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JP2008525458A - フラビウイルス科処置用化合物 - Google Patents

フラビウイルス科処置用化合物 Download PDF

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JP2008525458A
JP2008525458A JP2007548376A JP2007548376A JP2008525458A JP 2008525458 A JP2008525458 A JP 2008525458A JP 2007548376 A JP2007548376 A JP 2007548376A JP 2007548376 A JP2007548376 A JP 2007548376A JP 2008525458 A JP2008525458 A JP 2008525458A
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Abstract

記載されているのは、フラビウイルス科感染症およびフラビウイルス科誘発障害の予防または処置において有用な特性を有する、例えば明細書に定義の通りの、式(I)、(Ia)または(II)の非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリンである。

Description

本発明は、フラビウイルス科ウイルス感染症および誘発障害の処置における非免疫抑制性サイクロスポリンの新規使用に関する。(本明細書では“cyclosporin”を“サイクロスポリン”と、“Cicrosporine”を“シクロスポリン”と、それぞれ表記する)
サイクロスポリンは、一般に薬理学的、特に免疫抑制性、または抗炎症性活性を有する、構造的に特徴的な、環状、ポリ−N−メチル化ウンデカペプチドのクラスを含む。単離された最初のサイクロスポリンは、天然に存在する真菌代謝物シクロスポリンまたはサイクロスポリンAとしても既知のサイクロスポリンであった。
サイクロスポリンAがIL−2の転写開始を遮断することによってT細胞活性化の工程を妨害することにより作用することはよく確立されている。サイクロスポリンAは、シクロフィリンと命名された17kD細胞質タンパク質と複合体を形成することが示されており、後者は多くの細胞型で生成し、タンパク質折り畳みに関与する酵素であるペプチジル−プロリルcis−transイソメラーゼと同じであることが示されている。
しかしながら、シクロフィリンへの結合が免疫抑制性活性に必須ではあるが、十分な判定基準ではないことが判明した。サイクロスポリンA/シクロフィリン複合体はまた、ホスファターゼスーパーファミリーに属するカルシニューリン(CN)と命名された細胞性タンパク質とも会合できる。この結合は、そのホスファターゼ活性を阻止し、転写因子NF−ATの沈黙化をもたらす。CN/NF−AT経路の阻害は、サイクロスポリンA仲介免疫抑制の機構に必須である。
シクロフィリンに強く結合するが、免疫抑制性ではないサイクロスポリンが同定されている。サイクロスポリンは、混合リンパ球反応(MLR)における活性がサイクロスポリンAの5%以下、好ましくは2%以下であるとき、非免疫抑制性であると見なされる。混合リンパ球反応はT. Meo in “Immunological Methods”, L. Lefkovits and B. Peris, Eds., Academic Press, N.Y. pp. 227-239 (1979)により記載されている。Balb/cマウス(雌、8−10週)からの脾臓細胞(0.5×10)を、5日間、CBAマウス(雌、8−10週)からの0.5×10の照射した(2000ラド)またはマイトマイシンC処理した脾臓細胞と共インキュベートする。照射した同種異系細胞はBalb/c脾臓細胞において増殖応答を誘発し、これは標識前駆体のDNAへの取り込みにより測定できる。スティミュレーター細胞が照射されている(またはマイトマイシンC処理されている)ため、それらはBalb/c細胞に対して増殖では応答しないが、それらの抗原性は維持している。MLRにおいて本試験化合物で見られるIC50は、並行実験におけるサイクロスポリンAと同等である。加えて、非免疫抑制性サイクロスポリンはCNおよび下流NF−AT経路を阻害する能力を欠く。
EP0484281A1および米国特許5,767,069は、AIDSまたはAIDS関連障害の処置における非免疫抑制性サイクロスポリンの使用を開示している。
出願EP2004/009804に開示の通り、シクロフィリンに結合する非免疫抑制性サイクロスポリンはまた、C型肝炎ウイルス(HCV)に対する阻害効果を有することも判明している。
非A、非B肝炎の主要な原因因子として同定されているHCVによる難治性の感染は、慢性肝炎、肝硬変または肝細胞性癌腫のような肝臓疾患に密接に関連していると見なされている。これらの肝臓疾患の発症は、大きな公衆衛生問題である。有効な抗HCV治療はインターフェロンまたはインターフェロンとリバビリンの組み合わせでの治療に限定されている。しかしながら、該ウイルスがこれらの既知薬剤で処置したHCV患者の約半数で除去されないため、別の抗HCV剤の強い必要性がまだ存在する。
C型肝炎感染症またはHCV誘発障害は、例えば慢性肝炎、肝硬変または肝臓癌、例えば肝細胞性癌腫である。非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリンはまた例えばHCV感染母体から生まれた新生児もしくはこのウイルスに曝されるヘルスケア従事者に、または移植レシピエント、例えば臓器または組織移植レシピエント、例えば肝臓移植に、移植後のHCV感染再発の可能性を排除するために予防的処置としても使用できる。
HCVはヘパシウイルス属の唯一のメンバーである。ヘパシウイルス、フラビウイルスおよびペスチウイルスはフラビウイルス科のウイルスの異なる3つの属である。フラビウイルス属は、血清学的関連性に基づいて群分けされた68を超えるメンバーを含む(Calisher et al., J. Gen. Virol. 1993, 70:37-43)。臨床症状は様々であり、発熱、脳炎および出血熱を含む(Fields Virology, Eds: Fields, B.N., Knipe, D.M., およびHowley, P.M., Lippincott Raven publishers, Philadelphia, PA, 1996, Chapter 31, 931-959)。フラビウイルスの世界的懸念は、デング出血熱ウイルス(DHF)、黄熱ウイルス、ショック症候群および日本脳炎ウイルスを含むヒト疾患と関連する(Halstead, S.B., Rev. Infect. Dis., 1984, 6, 251-264;Halstead, S.B., Science, 239:476-481, 1988;Monath, T.P., New Eng. J. Med. 1988, 319, 641-643)。
ペスチウイルス属は、ウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV)、古典的ブタ熱ウイルス(CSFV、別名ブタコレラウイルス)およびヒツジのボーダー病ウイルス(BDV)を含む(Moennig, V. et al., Adv. Vir. Res. 1992, 41, 53-98)。家畜(ウシ、ブタ、およびヒツジ)のペスチウイルス感染症は、世界中で著しい経済的損失の原因である。BVDはウシの粘膜疾患であり、畜産業において経済的に非常に重要である(Meyers, G. and Thiel, H.-J., Advances in Virus Research, 1996, 47, 53-118;Moening V., t al. Adv. Vir. Res. 1992, 41, 53-98)。ヒトペスチウイルスは、動物のペスチウイルス程は広範に特徴付けされていない。しかしながら、血清学的調査は、ヒトにおける相当なペスチウイルス暴露を示唆する。
ペスチウイルスおよびヘパシウイルスは、フラビウイルス科内の密接に関連するウイルス群である。この科における他の密接に関連するウイルスは、GBウイルスA、GBウイルスA様因子(agent)、GBウイルス−BおよびGBウイルス−C(別名G型肝炎ウイルス、HGV)を含む。ヘパシウイルス群(C型肝炎ウイルス;HCV)は、ヒトに感染する、多くの密接に関連するが、遺伝子型により区別されるウイルスから成る。約6種のHCV遺伝子型および50を超えるサブタイプが存在する。ペスチウイルスとヘパシウイルスの類似性のために、ヘパシウイルスが細胞培養中で効率的に増殖する能力が低いことと合わせて、ウシウイルス性下痢ウイルス(BVD)がHCVウイルスの試験の代用物としてしばしば使用されている。
ペスチウイルスおよびヘパシウイルスの遺伝子構成は非常に類似している。これらのプラス鎖RNAウイルスは、ウイルス複製に必要なウイルスタンパク質全てをコードする一つの大きなオープン・リーディング・フレーム(ORF)を有する。これらのタンパク質は、成熟ウイルスタンパク質を産生するために、細胞性およびウイルスがコードするプロテイナーゼの両方により翻訳と同時におよび翻訳後に処理されるポリタンパク質として発現される。ウイルスゲノムRNAの複製を担うウイルスタンパク質は、おおよそカルボキシ末端の範囲内に位置する。ORFの2/3は非構造(NS)タンパク質と呼ばれる。ペスチウイルスおよびヘパシウイルスについてORFの非構造タンパク質の遺伝子構成およびポリタンパク質処理は非常に類似している。ペスチウイルスおよびヘパシウイルスの両方について、成熟非構造(NS)タンパク質は、非構造タンパク質コード領域のアミノ末端からORFのカルボキシ末端の方向で、p7、NS2、NS3、NS4A、NS4B、NS5A、およびNS5Bから成る。HCVの遺伝子構成は図1に示す。
ペスチウイルスおよびヘパシウイルスのNSタンパク質は、特異的タンパク質機能に特有の配列ドメインを共有する。例えば、両群のウイルスのNS3タンパク質は、セリンプロテイナーゼおよびヘリカーゼに特有のアミノ酸配列モチーフを有する(Gorbalenya et al. (1988)Nature 333:22;Bazan and Fletterick (1989)Virology 171:637-639;Gorbalenya et al. (1989)Nucleic Acid Res. 17:3889-3897)。同様に、ペスチウイルスおよびヘパシウイルスのNS5Bタンパク質は、RNA特異的(directed)RNAポリメラーゼに特有のモチーフを有する(Koonin, E.V. and Dolja, V.V. (1993)Crit. Rev. Biochem. Molec. Biol. 28:375-430)。
