JP2009021555A - 露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 露光装置の生産性向上、もしくは露光精度のさらなる向上が可能な露光装置を提供することを目的とした空調システムの最適化を行う。
【解決手段】 露光装置内で行われている露光プロセス状態に基づいて、空調バランスを調整する。その際、各露光プロセスにおける必要なステージの位置計測精度やステージ動作による空調影響度、もしくは前後に行われる露光プロセスの特徴を考慮して、各空調領域の優先度を決定し、最適化した空調調整を行う。
【選択図】 図2
【解決手段】 露光装置内で行われている露光プロセス状態に基づいて、空調バランスを調整する。その際、各露光プロセスにおける必要なステージの位置計測精度やステージ動作による空調影響度、もしくは前後に行われる露光プロセスの特徴を考慮して、各空調領域の優先度を決定し、最適化した空調調整を行う。
【選択図】 図2
Description
本発明は、投影光学系下で複数のステージを用いて基板に露光する露光装置に関するものであり、特に露光装置内の空調に関するものである。
レチクル(マスク)に描画された回路パターンを投影光学系によって基板等に露光する投影露光装置は従来から使用されており、近年では、より高解像度であるとともにより経済的な露光装置がますます要求されている。そのため、単位時間あたりにより多くの基板に露光処理を行える露光装置、つまりはより生産性を向上させた露光装置が求められている。このような要求に答えるために、特許文献1のようなシステムを有する露光装置が提案されている。つまり、投影光学系下でステージで位置決めしながら基板に露光する露光動作している間、別のステージを用いて基板の入れ替えを行う搬送動作や基板に関する様々な計測動作を並列に行う。そして、各動作が終了した後、投影光学系下に配置されていたステージが搬送・基板計測動作を行う計測動作領域に移動し、計測動作領域に配置されていたステージが露光動作を行う露光動作領域に移動する。
また、従来より露光装置におけるステージの位置計測は、通常は干渉計測長器を用いている。干渉計測長器は高分解能であることと、計測箇所の位置自由度が他の測長器に比べ高いことから、位置決め対象物の極力近傍の位置計測が可能である。そのため、高精度な姿勢制御が要求されるステージの位置計測に良く用いられる。一方で、干渉計測長器は光路周辺の環境変化によって測長誤差を生じやすい。そのため、高精度な計測しようとすればするほど、光路周辺の環境変化を抑制するもしくは補正する技術を施す必要がある。良く知られる環境変化による測長誤差要因としては、温度・湿度・圧力(気圧・音圧)の変化が挙げられ、状況によっては空気の成分比変化も影響する。露光装置内で干渉計測長器を用いて1nm以下の精度で測長しようとした場合、少なくとも、温度は1/1000℃、湿度は0.1%、圧力は1Pa、程度まで干渉計光路周辺の環境変化を抑制するか、何らかのリアルタイム補正をする必要がある。
一方で、露光装置内のステージでは、露光光が照射することによる露光熱や各種アクチュエータやセンサーなどの発熱源が存在し、冷却等の手段を施してもステージ表面に0.01℃レベルの温度変化を生じさせてしまう。このため、露光装置では、高精度空調を干渉計光路周辺に単純に吹き付けるだけではなく、様々な工夫を行って少しでも環境変化を抑制する技術が提案されている。例えば、特許文献2では、ステージの動きに合わせて空調吹き出し部の構成を変化させ、高精度に温度管理された空調が測定用ビームの近傍のみに送風されるシステムが開示されている。また、特許文献3では、ステージ位置によって吹き出し口の流量バランスを変化させることで、ステージ位置に関わらず、ステージに対して常に一定の温調エアーを流れ込ませるシステムが開示されている。
特開2005−317916号公報
特開平05−126522号公報
特開2000−36453号公報
しかし、特許文献2や3ように、ステージの位置情報のみに基づいて空調を行う方法では、効率的な空調を図ることが難しい。なぜなら、空調の乱れというのはステージの移動動作(以下、「動作」と書く)によるものが大きいため、効率的な空調を図るためには、ステージの動作を考慮する必要があるからである。
一般的に、移動ストロークが大きなステージ動作を行う場合、移動ストロークが小さなステージ動作と比べて、干渉計光路周辺の空調は乱されやすくなる。例えば、特許文献1のように、露光動作領域と計測動作領域とが別に設けられている露光装置においては、ステージの移動ストロークによる空調の乱れはより顕著になる。
また、移動ストロークの大きなステージ動作でなくても、高精度な位置決め精度を必要とするステージ動作を行う場合には、できるだけ干渉計光路周辺の空調が乱れないようにする必要がある。
このように、ステージ動作に起因する空調の乱れ具合や、ステージ動作が必要とする空調精度を考慮して空調を行わなければ、所望の空調に落ち着くまで次の作業を進められずスループットの低下をまねくおそれがある。
そこで本発明は、干渉計光路の空調をできるだけ速やかに安定させ、生産性の向上もしくは露光精度の向上が可能な露光装置を提供することを目的とする。
本発明の露光装置は、基板を保持して移動可能な移動体と、前記移動体の位置を計測する干渉計と、温調された気体を送風する送風装置と、前記送風装置に連通された複数の吹き出し口とを具えた露光装置であって、前記移動体の動作に基づいて、前記複数の吹き出し口から吹き出される気体流量の割合を調整することを特徴とする。
本発明によれば、単にステージの位置に基づいて空調を行うのではなく、少なくともステージの動作に基づいた空調を行うことで、干渉計光路の空調をできるだけ速やかに安定させ、生産性の向上もしくは露光精度の向上が可能な露光装置を提供することができる。
(実施例1)
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
まず、本発明の露光装置の大まかな構成を説明する。露光装置は図17に示すように、照明装置101、レチクルを搭載したレチクルステージ102、投影光学系103、ウエハを搭載したウエハステージ104とを有する。露光装置は、レチクルに形成された回路パターンをウエハに投影露光するものであり、ステップアンドリピート投影露光方式またはステップアンドスキャン投影露光方式であってもよい。
照明装置101は回路パターンが形成されたレチクルを照明し、光源部と照明光学系とを有する。光源部は、例えば、光源としてレーザを使用する。レーザは、波長約193nmのArFエキシマレーザ、波長約248nmのKrFエキシマレーザ、波長約153nmのF2エキシマレーザなどを使用することができる。レーザの種類はエキシマレーザに限定されず、例えば、YAGレーザを使用してもよいし、そのレーザの個数も限定されない。光源にレーザが使用される場合、レーザ光源からの平行光束を所望のビーム形状に整形する光束整形光学系、コヒーレントなレーザ光束をインコヒーレント化するインコヒーレント化光学系を使用することが好ましい。また、光源部に使用可能な光源はレーザに限定されるものではなく、一又は複数の水銀ランプやキセノンランプなどのランプも使用可能である。
照明光学系はマスクを照明する光学系であり、レンズ、ミラー、ライトインテグレーター、絞り等を含む。
