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JP2008512505A - ポリナフタリンの合成および該ポリナフタリンの使用 - Google Patents

ポリナフタリンの合成および該ポリナフタリンの使用 Download PDF

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JP2008512505A JP2007529340A JP2007529340A JP2008512505A JP 2008512505 A JP2008512505 A JP 2008512505A JP 2007529340 A JP2007529340 A JP 2007529340A JP 2007529340 A JP2007529340 A JP 2007529340A JP 2008512505 A JP2008512505 A JP 2008512505A
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Abstract

本発明は、R1、R2、R1'、R2'が明細書中に記載された意味を有するような一般式(Ia)および/または(Ib)の繰返し単位を含有するポリナフタリン誘導体の製造法に関する。更に、本発明は、本発明による方法により製造可能なポリナフタリン誘導体、本発明による少なくとも1つのポリナフタリン誘導体を含有するかまたは該ポリナフタリン誘導体からなる被膜、本発明による少なくとも1つのポリナフタリン誘導体を含有する有機発光ダイオード(OLEDs)、本発明による少なくとも1つのポリナフタリン誘導体を含有するかまたは該ポリナフタリン誘導体からなる発光層、本発明による発光層を含むOLED、本発明によるOLEDを含む装置ならびにOLEDs中の発光物質としての本発明によるポリナフタリン誘導体の使用に関する。

Description

本発明は、ポリナフタリン誘導体の製造法、本発明による方法により製造可能なポリナフタリン誘導体、本発明による少なくとも1つのポリナフタリン誘導体を含有するかまたは該ポリナフタリン誘導体からなる被膜、本発明による少なくとも1つのポリナフタリン誘導体を含有する有機発光ダイオード(OLEDs)、本発明による少なくとも1つのポリナフタリン誘導体を含有するかまたは該ポリナフタリン誘導体からなる発光層、本発明による発光層を含むOLED、本発明によるOLEDを含む装置ならびにOLEDs中の発光物質としての本発明によるポリナフタリン誘導体の使用に関する。
有機発光ダイオード(OLEDs)においては、材料の性質が利用される。電流によって励起される場合に、光を放つ。OLEDは、特に陰極線管及び液晶ディスプレイの代替として、平面ディスプレイの製造のために関心が持たれている。
電流による励起に際して光を発する多数の材料が提案されている。
OLEDsに関する概要は、例えばM.T. Bernius et al., Adv. Mal. 2000, 12, 1737中に開示されている。この場合、使用される化合物に対する要件は、高度であり、全ての型込めされた要件を満たすために、通常、公知の材料を用いた場合には、成功しない。
無機エレクトロルミネセンス材料および低分子量の有機エレクトロルミネセンス材料と共に、公知技術においては、ポリマーのエレクトロルミネセンス材料をOLEDs中で使用することも記載されており、この場合このエレクトロルミネセンス材料は、発光層としての共役ポリマーからなる被膜を有する。ポリマー材料は、溶液からなる低分子量のエレクトロルミネセンス材料とは異なり、例えば回転塗布または浸漬によって施こされることができ、このことは、大面積のディスプレイを簡単に安価に制作することを可能にする。
WO 90/13148の記載は、ポリ(p−フェニレン−ビニレン)(PPV)をベースとするポリマーを含むOLEDsに関する。この種のポリマーは、特に赤および緑のスペクトル範囲内のエレクトロルミネセンスに適している。
青のスペクトル範囲には、多くの場合にポリ(フルオレン)(PF)の誘導体が使用される。スピロ中心を有するポリ(フルオレン)誘導体は、例えば欧州特許出願公開第0707020号明細書中に開示されている。
前述のPPV誘導体およびPF誘導体は、実際に多くの場合に満足な光学的性質、例えば発光色および発光の量子収量を有するが、しかし、一般に必要とされる長時間安定性が欠けている。このための理由は、エキシマー形成による形態学的不安定性から発色団の酸化分解まで達している。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第4024647号明細書の記載は、芳香族縮合生成物に関し、この場合この縮合生成物は、1,4−結合されたナフタリン単位であることができる。この縮合生成物は、ナフタリンブロミドと臭素化ナフタリン誘導体とのグリニャール反応によって製造されるかまたはナフタリンボレートと臭素化ナフタリン誘導体との反応によって製造される。芳香族縮合生成物は、熱絶縁のための材料としておよび電極材料として適している。OLEDs中への使用は、述べられていない。
Martin et al., J. Org. Chem. 2000, 65, 7501〜7511の記載は、クネーフェナーゲル反応によって製造されることができる、ナフタリン単位を含有するビニレンコポリマーに関する。ビナフチル単位を含有する、共役単位と非共役単位とからなるキラルのブロックコポリマーが開示されている。前記ポリマーの蛍光は、試験される。
Muellen et al., Macromolecules 1993, 26, 1248〜1253の記載は、アリールブロミドと芳香族ボロン酸とを遷移金属の触媒作用によるカップリングによって得ることができるアルキル置換されたポリ(ナフタリン)に関する。開示されたポリ(ナフタリン)は、溶解性を改善するC613アルキル基またはC1225アルキル基を有する。開示されたポリ(ナフタリン)は、ナフタリン単位の1位および4位により結合されている。OLEDs中へのポリ(ナフタリン)の使用は、述べられていない。
Smith, Jr. et al., Tetrahedron 58 (2002) 10197〜10203には、テトラアルキニルシランとアリールブロミドとアリールヨージドとのパラジウム触媒作用によるクロスカップリングによって製造されるビス−オルト−ジイニル−アレン化合物(BODA)が開示されている。こうして、ポリナフタリン網状組織を得ることができるが、しかし、その構造は、開示されていない。製造されたポリマーの吸収スペクトルおよび放出スペクトルが測定された。
本発明の課題は、殊に発光体分子としてのOLEDs中での使用に適し、長い寿命を有し、OLEDs中で高い効率を有し、青の範囲内での発光最大および高い量子収量を有する他のポリナフタリン誘導体を提供することである。更に、本発明の課題は、このようなポリナフタリンの製造方法を提供することである。
この課題は、一般式Iaおよび/またはIb
Figure 2008512505
で示される繰返し単位を含有するポリナフタリンの製造法であって、場合によっては、それぞれ式IIaのナフタリン誘導体の基X1およびX2または式IIbのナフタリン誘導体の基X1'およびX2'と重合可能な2個の基X3およびX4を有する、式IIaおよび/またはIIbの第1のナフタリン誘導体と異なる式IIaおよび/またはIIbの他のナフタリン誘導体、芳香族化合物、縮合された芳香族化合物、ヘテロ芳香族化合物、アリールアミノ化合物、フルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、ジベンゼンフラン誘導体、ピレン誘導体、フェナントレン誘導体、ペリレン誘導体、ルブレン誘導体およびチオフェン化合物からなる群から選択された少なくとも1つの他のコモノマーと一緒に式IIaおよび/またはIIb
Figure 2008512505
で示されるモノマーのナフタリン誘導体を重合することを含み、この場合符号は、次の意味を有する:
1、R2は、互いに無関係に、H、アルキル基、アルコキシ基、芳香族基、アリールオキシ基、縮合された芳香族環系、ヘテロ芳香族基、オリゴフェニル基を表わし;
1'、R2'は、互いに無関係に、H、アルキル基、アルコキシ基、芳香族基、アリールオキシ基、縮合された芳香族環系、ヘテロ芳香族基を表わし;
1、X2、X3、X4、X1'、X2'は、互いに重合可能な基を表わすかまたは
1またはR2、R1'またはR2'は、互いに無関係に、−CH=CH2、−C≡CH、(E)−または(Z)−CH=CH−C65、アクリロイル、メタクリロイル、オルト−メチルスチリル、パラ−メチルスチリル、−O−CH=CH2、グリシジル、
Figure 2008512505
を表わし、
上記式中、Yは、アクリロイル、メタクリロイル、オルト−メチルスチリル、パラ−メチルスチリル、−O−CH=CH2、グリシジルまたは(E)−または(Z)−CH=CH−C65を表わす、一般式Iaおよび/またはIbの繰返し単位を含有するポリナフタリンの製造法によって解決される。
本発明の範囲内で、"アルキル"は、線状、分枝鎖状または環状の置換されたかまたは置換されていないC1〜C20−、有利にC1〜C9−アルキル基を表わす。特に有利には、線状または分枝鎖状のC3〜C9−、殊に有利にC5〜C9−アルキル基が重要である。アルキル基は、置換されていなくともよいし、芳香族基、ハロゲン基、ニトロ基、エーテル基またはカルボキシル基で置換されていてもよい。特に有利には、アルキル基は、置換されていない。
