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JP2009068738A - 連続焼成炉 - Google Patents

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JP2009068738A
JP2009068738A JP2007236066A JP2007236066A JP2009068738A JP 2009068738 A JP2009068738 A JP 2009068738A JP 2007236066 A JP2007236066 A JP 2007236066A JP 2007236066 A JP2007236066 A JP 2007236066A JP 2009068738 A JP2009068738 A JP 2009068738A
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reaction
furnace body
reaction gas
gas
fired
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JP2007236066A
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Inventor
Shintaro Ishikawa
進太郎 石川
Koichiro Maki
孝一郎 槇
Haruo Ishikawa
治男 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

【課題】雰囲気ガスの流量を低く抑えながらも、反応生成ガスを炉体の出口側に拡散させずに済む連続焼成炉を提供する。
【解決手段】被焼成物Wを搬送するローラコンベア3と、反応ガスGを炉体内に導入するための搬出口側の導入管と、炉体内のガスを炉体外に排気するための搬入口側の排気管と、被焼成物と反応ガスとの反応により反応生成ガスG1が発生する領域において、長手方向に反応ガスを噴出する複数の噴出孔9aを有する反応ガス供給管9と、長手方向にガスG,G1を吸い込む複数の吸込孔10aを有する反応ガス回収管10とを備え、噴出孔と吸収孔が、被焼成物の上面の高さ位置またはそれより高い位置において相互に対向するように、反応ガス供給管と反応ガス回収管が配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、被焼成物を焼成して焼成品を得るための連続焼成炉に関する。
従来、被焼成物を焼成して焼成品を得るための連続焼成炉としては、トンネル炉が用いられている。このような連続焼成炉の概略断面を図4に示す。連続焼成炉1の炉体2を構成する天井、側壁および炉床は、レンガや耐熱鋼などの耐熱材により形成されている。炉体内には、ローラコンベアやベルトコンベアなどの搬送手段3が設けられ、被焼成物Wまたは被焼成物Wを収容した容器は搬送手段3上に載置されて、搬入口から搬入され、被焼成物Wは焼成品として搬出口から搬出される。
特許文献1(特開昭47−25210号公報)や特許文献2(特開平1−252886号公報)に記載されているように、炉体内は、シャッター、仕切り扉、または仕切り板などの仕切り手段4により、予熱ゾーン、焼成ゾーンおよび徐冷ゾーンに区分けされる。そして、各ゾーンは、赤外線などを用いたヒータHとその温度制御機器(図示せず)とにより、ゾーンごとに必要な温度管理がなされている。
また、搬出口側、すなわち炉体2の徐冷ゾーンには、焼成に必要な反応ガスGを供給するために導入管5が設けられている。一方、搬入口側、すなわち炉体2の予熱ゾーンには、反応ガスGおよび焼成に伴い生成した反応生成ガスG1を排気するための排気管6が設けられている。
連続焼成炉1では、反応生成ガスG1との逆反応により、焼成後の製品が汚染されないようにすることが重要である。このため、搬出口から搬入口に向かう反応ガスGのガス流を生じさせている。導入される反応ガスGは、焼成反応のためにだけ用いられるのではなく、反応生成ガスG1を排出するためにも用いられる。このため、焼成反応に必要とされる以上の量の反応ガスGが導入される。
