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JP2009072407A - 脈波測定装置 - Google Patents

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JP2009072407A JP2007244991A JP2007244991A JP2009072407A JP 2009072407 A JP2009072407 A JP 2009072407A JP 2007244991 A JP2007244991 A JP 2007244991A JP 2007244991 A JP2007244991 A JP 2007244991A JP 2009072407 A JP2009072407 A JP 2009072407A
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Masao Hashimoto
正夫 橋本
Hideyuki Kobayashi
秀行 小林
Hironori Sato
博則 佐藤
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Omron Healthcare Co Ltd
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Abstract

【課題】脈波センサの最適位置決めの煩雑さを解消する。
【解決手段】人の手首にセンサユニット1を取り付ける。センサユニット1内のカメラ1Bにより手首を含む生体の画像情報を取得し、画像情報から手首表面の特徴点を認識する。認識した特徴点と、あらかじめ与えられる最適位置との関係から、センサ移動距離を算出する。算出した移動距離情報に従って、ユニット内に構成されるセンサ部1Aをモータ部1Cなどにより移動する。移動した圧力センサアレイ11を押圧カフ13により、生体に押し当てることで、動脈内圧情報を取得する。
【選択図】図1

Description

本発明は脈波測定装置に関し、特に、画像認識による動脈位置探索機能を備える脈波測定装置に関する。
脈波測定装置を用いて被測定者(患者など)の脈波を測定すると、測定された脈波においては、心臓からの血流の押出し圧力波(駆出波)と、末端からの反射圧力波(反射波)とが検出される。駆出波および反射波を含む脈波を測定することで、当該被測定者の血管の硬化(老化)の程度を知ることができる。したがって、脈波を測定することは、当該被測定者の健康状態を知るために非常に重要である。
従来の脈波測定装置は、手首の撓骨動脈上の測定部位に装着されるセンサを備える。測定時には、被測定者は、最適な測定位置、すなわち動脈の位置にまで、センサを移動させる。大まかな位置合わせは、マニュアル操作によるが、微調整は実際に脈波を測定しながら動脈位置を判別する。
撓骨動脈から精度良く脈波形を測定するためには、センサを撓骨動脈直上という最適位置に位置決めすることが必要である。また、撓骨動脈はその長手方向に見た場合、生体表面に最も浮き出ている箇所で、精度良く脈波に相当の動脈内圧を測定することができる。
従来の技術では、特許文献1や特許文献2のように撓骨動脈位置を人指による触診によって探索し、その直上にセンサを位置決めすることで、測定を行っている。また、最適位置からセンサがずれていた場合には、特許文献1の人手や特許文献3の外部動力により位置補正することで、センサを撓骨動脈直上に位置決めしている。特許文献4では、光を用いた技術により撓骨動脈位置を探索し、撓骨動脈直上にセンサを位置決めしている。
特開2003−325463号公報 特表平6−510919号公報 実開平01−126205号公報 特開平11−70087号公報
しかし、特許文献1や特許文献2では、人指による触診という人の感覚に依存するために、最適位置が不明確である。また、橈骨動脈の長手方向についても最適位置があり、この最適位置を人指による触診の探索では、探索結果にばらつきが発生する。
また、特許文献4の技術では、動脈を探索するまでであり、動脈の長手方向の最適位置までは探索できない。また、光を用いて動脈位置を特定するための測定素子や回路などが特別に必要となる。また、光は外乱を受けやすく一定の測定精度を得ることが困難である。
それゆえに、この発明の目的は、脈波センサの脈波測定のための位置決めの煩雑さを解消する脈波測定装置を提供することである。
この発明のある局面に従うと、脈波測定装置は、生体表面に押圧される圧力センサと、圧力センサによる押圧部位の生体表面を撮影して、画像データを出力する撮影部とを有するセンサ部とを含み、且つ生体表面を移動可能なセンサユニットと、動脈上に対応する生体表面の所定特徴を示す所定特徴データを、画像データから検出する特徴検出部と、特徴検出部による所定特徴データの検出位置と、所定特徴データに対応して予め登録された位置とに基づきセンサユニットが移動するべき移動量を検出する移動量検出部とを備える。
好ましくは、センサユニットは、与えられる駆動信号に基づき、センサ部を生体表面の上を移動させるためのセンサ移動部をさらに含み、脈波測定装置は、さらに、移動量検出部によって検出した移動量に基づき駆動信号を生成して出力する駆動信号生成部を備える。
好ましくは、センサ移動部は、駆動信号に従い回転動作するモータを含み、センサ部は、回転動作に連動して移動する。
好ましくは、センサ移動部は、センサ部の周囲に気密に取付けられて内部の気体量に応じて伸縮する伸縮管と、伸縮管内の気体量を駆動信号に従い調整する調整部とを含み、センサ部は、伸縮に連動して移動する。
好ましくは、センサ部は、圧力センサアレイの配列方向にスライド移動操作可能であって、脈波測定装置は、押圧部により押圧される圧力センサアレイの一方端の圧力センサから開始して、他方端に配置される圧力センサまで、配列における圧力センサの並びの順に従い、各圧力センサが出力する圧力データを連続的にプロットしたグラフデータを作成するグラフ作成部と、グラフ作成部により作成されたグラフデータに基づくグラフを、予め準備された表示部に表示する表示制御部と、をさらに備える。
好ましくは、表示制御部は、グラフ作成部により作成されたグラフデータが指示する脈圧の分布に従い、動脈上に位置する圧力センサの配列における位置を検出し、検出された位置に基づき、圧力センサアレイがスライド移動すべき方向を指示する方向指示データを表示部に表示する。
