JP2009097311A - グレーチングの取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 連結金具等の金具を必要とせずに低コストで完璧な盗難防止対策を施し、さらにグレーチングに改良を加えることがなく、従来のグレーチングに対しても適用できるグレーチングの取付構造を提供する。
【解決手段】 グレーチング1にこれの取付け用透孔15aが複数設けられる一方、側溝2には該グレーチング1の側溝2への載置で該透孔の対向位置に雌ねじ部材5又は雄ねじ部材6が配設固定され、グレーチング1を側溝2に載置し、各透孔15aを介して雌ねじ部材5に取付ボルト7を螺着するか又は雄ねじ部材6に取付ナット8を螺着することによりグレーチング1が側溝2に固定され、且つそれらの取付ボルト7又は取付ナット8のうち、少なくとも一個以上の取付ボルト7に係る頭部70又は取付ナット8を突起70b,80bが設けられた異形体Kとし、該異形体に嵌合する専用治具9のみによりその取付ボルト7又は取付ナット8の取付け取外しを可能とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 グレーチング1にこれの取付け用透孔15aが複数設けられる一方、側溝2には該グレーチング1の側溝2への載置で該透孔の対向位置に雌ねじ部材5又は雄ねじ部材6が配設固定され、グレーチング1を側溝2に載置し、各透孔15aを介して雌ねじ部材5に取付ボルト7を螺着するか又は雄ねじ部材6に取付ナット8を螺着することによりグレーチング1が側溝2に固定され、且つそれらの取付ボルト7又は取付ナット8のうち、少なくとも一個以上の取付ボルト7に係る頭部70又は取付ナット8を突起70b,80bが設けられた異形体Kとし、該異形体に嵌合する専用治具9のみによりその取付ボルト7又は取付ナット8の取付け取外しを可能とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は側溝等に配設されるグレーチングの取付構造に関する。
道路の側溝(雨水溝)等には排水を良くするためにグレーチングが用いられ、強度的な観点から一般に金属製グレーチングが多用されている。ところが、グレーチングが金属製であるため、金属価格の高騰とともに全国各地で盗難被害のニュースが報じられるようになってきている。盗難防止を企図したグレーチングはこれまでにもいくつか提案がなされている(例えば特許文献1〜3)。
しかるに、特許文献1〜3のいずれの発明もその構造から、時間さえかければグレーチングの取外しを可能にするものであった。一旦、その構造が理解されると、手際よく取り外される危険性があった。さらに、特許文献1,3は汎用タイプを改良したグレーチングで、汎用品とはまた違うグレーチングを製作しなければならず厄介であった。汎用性でないため、適用範囲も制約される虞があった。また、特許文献2はグレーチングとは別に連結金具を準備しなければならず、その分コストが高くなっていた。
本発明は上記問題点を解決するもので、連結金具等の金具を必要とせずに低コストで完璧な盗難防止を可能とし、さらにグレーチングに改良を加えることがなく、従来のグレーチングに対しても適用できるグレーチングの取付構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、グレーチングにこれの取付け用透孔が複数設けられる一方、側溝には該グレーチングの側溝への載置で該透孔の対向位置に雌ねじ部材又は雄ねじ部材が配設固定され、
グレーチングを該側溝に載置し、各透孔を介して前記雌ねじ部材に取付ボルトを螺着するか又は前記雄ねじ部材に取付ナットを螺着することによりグレーチングが側溝に固定され、且つそれらの取付ボルト又は取付ナットのうち、少なくとも一個以上の取付ボルトに係る頭部又は取付ナットを、突起若しくは凹溝が設けられた異形体とし、該異形体に嵌合する専用治具のみによりその取付ボルト又は取付ナットの取付け取外しを可能とすることを特徴とするグレーチングの取付構造にある。