更に、アルキル基の隣接していない1個以上の炭素原子は、Si、P、OまたはS、有利にOまたはSによって置換されていてよい。特に有利には、OまたはSは、ナフタリン系に直接隣接している。ハロゲン基は、有利にF、ClまたはBrである。
本発明の範囲内で、"アルコキシ"は、式−OR3の基を表わし、この場合基R3は、前記の定義と同様にアルキル基を表わす。好ましいアルキル基R3は、前記のものである。従って、基−OR3は、特に有利に−OC3〜C9−アルキル、殊に有利に−OC5〜C9−アルキルであり、この場合アルキル基は、線状または分枝鎖状であり、場合によってはアルキル基に関連する前記の記載と同様に置換されている。
本発明の範囲内で、"芳香族基"は、有利にC6−アリール基(フェニル基)またはナフチル基、特に有利にフェニル基を表わす。このアリール基は、置換されていなくともよいし、線状、分枝鎖状または環状のC1〜C20−、有利にC1〜C9−アルキル基で置換されていてもよく、再度、ハロゲン基、ニトロ基、エーテル基またはカルボキシル基で置換されていてよい。更に、アルキル基の1個以上の炭素原子は、Si、P、O、SまたはN、有利にOまたはSによって置換されていてよい。更に、アリール基は、ハロゲン基、ニトロ基、カルボキシル基、アミノ基またはアルコキシ基、またはC6〜C14−、有利にC6〜C10−アリール基、殊にフェニル基またはナフチル基で置換されていてよい。ハロゲン基は、有利にF、ClまたはBrである。特に有利には、"芳香族基"は、C6−アリール基を表わし、このアリール基は、場合によってはハロゲン、有利にBr、ClまたはF、アミノ基、有利にNAr'Ar''、但し、この場合Ar'およびAr''は、互いに無関係にC6−アリール基を表わすものとし、前記の定義と同様に置換されていなくともよいし、置換されていてもよいものとし、で置換されている。殊に、好ましくは、前記アリール基は、置換されていない。
"アリールオキシ"は、本発明の範囲内で式−OR4の基を表わし、この場合基R4は、前記の記載と同様の芳香族基である。好ましくは、基−OR4は、−Oフェニルまたは−Oナフチル、特に有利に−Oフェニルである。アリール基R4は、場合によっては前記の記載と同様に置換されていてよい。
本発明の範囲内で、"縮合された芳香族環系"は、一般に10〜20個の炭素原子、有利に10〜14個の炭素原子を有する縮合された芳香族環系を表わす。この縮合された芳香族環系は、置換されていなくともよいし、線状、分枝鎖状または環状のC1〜C20−、有利にC1〜C9−アルキル基で置換されていてもよく、再度、ハロゲン基、ニトロ基、エーテル基またはカルボキシル基で置換されていてよい。更に、アルキル基の1個以上の炭素原子は、Si、P、O、SまたはN、有利にOまたはSによって置換されていてよい。更に、縮合されされた芳香族基は、ハロゲン基、ニトロ基、カルボキシル基、アミノ基またはアルコキシ基、またはC6〜C14−、有利にC6〜C10−アリール基、殊にフェニル基またはナフチル基で置換されていてよい。特に有利には、"縮合された芳香族環系"は、縮合された芳香族環系を表わし、この縮合された芳香族環系は、場合によってはハロゲン、有利にBr、ClまたはF、アミノ基、有利にNAr'Ar''、但し、この場合Ar'およびAr''は、互いに無関係にC6−アリール基を表わすものとし、前記の定義と同様に置換されていなくともよいし、置換されていてもよいものとし、で置換されている。殊に好ましくは、縮合された芳香族環系は、置換されていない。適当な縮合された芳香族環系は、例えばナフタリン、アントラセン、ピレン、フェナントレンまたはペリレンである。
本発明の範囲内で、"ヘテロ芳香族基"は、少なくとも1個のN原子、P原子、S原子またはO原子を含有する、C5〜C14−、有利にC6〜C12−、特に有利にC6〜C10−ヘテロアリール基を表わす。このヘテロアリール基は、置換されていなくともよいし、線状、分枝鎖状または環状のC1〜C20−、有利にC5〜C9−アルキル基で置換されていてもよく、再度、ハロゲン基、ニトロ基、エーテル基またはカルボキシル基で置換されていてよい。更に、アルキル基の1個以上の炭素原子は、Si、P、O、SまたはN、有利にOまたはSによって置換されていてよい。
更に、ヘテロアリール基は、ハロゲン基、ニトロ基、カルボキシル基、アミノ基またはアルコキシ基、またはC6〜C14−、有利にC6〜C10−アリール基で置換されていてよい。ハロゲン基は、有利にF、ClまたはBrである。特に有利には、"ヘテロ芳香族基"は、ヘテロアリール基を表わし、このヘテロアリール基は、場合によってはハロゲン、有利にBr、ClまたはF、アミノ基、有利にNArAr'、但し、この場合ArおよびAr'は、互いに無関係にC6−アリール基を表わすものとし、前記の定義と同様に置換されていなくともよいし、置換されていてもよいものとし、で置換されている。殊に、好ましくは、前記ヘテロアリール基は、置換されていない。
本発明の範囲内で、"オリゴフェニル基"は、一般式III
Figure 2008512505
〔式中、Phは、それぞれ全部で5つの置換可能な位置でそれぞれ再度式IIIの基で置換されていてよいフェニルを表わし;
1、m2、m3
4およびm5は、互いに独立に0または1を表わし、この場合指数m1、m2、m3、m4およびm5の少なくとも1つは、少なくとも1を表わす〕で示される基を表わす。
好ましくは、m1、m3およびm5が0を表わしかつm2およびm4が1を表わすようなオリゴフェニル基またはm1、m2、m4およびm5が0を表わしかつm3が1を表わすようなオリゴフェニル基である。
従って、オリゴフェニル基は、殊にm1、m3およびm5が0を表わしかつm2およびm4が1を表わしかつフェニル基が再度1〜5個の置換可能な位置、有利に2つの位置、特に有利に2つの位置での置換の場合に、それぞれ式(III)の基本体を有する結合位置に対するメタ位でで式(III)の基で置換されている場合には、樹枝状、即ち超枝分かれした基であってよい。しかし、オリゴフェニル基は、殊に指数m1、m2、m3、m4およびm5の1つだけが1である場合に本質的に枝分かれされていなくともよく、この枝分かれされていない場合には、有利にm3は1であり、かつm1、m2、m4およびm5は0である。フェニル基は、再度1〜5つの置換可能な位置で式IIIの基で置換されていてよく、好ましくは、フェニル基は、置換可能な位置、特に有利に基本体を有する結合位置に対してパラ位で式IIIの基で置換されている。以下、直接に基本体と結合された置換基は、第一世代の置換基と呼ばれる。式IIIの基は、再度、前記の定義と同様に置換されていてよい。以下、第一世代の置換基と結合された置換基は、第二世代の置換基と呼ばれる。
第一世代の置換基および第二世代の置換基に相応して、任意の多数の他の世代の置換基が可能である。好ましいのは、第一世代の置換基および第二世代の置換基を有する前記置換基パターンを有するオリゴフェニル基または単に第一世代の置換基を有するオリゴフェニル基である。
式IIIのオリゴフェニル基は、有利にフェニル基の1個を介してベンジル的に式IIaまたはIIbのモノマーナフタリン誘導体のナフタリン骨格と結合されている。例えば:
Figure 2008512505
Figure 2008512505
式IaおよびIIaの化合物中の基R1およびR2または式IbおよびIIbの化合物中の基R1およびR2は、殊に線状または分枝鎖状である、有利にアルキル基、特に有利にC3〜C10−アルキル基、殊に有利にC5〜C9−アルキル基、またはアルコキシ基、特に有利にC3〜C10−アルキル基を有するアルコキシ基、殊に有利にC5〜C9−アルキル基を有するアルコキシ基であり、この場合アルキル基は、線状または分枝鎖状である。殊に有利には、R1およびR2またはR1およびR2は、アルコキシ基である。
1およびX2
または
1'およびX2'は、有利にF、Cl、BrおよびI、特に有利にIまたはBrから選択されたハロゲン、エステル化されたスルホネートまたは式−B(O−[C(R72n−O)または−B(OR7'2で示される硼素含有基を表わし、この場合R7およびR7'は、それぞれ互いに無関係に同一または異なり、HまたはC1〜C20−アルキルを表わし、nは、2〜10の整数を表わし、特に有利には、X1およびX2またはX1'およびX2'は、式−B(O−[C(R92n−O)または−B(OR7'2で示される硼素含有基、パラ−トルエンスルホネート(トシレート)、トリフレート(F3−SO3)、パラ−ニトロフェニルスルホネート(ノシレート)、パラ−ブロムスルホネート(ボシレート)、殊に有利にトリフレート、または式−B(O−[C(R72n−O)または−B(OR7'2で示される硼素含有基を表わし、この場合
7およびR7'は、互いに無関係に同一かまたは異なり、水素またはC1〜C20−アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、第二ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、第二ヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシルまたはn−オクタデシル;有利にC1〜C12−アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、第二ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、第二ヘキシルまたはn−デシル、特に有利にC1〜C4−アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第二ブチルまたは第三ブチル、殊に有利にメチルを表わし;および
