周方向他端側に係止片を設けて該係止片を上記スリットに貫入せしめた後に屈曲変形することにより形成するので、上記連結部、特に係止片に、どの方向から不用意な外力が作用しても連結は維持されており、圧着結線の信頼性が高まる。また、本発明に係る圧着端子は、金属板を軸線まわりに丸めて作られるので、切削加工を施す必要がなく、その分、安価に製造できる。さらに、圧着部の圧潰は特殊な形状で行われるわけではないので、一般的な工具により簡単にそして安価に行うことができる。
図1は、本実施形態に係る圧着端子を示す図であり、(A)は平面図、(B)は一部破断正面図、(C)は底面図である。図2は、図1(B)のII−II断面図である。該圧着端子1は、その軸線方向一端側に相手端子(図示せず)と接続されるピン状の接触部2をそして他端側に開口部からケーブル芯線を受け入れ直径方向に圧潰される円筒形状の圧着部3を有している。該接触部2と圧着部3とは、後述の中間部4によって連結されている。
圧着端子1は、図1に見られるように、金属板を軸線Xまわりに丸めて作られており、圧着部3には、その軸線方向中間部に金属板の端部同士が連結して形成された後述の連結部が形成されている。圧着部3の周方向一端部には軸線方向に延びるスリット3Aが形成されており、周方向他端部には軸線方向における該スリット3Aの幅より若干狭い幅を有する係止片3Bが周方向に延びて形成されている(図2をも参照)。上記連結部は、図2に示されるように、該スリット3Aに係止片3Bを貫入させて、該係止片3Bの先端部を周方向一端部の延びる方向(図2における右方)に屈曲させることにより形成される。また、周方向他端部には、軸線方向にて係止片3Bに隣接する位置に後述の当接片3Cが周方向に延びており、図2に示されるように、該当接片3Cの外面は周方向一端部の内面に接面している。
圧着部3には、図1(B)および図2に示されているように、該圧着部3の内周面によって開口部3Dが形成されており、該開口部3Dには、結線時にケーブル芯線が挿入される。圧着部3の内周面には、軸線方向中間部にて周方向に延びる中間溝部3Eが形成されている。上記ケーブル芯線の結線時に圧着部3が直径方向に圧潰されると該ケーブル芯線が該中間溝部3Eに喰い込み、該ケーブル芯線の圧着部3からの抜けが良好に防止される。
接触部2と圧着部3との間に位置し該接触部2と圧着部3とを連結する中間部4は、軸線方向における中間部分がくびれた形状をなしている。図1(A)および同図(C)に示されるように、中間部4の直径方向で対向する位置には、軸線方向での中間部分に該軸線方向に延びる中間孔部4Bが一つずつ形成されている。該中間孔部4Bは、小径部4Aの形成のための縮径加工を容易にすべく設けられている。
図1(A)〜(C)および図2に示されるように、中間部4における右部には、該中間部4の外周面を切り起こして形成された複数の略半円筒状の突起部4Cが周方向にて等間隔で設けられている。該突起部4Cは、後述するように、圧着端子1がコネクタ等のハウジングに挿入された際に、軸線方向における圧着端子1の移動が規制されて定位置に留まるためのストッパとして機能する。
次に、圧着端子1の製造について説明する。図3は、圧着端子1の展開図である。同図において、図1(A)〜(C)および図2に示した部分と対応する部分については、同一符号を付している。圧着端子1は、図3に示される金属板1’を、キャリア(二点鎖線で図示)に接続された状態で、軸線Xまわりに筒状に丸めることにより作られる。
金属板1’が軸線Xまわりに丸められると、該金属板1’における接触部2の両端縁(図3における上端縁および下端縁)同士は当接する。そして、接触部2の前部(図3における左部)に形成された四つの先端片2Aは湾曲変形され、互いに隣接する先端片2Aの縁部同士が当接することによって接触部2の先端部が半球面状に形成される。
金属板1’が軸線Xまわりに丸められると、該金属板1’における中間部4の両端縁(図3における上端縁および下端縁)同士は当接する。そして、軸線方向における中間部4の中間部分が周方向全体にわたって縮径加工を受けて小径部4Aが形成される。このとき、中間部4には中間孔部4Bが形成されているので上記圧縮が容易になされる。
