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JP2009062640A - 縫製糸及び該縫製糸で縫製された衣類 - Google Patents

縫製糸及び該縫製糸で縫製された衣類 Download PDF

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JP2009062640A
JP2009062640A JP2007230302A JP2007230302A JP2009062640A JP 2009062640 A JP2009062640 A JP 2009062640A JP 2007230302 A JP2007230302 A JP 2007230302A JP 2007230302 A JP2007230302 A JP 2007230302A JP 2009062640 A JP2009062640 A JP 2009062640A
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sewing
sewing thread
thread
dtex
sewn
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Masahiro Nitta
正弘 新田
Keiko Nakaya
恵光 仲谷
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EDO BELL KK
Wacoal Corp
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EDO BELL KK
Wacoal Corp
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Abstract

【課題】縫着部分の肌触りを良好にし、快適な着用感を与えることのできる縫製糸及び該縫製糸で縫製された衣類を提供する
【解決手段】1.5〜1.9dtexのナイロンフィラメントが48〜136本合撚された単糸が、複数本撚り合わされて144〜260dtexとされている縫製糸を提供する。さらに、前記縫製糸を用いて縫製される肌着あるいはTシャツであって、前記縫製糸を少なくとも肌側に位置させている衣類を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、縫製糸及び該縫製糸で縫製された衣類に関し、詳しくは、衣類縫製用のミシン糸を従来よりも繊度(dtex)を小さくして、肌着等の衣類の縫着部分の肌触りを改善するものである。
肌着等の直接肌に接触する衣類において、首周りや肩部分等の縫着部に使用される縫製糸が肌に接触すると、違和感を生じる刺激が発生して快適な着用感が得られない場合がある。
特に、肌が柔かい乳幼児や、刺激に対して敏感である着用者にとっては、縫製糸が布地よりも硬い場合や縫製糸が太い場合には、皮膚が刺激され、かゆみや赤みを伴ったりして、相当な不快感を引き起こす場合がある。特に、生地の厚み方向に複数本の縫製糸が重なる縁かがり縫いや偏平縫い等が施される箇所は縫製糸により刺激を受ける場合が多い。
従来の一般的に使用されているミシン糸は、4〜9dtex程度のナイロンフィラメント等を用いて構成された縫製糸からなり、該縫製糸は比較的硬く且つ太いため、着用者の肌に刺激を与えやすい。
このような縫製糸を用いた縫着部による不快な着用感を改善するため、例えば、実開平6−6407号公報(特許文献1)では、図3に示すように、縫合箇所の縫い代部分が表側に出るように縫合され、かつ、上記の縫合が2本針3本糸の二重環縫いにより行われ、この二重環縫いの縫い目ループ部2が表に出て上記縫い代を被覆している下着1を提供している。
実開平6−6407号公報
特許文献1の下着は、縫着部分が直接肌に接触しないため、着用感に優れるものであるが、縫い代を外側とする構成のため、デザインや縫製糸を工夫する必要があり、肌着等の定番のシンプルなデザインの衣類に適用しにくい。また、外側に露出した縫い代部分のシルエットがアウターに響きやすいという欠点もある。
そのため、従来の縫製品の縫製方法を大きな変更せずに、縫製糸を改良して、縫着部分の肌触りを改善することが要望されている。
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、縫着部分の肌触りを良好にし、快適な着用感を与えることのできる縫製糸及び該縫製糸で縫製された衣類を提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、第1の発明として、1.5〜1.9dtexのナイロンフィラメントが48〜136本合撚された単糸が、複数本撚り合わされて144〜260dtexとされていることを特徴とする縫製糸を提供している。