請求項2の発明たるグレーチングの取付構造は、請求項1で、少なくとも一個以上の前記取付ボルトに係る頭部又は前記取付ナットを、突起が設けられた異形体とし、且つ該突起が前記取付ボルトに係る頭部の側面部分又は前記取付ナットの側面部分に設けられることを特徴とする。
グレーチングを該側溝に載置し、各透孔を介して前記雌ねじ部材に取付ボルトを螺着するか又は前記雄ねじ部材に取付ナットを螺着することによりグレーチングが側溝に固定され、且つそれらの取付ボルト又は取付ナットのうち、少なくとも一個以上の取付ボルトに係る頭部又は取付ナットを、突起若しくは凹溝が設けられた異形体とし、該異形体に嵌合する専用治具のみによりその取付ボルト又は取付ナットの取付け取外しを可能とすることを特徴とするグレーチングの取付構造にある。
請求項2の発明たるグレーチングの取付構造は、請求項1で、少なくとも一個以上の前記取付ボルトに係る頭部又は前記取付ナットを、突起が設けられた異形体とし、且つ該突起が前記取付ボルトに係る頭部の側面部分又は前記取付ナットの側面部分に設けられることを特徴とする。
請求項1の発明のごとく、雌ねじ部材に取付ボルトを螺着するか又は前記雄ねじ部材に取付ナットを螺着することによりグレーチングが側溝に固定され、且つそれらの取付ボルト又は取付ナットのうち、少なくとも一個以上の取付ボルトに係る頭部又は取付ナットを突起が設けられた異形体とすると、グレーチングが側溝に一旦固定されれば、異形体に嵌合する専用治具でないとこのグレーチングは取り外せなくなる。複数ある取付ボルト又は取付ナットのうちの一個でも、六角形等した正規のボルトやナットに代え、突起を設けて変形させた異形体の取付ボルト又は取付ナットを用いれば、その専用治具がないと外せなくなる。グレーチングに改良を加えたり、連結金具等を用意したりすることなく、低コストで盗難防止に威力を発揮する。しかも、透孔を介してグレーチングが側溝に固定されると、グレーチングに改良を加える必要がないので、透孔のあるグレーチングであれば既存のグレーチングにも適用できる。
請求項2のごとく、突起が前記取付ボルトに係る頭部の側面部分又は前記取付ナットの側面部分に設けられると、異形体並びにこの専用治具を簡便且つ廉価に製造できる。
請求項2のごとく、突起が前記取付ボルトに係る頭部の側面部分又は前記取付ナットの側面部分に設けられると、異形体並びにこの専用治具を簡便且つ廉価に製造できる。
本発明のグレーチングの取付構造は、グレーチングがその取付け用透孔を介して側溝にボルトやナットで取付けられる際、該ボルトやナットのなかの少なくとも一つをカギ機能を有する異形体の取付ボルト又は取付ナットで取付けられる構造であることから、それに嵌合する専用治具でないと取外しができず、完璧な盗難防止を可能にし、さらに従来品の汎用グレーチングであっても適用できるなど極めて優れた効果を発揮する。
以下、本発明に係るグレーチングの取付構造について詳述する。
(1)実施形態1
図1〜図4は本発明のグレーチングの取付け構造の一形態で、図1はそのグレーチングの取付け構造を示す説明分解斜視図、図2は図1の雌ねじ部材と透孔と取付ボルトとの位置関係、及び該取付ボルトに嵌合する専用治具の説明斜視図、図3は異形体の取付ボルトによる透孔への取付け位置が付加されたグレーチングの平面図、図4は図1のグレーチングが側溝に固定された状態下、取付ボルト周りの縦断面図である。
(1)実施形態1
図1〜図4は本発明のグレーチングの取付け構造の一形態で、図1はそのグレーチングの取付け構造を示す説明分解斜視図、図2は図1の雌ねじ部材と透孔と取付ボルトとの位置関係、及び該取付ボルトに嵌合する専用治具の説明斜視図、図3は異形体の取付ボルトによる透孔への取付け位置が付加されたグレーチングの平面図、図4は図1のグレーチングが側溝に固定された状態下、取付ボルト周りの縦断面図である。
本実施形態は、グレーチング1にこれを側溝に取付けるための透孔15aが複数設けられる一方、側溝のグレーチング取付け用受体4(以下、単に「受体」という。)には雌ねじ部材5が配設固定される。グレーチング1を側溝2の該受体4に載置し、各透孔15aを介して該雌ねじ部材5に取付ボルト7を螺着することによりグレーチング1が側溝2に固定される。そして、これらの取付ボルト7のうち少なくとも一個以上(ここでは一個)の取付ボルト7に係る頭部70を、その主部70aに突起70bが設けられた異形体Kとし、該異形体Kに嵌合する専用治具9のみによりその異形体Kに係る取付ボルト7の取付け並びに取外しを可能にしたグレーチングの取付構造とする。
