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JP2009019721A - 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置 - Google Patents

回転速度検出装置付き車輪用軸受装置 Download PDF

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JP2009019721A
JP2009019721A JP2007183879A JP2007183879A JP2009019721A JP 2009019721 A JP2009019721 A JP 2009019721A JP 2007183879 A JP2007183879 A JP 2007183879A JP 2007183879 A JP2007183879 A JP 2007183879A JP 2009019721 A JP2009019721 A JP 2009019721A
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seal
wheel bearing
bearing device
ring
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JP2007183879A
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Inventor
Yuushiro Ono
祐志郎 小野
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

【課題】製造工程を簡略化して低コスト化を図った回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】外方部材5の端部に装着され、回転速度センサ28が包埋されたセンサホルダ19を備えると共に、シール9が、芯金22と、この芯金22に加硫接着により接合されたシール部材23からなる環状のシール板20と、これに対向して内輪2の外径に圧入されたスリンガ21と、この円筒部21aに圧入されたパルサリング24を備え、このパルサリング24に、エラストマに磁性体粉が混入されて周方向に交互に磁極N、Sが着磁された磁気エンコーダ27が接合され、この磁気エンコーダ27と回転速度センサ28が所定の径方向すきまを介して対峙された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、センサホルダ19がシール部材23と同一のゴム素材から形成され、芯金22に加硫接着によって一体に接合されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車輪の回転速度を検出する回転速度センサを内蔵した回転速度検出装置付き車輪用軸受装置に関するものである。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承すると共に、アンチロックブレーキシステム(ABS)を制御するために車輪の回転速度を検出する装置が軸受に内蔵された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置が一般的に知られている。従来、このような車輪用軸受装置は、転動体を介して転接する内方部材および外方部材の間にシール装置が設けられ、円周方向に磁極を交互に並べてなる磁気エンコーダを前記シール装置に一体化させると共に、磁気エンコーダと、この磁気エンコーダに対面配置され、車輪の回転に伴う磁気エンコーダの磁極変化を検出する回転速度センサとで回転速度検出装置が構成されている。
前記回転速度センサは、懸架装置を構成するナックルに車輪用軸受装置が装着された後、当該ナックルに装着されているものが一般的である。しかし、この回転速度センサと磁気エンコーダとのエアギャップ調整作業の煩雑さを解消すると共に、よりコンパクト化を狙って最近では、回転速度センサをも軸受に内蔵した回転速度検出装置付き車輪用軸受装置が提案されている。
このような回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の一例として図5に示すような構造が知られている。この回転速度検出装置付き車輪用軸受装置50は、外方部材51と、この外方部材51に複列のボール52を介して内挿された内方部材53と、外方部材51と内方部材53との間に形成された環状空間の開口部に装着された回転速度検出装置54とを備えている。
外方部材51は、外周に懸架装置を構成するナックル(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ51bを一体に有し、内周に複列の外側転走面51a、51aが一体に形成されている。
一方、内方部材53は、ハブ輪55と、このハブ輪55に固定された内輪56とからなる。ハブ輪55は、一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ57を一体に有し、外周に前記複列の外側転走面51a、51aの一方に対向する内側転走面55aと、この内側転走面55aから軸方向に延びる円筒状の小径段部55bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション55cが形成されている。内輪56は、外周に前記複列の外側転走面51a、51aの他方に対向する内側転走面56aが形成され、ハブ輪55の小径段部55bに所定のシメシロを介して圧入されている。
外方部材51の複列の外側転走面51a、51aと、これらに対向するハブ輪55の内側転走面55aおよび内輪56の内側転走面56a間には複列のボール52、52が収容され、保持器58、58によって転動自在に保持されている。また、外方部材51と内方部材53との間に形成される環状空間の開口部にはシール59、60が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
回転速度検出装置54は、図6に示すように、磁気センサ61が包埋されたセンサホルダ62と、このセンサホルダ62に装着されたシール60とからなる。センサホルダ62は、合成樹脂から射出成形により成形され、シール60を構成する芯金65にインサート成形されている。シール60は、第1のシールリング63と第2のシールリング64とが組み合わされた、所謂パックシールで構成されている。第1のシールリング63は外方部材51に装着され、断面が略L字状に形成された芯金65と、この芯金65に被着され、サイドリップ66aと一対のラジアルリップ66b、66cとを有するシール部材66とからなる。