本発明者は前記課題について鋭意研究したところ、縫着部分の硬さは縫製糸を構成するフィラメントの太さに大きく関係し、構成する単繊維のフィラメントの太さを従来よりも細くした所定範囲とすることで、縫製品の肌触りを大幅に改善することができることを知見した。
本発明の縫製糸は単繊維繊度1.5〜1.9dtex(デシテックス)のナイロンフィラメントから構成し、従来のナイロン縫製糸の単繊維繊度よりも2.5倍以下と細くしていることを特徴としている。
前記範囲の繊度とすることで、各フィラメントは極めて可撓性に優れ、小さな応力で柔軟に屈曲することができるため、フィラメントの集合体としての縫製糸が極めてしなやかで、肌に接触した場合に綿(わた)のように柔かい肌触りを得ることができる。
詳細には、フィラメントの単繊維繊度を1.5dtex以上としているのは、1.5dtex未満であると引張強度が不足し、縫製時に糸切れするおそれがあり、さらに、これ以上細いフィラメントを用いても、肌触りに差異が見られにくいからである。一方、1.9dtex以下としているのは、1.9dtexを超えると柔軟性に欠け、良好な肌触りを得られにくいからである。
ナイロンフィラメントの繊度は、好ましくは1.6〜1.8dtexである。
なお、単繊維繊度(1本のフィラメントの繊度)は、縫製糸全体の繊度と該縫製糸を構成するフィラメントの本数からフィラメント1本あたりの繊度として算出するものとしている。
フィラメントの素材として、ナイロンを用いているのは、前記範囲の単繊維繊度が小さいフィラメントから構成しても縫製糸とできる強度を有し、かつ、可縫性にも優れるからである。さらに染色性や仮撚加工等の加工性にも優れるという利点もある。
前記ナイロンフィラメントとしては、ナイロン66、ナイロン6等の各種ナイロンを用いることができる。
また、本発明の目的を損なわない範囲で、前記ナイロンフィラメントには、艶消し剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、制電剤、難燃剤などの添加剤が配合されていても良い。
前記ナイロンフィラメントの断面形状は、丸、三角、四角などの多角形、偏平、中空、星、歯車型等、どのような形状のものも用いることができる。なかでも、丸形状の断面のものを用いることが好ましい。
また、ナイロンフィラメントは、溶融紡糸されたものを延伸機で延伸したものを用いても良いし、スピンドロー方式による直接紡糸延伸したもの、更には仮撚機で仮撚した仮撚加工糸、混繊機で収縮率の異なるマルチフィラメントを混繊した異収縮混繊糸、バルキー加工糸などナイロンフィラメントに糸加工を施したものも用いることができる。
なかでも、前記ナイロンフィラメントが伸縮加工糸(ウーリー糸)であることが好ましい。伸縮加工糸を用いることで、さらに肌触りを良好にすることができる。
前記縫製糸は、前記範囲の単繊維繊度のナイロンフィラメントが48〜136本合撚された単糸が、2本あるいは3本撚り合わされて144〜260dtexの範囲の繊度とされていることが好ましい。
ナイロンフィラメントは、複数本引き揃えた単糸、あるいは複数本引き揃えて仮撚りをかけて単糸とされたのち、該単糸2本あるいは3本を引き揃えて上撚りがかけられていることが好ましい。
この場合、仮撚りの撚り数2500〜3000回/mとし、上撚りの撚り数120〜150回/mとした、双糸とされていることが好ましい。
前記範囲の撚り数とすることで、縫製状態の縫い目の糸を柔かくしながら、ナイロンフィラメントの単繊維をばらけないように調整することができ、可縫性にも優れる。
特に、前記単糸はナイロンフィラメント68本が合撚されて122dtexとされ、2本の前記単糸が撚り数120〜130回/mで撚り合わされ、かつ、伸縮加工糸とされたミシン糸からなることが好ましい。
該ミシン糸は、122T×2・136fの表示繊度となるJIS規格等の規格に適合するミシン糸であるので、従来用いられているミシン糸の代替として用いることができる。
また、前記単糸には、撚り数2600〜2800回/mで仮撚りがかけられていることが好ましい。
本発明の縫製糸は通常のミシン糸と同様に、染色やシリコーンオイル等の仕上げ油剤による潤滑処理が施されていてもよく、特に走行時の摩擦係数を小さくし、縫製後の縫い目を整える目的から、仕上げ油剤の処理が施されていることが好ましい。