nは、2〜10、有利に2〜5の整数を表わし;
殊に有利にX1およびX2は、式
−B(O−[C(CH322)−O)または−B(OH)2
で示される硼素含有基であり、
3およびX4は、有利にF、Cl、BrまたはI、特に有利にIまたはBrから選択されたハロゲンまたはエステル化されたスルホネートまたは式−B(O−[C(R72n−O)または−B(OR7'2で示される硼素含有基を表わし、この場合R7またはR7'は、互いに無関係に同一かまたは異なり、互いに無関係にHまたはC1〜C20−アルキルを表わし、nは、2〜10の整数を表わし、特に有利にX3およびX4は、式−B(O−[C(R72n−O)または−B(OR7'2で示される硼素含有基、パラ−トルエンスルホネート(トシレート)、トリフレート(F3−SO3)、パラ−ニトロフェニルスルホネート(ノシレート)、パラ−ブロムスルホネート(ボシレート)、殊に有利にトリフレート、または式−B(O−[C(R72n−O)または−B(OR7'2で示される硼素含有基を表わし、この場合
7およびR7'は、互いに無関係に同一かまたは異なり、水素またはC1〜C20−アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、第二ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、第二ヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシルまたはn−オクタデシル;有利にC1〜C12−アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、第二ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、第二ヘキシルまたはn−デシル、特に有利にC1〜C4−アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第二ブチルまたは第三ブチル、殊に有利にメチルを表わし;nは、2〜10、有利に2〜5の整数を表わし;
殊に有利にX3およびX4は、式−B(O−[C(CH322−O)または−B(OH)2で示される硼素含有基であり;
基X1およびX2またはX1’およびX2’およびX3およびX4は、次の条件付きで選択される:
1およびX2またはX1’およびX2’がそれぞれハロゲン、エステル化されたスルホネートまたは硼素含有基を表わす場合には、X3およびX4は、同様にハロゲン、エステル化されたスルホネートまたは硼素含有基を表わし、この場合基X1およびX2またはX1’およびX2’ならびにX3およびX4は、ハロゲンまたはエステル化されたスルホネートと硼素含有基とのモル比が0.8対2.1〜2.1対0.8、有利に0.9対1.1〜1.1対0.9、特に有利に1:1であるように選択されるかまたは式IIaまたはIIbのモノマーナフタリン誘導体中の基X1およびX2またはX1’およびX2’がそれぞれハロゲンを表わし、場合によっては基X3およびX4が同様にハロゲンを表わす他のコモノマーと反応されるように選択される。
本発明の好ましい実施態様において、式IIaの化合物において、基R1は、基X1に対してオルト位に存在しおよび/または基R2は、基X2に対してオルト位に存在する。式IIaのモノマーナフタリン誘導体において、基R1またはR2が基X1またはX2に対してオルト位に配置されている場合には、基R1またはR2の立体的要求を選択することによって、式IIaのモノマーナフタリン誘導体の重合によって製造される、一般式Iaの繰返し単位を含有するポリナフタリン中の2個の隣接した繰返し単位(発色団)の間のディーダー角度(Diederwinkel)は、著しく影響を及ぼされることが見い出された。それによって、2個の隣接した発色団のπ電子の重なり、ひいては全ポリマー鎖の放出は、変化する。従って、意外なことに、基R1またはR2を選択することによって、ポリマーの発光色を制御することができ、このことは、この顕著な形で別のポリマーの発光の場合には、当てはまらないことが見出された。
従って、式IIaの特に好ましいモノマーナフタリン誘導体は、式IIa1またはIIa2
Figure 2008512505
〔式中、符号X1、X2、R1およびR2は、前記の意味を有する〕で示されるモノマーナフタリン誘導体である。
もう1つの好ましい実施態様において、本発明は、基X1がナフタリン骨格の2位に配置されており、基X2がナフタリン骨格の6位に配置されているような式IIaのモノマーナフタリン誘導体の使用に関する。前記のモノマーナフタリン誘導体を使用することによって、2,6−結合したポリナフタリンの製造は、可能になる。殊に、X'がナフタリン骨格の2位に配置されており、X2がナフタリン骨格の6位に配置されており、R1がX1に対してオルト位に配置されており、かつR2がX2に対してオルト位に配置されている式IIaのモノマーナフタリン誘導体の使用は、好ましい。
式IIbの好ましいナフタリン誘導体は、式IIb
Figure 2008512505
で示される化合物である。
式IIaのモノマーナフタリン誘導体の製造は、当業者に公知の方法により行なわれる。例示的に、以下、式IIa1またはIIa2の好ましいモノマーナフタリン誘導体を製造するための2つの方法が挙げられる:
1,5−ジアルコキシ−2,6−ジブロモナフタリンは、例えばEur. J. Org. Chem. 1999, 643に開示されたような2つの工程で製出することができる:
Figure 2008512505
引続き、ブロム官能基は、当業者に公知の方法により、例えば硼酸またはそのエステルに変換することができる。
1,5−ジブロモ−2,6−ジアルキルナフタリンは、Chem. Ber. 1992, 125, 2325中に開示されているような2工程で製出されてよい。
Figure 2008512505
式IIbのモノマーナフタリン誘導体の製造は、同様に当業者に公知の方法により行なわれる。例示的に、以下、式IIb1の好ましいモノマーナフタリン誘導体の製造法が挙げられる:
Figure 2008512505
この場合、遊離OH官能基のアルキル化は、当業者に公知の方法により実施されてよい。
式IIaおよびIIbの使用されるモノマーナフタリン誘導体の場合の異なる置換基パターンを組み合わせることによって、発光色ならびに超分子特性、例えば凝集傾向は、一般式IaおよびIbの繰返し単位を含有する望ましいポリナフタリンに影響を及ぼすことができる。
式IIaおよびIIbのモノマーナフタリン誘導体は、式IIaまたはIIbの第1のナフタリン誘導体とは異なる、式IIaまたはIIbの他のナフタリン誘導体、式IIaまたはIIbのナフタリン誘導体の基X1およびX2またはX1'およびX2'で重合可能なそれぞれ2個の基X3およびX4を有する芳香族化合物、縮合された芳香族化合物、ヘテロ芳香族化合物、フルオロアンテン誘導体、ベンゼン誘導体、アントリレン化合物、アリールアミノ化合物、フルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ピレン誘導体、フェナントレン誘導体、ペリレン誘導体、ルブレン誘導体およびチオフェン誘導体からなる群から選択された少なくとも1つの他のコモノマーと場合によっては共通に反応される。
原則的にモノマーナフタリン誘導体の重合可能な基X1およびX2またはX1'およびX2'、または場合によっては使用される他のコモノマーの重合可能な基に依存する重合は、それぞれ適当な重合法を用いて行なうことができる。適当な重合法およびそのために必要な重合可能な基は、例えば欧州特許出願公開第1245659号明細書(第26〜31頁)に記載されている。
好ましい実施態様において、場合によっては少なくとも1つの他のコモノマーとの式IIaおよび/またはIIbの重合は、ニッケル化合物またはパラジウム化合物の存在下で、例えばヤマモト−カップリング(Yamamoto-Kupplung)またはスズキ反応(Suzuki-Reaktion)によって行なわれる。
前記の実施態様において、
1およびX2または
1'およびX2'
3およびX4は、F、Cl、BrおよびIから選択されたハロゲン、エステル化されたスルホネートまたは式−B(O−[C(R72n−OまたはB(OR7'2の硼素含有基を表わし、
7、R7'は、互いに無関係に同一または異なるHまたはC1〜C20−アルキルを表わし;
nは、2〜10の整数を表わし;