また、連続焼成炉1では、反応ガスGは、炉体内の全領域に供給されることが好ましい。供給の行渡らない領域があれば、反応生成ガスG1の淀みを生じ、例えば、このような領域が存在すると、焼成ゾーンにおける焼成反応が進行しないばかりか、徐冷ゾーンにおいて、逆反応すら起こる可能性が生じる。
かかる反応生成ガスG1の淀みを防止するために、従来、徐冷ゾーンおよび焼成ゾーンに、複数の導入管を設けて、搬出口側から排気管へ至るガスの流れを強化するとともに、導入管を原料に可能な限り接近させて反応ガスを供給することが行われている(図示せず)。
しかし、このように反応ガスを供給すると、局所的にはいくつもの渦が発生するので、渦の発生をなくして炉体内の基本的なガスの流れを確保するためには、複数の導入管のそれぞれにおいて、導入されるガス流量を適確に調整しなければならず、高度な技術と熟練が要求される。
かかる調整によっても、渦は完全に消えるものではなく、拡散する反応生成ガスを搬出口側に近づけないようにする調整が限界である。また、渦の発生を防止するためにガス流量を減らすと、反応生成ガスが拡散して、搬出口側に流れてしまうため、反応生成ガスを搬出口側に近づけないように調整するには、多量の反応ガスの導入が必要となる。このように、従来の連続焼成炉では、炉体内の条件を適切に制御することがきわめて困難であった。
特開昭47−25210号公報 特開平1−252886号公報
本発明は、高度な制御が必要とされず、反応ガスの流量を低く抑えながらも、反応生成ガスを炉体の搬出口側に拡散させることが防止できる連続焼成炉を提供することを目的とする。
本発明に係る連続焼成炉は、
搬入口と搬出口を有する炉体と、
被焼成物または被焼成物を収容する容器を搬入口から搬出口まで搬送する搬送手段と、
搬出口側で炉体に設けられ、反応ガスを炉体内に導入するための導入管と、
搬入口側で炉体に設けられ、炉体内のガスを炉体外に排気するための排気管と、
被焼成物と反応ガスとの反応により反応生成ガスが発生する領域において、炉体側壁の一方の内壁面に、炉体の長手方向に沿って設けられ、外周面の長手方向に複数の噴出孔を有し、該噴出孔から反応ガスを炉体内に供給する反応ガス供給管と、
炉体側壁の他方の内壁面に、炉体の長手方向に沿って設けられ、外周面の長手方向に複数の吸込孔を有し、該吸収孔を通じて反応ガスおよび反応生成ガスを炉体外に排気する反応ガス回収管とを備え、
前記噴出孔と吸収孔が、前記被焼成物の上面の高さ位置またはそれより高い位置において相互に対向するように、前記反応ガス供給管と反応ガス回収管が配置されている。
本発明の連続焼成炉では、炉体内の反応生成ガス発生領域において、反応生成ガスをスムーズに排出させることができるため、反応生成ガスが炉体内で拡散して排出口側に流れる現象を十分に抑制することができ、炉体内に全体に流す反応ガスの流量を低減することができ、かつ、反応ガス流量の高度な流れ制御が不要となる。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、従来の連続焼成炉では、次のような現象が起きているとの知見を得た。
すなわち、被焼成物の焼成反応を促進させるために、多数の導入管から導入される反応ガスが、被焼成物に向けて吹きかけられるが、吹きかけられる反応ガスの流速が、炉体内全体を流れるガスの流速に比べて相対的に速いため、被焼成物や焼成品に吹きかかりはね返った反応ガスまたは反応生成ガスは、渦(回転)を生じて乱流になり、ガスの流れに複雑さをもたらす。
このような複雑なガスの流れは、天井に駆け上がる流れや、天井から炉壁側面に沿って被焼成物に吹き降ろす流れを形成すると同時に、搬送手段であるローラコンベアのローラの端部側から下側へ抜けていく流れや、逆にローラの下側からローラの隙間を通って吹き上がる流れを形成する。
このような状態で、ローラより上側に生じる搬出口から搬入口に向かうガスの流れを速くして、焼成品と反応生成ガスとの逆反応を防止しようとすると、ローラより下側では、ローラ上側の流れとは逆に搬入口から搬出口に向かう流れが発生してしまう。
このため、被焼成物の表面で発生した反応生成ガスは、前述した渦を形成しながら、乱流状態で移動および拡散をし、ローラの端部側からローラ下側へ抜ける流れに合流し、炉体内の下側へ向かう。さらに、炉体内の下方で搬入口から搬出口に向かうガスの流れに合流し、搬出口の近くまで運ばれて、ローラの下側からローラの隙間を通ってローラの上側に吹き出すこととなる。