投影光学系103は、以下の光学系を使用することが可能である。複数のレンズ素子のみからなる光学系、複数のレンズ素子と少なくとも一枚の凹面鏡とを有する光学系(カタディオプトリック光学系)、複数のレンズ素子と少なくとも一枚のキノフォームなどの回折光学素子とを有する光学系、全ミラー型の光学系等。
レチクルステージ102およびウエハステージ104は、たとえばリニアモータによって移動可能である。ステップアンドスキャン投影露光方式の場合には、それぞれのステージは同期して移動する。また、レチクルのパターンをウエハ上に位置合わせするためにウエハステージおよびレチクルステージの少なくともいずれかに別途アクチュエータを備える。
このような露光装置は、半導体集積回路等の半導体デバイスや、マイクロマシン、薄膜磁気ヘッド等の微細なパターンが形成されたデバイスの製造に利用されうる。
次に、図1〜3を参照して、本実施例による露光装置の詳細を説明する。なお、同一の参照符号にアルファベットを設けたものは、アルファベットのない参照符号で総括されるものとする。
以下、プロセスというのは、いくつかのステージ動作からなるものであり、本発明で意味するステージ動作の中に含まれる概念のものである。
また、本発明においてステージ動作とは、ステージの移動動作だけでなく、ステージの速度等も含める。
図1は、第1実施例による露光装置1の構成例を示す概略図である。露光装置1は、投影光学系5の下でステージ3(移動体)を位置決め移動させながらステージ3上に保持したウエハ(基板)に対してレチクル原版のパターンを投影し露光照射する、いわゆるショット露光プロセスを行う露光動作領域を有する(図1の図中、上側)。干渉計測長器13a、13bは、投影光学系の光軸経路に位置するステージ3の位置計測を行うものであり、計測光の光学的長さ変化を検出することで、ステージ3の位置計測が行われている。ここで、投影光学系の光軸経路に位置するステージ3とは、投影光学系からの光が照射されている場合に、投影光学系からの光とステージ3とが交わる状態に位置することを言う。計測光学系は、主にアライメント光学系7やフォーカス光学系9からなる計測光学系の下でウエハの表面位置計測(ウエハ内ショット位置計測等)を行うプロセスや、ウエハの表面形状を計測するプロセスを行うための計測動作領域(図1の図中下側)が露光動作領域とは別に設けられている。計測動作領域では、不図示のウエハ搬送系が配置されており、露光後のウエハを装置外へ搬出し、露光前のウエハを新たにステージ上に載せるといった、いわゆるウエハ搬送プロセスも行う。計測動作領域にも干渉計測長器13c、13dが設けられており、これにより計測光学系の光軸経路に位置するステージ3の位置計測が行われる。ここも同様に、計測光学系の光軸経路に位置するステージ3とは、計測光学系からの光が照射されている場合に、計測光学系からの光とステージ3とが交わる状態に位置することを言う。露光動作領域と計測動作領域とにはそれぞれ空調吹き出し口31が設けられている。空調吹き出し口31は、干渉計光路11周辺に対する温度変化を抑制するため、高精度に温度制御された気体を吹き出している。空調気体は、一般に空気が採用され、温度の他に湿度も制御されることが多い。しかし、システムによっては、干渉計測長器13の計測精度向上が見込めれば、空調気体としてヘリウムやネオン、アルゴンといった不活性ガスや窒素もしくは酸素など様々な気体を用いることが有りうる。特にヘリウムを空調気体として用いると、気体の温度変化が生じた時の干渉計測長器13の測長誤差への敏感度が小さくなる特性を持つため、システムが許容出来れば測長誤差低減に有効である。また、空気中の酸素が様々な物質の特性を変化させやすく、露光システムへ悪影響を及ぼすことが多々あるため、装置内の酸素濃度を小さくするために、空調気体として窒素を用いることも考えられる。また、空調気体の成分は単一成分である必要はなく、システムに応じて複数の様々な成分で構成しても構わない。しかし、一般的には干渉計測長器13の計測精度を維持するためにも、成分構成は制御されるのが好ましい。露光動作領域の空間の空調は、図中Eの空調吹き出し口(31a、31b)から気体を吹き出すことで行っている。また、計測動作領域の空間の空調は、図中Fの空調吹き出し口(33a、33b)から気体を吹き出すことで行っている。尚、本実施例では、主に各干渉計光路方向に平行な方向に気体を流した例を示している。
送風機51から送られる気体は温調装置53によって高精度に温度調整および湿度調整が行われ、その後、流量割合調整装置55によって空調吹き出し口Eと空調吹き出し口Fとの分配量が調整される。分配された気体は、送風ダクト63を介して連通された各空調吹き出し口(31a、31b、33a、33b)から吹き出される。また、図3でより詳細に示しているように、露光装置全体の制御を行うメイン制御装置57が構成され、この出力信号に基づいて露光プロセス制御装置59は、これから行う露光プロセスのシーケンス制御を行う。ここで出力される露光プロセスのシーケンスに従い、ステージ駆動装置がステージを各露光プロセスに応じたステージ動作を行うように制御する。また、流量割合調整装置55は、露光プロセス制御装置59からの出力に基づいて、各空調へ流量割合を決定している。
本実施例における時系列的な露光プロセスと空調シーケンスとの関係について、連続したシーケンス内のある一部分を抜き出した概略図を図2に示す。図2の露光プロセスは、図1のように露光動作領域と計測動作領域との2つの動作領域を有し、2つのステージが各動作領域で所定の露光プロセスを行う露光装置を想定している。2つのステージは、各動作領域にわたって移動可能である。露光プロセスは様々な呼び方があるため、以下に、本実施例における各露光プロセスの定義を簡単に説明する。
ステージ交換プロセスは、各動作領域でステージが露光プロセスを行った後、投影光学系下で移動するステージをもう一方のステージと入れ替えるプロセスである。例えば、図1のように露光動作領域内でステージ3aが移動動作を行っていて、かつ計測動作領域内でステージ3bが移動動作を行っている状態を状態Aする。また、ステージ3aが計測動作領域内で移動動作を行っており、ステージ3bが露光動作領域内で移動動作を行っている状態を状態Bとする。この時、ステージ交換プロセスとは、状態Aから状態Bもしくは状態Bから状態Aへ変えるステージ移動プロセスと定義できる。
基準マーク計測プロセスは、ステージ上に設けられた基準マークを計測することで、露光動作空間ではレチクル原版とウエハとの位置あわせを行い、計測動作空間ではアライメント光学系とウエハとの位置あわせを行うプロセスである。
ショット露光プロセスは、ステージを移動させながらウエハ内に複数設けられた各露光ショットに対してレチクル原版のパターンを露光転写するプロセスである。
ウエハ搬送プロセスは、上記のショット露光プロセスが完了したウエハをステージ上から取り出し、これからショット露光プロセスを行うべきウエハを新たにステージ上に載せるプロセスである。
ショットアライメントプロセスは、ウエハ上に設けられたアライメントマークをアライメント光学系で計測することで、各露光ショットの位置関係を把握し、各露光ショットとレチクル原版との位置あわせを行う情報を取得するプロセスである。
ウエハ表面形状計測プロセスは、ショット露光時におけるフォーカス調整を行うために、フォーカス光学系を用いてウエハ表面の凹凸形状を計測するプロセスである。