ここで用いるグレーチング1は図1,図3ごとくの汎用グレーチングである。全体形状が規格化された長方形盤状をなし、主部材12と連結材13と側板10と端板11と取付け用仕切板14とを備える金属製グレーチング1とする。多数の金属製帯板からなる主部材12とこれに直交する連結材13とで格子状に形成して、その周囲を側板10で囲む(図3)。主部材12の両端を端板11として、直方形盤とする。連結材13は通称クロスバーとも呼ばれ、金属製棒状材を捩ったツイスト棒からなる。連結材13は、主部材12をその帯幅方向を垂直起立させ且つ所定ピッチで複数配設した状態を確保した後、これらと直交するようにして所定間隔離して主部材12上面に載置される。その後、主部材12と連結材13とを電気圧接固定して格子状した長方形盤に組み立てられる。符号SLは格子孔たるスリットを示す。さらに、該長方形盤には、その四隅の主部材12を切欠き、この切り欠かれた該主部材12に仕切板14を固着して、該仕切板14,主部材12,側板10とで取付口16を形成する。そして、図3,図4に示すごとく取付口16の空所を形成する側板10,主部材12,仕切板14の各下縁に、板片からなる取付板15が水平固着される。取付口16は前記長方形盤の下面に合わすようにして水平配設された取付板15で塞がれる。各取付板15の中央に透孔15aが穿設されており、側溝2に固着される本グレーチング1が出来上がる。グレーチング1は、該取付板15の透孔15aを介して、側溝2側の受体4に配設固定された雌ねじ部材5に取付ボルト7を螺着することにより側溝2に固定される。
側溝2は側溝本体3と受体4と雌ねじ部材5とを備える。断面U字形したコンクリート製側溝本体3に、金属製雌ねじ部材5を固着した受体4が一体化される側溝2である。
側溝本体3は両側壁31及び底壁30で雨水等の流路35を確保した断面U字形にして、両側壁31の上部に段差面32を形成する。この両段差面32にグレーチング取付け用受体4が一体化される。
受体4は枠本体41と横架部材42とアンカー43を備え、図1のような金属製受け枠とする。枠本体41にはグレーチング1に係る側板10の長さにほぼ一致する長さに切断されたL型鋼が用いられる。二本の該枠本体41が両端部で横架部材42に溶接固定されて、側溝本体3の両段差面32に円滑載置できる方形枠の受体4になる。尚、図3では図面を判り易くするため横架部材42の図示を省く。該受体4は、側溝本体3の段差面32に水平部411が載り、起立部412が段差面32から側溝本体上面33へ向かう立壁34に当接するように配設される(図1)。受体4の水平部411へは前記透孔15aに対応する箇所に通孔41aを穿設する。通孔41aが設けられる水平部411の各下面には、該通孔41aに雌ねじ孔52を一致させるようにして、雌ねじ部材5が配設固定される。図4中、符号WDは溶接による固定部分を示す。さらに、枠本体41の起立部412の外面には、外方に向け下降傾斜する板片状アンカー43が溶接固定される。側溝2の側溝本体3をコンクリート成形する際に該アンカーが側溝本体3に埋設されるようにして、受体4と側溝本体3が一体化される側溝2とする。かくして、グレーチング1の側溝2への載置で、グレーチング1に係る透孔15aの対向位置の側溝2側に雌ねじ部材5が配設固定された側溝2が完成する。
側溝本体3は両側壁31及び底壁30で雨水等の流路35を確保した断面U字形にして、両側壁31の上部に段差面32を形成する。この両段差面32にグレーチング取付け用受体4が一体化される。