好ましくは、圧力センサは、複数の圧力センサ素子が配列された面が、動脈の上に該圧力センサ素子の配列方向が該動脈と交差するように押圧される圧力センサアレイと、圧力センサアレイの面を動脈上に押圧する押圧部と、を含み、脈波測定装置は、圧力センサアレイの圧力センサ素子のそれぞれによって検出される脈波情報に基づき、動脈の位置と、配列における中央の圧力センサの位置との差を検出する位置検出部と、検出した差に基づいて移動量を検出するセンサ移動量検出部とをさらに備える。
好ましくは、移動量は2次元的な移動量を示す。
好ましくは、移動量は、動脈と交差する第1軸が延びる方向に移動する量を示す。
好ましくは、移動量は、第1軸と交差する第2軸が延びる方向に移動する量を示す。
本発明によれば、生体表面上を移動可能なセンサ部をユーザが装着した後に、装着した部位の撮影画像により脈波測定部位である動脈上の生体表面の特徴を検出する。そして、検出した特徴に基づき脈波測定の最適位置である動脈位置までの移動量を検出することにより、センサ部をその最適位置にまで移動させることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一または相当部分を指し、その説明は繰返さない。
本実施の形態では、画像認識により検出した生体の特徴点に基づき、撓骨動脈の脈波を測定するための生体の測定部位である最適位置を検出し、検出した最適位置の測定部位に、脈波検出のためのセンサを押し当てる。これにより、センサの出力に基づき、橈骨動脈の内圧変動情報で示される脈波を測定する。
図1と図2には、本実施の形態に係る脈波測定装置のハードウェア構成が示される。図3にはセンサユニットと固定台を含む各部の接続関係が示される。図4には、センサユニットを生体に装着した状態が示される。本実施の形態では、脈波測定装置は、血圧測定装置と一体的に構成されるが、単独で構成されてもよい。
図3と図4を参照して、脈波測定装置は手首の橈骨動脈における脈波を検出するために、脈波測定部位の手首表面に装着されるセンサユニット1、脈波検出のために手首を固定するための固定台2および脈波検出および血圧測定のための演算を含む各種処理を実行するための表示ユニット3を備える。
固定台2は固定台ユニット7を内蔵する。固定台ユニット7とセンサユニット1とは通信ケーブル5とエア管6とを介して接続される。また、血圧測定部位に装着されるカフ52と表示ユニット3とはエア管53を介して接続される。ここでは、固定台ユニット7と表示ユニット3とは通信のためにUSB(Universal Serial Bus)ケーブル4を介して接続されるが、無線にて接続されてもよい。
脈波検出時には、図4に示すように、ユーザは手首を固定台2の所定位置に載置した状態で、センサユニット1を、触診にておおよそ特定した手首の橈骨動脈(図4の破線で示す)側の表面に位置させて、その状態でセンサユニット1と固定台2とをベルト8を介して締めて、手首上のセンサユニット1がずれないように止める。測定の態様としては、センサユニット1を用いた脈波測定のみ、カフ52を用いた血圧測定のみ、または両方の測定の3種類が想定される。
脈波検出のためのセンサユニット1は手首に装着される。血圧測定のためのカフ52は上腕部に巻付け(装着)される。装着の態様としては次のようである。たとえば左腕にセンサユニット1を装着し、右腕にカフ52を装着するというように、脈波と血圧を左右の腕において同時に検出するようにしてもよい。または、図4のように、同じ腕にセンサユニット1とカフ52を装着して、脈波検出に引き続き、血圧測定をするようにしてもよい。
図1を参照して、センサユニット1は、動脈内圧を検出するためのセンサ部1A、およびセンサ部1Aを移動させるためのモータ部1Cを備える。センサ部1Aは、複数の圧力センサが配列されて成る圧力センサアレイ11、圧力センサアレイ11中の複数の圧力センサそれぞれが出力する検出する脈圧に応じた電圧信号を選択的に導出するマルチプレクサ12、圧力センサアレイ11を手首上に押圧させるために加圧調整される空気袋を含む押圧カフ13、およびカメラ1Bを含む。
カメラ1Bは、センサ部1Aの圧力センサアレイ11が押圧される測定部位とその周辺の手首表面を撮影して、手首表面の画像を指す画像データを出力する。カメラ1Bは、CCD(Charged Coupled Device)カメラであり、圧力センサアレイ11を手首表面に押圧するために予め形成されたセンサユニット1の筐体の開口部から侵入する外光を用いて撮影することができると想定する。なお、センサユニット1内またはセンサ部1A内にLED(Light Emmiting Diode)などの補助光源を撮影用の照明光のために設けるようにしてもよい。
圧力センサアレイ11は、脈圧を検出するための複数個のダイアフラムと抵抗ブリッジ回路からなる圧力センサが、単結晶シリコンなどからなる半導体チップの後述の押圧面40に一方向に配列されて成る。
固定台ユニット7は、押圧カフ(空気袋)13の内圧(以下、カフ圧という)を加圧するための加圧ポンプ14と減圧するための負圧ポンプ15、加圧ポンプ14と負圧ポンプ15のいずれかを選択的にエア管6に切り替え接続するための切替弁16、これらを制御するための制御回路17、USBケーブル4が接続される通信回路18、およびセンサユニット1から導出された出力信号をデジタルデータに変換するためのA/D(Analog/Digital)コンバータ191、およびモータ部1Cに与えるべきデジタルの駆動信号をアナログ信号に変換して出力するためのD/A(Digital/Analog)コンバータ192を有する。
表示ユニット3は脈波測定装置を集中的に制御するために演算を含む各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)20、脈波測定装置を制御するためのデータおよびプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)21とRAM(Random Access Memory)22、外部から操作可能に設けられて各種情報を入力するために操作される操作部23、脈波検出結果および血圧測定の結果などの各種情報を外部出力するためにLCD(Liquid Crystal Display)などからなる表示器24、外部からCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)42が着脱自在に装着される外部I/F(Interface)41、現在時刻を計時して時間データとして出力するタイマ43、血圧測定ユニット50、血圧測定ユニット50とCPU20とを通信により接続するための通信回路71、固定台ユニット7とCPU20とを通信により接続するための通信I/F(Interface)72、および測定結果などの情報を印刷出力するための印字部10を有する。血圧測定ユニット50は、上腕に装着されるカフ52を、エア管53を介し接続する。