ウイルスの生活環におけるペスチウイルスおよびヘパシウイルスのNSタンパク質の実際の役割および機能はまさに類似している。両方の場合、NS3セリンプロテイナーゼは、ORF中でその下流に位置するポリタンパク質前駆体の全てのタンパク質分解処理を担う(Wiskerchen and Collett (1991)Virology 184:341-350;Bartenschlager et al. (1993)J. Virol. 67:3835-3844;Eckart et al. (1993)Biochem. Biophys. Res. Comm. 192:399-4067;Grakoui et al. (1993)J. Virol. 67:2832-2843;Grakoui et al. (1993)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:10583-10587;Hijikata et al. (1993)J. Virol. 67:4665-4675;Tome et al. (1993)J. Virol. 71:5312-5322)。両ウイルスのNS3タンパク質はまたヘリカーゼとして機能する(Kim et al. (1995)Biochem. Biophys. Res. Comm. 215:160-166;Jin and Peterson (1995)Arch. Biochem. Biophys., 323:47-53;Warrener and Collett (1995)J. Virol. 69:1720-1726)。最後に、ペスチウイルスおよびヘパシウイルスのNS5Bタンパク質は、予測されたRNA特異的RNAポリメラーゼ活性を有する(Behrens et al. (1996)EMBO J. 15:12-22;Lechmann et al. (1977)J. Virol. 71:8416-8428;Yuan et al. (1997)Biochem. Biophys. Res. Comm. 232:231-235;Hagedorn, PCT WO 97/12033;Zhong et al. (1998)J. Virol. 72:9365-9369)。
本発明は、フラビウイルス科ウイルス感染症および誘発障害の予防または処置における非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリンの使用を提供する。
発明の詳細な記載
本発明によって、非免疫抑制性サイクロスポリンを含む医薬組成物および組み合わせ剤、ならびにそれを使用したフラビウイルス科ウイルス感染症および誘発障害の処置法が提供される。
本発明の範囲内に含まれるフラビウイルスは、一般にFields Virology, Editors: Fields, N., Knipe, D.M.およびHowley, P.M.;Lippincott-Raven Publishers, Philadelphia, PA;Chapter 31 (1996)に記載されている。具体的フラビウイルスは、限定しないが、以下に記載するものを含む:アブセッタロフ(Absettarov);アルフイ(Alfuy);アポイ(Apoi);アオラ(Aroa);バガザ(Bagaza);バンジ(Banzi);ボウオウイ(Bououi);ブスクアラ(Bussuquara);カシパコール(Cacipacore);ケアリー・アイランド(Carey Island);ダーカー・バット(Dakar bat);デングウイルス1、2、3および4;エッジ・ヒル(Edge Hill);エンタッベ・バット(Entebbe bat);ガジェット・グリー(Gadgets Gully);ハンザロバ(Hanzalova);ヒプロ(Hypr);イレウス(Ilheus);イスラエルシチメンチョウ髄膜脳炎;日本脳炎;ジュルガ(Jugra);ジュティアパ(Jutiapa);カダム(Kadam);カルシ(Karshi);カドウゴウ(Kedougou);ココエラ(Kokoera);コウタンゴ(Koutango);クムリンゲ(Kumlinge);クンジン(Kunjin);キャサヌール森林病;ランガット(Langat);跳躍病;マエバン(Meaban);モドック(Modoc);モンタノ・ミオティス(Montano myotis)白質脳炎;マレー渓谷脳炎;ナランジャル(Naranjal);ネギシ(Negishi);ヌタヤ(Ntaya);オムスク出血熱;プノンペン・バット(Phnom-penh bat);ポワッサン(Powassan);リオ・ブラボ(Rio Bravo);ロシオ(Rocio);ロイヤル・ファーム(Royal Farm);ロシア春夏脳炎;サボヤ(Saboya);セントルイス脳炎;サル・ビエジャ(Sal Vieja);サン・ペリタ(San Perlita);サウマレックス・リーフ(Saumarex Reef);セピク(Sepik);ソクルク(Sokuluk);スポンドウェニ(Spondweni);ストラトフォード(Stratford);テムズ(Temusu);チュレニー(Tyuleniy);ウガンダ・エス・ウスツ・ウエッセルズブロン(Uganda S, Usutu, Wesselsbron);西ナイル;ヤオウンデ(Yaounde);黄熱;およびジカ(Zika)。
本発明の範囲内に含まれるペスチウイルスは、一般的にFields Virology (Id.)に記載されている。具体的ペスチウイルスは、限定しないが、以下に記載するものを含む:ウシウイルス性下痢ウイルス(“BVDV”);古典的ブタ熱ウイルス(“CSFV”)、ブタコレラウイルスとしても既知;およびボーダー病ウイルス(“BDV”)。
本発明の範囲内のフラビウイルス科の他のメンバーは、GBウイルスA、GBウイルスA様因子(agent)、GBウイルス−BおよびGBウイルス−C(G型肝炎ウイルス、HGVとも呼ばれる)を含むが、これらに限定されない。加えて、約6種のHCV遺伝子型および50種を超えるサブタイプを含むヘパシウイルス群(C型肝炎ウイルス;HCV)もまた本発明の範囲内に含まれる。
サイクロスポリンは、Quesniaux in Eur. J. Immunol. 1987 17 1359-1365に記載の競合ELISA試験において、ヒト組み換えシクロフィリンに、サイクロスポリンAの少なくとも1/5倍結合するとき、シクロフィリン結合性と見なす。本試験において、試験するサイクロスポリンを、シクロフィリンとBSA−サイクロスポリンAのインキュベーションの間に添加し、競合剤なしでのコントロール反応の50%阻害をもたらすのに必要な濃度(IC50)を計算する。結果を結合比(BR)として示し、これは、本試験化合物のIC50対サイクロスポリンA自体の同時の試験のIC50の底10の対数である。故に、1.0のBRは、本試験化合物がヒトシクロフィリンにサイクロスポリンAの1/10倍少ない結合を示し、負の値は、サイクロスポリンAよりも強い結合を示す。HCVに対して活性なサイクロスポリンは、0.7未満、好ましくは0以下のBRを有する。
非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリンの例は、例えば式I
Figure 2008525458
〔式中、
WはMeBmt、ジヒドロ−MeBmt、8'−ヒドロキシ−MeBmtまたはO−アセチル−MeBmtであり;
XはαAbu、Val、Thr、NvaまたはO−メチルスレオニン(MeOThr)であり;
RはPro、Sar、(D)−MeSer、(D)−MeAla、または(D)−MeSer(Oアセチル)であり;
YはMeLeu、チオMeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、MeIle、MeVal、MeThr、MeAla、MeaIleまたはMeaThr;N−エチルVal、N−エチルIle、N−エチルThr、N−エチルPhe、N−エチルTyrまたはN−エチルThr(Oアセチル)であり、
ZはVal、Leu、MeValまたはMeLeuであり、
QはMeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、MeAlaまたはProであり、
は(D)AlaまたはLysであり、
はMeLeuまたはγ−ヒドロキシ−MeLeuであり、そして
はMeLeuまたはMeAlaである。〕
の化合物を含む。
好ましい式Iの化合物は、例えば式Ia
Figure 2008525458
〔式中、
W'はMeBmt、ジヒドロ−MeBmtまたは8'−ヒドロキシ−MeBmtであり;
XはαAbu、Val、Thr、NvaまたはO−メチルスレオニン(MeOThr)であり;
R'はSar、(D)−MeSer、(D)−MeAla、または(D)−MeSer(Oアセチル)であり;
Y'はMeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、MeIle、MeVal、MeThr、MeAla、MeaIleまたはMeaThr;N−エチルVal、N−エチルIle、N−エチルThr、N−エチルPhe、N−エチルTyrまたはN−エチルThr(Oアセチル)であり、
ZはVal、Leu、MeValまたはMeLeuであり;そして
Q'はMeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeuまたはMeAlaである。〕
の化合物である。
基W'、X、Y'、Z、Q'およびR'は、独立して、下記の好ましい意味を有する:
W'は好ましくはW”であり、ここで、W”はMeBmtまたはジヒドロ−MeBmtであり;
Xは好ましくはX'であり、ここで、X'はαAbuまたはNvaであり、より好ましくはX”であり、ここで、X”はαAbuであり;
R'は好ましくはR”であり、ここで、R”はSarであり;
Y'は好ましくはY”であり、ここで、Y”はγ−ヒドロキシ−MeLeu、MeVal、MeThr、MeIle、N−エチルIleまたはN−エチルValであり;
Zは好ましくはZ'であり、ここで、Z'はValまたはMeValであり;そして
Q'は好ましくはQ”であり、ここで、Q”はMeLeuである。
式Iaの化合物の好ましいグループは、W'がW”であり、XがX'であり、Y'がY”であり、ZがZ'であり、Q'がQ”であり、そしてR'がR”であるものである。
好ましい式Iaの化合物の例は、例えば下記である:
a) [ジヒドロ−MeBmt]−[γ−ヒドロキシ−MeLeu]−シクロスポリン;BR*=0.1;IR<1%
b) [MeVal]−シクロスポリン;BR=0.1;IR<1%
c) [MeIle]−シクロスポリン;BR=−0.2;IR<1%
d) [MeThr]−シクロスポリン;
e) [γ−ヒドロキシ−MeLeu]−シクロスポリン;BR=0.4;IR<1%
f) [エチル−Ile]−シクロスポリン;BR=0.1;IR<2%
g) [エチル−Val]−シクロスポリン;BR=0;IR<2%
h) [Nva]−[γ−ヒドロキシ−MeLeu]−シクロスポリン;
i) [γ−ヒドロキシ−MeLeu]−[γ−ヒドロキシ−MeLeu]−シクロスポリン;
j) [MeVal]−シクロスポリン;BR=0.4;IR=5.3%
k) [Me0Thr]−[(D)MeAla]−[MeVal]−シクロスポリン;
j) [8'−ヒドロキシ−MeBmt]−シクロスポリン;BR=0.35;IR=1.8%
k) [MeAla]−シクロスポリン;BR=−0.4;IR=3.2
