(第一実施形態)
以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図10にしたがって説明する。
図1には、パチンコ遊技機10と該パチンコ遊技機10が遊技場の遊技機設置設備(遊技島)に設置された際に並設される遊技媒体貸出用ユニットとしてのカードユニット装置11が略示されている。カードユニット装置11には、遊技者に貸し出される貸出用遊技媒体としての遊技球(貸し球)と交換可能な交換媒体としてのプリペイドカードを投入するための投入口11aが設けられている。カードユニット装置11は、投入されたプリペイドカードの価値を読み書き可能な構成となっている。具体的に言えば、カードユニット装置11は、投入時にプリペイドカードの残金(価値)を読込むとともに、貸し球の払出しに伴ってプリペイドカードの残金(価値)を書き替える。
パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠12の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠13が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠13の前面側には前枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠13に重なるように組み付けられている。このため、中枠13は、前枠14の後側に配置されており、機正面側からは視認し得ないようになっている。前枠14は、中央部に窓口15を有するとともに、該窓口15の下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な第1貯留皿としての上皿(貯留皿)16を一体成形した構成とされている。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口15を覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤YBは、中枠13に装着される。また、前枠14には、窓口15のほぼ全周を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う電飾表示部を構成する上側枠用ランプ部17と、左側枠用ランプ部18と、右側枠用ランプ部19とが配置されている。各枠用ランプ部17,18,19は、前枠14の前面に装着される複数の発光体を、該各発光体の発する光を透過可能に成形したランプレンズ17a,18a,19aで覆って構成されている。
前枠14には、窓口15の左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行う左スピーカ20と、右スピーカ21とが配置されている。左スピーカ20と右スピーカ21は、前枠14の裏面に装着されており、該前枠14の前面であって左スピーカ20及び右スピーカ21の装着部位に対応する部位には図示しない放音孔が複数形成されている。
中枠13の前面側であって前枠14の下部には、上皿16から溢れ出た遊技球を貯留する第2貯留皿としての下皿(貯留皿)23が装着されている。また、中枠13の前面側であって下皿23の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル24が装着されている。また、前枠14には、下皿23の左方に、各種音声を出力して音声演出を行う下スピーカ25が配置されている。下スピーカ25は、中枠13に装着されている。
上皿16には、その左方側に機内部から払出される遊技球の払出口16aが設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路16bが連設されており、さらに右方側に貯留通路16b内の遊技球を機内部に取り込む図示しない上皿取込口が設けられている。上皿16に貯留された遊技球は、貯留通路16bにより前記上皿取込口へ案内されるとともに該上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、遊技盤YBに向けて発射される。遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドル24の回動量に応じて発射の強弱が設定される。また、下皿23には、上皿16から溢れ出て流下した遊技球の出口23aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部23bが遊技球の出口23aに連設されている。
次に、遊技盤YBの構成について図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤YBの前面には、発射ハンドル24の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域H1を形成する誘導レール26が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール26によって遊技盤YBには、該遊技盤YBの左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路26aが形成されるとともに、誘導レール26の内側に遊技領域H1が形成される。また、遊技盤YBの前面であって誘導レール26の外側となる遊技領域H1外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域H2とされている。遊技盤YBの遊技領域H1のほぼ中央(センター)には、各種の表示器や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)27が装着されている。表示枠体27の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口27aが形成されており、当該セット口27aに整合して表示枠体27には液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段としての演出表示装置28が装着されている。
演出表示装置28には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置28の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置28の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。また、表示枠体27には、発光により発光演出を行う盤用ランプ部27bが装着されている。
また、表示枠体27の左下方には、特別図柄表示装置30が設けられている。特別図柄表示装置30は、例えば7セグメントLED型の発光装置から構成されており、特別図柄を表示する。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。そして、本実施形態では、特別図柄として、[0]〜[6]の7種類の数字と、[−]の図柄が特別図柄として表示されるようになっている。特別図柄表示装置30に最終的に表示(確定停止表示)された図柄が[0]〜[5]の数字の場合、その図柄から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄が、特別図柄における大当り図柄(大当り表示結果)となる。また、特別図柄表示装置30に最終的に表示(確定停止表示)された図柄が[6]の数字の場合、その図柄から大当りとは別の小当りを認識できる。この小当りを認識できる図柄が、特別図柄における小当りの図柄(小当り表示結果)となる。一方、特別図柄表示装置30に確定表示された図柄が[−]の場合、その図柄からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄が、特別図柄におけるはずれ図柄となる。
演出表示装置28と特別図柄表示装置30では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動が開始される。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、特別図柄表示装置30では特別図柄の変動が開始する一方で、演出表示装置28では各列の飾り図柄の変動が開始する。そして、演出表示装置28と特別図柄表示装置30には、大当り抽選の抽選結果に基づき、図柄変動ゲームの終了によって同時に大当り図柄(大当り表示結果)又ははずれ図柄(はずれ表示結果)が確定的に停止表示される。このとき、特別図柄表示装置30と演出表示装置28では、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合には何れの表示装置にも大当り図柄が確定的に停止表示(確定停止表示)され、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合には何れの表示装置にもはずれ図柄が確定停止表示される。大当り図柄は、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものであり、はずれ図柄は、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものである。
本実施形態において演出表示装置28の図柄変動ゲームで導出される大当り図柄とはずれ図柄は、各列に導出された飾り図柄の組み合わせによって構成される。例えば、大当り図柄は原則として全列が同一の飾り図柄からなる組み合わせで構成される一方で、はずれ図柄は全列が同一の飾り図柄にならない組み合わせで構成される。本実施形態において演出表示装置28には、各列毎に、「1」〜「8」までの数字が飾り図柄として表示されるようになっている。大当り図柄が確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。
また、本実施形態において、演出表示装置28における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾り図柄が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置28において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾り図柄が停止表示されるようになっている。そして、停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾り図柄が同一種類となって停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。
また、演出表示装置28には、特別図柄表示装置30の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、特別図柄表示装置30に表示される特別図柄と、演出表示装置28に表示される飾り図柄による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特別図柄と飾り図柄による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、特別図柄表示装置30に[0]又は[1]の大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置28にも[111]や[222]などの大当り図柄が確定停止表示されるようになっている。また、特別図柄表示装置30に[−]のはずれ図柄が停止表示される場合には、演出表示装置28にも[121]や[345]などのはずれ図柄が確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾り図柄の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾り図柄による図柄組み合わせの中から1つの図柄組み合わせが選択されるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置28の表示領域(画像表示面)を特別図柄表示装置30の表示領域よりも大きく形成し、演出表示装置28を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置30よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出(例えば、リーチ演出や予告演出)が行われる演出表示装置28の表示内容に注目し、該演出表示装置28の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識することになる。
また、表示枠体27の右下方には、普通図柄表示装置31が設けられている。普通図柄表示装置31は、例えば7セグメントLED型の発光装置から構成されている。普通図柄表示装置31では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う当りか否か(開閉羽根35の開動作により下始動入賞口34を開放するか否か)の内部抽選(当り抽選)の抽選結果を表示する。そして、本実施形態の普通図柄表示装置31では、当り抽選で当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで当り図柄が確定停止表示される一方で、当り抽選ではずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームではずれ図柄が確定停止表示される。
また、表示枠体27の下方の遊技領域H1には、遊技球の入球口33aを有する上始動入賞口33と遊技球の入球口34aを有する下始動入賞口34が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口33は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口33aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口34は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根35を備えており、開閉羽根35が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口34aを開放させる構成とされている。換言すれば、下始動入賞口34は、開閉羽根35が開動作して入球口34aが開放されない限り、遊技球の入球を不能とする構成とされている。