以上、露光装置内での露光動作に関係する主だった露光プロセスについて説明したが、より高精度な露光を行うため、もしくは露光装置のシステムの違いなどによって、この他の付随した露光プロセスも当然ある。また、ここで説明した各露光プロセスについても機能を分割して別の露光プロセスで呼ばれたり、もしくはここで説明した以上の機能を追加された露光プロセスを同様の名称で呼ばれることも当然ながら存在する。しかし、本発明においては、各露光プロセスを厳密に定義することに意味はない。以下に説明するように、各露光プロセスごとに、必要なステージの位置決め精度や、空調精度への影響を観点にしたステージの動き方を把握し、また各露光プロセスがどのような順番で行われているかを把握することに意味がある。
図4は、露光プロセスに求められるステージ位置決め精度を示した係数、および露光プロセスにおけるステージ動作による空調への影響度を示した係数に関し、露光動作領域と計測動作領域における変数名(J,K,L,M)の定義を示した表である。そして、図5は、図4で定義した各係数を各露光プロセスごとに値を示した一例である。各露光プロセスにおいて、JおよびLについては、1を基準にして、より高精度なステージの位置決めが必要な場合は1より大きな値を設定し、相対的に低精度な位置決めで良い場合は1より小さい値が設定されている。また、KおよびMについては、1を基準にして、ステージ動作によってより干渉計光路近傍の空調が乱れやすい(空調の温度精度が悪化しやすい)場合は1より大きい値が設定され、相対的に空調への影響が低い場合は1より小さい値となっている。もちろん、この値は絶対的なものではなく、経験的もしくは何らかの基準に基づいて求めるもので、係数の決め方によって同じ露光プロセスでも値が異なることが予想される。また、露光システムによっても大きく異なると思われる。例えば、基準マーク計測プロセスに関していえば、ステージ上に設けられた複数の基準マーク領域を計測する場合は「1.5」になるが、1つの領域のみ計測するのであれば、ステージの移動ストロークはほとんどなく「0.5」になるだろう。これらの係数は、露光システムに照らし合わせながら、それぞれの露光プロセスを具体的に分析して決めるべきである。
係数を決める際の考え方の一例を以下に述べる。それぞれの露光プロセスによって、短いストロークの往復移動が主動作であったり、相対的に大きなストロークを往復する移動が主動作であったり、もしくはステージは停止している状態がほとんどだったりする。一般的に、ステージの移動に関して、ストロークが大きくなるほど、あるいはより速度が大きいほど、ステージ周辺の気体の流れがステージよって掻き乱されやすく、空調精度が悪化する傾向がある。露光装置内では生産性向上の観点で、出来るだけステージは高速に移動するように設定するため、多くはステージ動作における主なストロークによって空調の乱れ具合の程度が推測できる。もちろん、現実的には様々な要因がからみあうため、ステージ動作のストロークや速度だけで推測するのではなく、予めの評価などで空調の乱れ具合を参考にし、ステージのストロークや速度に加えてステージの位置等を組み合わせて推測しても良い。
本発明における最も効果的な実施形態では、以上説明してきた観点で各露光プロセスの特徴を把握した上で、さらに各露光プロセスが行われる順序を把握する必要がある。これは、一度空調精度が悪化した空間に対して、再度高精度な空調精度に戻すための時間的なタイムラグを考慮する必要があるためである。例えば、空調精度をより悪化させる露光プロセス(図5でKもしくはMが1より大きい数字で示される露光プロセス)があったとする。そして、その次に行われる露光プロセスが、高精度な空調が必要な露光プロセス(図5におけるJもしくはLが1より大きい数字で示される露光プロセス)であったとする。この場合、前の露光プロセスで悪化した空調を高精度な空調に戻すまでは一定の時間がかかり、その間次の精度を必要とする露光プロセスへ移れないことを意味する。そのため、このような露光プロセス間には、空調が高精度な状態に戻るまでの間、待機する待機プロセスが発生する可能性もある。当然ながら露光装置の生産性を落とす可能性がある待機プロセスは極力なくす、もしくは出来るだけ短い時間に設定することが望まれる。一方、空調精度を悪化させる露光プロセスの直後に空調精度があまり必要のない露光プロセスが続く場合は、前の露光プロセス終了後、空調精度を出来るだけ早く戻す必要性が相対的に低い。
以上、説明したように、露光動作領域と計測動作領域のステージ動作または露光プロセスを比較し、その比較結果にもとづいて気体流量の割合を調整することで、より効果的な空調を行うことができると予想される。
また、ステージ動作や露光プロセスの順序を考慮して空調の調整を行うことでも、より効果的な空調を行うことが出来ると予想される。さらに、露光動作領域と計測動作領域とで現在行われているステージ動作や露光プロセス、もしくは次に行われるステージ動作や露光プロセスを比較し、その比較結果にもとづいて優先すべき空調空間を特定して空調調整を行うことがより効率的である。
露光動作領域と計測動作領域とでのステージ動作またはプロセスの比較においては、各ステージ動作またはプロセスごとに必要とされる気体流量に関する情報を予めメモリ等の記憶保持手段に記憶しておけばよい。また、予め記憶していなくてもリアルタイムで、各ステージ動作またはプロセスごとに比較を行ってもよい。演算処理を行うのは、メイン制御装置57に設けられたメモリやCPU等を用いて行ってもよいし、それとは別に演算処理装置を設け、その命令を流量割合調整装置55へ送ってもよい。
また、特定の露光プロセスによって悪化した空調精度を速やかに高精度な状態に戻すための方法としては、空調吹き出し口からの気体流量を増加させることが有効である。一般的には、一定の状態に悪化した空調精度が所望の空調精度に戻るまでの時間は、空調吹き出し口からの気体流量に反比例する。そのため、予め気体流量をより大きく設定しておけば、より速やかに空調悪化を発生する露光プロセスから高精度空調状態が必要な露光プロセスへ移ることが出来る。しかし、気体流量は空調機能力などで制限されるため、単純に気体流量を増やす調整を行うことは難しい。一般的には各空調吹き出し口に対して一対一の送風機51が設けられるのではなく、複数の空調吹き出し口に対応する1つの送風機51が設けられることが多い。例えば、本実施例ではウエハステージの空調空間に対する全ての空調吹き出し口に対して1つの送風機51で送風していることを想定している。この場合、送風機51の総流量は最適化しており、送風機51からの総流量を変化させると送風機の最適な特性が損なわれる可能性があるため、送風機51からの総流量を一定にした状態で空調バランスを変化させることが望まれる。
以上、述べてきたような考え方をフローにまとめたのが図8である。空調係数F1およびF2を算出するための評価関数は数1で示す式である。