さらに、第2の発明として、第1の発明の縫製糸を用いて縫製された肌着あるいはTシャツであり、前記縫製糸を少なくとも肌側に位置させていることを特徴とする衣類を提供している。
第1の発明の縫製糸は、従来の縫製糸の代替として用いることができるので、製品の大幅な設計変更を伴うことなく、容易に肌触り良く、着用感を改善した衣類を提供することができる。
第2の発明の衣類において、糸の張力のバランス及び可縫性の観点からは、ミシンの上糸及び下糸の両方に第1の発明の縫製糸を用いることが好ましいが、少なくとも下糸に該縫製糸を用い、肌側に縫製糸を位置させるとしている。これにより、縫着部分を柔軟にすることができるので、肌に触れても硬くなく、着用感に極めて優れる衣類とすることができる。
第1の発明の縫製糸は縫着部分が直接肌に接触する肌着シャツ、ショーツ、トランクス、ブリーフ等の肌着やTシャツにおいて特に好適に用いられるが、カットソーやパンツ、スカート等の縫製品にも用いられる。
前述したように、本発明の縫製糸は、1.5〜1.9dtexのナイロンフィラメントが48〜136本合撚された単糸が、複数本撚り合わされて144〜260dtexとされているので、強度及び可縫性を損なうことなく、肌に接触した場合に極めて柔かい肌触りを有するものとすることができる。
前記縫製糸で縫製された衣類は、縫着部分が従来の縫製品と比べて柔かく、肌に刺激を与えないので、肌着やTシャツ等の肌に直接接触する衣類に好適に用いられる。
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2に、実施形態の肌着シャツ10を示す。
肌着シャツ10は、綿100%の子供用の半袖の丸首シャツとしており、メリアス編で編立られた前身頃11,後身頃12、左右両側の袖13、14と、前後身頃11,12の首周りを被覆するリブ編で編立られた別布15で構成している。
肌着シャツ10の前後身頃11,12は、丸編みニットで一体に編成され、脇側は連続している。一方、肩側は縫い代を肌側(裏側)に向けてオーバーロックミシンを用いて縫着線16で互いに縫着している。
前後身頃11,12と袖13、14についても同様に、縫い代を肌側に向けてオーバーロックミシンを用いて縫着線17で互いに縫着している。
また、前後身頃11,12の裾部分及び袖13、14の裾部分は、肌側に向けて2つ折りし、偏平縫いミシンを用いて縫着線18で縫着している。
同様に、前後身頃11,12と別布15の縫着も偏平縫いミシンを用いて縫着線19で縫着している。
本実施形態における縫着線16,17,18,19の縫着には、単繊維繊度1.5〜1.9dtexのナイロンマルチフィラメントを合撚したミシン糸20を上糸及び下糸として用いている。
詳細には、前記ミシン糸20は、ナイロンマルチフィラメント68本を引き揃え、撚り数2700回/mの仮撚りをかけて単糸繊度122dtexの単糸を製造したのち、該単糸2本を撚り数125回/mで撚り合わせて(上撚り)製造した双糸であり、表示繊度は122T×2,136fである。
前記ミシン糸20は、単繊維繊度1.5〜1.9dtexの範囲の細いフィラメントから構成しているので、縫着部分を柔軟にすることができ、さらに強度が大きいナイロンフィラメントで構成しているので、従来のミシン糸に比べて強度が劣ることなく、十分な可縫性も有する。
ミシン糸20は引張強さが8.4〜20N、伸び率が25〜40%であり、JIS L2510のナイロン縫製糸の規格を満たすことができる。
次に図2を用いて、肌着シャツ10の肩部分の縫着部分の構成を説明する。
前身頃11と後身頃12の縫着線16における縫い目16a、及び、前後身頃11,12と左袖13との縫着線17における縫い目17aは、オーバーロックミシンによる縁かがり縫いで形成している。また、前後身頃11,12の首周りを被覆する別布15と、前後身頃11,12との縫着線19の縫い目19aは、偏平縫いミシンによるフラットシーマで形成している。
縫着線16と縫着線17が交差する縫着部21及び縫着線16と縫着線19が交差する縫着部22では、2重に縫い目が形成されるが、本発明の縫製糸は柔軟であるため、2重に縫い目を形成しても硬くならず、ソフトな肌触りとすることができる。本実施形態のミシン糸は、ミシン糸規格に適合した糸であるので、従来のミシン糸の代替として用いることができ、肌触りの良い衣類を容易に作成することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例について述べるが、本発明はこれに限定されない。
(実施例)