なお、ここでは固定台2の固定台ユニット7と表示ユニット3とは別個に設けたが、両機能を固定台2に内蔵する構成であってもよい。内蔵される場合には、操作部23と表示器24とは外部から操作可能なように、または外部から表示内容を確認可能なように固定台2の筐体に取付けされる。
図3を参照して、表示ユニット3の操作部23は測定の開始を指示するために押下されるスイッチ231、測定の終了(停止)を指示するために操作されるスイッチ232、出力の切り替えを指示するために操作されるスイッチ233、表示器24の画面に表示される、または印字部10によって印刷される脈波波形のレンジを切替えるために操作されるスイッチ234、表示器24の画面に表示される脈波の波形をスクロールするために操作されるスイッチ235、表示器24の画面のカーソル(図示せず)の移動による情報の選択または操作内容の決定を指示するために操作されるスイッチ群236、ならびに表示器24の画面において、または印字部10の紙面において、脈波の1拍ごとの波形とともに出力される当該脈波の波形から算出される値、たとえばAI値、脈波伝播速度関連情報を指す公知の指標であるTR(Traveling time to Reflected wave)値および中枢血圧推定値を指すSBP2(second Systolic Blood Pressure)の値を指示するために操作されるスイッチ237、238および239、ならびに印字部10に対して情報の印刷を指示するために操作されるスイッチ240を有する。
本実施の形態では、CPU20は検出された脈波に基づき、ROM21に予め格納されたプログラムに従い、AI値、TR値およびSBP2の値を算出することができる。
図2には血圧測定ユニット50とその関連部分の構成が示される。図2を参照して、血圧測定ユニット50は、カフ52に内蔵されている空気袋51内の圧力(以下「カフ圧」という)により容量が変化する圧力センサ54、圧力センサ54の容量値に応じた発振周波数の信号をI/F60を介して通信回路71に出力する発振回路55、カフ圧のレベルを調整するためのポンプ56および弁58、ポンプ56を駆動するポンプ駆動回路57、および弁58の開閉度合を調整するための弁駆動回路59を備える。空気袋51と圧力センサ54、ポンプ56および弁58とはエア管53を介して接続される。I/F60は、発振回路15から得られる信号を圧力信号(動脈の容積変化を示す圧脈波の信号)に変換し、通信回路71に出力する。
図5(A)〜(C)にはセンサ部1Aの構成が示される。図5(A)のセンサユニット1内のセンサ部1Aの、手首装着時の手首を横断する方向の概略的な断面構造が図5(C)に示される。図5(C)の押圧カフ13が加圧ポンプ14および負圧ポンプ15によりカフ圧が調整されると、セラミックないしは樹脂により成型されたブロックを介して取付けられた圧力センサアレイ11は図5(C)に示す矢印25方向に該カフ圧レベルに応じた量だけ自在に移動する。圧力センサアレイ11は矢印25の下方向に移動することにより、センサユニット1の予め設けられた開口部から突出して手首表面に押圧される。
図5(B)と図5(C)に示すように、圧力センサアレイ11の複数個のセンサ素子である圧力センサ26の配列方向は、センサユニット1を手首に装着した時には橈骨動脈と略直交(交差)する方向に対応し、配列長は少なくとも橈骨動脈の径より長い。圧力センサ26それぞれは押圧カフ13のカフ圧により押圧されると、橈骨動脈から発生して生体表面に伝達される圧力振動波(脈圧)である圧力情報を電圧信号として出力する。圧力センサ26は所定の大きさ(5.5mm×8.8mm)の押圧面40において、たとえば40個配列される。
センサ部1Aは、センサ部1Cによってセンサユニット1内を自在に移動可能であり、移動方向の1つは、圧力センサアレイ11の圧力センサ26の配列方向に対応する。
図6には、図4のVI−VI線に沿う切断面が示される。図6では押圧カフ13のカフ圧は負圧ポンプ15により十分に減圧されているので(大気圧よりも十分に低い圧力レベルを有するので)圧力センサアレイ11はセンサユニット1の筐体内に収納された状態となり手首表面には接触していない。
図6では、センサ部1A内のカメラ部1Bは圧力センサアレイ11が押圧する部位とその周辺が撮像エリアとなうような位置に固定して取付けられる。センサユニット1内においてセンサ部1Aを移動させるためのモータを含む駆動機構からなるモータ部1Cの詳細は後述する。
本実施の形態では、脈波測定時には、後述するように表示器24を介して圧力センサアレイ11により検出された脈圧の分布を示すトノグラムが表示される。したがって、トノグラムにより、腱29の固形物または橈骨動脈27が位置する方向を、ユーザに対して報知することができる。
図7には、本実施の形態に係る脈波測定装置の機能構成が示される。図7を参照して脈波測定装置は、CPU20に対応する制御部400、各種の情報を記憶するためのROM21およびRAM22に対応する記憶部401、通信I/F72に対応する通信制御部402、および記憶部401のアクセスを制御するための記憶制御部403を備える。
さらに、脈波測定装置は、カメラ1Bによって撮影された画像データを処理するための画像処理部404、表示器24に対する情報の表示を制御するための表示処理部405、画像処理部404による画像データの処理結果に基づき、センサ部1Aの位置を検出するための位置検出部406、位置検出部406の検出結果に基づき、センサ部1Aを移動させるための距離および方向を検出するための移動距離検出部407、および移動距離検出部407の検出結果に基づき、モータ部1Bを駆動するための信号を生成する駆動信号生成部408を備える。
さらに、脈波測定装置は、血圧測定ユニット50による血圧測定を制御するための血圧測定部409、センサ部1Aによって検出された脈波信号を処理するための脈波処理部410、および脈波処理部410による処理結果に基づき、トノグラムのデータを作成するトノグラム作成部411を備える。
画像処理部404は、入力する画像データから所定の特徴を指す特徴データを検出(抽出)するための特徴抽出部412を含む。特徴抽出部412は、入力した画像データと、記憶部401に予め登録された画像データとのパターンマッチングを行ない、パターンマッチングの結果により特徴を検出するパターンマッチング部413を含む。