第2のシールリング64は、内輪56に装着され、断面が略L字状に形成されたスリンガ67と、このスリンガ67に外嵌され、断面が略コの字状に形成されたパルサリング68とからなる。スリンガ67は、内輪56の外径に圧入される円筒部67aと、この円筒部67aから径方向外方に延びる立板部67bとを有し、パルサリング68はスリンガ67の円筒部67aに圧入されている。
パルサリング68は、スリンガ67の円筒部67aに圧入される円筒状の内径部68aと、この内径部68aから径方向外方に延びる立板部68b、およびこの立板部68bから軸方向に延びる外径部68cを有している。そして、この外径部68cに多極磁石ロータ69が被着されている。この多極磁石ロータ69は、磁性粉を含有したゴムまたは樹脂を加硫接着して周方向交互にN極、S極を配置するように径方向から着磁されている。また、シール部材66のサイドリップ66aはパルサリング68の立板部68bに摺接されると共に、一対のラジアルリップ66b、66cはスリンガ67の円筒部67aに摺接されている。
ここで、センサホルダ62の円周所定位置には、磁気センサ61と車体の電子回路に接続されたハーネス(図示せず)とを結線する雄型のコネクタ70が径方向外方に突出した状態で一体に形成されている(図5参照)。
このように、第1のシールリング63を構成する芯金65が外方部材51の端部内周に圧入固定されているので、外方部材51と第1のシールリング63との間から軸受内部に水分が浸入するのが防止できると共に、パルサリング68の立板部68bにシール部材66のサイドリップ66aが摺接されているので、第1のシールリング63と第2のシールリング64との間から軸受内部に水分が浸入するのが防止できる。しかも、磁気センサ61と多極磁石ロータ69との間に金属部分が存在しないように形成されているので、芯金65が磁気センサ61の検知精度に悪影響を与えることも防止できる。
特開2005−133772号公報
然しながら、こうした従来の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置50では、合成樹脂製のセンサホルダ62が、シール60を構成する芯金65にインサート成形されていると共に、この芯金65にゴム製のシール部材66が加硫接着されているため、複雑な製造工程になる。すなわち、センサホルダ62の合成樹脂とシール部材66の合成ゴムとは成形温度が異なるため、同じ金型でもって同時に成形することができない。したがって、成形温度の高いセンサホルダ62を成形した後、このセンサホルダ62をシール部材66の金型内に位置決めしてシール部材66を成形する必要があった。これにより、製造工程が増えて作業が煩雑となり、製品コストが高騰するという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、製造工程を簡略化して低コスト化を図った回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、外周に懸架装置に取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、前記外方部材のインナー側の端部に装着され、回転速度センサが包埋されたセンサホルダとを備えると共に、前記シールのうちインナー側のシールが、鋼鈑からプレス加工によって形成された芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材からなる環状のシール板と、このシール板に対向して前記内輪に装着され、円周方向に関する特性が交互にかつ等間隔に変化する外径部を有するパルサリングを備え、前記外径部と回転速度センサが所定の径方向すきまを介して対峙された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記センサホルダが前記シール部材と同一のゴム素材から形成され、前記芯金に加硫接着によって一体に接合されている。
このように、外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、外方部材のインナー側の端部に装着され、回転速度センサが包埋されたセンサホルダを備えると共に、シールのうちインナー側のシールが、鋼鈑からプレス加工によって形成された芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材からなる環状のシール板と、このシール板に対向して内輪に装着され、円周方向に関する特性が交互にかつ等間隔に変化する外径部を有するパルサリングを備え、外径部と回転速度センサが所定の径方向すきまを介して対峙された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、センサホルダがシール部材と同一のゴム素材から形成され、芯金に加硫接着によって一体に接合されているので、センサホルダとシール部材とが同じ金型でもって同時に成形することができ、成形性が向上すると共に、製造工程が簡素化でき、材料費の低減と相俟って低コスト化を図った回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。
また、請求項2に記載の発明のように、前記インナー側のシールが、前記芯金に対向配置され、断面略L字状に形成されたスリンガを備え、このスリンガが、前記内輪の外径に圧入された円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部を有し、前記円筒部に前記パルサリングが圧入固定され、このパルサリングの外径部に、エラストマに磁性体粉が混入されて周方向に交互に磁極N、Sが着磁された磁気エンコーダが加硫接着により一体に接合されると共に、前記シール部材に一体形成されたサイドリップとラジアルリップが前記パルサリングとスリンガにそれぞれ摺接されていれば、磁気エンコーダがダスト等により汚れるのを防止することができると共に、パルサリングとスリンガに摺接するシールリップによって転動体および各転走面から隔離されているので、転動体の回転によって生じる金属摩耗粉等が磁気エンコーダに付着するのを防止することができ、検出精度の低下を回避することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記パルサリングが強磁性体の鋼板から形成されていれば、出力信号が強くなり安定した検出精度を確保することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記芯金がオーステナイト系ステンレス鋼鈑で形成され、外径部が一部露出して前記外方部材の端部に内嵌されていれば、回転速度センサの感知性能に悪影響を及ぼさず、信頼性の高い回転速度検出ができると共に、強固な抜け耐力を有して嵌合部の気密性を高めることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記回転速度センサが、磁束の流れ方向に応じて特性を変化させる磁気検出素子と、リード線を介してこの磁気検出素子の出力波形を整える波形成形回路が組み込まれたICで構成されていれば、低コストで信頼性の高い回転速度検出ができる。