この場合、基X1およびX2またはX1'およびX2'ならびにX3およびX4は、ハロゲンおよび硼素含有基に対して1つの側上のエステル化されたスルホネートと別の側上の硼素含有基とのモル比が0.8対2.1〜2.1対0.8、有利に0.9対1.1〜1.1対0.9、特に有利に1:1であるかまたはモノマーナフタリン誘導体中の基X1およびX2またはX1'およびX2'がそれぞれハロゲンを表わし、これらの基が場合によっては基X3およびX4が同様にそれぞれハロゲンを表わすような他のコモノマーと共通に反応されるように選択される。即ち、好ましい実施態様において、式IIaおよび/またはIIbのモノマーナフタリン誘導体と場合による他のコモノマーとの反応が行なわれ、この場合全ての重合可能な基X1およびX2またはX1'およびX2'、および場合によってはX3およびX4は、ハロゲンを表わす。この場合、触媒として有利にニッケル化合物が使用される。もう1つの好ましい実施態様において、式IIaおよび/またはIIbのモノマーナフタリン誘導体および場合によっては他のコモノマーとの反応が行なわれ、この場合重合可能な基X1およびX2またはX1'およびX2'、および場合によってはX3およびX4は、ハロゲンを表わすかまたは前記モル比の1つの側上のエステル化されたスルホネートと別の側上の硼素含有基を表わす。前記の反応の場合、それぞれハロゲンまたはエステル化されたスルホネートは、硼素含有基と反応される。この場合、触媒として有利にパラジウム化合物が使用される。
1およびX2またはX1'およびX2'、X3、X4、R7、R7'およびnのための好ましい実施態様は、既に前記された。
好ましくは、本発明による方法の前記実施態様における重合は、殊に酸化段階0で存在する少なくとも1つのニッケル化合物またはパラジウム化合物の存在下で行なわれるか、またはパラジウムの場合には、Pd(II)塩と配位子、例えばPd(ac)2とPPh3との混合物の存在下で行なわれる。殊に有利には、商業的に入手可能なテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[Pd(P(C6534]ならびに商業的に入手可能なニッケル化合物、例えばNi(C243、Ni(1,5−シクロオクタジエン)2("Ni(cod)2")、Ni(1,6−シクロデカジエン)2またはNi(1,5,9−オール−トランス−シクロデカジエン)2が使用される。特に有利には、[Pd(P(C6534]およびNi(cod)2が使用される。重合の実施のために、使用される触媒に応じて、過剰なP(C653あるいは1,5−シクロオクタジエンを添加してよい。
パラジウム化合物の存在下で重合を実施する場合には、通常の触媒量、即ち式IIaおよび/またはIIbのモノマーナフタリン誘導体に対してPd0.1〜10モル%で十分であり、場合によっては他のコモノマーが一緒に使用される。重合をニッケル化合物の存在下で行なう場合には、通常、式IIaおよび/またはIIbのモノマーナフタリン誘導体に対して化学量論的量のNiが、場合によっては他のコモノマーと一緒に使用される。
前記重合は、通常、有機溶剤中、例えばトルエン、エチルベンゼン、メタ−キシレン、オルト−キシレン、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたは前記溶剤の混合物中で行なわれる。単数または複数の溶剤から、重合前に常法により湿分の痕跡が除去される。
重合は、通常、保護ガス下で実施される。窒素、CO2または希ガス、殊にアルゴンまたは窒素が適している。
通常、スズキ反応は、塩基の存在下で実施され、例えば有機アミンが適しており、トリエチルアミン、ピリジンまたはコリジンが特に適している。
スズキ反応は、固体の塩基性塩、例えばアルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属重炭酸塩の存在下、場合によってはクラウンエーテル、例えば18−クラウン−6の存在下で実施されてもよい。同様に、スズキ反応を2相反応としてアルカリ金属炭酸塩の水溶液を用いて、場合によっては相間移動触媒の存在下で実施することは、可能である。
前記の場合には、有機溶剤から反応前に湿分を除去する必要はない。
特に有利には、スズキ反応においてアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムが使用される。
通常、前記重合は、10分間から3日の間、有利には2時間から3日の間継続される。圧力条件は重要ではなく、大気圧が好ましい。一般に、前記重合は、高められた温度、有利には80℃と有機溶剤もしくは溶剤混合物の沸点との間の温度で実施される。
式IIaまたはIIbの使用されるナフタリン誘導体、または使用される他のコモノマー中のハロゲンと一面でエステル化されたスルホネートおよび他面、硼素含有基との総和のモル比は、0.8対2.1〜2.1対0.8、有利に0.9対1.1〜1.1対0.9、特に有利に1:1である。
芳香族化合物、縮合された芳香族化合物、ヘテロ芳香族化合物、フルオロアンテン誘導体、ベンゼン誘導体、アントリレン化合物、アリールアミノ化合物、フルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、ジベンゼンフラン誘導体、ピレン誘導体、フェナントレン誘導体、ペリレン誘導体、ルブレン誘導体およびチオフェン化合物から選択された他のコモノマーは、場合によっては重合能を有する基X3およびX4と共に可溶性アルキル側鎖またはアルコキシ側鎖、例えば1または2個のC5〜C12−アルキル側鎖および/またはC5〜C12−アルコキシ側鎖を有することができる。
式IIaまたはIIbのナフタリン誘導体の基X1およびX2またはX1'およびX2'と重合可能なそれぞれ2個の基X3およびX4を有し、かつ本発明による方法の重合工程の前記の好ましい実施態様での使用に適している芳香族化合物、縮合された芳香族化合物、ヘテロ芳香族化合物、フルオロアンテン誘導体、ベンゼン誘導体、アントリレン化合物、アリールアミノ化合物、フルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、ジベンゼンフラン誘導体、ピレン誘導体、フェナントレン誘導体、ペリレン誘導体、ルブレン誘導体およびチオフェン化合物から選択された特に好ましい他のコモノマーは、次の通りである:
フェニレンビス硼酸またはそのエステル、有利に1,4−フェニレンビス硼酸またはそのエステル、およびそのアルキル置換またはアルコキシ置換された誘導体、
ジハロゲン置換されたベンゼン、有利に1,4−ジハロゲン置換されたベンゼンおよびそのアルキル置換またはアルコキシ置換された誘導体、
アントラセンビス硼酸またはそのエステル、有利に1,5−または9,10−アントラセン−ビス硼酸またはそのエステル、およびジハロアントラセン、有利に1,5−または9,10−ジハロアントラセン、
ジハロゲン置換されたトリアリールアミンおよびそのビス硼酸またはそのエステルおよびそのアルキル置換またはアルコキシ置換された誘導体、
ジハロゲン置換されたフルオレンおよびそのビス硼酸またはそのエステルおよびそのアルキル置換またはアルコキシ置換された誘導体、
ジハロゲン置換されたカルバゾールおよびそのビス硼酸またはそのエステルおよびそのアルキル置換またはアルコキシ置換された誘導体、
ジハロゲン置換されたジベンゾフランおよびそのビス硼酸またはそのエステルおよびそのアルキル置換またはアルコキシ置換された誘導体、
ジハロゲン置換されたピレンおよびそのビス硼酸またはそのエステルおよびそのアルキル置換またはアルコキシ置換された誘導体、
ジハロゲン置換されたフェナントレンおよびそのビス硼酸またはそのエステルおよびそのアルキル置換またはアルコキシ置換された誘導体、
ジハロゲン置換されたフルオロアンテンおよびそのビス硼酸またはそのエステルおよびそのアルキル置換またはアルコキシ置換された誘導体。
適当なアルキル置換基またはアルコキシ置換基は、C5〜C12−アルキル側鎖またはC5〜C12−アルコキシ側鎖であり、この場合前記の化合物は、有利に場合によっては1または2個のアルキル置換基またはアルコキシ置換基を有する。
フェニレンビス硼酸、フェニレンビス硼酸エステル、ジハロゲン置換されたベンゼン、アントラセンビス硼酸、アントラセンビス硼酸エステル、ジハロアントラセン、ジハロフルオロアントラセン、フルオレンビス硼酸、フルオレンビス硼酸エステルおよび記載された化合物のアルキル置換された誘導体からなる群から選択された少なくとも1つの他のコモノマーは、特に有利である。
もう1つの実施態様において、本発明は、ポリナフタリンが式IIaまたはIIbの繰返し単位で架橋されるような本発明による方法に関し、この場合このポリナフタリンは、架橋能を有する少なくとも1つの基R1、R2、R1'またはR2'を有し、これらの基は、
CH=CH2、−C=CH、(E)−または(Z)−CH=CH−C65、アクリロイル、メタクリロイル、オルト−メチルスチリル、パラ−メチルスチリル、−O−CH=CH2、グリシジル、
Figure 2008512505
〔式中、Yは、アクリロイル、メタクリロイル、オルト−メチルスチリル、パラ−メチルスチリル、−O−CH=CH2、グリシジルまたは(E)−または(Z)−CH=CH−C65を表わす〕から選択される。
この場合、前記の少なくとも1つの基R1、R2、R1'またはR2'は、架橋剤として使用される。例えば、式IaまたはIbの繰返し単位がポリマー鎖の開始部でならびに式IaまたはIbの第2の繰返し単位がポリマー鎖の終端部でR1、R2、R1'またはR2'について前記された基の1つを有する場合には、所謂"末端キャッピング(end capping)"が行なわれてよい。
本発明によるポリナフタリンの架橋は、本発明によるポリナフタリンから形成されたポリマー被膜を加工する際、例えば回転塗布する際にこの被膜を熱的または光化学的に架橋し、こうして溶剤に対して不溶性にするために使用される。架橋は、一般に重合後に本発明によるポリナフタリン誘導体の加工の際に行なわれ、熱的または光化学的に行なうことができる。