圧着部3には、該金属板1’を丸めた際における周方向一端部(図3における下端部)にスリット3Aが板厚方向に貫通して形成されており、周方向他端部(図3における上端部)に係止片3Bおよび当接片3Cが形成されている。
図3に示されているように、係止片3Bは軸線方向において圧着部3の中央部分に形成されており、当接片3Cは該係止片3Bの両側に該係止片3Bと隣接して一つずつ当接片3C−1,3C−2として形成されている。後方の当接片3C−1の側縁、すなわち該当接片3C−1の後端縁は、金属板1’が丸められた際に開口部3Dの周縁を形成する該金属板1’の後端縁と軸線方向位置が一致している。すなわち、図3に示されるように、金属板1’の後端縁には軸線方向で凹凸部がない。したがって、金属板1’を丸めて圧着部3を形成すると、開口部3Dの周縁は軸線方向で凹凸部がない平坦な縁部となる。これによって、該開口部3Dにケーブル芯線(図示せず)が挿入される際、開口部3Dの周縁端面が平坦となっているので、該ケーブル芯線を円滑に挿入することができる。さらに、ケーブル芯線の挿入を容易とするテーパ内縁を形成するように斜縁3Fが上記当接片3C−1の後端縁に形成されていてもよい。
本実施形態では、図3に示されるように、軸線方向にて係止片3Bの両側に当接片3C−1,3C−2を隣接させて形成したが、係止片3Bおよび当接片3C(3C−1および3C−2)の個数および軸線方向における配置位置はこれに限られず、例えば、係止片3Bが圧着部3の後方側に形成されて、係止片3Bの後端縁が、開口部3Dの周縁を形成する金属板1’の後端縁と軸線方向位置が一致するようにしてもよい。このとき、軸線方向におけるスリット3Aを係止片3Bと対応する位置に形成する必要があることは言うまでもない。
図4(A)〜(C)は、圧着部3を形成する工程を示す概略図である。図4(A)〜(C)は、軸線方向での係止片3Bの位置における断面を後方側から見た図であり、圧着部3以外の部分の図示は省略されている。まず、金属板1’を丸める前の平板状であるときに係止片3Bだけを他部に対してほぼ直角となるように屈曲させておく。次に、同図(A)に示されるように、スリット3Aが形成されている周方向一端部が、係止片3Bが形成されている周方向他端部よりも上記直径方向にて外側に位置するように、金属板1’を略筒状に丸め、スリット3Aと係止片3Bとの周方向位置を一致させる。
そして、図4(B)に示されるように、係止片3Bをスリット3Aに直径方向内側から貫入する。このように、係止片3Bをスリット3Aに貫入させることにより、周方向にてスリット3Aと係止片3Bとが互いに係止し合い、圧着部3は円筒形状を維持する。本実施形態では、図4(A)〜(C)に示されるように、係止片3Bの先端は板厚が薄くテーパ状に形成されていて、スリット3Aに該係止片3Bを容易に貫入することができる。係止片3Bは当接片3Cの外周面が周方向一端部の内面に接面するまで貫入される。すなわち、当接片3Cはそれ以上の係止片の貫入が規制される。このように、周方向他端部に当接片3Cを設けておくことにより、スリット3Aへの係止片3Bの貫入量が一定となるので、圧着端子1を量産した場合に各圧着端子1同士間で該貫入量のバラツキがなくなる。
係止片3Bをスリット3Aへ貫入した後、図4(C)に示されるように、該スリット3Aから突出している係止片3Bの先端部分を屈曲変形させ、当接片3Cが延びる方向とは逆の方向(図4(C)における右方)に向けて該係止片3Bをほぼ直角に屈曲させて、周方向一端部の外面に接面させる。これによって、スリット3Aと係止片3Bとは鉤状に係止し合い、直径方向におけるスリット3Aからの係止片3Bの外れを確実に防止できる。本実施形態では、係止片3Bの先端を当接片3Cが延びる方向と逆の方向へ向けて屈曲させたが、上記当接片3Cが延びる方向と同方向(図4(C)における左方)へ屈曲させてもよい。