l) [γ−ヒドロキシ−MeLeu]−シクロスポリン;BR=0.15;IR=2.9
IR=免疫抑制性比、サイクロスポリンAに対する活性パーセントとして表示。
非免疫抑制性サイクロスポリンのさらなる例は、内容を引用により本明細書に包含させるWO98/28330、WO98/28329およびWO98/28328に記載の化合物、例えば式II
Figure 2008525458
〔式中、

Figure 2008525458
であり、ここで、Rは式IcまたはId
Figure 2008525458
の残基であり、ここで、RはC1−4アルキルチオ、アミノC1−4アルキルチオ、C1−4アルキルアミノC1−4アルキルチオ、ジC1−4アルキルアミノ−C1−4アルキルチオ、ピリミジニルチオ、チアゾリルチオ、N−C1−4アルキルイミダゾリルチオ、ヒドロキシC1−4アルキルフェニルチオ、ヒドロキシC1−4アルキルフェノキシ、ニトロフェニルアミノまたは2−オキソピリミジン−1−イルであり、そしてR'はC1−4アルキルであり、
はAbuであり;
は−NMe−CH(R)−CO−であり、ここで、RはHまたは−S−Alk−Rであり、ここで、Alk−Rはメチルであるか;またはAlkは直鎖または分枝鎖C2−6アルキレンまたはC3−6シクロアルキレンであり、そしてRはH;OH;COOH;C2−5アルコキシ−カルボニル;NR(ここで、RおよびRは、独立してH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C3−6シクロアルキルおよびフェニルから選択され、各々所望によりハロゲン、C1−4アルコキシ、C2−5アルコキシカルボニル、アミノ、C1−4アルキルアミノおよび/またはジC1−4アルキル−アミノで置換されていてよい)ならびにベンジルおよびヘテロ環式ラジカルから選択され、該ベンジルおよびヘテロ環式ラジカルは、飽和または不飽和であり、5個または6個の環員および1個から3個のヘテロ原子を含むか、またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、4から6員ヘテロ環を形成し、これは、窒素、酸素および硫黄から選択される他のヘテロ原子を含んでよく、所望によりC1−4アルキル、フェニルまたはベンジルで置換されているか;またはRおよびRの各々は、式Ib
Figure 2008525458
のラジカルであり、ここでRおよびRは上記で定義の通りであり、RはHまたはC1−4アルキルであり、そしてnは2から4の範囲の整数であり;
はMeLeuまたはγ−ヒドロキシ−MeLeuであり;
はValであり;そして
はMeLeuである。
ただし、YがMeLeuであるとき、RはHではない。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
式IIにおいて、Rおよび/またはRがヘテロ環式残基であるとき、それはピリジル、テトラヒドロ−ピリジル、ピペリジル、イミダゾリル、オキサゾリルまたはチアゾリルであり得る。RとRがそれらが結合している窒素原子と一体となってヘテロ環式残基を形成するとき、ヘテロ環式残基は、例として、アゼチジニル、ピペリジル、ピペラジニル、N−メチル−ピペラジニル、N−フェニルピペラジニル、N−ベンジルピペラジニル、ピリジル、イミダゾリル、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロピリジル、メチルテトラヒドロピリジル(例えば4−メチル−テトラヒドロピリジル)またはフェニルテトラヒドロピリジル(例えば4−フェニルテトラヒドロピリジル)から選択できる。
式I、IaまたはIIの化合物は:
1) 発酵
2) 生物学的変換
3) 誘導体化
4) 部分合成
5) 全合成
に分類され得る、種々の方法で、例えば引用によりその内容を本明細書に包含させるEP0484281A1、WO00/01715、WO98/28330、WO98/28329またはWO98/28328に記載の通りに得ることができる。
一連のさらなるまたは他の態様において、本発明はまた下記を提供する:
1.1 処置を必要とする対象におけるフラビウイルス科感染症またはフラビウイルス科誘発障害を予防または処置する方法であって、該対象に治療的有効量の非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリン、例えば式I、IaまたはIIの化合物を投与することを含む、方法。
本発明によって、非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリンは、フラビウイルス科感染症または誘発障害の一つ以上の徴候または症状を軽減するもしくは排除するのに有効な量で、例えば、対象の血清サンプルで測定してフラビウイルス科ウイルスを減少させるのに有効な量で投与し得る。
1.2 培地中のフラビウイルス科複製を阻害する方法であって、該培地に有効量の非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリン、例えば式I、IaまたはIIの化合物を適用することを含む、方法。
1.3 処置を必要とする対象におけるフラビウイルス科ウイルス複製を阻害する方法であって、該対象に治療的有効量の非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリン、例えば式I、IaまたはIIの化合物を投与することを含む、方法。
1.4 移植レシピエントにおけるCV感染の再発を予防する方法であって、該レシピエントに治療的有効量の非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリン、例えば式I、IaまたはIIの化合物を投与することを含む、方法。
2. 上記に定義のいずれかの方法において使用するための医薬組成物の製造における、非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリン、例えば式I、IaまたはIIの化合物の使用。
3. 非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリン、例えば式I、IaまたはIIの化合物を、1種以上の薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む、上記で定義のいずれかの方法において使用するための医薬組成物。
非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリン(以後“本発明のサイクロスポリン”または“対象非免疫抑制性サイクロスポリン”と呼ぶ)の、上記に特記した疾患および状態の処置における有用性は、例えば下記の方法に従った、標準動物試験または臨床試験で証明できる。
A. インビトロ
細胞培養:Huh−7およびMH−14細胞、HCVレプリコン細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)添加ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で培養する。PH5CH8細胞を、100ng/mlの上皮細胞増殖因子、10μ/mlのインスリン、0.36μg/mlのヒドロコルチゾン、5μg/mlのトランスフェリン、5μg/mlのリノール酸、20ng/mlのセレン、4μg/mlのグルカゴン、10ng/mlのプロラクチン、10μg/mlのゲンタマイシン、200μg/mlのカナマイシン、および2%FBSを添加したDMEMおよびF12培地の1:1混合物中で培養する。
免疫ブロット分析:免疫ブロット分析をK. Watashi et al., Virology 2001, 286, 391-402に記載の通り行う。本実験で使用する一次抗体は、抗NS5A、抗NS5B、および抗β−アクチン(Sigma)抗体である。
間接的免疫蛍光分析:間接的免疫蛍光分析を、K. Watashi, supraに記載の通りに行う。本実験で使用する一次抗体は抗NS5Aおよび抗PDI(StressGen)抗体である。
逆転写(RT)−ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析
培養した細胞の全RNAを、製造業者の推奨通り、Sepasol-RNA I Super(ナカライテスク)で単離する。RT−PCR分析を、製造業者の指示に従い、ワン・ステップRNA PCRキット(タカラ)を使用して行う。2',5'−オリゴアデニレートシンセターゼおよび二本鎖RNA依存性タンパク質キナーゼのmRNAの検出に使用するプライマーは、各々5'−CCGTGAAGTTTGAGGTCCAG−3'、5'−GACTAATTCCAAGACCGTCCG−3'および5'−TGGCCGCTAAACTTGCATATC−3'、5'−GCGAGTGTGCTGGTCACTAAAG−3'である。
ノーザンブロット分析:ノーザンブロット分析は、H. Kishine et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 2002, 47, 119-125に記載の通り行う。本実験で使用するNS5B配列に対するプローブ相補性は、H. Kishine, supraに記載されている。
実時間RT−PCR分析:HCVゲノムRNAの5'−UTRを、T. Takeuchi et al., Gastroenterology, 1999, 116, 636-642に記載の通り、ABI PRISM 7700配列検出器(AppliedBiosystems)を使用して定量する。本実験で使用する前向きおよび後ろ向きプライマーは、各々5'−CGGGAGAGCCATAGTGG−3'および5'−AGTACCACAAGGCCTTTCG−3'である。蛍光性プローブは5'−CTGCGGAACCGGTGAGTACAC−3'であり。内部コントロールとして、リボソームRNAをまた、TaqMan Ribosomal RNA Control Reagents(Applied Biosystems)を使用して定量する。
インビトロHCV感染実験:インビトロHCV感染実験は、本質的にN. Kato et al., Jpn. J. Cancer Res. 1996, 87, 787-792およびM. Ikada et al., Virus Res., 1998, 56, 157-167に記載の通り行う。PH5CH8細胞(1×10)を、HCV陽性血液ドナーから調製する血漿1B−2に感染させる(10から10 HCV RNAコピーに相当)。接種24時間後、細胞を3回リン酸緩衝化食塩水(PBS)で洗浄し、新鮮培地に維持する。
トランスフェクションおよびレポーターアッセイ:MH−14およびH9細胞へのトランスフェクションを、FuGENE 6(Roche)およびリポフェクタミン2000トランスフェクション試薬(Invitrogen)を各々使用して、製造業者のプロトコールに従い行う。レポーターアッセイを、K. Watashi, supraに記載の通り行う。本試験で使用するレポータープラスミドは、pNFAT-Luc、pAP1-Luc、pNFKB-Luc(PathDetect Reporter System;Stratagene)、およびpRL-TK(デュアル−ルシフェラーゼレポーターアッセイ系;Promega)である。