また、請求項6に記載の発明のように、前記センサホルダの円周所定位置に、前記回転速度センサと車体の電子回路に接続されるハーネスとを結線するコネクタが径方向外方に突出した状態で一体に装着され、このコネクタが、強化材が添加された非磁性の合成樹脂材から形成されていれば、回転速度センサの感知性能に悪影響を及ぼさず、また、耐食性に優れ、長期間に亘って強度・耐久性を向上させることができる。
また、請求項7に記載の発明のように、前記回転速度センサと車体の電子回路に接続されるハーネスが直接結線されていれば、コネクタを廃止して部品点数の削減ができ、材料費低減と相俟って低コスト化を図ることができる。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、外周に懸架装置に取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、前記外方部材のインナー側の端部に装着され、回転速度センサが包埋されたセンサホルダとを備えると共に、前記シールのうちインナー側のシールが、鋼鈑からプレス加工によって形成された芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材からなる環状のシール板と、このシール板に対向して前記内輪に装着され、円周方向に関する特性が交互にかつ等間隔に変化する外径部を有するパルサリングを備え、前記外径部と回転速度センサが所定の径方向すきまを介して対峙された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記センサホルダが前記シール部材と同一のゴム素材から形成され、前記芯金に加硫接着によって一体に接合されているので、センサホルダとシール部材とが同じ金型でもって同時に成形することができ、成形性が向上すると共に、製造工程が簡素化でき、材料費の低減と相俟って低コスト化を図った回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。
外周に懸架装置に取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、前記外方部材のインナー側の端部に装着され、回転速度センサが包埋されたセンサホルダとを備えると共に、前記シールのうちインナー側のシールが、鋼鈑からプレス加工によって形成された芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材からなる環状のシール板と、このシール板に対向して前記内輪の外径に圧入され、断面略L字状に形成されたスリンガと、このスリンガの円筒部に圧入固定されたパルサリングとを備え、このパルサリングの外径部に、エラストマに磁性体粉が混入されて周方向に交互に磁極N、Sが着磁された磁気エンコーダが加硫接着により一体に接合され、この磁気エンコーダと前記回転速度センサが所定の径方向すきまを介して対峙された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記センサホルダが前記シール部材と同一のゴム素材から形成され、前記芯金に加硫接着によって一体に接合されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の要部拡大図、図3は、図2のシール板単体を示す斜視図、図4は、図1のIV−IV線に沿った矢視図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、中央寄り側をインナー側(図面右側)という。
この回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は駆動輪用の第3世代構造と呼称され、ハブ輪1と内輪2からなる内方部材3と、この内方部材3に複列の転動体(ボール)4、4を介して外挿された外方部材5とを備え、等速自在継手10が連結されている。
内方部材3は、ハブ輪1と、このハブ輪1に固定された内輪2とからなる。ハブ輪1は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ6を一体に有し、外周にアウター側(一方)の内側転走面1aと、この内側転走面1aから軸方向に延びる円筒状の小径段部1bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)1cが形成されている。なお、車輪取付フランジ6の円周等配位置には車輪を締結するためのハブボルト6aが植設されている。
ハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、内側転走面1aをはじめ、後述するアウター側のシール8が摺接する車輪取付フランジ6のインナー側の基部6bから小径段部1bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。なお、後述する加締部1dは未焼入れで鍛造後の表面硬さのままとされている。
内輪2は、外周にインナー側(他方)の内側転走面2aが形成され、ハブ輪1の小径段部1bに所定のシメシロを介して圧入されている。そして、この小径段部1bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部1dによってハブ輪1に対して軸方向に固定されている。なお、内輪2および転動体4はSUJ2等の高炭素クロム鋼で形成され、ズブ焼入れによって芯部まで58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