さらに、空調係数F1およびF2の関係から空調調整の指針を判断するための判断基準は図7の表で定義される。図8のフローの簡単な流れを以下に説明する。まず、注目する露光プロセスとその次に行われる露光プロセスを特定する(S101)。次に、各露光プロセスに基づく係数J、K、L、Mを特定する(S102)。そして、評価関数により空調係数F1とF2を算出する(S103)。算出されたF1とF2とが、ある決められた関係を満たすかどうかを判断する(S104、S105)。そして、その結果に応じて以下のように空調気体流量を調整する。計測動作領域の空調気体流量を増大させ、露光動作領域の空調気体流量を減少させる(S106)。空調気体流量をどちらも基準状態にする(S107)。露光動作領域の空調気体流量を増大させ、露光動作領域の空調気体流量を減少させる(S108)。
本フローの演算を行うにあたり、メイン制御装置57に設けられたメモリやCPU等を用いて行ってもよいし、それとは別に演算処理装置を設け、その命令を流量割合調整装置55へ送ってもよい。
図2では、図中上から下へ時間が推移するように露光動作領域と計測動作領域における露光プロセスの時間推移と同時に、その時における空調調整状態が分かるように並列して図示している。ここで、図中のある時間ステップに対してそれぞれS1,S2,S1’と定義して、各時間ステップにおける露光プロセスと空調状態との関係を説明する。
時間ステップS1では、露光動作領域と計測動作領域とでまたがってステージ交換プロセスが行われ、その後露光動作領域では基準マーク計測プロセス、計測動作空間ではウエハ搬送プロセスが行われている。基準マーク計測プロセスを表現する枠に関して図中上下方向の長さがウエハ搬送プロセスの長さに比べて短いのは、基準マーク計測プロセスがウエハ搬送プロセスより短い時間で終了して、次のプロセスに移れることを表現している。この時間ステップS1の間、流量割合調整装置により、図1での露光動作領域の空間を空調する空調吹き出し口E(31a、31b)における気体流量を増大させている。また、同時に計測動作領域の空間を空調する空調吹き出し口F(33a、33b)における気体流量は減少させている。図2で示しているように、ステージ交換プロセスにより空調が乱されて空調精度が悪化するが、その後、露光動作領域では、高い空調精度が必要な基準マーク計測プロセスに移行する必要がある。一方、計測動作領域では、空調精度があまり必要なく、しかも空調も乱れも発生させないウエハ搬送プロセスに移行する。このため、計測動作領域の空調吹き出し口からの気体流量を減少させても、ウエハ搬送プロセスには影響を与えないし、その次の基準マーク計測プロセスまでの比較的長い時間で高精度空調に戻すことが可能であれば良いことが分かる。これらを考慮して、ステージ交換プロセス後、速やかに空調精度に戻したい露光動作空間の空調吹き出し口Eの流量を増大させ、相対的にゆっくり空調精度を戻せば良い計測動作空間の空調吹き出し口Fを減少させている。流量割合調整装置は、これらのことを考慮して、各吹き出し口への流量割合を決定して、流量調整を行っている。これにより、送風機からの総流量はほぼ一定のまま、露光動作システムとして最適な空調バランスを実現している。ちなみに、ステップS1中、常に露光動作領域の気体流量を増大させ、計測露光動作領域の気体流量を減少させる必要はない。少なくともステップS1中の一部において、例えば、大きいステージ動作によって空調が乱れる可能性が高いときに気体流量を増大させてもよい。大きいステージ動作とは、露光されたウエハを投影光学系の光軸から退避させ、計測光学系によって計測されたウエハを投影光学系の光軸に移動させるような場合である。以下同様に、あるステップ中に流量割合を調整する場合、どのくらいの空調精度を要求するかによって、露光動作領域と計測動作領域とで常に気体流量の割合に差をつけておく必要はない。
時間ステップS2では、露光動作領域および計測動作領域ともに高精度な空調が必要な露光プロセスが行われる。そのため、空調バランスを露光動作領域を優先させた空調状態から、基準状態に戻している。基準状態とは、2つの領域の空間に対して同様な空調精度になるように予め調整した状態である。そして、再びステージ交換プロセスに移行する際には(時間ステップS1’)、同様に空調吹き出し口Eと空調吹き出し口Fの流量を変化させるといったシーケンスを繰り返す。
以上、空調調整方法について図2を用いて概念的に説明してきたが、以下に、図5〜図8を用いて具体的な数字を用いた計算と調整方法について述べる。
まず、図2の時間ステップS1、特にステージ交換動作時における空調の調整方法について具体的に述べる。ステージ交換時の露光プロセスに注目した場合、同時にその次に行われる露光プロセスについても露光プロセス制御器等から情報をもらい確認をする。この例の場合、露光動作領域では基準マーク計測であり、計測動作領域ではウエハ搬送である。次に、ステージ交換、基準マーク計測およびウエハ搬送に関して図4で定義される係数を図5より特定する。ここで、図5において各係数に付与される添え字は、露光プロセスの順番に基づくプロセス番号を示している。つまり、Jの係数に付与される添え字iはi番目の露光プロセスにおける係数を示しており、i+1と示されていればi番目の次の露光プロセスにおける係数を示していることになる。これらを考慮すると、ステージ交換時の係数JおよびLは、0.5であり、係数KおよびMは、1.5となる。また基準マーク計測時の係数Jは、1.5であり、ウエハ搬送時の係数Lは0.5である。これらの値を、数1の評価関数で計算し、各動作領域における空調の重要度を意味する空調係数F1およびF2を算出する。具体的には、ステージ交換時の露光動作領域の空調係数F1は、0.5×1.5×1.5を計算し、約1.13となる。一方、計測動作領域の空調係数F2は、1.5×0.5×0.5を計算することで、約0.38となる。この後、この2つの空調係数比F1/F2もしくはF2/F1を計算して、図7の判断基準で空調調整を行う。この例におけるステージ交換では、F1/F2が3.0となり、F1がF2に比べて3倍の重要度があると判断され、露光動作領域における気体流量を増加させ、計測動作領域における空調を減少させる調整がなされる。気体流量をどれだけ増加もしくは減少させるかは、空調係数比をもとに決定しても良いし、一律に例えば20%変化させるとしても良い。
以上のような計算を各露光プロセスに対して、計算した結果を示したのが図6である。空調係数比の数字が記載されるセルが薄く塗りつぶされて箇所は、空調係数比が2より大きい部分を示しており、空調基準状態から一方の気体流量を増加させ、他方の気体流量を減少させる判断がなされることを示している。これら一連の計算結果に基づく空調調整方法によって、図2で示している空調シーケンスに反映されているのが分かる。また、以上の空調調整方法の流れを示したのが、図8であり、上記の説明に対応している。
以上、説明したことをまとめると次のようになる。
露光動作領域と計測動作領域とでそれぞれ行われる露光プロセスを比較し、その結果次のようなことを考慮して最適な空調になるように流量割合調整装置55は、各吹き出し口の流量割合を変化させ、つまりは空調バランスを変化させる。1つ目の観点としては、空調精度のより必要度が高い露光プロセスに対する気体流量を優先して増大させる。2つ目の観点としては、次に行われる露光プロセスに移行するまでに高精度な空調に戻す必要がある露光プロセスがあった場合、その露光プロセスに対する気体流量を優先させて増大させる。必要に応じて、その次の露光プロセスまで考慮しても良い。3つ目の観点としては、各露光プロセスのステージ動作による空調の悪化度を考慮して、空調を悪化させやすいステージ動作を伴う露光プロセスに対する気体流量を優先させて増大させる。これらの観点で優先すべき空調吹き出し口の流量を増大させ、代わりに相対的に気体流量を減少できると判断された空調吹き出し口の流量を減少させる。流量割合調整装置55は、これらいずれか1つの観点に基づいて流量割合を決めても良いが、当然ながら複数の観点を組み合わせて総合的に流量割合を決めるのがより好ましい。