図1Aに示す通りのHCVサブゲノムレプリコンが自主的に複製する、MH−14細胞を使用したHCVゲノムの複製に対する種々の本発明のサイクロスポリンの効果。本発明のサイクロスポリン、例えば1μg/mlの、例えば[MeIle]−シクロスポリンでのならびにポジティブコントロールとして使用する100U/ml IFNαでの7日間の処置は、HCVNS5AおよびNS5Bタンパク質を、免疫ブロット分析で検出不可能なレベルまで減少させる。間接的免疫蛍光分析は、NS5Aタンパク質産生を、1μg/ml 本発明のサイクロスポリンで処置した全細胞において減少させるが、内部コントロールとしての小胞体マーカーであるタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)はこの条件では変化させないことを示す。本発明のサイクロスポリンは、本アッセイで、HCVレプリコン細胞におけるHCVタンパク質発現を減少させる。
レプリコンRNAは、ノーザンブロット分析により、本発明のサイクロスポリンまたはIFNαで7日間処置されたまたはされていないMH−14細胞で分析する。例えば1μg/ml 本発明のサイクロスポリン、例えば[MeIle]−シクロスポリンでの処置は、レプリコンRNAを検出不可能なレベルまで減少させる。100U/ml IFNαでの処置は同様の効果をもたらす。加えて、力価が徐々に低下し、HCV RNAは7日目に最初の約1/400まで減少する。IFNαとの併用処置において、試験した全ての時点(3日目、5日目および7日目)で、サイクロスポリンまたはIFNαいずれかの単剤処置と比較して、さらに減少する:サイクロスポリンおよびIFNαの両方で7日間処置したMH−14細胞におけるレプリコンRNAレベルは、IFNα単独で処置した細胞よりも著しく減少する。
さらに、PH5CH8細胞(非新生物肝細胞細胞系)を、HCV陽性血漿で処置し、続いて、接種後の種々の時点で、HCV RNAゲノム力価を実時間RT−PCR分析により定量する。接種後5日目の細胞におけるHCV RNAゲノム力価は1日目と比較して約10倍に増加していたが、本発明のサイクロスポリン、例えば[MeIle]−シクロスポリン、またはIFNαで連続的に処置した細胞において、これらの時点でHCV RNAゲノム力価の著しい増加は観察されなかった。本発明のサイクロスポリンは、HCV感染させた培養肝細胞の複製を阻害する。
結果は図2E、2Fおよび2Gに示す:免疫ブロット分析(2E)、間接的免疫蛍光分析(2F)および実時間RT−PCR分析(2G)を、[MeIle]−シクロスポリン(■)または非シクロフィリン結合性サイクロスポリン(●)、例えば6−[[R−(E)]−6,7−ジデヒドロ−N,4−ジメチル−3−オキソ−L−2−アミノオクタン酸]−7−L−バリン−サイクロスポリンAで処置したMH−14細胞を使用して行う。2Eおよび2F(第一行)、処置なし;2EのCysA、1μg/ml;2E(■)および2F(■)の[MeIle]−シクロスポリン、1μg/ml;2E(●)および2F(●)の非シクロフィリン結合性サイクロスポリン、1μg/ml。
抗ウイルス活性を決定するためのさらなる細胞培養系
上記の方法および下記方法のいくつかは、HCVを使用する。記載の方法は、しかしながら、細胞系およびウイルス病原を変えることにより単純にフラビウイルス科の他のメンバーに適合させ得る。
HCVおよびその阻害を検出するための、有用な細胞ベースのアッセイは、HCVレプリコンを保持するHuh7細胞からのレプリコンRNAのレベルの評価である。これらの細胞は標準培地、例えば10%ウシ胎児血清、1×非必須アミノ酸、Pen−Strep−Glu(各々100単位/リットル、100マイクログラム/リットル、および2.92mg/リットル)、およびG418(500〜1000マイクログラム/ミリリットル)を添加したDMEM培地(高グルコース、ビルビン酸無し)で培養できる。抗ウイルススクリーニングアッセイは、G418なしの同じ培地で行うことができる。細胞を対数増殖期に維持するために、細胞を96ウェルプレートに、例えば、1000細胞/ウェルほど低密度で播種する。本試験化合物、すなわち、対象非免疫抑制性サイクロスポリンを次いで細胞播種直後に添加し、それらを3〜7日間、37℃でインキュベーター中でインキュベートする。次いで培地を除去し、細胞を全RNA抽出(レプリコンRNA+宿主RNA)のために調製する。レプリコンRNAを次いで実時間RT−PCR(Q−RT−PCR)プロトコールで増幅し、定量できる。
レプリコンRNAの量の観察される差異が、本試験化合物、すなわち、対象非免疫抑制性サイクロスポリンの抗ウイルス効果を表す一つの方法である。典型的実験において、同等量のレプリコンをネガティブコントロール中に、非活性化合物と共に産生する。これは、両方の設定においてフラビウイルスまたはペスチウイルスRT−PCRの測定された閾値サイクルがほぼ同じであるかどうかを決定できる。このような実験において、本化合物の抗ウイルス効果を示す一つの方法は、ネガティブコントロールの平均閾値RT−PCRサイクル(Ctネガティブ)を、本試験化合物の閾値RT−PCRサイクル(Ct試験化合物)から引くことである。この値は†Ct(†Ct=Ct試験化合物−Ctネガティブ)と呼ぶ。3.3の†Ct値がレプリコン産生の1ログ(log)減少を示す。ポジティブコントロールとして、組み換えインターフェロンアルファ−2a(例えば、Roferon-A、Hoffmann-Roche, NJ, USA)を本試験化合物、すなわち、対象非免疫抑制性サイクロスポリンと並行して使用できる。さらに、本化合物を希釈シリーズ(典型的に100、33、10、3および1:M)で試験できる。各濃度の†Ct値は、50%有効濃度(EC50)の計算を可能にする。
先に記載の通り、上記アッセイを、細胞系およびtheウイルス病原を変えることによりフラビウイルス科の他のメンバーに適合させ得る。対象非免疫抑制性サイクロスポリンの効果を決定するための方法は, Holbrook MR et al. Virus Res. 2000, 69, 31;Markland W. et al. Antimicrob. Agents. Chemother. 2000, 44, 859;Diamond MS et al., J. Virol. 2000, 74, 7814;Jordan I et al. J. Infect Dis.. 2000, 182, 1214;Sreenivasan V et al. J. Virol. Methods 1993, 45(1), 1;またはBaginski SG et al. Proc. Natl. Acad. Sci USA 2000, 97(14)7981に記載の通りの標準法の修飾または実時間RT−PCR技術を含む。例として、HuH7細胞中のHCVレプリコン系(Lohmann V et al. Science, 1999, 285(5424, 110)またはその修飾(Blight et al. 2000)を使用できる。
細胞保護アッセイ
アッセイは、本質的にBaginski, S.G., et al. “Mechanism of action of pestivirus compound” PNAS USA 2000, 97(14), 7981-7986に記載の通り行い得る。MDBK細胞(ATCC)を96ウェル培養プレート(4,000細胞/ウェル)に、使用する24時間前に播種する。BVDV(株NADL、ATCC)で、細胞あたり0.02プラーク形成単位(PFU)の感染多重度(MOI)で感染させた後、対象非免疫抑制性サイクロスポリンの連続希釈を、感染および非感染細胞の両方に、増殖培地中0.5%DMSOの最終濃度で添加し得る。各希釈をデュプリケート、トリプリケートまたはクアドロプリケートで試験できる。細胞密度およびウイルス接種物を、実験の間中の連続的細胞増殖を確実にするために、および、感染4日後に未処置コントロールの90%を超えるウイルス誘発細胞破壊が達成されるように調製できる。4日後、プレートを50%TCAで固定し、スルホローダミンBで染色する。ウェルの光学密度をマイクロプレート・リーダーで550nmで読み得る。50%有効濃度(EC50)値を、ウイルスの細胞変性作用の50%減少を達成する対象非免疫抑制性サイクロスポリンの濃度として定義する。
プラーク減少アッセイ
対象非免疫抑制性サイクロスポリンの有効濃度を、プラーク減少アッセイにより、デュプリケート24ウェルプレートで決定できる。細胞単層を100PFU/ウェルのウイルスで感染させる。次いで、2%不活化血清および0.75%のメチルセルロース添加MEM中の対象非免疫抑制性サイクロスポリンの連続希釈を、単層に添加する。培養物をさらに37℃で3日間インキュベートし、次いで50%エタノールおよび0.8%クリスタル・バイオレットで固定し、洗浄し、空気乾燥する。プラークを計測して、90%ウイルス抑制が得られる濃度を決定する。
収量減少アッセイ
各対象非免疫抑制性サイクロスポリンについて、ウイルス負荷の6ログ減少をえるための濃度を、収量減少アッセイによりデュプリケート24ウェルプレートで決定できる。本アッセイを、Baginski, S.G., et al. “Mechanism of action of pestivirus compound” PNAS USA 2000, 97(14), 7981-7986に記載の通り、わずかに改変して行い得る。MDBK細胞を24ウェルプレート(2×10細胞/ウェル)に播種し、24時間後に細胞当たり0.1PFUの感染の多重度(MOI)でBVDV(NADL株)で感染させる。非免疫抑制性サイクロスポリンの連続希釈を、増殖培地中0.5%DMSOの最終濃度で細胞に添加する。各希釈をデュプリケート、トリプリケート、またはクアドロプリケートで試験し得る。3日後、細胞培養(細胞単層および上清)を、複数回の凍結−融解サイクルにより溶解し、ウイルス収量をプラークアッセイにより定量する。簡単に言うと、MDBK細胞を、使用する24時間前に6ウェルプレート(5×105細胞/ウェル)に播種する。細胞を0.2mLの試験溶解物で1時間接種し、洗浄し、増殖培地中0.5%アガロースと重層する。3日後、細胞単層を3.5%ホルムアルデヒドで固定し、1%クリスタル・バイオレット(50%エタノール中w/v)で染色して、プラークを可視化する。次いで、プラークを計測して、ウイルス負荷の6ログ減少をもたらす濃度を決定する。
フラビウイルス科ウイルスの検出に適合させた細胞に基づかないアッセイ
核酸増幅技術が、ここで、生物学的サンプルにおける大量のさらにまだ数が増え続けている結核菌、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、およびC型肝炎ウイルス(HCV)の同定のための選択法である。核酸増幅技術は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、核酸配列ベースの増幅(NASBA)、鎖置換増幅(SDA)、および転写媒介増幅(TMA)を含む。フラビウイルス科ウイルスゲノムの少なくとも一部のヌクレオチド配列が核酸増幅技術のために必要である。このような配列は公開された文献および遺伝子データベースから容易に入手可能である。