血圧測定部409は、血圧測定ユニット50から入力した圧力信号に基づき、血圧を算出する血圧算出部414を含む。
図8には、図7に示す記憶部401に登録される情報の一例が示される。図8を参照して記憶部401には、血圧算出部414による算出結果を指す血圧データ500、トノグラム作成部411により作成されたトノグラムデータ501、脈波処理部410により検出された脈波情報502、特徴画像データ503、最適位置データ504およびテーブル507が格納される。テーブル507の内容は後述する。
特徴画像データ503は、脈波測定部位の皮膚表面の所定の特徴を示す予め格納される画像データである。所定の特徴の詳細は後述する。
最適位置データ504は、脈波測定部位の皮膚表面の複数種類の特徴を指す特徴データ505と、各種の特徴データ505に対応して位置データ506を有する。位置データ506は、センサ部1Aが、脈波検出のための最適位置に位置しているとした場合に、モータ部1Cによって撮影された画像における対応する特徴データ505が指す特徴の位置情報を示す。最適位置データ504は予め実験などをすることにより測定されて、記憶部401に格納されると想定する。
ここでは、説明を簡単にするためにカメラ1Bから出力される画像データは、矩形の画像を指す。矩形の画像は直交するX軸およびY軸で規定される二次元の座標平面に相当し、位置データ506は、その座標平面における位置を座標(X,Y)の値で示している。
図9と図10には、本実施の形態に係るモータ部1Cを用いたセンサ部1Aの移動のための機構が示される。図9の機構は実開平1−126205号に開示された駆動力伝達の機構を利用したものである。図6、図9および図10を参照しセンサ部1Aの移動機構を説明する。
図10は、センサユニット1を上面からみた概略断面を示す図である。本実施の形態では、橈骨動脈27に略直交するX軸が延びる方向をX方向とし、このX軸に直交するY軸が延びる方向をY方向とすると、センサ部1Aは、XおよびY方向において移動可能である。図10では、センサ部1AをXおよびY方向において移動可能とするために、センサユニット1内においてX軸方向駆動ユニット370とY軸方向駆動ユニット371を備える。X軸方向駆動ユニット370とY軸方向駆動ユニット371は、モータ部1Cを構成するモータ350と360をそれぞれ備える。図9には、X軸方向駆動ユニット370の駆動機構が示される。X軸方向駆動ユニット370とY軸方向駆動ユニット371の駆動の為の機構は同様であるので、ここでは、代表して、X軸方向駆動ユニット370について説明をし、Y軸方向駆動ユニット371の説明は略す。なお、センサ部1Aが移動する方向を指すXおよびY方向それぞれは、前述した画像の2次元座標平面を規定するX軸およびY軸の延びる方向それぞれに対応する。
モータ350と360は、たとえばステッピングモータからなり、D/Aコンバータ192を介して入力したパルス状の電流信号である駆動信号によって、回転角と回転方向が指示されて制御される。指示された角度だけ回転すると、この回転に連動してセンサ部1AがX方向またはY方向に回転角に相当する距離を移動する。また、指示される回転方向は正回転と逆回転があり、正回転すると連動してセンサ部1AはX軸またはY軸が延びる所定方向に移動し、逆回転すると連動してこの所定方向とは反対方向に移動する。
図6と図9を参照して、センサユニット1内の長手方向中間部には、幅方向において相対向する側壁318と320の間において、板状をなす一対の取付部322と324が互いに所定間隔隔てて平行な状態で一体的に設けられている。取付部322およびそれと対向する側壁316の間には、橈骨動脈27と略直交する方向において送りねじ330がその両端部において軸心まわりに回転可能に支持されており、この送りねじ30にセンサ部1Aが取付けられている。
センサ部1Aは、圧力センサアレイ11とは反対側表面の中央部に突出部334が設けられて、かつ突出部334において送りねじ330に螺合された可動部材336と、その可動部材336に内部にダイヤフラム338を介して相対移動可能に且つ可動部材336の開口端から体表面に向かって押圧カフ13が突出可能である。センサ部1A内には、可動部材336とダイヤフラム338とによって空間342と338が形成されて、この空間342と338においてカメラ1Bが、圧力センサアレイ11が押圧される測定部位とその周辺の領域を撮影可能なように可動部材336に固定される。
また、センサ部1Aにはモータ部1Cに対応するモータ350を有する。取付部322と324の間には複数のギヤが組み合わせてなる減速ギヤ装置354が設けられており、この減速ギヤ装置354によってモータ350の出力軸352と送りねじ330の図中の右側端部とが作動的に連結されている。これにより、モータ350の回転駆動力が減速ギヤ装置354を介して送りねじ330へ伝達されるようになっている。このような回転駆動力の伝達機構により、送りねじ330に螺合された可動部材336はモータ350の回転に連動して、橈骨動脈27と略直交するX方向に自在に移動する。
上述と同様の機構と動作がY軸方向駆動ユニット371にも適用されて、駆動信号に従うモータ360の回転に連動して、センサ部1BはY方向に自在に移動する。
図11と図12には、本実施の形態に係る脈波測定装置における画像認識におる動脈位置探索のための処理手順が示される。このフローチャートは、予めプログラムとして、ROM21に格納されて、CPU20が、当該プログラムの各命令を読出し実行することにより、その機能が実現される。
ユーザは、図4に示すように、左手首にセンサユニット1を装着しベルト8で固定する(ステップS3)。このとき、ユーザはセンサユニット1を、触診にておおよそ橈骨動脈27の上に位置するように固定していると想定する。装着が完了すると、ユーザはスイッチ231を押下するので(ステップS5でYES)、次の処理(ステップS7)に移行する。スイッチ231が操作されなければ(ステップS5でNO)、スイッチ231が操作されるまで、ステップS3とS5の処理が繰返される。ここでは、スイッチ231の操作を処理開始の指示としているが、ベルト8の装着を検出する図示のないセンサを設けて、当該センサの検出結果に基づき処理を開始するとしてもよい。
ステップS7の処理においては、橈骨動脈27の位置が探索される。この処理の具体的内容が図12に示される。