(実施例2)
図9および図10を参照して、本発明における第2の実施形態について説明する。以下の説明において、前述した実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略もしくは省略する。
図9および図10を参照して、本発明における第2の実施形態について説明する。以下の説明において、前述した実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略もしくは省略する。
図9は、第2実施例による露光装置1の構成例を示す概略図である。ステージ構成等は第1実施例と同様であるが、空調の吹き出し方が異なる。つまり、図1では、各干渉計光路11方向に対して平行に空調が吹き出されるように空調吹き出し口(31、33)が設置されていたが、本実施形態では各干渉計光路11方向に対して垂直に吹き出すように空調吹き出し口が設置されている。具体的には、図中−Z方向に空調を吹き出して、各干渉計光路11近傍の空調を行っている。
ここで、説明の都合上、各空調吹き出し口(21、23、25、27)に対して、以下のような分類で定義して説明を行う。つまり、露光動作領域における干渉計光路(11a、11b、11c)に対する空調を行う空調吹き出し口を空調Aと定義し、その他の露光動作領域内空調を行う空調吹き出し口を空調Bと定義する。また、計測動作領域における干渉計光路(11d、11e、11f)に対する空調を行う空調吹き出し口を空調Cと定義し、その他の計測動作領域内空調を行う空調吹き出し口を空調Dと定義する。
また、実施形態1と同様に、露光プロセス制御装置59に基づいて流量割合調整装置55は、各空調吹き出し口(空調A,空調B,空調C、空調D)への流量割合を決定して、流量割合の調整を行っている。流量割合の決定方法は、以下に述べるとおりである。
図10は、本実施形態における露光プロセス状態と空調状態との時系列的な関係を図2と同様な形式で示した図である。
まず、時間ステップS11は、ステージ交換プロセス開始後から露光動作領域での基準マーク計測プロセスが終了するまでの時間ステップを定義している。時間ステップS11では、実施例1で前述した通りステージ交換プロセスによって露光動作領域における干渉計光路近傍の空調が悪化し、しかも次の露光プロセスが高精度空調が要求される基準マーク計測である。そのため、露光動作領域に関しては、より速やかに悪化した空調精度を戻すための空調調整が望まれる。一方、計測動作領域では空調精度が多少悪化していても、結果として露光精度に影響を与えないウエハ搬送プロセスが行われる。但し、ウエハ搬送プロセスの後は、基準マーク計測プロセスなので、ウエハ搬送プロセス中に干渉計光路(11d、11e、11f)近傍だけでも空調を高精度に戻したい要求がある。以上を考慮して、本実施例では、時間ステップS11の段階では、流量割合調整装置55は、最も空調優先度が低い空調Dの流量を減少させ、最も空調優先度が高い空調Aの流量を増大させており、その他の空調口(空調B,空調C)は基準状態に保っている。
時間ステップS12では、露光動作領域および計測動作領域ともに高精度な空調を必要とする露光プロセスが行われている。そのため、どの空調吹き出し口の空調も精度よくするする必要があり、流量割合調整装置55は、全ての吹き出し口が均一に精度が保たれるように調整された基準状態に戻している。
時間ステップS11’では、時間ステップS11と同様な考え方で、空調Aの流量を増大させ、空調Dの流量を減少させている。本実施例での露光装置では、基本的に時間ステップS11と時間ステップS12の繰り返しであるので、空調の調整も同様に露光プロセスのシーケンスに合わせて調整を繰り返している。
本実施例のように、露光プロセスの特徴や前後の露光プロセスを考慮した上で干渉計光路11に対する空調を優先し、その他の空調の優先度を落とした空調バランスを行うことで空調機能を効率的に活用しながら露光精度の向上を図ることが可能となる。
本実施形態では、具体的な評価関数の例について述べないが、基本的には実施形態1と同様な評価関数や係数を用いることで対応が可能である。つまり、実施形態1の評価関数を各空調吹き出し口(A,B,C、D)ごとに設定する。その際、干渉計光路を空調する空調吹き出し口(AおよびC)の空調係数が相対的大きくなり、それ以外の空間の空調を行う空調吹き出し口(BおよびD)の空調係数が相対的に小さくなるように、適当な重み係数を新たに導入する。これにより、空調を重視する露光プロセスでかつ干渉計光路近傍を空調する空調吹き出し口の空調係数が相対的に大きくなり、気体流量を増やす判断がされる。また、逆に空調をそれほど重視しなくておも良い露光プロセスでかつ干渉計光路以外の空間に対して空調を行う空調吹き出し口の空調係数が相対的に小さくなり、気体流量を減らす判断がされる。このような空調調整を行うことが出来る評価関数を作成すればよい。
(実施例3)
図9および図11を参照して、本発明における第3の実施形態について説明する。本実施形態では、露光装置構成は実施例2と同様に図9の構成であるが、空調最適化の考え方をさらに発展させて、露光プロセスに対応する空調調整のシーケンスが若干異なる。
図9および図11を参照して、本発明における第3の実施形態について説明する。本実施形態では、露光装置構成は実施例2と同様に図9の構成であるが、空調最適化の考え方をさらに発展させて、露光プロセスに対応する空調調整のシーケンスが若干異なる。
図11では、他の実施例と同様に以下のように時間ステップを定義する。つまり、ステージ交換プロセスが開始してから露光動作領域での基準マーク計測プロセスが終了までの時間ステップをS21とし、その後から計測動作領域でのショットアライメントプロセスが終了するまでの時間ステップをS22とする。さらに、その後から、次のステージ交換プロセスを行う直前までの時間ステップをS21’とする。以下に、各時間ステップごとの露光プロセスと空調の調整状態との関係を説明する。
時間ステップS21では、実施例1で前述したような空調最適化の考え方に基づき、流量割合調整装置55は、露光動作領域の空調(空調A,空調B)を計測動作領域の空調(空調C,空調D)よりも優先させている。つまり、空調Aおよび空調Bの気体流量を増大させ、空調Cと空調Dの流量を減少させている。
時間ステップS22では、露光動作領域および計測動作領域のいずれの領域も高精度な空調を必要な露光プロセスを行っているが、以下の観点を追加して空調優先度を決めている。それは、ショット露光プロセスは相対的にはステージの移動ストロークがあまり大きくないため、このプロセスによって非常に大きな空調悪化が生じる訳ではない。つまり、最低限、露光動作領域の干渉計光路(11a、11b、11c)の空調が高精度であれば影響が小さい。一方、ショットアライメントプロセスは、ステージの移動ストロークが大きく、空調を乱しやすい。そのため、計測動作領域の干渉計光路(11d、11e、11f)付近の空調のみならず、その周辺の空調もより高精度な状態にすることが望まれている。これらの事情を考慮して、流量割合調整装置55は、空調Cおよび空調Dを優先度を上げて、また空調Bの優先度を下げている。ちなみに空調Aはショット露光プロセスを高精度に行うために、基準状態と同じ状態に調整している。