増幅産物検出スキーム
増幅産物検出スキームは2個の基本的タイプ:異種および同種がある。異種検出は、ハイブリダイズしたプローブからハイブリダイズしていないプローブを徐依拠するために設計された洗浄のような異なる工程により特徴付けられ、一方同種検出においては、遊離プローブを結合プローブから除去する物理的分離工程はない。多数の異種および同種検出法が存在する。
異種検出
サザンブロット法は、例えば、異種検出技術である。サザンブロット法において、電気泳動を使用して、サイズおよび荷電により増幅産物を分離する。サイズ分画された産物を膜またはフィルターに拡散、減圧、またはエレクトロブロッティングにより移す。標識検出プローブを、次いで膜結合標的に溶液中でハイブリダイズさせ、フィルターを洗浄して、全てのハイブリダイズしていないプローブを除去し、膜上のハイブリダイズしたプローブを、種々の方法のいずれかにより検出する。
異種検出の他のタイプは、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)の手段による増幅産物の特異的捕捉に基づく。PCRで使用する一つの方法は、一つのプライマーをビオチンのようなハプテンまたはリガンドで標識し、増幅後、それを抗体またはストレプトアビジン被覆マイクロプレートで捕捉することを含む。他方のプライマーは、フルオレッセインのようなレポーターで標識し、検出を抗フルオレッセイン抗体、ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ(HRP)接合体の添加により達成する。このタイプの方法は、目的に適宜された増幅産物にハイブリダイズする検出プローブを使用するほど特異的ではない。
同種検出
ハイブリダイズしたおよびハイブリダイズしていない検出プローブを同種検出系では物理的に分離しないため、これらの方法は、異種法よりも少ない固定を必要とし、故に汚染の傾向が少ない。蛍光および化学発光標識の同種検出を使用する市販のキットの選り抜きは、TaqMan系(Applied Biosystems;Foster City, CA)、BDProbeTecET系(Becton Dickinson;Franklin Lakes, NJ)、QPCR System 5000(Perkin-Elmer Corp.;Norwalk, CT)およびハイブリダイゼーション保護アッセイ(Gen Probe Inc.;San Diego)である。
TaqMan系は、アンプリコンを実時間で検出する。アンプリコン内の領域にハイブリダイズする検出プローブは、フルオレッセインのようなドナーフルオロフォアを、その5'末端に、そしてクエンチャー部分、例えば、ローダミンをその3'末端に含む。クエンチャーおよびフルオロフォアの両方が同じオリゴヌクレオチドに存在するとき、ドナー蛍光が阻害される。増幅中、プローブは標識に結合する。Taqポリメラーゼが置換され、検出プローブを、それが交互鎖を合成するように開裂する。検出プローブの開裂は、フルオロフォアのクエンチャーからの分離をもたらし、ドナー蛍光シグナルの増加に至る。各増幅サイクルの間、この工程を繰り返す。アンプリコンの量が増加するに連れて、蛍光シグナルの量が増加する。
分子ビーコンはクエンチャーおよびフルオロフォアも使用する。ビーコンは、標識アンプリコンに相補的なプローブであるが、各末端に相補的オリゴヌクレオチドの短い伸張(約5ヌクレオチド)を含む。ビーコンの5'および3'末端は、各々フルオロフォアおよびクエンチャーで標識する。ビーコンが標識にハイブリダイズしないときにヘアピン構造が形成され、フルオロフォアとクエンチャーが接触し、蛍光の消光がもたらされる。本ループ領域はアンプリコンに相補的な領域を含む。標識とのハイブリダイゼーションにより、ヘアピン構造が開き、クエンチャーとフルオロフォアが離れ、蛍光シグナルの発生が可能となる。蛍光光度計は、シグナルを実時間で測定する。
BDProbeTecET系は、TaqManと分子ビーコンの特徴を組み合わせた実時間検出法を使用する。本プローブはヘアピンループ構造を有し、フルオレッセインおよびローダミン標識を含む。この系において、しかしながら、標識分子に相補的な領域はループ内ではなく、むしろローダミン標識に対して3'の領域にある。標識に相補的な配列を含む代わりに、本一本鎖ループは、制限酵素BsoBIの制限部位を含む。本一本鎖配列は酵素の基質ではない。フルオレッセインおよびローダミン標識は増幅前は互いに近く、フルオレッセイン蛍光を消光する。鎖置換増幅は、プローブを二本鎖分子に変換する。次いで、BsoBI制限酵素が分子を切断でき、標識の分離と蛍光シグナルの増加をもたらす。
QPCR System 5000は、電気化学発光とルテニウム標識を用いる。ビオチニル化プライマーを使用する。増幅後、ビオチン産物をストレプトアビジン被覆常磁性ビーズ上に捕捉する。本ビーズを、電気化学フローセルに吸引により移し、電極表面に磁気的に保持させる。電気刺激により、ルテニウム標識プローブが発光する。
検出プローブ設計は、増幅産物の検出にプローブを使用する全ての方法で重要である。良い検出プローブは、特異的増幅産物にしかハイブリダイズせず、非特異的産物とはハイブリダイズしない。検出法を最適化する他の重要な論点は、プローブの標識およびサンプルスループットの最大化を含む。
標識法およびレポーター分子
検出プローブは、数種の異なる方法で標識できる。32Pまたは35Sのプローブへの酵素的取り込みが、同位体標識の最も一般的な方法である。ハイブリダイゼーションおよび洗浄に続き、シグナルをオートラジオグラフィー・フィルム上で検出する。
非放射活性検出を行うために、プローブを、種々の分子で酵素的に標識する。ビオチンを酵素的に取り込み、次いで、ストレプトアビジン−接合アルカリホスファターゼで、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート(BCIP)およびニトロブルーテトラゾリウム(NBT)のようなAP基質を使用して、検出できる。Lumi-Phos 530またはLumi-Phos Plus(Lumigen, Southfield, MI)のような化学発光法基質もAPと共に使用できる。加えて、ジゴキシゲニン−11−dUTPをDNAまたはRNAに酵素的に取り込み、抗ジゴキシゲニンAP接合体を比色または化学発光法検出と共に使用できる。
アクリジニウムエステルのような化学発光部分を含む、多くの他のタイプのレポーター分子が存在する。多くの蛍光部分が同様に入手可能である。トリス(2,2'−ビピリジン)ルテニウム(II)のような電気化学発光化合物も使用できる。これらおよび類似の技術のさらなる記載は:Schiff ER, de Medina M, Kahn RS. Semin Liver Dis. 1999;19(Suppl 1:3-15)に見ることができる。
これらの異種または同種アッセイのいずれも、フラビウイルス科のウイルスに対する本発明のサイクロスポリンの効果の評価に使用できる。
B. 臨床試験
慢性C型肝炎感染症または他のフラビウイルス科ウイルス感染症の全15名の患者が、2週間の試験に参加する。各患者に、本発明のサイクロスポリン、例えば[MeIle]−シクロスポリンを、7〜15mg/kg p.o.のレベルで投与する。C型肝炎抗原(または他のフラビウイルス科ウイルス抗原)の血清レベルを、0日目および14日目に各患者で決定する。
C型肝炎感染を有する患者は、下記の徴候および症状の1つ以上を示し得る:(a)上昇したALT、(b)抗HCV抗体試験陽性、(c)HCV−RNA試験で陽性であることにより証明されるHCVの存在、(d)慢性肝臓疾患の臨床徴候、(e)肝細胞損傷。このような基準はC型肝炎の診断に使用できるだけでなく、薬剤処置に対する患者の応答の評価にも使用できる。
上昇した血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)は、制御されてないC型肝炎で起こることが知られており、処置に対する完全な応答は、一般に、これらの血清酵素、特にALTの正常化として定義される(Davis et al., 1989, New Eng. J. Med. 321:1501-1506)。ALTは、肝臓細胞が破壊されたときに放出される酵素であり、HCV感染症に症候的である。
薬剤処置に応答した対象におけるHCV複製または他のフラビウイルス科ウイルス複製の経過を追跡するために、ウイルスRNAを、血清サンプル中で、例えば、HCVゲノムのN53およびN54非構造遺伝子領域由来の2セットのプライマー(Farci et al., 1991, New Eng. J. Med. 325:98-104. Ulrich et al., 1990, J. Clin. Invest., 86:1609-1614)または他のフラビウイルス科ウイルスの類似領域を使用するネスティッドポリメラーゼ連鎖反応アッセイにより、測定できる。
肝臓生検サンプルの組織学的試験を、HCV複製の評価のための第二の基準として使用できる。例えば、その組織学的活性指数(肝門炎症、断片的なまたは架橋した壊死、小葉傷害および線維症)が疾患活性のスコアリング法を提供する、Knodell et al., 1981, Hepatology 1:431-435を参照のこと。
本発明の実施に際して必要な1日投与量は、例えば、用いる非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリン、宿主、投与の形態、処置すべき状態の重症度に依存して変化する。好ましい1日投与量範囲は、1回量または分割量で、約1〜50mg/kg/日である。患者のための適当な1日量は、例えば1〜20mg/kg p.o.またはi.v.の桁である。経口投与のための適当な単位投与形態は、約0.25〜10mg/kg活性成分、例えば[MeIle]−シクロスポリンを、1種以上の薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む。
本発明のサイクロスポリンは、任意の慣用の経路で、特に経腸的に、例えば経口で、例えば飲用液、錠剤またはカプセルの形で、または非経腸的に、例えば注射溶液または懸濁液の形で投与できる。好ましい医薬組成物は、例えばUK2,222,770Aに記載のマイクロエマルジョンに基づくものである。