受体4は枠本体41と横架部材42とアンカー43を備え、図1のような金属製受け枠とする。枠本体41にはグレーチング1に係る側板10の長さにほぼ一致する長さに切断されたL型鋼が用いられる。二本の該枠本体41が両端部で横架部材42に溶接固定されて、側溝本体3の両段差面32に円滑載置できる方形枠の受体4になる。尚、図3では図面を判り易くするため横架部材42の図示を省く。該受体4は、側溝本体3の段差面32に水平部411が載り、起立部412が段差面32から側溝本体上面33へ向かう立壁34に当接するように配設される(図1)。受体4の水平部411へは前記透孔15aに対応する箇所に通孔41aを穿設する。通孔41aが設けられる水平部411の各下面には、該通孔41aに雌ねじ孔52を一致させるようにして、雌ねじ部材5が配設固定される。図4中、符号WDは溶接による固定部分を示す。さらに、枠本体41の起立部412の外面には、外方に向け下降傾斜する板片状アンカー43が溶接固定される。側溝2の側溝本体3をコンクリート成形する際に該アンカーが側溝本体3に埋設されるようにして、受体4と側溝本体3が一体化される側溝2とする。かくして、グレーチング1の側溝2への載置で、グレーチング1に係る透孔15aの対向位置の側溝2側に雌ねじ部材5が配設固定された側溝2が完成する。
しかして、前記グレーチング1を該側溝2に載置し、取付板15の各透孔15aを介して前記雌ねじ部材5に取付ボルト7を螺着することによりグレーチング1が側溝2に固定されるが、従来の単なる取付ボルト7すなわち汎用ボルトBTでは、側溝2にグレーチング1を固定しても、誰でも簡単に取り外すことができてしまう。盗難防止対策ができていない。
これに対し、本発明では図1のごとく、グレーチング四隅に在る各取付板15の透孔15aを介してグレーチング1を側溝2に取付けるそれら(ここでは四本)の取付ボルト7のうち、少なくとも一個以上(ここでは一個)の取付ボルト7に係る頭部70を、突起70bが設けられた異形体Kとする。そして、該異形体に嵌合する専用治具9のみによりその取付ボルト7の取付け取外しを可能にする側溝2へのグレーチング1の取付構造とする。
これに対し、本発明では図1のごとく、グレーチング四隅に在る各取付板15の透孔15aを介してグレーチング1を側溝2に取付けるそれら(ここでは四本)の取付ボルト7のうち、少なくとも一個以上(ここでは一個)の取付ボルト7に係る頭部70を、突起70bが設けられた異形体Kとする。そして、該異形体に嵌合する専用治具9のみによりその取付ボルト7の取付け取外しを可能にする側溝2へのグレーチング1の取付構造とする。
取付ボルト7は、鉄やステンレス等からなる金属製で、通常用いられる汎用ボルトBTと同じく頭部70と軸部71とを備え、該軸部に雄ねじ部72が形成される。しかるに、グレーチング四隅の取付板15を介して、グレーチング1を側溝2に取付ける四本の取付ボルト7うち、一本はその頭部70を図1,図2のような特殊ロックの異形体Kとする。ここでの頭部70の異形体Kは主部70aと鍔70dと突起70bとを一体化したものである。主部70aは汎用ボルトBTの六角柱(六角形)した頭部と違って円柱形(円形)とする。該円柱形は六角柱よりも平面視で一回り小さい。そして、該主部70aの下縁に外方へ張り出す鍔70dを設け、さらに主部側面部分70a1に水平外方向に張り出すリブ状突起70bを突設する。突起70bは図2のごとく平面視で主部側面部分70a1から外方へ凸状部を突出形成してなる。突起70bは主部側面部分70a1から放射線状に所定間隔で複数設けられる。突起70bの下部は鍔70dに結合する。鍔70dの領域を除き、主部70aと突起70bがある頭部70の領域では、垂直方向ほぼ等断面形状になっている。図2のように専用治具9が異形体Kの上方から矢印のごとく垂直下降して異形体Kに深く且つ十分に嵌合し、専用治具9による異形体Kの取付け取外しを円滑にするためである。六角形等したJIS規格のボルト頭と違って、基体部分となる主部70aに突起70bが設けられることによって、一般ボルト頭から変形した異形体Kとなり、市販の汎用レンチでは異形体Kの取付け,取外しが不可能になる。該突起70bが設けられた異形体Kに嵌合する図2ごとくの専用治具9のみによりその取付ボルト7の取付けや取外しができるグレーチング1の取付構造になる。符号70cは突起70bの形成によって該突起70bと主部側面部分70a1とでつくる凹所を示す。