図12を参照して制御部400は、スイッチ231の操作信号を入力すると、通信制御部402を介して、カメラ1Bに対し撮影の指示信号を与える。指示信号が与えられたカメラ1Bは、撮影動作を行ない、撮影により得られた画像データを出力する。出力された画像データは通信制御部402を介して画像処理部404に与えられる(ステップT3)。
画像処理部404では、入力した画像データについて濃淡画像に変換処理し、変換した画像データを特徴抽出部412に与える。特徴抽出部412は、入力した画像データを、その画像を複数個の領域に分割し、各領域についての画像データと記憶部401の特徴画像データ503に格納された各特徴量を示すデータとを照合する。この照合は、入力した画像データから橈骨動脈27上の皮膚表面の特徴を抽出(検出)するための処理であり、パターンマッチング部413を用いて行なわれる(ステップT5)。
パターンマッチングの結果、当該領域の画像データが、いずれかの特徴画像データ503と一致したと検出されると、一致が検出された特徴画像データ503に基づき位置検出部406は、記憶部401の最適位置データ504を検索し、当該特徴画像データ503に一致している特徴データ505に対応の位置データ506を読出す。読出された位置データ506は移動距離検出部407に与えられる。移動距離検出部407は、センサ部1Aについて移動すべき距離と方向を検出する(ステップT7)。
検出された移動距離と方向は、駆動信号生成部408に与えられる(ステップT9)。駆動信号生成部408は、与えられた移動距離と方向に基づき、センサ部1Aをモータ部1Cに与えるべき駆動信号を生成し、通信制御部402を介しモータ部1Cに出力する。これにより、モータ部1Cは入力した駆動信号に従い回転するので、センサ部1Aはモータの回転に連動して移動を開始する(ステップS9)。なお、センサ部1Aの移動時には負圧ポンプ15により押圧カフ13は十分に減圧されているので圧力センサアレイ11は生体表面から十分に離れている。
制御部400は、モータ部1Cの回転が停止し移動が停止したことを検出すると、圧力センサアレイ11を生体に押し当てるように加圧ポンプ14を制御する(ステップS11)。圧力センサアレイ11が生体に押し当てられると、圧力センサアレイ11により脈波信号が検出され、検出された脈波信号は脈波処理部410に与えられる。脈波処理部410は与えられる脈波信号に基づき、圧力センサ26ごとに時系列に抽出したデータをトノグラム作成部411に与える。
トノグラム作成部411は、与えられる脈波信号のデータに基づき、トノグラムを示すトノグラムデータ501を作成しする(ステップS13)。ここで、後述の図18のグラフに示すようにトノグラムデータ501が指す脈圧信号のピーク値は、圧力センサアレイ11における橈骨動脈動27上に位置する圧力センサアレイ26からの出力に相当する。したがって、ステップS13においては、トノグラムデータ501を作成することにより、橈骨動脈27の位置を検出することができる。
次に、トノグラム作成部411は作成したトノグラムデータ501を記憶部401に格納するとともに、表示処理部405に与える。表示処理部405は、トノグラムデータ501に基づくトノグラムを表示器24に表示する(ステップS15)。
次に、脈波処理部410は、作成されたトノグラムデータ501に基づき橈骨動脈位置と圧力センサアレイ11の中央に位置する圧力センサ26が位置とに差(ずれ)があるか否かを検出し、その検出結果に基づき、橈骨動脈の上に、圧力センサアレイ11の中央に位置する圧力センサ26が位置すると判定すると(S17でYES)、制御部400は位置決めを終了し、脈波処理部410に対し脈波測定を指示する(ステップS25)。続いて、脈波処理部410による脈波測定の処理が行なわれる(ステップS27)。脈波測定処理では、測定部位に押圧されている圧力センサアレイ11の各圧力センサ26が出力する圧力信号のうち、最も出力レベルの高い圧力センサ26(すなわち橈骨動脈27の上に位置する圧力センサ26)からの検出信号を時系列に入力して、表示器24に表示する。
一方、圧力センサアレイ11の中央のセンサ26が、橈骨動脈27の上に位置していないと判定されると(ステップS17でNO)、移動距離検出部407は記憶部401から読出したトノグラムデータ501に基づき、センサ部1Aの移動量を検出する(ステップS19)。続いて、負圧ポンプ15を駆動して圧力センサアレイ11を生体から離す(ステップS21)。続いて、センサ部1Aが、ステップS19で検出された移動量に基づき、モータ部1Cを介して移動させられる(ステップS23)。移動が終了するとステップS11以降の処理が同様に繰返される。
このように図11の処理によれば、脈波測定のためのセンサ部1Aの最適位置決めのために、ステップS3において手動によりセンサ部1Aはおおよその位置決め(これを、第1位置決めステップという)がされ、続いてステップS9の撮影画像の処理結果に基づくセンサ部1Aの移動による位置決め(これを、第2位置決めステップという)がされ、さらにステップS19によるトノグラムデータ501に基づくセンサ部1Aの移動による位置決め(これを、第3位置決めステップという)がされるので、センサ部1Aを脈波測定のための最適位置に置くことが可能となる。
次に、上述の第2位置決めステップを詳細に説明する。
図13には、解剖学的観点からの脈波測定のための撓骨動脈上に最適測定ポイントが左手首を例にして示される。たとえば左手首の撓骨動脈は、最も体表面に現れる箇所は、図13の右側の手首側面図のとおり、撓骨茎状突起部であることがわかっている。撓骨動脈は、手首中央に走行する腱と手首側面との間を走行している。
したがって、図中の四角形の測定最適位置が占める範囲は、手首の表面に現れている特徴、すなわち図14の手首の括れ、手首側面、手首中心線および皮脂腺などの特徴を基準として表すことができる。本実施の形態は、これらの特徴を画像認識によって認識するべき特徴とし、特徴画像データ503として予め記憶部401に格納するとともに、特徴データ505として予め格納する。センサ部1Aが脈波測定のための最適位置にあるときにカメラ1Bの撮影画像において、特徴データ505の特徴の出現する座標位置を指す位置データ506は予め実験などにより求めて記憶部401に格納する。
本実施の形態では説明を簡単にするために、脈波測定装置のユーザは、平均的な手首のサイズを有していることを想定し、特徴データ503および最適位置データ504もそのようなユーザを対象にしたデータであると想定する。