上始動入賞口33の奥方には、入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1(図3に示す)が配設されているとともに、下始動入賞口34の奥方には、入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2(図3に示す)が配設されている。上始動入賞口33と下始動入賞口34は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口34は開閉羽根35が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球し易い状態とされる一方で、開閉羽根35が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球の入球が不能となる状態とされる。
また、下始動入賞口34の下方の遊技領域H1には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉40を備えた入賞手段としての大入賞口(特別電動役物)41が配設されている。大入賞口41の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW4(図3に示す)が配設されている。大入賞口41は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、表示枠体27の左方の遊技領域H1には、普通図柄作動ゲート42が配設されている。普通図柄作動ゲート42の奥方には、該普通図柄作動ゲート42へ入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW5(図3に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート42は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件のみを付与し得る。
また、遊技盤YBの遊技領域H1の最下方(下大入賞口41よりも下方)には、遊技領域H1に発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト球口43が形成されている。アウト球口43を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
また、上皿16には、押しボタン式の操作ボタン29が配設されている。この操作ボタン29が押下操作されると、操作ボタン29に接続されているサブ統括制御基板46(図3参照)に操作信号が出力される。サブ統括制御基板46は、操作ボタン29の操作が有効となる所定の操作有効期間中に操作ボタン29から操作信号を入力すると、演出表示装置28の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御して表示演出を実行させる。すなわち、操作ボタン29が所定のタイミングで操作されると、数字などが表示されるようになっている。従って、本実施形態の操作ボタン29は、遊技者により操作される操作手段となる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率(通常状態)である通常確率(本実施形態では2/631)から高確率(本実施形態では10/631)に変動する確変状態を付与する機能である。また、確変状態が付与されると、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート42の通過に基づく普通図柄変動ゲームの抽選確率(当り当選確率)が低確率である通常確率から高確率に変動する入球率向上状態が特典として付与されるようなっている。
入球率向上状態において、下始動入賞口34の開閉羽根35は、確変状態が付与されている場合と、入球率向上状態が付与されていない通常状態の場合とでは、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。通常状態時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根35が1回開放し、開放してから100ms経過するまで開放状態を維持するようになっている。また、確変状態時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根35が開放する回数が増加(例えば、3回)するとともに、1回の開放において開放してから1400ms(通常状態に比較して長い時間)が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉羽根35は、確変状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。また、確変状態は、次の大当りが生起される迄の間、付与される。ただし、確変状態において、入球率向上状態は、大当り遊技終了後、図柄変動ゲームが大当りとなるまで又は図柄変動ゲームが100回行われるときまで付与されるようになっている。
本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する(抽選確率が高確率である状態が付与される)大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(抽選確率が低確率である非確変状態が付与される)大当りが非確変大当りとなる。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、飾り図柄による大当り図柄の種類から、大当りの種類を認識できないように構成されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動時間短縮(以下、「時短」と示す)機能を備えている。時短機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)を低確率(通常状態)として、入球率向上状態を特典として付与する機能である。すなわち、開閉羽根35は、時短状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。そして、時短状態は、予め定めた回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、時短状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの開始時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与されなかった場合に、時短状態が付与されるようになっている。
そして、本実施形態では、大当り遊技が付与されると、付与された大当り遊技の種類に応じて大入賞口扉40が開動作して大入賞口41が開放され、その開放により遊技球の入球が許容される。このため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示されることを契機に付与される。
大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉40の開動作により大入賞口41が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数(ラウンド遊技の上限回数)を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技が開始してから予め定めたラウンド遊技時間が経過する、又は予め定めた入球上限個数の遊技球が入球するという何れか一方の条件を満たすことにより終了する。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当りとして大当り遊技中のラウンド遊技の規定ラウンド数を16回と定める16ラウンド大当りと、規定ラウンド数を2回と定める2ラウンド大当りとが設けられている。16ラウンド大当りが遊技者に付与される場合には、規定ラウンド数を16回と定める大当り遊技が付与され、2ラウンド大当りが遊技者に付与される場合には、規定ラウンド数を2回と定める大当り遊技が付与される。また、本実施形態には、内部抽選によって、大当り(16ラウンド大当り及び2ラウンド大当り)とは別に決定される小当りが設けられている。当該小当りは、前記内部抽選によって決定される。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10で付与される大当り遊技及び小当り遊技について、詳しく説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、3種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技の種類が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、3種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技を付与するかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。本実施形態において6種類の特別図柄の大当り図柄は、特別図柄[0][1]、特別図柄[2][3]、特別図柄[4][5]の3種類に分類される。
特別図柄[0][1]に基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「16回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口41を「3回」開放させることにより大当り遊技中に大入賞口41を「48回(16回×3回)」開放させる大当り遊技となっている。以下、特別図柄[0][1]に基づく大当り遊技を「48回開放大当り遊技」と示す場合がある。そして、48回開放大当り遊技は、オープニング演出時間として「7000(ms)」が、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間として「9800(ms)」が、エンディング演出時間として「10000(ms)」が設定されている。なお、特別図柄[0]に基づく大当り遊技は、大入賞口41を開放させて行い、その大当り遊技終了後には時短状態(最大100回)が付与されるようになっており、特別図柄[1]に基づく大当り遊技は、大入賞口41を開放させて行い、その大当り遊技終了後には確変状態が付与されるようになっている。
また、48回開放大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「10球」に設定されている。なお、大当り遊技の各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もある。このため、48回開放大当り遊技では、1回のラウンド遊技中における大入賞口41の開放回数「3回」は上限数であって、大当り遊技全体において最大「48回」開放することになる。また、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間である「9800(ms)」は最大時間となる。
特別図柄[2][3]に基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「16回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口41を「1回」開放させることにより大当り遊技中に大入賞口を「16回」開放させる大当り遊技となっている。以下、特別図柄[2][3]に基づく大当り遊技を「16回開放大当り遊技」と示す場合がある。16回開放大当り遊技は、オープニング演出時間として「7000(ms)」が、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間として「2600(ms)」が、エンディング演出時間として「10000(ms)」が設定されている。また、16回開放大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「10球」に設定されている。また、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間である「2600(ms)」は最大時間となる。なお、特別図柄[2]に基づく大当り遊技は、大入賞口41を開放させて行い、その大当り遊技終了後には時短状態(最大100回)が付与されるようになっており、特別図柄[3]に基づく大当り遊技は、大入賞口41を開放させて行い、その大当り遊技終了後には確変状態が付与されるようになっている。
特別図柄[4][5]に基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「2回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口41を「1回」開放させることにより大当り遊技中に大入賞口を「2回」開放させる大当り遊技となっている。以下、特別図柄[4][5]に基づく大当り遊技を「2回開放大当り遊技」と示す場合がある。そして、2回開放大当り遊技は、オープニング演出時間として「100(ms)」が、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間(大入賞口41の1回当たりの開放時間)として「300(ms)」が、エンディング演出時間として「100(ms)」が設定されている。また、2回開放大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「9球」に設定されている。なお、特別図柄[4]に基づく大当り遊技は、大入賞口41を開放させて行い、その大当り遊技終了後には時短状態(最大100回)が付与されるようになっており、特別図柄[5]に基づく大当り遊技は、大入賞口41を開放させて行い、その大当り遊技終了後には確変状態が付与されるようになっている。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、小当り抽選に当選した場合、特別図柄として[6]が表示され、小当り遊技が付与されるようになっている。特別図柄[6]に基づく小当り遊技は、規定ラウンド数を「1回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口41を「2回」開放させることにより小当り遊技中に大入賞口41を「2回」開放させる小当り遊技となっている。以下、特別図柄[6]に基づく小当り遊技を「2回開放小当り遊技」と示す場合がある。そして、2回開放小当り遊技は、オープニング演出時間として「100(ms)」が、大入賞口41の1回当たりの開放時間として「300(ms)」が、エンディング演出時間として「100(ms)」が設定されている。また、2回開放小当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「9球」に設定されている。
このように、2ラウンド大当りの大当り遊技におけるオープニング演出の時間、大入賞口41の1回当りの開放時間、エンディング演出の時間は、それぞれ小当り遊技のオープニング演出の時間、大入賞口41の1回当りの開放時間、エンディング演出の時間と同一である。また、2ラウンド大当りの大当り遊技における演出内容は、それぞれ小当り遊技の演出内容と同一である。このため、遊技者は、小当り遊技と2ラウンド大当りの大当り遊技を見た目から区別しにくくなっている。