時間ステップS23では、ショット露光プロセスとウエハ表面形状計測プロセスとが行われており、どちらも同様な特徴を有しているため、2つの領域に対して同様な空調が望まれている。そこで、流量割合調整装置55は、基準状態に空調を戻している。
時間ステップS21’は、時間ステップS21と同様である。以下、露光プロセスが時間ステップS21〜S23の繰り返しを行うのに対応して、空調調整も同様に露光プロセスに対応させて、繰り返し行われる。
(実施例4)
図9および図12を参照して、本発明における第4の実施形態について説明する。本実施形態では、露光装置構成は実施例2と同様に図9の構成であるが、空調最適化の考え方を変えているため、露光プロセスに対応する空調調整のシーケンスが若干異なる。
図9および図12を参照して、本発明における第4の実施形態について説明する。本実施形態では、露光装置構成は実施例2と同様に図9の構成であるが、空調最適化の考え方を変えているため、露光プロセスに対応する空調調整のシーケンスが若干異なる。
図12では、他の実施例と同様に以下のように時間ステップを定義する。つまり、ステージ交換プロセスが開始してから露光動作領域での基準マーク計測プロセスが終了までの時間ステップをS31とし、その後から、次のステージ交換プロセスを行う直前までの時間ステップをS32とする。その後は、他の実施例同様、時間ステップS31と時間ステップS32の繰り返しである。便宜的に、S31に相当するS32の次の時間ステップをS31’と示している。以下に、本実施形態における各時間ステップごとの露光プロセスと空調の調整状態との関係を説明する。
本実施形態では、空調悪化を伴う露光プロセスを行う時間ステップに関しては、とにかく干渉計光路11近傍の空調精度の回復を優先させるという考え方に基づいた例を示している。流量割合調整装置55は、時間ステップS31では空調悪化を伴うステージ交換プロセス中および、その後のしばらくの間は干渉計光路11に対する空調(空調Aおよび空調C)の流量を増大させ、その他の空調(空調Bおよび空調D)の流量を減少させている。これにより、少なくとも干渉計光路11近傍に関しては、空調悪化の影響を速やかに取り除くことが可能にしている。
時間ステップS32では、どちらの領域の露光プロセスにおいても高精度な空調が要求されており、かつショット露光プロセスの途中で空調を調整を行いたくないという要求から、基準の空調状態に調整している。
時間ステップS31’は、時間ステップS31と同様である。以下、露光プロセスが時間ステップS21〜S23の繰り返しを行うのに対応して、空調調整も同様に露光プロセスに対応させて、繰り返し行われる。
ここまで、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、前述した複数の実施例の考え方を組み合わせて空調の最適化を行うことも当然ながら可能である。
また、説明は省略したが、露光装置におけるシステムによって様々な露光プロセスがあり、またプロセスの順番についても様々であるが、本実施例ではほんの一例を示したに過ぎない。しかし、本発明の趣旨によれば、どのような露光プロセスで行わるとしても、露光プロセスの特徴や前後の露光プロセスの関係を考慮することで対応は可能であることは明らかである。
露光プロセスごとに必要とされる空調精度、ステージ動作による空調の悪化度、前後に行われる露光プロセスとの関係は異なり、露光装置システムとして本当に空調を強化すべきタイミングをステージの状態だけで特定するのは十分ではない。実施例2、3、4では露光プロセスの特徴および前後のつながりを考慮して空調の最適化を図ることで、より効果的に空調の安定を行うことができる。
(実施例5)
これまでの実施形態では、露光プロセスの情報に基づいて気体流量を調整する例について述べてきたが、ステージ動作に関連する情報に基づいて気体流量を調整することも可能である。つまり、各ステージ動作を行っている時に必要とされる位置決め精度の情報や、そのステージ動作が与える空調への影響度の情報を予め求めておく。そして、瞬間瞬間でのステージ動作に対応する各情報をある評価関数で計算し、その結果に基づいて各空調吹き出し口の流量を変化させることで、露光装置全体でみた空調効果の向上を得ることが可能である。さらに、瞬間瞬間のステージ動作に対応する各情報だけでなく、その後予定されるステージ動作に対応する各情報も合わせて求めておき、その情報も評価関数に組み入れて評価し空調調整する。
これまでの実施形態では、露光プロセスの情報に基づいて気体流量を調整する例について述べてきたが、ステージ動作に関連する情報に基づいて気体流量を調整することも可能である。つまり、各ステージ動作を行っている時に必要とされる位置決め精度の情報や、そのステージ動作が与える空調への影響度の情報を予め求めておく。そして、瞬間瞬間でのステージ動作に対応する各情報をある評価関数で計算し、その結果に基づいて各空調吹き出し口の流量を変化させることで、露光装置全体でみた空調効果の向上を得ることが可能である。さらに、瞬間瞬間のステージ動作に対応する各情報だけでなく、その後予定されるステージ動作に対応する各情報も合わせて求めておき、その情報も評価関数に組み入れて評価し空調調整する。
例えば、図4および図5と同等の係数表をステージ動作単位で作成しておき、数1と同等の評価関数をステージ動作単位で計算する。つまり、図4中で、「露光プロセス」という言葉を「ステージ動作」に置き換えた係数表を作成する。また、図5中で「露光プロセス」という言葉を「ステージ動作」に置き換え、例えば一連のステージ動作に対して5s間隔のステージ動作ごとに各係数を算出して、図5に対応する表を作成しても良い。
全体的な空調制御の流れは、図14のようなものである。本フローの簡単な流れを以下に説明する。まず、注目する露光プロセスとその次に行われる露光プロセスを特定する(S201)。次に、各露光プロセスに基づく係数J、K、L、Mを特定する(S202)。そして、評価関数により空調係数F1とF2を算出する(S203)。算出されたF1とF2とが、ある決められた関係を満たすかどうかを判断する(S204、S205)。そして、その結果に応じて以下のように空調気体流量を調整する。計測動作領域の空調気体流量を増大させ、露光動作領域の空調気体流量を減少させる(S206)。空調気体流量をどちらも基準状態にする(S207)。露光動作領域の空調気体流量を増大させ、露光動作領域の空調気体流量を減少させる(S208)。
実施形態1〜4では露光プロセス単位で空調制御を行っていたのに対して、任意に定義したステージ動作単位で空調制御を行っているのが分かる。ステージ動作の定義の仕方は色々考えられるが、例としては1秒間単位でステージ動作を区切ったり、ステージがある位置領域から別の位置領域に移動した時をステージ動作の区切りにすることも可能である。もしくは、露光プロセスごとにステージ動作を区切ることも可能であり、その場合は実施形態1〜4とほとんど同じ効果を期待することが可能になる。