熱的架橋は、有利に前記に定義されたような架橋能を有する少なくとも1つの基R1、R2、R1'またはR2'を有する本発明によるポリナフタリン誘導体が物質中または溶剤中で熱の作用下、有利に80〜140℃で不活性ガス、一般に窒素または希ガスの下で加熱されるように実施される。特に有利には、架橋能を有する少なくとも1つの基R1、R2、R1'またはR2'を含有する本発明によるポリナフタリン誘導体は、物質中または溶剤中で、有利にOLEDsの電極または他の層上に被膜として施こされ、一般に45分間〜90分間の時間に亘って窒素または希ガスの下で加熱される。好ましい温度範囲は、既に前記されている。熱的架橋の実施は、当業者に公知である。
特に有利には、本発明によるポリナフタリン誘導体中の少なくとも1つの基R1、R2、R1'またはR2'は、熱的架橋の実施の際に互いに無関係に(E)−または(Z)−CH=CH−C65、オルト−メチルスチリル、パラ−メチルスチリルまたは
Figure 2008512505
であり、上記式中、Yは、(E)−または(Z)−CH=CH−C65、オルト−メチルスチリルまたはパラ−メチルスチリルである。
光化学的架橋は、有利に前記に定義されたような架橋能を有する少なくとも1つの基R1、R2、R1'またはR2'を含有する本発明によるポリナフタリン誘導体を、物質中または溶液中で、例えばアクリル酸誘導体またはメタクリル酸誘導体、または不飽和エーテルの光重合による当業者に公知の通常の光開始剤の存在下で光源、例えばUV灯で露光することにより実施される。好ましくは、前記されたような架橋能を有する少なくとも1つの基R1、R2、R1'またはR2'を有する本発明によるポリナフタリン誘導体は、物質中または溶液中で、有利にOLEDsの電極または他の層上に通常の光開始剤の存在下で光源、例えばUV灯で露光される。光重合の反応条件は、当業者に公知であり、例えば欧州特許出願公開第0637899号明細書中に開示されている。
好ましくは、少なくとも1つの基R1、R2、R1'またはR2'は、光化学的重合または光重合の実施の際に互いに無関係にアクリロイル、メタクリロイル、−O−CH=CH2、グリシジルまたは
Figure 2008512505
であり、上記式中、Yは、アクリロイル、メタクリロイル、−O−CH=CH2またはグリシジルを表わす。
更に、本発明の対象は、本発明方法により製造可能なポリナフタリンである。この場合、本発明の実施態様に応じて、異なるポリナフタリンを得ることができる。全てのポリナフタリンは、共通にそのエレクトロルミネセンス特性を有し、したがってポリナフタリンは、OLEDsへの使用に適している。本発明による方法の好ましい実施態様ならびに使用された化合物の基、ひいては本発明によるポリナフタリンの基は、既に前記された。特に好ましい実施態様において、本発明によるポリナフタリンは、2,6−ポリナフタリン、即ちナフタリン繰返し単位は、それぞれナフタリン基本体の2位および6位により結合されている。
得られた本発明によるポリナフタリン誘導体は、電磁スペクトルの紫外領域内で吸収最大を示し、電磁スペクトルの青領域内で発光最大を示す。本発明によるポリナフタリン誘導体の量子収量は、一般に40〜80%、有利に50〜60%である。量子収量は、内部標準(硫酸キニーネ二水和物、0.5M H2SO4中で2ppm)との比較によって算出され、この場合この内部標準の量子収量は、刊行物から公知である。
被膜を本発明によるポリナフタリンから形成させることができることによって、ポリナフタリンをOLEDs中の電極上に溶液から、例えば回転塗布または浸漬によって施与することは、可能であり、このことは、大面積のディスプレイを簡単に安価に製造することを可能にする。
従って、さらに、本発明の対象は、本発明によるポリナフタリンまたは本発明による方法により製造されるポリナフタリンを含有するかまたは該ポリナフタリンからなる被膜である。
更に、本発明は、少なくとも1つの本発明によるポリナフタリンを含有する有機発光ダイオード(OLEDs)に関する。有機発光ダイオード(OLEDs)は、原則的に複数の層から形成されている:
1.アノード、
2.正孔輸送層、
3.発光層、
4.電子輸送層、
5.カソード。
しかしながら、OLEDは、記載された層の全てを有しなくともよく、例えば層(1)(アノード)、(3)(発光層)および(5)(カソード)を有するOLEDも同様に適しており、その際、層(2)(正孔輸送層)および層(4)(電子輸送層)の機能は、隣接する層によって引き受けられる。層(1)、(2)、(3)および(5)または層(1)、(3)、(4)および(5)を有するOLEDは、同様に適している。
本発明によるポリナフタリンは、有利に発光層中で発光体分子として使用される。従って、本発明の他の対象は、本発明による少なくとも1つのポリナフタリンまたは本発明による方法により製造される少なくとも1つのポリナフタリンを含有するかまたは該ポリナフタリンからなる発光層である。
本発明によるポリナフタリンは、一般に物質中で、他の添加剤なしに発光層中に存在する。しかし、同様に、本発明によるポリナフタリンと共に、他の化合物が発光層中に存在することも可能である。例えば、発光体物質として使用されるポリナフタリンの発色を変化させるために、蛍光染料が存在していてよい。更に、希釈材料を使用することができる。この希釈材料は、ポリマーであってよく、例えばポリ(N−ビニルカルバゾール)またはポリシランであってよい。希釈材料を使用する場合には、本発明により使用されるポリナフタリンの発光層中での含量は、一般に20質量%未満、有利に3〜10質量%である。
前記のOLED層の各々は、更に2またはそれ以上の層から構成されていてよい。例えば、正孔輸送層は、電極から正孔が注入される層と、正孔が正孔注入層から発光層へと輸送される層とから構成されていてよい。電子輸送層は、同様に、複数の層からなっていてよく、例えば電子が電極を通じて注入される層と、電子注入層から電子が得られ、そして発光層中に輸送される層とから成ってよい。これらの記載された層は、エネルギー準位、耐熱性および電荷担体移動度ならびに記載された層と有機層または金属電極とのエネルギー差のようなファクターに応じてそれぞれ選択される。当業者は、OLEDの構造を、本発明により発光物質として使用されるポリナフタリンに最適に適合されるように選択することができる。
特に効率的なOLEDを得るためには、正孔輸送層のHOMO(最高占有分子軌道)をアノードの仕事関数に合わせることが望ましく、かつ電子輸送層のLUMO(最低非占有分子軌道)をカソードの仕事関数に合わせることが望ましい。
本願の更なる対象は、本発明による少なくとも1つの発光層を有するOLEDである。OLED中の更なる層は、通常はかかる層で使用され、かつ当業者に公知である任意の材料から構成されていてよい。
アノード(1)は、正の電荷担体を提供する電極である。該電極は、例えば、金属、種々の金属の混合物、金属合金、金属酸化物または種々の金属酸化物の混合物を含有する材料から構成されていてよい。選択的に、アノードは導電性ポリマーであってよい。好適な金属は、元素の周期系の第IA族、第IVB族、第VB族および第VIB族の金属あんらびに第VIII族の遷移金属を含む。アノードが光透過性であることが望ましい場合に、一般に元素の周期系の第IIB族、第IIIA族及び第IVA族の混合金属酸化物、例えばインジウム−スズ酸化物(ITO)が使用される。同様に、アノード(1)は、有機材料、例えばポリアニリンを含有することができ、これらは例えばNature,Vol.357,第477頁〜第479頁(1992年6月11日)に記載されている。少なくともアノード又はカソードのいずれかは、形成された光を出力結合しうるために、少なくとも部分的に透明であることが望ましい。
本発明によるOLEDの層(2)のために適した正孔輸送材料は、例えばKirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technologie,第4版、第18巻、第837〜第860頁、1996に開示されている。正孔輸送性の分子もポリマーも、正孔輸送材料として使用することができる。通常使用される正孔輸送性分子は、4,4′−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン(TPD)、1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(TAPC)、N,N′−ビス(4−メチルフェニル)−N,N′−ビス(4−エチルフェニル)−[1,1′−(3,3′−ジメチル)ビフェニル]−4,4′−ジアミン(ETPD)、テトラキス−(3−メチルフェニル)−N,N,N′,N′−2,5−フェニレンジアミン(PDA)、α−フェニル−4−N,N−ジフェニル−アミノスチレン(TPS)、p−(ジエチルアミノ)−ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン(DEH)、トリフェニルアミン(TPA)、ビス[4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル)(4−メチル−フェニル)メタン(MPMP)、1−フェニル−3−[p−(ジエチルアミノ)スチリル]−5−[p−(ジエチルアミノ)フェニル]ピラゾリン(PPRまたはDEASP)、1,2−トランス−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)シクロブタン(DCZB)、N,N,N′,N′−テトラキス(4−メチルフェニル)−(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミン(TTB)およびポルフィリン化合物ならびにフタロシアニン、例えば銅フタロシアニンからなる群から選択されている。