JP2009090235A - 排ガス成分浄化用触媒材及び同触媒材付パティキュレートフィルタ - Google Patents
排ガス成分浄化用触媒材及び同触媒材付パティキュレートフィルタ Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】活性アルミナの一次粒子と、Ce、Zr、及びCe以外の希土類金属Rを含有する複合酸化物の一次粒子とが互いに混ざり合って二次粒子を形成しているサポート材に触媒金属を担持する。上記複合酸化物の一次粒子にはCeO2が20mol%以上60mol%以下の割合で含まれるようにする。
【選択図】図5
Description
上記複合酸化物の一次粒子にはCeO2が20mol%以上60mol%以下の割合で含まれていることを特徴とする排ガス成分浄化用触媒材である。
本発明に係る排ガス成分浄化用触媒材は、以下の方法によって調製することができる。
Alイオン及びLaイオンを含む酸性溶液を調製する。Al源としては硝酸アルミニウム九水和物を、La源としては硝酸ランタン六水和物を、それぞれ採用することができる。Al源及びLa源各々の所定量と水とを混合して原料溶液(酸性)とする。
Ceイオン、Zrイオン、並びにCe以外の希土類金属Rのイオンを含む酸性溶液を調製する。Ce源としては硝酸セリウム(III)六水和物を、Zr源としてはオキシ硝酸ジルコニウム二水和物を、それぞれ採用することができる。Ce以外の希土類金属R源としては、Nd、La、Pr、Y等の硝酸塩を採用することができる。これらCe源、Zr源及びR源各々の所定量と水とを混合して原料溶液(酸性)とする。
上記各工程で得られた活性アルミナ粒子前駆体とCeZr系複合酸化物粒子前駆体とを混合する。すなわち、上記活性アルミナ粒子前駆体の沈殿物を含有する溶液とCeZr系複合酸化物粒子前駆体の沈殿物を含有する溶液とを混合する。その際、各溶液のpHは互いに同一になるように調整しておく。
上記活性アルミナ粒子前駆体及びCeZr系複合酸化物粒子前駆体の沈殿物を含む混合溶液を遠心分離器にかけて上澄み液を除去する。この上澄み液を除去した沈殿脱水物にさらにイオン交換水を加えて攪拌し再び遠心分離器にかける(脱水する)、という水洗・脱水操作を必要回数繰り返す。当該水洗・脱水操作により、余剰塩基性溶液が除去される。
上記沈殿脱水物を乾燥させた後、焼成し、粉砕する。乾燥は、例えば大気雰囲気において100℃〜250℃程度の温度に所定時間保持することによって行なうことができる。また、焼成は、例えば大気雰囲気において400℃〜600℃程度の温度に数時間保持することによって行なうことができる。これにより、Laを含有する活性アルミナの一次粒子と、Ce、Zr及び希土類金属Rを含有するCeZr系複合酸化物の一次粒子とが互いに混ざり合って二次粒子を形成するように凝集してなるサポート材粉末が得られる。
得られたサポート材粉末に触媒金属イオンを含有する触媒金属溶液を添加混合し、蒸発乾固させた後、粉砕する。これにより、図5に示す触媒粒子よりなる触媒材が得られる。触媒金属溶液としては、ジニトロジアミン白金硝酸溶液や硝酸パラジウム水溶液等の貴金属溶液を採用することができる。サポート材粉末に触媒金属溶液を含浸させ、乾燥・焼成するようにしてもよい。
以下、上記CeZr系複合酸化物粒子、並びに触媒粒子の好ましい組成等について、パティキュレートとしてカーボンを採用したカーボン燃焼性能試験及び排ガス(HC,CO)浄化性能試験に基いて説明する。
−供試材の調製−
CeZr系複合酸化物(CeZrRO)における希土類金属Rの種類及び配合比率を変えた種々の複合酸化物粉末を調製した。CeO2とZrO2のモル比は1:3とした。各複合酸化物粉末にジニトロジアミン白金硝酸溶液及びイオン交換水を混合して蒸発乾固を行ない、十分に乾燥させた後、500℃×2時間(大気中)で焼成することにより、Ptを担持させた各触媒材を調製した。但し、これら触媒材には活性アルミナは含まれていない。