このように、ステージ動作の定義にもよるが、一般には露光プロセス単位より短い時間間隔で空調最適化を行うことが出来る。この場合、気体流量を変化させるタイミングは、必ずしも露光プロセスと露光プロセスとのつなぎ目で行われない。つまり、露光プロセスにとらわれず、リアルタイムに空調調整を行う場合に適した構成だと言える。この構成における各情報の流れを図13に示す。図から分かるように本実施形態では露光プロセス制御器の下流側であるステージ制御器からステージに関する情報を伝達され、その情報に基づいて空調制御器が空調調整を行っている。そのため、露光プロセスが切り替わるタイミング等の情報は得られないが、ステージ動作に関する情報はより多く得られる。このため、例えば露光プロセス内でストロークが大きく移動速度が大きいステージ動作と、ストロークが小さく移動速度が小さいステージ動作が混在するような場合、露光プロセス単位で空調調整を行うよりもより柔軟に空調調整が可能である。
但し、当然ながらこの構成に対して、さらに露光プロセス制御器から露光プロセスの切り替わるタイミング等の情報を加味した情報が伝達する系統を設け、その情報を加味した評価関数を適用することも可能である。例えば、ショット露光プロセスなどを行っている間はなるべく安定した位置決め精度を確保したい場合もあり、露光プロセス中ではなるべく空調の変化を抑制したい側面もある。そういった事情に対応するために、露光プロセスの切り替わるタイミング情報を別に得ることは有効である。
つまり、実施形態1〜4の構成と実施形態5の構成を組み合わせたものも実現可能であり、その場合は実施形態1〜4での効果とほぼ同等のものを得ることが可能である。
本実施例は、ステージの動作情報(ストロークや速度)や、必要とされる位置決め精度の情報を用いて空調制御を行っていることが特徴である。
ステージの動作情報は空調への影響度に関連しており、干渉計光路周辺の気体温度を発生する度合いを示す指標を算出することに用いられる。その空調への影響度は、ある瞬間での影響度だけでなく、乱れた空調が元の整った空調に戻るまでの時間をもとにした影響度も取得するのが望ましい。また、次の動作で求められる必要な位置決め精度についても合わせて取得して、それらの情報をもとにした評価関数で評価するのが望ましい。つまり、注目しているステージ動作だけでなく、その後のステージ動作への影響も加味するとより望ましい空調状態が実現できる。
(実施例6)
次に、図15及び図16を参照して、上述の露光装置を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。図15は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造方法を例に説明する。
次に、図15及び図16を参照して、上述の露光装置を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。図15は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造方法を例に説明する。
ステップS1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップS2(マスク製作)では設計した回路パターンに基づいてマスクを製作する。ステップS3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップS4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、マスクとウエハを用いて、上記の露光装置によりリソグラフィ技術を利用してウエハ上に実際の回路を形成する。ステップS5(組み立て)は、後工程と呼ばれ、ステップS4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。ステップS6(検査)では、ステップS5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが作製され、それが出荷(ステップS7)される。
図16は、ステップ4のウエハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップS11(酸化)では、ウエハの表面を酸化させる。ステップS12(CVD)では、ウエハの表面に絶縁膜を形成する。ステップS13(電極形成)では、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップS14(イオン打ち込み)では、ウエハにイオンを打ち込む。ステップS15(レジスト処理)では、ウエハに感光剤を塗布する。ステップS16(露光)では、露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに露光する。ステップS17(現像)では、露光したウエハを現像する。ステップS18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップS19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
1 露光装置
3 ステージ
5 投影光学系
7 アライメント光学系
9 フォーカス光学系
11 干渉計光路
13 干渉計
15 露光動作領域と計測動作領域との境界部
21 露光動作領域における干渉計光路近傍に対する空調吹き出し口
23 露光動作領域における干渉計光路近傍以外に対する空調吹き出し口
25 計測動作領域における干渉計光路近傍に対する空調吹き出し口
27 計測動作領域における干渉計光路近傍以外に対する空調吹き出し口
31 露光動作領域の空調吹き出し口
33 計測動作領域の空調吹き出し口
51 送風機
53 温調装置
55 流量割合調整装置
57 メイン制御装置
58 露光プロセス制御装置
61 ステージ制御装置
63 送風ダクト
3 ステージ
5 投影光学系
7 アライメント光学系
9 フォーカス光学系
11 干渉計光路
13 干渉計
15 露光動作領域と計測動作領域との境界部
21 露光動作領域における干渉計光路近傍に対する空調吹き出し口
23 露光動作領域における干渉計光路近傍以外に対する空調吹き出し口
25 計測動作領域における干渉計光路近傍に対する空調吹き出し口
27 計測動作領域における干渉計光路近傍以外に対する空調吹き出し口
31 露光動作領域の空調吹き出し口
33 計測動作領域の空調吹き出し口
51 送風機
53 温調装置
55 流量割合調整装置
57 メイン制御装置
58 露光プロセス制御装置
61 ステージ制御装置
63 送風ダクト
Claims (15)
- 基板を保持して移動可能な移動体と、
前記移動体の位置を計測する干渉計と、
温調された気体を送風する送風装置と、
前記送風装置に連通された複数の吹き出し口とを具え、
前記複数の吹き出し口から前記温調された気体を吹き出すことで、前記移動体が移動する領域を空調する露光装置であって、
前記移動体の動作に基づいて、前記複数の吹き出し口から吹き出される気体流量の割合を調整することを特徴とする露光装置。 - 原版のパターンを基板に投影する投影光学系と、
前記基板の表面位置または表面形状を計測する計測光学系と、
前記基板を保持して移動可能な移動体と、