通常使用される正孔輸送性ポリマーは、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、例えば(フェニルメチル)ポリシラン、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリシロキサン及びその誘導体であって芳香族アミン基を主鎖または側鎖に有するもの、ポリチオフェンおよびその誘導体、有利にPEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、特に有利にはPEDOTであってPSS(ポリスチレンスルホネート)でドープされたもの、ポリピロールおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレン−ビニレン)およびその誘導体からなる群から選択されている。好適な正孔輸送材料のための例は、例えば特開昭63−070257号公報、特開昭63−175860号公報、特開平2−135359号公報、特開平2−135361号公報、特開平2−209988号公報、特開平3−037992号公報および特開平3−152184号公報中に挙げられている。同様に、正孔輸送性ポリマーは、正孔輸送性分子をポリマー中、例えばポリスチレン、ポリアクリレート、ポリ(メタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(塩化ビニル)、ポリシロキサンおよびポリカーボネート中にドープすることによって得ることも可能である。そのために、正孔輸送性分子は、ポリマー型バインダーとして用いられる上記ポリマー中に分散される。適当な正孔輸送性分子は、既に前記された分子である。好ましい正孔輸送材料は、上記の正孔輸送性ポリマーである。特に有利には、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリシロキサン誘導体であってその主鎖または側鎖中に芳香族アミノ基を有するもの、ならびにポリチオフェン含有誘導体、殊にPEDOT−PSSである。正孔輸送材料として挙げられた化合物の製造は、当業者に公知である。
本発明によるOLEDの層(4)に適した電子輸送性材料は、オキシノイド化合物でキレート化された金属、例えばトリス(8−ヒドロキシキノラト)アルミニウム(Alq3)、フェナントロリンを基礎とする化合物、例えば2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DDPA=BCP)または4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DPA)およびアゾール化合物、例えば2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)および3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、アントラキノンジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、ポリキノリンおよびその誘導体、フルオレンオン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、およびポリフルオレンおよびその誘導体を含む。適当な電子輸送材料の例は、例えば特開昭63−070257号公報、特開昭63−175860号公報、特開平2−135359号公報、特開平2−135361号公報、特開平2−209988号公報、特開平3−037992号公報および特開平3−152184号公報中に開示されている。有利な電子輸送性材料は、アゾール化合物、ベンゾキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体である。特に有利には、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、Alq3、BCPおよびポリキノリンである。非ポリマー型の電子輸送性材料を、ポリマー型バインダーとしてのポリマーと混合することができる。好適なポリマー型バインダーは、電磁スペクトルの可視領域で強い吸光を示さないポリマーである。好適なポリマーは、既に、正孔輸送性材料に関してポリマー型バインダーとして挙げたポリマーである。この場合に、層(4)は、電子輸送の軽減のため、ならびにOLEDの層の境界面での励起子の消光を回避するために緩衝層または障壁として使用することができる。有利には、層(4)は、電子の移動度を改善し、そして励起子の消光を低減させる。
前記に、正孔輸送性材料および電子輸送性材料として挙げた材料によって、幾つかの複数の機能を満たすことができる。例えば、電子伝導性材料の幾つかは、該材料が低いところにあるHOMOを有する場合には、同時に正孔ブロッキング性材料である。
電荷輸送層は、使用される材料の輸送特性を改善させるために、一方で、層厚を大規模に構成するために(ピンホール/短絡の回避)、そして他方で、デバイスの駆動電圧を最少化させるために、電子ドーピングされていてもよい。例えば、正孔輸送材料は、電子受容体でドープされていてよく、例えばフタロシアニンまたはアリールアミン、例えばTPDまたはTDTAは、テトラフルオロ−テトラシアノ−キノジメタン(F4−TCNQ)でドープされていてよい。電子輸送材料は、例えばアルカリ金属でドープされていてよく、例えばAlq3はリチウムでドープされていてよい。電子ドーピングは、当業者に公知であり、例えばW.Gao、A.Kahn著のJ.Appl.Phys.,第94巻、第1号、2003年7月1日、p−ドープされた有機層およびA.G.Werner、F.Li、K.Harada、M.Pfeiffer、T.Fritz、K.Leo著のAppl.Phys.Lett.,第82巻、第25号、2003年6月23日;Pfeiffer他著のOrganic Electronics 2003,4,89−103に開示されている。
カソード(5)は、電子または負の電荷担体の供給に用いられる電極である。カソードは、希土類金属およびランタニドおよびアクチニドを含めて、元素の周期系(CASーバージョン)の第IA族のアルカリ金属、例えばLi、Cs、第IIA族のアルカリ土類金属、第IIB族の金属からなる群から選択された、カソードのためにアノードに適した材料よりも僅かな仕事関数を有する全ての金属または非金属であってよい。更に、金属、例えばアルミニウム、インジウム、カルシウム、バリウム、サマリウムおよびマグネシウムならびにその組合せが使用されてよい。更に、リチウム含有有機金属化合物またはLiFは、有機層とカソードとの間に施こされることができ、動作電圧(Operating Voltage)を減少させる。
本発明によるOLEDは、付加的に、当業者に公知の他の層を有してよい。例えば、層(2)と発光層(3)との間に、正電荷の輸送を軽減させ、および/または層の互いのバンドギャップを整合させる層が施こされていてよい。選択的に、前記の他の層は保護層としても使用することができる。同様に、発光層(3)と層(4)との間に、負電荷の輸送を軽減させ、および/または層間の互いのバンドギャップを整合させるために付加的な層が存在していてよい。選択的に、前記の層は保護層としても使用することができる。
もう1つの実施態様において、本発明によるOLEDは、層(1)〜(5)の他に次に記載された少なくとも1つの他の層を有する:
アノード(1)と正孔輸送層(2)との間の正孔注入層;
正孔輸送層(2)と発光層(3)との間の電子および/または励起子のための障壁;
発光層(3)と電子輸送層(4)との間の正孔および/または励起子のための障壁;
電子輸送層(4)とカソード(5)との間の電子注入層。
しかしながら、OLEDは、上記の層の全てを有しなくともよく、例えば層(1)(アノード)、(3)(発光層)および(5)(カソード)を有するOLEDも同様に適しており、その際、層(2)(ホール輸送層)および層(4)(電子輸送層)の機能は、隣接する層によって引き受けられる。層(1)、(2)、(3)および(5)または層(1)、(3)、(4)および(5)を有するOLEDは、同様に適している。
特に好ましいのは、層(1)、(2)、(3)および(5)を含むOLEDである。
これらの層が(例えば電気化学的試験に基づいて)適当な材料から選択しなければならないことは当業者に公知である。個々の層に適当な材料は、当業者に公知であり、例えばWO 00/70655号に開示されている。更に、本発明によるOLEDの前記の層の各々は、2つまたはそれ以上の層から構成されていてよい。更に、層(1)、(2)、(3)、(4)および(5)の幾つかまたは全ては、電荷担体輸送の効率を高めるために表面処理されていてよい。前記の層の各々についての材料の選択は、有利には、高い効率を有するOLEDが得られるようになされる。