また、16ラウンド大当り及び2ラウンド大当りには、大当り遊技終了後に確変状態が付与される確変大当りと、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない非確変大当りとがある。他方、小当りによる小当り遊技の終了後には、遊技状態が当該小当りの当選時の遊技状態を継続するようになっている。すなわち、小当り遊技の終了後には、遊技状態が移行しないようになっている。このため、小当り遊技の終了後には、小当り当選時の遊技状態が、大当りの当選確率が低確率である通常状態である場合には確変状態又は時短状態に移行しない。一方、遊技状態が大当りの当選確率が高確率である確変状態である場合には確変状態が継続されるようになっている。また、遊技状態が時短状態である場合には、時短状態が継続されるようになっている。
また、本実施形態では飾り図柄による大当り図柄から確変状態及び時短状態が付与されるか否かが完全に認識し得ないようになっている(認識できる場合もある)。また、大当り遊技における演出内容と、大当りとなる図柄変動ゲームの演出内容は、遊技状態(確変状態、時短状態又は通常状態)に係わらず同一であり、また、演出内容の振り分け(出現率)も同一であるため、演出内容から確変状態が付与されるか否かが完全に認識し得ないようになっている(認識できる場合もある)。すなわち、本実施形態のパチンコ機10は、確変状態が付与されるか否かを秘匿するようになっている。
以下、16回開放大当り遊技及び48回開放大当り遊技について、さらに詳しく説明する。
16回開放大当り遊技では、大当り遊技の開始に伴って最初にオープニング演出(オープニング演出時間「7000(ms)」)が行われるとともに、オープニング演出の終了後に1回目〜16回目までの各ラウンド遊技(「1R」〜「16R」)が順に行われ、最後にエンディング演出(エンディング演出時間「10000(ms)」)が行われる。16回開放大当り遊技の各ラウンド遊技では、大入賞口41の開閉動作回数が「1回」に設定されており、大入賞口41が開放してから閉鎖するまでの1回の開閉動作に係る時間(以下、「開放時間」とも言う)は「2600(ms)」に設定されている。また、16回開放大当り遊技では、1回のラウンド遊技が終了すると、予め定めたラウンド間インターバルの経過後に次回のラウンド遊技が開始するようになっている。そして、ラウンド間インターバルの期間を示すラウンド間インターバル時間は、「1000(ms)」に設定されている。
このため、16回開放大当り遊技では、ラウンド遊技が開始すると、「2600(ms)」の間、大入賞口41が開放し、その開放時間の経過に伴って大入賞口41が閉鎖して1回のラウンド遊技が終了する。そして、ラウンド遊技終了後に「1000(ms)」のラウンド間インターバルを経て次のラウンド遊技が開始する。これらの動作を、16回のラウンド遊技分繰り返す。
48回開放大当り遊技では、大当り遊技の開始に伴って最初にオープニング演出(オープニング演出時間「7000(ms)」)が行われるとともに、オープニング演出の終了後に1回目〜16回目までの各ラウンド遊技(「1R」〜「16R」)が順に行われ、最後にエンディング演出(エンディング演出時間「10000(ms)」)が行われる。48回開放大当り遊技の各ラウンド遊技では、大入賞口41の開閉動作回数が「3回」に設定されており、大入賞口41が開放してから閉鎖するまでの1回の開閉動作に係る開放時間は「2600(ms)」に設定されている。この開放時間は、16回開放大当り遊技で設定される開放時間と同一時間に設定されている。
また、48回開放大当り遊技では、1回のラウンド遊技において大入賞口41が3回開放する場合、大入賞口41の1回目の開放が終了すると、予め定めたラウンド内インターバルの経過後に2回目の開放が開始するとともに、2回目の開放が終了すると、予め定めたラウンド内インターバルの経過後に3回目の開放が開始するようになっている。そして、ラウンド内インターバルの期間を示すラウンド内インターバル時間は、「1000(ms)」に設定されている。
また、48回開放大当り遊技では、1回のラウンド遊技が終了すると、予め定めたラウンド間インターバルの経過後に次回のラウンド遊技が開始するようになっている。そして、ラウンド間インターバルの期間を示すラウンド間インターバル時間は、「1000(ms)」に設定されている。このラウンド間インターバル時間は、16回開放大当り遊技で設定されるラウンド間インターバル時間と同一時間に設定されている。
このため、48回開放大当り遊技では、ラウンド遊技が開始すると、「2600(ms)」の間、大入賞口41が1回目の開放を行い、その開放時間の経過に伴って大入賞口41が閉鎖し、「1000(ms)」のラウンド内インターバルを経て大入賞口41が2回目の開放を行う。また、2回目の開放に基づく開放時間の経過に伴って大入賞口41が再び閉鎖し、「1000(ms)」のラウンド内インターバルを経て大入賞口41が3回目の開放を行う。そして、3回目の開放に基づく開放時間の経過に伴って大入賞口41が再び閉鎖して1回のラウンド遊技が終了する。そして、ラウンド遊技終了後に「1000(ms)」のラウンド間インターバルを経て次のラウンド遊技が開始する。これらの動作を16回のラウンド遊技分繰り返すことにより、48回開放大当り遊技では、大入賞口41が最大「48回」開放することになる。
本実施形態において、16回開放大当り遊技及び48回開放大当り遊技は、それぞれの大当り遊技を構成するラウンド遊技の上限回数(規定ラウンド数)が何れも「16回」で同一回数に設定されているとともに、大入賞口41の1回の開閉動作に係る開放時間が何れも「2600(ms)」で同一時間に設定されている。その一方で、1回のラウンド遊技における大入賞口41の開閉動作回数は「1回」又は「3回」というように異なる回数に設定されているとともに、1回のラウンド遊技におけるラウンド遊技時間も異なる時間に設定されている。なお、16回開放大当り遊技のラウンド遊技時間は、ラウンド遊技中に1回のみ大入賞口41が開放することから、「2600(ms)」となる。また、48回開放大当り遊技のラウンド遊技時間は、1回のラウンド中に3回、大入賞口41が開放することから、3回の開放時間(2600(ms)×3)と2回のラウンド内インターバル時間(1000(ms)×2)を加算した「9800(ms)」となる。
これらの2種類の大当り遊技は、同じラウンド回数(16回)の大当り遊技であるが、大入賞口41の1回の開放時間や各インターバル時間を同一時間に設定する一方で、1回のラウンド遊技中の大入賞口41の開閉動作回数を相違させることにより、遊技者からは大当り遊技の種類を判別できず、いつ大当り遊技が終了するのか分からなくなる。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について図3にしたがって説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御装置としての主制御基板45が装着されている。主制御基板45は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板46と、演出表示制御基板47と、音声・ランプ制御基板48が装着されている。本実施形態では、サブ統括制御基板46と、演出表示制御基板47と、音声・ランプ制御基板48によって副制御装置が構成されている。
サブ統括制御基板46は、主制御基板45が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48を統括的に制御する。演出表示制御基板47は、主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置28の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板48は、主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種ランプ部17〜19,27bの発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)及びスピーカ20,21,25の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板45、サブ統括制御基板46及び演出表示制御基板47について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板45には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU45aと、主制御用CPU45aの制御プログラムを格納する主制御用ROM45bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM45cが設けられている。主制御用CPU45aには、主制御用ROM45bと主制御用RAM45cが接続されている。また、主制御用CPU45aには、上始動入賞口33に入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1と、下始動入賞口34に入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2が接続されている。また、主制御用CPU45aには、大入賞口41に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW4と、普通図柄作動ゲート42を通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW5が接続されている。また、主制御用CPU45aには、図柄表示基板49を介して、特別図柄表示装置30と普通図柄表示装置31が接続されている。図柄表示基板49は、特別図柄表示装置30及び普通図柄表示装置31と対応する位置にそれぞれ装着されており、主制御基板45が出力する制御信号を入力し、特別図柄表示装置30及び普通図柄表示装置31の表示内容を制御する。
主制御用CPU45aは、大当り判定用乱数、小当り判定用乱数、特別図柄用乱数や変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAM45cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。小当り判定用乱数は、小当りとするか否かの小当り抽選(小当り判定)で用いる乱数である。特別図柄用乱数は、大当りとする場合に特別図柄表示装置30に確定停止表示させる特別図柄としての大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、図柄変動ゲームの変動時間と演出内容(大当り演出、はずれ演出など)を決定する際に用いる乱数である。また、本実施形態の主制御用CPU45aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
主制御用ROM45bには、前記制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンと各種判定値(大当り判定値など)が記憶されている。変動パターンは、演出表示装置28及び特別図柄表示装置30において図柄の変動開始による図柄変動ゲームが開始してから、演出表示装置28及び特別図柄表示装置30において図柄が確定停止表示されて図柄変動ゲームが終了するまでの変動時間と演出内容を特定するためのパターンである。この変動パターンに基づき特別図柄表示装置30では、特別図柄の変動が開始してから、変動パターンに定める変動時間の経過時に変動が停止し、特別図柄が確定停止表示される図柄変動ゲームが実行される。一方、変動パターンに基づき演出表示装置28では、飾り図柄の変動が開始してから、変動パターンで特定される演出内容で各種遊技演出が行われるとともに変動パターンに定める変動時間の経過時に変動が停止し、飾り図柄による図柄組み合わせを確定停止表示させる図柄変動ゲームが実行される。そして、変動パターンは、16ラウンド大当り演出用、2ラウンド大当り演出用、小当り演出用、はずれリーチ演出用及びはずれ演出用からなる演出内容毎に分類されている。
16ラウンド大当り演出では、演出表示装置28において図柄変動ゲームがリーチ演出を経て最終的に大当り図柄(飾り図柄)を確定停止表示させるように展開されるとともに、特別図柄表示装置30において図柄変動ゲームが大当り図柄(特別図柄)を確定停止表示させるように展開される。
2ラウンド大当り演出では、演出表示装置28において図柄変動ゲームが最終的に所定のチャンス図柄(飾り図柄)を確定停止表示させるように展開されるとともに、特別図柄表示装置30において図柄変動ゲームが大当り図柄(特別図柄)を確定停止表示させるように展開される。なお、本実施形態のチャンス図柄は、はずれ図柄のうち、例えば、[123]というように、予め決められた図柄組み合わせとなっている。また、小当り演出では、演出表示装置28において図柄変動ゲームが最終的に所定のチャンス図柄(飾り図柄)を確定停止表示させるように展開されるとともに、特別図柄表示装置30において図柄変動ゲームが小当り図柄(特別図柄)を確定停止表示させるように展開される。なお、2ラウンド大当り演出と、小当り演出とでは、特別図柄表示装置30に表示される特別図柄以外は、実行される遊技演出の演出内容及び変動時間などが同じであるため、演出表示装置28の遊技内容から図柄変動ゲームが2ラウンド大当りとなるか否かを判別できないようになっている。
はずれリーチ演出は、演出表示装置28において図柄変動ゲームがリーチ演出を経て最終的にはずれ図柄(飾り図柄)を確定停止表示させるように展開されるとともに、特別図柄表示装置30において図柄変動ゲームがはずれ図柄(特別図柄)を確定停止表示させるように展開される。はずれ演出は、演出表示装置28において図柄変動ゲームがリーチ演出を経ることなく最終的にはずれ図柄(飾り図柄)を確定停止表示させるように展開されるとともに、特別図柄表示装置30において図柄変動ゲームがはずれ図柄(特別図柄)を確定停止表示させるように展開される。なお、特別図柄表示装置30では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。