なお、図14の特徴は、個人に固有の特徴であるから、特徴データ503と最適位置データ504は、脈波測定装置を使用するユーザ毎に予め検出して記憶部401に登録しておくことが望ましい。脈波測定時には、ユーザ毎に対応する特徴データ503とパターンマッチングを行い、最適位置データ504を検索して移動距離と方向を検出する。これにより、個人単位で脈波検出の精度を高めることができる。
図15には、第2位置決めステップにおける移動の距離と方向を検出するための手順が模式的に示されている。矩形状の2次元座標平面を指す画像データ300が撮影によってカメラ1Bから出力された場合において、画像データ300の座標の原点Oは、カメラ1B、すなわちセンサ部1Aの現在位置を指す。また、画像データ300内のエリア200はカメラ1B、すなわちセンサ部1Aが最適位置にあるときの所定の特徴OPの出現エリアであるとする。
ここで、センサ部1Aが原点Oに位置しているときに、パターンマッチグ部413によって所定の特徴OPを指す特徴Pが座標(X,Y)の位置において検出されたとすれば、センサ部1Aの現在位置は最適位置ではなく、最適位置にまで移動させるべきことがわかる。その移動量は、移動距離検出部407によって、所定の特徴OPの座標(X1、Y1)と、検出された特徴Pの座標(X,Y)との差分に基づき、X方向への移動量はX1−X=DX3およびY方向への移動量はY1−Y=DY3と算出される。このとき、算出された移動量は正の値を指すので、移動距離検出部407は、移動すべき方向はX方向およびY方向ともに正方向であると検出する。
したがって、駆動信号生成部408は、移動距離検出部407によって検出された2次元平面におけるXおよびY方向の移動量と、移動方向(正方向)とに基づき、モータ部1Cの各モータ350と360駆動するための信号を生成し出力する。これにより、モータ部1Cの各モータは、与えられる駆動信号に基づき回転するので、センサ部1Aは当該回転に連動して移動し、移動終了時には、最適位置にまで到達することができる。
次に、上述の第3位置決めステップを詳細に説明する。
脈波処理部410はトノグラムデータ501に基づき橈骨動脈27上に位置する圧力センサ26の候補から、橈骨動脈27上に位置している圧力センサ26を最適チャンネルとして選択するための処理を実行する。トノグラムデータ501は、各圧力センサ26について、当該圧力センサ26により検出された脈圧信号が示す直流成分と交流成分のデータとを含む。脈波処理部410は直流成分のレベルが一定しきい値以上となっているすべての圧力センサ26を、橈骨動脈27上に位置していないと特定する。そして脈波処理部410は特定された圧力センサ26を除外した残りの圧力センサ26は橈骨動脈27上に位置する圧力センサの候補とみなす。そして、この候補のうちから、直流成分のレベルがより低く、かつ交流成分のレベルがより高い圧力センサ26を橈骨動脈27の真上にある最適チャンネルとして選択する。正確かつ安定した脈波信号を検出するためには、この最適チャンネルは、圧力センサアレイ11の中央に位置する圧力センサ26であることが要求される。ステップS17では、脈波処理部410は、最適チャンネルと選択された圧力センサ26のチャンネル番号と、予め記憶された中央の圧力センサのチャンネル番号とを比較し、一致していれば最適位置と検出し(ステップS17でYES)、一致しなければ最適位置ではないと検出する(ステップS17でNO)。
そこで、移動距離検出部407は、脈波処理部410により選択された最適チャンネルの圧力センサ26と中央に位置する圧力センサ26との距離を検出する。具体的には、移動距離検出部407は、圧力センサアレイ11の各圧力センサ26のチャンネル番号データに対応して、当該圧力センサ26と中央の圧力センサ26との距離データ(距離と方向)を格納している記憶部401のテーブル507を検索して、対応する距離データを読出すことで、移動量と方向を検出することができる。
検出した距離に基づく移動量と方向は駆動信号生成部408に与えられる。駆動信号生成部408は、移動距離検出部407によって検出された移動量と移動方向とに基づき、モータ部1Cのモータ350を駆動するための信号を生成し出力する。これにより、モータ350は、与えられる駆動信号に基づき回転するので、センサ部1Aは当該回転に連動して移動する。その結果、移動終了時には、センサ部1Aは圧力センサアレイ11の中央に位置する圧力センサ26が橈骨動脈27のほぼ真上に位置するような最適位置にまで到達することができる。
圧力センサアレイ11は橈骨動脈27と略直交するX方向に並ぶので、第3位置決めステップでは、移動はX方向のみになり、モータ部1Cのモータ350のみが動作する。
第3位置決めステップは上述のように自動によるものに限定されず、図16〜図21に示すように、ユーザの手動で、センサ部1Aを圧力センサアレイ11の配列方向にスライド移動操作することで実現するとしてもよい。
図16では、センサユニット1の他の例が示される。図16では、脈波測定時には、図に示すように、ユーザは手首を固定台2の所定位置に載置した状態で、センサ部1Aをスライド移動により手首の橈骨動脈側の表面に位置させてセンサユニット1の筐体と固定台2とをベルト8を介して締めて、手首上のセンサユニット1がずれないように止める。測定状態にないときはセンサ部1Aは筐体内に収容されており、測定時には溝9に案内されて筐体内から外部に手動にてスライド移動されて、手首上に位置する。
図17にはセンサユニット1の筐体に印字(プリント)されたマーク61と62(文字‘A’と‘B’付き矢印)が示される。図17のマーク61は、センサ部1Aを収容する筐体の側面において、センサユニット1を手首に装着した状態のユーザ側から、確認可能なように、センサ部1Aを溝9に案内されてスライド移動操作の可能な方向が→、←で印字されるとともに、各矢印には方向を一意に指示する文字(‘A’と‘B’)が付されて印字されている。
センサユニット1がユーザの手首に装着された状態において、マーク61と62の文字‘A’は、ユーザの左側を指し、文字‘B’はユーザの右側を指す。したがって、センサユニット1を装着した状態では、センサ部1Aを文字‘A’側にスライドすることは、ユーザは左側にスライド操作することを指し、文字‘B’側にスライドすることは、右側にスライド操作することを指す。
ここで、ステップS15において作成(表示)されるトノグラムについて説明する。図18には、作成されたトノグラムデータ501に基づく表示の一例が、圧力センサアレイ11のセンサ26の配列方向と関連付けして示される。