本発明によるOLEDの製造は、当業者に公知の方法により行なうことができる。一般に、OLEDは、層が蒸着可能な分子、即ち僅かな分子量を有する分子から構成されている場合に、個々の層を適当な基体上に互いに続けて蒸着(Vapor deposition)することによって製造される。適当な基体は、有利に透明な基体、例えばガラスまたはポリマー被膜である。蒸着のためには、通常の技術、例えば熱的蒸発、化学蒸着などを使用することができる。1つの選択的な方法において、層がポリマー材料から構成されている場合には、OLEDsの有機層は、適当な溶剤中の溶液または分散液から施こされてよく、この場合には、当業者に公知の被覆技術、例えば回転塗布(Aufschleudern)、印刷またはナイフ塗布が使用される。式IaまたはIbの本発明によるポリナフタリンの適用は、溶液から行なわれ、この場合有機溶剤としては、例えばエーテル、塩素化炭化水素、例えば塩化メチレン、および芳香族炭化水素、例えばトルエンが適している。適用自体は、常用の技術によって行なうことができ、例えばスピンコート、浸漬塗布、被膜形成するナイフ塗布(スクリーン印刷技術)、インクジェット印刷機を用いた適用またはスタンプ印刷、例えばPDMS(光化学的にパターン形成されたシリコーンゴムスタンプによるスタンプ印刷)によって行なうことができる。
一般に、種々の層は、次の厚さを有する:アノード(2)500〜5000Å、有利に1000〜2000Å;正孔輸送層(3)50〜1000Å、有利に200〜800Å、発光層(4)10〜2000Å、有利に30〜1500Å、電子輸送層(5)50〜1000Å、有利に100〜800Å、カソード(6)200〜10000Å、有利に300〜5000Å。本発明による正孔および電子の再結合領域の状態、ひいてはOLEDの発光スペクトルは、全ての層の相対的厚さによって影響を及ぼされうる。つまり、電子輸送層の厚さは、有利には、電子/正孔再結合領域が発光層中にあるように選択されることが望ましい。OLED中の個々の層の層厚の比は、使用される材料に依存する。場合により使用される付加的な層の層厚は、当業者に公知である。
本発明によるOLEDsの発光層中の本発明によるポリナフタリンを使用することによって、高い効率を有するOLEDsを得ることができる。本発明によるOLEDの効率は、更に、他の層の最適化によって改善することができる。例えば、高効率のカソード、例えばCa、BaまたはLiFを使用することができる。動作電圧の低減又は量子効率の向上を引き起こす成形された基体および新規の正孔輸送材料は、同様に本発明によるOLEDs中で使用することができる。更に、種々の層のエネルギー準位を調整するため、およびエレクトロルミネセンスを簡易化するために、OLEDs中に付加的な層が存在してよい。
本発明によるOLEDは、エレクトロルミネセンスが有用な全ての装置で使用することができる。適当な装置は、有利には、定置式ディスプレイ及び可搬式ディスプレイから選択される。定置式ディスプレイは、例えばコンピュータ、テレビのディスプレイ、プリンタのディスプレイ、調理機器のディスプレイならびに宣伝用ボード、照明および標識板である。可搬式ディスプレイは、例えば携帯機器、ラップトップ、車両のディスプレイならびにバス及び電車の目的地表示板である。
更に、本発明によるポリナフタリンは、逆構造を有するOLEDs中で使用されることができる。好ましくは、本発明により使用されるポリナフタリンは、前記の逆OLEDにおいては、発光層中で、特に有利には他の添加剤なしに発光層として使用される。逆OLEDの構造およびそこで通常使用される材料は当業者に公知である。
従って、式Iaおよび/またはIbの繰返し単位を含有する本発明によるポリナフタリンは、有機発光ダイオード中の発光体物質、殊に青色発光体として適している。従って、本発明の他の対象は、式Iaおよび/またはIbの繰返し単位を含有する本発明によるポリナフタリンまたは本発明による方法により製造される式Iaおよび/またはIbの繰返し単位を含有するポリナフタリンの、有機発光ダイオード中の発光体物質としての使用である。
次の実施例は本発明を更に説明する。
実施例
モノマー合成
2,6−ジブロモ−ナフタリン−1,5−ジオール:
Figure 2008512505
1,5−ジヒドロキシナフタリン15gを酢酸350ml中に分散させ、80℃に加熱した。1回のスパチュラ先端量の沃素を添加し、90分間に亘って臭素30mlを滴加した。その後に、さらに1時間80℃で攪拌する。緑色の溶液を傾瀉し、得られた固体を2回酢酸から再結晶させる。褐色の結晶28gが得られる。Eur, J. Org. Chem. 1999, 643も参照。
6,6’−ジブロモ−2,2’−ビス−アルコキシ−[1,1’]ビナフタレニル
Figure 2008512505
炭酸カリウム5.35g、沃化ナトリウム0.5gおよび6,6′−ジブロモー[1,1′]ビナフタレニル−2,2′−ジオール10gを無水DMF中に溶解し、入念に脱ガスする。100℃への加熱後、徐々にブロモヘキサン9.3gを添加し、さらに24時間、100℃に加熱する。シクロヘキサンと一緒に振出し、再結晶化後、白色の固体5gを得る。
ヘキシル基と同様に、さらにアルキル基を導入することができる。
2,6−ジブロモ−1,5−ビス−ヘキシルオキシ−ナフタリン:
Figure 2008512505
ナトリウムエタノラート5.35gを無水エタノール50ml中に溶解し、入念に脱ガスする。次に、2,6−ジブロモナフタリン−1,5−ジオール10gを添加し、再度、脱ガスする。35分間の95℃への加熱後、徐々にブロモヘキサン13gを添加し、さらに2時間、90℃に加熱する。得られた暗色の固体を酸化アルミニウム(エタノール/ジクロロメタン)でクロマトグラフィー処理する。黄色の固体1.7gが得られる。Eur, J. Org. Chem. 1999, 643も参照。
オリゴマー
[2,2′,6′,2′′]テルナフタリン
Figure 2008512505
2,6−ジブロモナフタリン2g、2−ナフタリン硼酸2.67g、1回のスパチュラ先端量のトリエチルベンジルアンモニウムクロリドおよびテトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)0.8gをテトラヒドロフラン40mlと30%−炭酸カリウム溶液10mlとからなる混合物中で80℃で3日間アルゴンの下で加熱した。引続き、この反応混合物を数回熱いジクロロメタンで抽出し、分取薄膜クロマトグラフィー(溶離剤シクロヘキサン)により精製する。黄色の固体が得られる。量子収量(トルエン)=77%、λmax, em(トルエン)=390m、λmax, em(被膜)=403nm。
ポリマー合成
合成ポリマーを当業者に公知の方法により製造した。パラジウム(0)を用いてのスズキ(Suzuki)による重合は、例えばWO 00/22026およびWO 00/53656に記載されており、ニッケル(0)を用いてのヤマモト(Yamamoto)による重合は、米国特許第5708130号明細書に記載されている。
2,6−ジブロモ−1,5−ビス−ヘキシルオキシ−ナフタリンの重合:
Figure 2008512505
2,6−ジブロモ−1,5−ビス−ヘキシルオキシ−ナフタリン0.35g、ビス(1,5−シクロオクタジエン)−ニッケル(0)0.46gm、2,2′−ビピリジン0.26gおよび1,5−シクロオクタジエン0.11gをジメチルホルムアミド10mlとトルエン10mlとからなる混合物中で80℃で3日間、アルゴンの下で加熱した。この反応混合物をアセトン/メタノール/塩酸混合物中で沈殿させ、引続き数回メタノール中で沈殿させた。ベージュ色がかった褐色の固体が得られる。
量子収量(被膜)=54%、Mw=4200、λmax, em(トルエン)=385m、λmax, em(被膜)=480nm。
2,6−ジブロモ−1,5−ビス−ヘキシルオキシ−ナフタリンおよび9,10−ジブロモアントラセンの重合
Figure 2008512505
2,6−ジブロモ−1,5−ビス−ヘキシルオキシ−ナフタリン0.75g、9,10−ジブロモアントラセン0.07g、ビス(1,5−シクロオクタジエン)−ニッケル(0)0.98g、2,2′−ビピリジン0.55gおよび1,5−シクロオクタジエン0.24gをジメチルホルムアミド15mlとトルエン15mlとからなる混合物中で80℃で3日間、アルゴンの下で加熱した。この反応混合物をアセトン/メタノール/塩酸混合物中で沈殿させ、引続き数回メタノール中で沈殿させた。ベージュ色がかった褐色の固体が得られる。
w=3000、λmax, em(被膜)=445nm。
2,6−ジブロモ−1,5−ビス−ヘキシルオキシ−ナフタリンおよび1,3−ジブロモベンゼンの重合:
Figure 2008512505
2,6−ジブロモ−1,5−ビス−ヘキシルオキシ−ナフタリン0.75g、1,3−ジブロモベンゼン0.13g、ビス(1,5−シクロオクタジエン)−ニッケル(0)0.98g、2,2′−ビピリジン0.55gおよび1,5−シクロオクタジエン0.24gをジメチルホルムアミド15mlとトルエン15mlとからなる混合物中で80℃で3日間、アルゴンの下で加熱した。この反応混合物をアセトン/メタノール/塩酸混合物中で沈殿させ、引続き数回メタノール中で沈殿させた。ベージュ色がかった褐色の固体が得られる。量子収量(被膜)=17%、Mw=3800、λmax, em(被膜)=473nm。
2,6−ジブロモ−1,5−ビス−ヘキシルオキシ−ナフタリンの重合:
Figure 2008512505
n:m=1:1