大当り判定値は、大当り判定で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。例えば、大当り判定用乱数の取り得る数値を「0(零)」〜「630」までの全631通りの整数に設定し、その値の中から大当り判定値として2つの値を設定した場合、大当り判定が肯定判定される割合、すなわち大当りの当選確率は631分の2となる。なお、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かでその数が異なっており、確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では10個)は、通常状態時の大当り判定値の数(本実施形態では2個)よりも多く設定されている。また、主制御用ROM45bには、小当り判定値が記憶されている。小当り判定値は、小当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、小当り判定用乱数の取り得る数値(本実施形態では「0(零)」〜「630」までの全631通りの整数)の中から定められている。なお、小当り判定値の数(本実施形態では4個)は、通常状態時の大当り判定値の数(本実施形態では2個)よりも多く設定されている。
また、主制御用ROM45bには、16回開放大当り遊技における演出パターン及び48回開放大当り遊技における演出パターンが、オープニング演出用、ラウンド演出用、エンディング演出用に分類されてそれぞれ記憶されている。また、主制御用ROM45bには、2ラウンド大当りとなったときの大当り遊技における演出パターンが、オープニング演出用、ラウンド演出用、エンディング演出用に分類されて記憶されている。なお、2ラウンド大当りとなったときの大当り遊技における演出パターンは、小当りとなったときの小当り遊技における演出パターンと同一である。このため、遊技者は、2ラウンド大当りとなったときの大当り遊技と、小当りとなったときの小当り遊技とを演出内容から区別しにくくなっている。つまり、図柄変動ゲームが2ラウンド大当りとなったか否かを判別しにくくなる。
次に、サブ統括制御基板46について説明する。
サブ統括制御基板46には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU46aと、統括制御用CPU46aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM46bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM46cが設けられている。統括制御用CPU46aには、統括制御用ROM46bと統括制御用RAM46cが接続されている。そして、統括制御用CPU46aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、統括制御用CPU46aには、操作ボタン29が接続されており、検知信号を入力可能に構成されている。
次に、演出表示制御基板47について説明する。
演出表示制御基板47には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU47aと、表示制御用CPU47aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM47bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM47cが設けられている。表示制御用CPU47aには、演出表示装置28(画像表示部GH)が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU47aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。表示制御用ROM47bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
以下、主制御基板45、サブ統括制御基板46及び演出表示制御基板47が実行する制御内容を説明する。最初に、主制御基板45、サブ統括制御基板46及び演出表示制御基板47が実行する制御内容として、図柄変動ゲームの実行に係る制御内容を説明する。
主制御基板45の主制御用CPU45aは、上始動入賞口33又は下始動入賞口34へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW1,SW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM45cに記憶されている特別図柄用の保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特別図柄用の保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU45aは、特別図柄用の保留記憶数を1加算(+1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU45aは、保留判定を肯定判定している場合、大当り判定用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、その取得した大当り判定用乱数の値を特別図柄用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU45aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特別図柄用の保留記憶数の書き換えを行わないとともに、大当り判定用乱数の値を取得しない。
そして、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納した大当り判定用乱数の値を読み出し、その読み出した大当り判定用乱数の値と主制御用ROM45bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りか否かの大当り判定を行う。なお、本実施形態において、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かで変更されるようになっている。そして、通常状態の時(低確率の時)、大当り判定の判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、2/631としており、確変状態の時(高確率の時)、大当り判定の判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、10/631としている。大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU45aは、大当りを決定する。
大当りを決定した主制御用CPU45aは、特別図柄用乱数を取得し、当該特別図柄用乱数の値をもとに、特別図柄表示装置30で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる大当り図柄(特別図柄)を決定する。特別図柄の大当り図柄は、大当り遊技の種類毎に振り分けられていることから、大当り図柄を決定することによって遊技者に付与する大当り遊技の種類を決定したことになる。なお、本実施形態では、特別図柄用乱数は、各大当り図柄に振り分けられている。そして、主制御用CPU45aは、20/100の確率で大当り図柄[0]を決定し、30/100の確率で大当り図柄[1]を決定し、10/100の確率で大当り図柄[2]を決定する。また、主制御用CPU45aは、20/100の確率で大当り図柄[3]を決定し、5/100の確率で大当り図柄[4]を決定し、15/100の確率で大当り図柄[5]を決定する。そして、大当り図柄を決定した主制御用CPU45aは、決定した大当り図柄を主制御用RAM45cに記憶する。
また、大当りを決定した主制御用CPU45aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、決定した大当り図柄(特別図柄)が[0]〜[3]である場合には、16ラウンド大当り演出用の変動パターンP1,P2の中から、取得した変動パターン振分用乱数の値に対応する変動パターンを選択して決定する。また、主制御用CPU45aは、決定した大当り図柄(特別図柄)が[4]〜[5]である場合には、2ラウンド大当り演出用の変動パターンP3の中から、取得した変動パターン振分用乱数の値に対応する変動パターンを選択して決定する。
一方、主制御用CPU45aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、小当り判定用乱数の値が主制御用ROM45bに記憶されている小当り判定値と一致するか否かを判定して小当り判定を行う。なお、小当りとなる確率は、4/631としている。小当り判定の判定結果が肯定の場合(小当りの場合)、主制御用CPU45aは、小当りを示す特別図柄[6]を確定停止表示させる特別図柄として決定する。そして、特別図柄を決定した主制御用CPU45aは、決定した特別図柄を主制御用RAM45cに記憶する。また、小当りを決定した主制御用CPU45aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、該値に対応する変動パターンを小当り演出用の変動パターンP4の中から選択して決定する。
一方、主制御用CPU45aは、小当り判定の判定結果が否定(小当り判定用乱数の値と小当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、はずれを決定した主制御用CPU45aは、はずれリーチ演出を実行するか否かを乱数抽選で決定する。はずれリーチ演出の実行を決定した場合、主制御用CPU45aは、特別図柄表示装置30に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、該値に対応する変動パターンをはずれリーチ演出用の変動パターンP5,P6の中から選択して決定する。一方、はずれリーチ演出の非実行を決定した場合、主制御用CPU45aは、前述同様にはずれ図柄を決定するとともに、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、該値に対応する変動パターンをはずれ演出用の変動パターンP7,P8の中から選択して決定する。
特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU45aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板46(統括制御用CPU46a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU45aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。次に、主制御用CPU45aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを出力する。本実施形態では、特別図柄として大当り図柄を指示する場合の停止図柄指定コマンドが、大当り図柄コマンドとなる。そして、主制御用CPU45aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを出力する。また、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始時に特別図柄用の保留記憶数を1減算(−1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。そして、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置30の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始により特別図柄の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特別図柄(大当り図柄、小当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
次に、サブ統括制御基板46について説明する。
サブ統括制御基板46の統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力する。また、統括制御用CPU46aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、その停止図柄指定コマンドに対応する特別図柄の停止図柄指定に応じて演出表示装置28に停止表示させる図柄組み合わせを構成する飾り図柄を決定する。また、統括制御用CPU46aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力した際、特別図柄の停止図柄指定として大当り図柄が指定されている場合には、その指定された特別図柄の大当り図柄を統括制御用RAM46cに記憶する。また、統括制御用CPU46aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力する。
統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンの種類と停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)の種類から、演出表示装置28で実行される図柄変動ゲームにおいて導出する飾り図柄の図柄組み合わせを構成する各列の図柄を決定する。具体的に言えば、統括制御用CPU46aは、16ラウンド大当り演出用の変動パターンが指定され、かつ特別図柄の停止図柄指定が大当り図柄の場合には、最終的に確定停止表示させる前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄として大当り図柄を決定する。また、統括制御用CPU46aは、2ラウンド大当り演出用の変動パターンが指定され、かつ特別図柄の停止図柄指定が大当り図柄の場合には、最終的に確定停止表示させる前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄としてチャンス図柄を決定する。同様に、統括制御用CPU46aは、小当り演出用の変動パターンが指定され、かつ特別図柄の停止図柄指定が小当り図柄の場合には、最終的に確定停止表示させる前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄としてチャンス図柄を決定する。
また、統括制御用CPU46aは、はずれ演出用の変動パターンが指定され、特別図柄の停止図柄指定がはずれ図柄の場合には、最終的に確定停止表示させる前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄としてはずれ図柄を決定する。このとき、統括制御用CPU46aは、飾り図柄のはずれ図柄として左右列の図柄が同一図柄となるリーチ図柄を含めずに決定する。一方、統括制御用CPU46aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指定され、特別図柄の停止図柄指定がはずれ図柄の場合には、最終的に確定停止表示させる前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄としてはずれ図柄を決定する。このとき、統括制御用CPU46aは、飾り図柄のはずれ図柄として左右列の図柄が同一図柄となるリーチ図柄を含めて決定する。そして、飾り図柄を決定した統括制御用CPU46aは、飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板47に出力する。