以上のような現象によって、ローラの上側において、ガスの流れが搬出口から搬入口に向かっていても、反応生成ガスの一部は搬出口の近傍まで拡散し、焼成品と反応生成ガスとの逆反応が生じてしまう結果となる。
本発明者らは、かかる知見に基づいて、本発明を完成したものである。以下、本発明に係る連続焼成炉について図面を用いて説明する。なお、連続焼成炉1の基本構造は、図4に示す従来の構造と同様である。よって、基本構造についての説明は省略すると共に、同じ部材については同じ符号を付する。
図1および図2は、本発明に係る連続焼成炉1の内部構造を示している。図示のものは、搬送手段としてローラコンベア3を用いている。ローラコンベア3では、多数のローラ3aが整列配置され、例えば、匣鉢8が載せられた平板7を載置可能であり、この匣鉢8内に被焼成物Wが収容される。
本発明に係る連続焼成炉1においては、被焼成物Wと反応ガスとの反応により反応生成ガスが発生する領域において、炉体側壁2aの内壁面に、一方側で、炉体の長手方向に沿って、反応ガス供給管9が水平に設けられており、他方側で、この反応ガス供給管9に対向するように、反応ガス回収管10が水平に設けらている。
反応生成ガス発生領域は、例えば、焼成ゾーンにおいて、被焼成物Wと反応ガスとが反応して、副生成物として反応生成ガスを発生させる領域をいう。また、予熱ゾーンにおいても、被焼成物Wと反応ガスとが反応する場合があり、反応生成ガス発生領域を生じる場合がある。反応生成ガス発生領域の位置や長さについては、被焼成物Wの内容、反応ガスおよび操業条件などにより定まるものであり、従前の条件から、その位置および長さを確認すればよい。
反応ガス供給管9および反応ガス回収管10は、耐熱鋼、SUS304などの耐熱材からなる。反応ガス供給管9および反応ガス回収管10の長さは、上述の通り、連続焼成炉1の適用ごとに異なってくるが、その長さが反応ガス発生領域と概略同じであればよい。ただし、反応ガス発生領域と比較して多少の長短があることは許容される。ただし、反応ガス発生領域の全域に渡って反応ガス供給管9および反応ガス回収管10が設置されることが好ましい。
また、反応ガス供給管9および反応ガス回収管10としては、φ20〜100mm程度で、外周部の厚さが1〜2mm程度の管状部材を用いることができる。
反応ガス供給管9の外周面には、反応ガスGを噴出させるための噴出孔9aが多数間隔をおいて形成されている。噴出孔9aの形状は、円形または楕円形などの形状を採りうる。噴出孔9aの大きさは、例えば、円形の孔を有する構造の場合、φ3〜20mm程度である。また、この場合、噴出孔9aを10〜500mm間隔で形成する。噴出孔9aは、被焼成物の上面に拭きかかる方向で、かつ、反応ガス回収管10の方を向けて、設置する。噴出した反応ガスは、被焼成物の反応に寄与すると同時に、被焼成物表面から発生する反応生成ガスを、反応ガス回収管10の吸収孔10aまで流し込む役目を負う。
反応ガスの噴出速度は、被焼成物表面から発生する反応生成ガスを、反応ガス回収管10の吸収孔10aまで流し込むのに十分と考えられる値とし、反応ガスの供給量は、被焼成物の反応に十分と考えられる値とする。
反応ガス供給管9は、炉内を経由する耐熱パイプを通じて、反応ガス供給源であるガスボンベまたは反応ガス発生器に接続されている。
反応ガス回収管10の外周面にも、反応ガスGを回収するための吸収孔10aが多数間隔をおいて形成されている。吸収孔10aの孔の形状は、円形や楕円形などの形状を採りうる。吸収孔10aの大きさは、例えば、円形の孔を有する構造の場合、φ3〜20mm程度である。また、この場合、吸収孔10aを10〜500mm間隔で設ける。反応ガス回収管は、排気ポンプと接続してあり、内圧が低下した状態で吸引孔を通して反応生成ガスおよび一部の反応ガスを吸引する。吸引孔は、大き過ぎると反応ガス回収管内部の圧力分布が大きくなり、各吸引孔間吸引力に差が出てしまう。そこで、吸引孔の径は、反応ガス回収管の径に応じて、適当な大きさとすることが重要である。
反応ガス供給管9と反応ガス回収管10は、被焼成物Wの上面の高さ位置またはそれより高い位置において相互に対向するように設けられる。ここで、相互に対向とは、相対的にみて、反応ガス供給管9から噴射された反応ガスおよび被焼成物周囲の反応生成ガスをスムーズに回収可能な位置に反応ガス回収管10が配置されていればよい。また、噴出孔9aと吸収孔10aは、被焼成物側に向けられている。