外方部材5はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、外周に懸架装置を構成するナックル(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ5bを一体に有し、内周に前記内方部材3の複列の内側転走面1a、2aに対向する複列の外側転走面5a、5aが一体に形成されている。そして、これら複列の外側転走面5a、5aが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
外方部材5の複列の外側転走面5a、5aと、これらに対向するハブ輪1の内側転走面1aおよび内輪2の内側転走面2a間には複列の転動体4、4が収容され、保持器7、7によって転動自在に保持されている。そして、内輪2の小径側(正面側)の端面がハブ輪1の肩部に突合せ状態で衝合し、所謂背面合せタイプの複列アンギュラ玉軸受を構成している。また、外方部材5と内方部材3との間に形成される環状空間の開口部にはシール8、9が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
等速自在継手10は、外側継手部材11と継手内輪12とケージ13およびトルク伝達ボール14とを備えている。外側継手部材11は、カップ状のマウス部15と、このマウス部15の底部をなす肩部16と、この肩部16から軸方向に延びる軸部17とを一体に有している。軸部17の外周にはハブ輪1のセレーション1cに係合するセレーション(またはスプライン)17aと、このセレーション17aの端部に雄ねじ17bが形成されている。そして、ハブ輪1に外側継手部材11の軸部17がセレーション1c、17aを介して加締部1dの端面と肩部16が衝合するまで内嵌され、雄ねじ17bに締結された固定ナット18によってハブ輪1と外側継手部材11がトルク伝達可能に、かつ着脱自在にユニット化されている。
ここで、本実施形態では、センサホルダ19が外方部材5のインナー側の端部に装着されている。インナー側のシール9はこのセンサホルダ19と内輪2との間に形成される環状空間の開口部に装着されている。シール9は、図2に拡大して示すように、断面略L字状に形成された環状のシール板20とスリンガ21を備え、互いに対向して配置されている。シール板20は、センサホルダ19がモールド成形され、露出した部分が外方部材5の端部に内嵌された芯金22と、この芯金22に加硫接着等で一体に接合されたシール部材23とからなる。そして、スリンガ21にはパルサリング24が外嵌されている。
芯金22は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、フェライト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS430系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工にて形成され、センサホルダ19がモールド成形される円筒部22aと、この円筒部22aから径方向内方に延びる内径部22bとを有している。そして、円筒部22aの一部露出した部分が外方部材5の端部に内嵌されている。これにより、強固な抜け耐力を有して嵌合部の気密性を高めることができる。また、図3に示すように、円筒部22aの周方向一箇所に後述する回転速度センサ28のリード線28bが通る切欠き25が形成されている。なお、芯金24は、回転速度センサ28の感知性能に悪影響を及ぼさないように、非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼鈑で形成されるのが好ましい。
また、シール部材23は、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)等の合成ゴムからなり、芯金22の内径部22bに加硫接着で一体に接合されている。このシール部材23は、サイドリップ23aと一対のラジアルリップ23b、23cを一体に有している。なお、シール部材23の材質は、NBRに限らず、例えば、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、ACM(アクリルゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)等を例示することができる。
スリンガ21は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、フェライト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS430系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工にて形成され、内輪2の外径に圧入される円筒部21aと、この円筒部21aから径方向外方に延びる立板部21bとを有している。
パルサリング24は、スリンガ21に圧入される芯金26と、この芯金26に加硫接着により一体に接合された磁気エンコーダ27とからなる。パルサリング24の芯金26は、強磁性体の鋼鈑、例えば、フェライト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS430系等)あるいは防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からなり、プレス加工によって断面が略コの字状に形成され、スリンガ21の円筒部21aに圧入される円筒状の内径部26aと、この内径部26aから径方向外方に延びる立板部26b、およびこの立板部26bから軸方向に延びる外径部26cを有し、この外径部26cに磁気エンコーダ27が接合されている。そして、シール部材23のサイドリップ23aがパルサリング24の芯金26の立板部26bに摺接されると共に、一対のラジアルリップ23b、23cがスリンガ21の円筒部21aにそれぞれ摺接されている。
磁気エンコーダ27は、ゴム等のエラストマにフェライト等の磁性体粉が混入されたゴム磁石からなり、周方向に交互に磁極N、Sが着磁され、車輪の回転速度検出用のロータリエンコーダを構成している。これにより、強磁性体の芯金26と相俟って出力信号が強くなり安定した検出精度を確保することができる。
また、こうしたシール9を構成することにより、パルサリング24がダスト等により汚れるのを防止することができると共に、このパルサリング24に摺接するシール板20のサイドリップ23aおよびラジアルリップ23b、23cによって転動体4および各転走面から隔離されているので、転動体4の回転によって生じる金属摩耗粉等が磁気エンコーダ27に付着するのを防止することができ、検出精度の低下を回避することができる。