上述した製造工程によって作られた圧着端子1にケーブル芯線を結線する際には、ケーブル芯線(図示せず)を該開口部3Dに後方側(図1(A)〜(C)における右方)から挿入した後、圧着結線用の工具によって圧着部3が直径方向に圧潰される。本実施形態では、連結部は単純な円筒形状をなしており、複雑な形状をしていないので、上記圧着部3の圧潰は一般的な工具によって簡単に行うことができ、その分コストの増大を抑制できる。
本実施形態では、上述のとおり、スリット3Aに貫入した係止片3Bの先端部分を屈曲変形させてスリット3Aと係止片3Bとを鉤状に係止し合うようにしたことにより、連結部、特に係止片3Bに、圧着結線時の圧潰によっても、あるいは圧着結線後にどの方向から不用意な外力が作用しても連結は維持されるので、圧着結線の信頼性が高まる。また、本実施形態に係る圧着端子1は、金属板を軸線まわりに丸めて作られるので、切削加工を施す必要がなく、その分安価に製造できる。
本実施形態では、屈曲された係止片の内面および該内面が接面する周方向一端部の外周面は、両方とも凹凸のない面として形成されているが、変形例として、上記係止片の内面および上記周方向一端部の外周面の少なくとも一方に凹部もしくは凸部を形成してもよい。これによって、芯線ケーブルの圧着結線時に圧着部が直径方向に圧潰された際、凹部が形成された面と接面する面が該凹部に喰い込むか、あるいは凸部が形成された面と接面する面に該凸部が喰い込むので、係止片と周方向一端部とが結合する力は向上し、該周方向一端部と周方向他端部との連結が確実なものとなる。
図5は、圧着端子1が取り付けられた電気コネクタの一例を示す部分断面図である。電気コネクタ10(以下、単に「コネクタ10」という)は、圧着端子1と、該圧着端子1を収容して保持する円筒外形の合成樹脂製のハウジング11と、該ハウジング11を収容して保持する円筒形状の金属製のシェル12とを有する。
金属シェル12は、その軸線方向中間部にて、外周面から直径方向へ張り出した四角形状のフランジ部12Aを有している。該フランジ部12Aには、図示しない電気機器等のパネル等へコネクタ10を取り付けるための取付孔部12A−1が該フランジ部12Aの四隅に形成されており、例えば、図示しないねじを該取付孔部12A−1に螺入することによりコネクタ10が上記パネルへ取り付けられる。なお、図5の上半分の断面部分は、四角形状のフランジ部12Aの対角線を含む平面での断面を示しており、同図の下半分は、該フランジ部12Aの一辺に平行な方向で見たコネクタ10の外面を示している。
金属シェル12は、上記フランジ部12Aによって、圧着端子1の接触部2を包囲する前方円筒部12Bと、該圧着端子1の圧着部3および中間部4を包囲する後方円筒部12Cとに区分されている。前方円筒部12Bの内部には、図示しない相手コネクタを受け入れるための受入空間12B−1が形成されている。前方円筒部12Bの外周面には、相手コネクタの円筒状のシェルの内周面に設けられた係止突起を案内しこれと係合する切欠部12B−2が形成されている。この切欠部12B−2は、前方円筒部12B側の開口縁では周方向に広くフランジ部12A側に向け狭くなる略V字状をなし、その奥部には周方向に延びる係止溝部12B−3を形成している。相手コネクタの上記係止突起がコネクタ10の係止溝部12B−3に係止することによりコネクタ10と相手コネクタとの接続後の抜けが防止される。
図5に示されるように、後方円筒部12Cは、ハウジング11を収容している。該ハウジング11は、圧着端子1を収容するために軸線方向に貫通された収容空間11Aを複数有しており、同図には、そのうちの一つの該収容空間11Aに圧着端子1が収容されている形態が断面で示されている。圧着端子1は接触部2側から収容空間11Aの後方側(図5における右方)の開口部を経て該収容空間11A内へ圧入され、該収容空間11Aを形成する内周面によって、該圧着端子1の中間部4の後方側部分が支持されている。
図6は、図5における圧着端子1の中間部4付近の拡大図である。同図に示されるように、収容空間11Aを形成する内周面には、軸線方向中間部にて周方向全体にわたって突出した内周段部11Bが形成されている。該収容空間11Aに後方側の開口部から圧着端子1が挿入されると、中間部4の突起部4Cの前端部が上記内周段部11Bの後方側の面11B−1に当接し、圧着端子1の軸線方向前方へのさらなる移動が阻止される。すなわち、上記突起部4Cは圧着端子1の軸線方向前方への移動を規制するストッパとして機能する。