本発明のサイクロスポリンは、唯一の成分として、または他の薬剤、例えば抗フラビウイルス科活性を有する薬剤、例えばインターフェロン、例えばインターフェロン−α−2aまたはインターフェロン−α−2b、例えばIntronR A、RoferonR、AvonexR、RebifRまたはBetaferonR、または水溶性ポリマーもしくはヒトアルブミンに結合したインターフェロン、例えばalbuferon、抗ウイルス剤、例えばリバビリン、ラミブジン、NV08またはNM283、NS3/4Aプロテアーゼ、ヘリカーゼもしくはRNAポリメラーゼのようなHCVまたは他のフラビウイルス科ウイルスがコードする因子の阻害剤またはこのような阻害剤のプロドラッグ、抗繊維形成剤、例えばN−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えばイマチニブ、免疫調節剤、例えばミコフェノール酸、その塩またはプロドラッグ、例えばミコフェノール酸ナトリウムもしくはミコフェノール酸モフェチル、またはS1P受容体アゴニスト、例えばFTY720または、例えばaEP627406A1、EP778263A1、EP1002792A1、WO02/18395、WO02/76995、WO02/06268、JP2002316985、WO03/29184、WO03/29205、WO03/62252およびWO03/62248に記載の通り所望によりリン酸化されたその類似体と共に投与できる。
水溶性ポリマーに結合したインターフェロンは、とりわけポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン化ポリオール、そのコポリマーおよびそのブロックコポリマーのようなポリアルキレンオキシドホモポリマーとの結合体を意味する。ポリアルキレンオキシド骨格のポリマーの代わりに、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、炭水化物骨格のポリマーなどの非抗原性物質を有効に使用できる。このようなインターフェロン−ポリマー結合体は、米国特許4,766,106、4,917,888、欧州特許出願0236987、欧州特許出願0510356および国際出願公開WO95/13090に記載されている。重合修飾が抗原性応答を十分に減少させるため、外来インターフェロンが完全に自己である必要はない。ポリマー結合体の製造に使用されるインターフェロンは、ヒト、反芻動物またはウシインターフェロンのような哺乳動物抽出物から製造でき、または組み換えにより製造する。好ましいのは、インターフェロンのポリエチレングリコールへの結合体であり、ペグ化インターフェロンとしても既知である。
インターフェロンのとりわけ好ましい結合体は、ペグ化アルファ−インターフェロン、例えばペグ化インターフェロン−α−2a、ペグ化インターフェロン−α−2b;ペグ化コンセンサスインターフェロンまたはペグ化精製インターフェロン−α製品である。ペグ化インターフェロン−α−2aは、例えば欧州特許593,868に記載され、例えば商品名PEGASYS(登録商標)(Hoffmann-La Roche)の下に市販されている。ペグ化インターフェロン−α−2bは、例えば欧州特許975,369に記載され、例えば商品名PEG-INTRON A(登録商標)(Schering Plough)の下に市販されている。ペグ化コンセンサスインターフェロンはWO96/11953に記載されている。好ましいペグ化α−インターフェロンは、ペグ化インターフェロン−α−2aおよびペグ化インターフェロン−α−2bである。また好ましいのは、ペグ化コンセンサスインターフェロンである。
リバビリン(1−β−D−リボフラノシル−1−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド)は商品名Virazoleの下に販売されている、合成の、インターフェロンを誘導しない、広スペクトル抗ウイルスヌクレオシド類似体である(The Merk INdex, 11th edition, Editor:Budavar, S, Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, p1304,1989)。米国特許3,798,209およびRE29,835は、リバビリンを開示し、請求している。リバビリンはグアノシンに構造的に類似し、フラビウイルス科を含む数種のDNAおよびRNAウイルスに対してインビトロ活性を有する(Gary L. Davis, Gastroenterology 118:S104-S114, 2000)。
リバビリンは、患者の40%で血清アミノトランスフェラーゼレベルを正常まで低下させるが、HCV−RNAの血清レベルを低下させない(Gary L. Davis, Gastroenterology 118:S104-S114, 2000)。故に、リバビリン単独ではウイルスRNAレベルの低下に有効ではない。加えて、リバビリンは著しい毒性を有し、貧血を誘発することが知られている。リバビリンはHCVに対する単剤療法としては認可されてない;それは、HCVの処置についてインターフェロンアルファ−2aまたはインターフェロンアルファ−2bとの組み合わせで認可されている。
使用する併用剤に関する一日投与量は、例えば、用いる化合物、宿主、投与形態および処置すべき状態の重症度に依存する。例えば、ラミブジンは100mgの1日量で投与できる。ペグ化インターフェロンは、非経腸的に週に1〜3回、好ましくは週に1回、1週間の総量が2,000,000〜10,000,000IU、より好ましくは5,000,000〜10,000,000IU、最も好ましくは8,000,000〜10,000,000IUの範囲で投与できる。
前記によって、本発明はなおさらに下記の局面を提供する:
4. a)非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリン、例えば式I、IaまたはIIの化合物である第一剤、およびb)併用剤、例えば上記で定義の通りの第二剤を含む、例えば上記で定義の方法のいずれかに使用するための、医薬組み合わせ剤。
5. 治療的有効量の非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリン、例えば式I、IaまたはIIの化合物、および併用剤、例えば上記で定義の通りの第二剤を、例えば同時にまたは連続して併用投与することを含む、上記で定義の方法。
ここで使用する用語“併用投与”または“組み合わせ投与”などは、選択した治療剤を単独の患者に投与することを包含することを意味し、薬剤を必ずしも同じ投与経路でまたは同時に投与するものではない処置レジメンを含むことを意図する。
本発明の医薬組み合わせ剤は、その薬学的活性成分の一方のみを適用する単剤療法と比較して有利な効果、例えば相乗的治療効果をもたらす。好ましい相乗作用的組み合わせは、非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリンと、所望によりポリマーに結合しているインターフェロンの組み合わせである。
さらに好ましい組み合わせは、非免疫抑制性シクロフィリン結合性サイクロスポリンとミコフェノール酸、その塩もしくはプロドラッグ、またはS1P受容体アゴニスト、例えばFTY720との組み合わせである。
組み合わせまたは交互治療
本発明の活性化合物は、他の抗フラビウイルス科薬剤と組み合わせてまたは交互に投与できる。組み合わせ治療では、2種以上の薬剤の有効量を一緒に投与するが、交互または連続工程治療では、各薬剤の有効量を連続的もしくは断続的に投与する。投与する量は、薬剤の吸収、不活性化および排泄速度ならびに当業者に既知の他の因子に依存する。投与量はまた緩解すべき状態の重症度により変化することも注意すべきである。任意の特定の対象に関して、具体的な投与レジメンおよびスケジュールを、個々の必要性に従い経時的に調節すべきであり、そして組成物を投与するまたは投与を監督する者の専門的判断に従い調節すべきであることはさらに理解されよう。好ましい態様において、10−15:M、または好ましくは1−5:M未満のEC50を示す抗フラビウイルス科化合物が望まれる。
フラビウイルス科ウイルスの薬剤耐性変異株が、抗ウイルス剤での長期処置の後に発生し得ることは認識されている。薬剤耐性は、最も典型的には、ウイルス複製において使用する酵素をコードする遺伝子の変異により起こる。ウイルス感染に対する薬剤の効果は、主薬剤によりもたらされるものと異なる変異を誘発する第二の、そしておそらく第三の抗ウイルス化合物との組み合わせまたは交互の投与により延長でき、増強でき、または回復し得る。あるいは、薬剤の薬物動態学、生体内分布または他のパラメータが、このような組み合わせまたは交互の治療により変化し得る。一般に、組み合わせ治療が、それがウイルスに対して複数の負荷を同時にかけるため、交互治療よりも典型的に好ましい。
上記の通り、多くのウイルス処置、例えば、インターフェロンおよびリバビリンを、本明細書に記載の非免疫抑制性サイクロスポリンと組み合わせて、または交互に使用できる。さらに、非限定的例は下記を含む:
(1)プロテアーゼ阻害剤
例は、アルファケトアミドおよびヒドラジノウレアを含む、基質に基づいたNS3プロテアーゼ阻害剤((Attwood et al., Antiviral peptide derivatives, PCT WO 98/22496, 1998; Attwood et al., Antiviral Chemistry and Chemotherapy 1999, 10, 259-273; Attwood et al, Preparation and use of amino acid derivatives as anti-viral agents, German Patent Pub. DE 19914474; Tung et al. Inhibitors of serine proteases, particularly hepatitis C virus NS3 protease; PCT WO 98/17679)を含み、そしてボロン酸またはホスホネートのような親電子基で終わる阻害剤(Llinas-Brunet et al. Hepatitis C inhibitor peptide analogues, PCT WO 99/07734)が治験中である。
RD3-4082およびRD3-4078(前者はアミドを14炭素鎖置換され、そして後者はパラ−フェノキシフェニル基を有する)を含む、2,4,6−トリヒドロキシ−3−ニトロ−ベンズアミド誘導体のような基質に基づかないNS3プロテアーゼ阻害剤(Sudo K. et al., Biochemiscal and Biophysical Research Communications, 1997, 238 643-647; Sudo K. et al. Antiviral Chemistry and Chemotherapy, 1998, 9, 186)もまた治験中である。
フェナントレンキノンであるSch 68631はHCVプロテアーゼ阻害剤である(Chu M et al., Tetrahedron Letters 37:7229-7232, 1996)。同じ著者による他の例において、真菌ペニシリウム・グリセオフルバム(Penicillium griseofulvum)から単離されたSch 351633はプロテアーゼ阻害剤として同定されている(Chu M. et al., Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 9:1949-1952)。HCVNS3プロテアーゼ酵素に対するナノモル濃度での効果が、巨大分子eglin cに基づいた選択的阻害剤の設計により達成されている。ヒルから単離されたeglin cは、S. griseusプロテアーゼAおよびB、∀−キモトリプシン、キマーゼおよびサブチリシンのような数種のセリンプロテアーゼの強力な阻害剤である。Qasim M.A. et al., Biochemistry 36:1598-1607, 1997。