また、センサホルダ19は、前述したシール部材23と同様の材質、すなわち、NBR等の合成ゴムからモールド成形後、加硫接着にて芯金22に接合され、磁気エンコーダ27に所定の径方向すきま(エアギャップ)を介して対峙する回転速度センサ28が包埋されている。この回転速度センサ28は、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて特性を変化させる磁気検出素子28aと、リード線28bを介してこの磁気検出素子28aの出力波形を整える波形成形回路が組み込まれたIC28cとからなる。これにより、低コストで信頼性の高い回転速度検出ができる。なお、図2の回転速度センサ28の実施例は一例を示すものであり、磁気検出素子28aと波形成型回路28cが一体化されたICでも良い。
さらに、本実施形態では、図4に示すように、センサホルダ19の円周所定位置(図中垂直方向の上部)に、回転速度センサ28と車体の電子回路に接続されたハーネス29とを結線する雄型のコネクタ30が径方向外方に突出した状態で一体に装着されている。このコネクタ30は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の非磁性の特殊エーテル系合成樹脂材にGF(ガラスファイバー)等の強化材が添加され、射出成形によって形成されている。これにより、回転速度センサ28の感知性能に悪影響を及ぼさず、また、耐食性に優れ、長期間に亘って強度・耐久性を向上させることができる。なお、コネクタ30は前述した材質以外にPA(ポリアミド)66、PPA(ポリフタルアミド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の射出成形可能な合成樹脂を例示することができる。また、このコネクタ30の代わりにハーネス29を回転速度センサ28のIC28cに直接結線するようにしても良い。コネクタを廃止することによって、センサホルダ19から完全に樹脂材を排除することができるため、成形性の向上と、製造工程が簡素化できると共に、部品点数の削減ができ、材料費低減と相俟って低コスト化を図ることができる。
このように、本実施形態では、センサホルダ19が芯金22にモールド成形後に加硫接着されるが、その材質がシール9を構成する芯金22に接合されたシール部材23と同一の材質で構成されているため、シール部材23と同じ金型でもって同時に成形することができ、成形性が向上すると共に、製造工程が簡素化でき、材料費の低減と相俟って低コスト化を図った回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。
なお、本実施形態では、回転速度検出装置として、磁気エンコーダ27と、ホール素子等の磁気検出素子からなる回転速度センサ28とからなるアクティブタイプの回転速度検出装置を例示したが、本発明に係る回転速度検出装置はこれに限らず、例えば、歯車と、磁石と巻回された環状のコイル等からなるパッシブタイプであっても良い。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、内輪回転構造のあらゆるタイプの回転速度検出装置が内蔵された車輪用軸受装置に適用することができる。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 図1の要部拡大図である。 図2のシール板単体を示す斜視図である。 図1のIV−IV線に沿った矢視図である。 従来の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を示す縦断面図である。 図5の要部拡大図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、2a・・・・・・・・・・・・内側転走面
1b・・・・・・・・・・・・・・・小径段部
1c、17a・・・・・・・・・・・セレーション
1d・・・・・・・・・・・・・・・加締部
2・・・・・・・・・・・・・・・・内輪
3・・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
4・・・・・・・・・・・・・・・・転動体
5・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
5a・・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
5b・・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
6・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
6a・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
6b・・・・・・・・・・・・・・・基部
7・・・・・・・・・・・・・・・・保持器
8・・・・・・・・・・・・・・・・アウター側のシール
9・・・・・・・・・・・・・・・・インナー側のシール
10・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
11・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
12・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
13・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
14・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
15・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
16・・・・・・・・・・・・・・・肩部
17・・・・・・・・・・・・・・・軸部
17b・・・・・・・・・・・・・・雄ねじ
18・・・・・・・・・・・・・・・固定ナット
19・・・・・・・・・・・・・・・センサホルダ
20・・・・・・・・・・・・・・・シール板
21・・・・・・・・・・・・・・・スリンガ
21a、22a・・・・・・・・・・円筒部
21b、26b・・・・・・・・・・立板部
22、26・・・・・・・・・・・・芯金
22b、26a・・・・・・・・・・内径部
23・・・・・・・・・・・・・・・シール部材
23a・・・・・・・・・・・・・・サイドリップ
23b、23c・・・・・・・・・・ラジアルリップ