前記突起70bはその形状,大きさ,個数等を変えることによって様々な異形体Kを簡単に造ることができる。突起70bが在ることで、異形体Kと専用治具9との嵌合後、専用治具9を回したときに突起70bに該専用治具9が係止され、取付ボルト7を簡単に取付けたり取外したりできる。主部側面部分70a1から凸状部の突起70bが放射線状に複数形成されることによって、突起70bへの専用治具9の係止が一層強化される。尚、異形体Kの取付ボルト7は、図4のように頭部70寄りで雄ねじ部72を切らずに軸部71を一部残したままとするが、軸部全長に雄ねじ部72を形成することもできる。
ここで、前記突起70bは、主部70aの側面部分70a1に代え、主部70aの上面部分に設けることもできる。しかし、主部側面部分70a1に突起70bを設ける方が、主部70a上面に突起70bを設ける場合と違って専用治具9の嵌合部91を深く形成することを要せず、また、突起70bの製作が容易になりより好ましい。専用治具9の柱状治具本体90の下端開口内部には該異形体Kに嵌合する凹形嵌合部91が形成される。また治具本体90の上端外部には、異形体Kに嵌合させた専用治具9を、円滑に回転作動できるようにする汎用レンチとの係合部92、例えば図示のごとくの六角柱状の頭部が形成される。該係合部92は図2のような形状に限らず例えば図5に示すような四角柱等にすることができる。尚、本突起70bに代えて凹溝とすることも構造上可能である。基体部分となる前記円柱形主部70aに凹溝が設けられることによって、一般ボルト頭から変形した異形体Kとなり、市販の汎用レンチでは異形体Kの取付け,取外しが不可能になる。該円柱形主部及び該凹溝が設けられた異形体Kに嵌合する専用治具のみによりその取付ボルト7の取付けや取外しができるグレーチング1の取付構造になる。しかし、突起70bの方がより好ましい。凹溝が形成されると、ゴミや雨水が溜まり易く、専用治具9を使っての異形体ボルトの取外し作業が厄介になる虞があるからである。
次に、前記グレーチング1を側溝2へ取付ける一手順を説明する。前記側溝2に設けられた各通孔41aに、グレーチング四隅にある透孔15aを一致させるようにして、側溝2の受体4上にグレーチング1を載置する。そして、図1〜図3のごとくグレーチング1の上方からその左上隅の透孔15a及び側溝2の通孔41aに異形体Kの頭部をもつ取付ボルト7を挿通する。そして、前記専用治具9を使って該取付ボルト7をその下方に在る雌ねじ部材5に螺合し、グレーチング1を側溝2に固定する。異形体Kに嵌合する専用治具9を使うため、異形体Kの取付ボルト7であっても雌ねじ部材5に難なく螺着できる。他の三カ所の透孔15aについては、従来と同じように汎用ボルトBTを挿通し、汎用レンチを使って該汎用ボルトBTをそれらの下方に在るそれぞれの雌ねじ部材5に螺合し、グレーチング1を側溝2に固定する。これでだけで、グレーチング1を側溝2へ取付けが完了し、本発明のグレーチング1の取付構造になる。
このように構成したグレーチング1の取付け構造は、側溝2にグレーチング1が一旦取付られると、異形体Kに嵌合する専用治具9がないとグレーチング1を側溝2から取り外すことができないから盗難にあう危険がない。異形体Kは汎用ボルトBTの頭部と違って、突起70bによって特殊ロックの形状になっている。カギ(キー)に相当する異形体Kとカギ穴に相当する専用治具9で、カギの嵌合メカニズムを構成する。構造を複雑化してもその構造が理解されると側溝2からグレーチング1が取り外されてしまう特許文献1,3などと違って、異形体Kを見てこれに嵌合する治具を現場で造ろうとしても不可能に近い。また、連結金具を別途用意する必要がなく、グレーチング1を側溝2に取付ける取付ボルト7のうちの少なくとも一個を頭部70に突起70bが設けられた異形体Kの取付ボルト7に代えれば足りる。本グレーチング1の取付け構造はコスト的にも安価になっている。グレーチング1を側溝2に固定する取付ボルト7のうちの一本を、汎用ボルトBTに代えて異形体Kの取付ボルト7にするだけでよい。それでいて、ほぼ完璧な盗難防止のグレーチング1の取付構造になる。加えて、突起70bはその形状,大きさ等を変えることによって異形体Kを簡単に造り変えることもでき、コストをさほどかけずに盗難に対して盤石体制となる。