次に、演出表示制御基板47について説明する。
演出表示制御基板47の表示制御用CPU47aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU47aは、選択した演出内容をもとに表示制御用ROM47bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。
そして、表示制御用CPU47aは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、2ms毎)に切り替える。そして、表示制御用CPU47aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された図柄を画像表示部GHに確定停止表示させるように画像表示部GHの表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。
次に、主制御基板45、サブ統括制御基板46及び演出表示制御基板47が実行する制御内容として、大当り遊技の実行に係る制御内容を説明する。
主制御用CPU45aは、大当り図柄[0][1]を決定した場合、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、48回開放大当り遊技の制御を開始し、サブ統括制御基板46に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、主制御用CPU45aは、最初に、オープニング演出における演出パターンを指定するオープニングコマンドを出力する。次に、主制御用CPU45aは、各ラウンド遊技の開始時に、各ラウンド演出における演出パターンを指定するラウンドコマンドを出力する。その際、主制御用CPU45aは、ラウンド遊技毎に最大3回、大入賞口扉40を開閉させる。そして、主制御用CPU45aは、最終ラウンドの終了時に、エンディング演出における演出パターンを指定するエンディングコマンドを出力して、大当り遊技を終了させる。その際、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲーム終了時に表示した特別図柄(最終停止図柄)に基づき、各種フラグを設定する。
具体的には、主制御用CPU45aは、最終停止図柄として特別図柄による大当り図柄[1]を決定した場合、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグを主制御用RAM45cに設定する。また、主制御用CPU45aは、最終停止図柄として特別図柄による大当り図柄[0]を決定した場合、遊技状態が時短状態であることを示す時短フラグを主制御用RAM45cに設定する。また、特別図柄による大当り図柄[1]が最終停止図柄として指定された場合、統括制御用CPU46aは、遊技状態が確変状態であることを示す確変状態フラグを統括制御用RAM46cに設定する。同様に、特別図柄による大当り図柄[0]が最終停止図柄として指定された場合、統括制御用CPU46aは、遊技状態が時短状態であることを示す時短状態フラグを統括制御用RAM46cに設定する。
同様に、主制御用CPU45aは、大当り図柄[2]〜[5]を決定した場合、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技の制御を開始し、サブ統括制御基板46に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。なお、主制御用CPU45aは、各種フラグを設定する際、最終停止図柄として特別図柄による大当り図柄[3][5]を決定した場合には、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグを主制御用RAM45cに設定する。また、主制御用CPU45aは、最終停止図柄として特別図柄による大当り図柄[2][4]を決定した場合には、遊技状態が時短状態であることを示す時短フラグを主制御用RAM45cに設定する。また、特別図柄による大当り図柄[3][5]が最終停止図柄として指定された場合、統括制御用CPU46aは、遊技状態が確変状態であることを示す確変状態フラグを統括制御用RAM46cに設定する。同様に、特別図柄による大当り図柄[2][4]が最終停止図柄として指定された場合、統括制御用CPU46aは、遊技状態が時短状態であることを示す時短状態フラグを統括制御用RAM46cに設定する。
次に、主制御基板45による小当り遊技の実行に係る制御内容を説明する。
主制御用CPU45aは、小当り図柄[6]を決定した場合、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、小当り遊技の制御を開始し、サブ統括制御基板46に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、主制御用CPU45aは、最初に、オープニング演出における演出パターンを指定するオープニングコマンドを出力する。次に、主制御用CPU45aは、各ラウンド遊技の開始時に、各ラウンド演出における演出パターンを指定するラウンドコマンドを出力する。その際、主制御用CPU45aは、ラウンド遊技毎に大入賞口扉40を開閉させる。そして、主制御用CPU45aは、最終ラウンドの終了時に、エンディング演出における演出パターンを指定するエンディングコマンドを出力して、大当り遊技を終了させる。なお、その際、主制御用CPU45aが、図柄変動ゲーム終了時に表示した特別図柄(最終停止図柄)に基づき、各種フラグを設定することはない。
以上のように、本実施形態の主制御用CPU45aは、大当りとするか否かを判定する大当り判定手段となる。また、主制御用CPU45aは、確変状態を付与するか否かを判定する確変判定手段となる。また、主制御用CPU45aは、変動パターンを決定する変動パターン決定手段となる。また、表示制御用CPU47aは、図柄変動ゲームを演出表示装置28に実行さえる演出制御手段となる。
そして、本実施形態のパチンコ機10には、異なる演出態様で遊技演出を行わせることが可能な複数(本実施形態では2種類)の演出モードが設けられている。本実施形態では、通常演出モードとしての演出モード1と、特別演出モードとしての演出モード2が設けられている。本実施形態において演出モード2では、演出モード1では実行されない特別な示唆演出が実行されるようになっている。前記示唆演出は、図柄変動ゲームが大当りとなる可能性を図柄変動ゲームの終了前(結果が表示される前)に予め示唆する、又は確変状態が付与されているか否かを示唆する演出である。演出モード2は、2ラウンド大当り遊技終了後に移行するようになっており、大当り又は所定回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが実行されたときに終了する(演出モード1に移行する)ようになっている。
そして、演出モード2が開始されると、本実施形態では、図9、図10に示すように、所定回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームに亘って、示唆演出が実行されて、キャラクタKが戦場を走り回っている様子が表示される。そして、所定の変動パターンに基づく図柄変動ゲームが開始されると、当該示唆演出にて、敵キャラクタが出現して操作ボタン29の操作に応じて敵キャラクタが倒される表示演出、又は(操作ボタン29の操作なしで)敵キャラクタを倒す表示演出が行われるようになっている。
より詳しく説明すると、所定の変動パターンに基づく図柄変動ゲームが開始されると、示唆演出では、期待値が累積値に加算される、又は取得可能期待値が表示され、操作ボタン29の操作を促し、操作ボタン29の操作に応じて期待値が取得され、当該取得した期待値が累積値に加算される。前記期待値とは、図柄変動ゲームが大当りとなる可能性を示す値又は確変状態が付与されている可能性を示す値であり、本実施形態では、図柄変動ゲームにおいて倒した敵の数として表現される。また、取得可能期待値は、示唆演出が開始された図柄変動ゲームにおいて取得することが期待できる期待値の最大数を示しており、本実施形態では、図柄変動ゲームにおいて出現した敵の数として表現される。また、累積値は、演出モード2が開始されてから表示した(取得した)期待値を順次累積加算した値であり、演出モード2が終了するまで複数の図柄変動ゲームに亘って累積値を表示するようになっている。すなわち、演出モード2中に倒した敵の総数が累積値に相当する。なお、統括制御用CPU46aは、特別図柄による大当り図柄([4][5])を決定した場合、演出モードが演出モード2に移行したことを示すモードフラグに[1]を統括制御用RAM46cに設定する。また、表示制御用CPU47aは、2ラウンド大当り演出用の変動パターンが指定された場合、演出モードが演出モード2に移行したことを示すモードフラグに[1]を表示制御用RAM47cに設定する。
以下、演出モード2におけるサブ統括制御基板46及び演出表示制御基板47の制御内容を説明する。
サブ統括制御基板46の統括制御用CPU46aは、主制御基板45から変動パターン指定コマンドを入力すると、モードフラグに[1]が設定されているか否か、すなわち、演出モード2に移行中であるか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、示唆演出を実行させるために、図5〜図6に示す演出実行処理を実行する。
まず、統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが予め決められた第1変動パターンであるか否かを判定する(ステップS101)。本実施形態において、前記第1変動パターンは、図4に示すように、はずれ演出用の変動パターンのうち、変動パターンP7とされている。この判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cを参照して、確変状態フラグに[1]が設定されているか否か、すなわち、遊技状態が確変状態であるか否かを判定する(ステップS102)。この判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、第1変動パターン用の期待値決定テーブルの高確率テーブルから示唆演出における期待値を決定する(ステップS103)。前記第1変動パターン用の期待値決定テーブルは、図7に示すように、期待値を決定するために使用するテーブルであり、高確率テーブルと、低確率テーブルの2つのテーブルから構成されている。図7(a)に示すように、高確率テーブルは、確変状態フラグに[1]が設定されるとき(確変状態時)に選択されるテーブルであり、期待値毎に期待値決定用乱数が振り分けられている。期待値決定用乱数は、「0〜99」までの全100通りの整数からなり、所定の周期毎に順次更新されるようになっている。例えば、第1変動パターンが指定されて、確変状態である場合、統括制御用CPU46aは、10/100の確率で期待値「100」を決定し、20/100の確率で期待値「500」を決定し、30/100の確率で期待値「1000」を決定し、40/100の確率で期待値「2000」を決定するようになっている。そして、統括制御用CPU46aは、期待値を決定すると、当該期待値を指定する制御コマンドを演出表示制御基板47に出力する。
一方、ステップS102の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU46aは、第1変動テーブル用の期待値決定テーブルを構成する低確率テーブルを参照して、示唆演出における期待値を決定する(ステップS104)。低確率テーブルは、図7(a)に示すように、確変状態フラグに[0]が設定されるとき(低確率状態時)に選択されるテーブルであり、期待値毎に期待値決定用乱数が振り分けられている。例えば、第1変動パターンが指定されて、非確変状態である場合、統括制御用CPU46aは、5/100の確率で期待値「1」を決定し、20/100の確率で期待値「50」を決定し、25/100の確率で期待値「100」を決定する。また、第1変動パターンが指定されて、非確変状態である場合、統括制御用CPU46aは、25/100の確率で期待値「500」を決定し、15/100の確率で期待値「1000」を決定し、10/100の確率で期待値「2000」を決定するようになっている。そして、統括制御用CPU46aは、期待値を決定すると、当該期待値を指定する制御コマンドを演出表示制御基板47に出力する。このように、第1変動パターン用の期待値決定テーブルにおいて、遊技状態が確変状態であるときには非確変状態であるときと比較して高確率で大きい値を期待値として設定されるように、期待値決定用乱数が振り分けられている。その一方、期待値決定テーブルにおいて、遊技状態が非確変状態であるときには確変状態であるときと比較して高確率で小さい値を期待値として設定されるように期待値決定用乱数が振り分けられている。
そして、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cの所定の記憶領域に記憶されている累積値に決定した期待値を加算するとともに、演出表示装置28に表示させるために加算後の累積値を指定する累積値指定コマンドを出力する(ステップS105)。なお、本実施形態において、累積値は、5桁の整数を10進法で表示可能に構成されており、統括制御用CPU46aは、累積値指定コマンドを出力する際、1桁ずつ累積値の値を指定するようになっている。例えば、累積値が「12550」であれば、統括制御用CPU46aは、最初に1の位の値「0」を指定し、次に10の位の値「5」を指定する累積値指定コマンドを出力する。次に、統括制御用CPU46aは、100の位の値「5」を指定する累積値指定コマンドを出力し、次に1000の位の値「2」を指定する累積値指定コマンドを出力し、最後に10000の位の値「1」を指定する累積値指定コマンドを出力する。これにより、累積値指定コマンドの数を減らすことができる。そして、統括制御用CPU46aは、演出実行処理を終了する。
一方、ステップS101の判定結果が否定の場合(第1変動パターンが指定されなかった場合)、統括制御用CPU46aは、第2変動パターンが指定されたか否かを判定する(ステップS106)。前記第2変動パターンは、図4に示すように、16ラウンド大当り演出用の変動パターンのうちの変動パターンP1、2ラウンド大当り演出用の変動パターンP3、小当り演出用の変動パターンP4、はずれリーチ演出用の変動パターンのうちの変動パターンP5から構成されている。ステップS106の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU46aは、演出実行処理を終了する。