HCVの処置に関してプロテアーゼ阻害剤を開示する米国特許は、例えば、Spruce et al. の米国特許6,004,933(HCVエンドペプチダーゼ2の阻害のためのシステインプロテアーゼ阻害剤のクラスを開示する);Zhang et al. の米国特許5,990,276(C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼの合成阻害剤を開示する);Reyes et alの米国特許5,538,865を含む。HCVNS3セリンプロテアーゼ阻害剤としてのペプチドは、Corvas International, Inc.のWO02/008251、ならびにSchering CorporationのWO02/08187およびWO02/008256に開示されている。HCV阻害剤トリペプチドは、Boehringer Ingelheimの米国特許6,534,523、6,410,531および6,420,380ならびにBristol Myers SquibbのWO02/060926に開示されている。HCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害剤としてのジアリールペプチドは、Schering CorporationのWO02/48172に開示されている。HCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害剤としてのイミダゾリジノンは、Schering CorporationのWO02/18198およびBristol Myers SquibbのWO02/48157に開示されている。Vertex PharmaceuticalsのWO98/17679およびBristol Myers SquibbのWO02/48116もまたHCVプロテアーゼ阻害剤を開示する。
(2)NS3/4A融合タンパク質およびNS5A/5B基質での逆相HPLCアッセイにおいて適切な阻害を示すチアゾリジン誘導体(Sudo K. et al., Antiviral Research, 1996, 32, 9-18)、とりわけ長アルキル鎖で置換された縮合シンナモイル部分を有する化合物RD-1-6250、RD46205およびRD46193;
(3)Kakiuchi N. et al. J. FEBS Letters 421, 217-220;Takeshita N. et al. Analytical Biochemistry, 1997, 247, 242-246で同定されたチアゾリジンおよびベンズアニリド;
(4)ストレプトマイセス属の発酵培養液から単離されたSDS−PAGEおよびオートラジオグラフィーアッセイでプロテアーゼに対して活性を有するフェナントレンキノン、Sch 68631(Chu M. et al., Tetrahedron Letters, 1996, 37, 7229-7232)、および真菌ペニシリウム・グリセオフルバムから単離されたシンチレーション近接アッセイにおいて活性が証明されるSch 351633(Chu M. et al, Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 9, 1949-1952);
(5)ヘリカーゼ阻害剤(Diana G.D. et al., Compounds, compositions and methods for treatment of hepatitis C, U.S. Patent No. 5,633,388; Diana G.D. et al., Piperidine derivatives, pharmaceutical compositions thereof and their use in the treatment of hepatitis C, PCT WO 97/36554);
(6)ヌクレオチドポリメラーゼ阻害剤およびグリオトキシン(Ferrari R. et al. Journal of Virology, 1999, 73, 1649-1654), and the natural product cerulenin (Lohmann V. et al. Virology, 1998, 249, 108-118);
(7)ウイルスの5'非コード領域(NCR)の配列伸張に相補的なアンチセンスホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチド(S−ODN)(Alt M. et al., Hepatology, 1995, 22, 707-717)、またはNCRの3'末端を含むヌクレオチドおよびHCV RNAのコア・コード領域に位置するヌクレオチド371−388(Alt M. et al., Archives of Virology, 1997, 142, 589-599; Galderisi U. et al., Journal of Cellular Physiology, 199, 181, 251-257);または治療の効果を高める、HCVゲノムの任意の部分に相補的なアンチセンス配列。
(8)IRES依存翻訳の阻害剤(特開平8−268890、池田信ら、C型肝炎の予防・治療剤;特開平10−101591、甲斐康信ら、ウイルス感染症の予防・治療剤);
(9)リボザイム、例えばヌクレアーゼ抵抗性リボザイム(Maccjak, D.J. et al., Hepatology 1999, 30, abstract 995)ならびにBarber et al.の米国特許6,043,077およびDraper et al.の米国特許5,869,253および5,610,054に記載のもの;および
(10)ヌクレオシド類似体がまたフラビウイルス科感染症の処置のために開発されている。例えば、発明の名称“フラビウイルス科感染の治療のための2’−C−メチル−3’−O−L−バリンエステルリボフラノシルシチジン”である特許出願WO2004/002422A2および米国特許6,812,219を参照のこと。
Idenix Pharmaceuticalsは、国際公開WO01/90121およびWO01/92282の中でフラビウイルス(HCVを含む)およびペスチウイルスの処置における分枝ヌクレオシドの使用を開示している。具体的に、有効量の生物学的に活性な1'、2'、3'または4'−分枝B−DまたはB−Lヌクレオシドまたはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む(単独で、または他の抗ウイルス剤と共に、所望により薬学的に許容される担体中で投与する)、ヒトおよび他の宿主動物におけるC型肝炎感染(およびフラビウイルスおよびペスチウイルス)の処置法が、Idenixの公報に開示されている。
C型肝炎ウイルスの処置のためのある種のヌクレオシド類似体の使用を開示する他の特許は:BioChem Pharma, Inc.(現在Shire Biochem, Inc.)が出願したPCTCA00/01316(WO01/32153;2000年11月3日出願)およびPCT/CA01/00197(WO01/60315;2001年2月19日出願);Merck & Co., Inc.が出願したPCT/US02/01531(WO02/057425;2002年1月18日出願)およびPCT/US02/03086(WO02/057287;2002年1月18日出願)、Rocheが出願したPCT/EP01/09633(WO02/18404;2001年8月21日公開)、およびPharmasset, Ltd.が出願したPCT公開WO01/79246(2001年4月13日出願)、WO02/32920(2001年10月18日出願)およびWO02/48165を含む。
Emory Universityの発明の名称“2'−フルオロヌクレオシド”であるPCT公開WO99/43691は、HCVの処置に対するある種の2'−フルオロヌクレオシドの使用を開示する。
Eldrup et al. (Oral Session V, Hepatitis C Virus, Flaviviridae; 16th International Conference on Antiviral Research (April 27, 2003, Savannah, GA))は、HCVの阻害のための2'−修飾ヌクレオシドの構造活性相関を記載している。
Bhat et al. (Oral Session V, Hepatitis C Virus, Flaviviridae, 2003 (Oral Session V, Hepatitis C Virus, Flaviviridae; 16th International conference on Antiviral Research (April 27, 2003, Savannah, Ga); p A75)は、可能性のあるHCV RNA複製の阻害剤として、ヌクレオシド類似体の合成および薬物動態学的特性を記載している。著者らは、2'−修飾ヌクレオシドで、細胞を利用したレプリコンアッセイで強力な阻害活性が立証されることを報告している。
Olsen et al. (Oral Session V, Hepatitis C Virus, Flaviviridae; 16th International Conference on Antiviral Research (April 27, 2003, Savannah, Ga)p A76)はまた、HCV RNA複製に対する2'−修飾ヌクレオシドの効果も記載している。
(11)1−アミノ−アルキルシクロヘキサン(Gold et al.の米国特許6,034,134)、アルキル脂質(Chojkier et al.の米国特許5,922,757)、ビタミンEおよび他の抗酸化剤(Chojkier et al.の米国特許5,922,757)、スクアレン、アマンタジン、胆汁酸(Ozeki et al.の米国特許5,846,99964)、N−(ホスホノアセチル)−L−アスパラギン酸(Diana et al.の米国特許5,830,905)、ベンゼンジカルボキサミド(Diane et al.の米国特許5,633,388)、ポリアデニル酸誘導体(Wang et al.の米国特許5,496,546)、2'3'−ジデオキシイノシン(Yarchoan et al.の米国特許5,026,687)、ベンゾイミダゾール(Colacino et al.の米国特許5,891,874)、植物抽出物(Tsai et al.の米国特許5,837,257、Omer et al.の米国特許5,725,859、および米国特許6,056,961)およびピペリジン(Diana et al.の米国特許5,830,905)を含む、その他の雑多な化合物。
(12)TOLL様受容体アゴニストであるヌクレオシド類似体である、イサトリビン(isatoribine)(ANA975およびANA245)(米国5,041,426および4,880,784)のような受容体アゴニスト。