供試材を固定床模擬ガス流通反応装置に取り付け、模擬排ガス(O2;10%,NO;300ppm,H2O;10%,残N2)を空間速度80000/hで供試材に流し、且つ供試材入口ガス温度を15℃/分の速度で上昇させていき、該温度が590℃に達した時点のカーボン燃焼速度を測定した。この場合、カーボン燃焼速度は、カーボンの燃焼によって生成するCO及びCO2量に基いて次式により算出した。
カーボン燃焼速度(g/hr)
={ガス流速(L/hr)×[(CO+CO2)濃度(ppm)/(1×106)]}×12(g/mol)/22.4(L/mol)
−供試材の調製−
上述の触媒粒子の調製法により、CeZr系複合酸化物一次粒子中のCeO2比率(CeO2/CeZrROのmol%)、並びに活性アルミナ粒子(La2O3比率;5mol%)とCeZr系複合酸化物粒子との合計量に占める該CeZr系複合酸化物粒子の割合(以下、これを「CeZrRO比率」という。)が相異なる実施例の各触媒材を調製した。CeZr系複合酸化物粒子の希土類金属RとしてはNdを採用し、そのNd2O3比率は4mol%に固定した。また、触媒金属Ptの担持には蒸発乾固法を採用した。
上記実施例及び比較例の各供試材について、フィルタ1L当たり10g相当量のカーボン(カーボンブラック)を排ガス通路壁面に堆積させた後、上述のカーボン燃焼性能試験により、温度590℃でのカーボン燃焼速度を測定した。実施例の結果を表1に、比較例の結果を表2に示す。
上記実施例及び比較例の各供試材について、上記カーボン燃焼性能試験の場合とは異なり、カーボンブラックを堆積させることなく、排ガス中のHC及びCOの浄化に関するライトオフ特性を調べた。すなわち、各供試材を模擬ガス流通反応装置にセットし、模擬排ガス(O2;10%,H2O;10%,NO;100ppm,C3H6;200ppmC,CO;400ppm,残N2)を空間速度50000/hで供試材に流し、且つ供試材入口ガス温度を15℃/分の速度で上昇させていった。そして、供試材下流で検出されるガスの各成分(HC、CO)濃度が、供試材に流入するガスの各成分(HC、CO)濃度の半分になった時点(すなわち浄化率が50%になった時点)の供試材入口ガス温度T50(℃)を求めた。実施例の結果を表3に、比較例の結果を表4に示す。
2 排ガス流入路(排ガス通路)
3 排ガス流出路(排ガス通路)
4 栓
5 隔壁
6 細孔通路(排ガス通路)
7 触媒層
Claims (6)
- 活性アルミナの一次粒子と、Ce、Zr、及びCe以外の希土類金属Rを含有する複合酸化物の一次粒子とが互いに混ざり合って二次粒子を形成するように凝集してなり、
上記複合酸化物の一次粒子にはCeO2が20mol%以上60mol%以下の割合で含まれていることを特徴とする排ガス成分浄化用触媒材。 - 請求項1において、
上記活性アルミナ一次粒子と複合酸化物一次粒子との合計量に占める該複合酸化物一次粒子の割合が10質量%以上75質量%以下であることを特徴とする排ガス成分浄化用触媒材。 - 請求項1又は請求項2において、
上記複合酸化物の一次粒子にはCeO2が20mol%以上45mol%以下の割合で含まれていることを特徴とする排ガス成分浄化用触媒材。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
上記希土類金属Rが、Nd、La、Pr及びYから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする排ガス成分浄化用触媒材。 - エンジンから排出されるパティキュレートを捕集するフィルタ本体の排ガス通路壁面に触媒層が形成されているパティキュレートフィルタであって、
上記触媒層に請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載された排ガス成分浄化用触媒材が含まれていることを特徴とするパティキュレートフィルタ。 - 請求項5において、
上記排ガス成分浄化用触媒材は、上記二次粒子に触媒金属としてPtが担持されていることを特徴とするパティキュレートフィルタ。
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