図18を参照して、トノグラム作成部411が作成するトノグラムデータ501は、圧力センサアレイ11の圧力センサ26のそれぞれと、当該圧力センサが出力する脈圧信号が指すレベルとを関連付けしてなるデータである。表示処理部405は、記憶部401からトノグラムデータ501を読出し、読出したデータに基づき、図18のようなグラフを表示する。当該グラフは、脈圧レベルを縦軸VJにとり、横軸HJに圧力センサ26の配列に対応させている。そして、原点Oを、グラフのプロットの開始点として、A側の圧力センサ26からB側の圧力センサ26までを配列に従う順番で、各圧力センサ26が出力する脈圧信号が指すレベルを、連続的にプロットしたグラフである。したがって、横軸HJについて原点O側には‘A’の文字CHが、原点Oとは反対側には‘B’の文字CHが関連付けをして表示される。文字CHはセンサユニットの筐体に印刷されたマーク61の文字に一致する。したがって、ユーザは、プロットの開始点または終了点と、圧力センサアレイ11の配列の一方端と他方端の圧力センサ26の出力との対応付けが可能となる。
図示されるように、圧力センサアレイ11の中央の圧力センサ26は符号Mで示されるが、この符号Mで示す圧力センサ26が橈骨動脈27上に位置するときは、すなわちセンサ部1Aが最適位置にあるときには、ピーク値がトノグラムの中央の軸MJに出現する。
したがって、第3位置決めステップではユーザは、表示されたトノグラムを参照しながら、ピーク値が軸MJに出現するように、表示された文字‘A’、‘B’と、筐体に印字されたマーク61の文字とを照合し、センサ部1Aを手動でスライド操作する。
手動によるスライド操作量をガイダンスする次のような機能が提供されてもよい。
センサユニット1の筐体の側面のマーク61は、図19に示すようにセンサユニット1の筐体の上面において、センサユニット1を手首に装着した状態のユーザが確認可能なように、センサ部1Aを溝9に案内されてスライドすべき向きが→、←で印字されるとともに、各矢印には向きを一意に示す文字(‘A’と‘B’)のマーク62が付されて印字されている。
また、図19に示されるように、筐体の上面の一部には開口部(窓)67が形成されている。また、センサ部1Aの上面にはマーク66が印字されている。センサ部1Aが溝9に案内されてスライド移動するのに伴い、マーク66も開口部内をスライドする方向に移動する。
ここで、図19を参照して、センサ部1Aを収容する筐体の上面において開口部67を挟んで、一方側に複数の棒状のマーク64が印刷されて、他方側にも、これら棒状マークのそれぞれに対応する位置に棒状マーク64が印刷されている。棒状マークのそれぞれは異なる色で着色されており、かつ開口部67を挟んで対応して位置する棒状マークどうしは同じ色で着色されている。
センサ部1Aを溝9の案内によりスライド移動操作させる場合には、マーク64のいずれかの色の棒状マークの位置に、センサ部1Aのマーク66を合わせるように操作する。
(ダイアログ表示)
本実施の形態では、センサ部1Aを操作して溝9に沿ってスライド移動する方向を、ユーザに、図20と図21のダイアログを表示して案内するようにしてもよい。ダイアログを表示するために、RAM22の表示用データが用いられる。
脈波処理部410は、トノグラムデータ501に基づき、ピーク値を指す圧力センサ26は、圧力センサアレイ11の中央に位置する圧力センサ26に一致するか否かを検出する。中央に位置する圧力センサ26であると検出されない場合には、表示処理部405によりダイアログが表示される。つまり、最適トノグラムを得られるような位置にセンサ部1Aを移動操作するためのガイダンスが表示される。
具体的には、表示処理部405は、ステップS19で移動距離検出部407が検出した移動量と方向に基づき、ダイアログでは、矢印にて、またマーク66とマーク64の棒状のマークとの位置合わせにより、センサ部1Aをいずれの方向にどれだけ移動させるべきかを報知する。表示される棒状のマークは、センサ部1Aを収容する筐体100の上面に異なる色で着色された棒状のマークと一致しているので、スライドする方向と移動量を、棒状マークの色にて目安をつけることができる。
(他の駆動部の例示)
上述の実施の形態では、センサ部1Aはモータ部1Cにより移動したが、移動のための機構はこれに限定されず、圧力エアを利用したものであってもよい。図22には、圧力エアを利用した移動機構の一例が示される。この図は特開昭63−275320号公報に開示された機構を利用するものであるから、説明は簡単に行う。
図22において、下端に開口412を有する中空のセンサユニット1の筐体410は、開口412が測定部位の体表面414に対向する状態でバンド416により手首418に着脱可能に取付けられる。筐体410の内部には1種の伸縮管であるベローズ420、422、424および426を介して押圧部材432が相対移動可能に取付けられている。筐体410は、押圧部材432が橈骨動脈434(橈骨動脈27に相当する)の真上部に位置するように取付けられる。押圧部材432は、容器形状を有して下端面436が体表面414に接触させられるハウジング438と、ハウジング438の上端開口部に設けられた蓋体440とから成り、ハウジング438内にはセンサ部1Aが配設される。押圧部材432の内部は蓋体440および筐体410に設けられた貫通穴460と462を介し大気に開放されている。
ベローズ420、422、424および426の両端部は、筐体410の内壁面と押圧部材432の外壁面と気密に固着されて、その内部には、図示されないが外部の調圧弁によって調圧された圧力エアが配管を介して供給されるようになっている。ベローズ420および422は、筐体410の上部内壁面と押圧部材432の外壁面との間に配設されており、調圧弁から圧力エアが供給されることにより、押圧部材432を筐体410に対して相対的に下方向に、すなわち体表面414に向かう方向に移動させ、その体表面414にセンサ部1A(圧力センサアレイ11)を押圧する。逆に、ベローズ420および422の圧力エアが調圧弁を介して排気させられることにより、体表面414からセンサ部1Aを離すことができる。
また、筐体410が手首418に取付けられた状態において、ベローズ424と426は、橈骨動脈434と直角な方向に隔てた2箇所の側部間に配設されている。したがって、ベローズ424と426内に調圧弁を介して等しい圧力値の圧力エアが供給されると、押圧部材432は橈骨動脈434と直角な方向、すなわち図22の左右方向において筐体410内の略中央に保持される。また、ベローズ424と426内に調圧弁を介して異なる圧力値の圧力エアが供給されると、押圧部材432は橈骨動脈434と直角な方向、すなわち図22の左右方向(X方向)において筐体410内を移動する。