図6に示されるように、中間部4の小径部4Aには、周方向の一箇所で切断して形成されたCリング20が取り付けられている。同図に示されるように、Cリング20はテーパ面として形成された外周面を有しており、小径側が前方へそして大径側が後方へ向くようにして圧着端子1の小径部4Aに取り付けられている。該Cリング20の大径部分の外径は収容空間11Aの直径とほぼ同じであり、内周段部11Bの直径よりも大きい。該Cリング20の小径部分は内周段部11Bの直径より小さい。また、軸線方向におけるCリング20の後端部20Aと圧着端子1の突起部4Cの前端部との軸線方向距離は、同方向におけるハウジング11の内周段部11Bの幅寸法とほぼ等しい。
Cリング20は、圧着端子1がハウジング11の収容空間11Aへ挿入される前に該圧着端子1の小径部4Aに取り付けられる。該Cリング20が取り付けられた圧着端子1が収容空間11Aへ挿入されると、Cリング20は、該Cリング20の前端部が内周段部11Bの後方側の面11B−1に当接することなく難なく前方へ進行する。Cリング20は、軸線方向における内周段部11Bの範囲にて、内周段部11Bの内周面に押されて縮径され、Cリング20の大径部分が軸線方向における内周段部11Bの前方側の面11B−2の位置を通過すると、Cリング20は内周段部11Bの内周面による押圧から解除されて拡径して元の外径に戻る。この結果、Cリング20の後端部20Aは、内周段部11Bの前方側の面11B−2と軸線方向で係止して、圧着端子1の後方側への移動が阻止される。すなわち、Cリング20は圧着端子1の後方側への移動を規制するストッパとして機能する。このように、圧着端子1の突起部4C、Cリング20およびハウジング11の内周段部11Bによって、軸線方向における圧着端子1の位置が固定される。
シェル12の後方円筒部12Cの内周面には、その後方側端部近傍に環状溝部12C−1が形成されている。該環状溝部12C−1には環状をなす金属製の係止リング30が嵌合されていて、該係止リング30の内周部が該環状溝部12C−1から直径方向内方に突出している。そして、ハウジング11の外周面に形成された環状の外周段部11Cの後方側の面が係止リング30の内周部の前方側の面に当接して軸線方向で係止することにより、ハウジング11が後方円筒部12Cに収容された状態で軸線方向にて固定されている。
金属シェル12のフランジ部12Aの後方側の面には環状で弾性を有するOリング状の防水パッキン40が後方円筒部12Cの外周面と接触して取り付けられている。該防水パッキン40は、例えば、ゴムあるいは合成樹脂から作られている。コネクタ10を図示しない電気機器のパネル等に取り付ける際に、金属シェル12とパネルとの間で上記防水パッキン40が圧縮されて、ここでの防水性が得られる。なお、本発明では、上記防水パッキン40は必須ではない。
以上のように、圧着端子1がハウジング11へ圧入され定位置に取り付けられると、図5に示されるように、圧着端子1の接触部2は前方円筒部12Bの受入空間12B−1内に突出する。そして、コネクタ10は、図示しない相手コネクタと嵌合することにより、圧着端子1の接触部2と相手コネクタの端子の接触部との接触により、該コネクタ10と該相手コネクタとが電気的に接続される。
本実施形態では、スリットと係止片とによって形成される連結部を圧着部に一つだけ設ける形態を説明したが、変形例として、連結部を軸線方向で異なる複数位置に設けてもよい。このように、連結部を軸線方向で複数設けておくことにより、仮に、そのうちの一つが破損してしまった場合でも他の連結部によって圧着部の周方向一端部と周方向他端部との連結を維持することができる。
また、変形例として、複数の連結部を周方向で異なる位置に設けてもよい。このように、複数の連結部を周方向で異なる位置に設けておくことにより、そのうちの一つの連結部に対して該連結部を緩ませる方向に外力が作用しても、周方向にて異なる位置に設けられた他の連結部にはその外力が連結部を緩ませる方向に作用しないので、該他の連結部は破損することはなく、周方向一端部と周方向他端部との連結を維持することができる。