その一方で、グレーチング1の管理者がメンテナンス等でグレーチング1を外す必要がある場合は、専用治具9を用いていとも簡単に取外しできる。異形体Kの頭部70に専用治具9を被せるようにして嵌合部91を異形体Kに嵌合させ、後は汎用レンチを使って係合部92を回すだけである。グレーチング1の取付け,取外しの作業性にも優れる。
さらに、特許文献3のように従来の汎用グレーチング1を用いることができない構成と違って、汎用グレーチング1であっても、さらに既に付設されているグレーチング1であっても、透孔15aのある取付板15があるグレーチング1であれば、本グレーチング1の取付構造を適用できなど多大な効を奏する。
さらに、特許文献3のように従来の汎用グレーチング1を用いることができない構成と違って、汎用グレーチング1であっても、さらに既に付設されているグレーチング1であっても、透孔15aのある取付板15があるグレーチング1であれば、本グレーチング1の取付構造を適用できなど多大な効を奏する。
(2)実施形態2
図5〜図7は実施形態1と異なるグレーチング1の取付け構造の一形態で、図5はその雄ねじ部材と透孔と取付ナットとの位置関係、及び該取付ナットに嵌合する専用治具の説明斜視図、図6は図5の取付ナットに代わる別態様の取付ナットの斜視図、図7は図6の平面図、図8は図5や図6と異なる他態様図である。
図5〜図7は実施形態1と異なるグレーチング1の取付け構造の一形態で、図5はその雄ねじ部材と透孔と取付ナットとの位置関係、及び該取付ナットに嵌合する専用治具の説明斜視図、図6は図5の取付ナットに代わる別態様の取付ナットの斜視図、図7は図6の平面図、図8は図5や図6と異なる他態様図である。
本実施形態は、側溝2側の受体4に実施形態1の雌ねじ部材5に代えて雄ねじ部材6を配設固定する。側溝2側のグレーチング取付け用受体4には、グレーチング1の側溝2への載置で透孔15aの対向位置に雄ねじ部材6が配設固定される。図5のごとく受体4の水平部411下方から雄ねじ部63が通孔41aを貫通し上方に突き出し、雄ねじ部63を垂直起立するようにして、雄ねじ部材6の頭部61が水平部411下面に溶接固定される。尚、雄ねじ部材6の雄ねじ部63は軸部62の先端部分に設けるだけであるが、勿論軸部の全長に設けてもよい。他の側溝2の構成及びグレーチング1の構成は実施形態1と同様でその説明を省く。実施形態1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
そして、グレーチング1を側溝2に載置し、各透孔15aを介して前記雄ねじ部材6に取付ナット8を螺着することによりグレーチング1が側溝2に固定されるが、それらの取付ナット8のうち、少なくとも一個以上の取付ナット8を突起70bが設けられた異形体Kとする。
取付ナット8は、通常用いられる汎用ナットと同じく、鉄やステンレス等の金属製で、ナット本体80に雌ねじ部82が貫通するものである。しかるに、グレーチング四隅の取付板15の透孔15aを介してグレーチング1を側溝2に取付ける四本の取付ナット8うち、少なくとも一個以上(ここでは一個)はそのナット本体80を図5のような異形体Kとする。ここでの異形体Kはナット本体80に鍔80dと突起80bを設けたものである。本異形体Kは実施形態1の異形体Kがナット本体80に代わるだけでその外形はほぼ似通っている。ナット本体80の本体部分は汎用ナットの六角柱(六角形)した外形と違って円柱形(円形)とする。該円柱形は前記六角柱よりも平面視で一回り小さい。そして、該ナット本体80の下縁に外方へ張り出す鍔80dを設ける一方、ナット本体80の側面部分80aに水平外方向に延びるリブ状突起80bを突設する。突起80bは平面視で本体側面部分80aから外方へ凸状部を突出形成してなる。突起80bは側面部分から放射線状に所定間隔で複数設けられる。突起80bの下部は鍔80dに結合する。鍔80dの領域を除き、突起80bがあるナット本体80の領域では、垂直方向ほぼ等断面形状になっている。図5のように専用治具9を異形体Kの上方から矢印のごとく垂直下降して異形体Kに深く且つ十分に嵌合させ、専用治具9による異形体Kの取付ナット8の取付け取外しを円滑にするためである。突起80bが設けられることによって市販の汎用レンチは使用できない。六角形等したJIS規格のナットと違って、基体部分となるナット本体80に突起80bが設けられることによって、一般ナットから変形した異形体Kとなり、市販の汎用レンチでは該異形体Kの取付け,取外しが不可能になる。該突起80bが設けられた異形体Kに嵌合する図5ごとくの専用治具9のみによりその取付ナット8の取付けや取外しができるグレーチング1の取付構造になる。符号83は異形体Kに係る取付ナット8の貫通孔を示す。符号80cは突起80bの形成によって該突起と本体側面部分80aとでつくる凹所を示す。