噴出孔9aと吸収孔10aを、被焼成物Wまたは被焼成物Wを収容している容器の上面の高さとなるように配置するのは、噴出孔9aから噴出された反応ガスGが、炉体内を搬出口側から搬入口側に流れる基本的な反応ガスの流れと干渉することなく、速やかに被焼成物Wに到達し、かつ、被焼成物Wとの反応により生成した反応生成ガスG1が、同様に基本的な反応ガスGの流れと干渉することなく、速やかに反応ガス回収管10から回収されるようにするためである。
好ましくは、噴出孔9aと吸収孔10aを、被焼成物Wまたは被焼成物Wを収容している匣鉢8の上面の高さよりも若干上とすることが好ましい。これは、反応ガス供給管9から噴出するガスが噴出孔よりも広がる特性を有するためであり、かつ、被焼成物Wの上面の高さの変化にも対応できるようにするためである。具体的には、炉体内の高さと幅が1m×1mの場合、被焼成物Wの上面から10〜30mm程度の高さに配置することが好ましい。
このように、噴出孔9aから噴出された反応ガスGが、高温の炉体内の匣鉢8内の被焼成物Wに吹きかかり、反応生成ガスG1に変化する。この反応生成ガスG1は、滞留させることなく速やかに排出することが好ましいため、反応ガス供給管9と反応ガス回収管10は、噴出孔9aおよび吸収孔10aの形状および配置も含めて、対向するように配置される。しかし、炉体内を流れる基本的な反応ガスの流れによる若干の影響も考慮して、配置を炉体2の長手方向に0〜100mm程度ずらしてもよい。
吸込孔10aから回収された反応生成ガスG1や未反応の反応ガスGは、反応ガス回収管10内を通じて、炉体外に排出される。
このような構成により、反応生成ガス発生領域においては、生成した反応生成ガスは、炉体内の基本的な流れである導入管5から排気管6への反応ガスの流れとは干渉することなく、反応ガス供給管9から反応ガス回収管10への反応ガスGの流れにより、概ね反応ガス回収管10により回収されて外部に排出される。このため、反応生成ガスG1を炉体内で拡散させることなく、速やかに炉体外に排除することができ、導入管5への反応ガスGの導入量の調整が容易になる。
(実施例)
図3に連続焼成炉の縦断面を示す。実施例では、酸化ニッケルと水酸化ニッケルを被焼成物として、反応ガスとして酸素を用いた。
実施例に用いた連続焼成炉1の構造について、簡単に述べる。
連続焼成炉1は、耐火レンガでできた天井、側壁および炉床からなる筒状トンネル(幅約1000mm×高さ約1000mm)を有する炉体2を有する。炉体内には、連続焼成炉1の長手方向に等間隔で多数のローラが配置されたローラコンベア3、および炉体内を多数のゾーンに区画するための仕切り板4が多数設けられている。炉体2の搬出口側上部には、反応ガスを供給する導入管5が設けられている。また、炉体2の搬入口側上部には、炉体内の反応ガスおよび反応生成ガスを排出するための排気管6が設けられている。
炉体内を昇温するための複数のヒータHが、ローラコンベア3の上方と下方にそれぞれ、炉体2の長手方向に沿って配置されている。
被焼成物は、匣鉢(300mm×300mm×100mm)に収容された状態でローラコンベア3により搬送され、炉体内を移動する。そして、各ゾーンにおいて、ヒータHからの輻射熱により、匣鉢およびその収容物である被焼成物が昇温させられる。
本発明における連続焼成炉1では、焼成ゾーン内で、被焼成物と反応ガスの反応により反応生成ガスが発生する領域Rに、炉体側壁の内壁面に炉体の長手方向に沿って、SUS304製で、長さ1000mm、外径はφ20mm、内径はφ18mmの反応ガス供給管9を設けた。反応ガス供給管9の末端を耐熱パイプと接続し、反応ガス供給管9からの反応ガスの炉体内への供給を可能とした。
なお、この実施例では、焼成ゾーンにおいて、被焼成物を400〜800℃まで昇温させるが、かかる焼成ゾーンの一部で、被焼成物が500〜800℃まで昇温させられる約1mの領域を、反応生成ガス発生領域Rとした。
反応ガス供給管9には、長手方向に沿ってφ4mmの噴出孔を20箇所に、約20mm間隔で設けた。該噴出孔が匣鉢の上面から10mmの高さで、炉体内に水平面に沿って、反応ガス供給管9を配置した。