上述したような、連結部を複数設ける変形例においても、金属板における係止片が形成されている側の端部に、該係止片に隣接する当接片を設けることにより、既述の実施形態と同様に、上記当接片を、スリットへの係止片の貫入時における直径方向でのストッパとして機能させることができる。これによって、各連結部における上記貫入量を等しくすることが可能となり、該一つの圧着端子における連結部間でのバラツキをなくすことができる。
また、上述したような、連結部を複数設ける変形例において、複数の連結部のうち少なくとも一つの連結部は、スリットへ貫入後の係止片の屈曲方向が周方向で他の連結部に対して逆方向であってもよい。これによって、周方向における一方向で一つのあるいは複数の連結部を緩めようとする外力が作用しても、該外力は他の連結部にて該連結部を締める方向に作用することとなるので、全ての連結部が破損するということは起こり得ず、周方向一端部と周方向他端部との連結を良好に維持できる。
また、既述したいずれの変形例においても、既述の実施形態と同様に、屈曲された係止片の内面および該内面が接面する周方向一端部の外周面を凹凸のない面として形成してもよく、また、少なくとも一方の面に凹部もしくは凸部が形成してもよいことは言うまでもない。また、既述した変形例に係る圧着端子はいずれも、既述の実施形態と同様に、電気コネクタに用いることができる。
1 圧着端子 3B 係止片
2 接触部 3C 当接片
3 圧着部 3D 開口部
3A スリット
2 接触部 3C 当接片
3 圧着部 3D 開口部
3A スリット
Claims (8)
- 金属板を軸線まわりに筒状に丸めて作られ、軸線方向一端側に相手端子と接続される接触部をそして他端側に開口部からのケーブル芯線の受入れ後に直径方向に圧潰される圧着部を有している圧着端子において、圧着部は上記軸線まわりに筒状に丸められた際に周方向一端部と周方向他端部とが互いに連結される連結部を有し、該連結部は周方向一端部にスリットがそして周方向他端部に該スリットへ貫入される係止片が設けられていて、該係止片が上記スリットへの貫入後に上記周方向一端部の外周面に接面するように屈曲変形加工を受けて上記連結部を形成することを特徴とする圧着端子。
- 連結部は軸線方向で異なる複数位置に設けられていることとする請求項1に記載の圧着端子。
- 複数の連結部は周方向で異なる位置に設けられていることとする請求項2に記載の圧着端子。
- 複数の連結部のうち少なくとも一つの連結部は、スリットへ貫入後の係止片の屈曲方向が周方向で他の連結部に対して逆方向であることとする請求項2又は請求項3に記載の圧着端子。
- 連結部は、軸線方向にて係止片に隣接して周方向に延びる当接片が設けられており、該当接片は係止片の屈曲変形時に、周方向一端部の内面に接面していることとする請求項1ないし請求項4のうちの一つに記載の圧着端子。
- 連結部は、係止片もしくは当接片が軸線方向にて圧着部の開口部側に位置し、上記開口部の周縁と軸線方向位置が一致した側縁を有していることとする請求項5に記載の圧着端子。
- 連結部は、屈曲された係止片の内面と該内面が接面する周方向一端部の外周面の少なくとも一方の面に凹部もしくは凸部が形成されていることとする請求項1ないし請求項6に記載の圧着端子。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか一つに記載の圧着端子と、該圧着端子を保持するハウジングとを有する電気コネクタ。
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-
2007
- 2007-12-07 JP JP2007316479A patent/JP2009140780A/ja active Pending
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