前記投影光学系および前記計測光学系のいずれか一方の光軸経路に位置する前記移動体の位置を計測する第1の干渉計と、
温調された気体を送風する送風装置と、
前記送風装置に連通され、前記第1の干渉計から前記移動体に照射される計測光の光路を空調する第1の吹き出し口と、
前記送風装置に連通され、前記計測光の光路とは異なる領域を空調する第2の吹き出し口と、
前記移動体の動作に基づいて、前記送風装置から送風される気体を前記第1の吹き出し口および前記第2の吹き出し口に流量調整して分配する流量割合調整装置とを具えることを特徴とする露光装置。 - 前記第1の干渉計は、前記投影光学系の光軸経路に位置する前記移動体の位置を計測し、
さらに、前記計測光学系の光軸経路に位置する前記移動体の位置を計測する第2の干渉計とを具え、
前記第1の吹き出し口は、前記第1の干渉計から前記移動体に照射される計測光の光路を空調するように配置され、
前記第2の吹き出し口は、前記第2の干渉計から前記移動体に照射される計測光の光路を空調するように配置されることを特徴とする請求項2に記載の露光装置。 - 前記移動体は複数であり、
前記投影光学系により原版のパターンを基板に投影する第1領域と、
計測光学系により前記基板の表面位置または表面形状を計測する第2領域とを具え、
前記複数の移動体は、前記第1領域および前記第2領域で移動可能であり、
前記複数の移動体のうち、前記第1領域に位置する移動体の動作と前記第2領域に位置する移動体の動作とを比較する比較手段を具え、
前記流量割合調整装置は、前記比較手段の比較結果にもとづいて流量割合を調整することを特徴とする請求項3に記載の露光装置。 - 前記移動体の各動作ごとに要求される流量に関する情報を予め保持する記憶保持手段を具え、
前記情報にもとづいて、前記第1の吹き出し口および前記第2の吹き出し口のうち、要求される流量が大きい動作を行う移動体が位置する領域を空調するための吹き出し口からの気体流量を大きくし、他方の吹き出し口からの気体流量を小さくすることを特徴とする請求項3または4に記載の露光装置。 - 前記移動体の各動作ごとに要求される流量に関する情報を予め保持する記憶保持手段を具え、
前記情報にもとづいて、前記第1の吹き出し口および前記第2の吹き出し口のうち、要求される流量が大きい動作を次の動作として行う移動体が位置する領域を空調するための吹き出し口からの気体流量を大きくし、他方の吹き出し口からの気体流量を小さくすることを特徴とする請求項2または3に記載の露光装置。 - 前記移動体は複数であり、
前記移動体の動作は、
前記計測光学系によって基板の計測を行いつつ移動する第1工程と、
露光された基板を保持した前記移動体が前記投影光学系の光軸経路から退避するとともに、前記計測光学系によって計測した基板を保持した前記移動体が前記投影光学系の光軸経路に移動する第2工程と、
前記第2工程によって前記投影光学系の光軸経路に移動した移動体に保持された基板に露光をしながら移動する第3工程とを含み、
前記流量割合調整装置は、前記第2工程の少なくとも一部において、前記第1の吹き出し口からの気体流量を前記第3工程における前記第1の吹き出し口からの気体流量よりも大きくするとともに、前記第2の吹き出し口からの気体流量を前記第1工程における前記第2の吹き出し口からの気体流量よりも小さくすることを特徴とする請求項3に記載の露光装置。 - 前記移動体は複数であり、
前記投影光学系により原版のパターンを基板に投影する第1領域と、
計測光学系により前記基板の表面位置または表面形状を計測する第2領域とを具え、
前記複数の移動体は、前記第1領域および前記第2領域で移動可能であり、
前記送風装置に連通され、前記第1領域内であって前記第1の吹き出し口が空調する領域とは異なる領域を空調するための第3の吹き出し口と、
前記送風装置に連通され、前記第2領域内であって前記第2の吹き出し口が空調する領域は異なる領域を空調するための第4の吹き出し口とを具え、
前記流量割合調整装置は、移動体の動作にもとづいて、前記送風装置から送風される気体を前記第1乃至第4の吹き出し口に流量割合を調整して分配することを特徴とする請求項3に記載の露光装置。 - 前記移動体の各動作ごとに要求される流量に関する情報を記憶する記憶装置と、
前記第1領域および前記第2領域で行われる前記移動体の動作の順番を記憶する手段とを具え、
前記流量割合調整装置は、前記流量に関する情報と前記移動体の動作の順番を取得し記憶する手段とを具え、前記流量に関する情報および前記取得された移動体の動作の順番にもとづいて、流量割合を調整することを特徴とする請求項4に記載の露光装置。 - 前記流量に関する情報は、前記移動体の各動作で必要とされる空調精度、各動作で生じる空調の乱れ、各動作の順番のうち少なくとも1つに関する情報を含む、もしくはこれらの少なくとも1つの情報を用いて算出される情報を含むことを特徴とする請求項5から6または請求項9のうちいずれか1項に記載の露光装置。
- 前記移動体の動作は、露光プロセスに対応して設定されることを特徴とする請求項10に記載の露光装置。
- 原版のパターンを基板に投影する投影光学系と、
前記基板の表面位置または表面形状を計測するための計測光学系と、
前記投影光学系により原版のパターンを基板に投影する第1領域と、
計測光学系により前記基板の表面位置または表面形状を計測する第2領域と、前記第1領域および前記第2領域とで移動可能な複数の移動体と、
前記複数の移動体のうち、前記投影光学系の光軸経路に位置する移動体の位置を計測する第1の干渉計と、
前記複数の移動体のうち、前記計測光学系の光軸経路に位置する前記移動体の位置を計測する第2の干渉計と、
温調された気体を送風する送風装置と、
前記送風装置に連通され、前記第1領域を空調する第1の吹き出し口と、
前記送風装置に連通され、前記第2領域を空調する第2の吹き出し口と、
移動体の動作に基づいて、前記送風装置から送風される気体を第1の吹き出し口および第2の吹き出し口に流量割合を調整して分配する流量割合調整装置とを具えることを特徴とする露光装置。 - 原版のパターンを基板に投影する投影光学系と、
前記基板の表面位置または表面形状を計測する計測光学系と、
前記基板を保持して移動可能な移動体と、
前記投影光学系および前記計測光学系のいずれか一方の光軸経路に位置する前記移動体の位置を計測する第1の干渉計と、
温調された気体を送風する送風装置と、
前記送風装置に連通され、前記第1の干渉計から前記移動体に照射される計測光の光路を空調する第1の吹き出し口と、
前記送風装置に連通され、前記計測光の光路とは異なる領域を空調する第2の吹き出し口と、
露光プロセスに基づいて、前記送風装置から送風される気体を第1の吹き出し口および第2の吹き出し口に流量割合を調整して分配する流量割合調整装置とを具えることを特徴とする露光装置。 - 前記流量割合調整装置は、各露光プロセスで必要とされる空調精度、各露光プロセスで生じる空調の乱れ、各露光プロセスの順番のうち少なくとも1つに関する情報に基づいて流量の調整をすることを特徴とする請求項13に記載の露光装置。
- 請求項1乃至14のいずれかに記載の露光装置を用いて基板にパターンを露光する工程と、前記露光された基板を現像する工程とを具えることを特徴とするデバイス製造方法。
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