一方、ステップS106の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、第2変動パターンに基づき、減算テーブルを決定する(ステップS107)。前記減算テーブルは、図8に示すように第1テーブルと、第2テーブルが存在し、変動パターン毎に決定する減算テーブルが予め設定されている(図4参照)。この減算テーブルは、操作ボタン29の操作を有効とするか否か、及び1回操作する毎に取得可能期待値がどれだけ減算されるか(期待値をどれだけ取得することができるか)を決定するテーブルである。詳しく説明すると、取得することができる残りの期待値を示す期待値残数が100より大きい値の場合に1回の操作ボタン29の操作により取得する期待値が、取得可能期待値毎に設定されている。また、期待値残数が100以下の場合に操作ボタン29の操作を有効とする確率及び1回の操作ボタン29の操作により取得する期待値が、取得可能期待値毎に設定されている。また、第2テーブルにおいては、期待値残数が10以下の場合に操作ボタン29の操作を有効とする確率が、取得可能期待値毎に設定されている。
例えば、第1テーブルが設定されており、取得可能期待値が1000であって、期待値残数が860の場合、操作ボタン29を1回操作することにより、期待値残数から140が減算される(取得期待値が140となる)。また、第1テーブルが設定されており、取得可能期待値が500であって、期待値残数が30の場合、操作ボタン29を1回操作すると、75/100の確率でその操作が有効となり、有効となった場合には期待値残数から7が減算される(取得期待値が7となる)。また、第2テーブルが設定されており、取得可能期待値が500であって、期待値残数が30の場合、操作ボタン29を1回操作すると、65/100の確率でその操作が有効となり、有効となった場合には期待値残数から7が減算される(取得期待値が7となる)。また、第2テーブルが設定されており、取得可能期待値が50であって、期待値残数が10の場合、操作ボタン29を1回操作しても、その操作が必ず無効となり、期待値残数から減算されることはない(取得期待値が0となる)。
統括制御用CPU46aは、期待値決定用乱数を取得して、当該期待値決定用乱数に基づき、第2変動パターン用の期待値決定テーブル(図7(b)参照)を参照して、取得可能期待値を決定する(ステップS108)。前記第2変動パターン用の期待値決定テーブルは、図7(b)に示すように、取得可能期待値を決定するために使用するテーブルであり、変動パターン毎に、取得することができる取得可能期待値が示されている。そして、各取得可能期待値には、それぞれ期待値決定用乱数が振り分けられている。例えば、変動パターンP1が指定された場合、統括制御用CPU46aは、5/100の確率で取得可能期待値「1」を決定し、20/100の確率で取得可能期待値「50」を決定し、30/100の確率で取得可能期待値「100」を決定する。そして、変動パターンP1が指定された場合、統括制御用CPU46aは、25/100の確率で取得可能期待値「500」を決定し、10/100の確率で取得可能期待値「1000」を決定し、10/100の確率で取得可能期待値「2000」を決定するようになっている。
図7(b)に示すように、第2変動パターン用の期待値決定テーブルでは、大当り判定が肯定の場合(変動パターンP1,P3が決定された場合)、否定の場合(変動パターンP4,P5が決定された場合)と比較して高確率で小さい値を取得可能期待値として設定されるように、期待値決定用乱数が振り分けられている。その一方、第2変動パターン用の期待値決定テーブルでは、大当り判定が否定の場合(変動パターンP4,P5が決定された場合)、肯定の場合(変動パターンP1,P3が決定された場合)と比較して高確率で大きい値を取得可能期待値として設定されるように、期待値決定用乱数が振り分けられている。
次に、統括制御用CPU46aは、決定した取得可能期待値を期待値残数として統括制御用RAM46cの所定領域に設定すると共に、演出表示装置28に表示させるために期待値残数を指定する残数指定コマンドを出力する(ステップS109)。前記期待値残数は、操作ボタン29の操作が有効となる操作有効期間中に、取得することが可能な期待値の残数を示すものである。そして、統括制御用CPU46aは、変動パターンに基づき、操作ボタン29の操作が有効となる操作有効期間を設定する(ステップS110)。なお、第2変動パターンに含まれる変動パターンにはそれぞれ操作有効期間が予め設定されている。
そして、統括制御用CPU46aは、操作ボタン29が操作されたか否かを判定する(ステップS111)。この判定結果が肯定の場合(操作された場合)、統括制御用CPU46aは、期待値残数の値が100以下となったか否かを判定する(ステップS112)。この判定結果が肯定の場合(100以下の場合)、統括制御用CPU46aは、ステップS108で決定した減算テーブルを参照して、期待値残数に応じて設定された操作が有効となる確率に基づき操作ボタン29の操作が有効とするか否かを判定する。そして、統括制御用CPU46aは、この判定が肯定であるときには操作ボタン29が1回操作されたときの取得期待値(取得可能期待値から減算する値)を決定する(ステップS113)。
そして、統括制御用CPU46aは、決定した取得期待値を期待値残数から減算し、減算した期待値残数を新たに演出表示装置28に表示させるように更新後の期待値残数を指定する残数指定コマンドを出力する(ステップS114)。そして、統括制御用CPU46aは、取得期待値を当該図柄変動ゲームにて獲得した総取得期待値に加算して、統括制御用RAM46cの所定記憶領域に記憶されている総取得期待値を更新する(ステップS115)。また、統括制御用CPU46aは、累積値に取得期待値を加算する(ステップS116)。
一方、ステップS112の判定結果が肯定の場合(100より大きい場合)、統括制御用CPU46aは、ステップS108で決定した減算テーブルを参照して、操作ボタン29が1回操作されたときの取得期待値を決定する(ステップS117)。なお、期待値残数が100より大きい場合、操作ボタン29の操作は必ず有効となるように設定されている。
そして、統括制御用CPU46aは、決定した取得期待値を期待値残数から減算し、減算した期待値残数を新たに演出表示装置28に表示させるように更新後の期待値残数を指定する残数指定コマンドを出力する(ステップS118)。そして、統括制御用CPU46aは、取得期待値を当該図柄変動ゲームにて獲得した総取得期待値に加算して、統括制御用RAM46cの所定記憶領域に記憶されている総取得期待値を更新する(ステップS119)。また、統括制御用CPU46aは、累積値に取得期待値を加算する(ステップS120)。
そして、ステップS111の判定結果が否定の場合(操作されなかった場合)、ステップS116の処理が終了した場合、及びステップS120の処理が終了した場合、統括制御用RAM46cは、操作有効期間が経過したか判定する(ステップS121)。この判定結果が肯定の場合(操作有効期間が経過した場合)、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cを参照して、累積値を読み出し、当該累積値を指定する累積値指定コマンドを出力する(ステップS122)。そして、統括制御用CPU46aは、演出実行処理を終了する。
一方、ステップS121の判定結果が否定の場合(操作有効期間が経過していない場合)、統括制御用RAM46cは、所定周期(本実施形態では4ms)待機し(ステップS123)、その後、ステップS111の処理を再び実行する。
次に、演出表示制御基板47の制御内容について説明する。
演出表示制御基板47の表示制御用CPU47aは、演出モード2であることを指定するモードフラグに「1」が設定されていると、図柄変動パターン指定コマンドを入力したとき、指定された変動パターンに基づき、図柄変動ゲームを実行させると共に、示唆演出を実行させる。
また、表示制御用CPU47aが統括制御用CPU46aから累積値指定コマンドを入力すると、当該累積値指定コマンドにより指定された累積値を表示させるように演出表示装置28の表示内容を制御する。本実施形態において累積値指定コマンドは、1の位から1桁ずつ順番に入力されるので、表示制御用CPU47aは、各桁の値を指定する累積値指定コマンドが揃った時点で累積値を表示させるように演出表示装置28の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU47aは、統括制御用CPU46aから期待値残数を指定する残数指定コマンドを入力すると、指定された期待値残数を表示させるように演出表示装置28の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU47aは、第2変動パターンが指定された場合、変動パターンに基づき、操作有効期間中には操作ボタン29の操作を促す表示演出を実行させるように演出表示装置28の表示内容を制御する。
以上のように、本実施形態では、2ラウンド大当り遊技終了後には、確変状態が付与されるか否かに関係なく、入球率向上状態が付与される。このため、遊技者は、開閉羽根35の動作態様から確変状態が付与されたか否かを判定することができない。また、遊技者が注視する演出表示装置28の図柄変動ゲームでは、確変状態が付与されるか否かに関係なく、大当り図柄を表示するようになっており、また、図柄変動ゲーム中に確変状態が付与されていることを示す演出を実行することもない。すなわち、遊技状態は秘匿されている。
そして、本実施形態の示唆演出において、統括制御用CPU46aは、指定された変動パターンが第1変動パターンであると判定した場合、図7(a)に示すように、遊技状態が確変状態であるときには非確変状態であるときと比較して高確率で大きい値を期待値として設定する。その一方、統括制御用CPU46aは、指定された変動パターンが第2変動パターンであると判定した場合、図7(b)に示すように、大当り演出用の変動パターンP1,P3が指定されたときには大当り演出用の変動パターンでないとき(変動パターンP4,P5のとき)と比較して高確率で小さい値を取得可能期待値として設定する。このように本実施形態では、大当りとなる可能性が高いときと、確変状態が付与されている可能性が高いときとでは、取得できる期待値に相反する値が設定されるようになっている。従って、取得する期待値の大きさが大小のいずれであっても、遊技者に確変状態が付与されていると思わせたり、また、大当りの可能性が高いと思わせたりすることができる。さらに、演出モード2中に取得した全ての期待値は累積値として累積加算される。そして、取得する期待値が大きい値であれば、確変状態が付与されている可能性が高いため、累積値が多くなればなるほど、遊技者に確変状態が付与されている可能性が高いと思わせることができる。
また、本実施形態では、第2変動パターンに基づいて示唆演出が行われた場合、操作ボタン29の操作により、期待値の大きさを選択して取得することができる。このため、遊技状態を探るために、遊技者は、遊技者の判断で操作ボタン29を操作せずに、期待値を累積させていっても良い。このように操作ボタン29を操作しないことにより、第1変動パターンに基づく示唆演出にて設定された期待値のみが累積値に加算されることから累積値の値は、確変状態が付与されていれば、付与されていない場合と比較して大きな値となり、確変状態が付与されているか否かを予測しやすくなる。このように、遊技状態を予測するために、操作ボタン29を操作するか否かを遊技者自らが決定することができ、遊技の興趣が向上する。
その一方、第2変動パターンに基づく示唆演出が実行されたときに、取得可能期待値として小さい値が設定された場合には、遊技者心理として大当りとなるか否かを一刻も早く知りたいと思わせ、遊技者に操作ボタン29を操作させることができる。これにより、累積値に、第1変動パターンに基づく示唆演出で設定された期待値と、第2変動パターンに基づく示唆演出で取得した期待値とが混ざるようになり、遊技者に累積値からの遊技状態の予測を困難にすることができる。従って、遊技の興趣を向上することができる。
また、第2変動パターンに基づく示唆演出が実行されるときであって、はずれとなる場合には、期待値残数が所定値以下(10以下)となったとき、図8(b)に示すように操作ボタン29の操作を無効となるようにした。このため、期待値残数が0になったにもかかわらず、大当りとならないという違和感を与えることがない。また、第2変動パターンに基づく示唆演出が実行されるときであって、期待値残数が100以下となった場合には、所定の確率で操作ボタン29の操作を無効とした。このため、期待値残数が10以下となったときに、操作ボタン29の全ての操作を無効としたとしても違和感を遊技者に与えることがない。また、第2変動パターンに基づく示唆演出が実行されるときであって、大当りとなる場合と、はずれとなる場合では、期待値残数が100以下となったときにおける操作ボタン29が無効となる確率を変更した。このため、大当りとなる場合には、操作ボタン29の操作が無効となりつつも、はずれの場合と比較してスムーズに期待値残数を0にすることができ、遊技者に自らの操作により図柄変動ゲームが大当りとなったと思わせることができる。さらに、期待値残数が少なくなったときに期待値の減算速度を(操作ボタン29の操作を所定割合で無効として)遅くすることで、遊技者に大当りか否かの緊張感を与えると共に、さらなる操作を促すことができる。
なお、本実施形態では、統括制御用CPU46aが、示唆演出を複数の図柄変動ゲームに亘って実行させる示唆制御手段となる。また、統括制御用CPU46aが、第1変動パターンであるか否か及び第2変動パターンであるか否かを判定する変動パターン判定手段となる。また、統括制御用CPU46aが、変動パターン毎に期待値を決定する期待値決定手段となる。
次に、演出モード2における遊技演出の態様について説明する。
図9では、演出モード2に移行しているときであって、第1変動パターンP7が指定された場合における示唆演出の流れを模式図で示している。一方、図10では、演出モード2に移行しているときであって、第2変動パターンP1又は第2変動パターンP6が指定された場合における示唆演出の流れを模式図で示している。
図9に示すように、表示制御用CPU47aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、モードフラグを読み出し、演出モード2に移行中であるか否かを判定する。
この判定結果は前提より肯定となることから、表示制御用CPU47aは、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、図柄変動ゲームと共に示唆演出を実行させる(図9(a))。図9(a)に示すように、図柄変動中、キャラクタKが画面に示された戦場を走り回り、出現する敵キャラクタを操作ボタン29の操作に応じて倒す表示演出が行われる。そして、表示制御用CPU47aは、図柄変動ゲーム終了時に、統括制御用CPU46aから指定された飾り図柄による図柄組み合わせ(図では「Z」にて指し示す)を表示させる(図9(b))。同時に、表示制御用CPU47aは、統括制御用CPU46aから入力した累積値指定コマンドにより指定された累積値(図では「R」にて指し示す)を表示させる。