同様なベローズを用いた駆動機構を追加することで、押圧部材432を図22の奥行き方向(Y方向)において筐体410内を移動させることができる。
このように、ベローズ420、422、424および426に供給する圧力エアを、移動量検出部407によって検出した移動量に基づき、駆動信号生成部408が生成した駆動信号に基づき、各ベローズの圧力エア量を調整することにより、押圧部材432を構成するハウジング438内に配設されたセンサ部1Aを動脈434に対して移動させることができる。
したがって、モータ部1Cによる駆動機構に代替して、画像処理結果に基づき図22に示すベローズに供給される圧力エアを調整する機構を利用することもできる。
(カメラ1Bの他の例)
本実施の形態では、カメラ1Bを1箇所に取付けていたが、2箇所以上に取付けることにより、3次元的に生体の特徴と位置情報を取得することができ、より精度良く位置決めすることが可能となる。また、カメラ1Bは撮影用光源を必要としない赤外線カメラを用いても良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施の形態に係る脈波測定装置のハードウェア構成図である。 本実施の形態に係る脈波測定装置のハードウェア構成図である。 センサユニットと固定台を含む各部の接続関係を示す図である。 センサユニットを生体に装着した状態を示す図である。 (A)〜(C)はセンサ部の構成を示す図である。 図4の切断面を示す図である。 本実施の形態に係る脈波測定装置の機能構成図である。 図7に示す記憶部に登録される情報の一例を示す図である。 本実施の形態に係るモータ部を用いた移動機構を示す図である。 本実施の形態に係るモータ部を用いた移動機構を示す図である。 本実施の形態に係る画像認識におる動脈位置探索のための処理手順を説明する図である。 本実施の形態に係る画像認識におる動脈位置探索のための処理手順を説明する図である。 解剖学的観点からの脈波測定のための最適測定ポイントを例示する図である。 本実施の形態に係る画像特徴を説明する図である。 本実施の形態に係る移動の距離と方向を検出するための手順を模式的に示す図である。 本実施の形態に係るセンサユニットの他の例を示す図である。 センサユニットの筐体に印字(プリント)されるマークを説明する図である。 本実施の形態に係るトノグラムの表示例を示す図である。 センサユニットの筐体の側面のマークを説明する図である。 本実施の形態に係るダイアログ表示を示す図である。 本実施の形態に係るダイアログ表示を示す図である。 圧力エアを利用した移動機構の一例を示す図である。
符号の説明
400 制御部、401 記憶部、404 画像処理部、405 表示処理部、406 位置検出部、407 移動距離検出部、408 駆動信号生成部、410 脈波処理部、411 トノグラム作成部、412 特徴抽出部、413 パターンマッチング部。

Claims (10)

  1. 生体表面に押圧される圧力センサと、
    前記圧力センサによる押圧部位の前記生体表面を撮影して、画像データを出力する撮影部とを有するセンサ部とを含み、且つ前記生体表面を移動可能なセンサユニットと、
    動脈上に対応する前記生体表面の所定特徴を示す所定特徴データを、前記画像データから検出する特徴検出部と、
    前記特徴検出部による前記所定特徴データの検出位置と、前記所定特徴データに対応して予め登録された位置とに基づき前記センサユニットが移動するべき移動量を検出する移動量検出部とを備える、脈波測定装置。
  2. 前記センサユニットは、与えられる駆動信号に基づき、前記センサ部を前記生体表面の上を移動させるためのセンサ移動部をさらに含み、
    前記脈波測定装置は、さらに、
    前記移動量検出部によって検出した前記移動量に基づき前記駆動信号を生成して出力する駆動信号生成部を備える、請求項1に記載の脈波測定装置。
  3. 前記センサ移動部は、前記駆動信号に従い回転動作するモータを含み、
    前記センサ部は、前記回転動作に連動して移動する、請求項2に記載の脈波測定装置。
  4. 前記センサ移動部は、
    前記センサ部の周囲に気密に取付けられて内部の気体量に応じて伸縮する伸縮管と、
    前記伸縮管内の前記気体量を前記駆動信号に従い調整する調整部とを含み、
    前記センサ部は、前記伸縮に連動して移動する、請求項2に記載の脈波測定装置。
  5. 前記センサ部は、前記圧力センサアレイの前記配列方向にスライド移動操作可能であって、
    前記脈波測定装置は、
    前記押圧部により押圧される前記圧力センサアレイの一方端の前記圧力センサから開始して、他方端に配置される前記圧力センサまで、前記配列における圧力センサの並びの順に従い、各圧力センサが出力する圧力データを連続的にプロットしたグラフデータを作成するグラフ作成部と、
    前記グラフ作成部により作成された前記グラフデータに基づくグラフを、予め準備された表示部に表示する表示制御部と、をさらに備える、請求項1に記載の脈波測定装置。
  6. 前記表示制御部は、
    前記グラフ作成部により作成された前記グラフデータが指示する脈圧の分布に従い、前記動脈上に位置する前記圧力センサの前記配列における位置を検出し、検出された位置に基づき、前記圧力センサアレイがスライド移動すべき方向を指示する方向指示データを前記表示部に表示する、請求項5に記載の脈波測定装置。
  7. 前記圧力センサは、
    複数の圧力センサ素子が配列された面が、前記動脈の上に該圧力センサ素子の配列方向が該動脈と交差するように押圧される圧力センサアレイと、
    前記圧力センサアレイの前記面を前記動脈上に押圧する押圧部と、を含み、
    前記脈波測定装置は、
    前記圧力センサアレイの前記圧力センサ素子のそれぞれによって検出される脈波情報に基づき、前記動脈の位置と、前記配列における中央の前記圧力センサの位置との差を検出する位置検出部と、
    検出した前記差に基づいて前記移動量を検出するセンサ移動量検出部とをさらに備える、請求項1に記載の脈波測定装置。
  8. 前記移動量は2次元的な移動量を示す、請求項1に記載の脈波測定装置。
  9. 前記移動量は、前記動脈と交差する第1軸が延びる方向に移動する量を示す、請求項8に記載の脈波測定装置。
  10. 前記移動量は、前記第1軸と交差する第2軸が延びる方向に移動する量を示す、請求項9に記載の脈波測定装置。
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