突起80bが図5のごとくナット本体80の側面部分から放射線状にいくつも形成されることによって、突起80bへの専用治具9の係止が強化されるが、該突起80bの大きさ,形状等を変えてもよい。図6,図7は突起80bの個数が図5のものと異なる異形体Kのナットとした別態様品である。斯かる異形体Kの取付ナット8を用いても、勿論、本発明のグレーチング1の取付構造になる。
また、取付ナット8に関しては、図8ごとくの袋ナットタイプの異形体Kとすることもできる。図8に示す異形体Kの取付ナット8は、図5と同様、雌ねじ部82を設けたナット本体80に鍔80dと突起80bを設ける。ただ、図5と違って、ナット上部を被冠部85で帽子状に覆って雌ねじ部82が上方へ貫通しないようにしている。被冠部85で雌ねじ部82が覆われることで、該異形体Kの取付ナット8が雄ねじ部材の雄ねじ部と螺合してグレーチングに取付けられて永年使用しても、その螺合部分にゴミや砂等が入らない利点がある。尚、図8の異形体Kの取付ナット8は、袋ナットタイプであるので、雄ねじ部材6の軸部62,雄ねじ部63に長さ制限がある。
また、取付ナット8に関しては、図8ごとくの袋ナットタイプの異形体Kとすることもできる。図8に示す異形体Kの取付ナット8は、図5と同様、雌ねじ部82を設けたナット本体80に鍔80dと突起80bを設ける。ただ、図5と違って、ナット上部を被冠部85で帽子状に覆って雌ねじ部82が上方へ貫通しないようにしている。被冠部85で雌ねじ部82が覆われることで、該異形体Kの取付ナット8が雄ねじ部材の雄ねじ部と螺合してグレーチングに取付けられて永年使用しても、その螺合部分にゴミや砂等が入らない利点がある。尚、図8の異形体Kの取付ナット8は、袋ナットタイプであるので、雄ねじ部材6の軸部62,雄ねじ部63に長さ制限がある。
本実施形態の専用治具9は、取付ナット8と前記取付ボルト7の異形体Kの外形が略同じであることから、図5のごとく、実施形態1の嵌合部91と同じ嵌合部91を形成する。図8の袋ナットタイプの専用治具は被冠部85の対応部分が追加された嵌合部91になる。一方、治具本体90の上端外部には、取付ナット8に嵌合後に該専用治具9を作動させることのできる汎用レンチとの係合部92が二つ設けられている。六角形レンチに対応する係合部92の他、またその上に四角形レンチに対応する第二係合部93を設けた専用治具9になっている。
本実施形態でも、突起80bに代えて凹溝とすることもできる。基体部分となる外形が円柱形ナット本体80に凹溝が設けられることによって、一般ナットから変形した異形体Kとなり、市販の汎用レンチでは該異形体Kの取付け,取外しが不可能になる。該凹溝が設けられた異形体Kに嵌合する専用治具のみによりその取付ナット8の取付けや取外しができるグレーチング1の取付構造になる。しかし、突起80bの方がより好ましい。凹溝が形成されると、ゴミや雨水が溜まり易く、専用治具を使っての異形体ボルトの取外し作業が厄介になる虞があるからである。
本実施形態でも、突起80bに代えて凹溝とすることもできる。基体部分となる外形が円柱形ナット本体80に凹溝が設けられることによって、一般ナットから変形した異形体Kとなり、市販の汎用レンチでは該異形体Kの取付け,取外しが不可能になる。該凹溝が設けられた異形体Kに嵌合する専用治具のみによりその取付ナット8の取付けや取外しができるグレーチング1の取付構造になる。しかし、突起80bの方がより好ましい。凹溝が形成されると、ゴミや雨水が溜まり易く、専用治具を使っての異形体ボルトの取外し作業が厄介になる虞があるからである。