また、対向する該炉側壁の内壁面に炉体2の長手方向に沿って、SUS304製で、長さ1000mm、外径はφ50mm、内径はφ48mmの反応ガス回収管10を設けた。反応ガス回収管10の末端を耐熱パイプと接続し、反応ガス回収管10からの反応ガスおよび反応生成ガスの回収を可能とした。
反応ガス回収管10は、反応ガス供給管9と同程度の高さに設けた。
反応ガス回収管10には、長手方向に沿ってφ50mmの吸込孔を10箇所に、約40mm間隔で設けた。
反応ガス導入管5から3m3/hrの量の反応ガスを供給した。炉体内において搬出口側から搬入口側に至る、約0.1m/secの速度の基本的な反応ガスの流れが生じた。次に、反応ガス供給管9からの反応ガスの供給を開始した。供給量は、3m3/hr/本で、噴出孔からの噴き出し速度は1m/secであった。
被焼成物を1m/hrの速度で連続焼成炉内に搬入して、焼成ゾーンにおいて、被焼成物を400〜800℃の温度で加熱して、焼成した。このときの反応ガスおよび反応生成ガスの流れ分布を観察した。
その結果、被焼成物の焼成により発生した反応生成ガスは、反応ガス供給管9から噴出された反応ガスの吹きかけによって、反応ガス回収管10側に流された。かかる反応生成ガスは、炉体内に供給されている反応ガスによって生じる圧力により、反応ガス回収管10の吸収孔10aに吸い込まれるようにして入り込んでいた。回収したガスは、一部サンプリングし、組成分析により反応ガスが回収されていることを確認した。
(比較例1)
比較例1では、実施例と同じ連続焼成炉1を用い、反応生成ガスが発生する領域Rにおいて、反応ガス供給管9が設置される側とは反対側の炉体側壁に、反応ガス回収管10を設ける代わりに、匣鉢の表面と同程度の高さに、約1000mm×50mmのスリットを炉体2に水平方向に沿って形成した。その他は、実施例と同様の構造とした。
以上の連続焼成炉1を用いて、同様の操業を行い、反応生成ガスの流れを観察したところ、反応生成ガスの一部はスリットから回収されるものの、大部分は炉体内を上昇して大きな渦と一体となり、炉体内全体に拡散した。また、実施後の焼成品には、反応生成ガスとの逆反応を示す汚れがあり、製品として提供しうるものではなかった。
(比較例2)
従来の連続焼成炉1を用いて、実施例と同様の条件で、焼成を行った。反応生成ガスの流れを観察したところ、反応生成ガスは炉体内全体に拡散した後、一部の反応生成ガスは、搬出口側から搬入口側に向かう基本的な流れに乗って、排気管6より外部に排出された。しかし、一部の反応生成ガスが、搬出口側まで拡散してしまい、実施後の焼成品には、反応生成ガスとの逆反応を示す汚れがあり、製品として提供しうるものではなかった。
本発明の連続焼成炉の一実施形態を概略的に示す説明図である。 図1の連続焼成炉の内部構造を示す斜視図である。 本発明の連続焼成炉の実施例を示す斜視図である。 従来の連続焼成炉を概略的に示す説明図である。
符号の説明
1 連続焼成炉
2 炉体
2a 炉体側壁
3 コンベア(ローラコンベア)
3a ローラ
4 仕切り手段(仕切り板)
5 導入管
6 排気管
7 平板
8 匣鉢
9 反応ガス供給管
9a 噴出孔
10 反応ガス回収管
10a 吸込孔
G 反応ガス
G1 反応生成ガス
H ヒータ
R 領域
W 被焼成物

Claims (1)

  1. 搬入口と搬出口を有する炉体と、
    被焼成物または被焼成物を収容する容器を搬入口から搬出口まで搬送する搬送手段と、
    搬出口側で炉体に設けられ、反応ガスを炉体内に導入するための導入管と、
    搬入口側で炉体に設けられ、炉体内のガスを炉体外に排気するための排気管と、
    被焼成物と反応ガスとの反応により反応生成ガスが発生する領域において、炉体側壁の一方の内壁面に、炉体の長手方向に沿って設けられ、外周面の長手方向に複数の噴出孔を有し、該噴出孔から反応ガスを炉体内に供給する反応ガス供給管と、
    炉体側壁の他方の内壁面に、炉体の長手方向に沿って設けられ、外周面の長手方向に複数の吸込孔を有し、該吸収孔を通じて反応ガスおよび反応生成ガスを炉体外に排気する反応ガス回収管とを備え、
    前記噴出孔と吸収孔が、前記被焼成物の上面の高さ位置またはそれより高い位置において相互に対向するように、前記反応ガス供給管と反応ガス回収管が配置されていることを特徴とする連続焼成炉。
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