24・・・・・・・・・・・・・・・パルサリング
25・・・・・・・・・・・・・・・切欠き
26c・・・・・・・・・・・・・・外径部
27・・・・・・・・・・・・・・・磁気エンコーダ
28・・・・・・・・・・・・・・・回転速度センサ
28a・・・・・・・・・・・・・・磁気検出素子
28b・・・・・・・・・・・・・・リード線
28c・・・・・・・・・・・・・・IC
29・・・・・・・・・・・・・・・ハーネス
30・・・・・・・・・・・・・・・コネクタ
50・・・・・・・・・・・・・・・回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
51・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
51a・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
51b・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
52・・・・・・・・・・・・・・・ボール
53・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
54・・・・・・・・・・・・・・・回転速度検出装置
55・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
55a、56a・・・・・・・・・・内側転走面
55b・・・・・・・・・・・・・・小径段部
55c・・・・・・・・・・・・・・セレーション
56・・・・・・・・・・・・・・・内輪
57・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
58・・・・・・・・・・・・・・・保持器
59・・・・・・・・・・・・・・・アウター側のシール
60・・・・・・・・・・・・・・・インナー側のシール
61・・・・・・・・・・・・・・・磁気センサ
62・・・・・・・・・・・・・・・センサホルダ
63・・・・・・・・・・・・・・・第1のシールリング
64・・・・・・・・・・・・・・・第2のシールリング
65・・・・・・・・・・・・・・・芯金
66・・・・・・・・・・・・・・・シール部材
66a・・・・・・・・・・・・・・サイドリップ
66b、66c・・・・・・・・・・ラジアルリップ
67・・・・・・・・・・・・・・・スリンガ
67a・・・・・・・・・・・・・・円筒部
67b、68b・・・・・・・・・・立板部
68・・・・・・・・・・・・・・・パルサリング
68a・・・・・・・・・・・・・・内径部
68c・・・・・・・・・・・・・・外径部
69・・・・・・・・・・・・・・・多極磁石ロータ
70・・・・・・・・・・・・・・・コネクタ

Claims (7)

  1. 外周に懸架装置に取り付けるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、
    前記外方部材のインナー側の端部に装着され、回転速度センサが包埋されたセンサホルダとを備えると共に、
    前記シールのうちインナー側のシールが、鋼鈑からプレス加工によって形成された芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材からなる環状のシール板と、
    このシール板に対向して前記内輪に装着され、円周方向に関する特性が交互にかつ等間隔に変化する外径部を有するパルサリングを備え、
    前記外径部と回転速度センサが所定の径方向すきまを介して対峙された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、
    前記センサホルダが前記シール部材と同一のゴム素材から形成され、前記芯金に加硫接着によって一体に接合されていることを特徴とする回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  2. 前記インナー側のシールが、前記芯金に対向配置され、断面略L字状に形成されたスリンガを備え、このスリンガが、前記内輪の外径に圧入された円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部を有し、前記円筒部に前記パルサリングが圧入固定され、このパルサリングの外径部に、エラストマに磁性体粉が混入されて周方向に交互に磁極N、Sが着磁された磁気エンコーダが加硫接着により一体に接合されると共に、前記シール部材に一体形成されたサイドリップとラジアルリップが前記パルサリングとスリンガにそれぞれ摺接されている請求項1に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  3. 前記パルサリングが強磁性体の鋼板から形成されている請求項1または2に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  4. 前記芯金がオーステナイト系ステンレス鋼鈑で形成され、外径部が一部露出して前記外方部材の端部に内嵌されている請求項1乃至3いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  5. 前記回転速度センサが、磁束の流れ方向に応じて特性を変化させる磁気検出素子と、リード線を介してこの磁気検出素子の出力波形を整える波形成形回路が組み込まれたICで構成されている請求項1乃至4いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  6. 前記センサホルダの円周所定位置に、前記回転速度センサと車体の電子回路に接続されるハーネスとを結線するコネクタが径方向外方に突出した状態で一体に装着され、このコネクタが、強化材が添加された非磁性の合成樹脂材から形成されている請求項1乃至5いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  7. 前記回転速度センサと車体の電子回路に接続されるハーネスが直接結線されている請求項1乃至5いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015190474A (ja) * 2014-03-27 2015-11-02 日本精工株式会社 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット

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