単糸繊度122dtex、68f(フィラメント)のナイロンマルチフィラメント(東洋紡績(株)製「シルファイン(商品名)」)をS撚り方向に2700回/mの仮撚りをかけて単糸とし、ついで該単糸2本をZ撚り方向に撚数125回/mで撚糸を行い、ワインダーを用いてコーンに巻取り、表示繊度122T(dtex)×2,フィラメント数136本(136f)、糸長約8000mの縫製糸を作製した。
前記縫製糸全体の繊度とフィラメント数から算出されるナイロンフィラメント1本の繊度は1.79dtexであった。
また、実施例の縫製糸は、JIS L1030に準拠して20点平均で求めた引張強さが10.8N、伸び率が31.0%であった。
(比較例)
単糸繊度110dtex、14fのナイロンフィラメント((株)エド・ベル製「エド・ベルウーリー糸(商品名)」)を、S撚り方向に2700回/mの仮撚りをかけて単糸とし、ついで該単糸2本をZ撚り方向に撚数135回/mで撚糸を行い、ワインダーを用いてコーンに巻取り、表示繊度110T(dtex)×2,フィラメント数28本(28f)、糸長約8000mの縫製糸を作製した。
前記縫製糸全体の繊度及びフィラメント数から算出されるナイロンフィラメント1本の繊度は約7.9dtexであった。
実施例、比較例の各々の縫製糸をミシン糸として用い、偏平縫いミシンを用いて裏綿トリコネット生地(綿50%、ナイロン40%、ポリエステル5%、ポリウレタン5%)にフラットシーマの縫い目からなる縫着線を形成した。
この際、実施例のミシン糸は、比較例とした従来のミシン糸と同様に可縫性に優れていた。
実施例及び比較例のミシン糸で形成した縫着部分について、下記条件で手触りによる官能検査、及びKES風合いシステムによる風合い試験を行った。
(1)手触りによる官能検査
10名の評価者に手及び指先で縫着部分を触ってもらい、実施例と比較例のいずれの縫着部分が硬く感じるかについて聞き取りを行った。
(2)KES風合いシステムによる風合い試験
KATO THCH社製応力測定装置「KES−FB−2」)により曲げ剛性を示すB値の測定を行なった。
B値は、大きいほど剛性が高く、硬いことを示している。
手触りによる評価では、10名の評価者のうち、8名が比較例のミシン糸よりも実施例のミシン糸を用いた縫着部分の方が明らかに柔かいと回答し、残り2名も実施例のミシン糸を用いた縫着部分の方が柔かいと回答した。
また、KES風合い試験の測定結果は以下のとおりであった。
(実施例)
0.5612g・cm/cm
(比較例)
0.6539g・cm/cm
このように、単繊維繊度1.5〜1.9dtexのナイロンフィラメントを48〜136本合撚された単糸が、複数本撚り合わされて144〜260dtexとされている実施例のミシン糸は、単繊維繊度7.9dtexのナイロンフィラメントを合撚してなる比較例のミシン糸に比べて、縫着部分が明らかに柔軟な手触りとなり、KES風合い測定において曲げ剛性を示すB値も小さかった。
また、実際に手で触った感触においても、比較例のミシン糸で縫製した縫着部分は既存の縫製品と同様に、縫い目の糸の凹凸が指先で明確に確認でき、硬い感触であるのに対し、実施例のミシン糸で縫製した縫い目は、ステッチ部分の糸の凹凸の段差が指先で識別しにくくソフトな感触であり、縫着部分が柔かく感じた。
本発明は、前記実施形態及び実施例に限定されず、縫製糸を用いて縫製される種々の衣類に適用することができる。
実施形態の肌着シャツの斜視概略図である。 図1の肩部分の肌側の縫着部分を示す図である。 従来例を示す図である。
符号の説明
10 肌着シャツ
11 前身頃
12 後身頃
13,14 袖
15 別布
16,17,18,19 縫着線
20 ミシン糸

Claims (3)

  1. 1.5〜1.9dtexのナイロンフィラメントが48〜136本合撚された単糸が、複数本撚り合わされて144〜260dtexとされていることを特徴とする縫製糸。
  2. 前記単糸は前記ナイロンフィラメント68本が合撚されて122dtexとされ、2本の前記単糸が撚り数120〜150回/mで撚り合わされ、かつ、伸縮加工糸とされたミシン糸からなる請求項1に記載の縫製糸。
  3. 請求項1または請求項2に記載の縫製糸を用いて縫製された肌着あるいはTシャツであり、前記縫製糸を少なくとも肌側に位置させていることを特徴とする衣類。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102613706A (zh) * 2012-04-16 2012-08-01 无锡红豆居家服饰有限公司 黄金甲贴片保暖内衣
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