次に、図10に基づき演出モード2における遊技演出を説明する。
図10に示すように、表示制御用CPU47aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、モードフラグを読み出し、演出モード2に移行中であるか否かを判定する。
この判定結果は前提より肯定となることから、表示制御用CPU47aは、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、図柄変動ゲームと共に示唆演出を実行させる(図10(a))。また、表示制御用CPU47aは、統括制御用CPU46aから入力した残数指定コマンドにより指定される期待値残数KZを表示する。そして、表示制御用CPU47aは、操作有効期間となると、操作有効期間中には操作ボタン29の操作を促す表示演出(図では操作ボタン29を模した図柄BTを表示する演出)を実行する。
操作有効期間中に操作ボタン29が操作されると、表示制御用CPU47aは、期待値残数KZから取得期待値を減算して表示させる(図10(b))。ここで、指定された変動パターンがはずれリーチ演出用の変動パターンP6である場合、操作ボタン29の操作が繰り返し実行されると、表示制御用CPU47aは、所定の値まで期待値残数KZを減算して表示させる(図10(c))。そして、変動パターンにより定められた演出時間が経過すると、表示制御用CPU47aは、飾り図柄による図柄組み合わせZを表示させると共に、累積値指定コマンドにより指定された累積値Rを新たに表示させる(図10(d))。はずれの図柄組み合わせZにより、遊技者は、図柄変動ゲームがはずれたことを認識することができる。なお、累積値Rを新たに表示させるとは(新たな累積値Rとは)、図柄変動ゲームの変動開始時に表示されていた累積値Rに、当該変動にて取得した総取得期待値を加算した値を表示させることを指す。
また、図10(b)において、指定された変動パターンが大当り演出用の変動パターンP1である場合、操作ボタン29の操作が繰り返し実行されると、表示制御用CPU47aは、期待値残数KZの値が0となるように表示する(図10(e))。そして、変動パターンにより定められた演出時間が経過すると、表示制御用CPU47aは、飾り図柄による図柄組み合わせ(大当り図柄)Zを表示させると共に、累積値指定コマンドにより指定された累積値Rを表示させる(図10(f))。これにより、遊技者に、自らの操作で大当りを発生させたかのように思わせることができる。
なお、第1変動パターン及び第2変動パターンのいずれにも含まれない変動パターンP8が指定された場合、演出表示装置28は、キャラクタKが画面上に表示された戦場を走り回るという表示演出を実行する。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)統括制御用CPU46aは、指定された変動パターンが第1変動パターンであると判定した場合、図7(a)に示すように、遊技状態が確変状態であるときには非確変状態であるときと比較して高確率で大きい値を期待値として設定する。このため、示唆演出において、期待値が大きい場合には、遊技者に、確変状態が付与されている可能性が高いのではないかと思わせることができる。その一方、統括制御用CPU46aは、指定された変動パターンが第2変動パターンであると判定した場合、図7(b)に示すように、大当り判定が肯定であるとき(大当り演出用の変動パターンP1,P3が指定されたとき)には否定である(はずれである)ときと比較して高確率で小さい値を取得可能期待値として設定する。このため、示唆演出において、取得可能期待値が小さい場合には、遊技者に、大当りとなる可能性が高いのではないかと思わせることができる。
このように本実施形態では、大当りとなる可能性が高いときと、確変状態が付与されている可能性が高いときとでは、取得できる期待値に相反する値が設定されるようになっている。このため、確変状態が付与されていないときに、第1変動パターンが選択されて期待値に小さい値が設定されたとしても、第2変動パターンに基づく図柄変動ゲームでは期待値が小さいほど大当りの可能性が高いので、遊技者に大当りの可能性が高いのではないかと思わせることができる。また、大当り判定の判定結果が否定であるときに、第2変動パターンが選択されて取得可能期待値に大きい値が設定されたとしても、第1変動パターンに基づく図柄変動ゲームでは期待値が大きいほど確変状態が付与されている可能性が高いので、遊技者に確変状態が付与されている可能性が高いのではないかと思わせることができる。以上のように、取得できる期待値の大小にかかわらず、遊技者に確変状態が付与されている可能性又は図柄変動ゲームが大当りとなる可能性のいずれかを期待させることができ、遊技の興趣を向上することができる。
(2)また、取得した期待値は、順次加算され続けて累積値として算出され、当該累積値に応じた表示画像(本実施形態では累積値そのもの)が表示される。そして、取得する期待値が大きい値であれば、確変状態が付与されている可能性が高いため、累積値が大きくなればなるほど、遊技者に確変状態が付与されている可能性が高いと思わせることができる。また、はずれとなる第1変動パターンが選択された場合であっても、取得することができる期待値が大きくなり、累積値が多くなるため、はずれが多い場合、累積値を多くすることができ、遊技者に確変状態が付与されている可能性が高いと思わせることができる。以上のことから、遊技者に累積値が継続的に算出されて累積値が表示されるため、示唆演出の演出内容に継続的に関心を持たせて、遊技者に遊技を継続的に実行させることができる。
(3)統括制御用CPU46aは、第2変動パターンに基づく図柄変動ゲーム中に、決定した取得可能期待値に応じた表示画像(本実施形態では取得可能期待値が設定された期待値残数)を表示させ、操作ボタン29の操作回数に応じて当該取得可能期待値を上限として取得する期待値を決定する。そして、統括制御用CPU46aは、大当り判定が肯定であるときには否定であるときと比較して高確率で小さい値を取得可能期待値として設定する。すなわち、遊技者は、第2変動パターンに基づく図柄変動ゲーム中において操作ボタン29を操作することにより、期待値を取得し、期待値に応じた表示画像(本実施形態では、取得可能期待値から取得期待値を減算した期待値残数)を表示させることができる。このため、遊技者自らが期待値の大きさを選択的に取得することができるため、遊技に対する飽きを防止でき、また、遊技状態(確変状態が付与されているか否か)を分からなくすることができる。従って、遊技者に遊技状態に対して関心を持たせて遊技を継続させることができる。
(4)統括制御用CPU46aは、累積値の各桁毎に数字画像を指定するように累積値指定コマンドを出力した。このため、数字画像を指定するための制御コマンドの数を少なくすることができ、記憶容量を少なくすることができる。
(5)第2変動パターンは、16ラウンド大当り演出用の変動パターンのうちの変動パターンP1、2ラウンド大当り演出用の変動パターンP3、小当り演出用の変動パターンP4、はずれリーチ演出用の変動パターンのうちの変動パターンP5から構成されている。このように第2変動パターンには、様々な変動パターンが含まれるようにした。これにより、第2変動パターンに基づく図柄変動ゲームが行われた場合、図柄変動ゲームが大当り、小当り又ははずれのいずれになるか遊技者は予測ができない。また、大当りとなったとしても、大当り遊技のラウンド遊技数や各ラウンド遊技における大入賞口の開閉回数を予測することができない。すなわち、操作ボタン29が操作可能となって第2変動パターンに基づく図柄変動ゲームが行われているということを推測できたからとしても、図柄変動ゲームが大当りとなる可能性が高いとは限らず、また、大当りとなるからといっても価値の高い大当り遊技が付与されるとは限らない。従って、図柄変動ゲームの最後又は大当り遊技終了時まで遊技の興趣を高めることができる。
(第二実施形態)
次に、本発明を具体化した第二実施形態を説明する。なお、第一実施形態と同様の構成は、第一実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明及び図面は省略又は簡略する。
第二実施形態の示唆演出では、第1変動パターンが指定されたときには、操作ボタン29の操作に応じて期待値を取得することができるようになっている一方、第2変動パターンが指定されたときには、操作ボタン29の操作なしで期待値を取得できるようになっている。また、統括制御用CPU46aは、指定された変動パターンが第1変動パターンであると判定した場合、遊技状態が確変状態であるときには非確変状態であるときと比較して高確率で小さい値を取得可能期待値として設定するようになっている。それと共に、統括制御用CPU46aは、指定された変動パターンが第2変動パターンであると判定した場合、大当り判定が肯定であるときには否定であるときと比較して高確率で大きい値を期待値として設定するようになっている。
以下、第二実施形態における演出モード2におけるサブ統括制御基板46及び演出表示制御基板47の制御内容を説明する。
サブ統括制御基板46の統括制御用CPU46aは、主制御基板45から変動パターン指定コマンドを入力すると、モードフラグに[1]が設定されているか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、示唆演出を実行させるために、図11〜図12に示す演出実行処理を実行する。
まず、統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが予め決められた第2変動パターンであるか否かを判定する(ステップS201)。この判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、期待値決定用乱数を取得して、当該期待値決定用乱数に基づき、第2変動パターン用の期待値決定テーブル(図13(b)参照)を参照して、取得する期待値を決定する(ステップS202)。
第二実施形態における第2変動パターン用の期待値決定テーブルは、図13(b)に示すように期待値が設定されている。例えば、変動パターンP1が指定された場合、統括制御用CPU46aは、10/100の確率で期待値「100」を決定し、20/100の確率で期待値「500」を決定し、30/100の確率で期待値「1000」を決定し、40/100の確率で期待値「2000」を決定するようになっている。
第2変動パターン用の期待値決定テーブルでは、図13(b)に示すように、大当り判定が肯定の場合(変動パターンP1,P3が決定された場合)、否定の場合(変動パターンP4,P5が決定された場合)と比較して高確率で大きい値を期待値として設定されるように、期待値決定用乱数が振り分けられている。その一方、第2変動パターン用の期待値決定テーブルでは、大当り判定が否定の場合(変動パターンP4,P5が決定された場合)、肯定の場合(変動パターンP1,P3が決定された場合)と比較して高確率で小さい値を期待値として設定されるように、期待値決定用乱数が振り分けられている。
そして、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cの所定の記憶領域に記憶されている累積値にステップS202で決定した期待値を加算するとともに、演出表示装置28に表示させるために加算後の累積値を指定する累積値指定コマンドを出力する(ステップS203)。そして、統括制御用CPU46aは、演出実行処理を終了する。
一方、ステップS201の判定結果が否定の場合(第2変動パターンが指定されなかった場合)、統括制御用CPU46aは、第1変動パターンが指定されたか否かを判定する(ステップS204)。ステップS204の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU46aは、演出実行処理を終了する。
一方、ステップS204の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、第1変動パターンに基づき、減算テーブルを決定する(ステップS205)。第二実施形態の減算テーブルは、第一実施形態と同様の第1テーブルと、第2テーブルが存在し(図8)、確変状態が付与されているか否かにより減算テーブルが予め設定されている。本実施形態において、確変状態が付与されている場合には、第1テーブルが設定されるようになっており、確変状態が付与されていない場合には、第2テーブルが設定されるようになっている。
次に、統括制御用CPU46aは、期待値決定用乱数を取得して、当該期待値決定用乱数に基づき、第1変動パターン用の期待値決定テーブル(図13(a)参照)を参照して、取得可能期待値を決定する(ステップS206)。第二実施形態における第1変動パターン用の期待値決定テーブルは、図13(a)に示すように、確変状態フラグに「1」が設定されているか否かにより、取得することができる取得可能期待値が示されている。そして、各取得可能期待値には、それぞれ期待値決定用乱数が振り分けられている。
例えば、確変状態が付与されている場合、統括制御用CPU46aは、5/100の確率で取得可能期待値「1」を決定し、20/100の確率で取得可能期待値「50」を決定し、25/100の確率で取得可能期待値「100」を決定する。また、変状態が付与されている場合、統括制御用CPU46aは、25/100の確率で取得可能期待値「500」を決定し、15/100の確率で取得可能期待値「1000」を決定し、10/100の確率で取得可能期待値「2000」を決定するようになっている。
図13(a)に示すように、第二実施形態の第1変動パターン用の期待値決定テーブルでは、確変状態が付与されている場合、付与されていない場合と比較して高確率で小さい値が取得可能期待値として設定されるように、期待値決定用乱数が振り分けられている。その一方、第二実施形態の第1変動パターン用の期待値決定テーブルでは、確変状態が付与されていない場合、付与されている場合と比較して高確率で大きい値が取得可能期待値として設定されるように、期待値決定用乱数が振り分けられている。
次に、統括制御用CPU46aは、決定した取得可能期待値を期待値残数として統括制御用RAM46cの所定領域に設定すると共に、演出表示装置28に表示させるために期待値残数を指定する残数指定コマンドを出力する(ステップS207)。そして、統括制御用CPU46aは、変動パターンに基づき、操作ボタン29の操作が有効となる操作有効期間を設定する(ステップS208)。なお、第1変動パターンに含まれる変動パターンには操作有効期間が予め設定されている。