次に、グレーチング1を側溝2へ取付ける一手順を説明する。側溝2の各通孔41aにグレーチング四隅にある透孔15aを一致させるようにして、側溝2の受体4上にグレーチング1を載置する。図5のごとくグレーチング1の左上隅の透孔15aから雄ねじ部材6が突き出した姿態になる。この雄ねじ部材6の雄ねじ部に、手と専用治具9とを使って異形体Kの取付ナット8を螺合し、グレーチング1を側溝2に固定する。異形体Kに嵌合する専用治具9を使うため、異形体Kの取付ナット8でも雄ねじ部材6に難なく螺着固定できる。グレーチング1の他の三カ所の透孔15aについては、従来と同じように汎用レンチを使って汎用ナットをそれぞれの雄ねじ部材6の雄ねじ部63に螺合し、グレーチング1を側溝2に固定する。これでだけで、グレーチング1の側溝2への取付けが完了し、本発明のグレーチング1の取付構造になる。
このように構成したグレーチング1の取付構造は、異形体Kが実施形態1の取付ボルト7の頭部70に代わって取付ナット8のナット本体80に置き換わっただけであり、実施形態1と同様の効果が得られる。側溝2にグレーチング1が一旦取付られると、異形体Kに嵌合する専用治具9がないとグレーチング1を側溝2から取り外すことができないため盗難に合う虞はない。グレーチング1を側溝2に螺着固定する複数の取付ナット8のうちの一個を、異形体Kの取付ナット8にすればこと足りる。本グレーチング1の取付け構造はコスト的にも廉価に対応できる。それでいて、ほぼ完璧な盗難防止対策を施したグレーチング1の取付構造になる。さらに、図8ごとくの袋ナットタイプの異形体Kとすると、該異形体Kの取付ナット8が雄ねじ部材6と螺合し、グレーチング1を取付けまま永年使用しても、専用治具9によるその取付ナット8の取外しが簡単になる。被冠部85で雌ねじ部82が覆われており、螺合部分に雨水が浸入して螺合部分がサビ付くこともない。また、螺合部分にゴミや砂等が入ることもないので、取付ナット8を楽に弛めることができる。屋外に置かれることが多いなか、取付ナットの取外しが困難になったりする問題を解消でき、メンテナンスの維持管理を楽にする。他の効果は実施形態1と同じでその説明を省略する。
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。グレーチング1,取付板15,側溝2,受体4,雌ねじ部材5,雄ねじ部材6,取付ボルト7,取付ナット8等の形状,大きさ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。
1 グレーチング
15a 透孔
2 側溝
5 雌ねじ部材
6 雄ねじ部材
7 取付ボルト
70 頭部
7a1 主部側面部分(側面部分)
70b 突起
8 取付ナット
80a 本体側面部分(側面部分)
80b 突起
9 専用治具
K 異形体
15a 透孔
2 側溝
5 雌ねじ部材
6 雄ねじ部材
7 取付ボルト
70 頭部
7a1 主部側面部分(側面部分)
70b 突起
8 取付ナット
80a 本体側面部分(側面部分)
80b 突起
9 専用治具
K 異形体
Claims (2)
- グレーチングにこれの取付け用透孔が複数設けられる一方、側溝には該グレーチングの側溝への載置で該透孔の対向位置に雌ねじ部材又は雄ねじ部材が配設固定され、
グレーチングを該側溝に載置し、各透孔を介して前記雌ねじ部材に取付ボルトを螺着するか又は前記雄ねじ部材に取付ナットを螺着することによりグレーチングが側溝に固定され、且つそれらの取付ボルト又は取付ナットのうち、少なくとも一個以上の取付ボルトに係る頭部又は取付ナットを、突起若しくは凹溝が設けられた異形体とし、該異形体に嵌合する専用治具のみによりその取付ボルト又は取付ナットの取付け取外しを可能とすることを特徴とするグレーチングの取付構造。 - 少なくとも一個以上の前記取付ボルトに係る頭部又は前記取付ナットを、突起が設けられた異形体とし、且つ該突起が前記取付ボルトに係る頭部の側面部分又は前記取付ナットの側面部分に設けられる請求項1記載のグレーチングの取付構造。
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