2,6−ジブロモナフタリン0.44g、1,4−ジブロモ−2,5−ジヘキシルベンゼン0.63g、ビス(1,5−シクロオクタジエン)−ニッケル(0)2g、2,2′−ビピリジン1.1gおよび1,5−シクロオクタジエン0.49gをジメチルホルムアミド14mlとトルエン4mlとからなる混合物中で80℃で3日間、アルゴンの下で加熱した。この反応混合物をアセトン/メタノール/塩酸混合物中で沈殿させ、引続き数回メタノール中で沈殿させた。ベージュ色がかった褐色の固体が得られる。
量子収量(溶液)=57%、Mw=4300、λmax, em(THF)=397nm。
2,6−ジブロモ−1,5−ビス−ヘキシルオキシ−ナフタリンの重合:
Figure 2008512505
n:m=1:3
量子収量(溶液)=55%、Mw=4000、λmax, em(THF)=395nm。
2,6−ジブロモ−1,5−ビス−ヘキシルオキシ−ナフタリンおよび7,10−ビス−(4−ブロモ−フェニル)−8−ノニル−9−オクチル−フルオロアンテンの重合
Figure 2008512505
n:m=1:3
2,6−ジブロモ−1,5−ビス−ヘキシルオキシ−ナフタリン0.75g、7,10−ビス−(4−ブロモ−フェニル)−8−ノニル−9−オクチル−フルオロアンテン0.39g、ビス(1,5−シクロオクタジエン)−ニッケル(0)1g、2,2′−ビピリジン0.55gおよび1,5−シクロオクタジエン0.24gをジメチルホルムアミド15mlとトルエン15mlとからなる混合物中で80℃で3日間、アルゴンの下で加熱した。この反応混合物をアセトン/メタノール/塩酸混合物中で沈殿させ、引続き数回メタノール中で沈殿させた。褐色の固体が得られる。
量子収量(被膜)=62%、Mw=27000、λmax, em(THF)=472nm。
2,6−ジブロモ−1,5−ビス−ヘキシルオキシ−ナフタリンおよび6,6′−ジブロモ−2,2′−ビス−メトキシメトキシ−[1,1′]ビナフタレニルの重合:
Figure 2008512505
n:m=3:1
2,6−ジブロモ−1,5−ビス−ヘキシルオキシ−ナフタリン1.7g、6,6′−ジブロモ−2,2′−ビス−メトキシメトキシ−[1,1′]ビナフタレニル0.6g、ビス(1,5−シクロオクタジエン)−ニッケル(0)3g、2,2′−ビピリジン1.7gおよび1,5−シクロオクタジエン0.7gをジメチルホルムアミド12mlとトルエン9mlとからなる混合物中で80℃で3日間、アルゴンの下で加熱した。この反応混合物をアセトン/メタノール/塩酸混合物中で沈殿させ、引続き数回メタノール中で沈殿させた。黄土色の固体が得られる。
量子収量(被膜)=28%、Mw=20600、λmax, em(THF)=387nm。

Claims (16)

  1. 一般式Iaおよび/またはIb
    Figure 2008512505
    で示される繰返し単位を含有するポリナフタリンの製造法において、
    式IIaおよび/またはIIb
    Figure 2008512505
    で示されるモノマーのナフタリン誘導体を、場合によっては、それぞれ式IIaのナフタリン誘導体の基X1およびX2または式IIbのナフタリン誘導体の基X1'およびX2'と重合可能な2個の基X3およびX4を有する、式IIaおよび/またはIIbの第1のナフタリン誘導体と異なる式IIaおよび/またはIIbの他のナフタリン誘導体、芳香族化合物、縮合された芳香族化合物、ヘテロ芳香族化合物、フルオロアンテン誘導体、ベンゼン誘導体、アントリレン化合物、アリールアミノ化合物、フルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、ジベンゼンフラン誘導体、ピレン誘導体、フェナントレン誘導体、ペリレン誘導体、ルブレン誘導体およびチオフェン化合物からなる群から選択された少なくとも1つの他のコモノマーと一緒に重合させることを含み、この場合符号は、次の意味を有する:
    1、R2は、互いに無関係に、H、アルキル基、アルコキシ基、芳香族基、アリールオキシ基、縮合された芳香族環系、ヘテロ芳香族基、オリゴフェニル基を表わし;
    1'、R2'は、互いに無関係に、H、アルキル基、アルコキシ基、芳香族基、アリールオキシ基、縮合された芳香族環系、ヘテロ芳香族基を表わし;
    1、X2
    3、X4
    1'、X2'は、互いに重合可能な基を表わすかまたは
    1またはR2、または
    1'またはR2'は、互いに無関係に、−CH=CH2、−C≡CH、(E)−または(Z)−CH=CH−C65、アクリロイル、メタクリロイル、オルト−メチルスチリル、パラ−メチルスチリル、−O−CH=CH2、グリシジル、
    Figure 2008512505
    を表わし、
    上記式中、Yは、アクリロイル、メタクリロイル、オルト−メチルスチリル、パラ−メチルスチリル、−O−CH=CH2、グリシジルまたは(E)−または(Z)−CH=CH−C65を表わす、一般式Iaおよび/またはIbの繰返し単位を含有するポリナフタリンの製造法。
  2. 1およびR2およびR1'およびR2'は、C3〜C10−アルキル基またはC3〜C9−アルコキシ基からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  3. 式IIaのモノマーナフタリン誘導体中で、基R1は、基X1に対してオルト位に配置されており、および/または基R2は、基X2に対してオルト位に配置されている、請求項1または2記載の方法。
  4. 式IIaのモノマーナフタリン誘導体中で、基X1は、ナフタリン骨格の2位に配置されており、基X2は、ナフタリン骨格の6位に配置されている、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 式IIbのモノマーナフタリン誘導体は、式IIb1
    Figure 2008512505
    を有する、請求項1または2記載の方法。
  6. 重合を少なくとも1つのニッケル化合物またはパラジウム化合物の存在下で実施する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 1、X2またはX1'、X2'、およびX3およびX4は、次の意味を有する:
    1、X2またはX1'およびX2'、X3およびX4は、F、Cl、BrおよびIから選択されたハロゲン、エステル化されたスルホネートまたは式−B(O−[C(R72n−OまたはB(OR7'2の硼素含有基を表わし、R7、R7'は、互いに無関係に同一または異なるHまたはC1〜C20−アルキルを表わし;nは、2〜10の整数を表わし;
    但し、この場合基X1およびX2またはX1’およびX2’ならびにX3およびX4は、ハロゲンおよび1つの側上のエステル化されたスルホネートと別の側上の硼素含有基とのモル比が0.8対2.1〜2.1対1、有利に0.9対1.1〜1.1対0.9であるように選択されるかまたはモノマーナフタリン誘導体中の基がそれぞれハロゲンを表わし、前記基は、場合によっては基X3およびX4が同様にそれぞれハロゲンを表わす他のコモノマーと反応される、請求項6記載の方法。
  8. 少なくとも1つの他のコモノマーがフェニレンビス硼酸、フェニレンビス硼酸エステル、ジハロゲン置換されたベンゼン、アントラセンビス硼酸、アントラセンビス硼酸エステル、ジハロアントラセン、ジハロゲン置換されたフルオロアンテン、フルオロアンテンビス硼酸、フルオロアンテンビス硼酸エステルおよび記載された化合物のアルキル置換された誘導体からなる群から選択される、請求項6または7記載の方法。
  9. ポリナフタリンが式IaまたはIbの繰返し単位で架橋され、この場合このポリナフタリンは、少なくとも1つの基R1、R2、R1'またはR2'を有し、これらの基は、
    CH=CH2、−C≡CH、(E)−または(Z)−CH=CH−C65、アクリロイル、メタクリロイル、オルト−メチルスチリル、パラ−メチルスチリル、−O−CH=CH2、グリシジル、
    Figure 2008512505
    〔式中、Yは、アクリロイル、メタクリロイル、オルト−メチルスチリル、パラ−メチルスチリル、−O−CH=CH2、グリシジルまたは(E)−または(Z)−CH=CH−C65を表わす〕から選択される、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  10. 請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法により製造可能なポリナフタリン。
  11. 請求項10記載の少なくとも1つのポリナフタリンを含有するかまたは該ポリナフタリンからなる被膜。
  12. 請求項10記載の少なくとも1つのポリナフタリンを含有する有機発光ダイオード。
  13. 請求項10記載の少なくとも1つのポリナフタリンを含有するかまたは該ポリナフタリンからなる発光層。
  14. 請求項13記載の発光層を有する有機発光ダイオード。
  15. 請求項12または14記載のOLEDを含む、定置式ディスプレイ、例えばコンピュータのディスプレイ、テレビ、プリンターのディスプレイ、調理機器のディスプレイならびに宣伝用ボード、照明、標識板及び可動式ディスプレイ、例えば携帯機器、ラップトップ、車両のディスプレイならびにバスおよび電車の行き先表示板からなる群から選択される装置。
  16. 有機発光ダイオード中の発光体物質としての請求項10記載のポリナフタリンの使用。
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