(13)1−(4−ペンチルオキシ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3−(ピリジン−3−カルボニル)チオウレア(米国公開2004/0138205、米国出願10/716,175)のような置換チオアリールウレア誘導体。
(14)抗葉酸、5−フルオロピリミジン(5−フルオロウラシルを含む)、β−L−1,3−ジオキソラニルシチジンまたはβ−L−1,3−ジオキソラニル5−フルオロシチジンのようなシチジン類似体、代謝拮抗剤(プリン代謝拮抗剤、シタラビン、フルダラビン、フロクスウリジン、6−メルカプトプリン、メトトレキサート、および6−チオグアニンを含む)、ヒドロキシウレア、有糸分裂阻害剤(CPT−11、エトポシド(VP−21)、タキソール、およびビンクリスチンおよびビンブラスチンのようなビンカアルカロイドを含む)、アルキル化剤(ブスルファン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イフォスアミド、メクロレタミン、メルファラン、およびチオテパを含むが、これらに限定されない)、非古典的アルキル化剤、白金含有化合物、ブレオマイシン、抗腫瘍抗生物質、ドキソルビシンおよびダウノマイシンのようなアントラサイクリン、アントラセンジオン、トポイソメラーゼII阻害剤、ホルモン剤(コルチコステロイド(デキサメサゾン、プレドニゾン、およびメチルプレドニゾン)、フルオキシメステロンおよびメチルテストステロンのようなアンドロゲン、ジエチルスチベステロールのようなエストロゲン、タモキシフェンのような抗エストロゲン、リュープロリドのようなLHRH類似体、フルタミド、アミノグルテチミド、酢酸メゲストロール、およびメドロキシプロゲステロンのような抗アンドロゲンを含むが、これらに限定されない)、アスパラギナーゼ、カルムスチン、ロムスチン、ヘキサメチル−メラミン、ダカルバジン、ミトタン、ストレプトゾシン、シスプラチン、カルボプラチン、レバミソール、およびロイコボリンを含む、組み合わせ治療の効果を高める化合物。本発明の化合物はまた、酵素治療剤ならびにインターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、マクロファージ−コロニー刺激因子およびコロニー刺激因子のような免疫系調節剤と組み合わせても使用できる。

Claims (13)

  1. フラビウイルス科感染症またはフラビウイルス科誘発障害の予防または処置用医薬組成物の製造におけるサイクロスポリンの使用であって、該サイクロスポリンが(i)ヒト組み換えシクロフィリンに0.7未満の結合比(BR)で結合し(BRは、競合ELISA試験で試験して、サイクロスポリンのIC50対サイクロスポリンAの同時の試験のIC50の底10の対数である);かつ(ii)混合リンパ球反応で、サイクロスポリンAの5%以下の活性を有するものである、使用。
  2. フラビウイルス科ウイルス複製の阻害用医薬組成物の製造における、請求項1記載のサイクロスポリンの使用。
  3. フラビウイルス科ウイルスがフラビウイルス、ペスチウイルス、またはヘパシウイルスである、請求項2記載のサイクロスポリンの使用。
  4. サイクロスポリンが、式I
    Figure 2008525458
    〔式中、
    WはMeBmt、ジヒドロ−MeBmt、8'−ヒドロキシ−MeBmtまたはO−アセチル−MeBmtであり;
    XはαAbu、Val、Thr、NvaまたはO−メチルスレオニン(MeOThr)であり;
    RはPro、Sar、(D)−MeSer、(D)−MeAla、または(D)−MeSer(Oアセチル)であり;
    YはMeLeu、チオMeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、MeIle、MeVal、MeThr、MeAla、MeaIleまたはMeaThr;N−エチルVal、N−エチルIle、N−エチルThr、N−エチルPhe、N−エチルTyrまたはN−エチルThr(Oアセチル)であり、
    ZはVal、Leu、MeValまたはMeLeuであり、
    QはMeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、MeAlaまたはProであり、
    は(D)AlaまたはLysであり、
    はMeLeuまたはγ−ヒドロキシ−MeLeuであり、そして
    はMeLeuまたはMeAlaである。〕
    の化合物、式Ia
    Figure 2008525458
    〔式中、
    W'はMeBmt、ジヒドロ−MeBmtまたは8'−ヒドロキシ−MeBmtであり;
    XはαAbu、Val、Thr、NvaまたはO−メチルスレオニン(MeOThr)であり;
    R'はSar、(D)−MeSer、(D)−MeAla、または(D)−MeSer(Oアセチル)であり;
    Y'はMeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、MeIle、MeVal、MeThr、MeAla、MeaIleまたはMeaThr;N−エチルVal、N−エチルIle、N−エチルThr、N−エチルPhe、N−エチルTyrまたはN−エチルThr(Oアセチル)であり、
    ZはVal、Leu、MeValまたはMeLeuであり;そして
    Q'はMeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeuまたはMeAlaである。〕
    の化合物または式II
    Figure 2008525458
    〔式中、

    Figure 2008525458
    であり、ここで、Rは式IcまたはId
    Figure 2008525458
    の残基であり、ここで、RはC1−4アルキルチオ、アミノC1−4アルキルチオ、C1−4アルキルアミノC1−4アルキルチオ、ジC1−4アルキルアミノ−C1−4アルキルチオ、ピリミジニルチオ、チアゾリルチオ、N−C1−4アルキルイミダゾリルチオ、ヒドロキシC1−4アルキルフェニルチオ、ヒドロキシC1−4アルキルフェノキシ、ニトロフェニルアミノまたは2−オキソピリミジン−1−イルであり、そしてR'はC1−4アルキルであり、
    はAbuであり;
    は−NMe−CH(R)−CO−であり、ここで、RはHまたは−S−Alk−Rであり、ここで、Alk−Rはメチルであるか;またはAlkは直鎖または分枝鎖C2−6アルキレンまたはC3−6シクロアルキレンであり、そしてRはH;OH;COOH;C2−5アルコキシ−カルボニル;NR(ここで、RおよびRは、独立してH、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C3−6シクロアルキルおよびフェニルから選択され、各々所望によりハロゲン、C1−4アルコキシ、C2−5アルコキシカルボニル、アミノ、C1−4アルキルアミノおよび/またはジC1−4アルキル−アミノで置換されていてよい)ならびにベンジルおよびヘテロ環式ラジカルから選択され、該ベンジルおよびヘテロ環式ラジカルは、飽和または不飽和であり、5個または6個の環員および1個から3個のヘテロ原子を含むか、またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、4から6員ヘテロ環を形成し、これは、窒素、酸素および硫黄から選択される他のヘテロ原子を含んでよく、所望によりC1−4アルキル、フェニルまたはベンジルで置換されているか;またはRおよびRの各々は、式Ib
    Figure 2008525458
    のラジカルであり、ここでRおよびRは上記で定義の通りであり、RはHまたはC1−4アルキルであり、そしてnは2から4の範囲の整数であり;
    はMeLeuまたはγ−ヒドロキシ−MeLeuであり;
    はValであり;そして
    はMeLeuである。
    ただし、YがMeLeuであるとき、RはHではない。〕
    の化合物または、それらの薬学的に許容される塩である、請求項1、2または3記載の使用。
  5. 請求項1に記載のサイクロスポリンを、1種以上の薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む、フラビウイルス科感染症またはフラビウイルス科誘発障害の予防または処置用医薬組成物。
  6. a)請求項1記載のサイクロスポリンである第一剤、およびb)抗フラビウイルス科特性を有する併用剤を含む、医薬組み合わせ剤。
  7. a)請求項1記載のサイクロスポリンである第一剤、およびb)抗フラビウイルス科特性、抗繊維形成剤、免疫調節剤またはS1P受容体アゴニストから選択される併用剤を含む、フラビウイルス科感染症またはフラビウイルス科誘発障害の予防または処置において使用するための医薬組み合わせ剤。
  8. 抗フラビウイルス科ウイルス特性を有する併用剤が、インターフェロン、リバビリン、インターロイキン、NS3プロテアーゼ阻害剤、システインプロテアーゼ阻害剤、フェナントレンキノン、チアゾリジン誘導体、チアゾリジン、ベンズアニリド、ヘリカーゼ阻害剤、ポリメラーゼ阻害剤、ヌクレオシド類似体、グリオトキシン、セルレニン、アンチセンスホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチド、IRES依存翻訳の阻害剤、およびリボザイムである、請求項6記載の医薬組み合わせ剤。
  9. 処置を必要とする対象におけるフラビウイルス科感染症またはフラビウイルス科誘発障害を予防または処置する方法であって、該対象に治療的有効量の請求項1記載のサイクロスポリンを投与することを含む、方法。
  10. 培地中のフラビウイルス科ウイルス複製を阻害する方法であって、該培地に有効量の請求項1記載のサイクロスポリンを適用することを含む、方法。
  11. 処置を必要とする対象におけるフラビウイルス科ウイルス複製を阻害する方法であって、該対象に治療的有効量の請求項1記載のサイクロスポリンを投与することを含む、方法。
  12. 請求項1記載の治療的有効量のサイクロスポリンと、抗フラビウイルス科特性を有する剤、抗繊維形成剤、免疫調節剤またはS1P受容体アゴニストから選択される併用剤を、同時にまたは連続して併用投与することを含む、請求項9または10記載の方法。
  13. 抗フラビウイルス科特性を有する併用剤が、インターフェロン、リバビリン、インターロイキン、NS3プロテアーゼ阻害剤、システインプロテアーゼ阻害剤、フェナントレンキノン、チアゾリジン誘導体、チアゾリジン、ベンズアニリド、ヘリカーゼ阻害剤、ポリメラーゼ阻害剤、ヌクレオシド類似体、グリオトキシン、セルレニン、アンチセンスホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチド、IRES依存翻訳の阻害剤、およびリボザイムから成る群から選択される、請求項12記載の方法。
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