そして、統括制御用CPU46aは、操作ボタン29が操作されたか否かを判定する(ステップS209)。この判定結果が肯定の場合(操作された場合)、統括制御用CPU46aは、期待値残数の値が100以下となったか否かを判定する(ステップS210)。この判定結果が肯定の場合(100以下の場合)、統括制御用CPU46aは、ステップS205で決定した減算テーブルを参照して、操作ボタン29の操作が有効とするか否かを判定し、この判定が肯定であるときには操作ボタン29が1回操作されたときの取得期待値(取得可能期待値から減算する値)を決定する(ステップS211)。
そして、統括制御用CPU46aは、決定した取得期待値を期待値残数から減算し、減算した期待値残数を新たに演出表示装置28に表示させるように更新後の期待値残数を指定する残数指定コマンドを出力する(ステップS212)。次に、統括制御用CPU46aは、取得期待値を当該図柄変動ゲームにて獲得した総取得期待値に加算して、統括制御用RAM46cの所定記憶領域に記憶されている総取得期待値を更新する(ステップS213)。また、統括制御用CPU46aは、累積値に取得期待値を加算する(ステップS214)。
一方、ステップS210の判定結果が肯定の場合(100より大きい場合)、統括制御用CPU46aは、ステップS205で決定した減算テーブルを参照して、操作ボタン29が1回操作されたときの取得期待値を決定する(ステップS215)。そして、統括制御用CPU46aは、決定した取得期待値を期待値残数から減算し、減算した期待値残数を新たに演出表示装置28に表示させるように更新後の期待値残数を指定する残数指定コマンドを出力する(ステップS216)。そして、統括制御用CPU46aは、取得期待値を当該図柄変動ゲームにて獲得した総取得期待値に加算して、統括制御用RAM46cの所定記憶領域に記憶されている総取得期待値を更新する(ステップS217)。また、統括制御用CPU46aは、累積値に取得期待値を加算する(ステップS218)。
そして、ステップS209の判定結果が否定の場合(操作されなかった場合)、ステップS214の処理が終了した場合、及びステップS218の処理が終了した場合、統括制御用RAM46cは、操作有効期間が経過したか判定する(ステップS219)。この判定結果が肯定の場合(操作有効期間が経過した場合)、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cを参照して、累積値を読み出し、当該累積値を指定する累積値指定コマンドを出力する(ステップS220)。そして、統括制御用CPU46aは、演出実行処理を終了する。
一方、ステップS219の判定結果が否定の場合(操作有効期間が経過していない場合)、統括制御用RAM46cは、所定周期(本実施形態では4ms)待機し(ステップS221)、その後、ステップS209の処理を再び実行する。
以上のように、本実施形態の示唆演出において、統括制御用CPU46aは、指定された変動パターンが第1変動パターンであると判定した場合、図13(a)に示すように、遊技状態が確変状態であるときには非確変状態であるときと比較して高確率で小さい値を取得可能期待値として設定する。その一方、統括制御用CPU46aは、指定された変動パターンが第2変動パターンであると判定した場合、図13(b)に示すように、大当り演出用の変動パターンP1,P3が指定されたときには大当り演出用の変動パターンでないとき(変動パターンP4,P5のとき)と比較して高確率で大きい値を期待値として設定する。このように本実施形態では、大当りとなる可能性が高いときと、確変状態が付与されている可能性が高いときとでは、取得できる期待値に相反する値が設定されるようになっている。従って、取得する期待値の大きさが大小のいずれであっても、遊技者に確変状態が付与されていると思わせたり、また、大当りの可能性が高いと思わせたりすることができる。さらに、演出モード2中に取得した全ての期待値は累積値として累積加算される。そして、取得する期待値が小さい値であれば、確変状態が付与されている可能性が高いため、図柄変動ゲームが繰り返し実行されても累積値が小さければ、遊技者に確変状態が付与されている可能性が高いと思わせることができる。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(6)統括制御用CPU46aは、指定された変動パターンが第1変動パターンであると判定した場合、図13(a)に示すように、遊技状態が確変状態であるときには非確変状態であるときと比較して高確率で小さい値を取得可能期待値として設定する。このため、示唆演出において、取得可能期待値が小さい場合には、遊技者に、確変状態が付与されている可能性が高いのではないかと思わせることができる。その一方、統括制御用CPU46aは、指定された変動パターンが第2変動パターンであると判定した場合、図13(b)に示すように、大当り判定が肯定であるとき(大当り演出用の変動パターンP1,P3が指定されたとき)には否定である(はずれである)ときと比較して高確率で大きい値を期待値として設定する。このため、示唆演出において、期待値が大きい場合には、遊技者に、大当りとなる可能性が高いのではないかと思わせることができる。
このように本実施形態では、大当りとなる可能性が高いときと、確変状態が付与されている可能性が高いときとでは、取得できる期待値に相反する値が設定されるようになっている。このため、確変状態が付与されていないときに、第1変動パターンが選択されて取得可能期待値に大きい値が設定されたとしても、第2変動パターンに基づく図柄変動ゲームでは期待値が大きいほど大当りの可能性が高いので、遊技者に大当りの可能性が高いのではないかと思わせることができる。また、大当り判定の判定結果が否定であるときに、第2変動パターンが選択されて期待値に小さい値が設定されたとしても、第1変動パターンに基づく図柄変動ゲームでは取得可能期待値が小さいほど確変状態が付与されている可能性が高いので、遊技者に確変状態が付与されている可能性が高いのではないかと思わせることができる。以上のように、取得できる期待値の大小にかかわらず、遊技者に確変状態が付与されている可能性又は図柄変動ゲームが大当りとなる可能性のいずれかを期待させることができ、遊技の興趣を向上することができる。
(7)また、取得した期待値は、順次加算され続けて累積値として算出され、当該累積値が表示される。そして、取得する期待値が小さい値であれば、確変状態が付与されている可能性が高いため、図柄変動ゲームが複数回行われたときに累積値が小さければ小さいほど、遊技者に確変状態が付与されている可能性が高いと思わせることができる。また、はずれとなる第2変動パターンが選択された場合では、取得する期待値が小さく、累積値がそれほど増加しないので、はずれが多い場合、累積値の増加を抑えることができ、遊技者に確変状態が付与されている可能性が高いと思わせることができる。以上のことから、遊技者に累積値が継続的に算出されて累積値が表示されるため、示唆演出の演出内容に継続的に関心を持たせて、遊技者に遊技を継続的に実行させることができる。
(8)統括制御用CPU46aは、第1変動パターンに基づく図柄変動ゲーム中に、決定した取得可能期待値を表示させ、操作ボタン29の操作回数に応じて当該取得可能期待値を上限として取得する期待値を決定する。そして、統括制御用CPU46aは、確変状態であるときには非確変状態であるときと比較して高確率で小さい値を取得可能期待値として設定する。すなわち、遊技者は、第1変動パターンに基づく図柄変動ゲーム中において操作ボタン29を操作することにより、期待値を取得し、当該取得期待値を減算した期待値残数を表示させることができる。このため、遊技者自らが期待値の大きさを選択的に取得することができるため、遊技に対する飽きを防止できる。
(9)はずれとなる第2変動パターンに基づき示唆演出が行われた場合、取得できる期待値の大きさは、高確率で小さい値である。そして、第2変動パターンに基づき実行された示唆演出にて取得した期待値も累積値に加算されることから、図柄変動ゲームが複数回実行された後に累積値が小さくても、はずれとなる第2変動パターンに基づき示唆演出が繰り返し行われた場合には小さい値の期待値が加算されている可能性が高い。このため、確変状態が付与されているとは容易に判断することができない。このように、累積値の値からの確変状態が付与されているか否かの判断を難しくすることができ、遊技の飽きを防止し、興趣を向上することができる。また、大当りの可能性が高い場合には期待値に大きい値が設定される可能性が高いため、非確変状態であっても取得する期待値は大きい方がよいと遊技者に勘違いさせる(又は推測させる)ことができる。そして、当該遊技者に対して自ら取得値を増加させる機会を与えることにより、大当りを期待する遊技者自身の操作により累積値を多くさせることができる。これにより、累積値から確変状態が付与されているか否かを推測しにくくなり、遊技の興趣が向上する。
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
○上記第一実施形態において、第2変動パターンに基づく示唆演出が実行される場合、操作ボタン29を複数回操作することにより、期待値を取得することができたが、図柄変動ゲーム開始時に1回操作ボタン29を操作することを条件として期待値を取得することができるようにしても良い。すなわち、統括制御用CPU46aは、第2変動パターンに基づく図柄変動ゲーム中において操作ボタン29が操作された場合、大当り判定が否定であるときには肯定であるときと比較して高確率で大きい値を期待値として設定するようにしてもよい。このため、遊技者は、第2変動パターンに基づいてはずれとなる図柄変動ゲーム中に操作ボタン29を操作することにより、大きい値の期待値(又は期待値に応じた表示画像)を表示させることができる。このため、遊技者自らが期待値を大きくすることができ、遊技に対する飽きを防止でき、また、遊技状態(確率変動状態が付与されているか否か)を分からなくすることができる。従って、遊技者に遊技状態に対して関心を持たせて遊技を継続させることができる。
○上記実施形態において、確変状態が付与されたか否かを示す状態報知ランプを備えても良い。なお。当該状態報知ランプを備える場合、点灯パターンを複雑にして、遊技者に対して確変状態が付与されたか否かを分かりにくくする必要がある。この状態報知ランプを備えることにより、開発者や遊技店がパチンコ機10の内部状態を判断することができ、開発やメンテナンスが楽になる。
○上記実施形態では、図柄変動ゲーム終了時に特別図柄により確変状態が付与されたか否かを報知していたが、報知しなくても良い。
○上記実施形態では、特別図柄が確変状態を付与する図柄であるか否かが分かり易かったが、特別図柄の種類を多くし、且つ、特別図柄の図柄態様を複雑にして分かり難くしても良い。このようにすれば、より確実に遊技者に対して遊技状態を秘匿することができる。
○上記実施形態において、小当り遊技を契機に演出モード2に移行するようにしても良い。なお、この場合、開閉羽根35の動作により遊技状態が判断することができなくする必要があるため、2ラウンド大当り遊技終了後は、確変状態が付与されるか否かにかかわらず、入球率向上状態を付与しないこととなる。このように小当り遊技を契機に演出モード2に移行することにより、大当り確率に関係なく、小当り判定の確率を上げれば、演出モード2に移行する確率を上げることができる。
○上記第一実施形態では、第2変動パターンに基づく示唆演出が実行されたとき、操作ボタン29の操作を契機として、期待値を取得することができるようになっていたが、操作ボタン29を操作しなくても期待値を取得するようにしても良い。
○上記実施形態では、示唆演出を実行したとき、期待値残数及び累積値をそのまま表示していたが、値に応じた表示画像を表示しても良い。例えば、植物の表示画像が累積値に応じて大きくなる等にしてもよい。
○上記実施形態では、示唆演出を実行したとき、取得した期待値を表示していなかったが、取得した期待値又はそれに応じた表示画像を表示しても良い。
○上記第一実施形態では、図7(a)の期待値決定テーブルにおいて、確変状態時における期待値「1」及び「50」に期待値決定用乱数が振り分けられていないため、期待値として「1」又は「50」が設定された場合には、非確変状態であることが確定する。この別例として、確変状態時において、「1」及び「50」を含む全ての期待値にそれぞれ規定値決定用乱数を振り分けても良い。このようにすれば、期待値から確変状態か否かの推測がより難しくなり、遊技状態を推測する楽しみを遊技者に与えることができる。
○上記第一実施形態では、図7(b)の期待値決定テーブルにおいて、大当り判定が否定になる場合(変動パターンP4,P5が指定された場合)には期待値「1」及び「50」に期待値決定用乱数が振り分けられていないため、期待値として「1」又は「50」が設定された場合には、図柄変動ゲームが大当りとなるであることが確定する。この別例として、大当り判定が否定になる場合にも、「1」及び「50」を含む全ての期待値にそれぞれ規定値決定用乱数を振り分けても良い。このようにすれば、取得可能期待値から大当りとなるか否かの推測がより難しくなり、遊技状態を推測する楽しみを遊技者に与えることができる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記大当り判定手段が否定判定した場合、図柄変動ゲームを小当りとするか否かを決定する小当り決定手段と、前記小当り判定手段が否定判定した場合、リーチ演出を実行させるか否かを判定するリーチ判定を行うリーチ判定手段と、前記大当り判定手段が肯定判定した場合、前記大当り遊技の遊技内容を決定する大当り内容決定手段と、を備え、前記小当り決定手段の判定結果が肯定の場合には前記図柄変動ゲームにて予め定めた小当り表示結果が表示された後に小当り遊技が行われ、前記大当り遊技の遊技内容として大入賞口の開閉を伴うラウンド遊技を1又は複数回含み、前記小当り遊技の遊技内容として大入賞口の開閉を伴うラウンド遊技を1又は複数回含み、前記ラウンド遊技の遊技内容として大入賞口の開閉回数及び開閉時間を含み、前記変動パターン決定手段は、前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合、前記大当り内容決定手段が決定した大当り遊技の遊技内容に基づき、変動パターンを決定するようになっており、前記第2変動パターンには、前記リーチ判定手段が否定判定した場合に決定されるはずれ演出用の変動パターンと、前記小当り決定手段が肯定判定した場合に決定される小当り演出用の変動パターンと、前記大当り演出用の変動パターンと、前記小当り演出用の変動パターンが含まれることを特徴とする請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の遊技機。
10…パチンコ遊技機、28…演出表示装置、29…操作ボタン、41…下大入賞口、45…主制御基板、45a…主制御用CPU、45b…主制御用ROM、45c…主制御用RAM、46…サブ統括制御基板、46a…統括制御用CPU、46b…統括制御用ROM、46c…統括制御用RAM、47…演出表示制御基板、47a…表示制御用CPU、47b…表示制御用ROM、47c…表示制御用RAM。