JP2008508005A5 - - Google Patents
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Description
分析・診断する目的で僅かな量の血液を(少なくとも指または耳朶といった)肢体から採取するために、該当する肢体に刺して傷をつけるランセットを使用する。これを手で行なう限り、特別に訓練された人間が必要となる。それにもかかわらず刺すとひどい痛みを伴う。
穿通器具およびこれに付属している個々の器具に合わせたランセットによって構成されている採血装置が以前からすでに使用されている。穿通器具のケースにはランセット駆動部があり、この駆動部によって機械的にランセットを皮膚に刺し込む。刺し込み動作用の駆動エレメントとしてここでは一般的にスプリングを使用している。
血液における特定の分析値について定期的に監視するためにしばしば必要となるのは、患者が1日に何回も検査しなければならないことである。これに当てはまるのは、特にインスリン注射を(栄養摂取量、体内の作用等によって大きく変動する)必要量に合わせることによって血糖値レベルを特定の規定値の範囲内にできる限り一定に保つために自らの血糖値レベルを頻繁にチェックする必要のある糖尿病患者である。
したがってこうした集中治療は、できる限り少ない傷みによる採血を前提とする。こうした関係で改良を実現するために、ランセットまたは針の機械的な駆動ユニットを含む様々な採血装置が開発された。痛みを伴うことなく刺し込みプロセスを実施することの可能な前記駆動ユニットが現時点では開発されている。採血装置を操作する前に駆動エレメントであるスプリングを駆動ユニットにおいて張力のかかった状態にしなければならない。その後刺し込みプロセスを作動する際に駆動エレメントを張力のかかっていない状態に再び戻す。ランセットを刺し込み方向に駆動させるためにはこの時発生する力を使用する。
先行技術の短所となるのは、採血装置の荷重プロセスが機械的な駆動ユニットの場合に大きな力が要求されることおよび/または使用者にとって複雑な取り扱い手順が必要となることである。例えば明細書DE10223558.9では採血装置の荷重について示しており、この時ケースのボタンを回転させることによって駆動ユニットにおいてスプリングに張力を加える。この場合患者は装置を操作するために両方の手を使用しなければならない。
高齢者または障害を有する者が前記取り扱い手順を面倒なものであると感じていることが明らかである。したがって特に高齢者の場合にはしばしば行なわなければならない集中治療においてできる限り痛みの少ない、穿通による操作のしやすい採血装置が望ましい。
先行技術では、特に障害を有する患者にとって簡単かつ快適な操作を可能にする自動駆動装置を装備した採血装置について示している。ここではランセットの荷重という患者にとって面倒なプロセスならびにこれに続く刺し込みプロセスの作動が省かれる。ボタンを押すことにより、その後の取り扱い手順を必要としたり使用者が力を加えたりすることなく患者は駆動メカニズムを作動させることができる。明細書WO02/100 461,WO02/100 460ならびにWO02/001 01およびWO02/100 251では電気的な駆動ユニットがランセットを駆動方向に動かしたり刺し込みプロセスを実施する採血装置について開示している。例えば明細書WO02/100 251では電磁的な駆動エレメントについて示している。制御ユニットを介してランセット本体への駆動ユニットの動力伝達を制御するため、定義された刺し込みプロセスを行なうことが可能となる。
同様に明細書US6,530,892では多数のランセットを有する自動採血装置について開示している。上述した先行技術と同様に磁石による駆動ユニットを実現している。
説明した装置は電気的な駆動ユニットをそれぞれ操作する。電気エネルギーをランセット本体の動きに変換するランセットへの動力伝達は補助的な部品によって実現されなければならない。電気的な駆動ユニットにおいて速い駆動速度を実現することができるように例えばコンデンサを電気的な駆動ユニットに一体化し、迅速に放電することによって刺し込むのに必要となるエネルギーを使用することができる。こうした方法によって迅速にかつ電気的な駆動ユニットからランセットに直接エネルギーを伝達する。1グラム当たり>100ジュールの蓄積密度によって電気的な駆動ユニットは長期記憶装置として穿通装置において特に好適であるにもかかわらず、電気的な駆動ユニットのエネルギーの採取速度は所定の内部抵抗によって一般的には10ジュール/秒に制限されていることが明らかである。採取速度が増大するとともに装置の効率は悪くなる。定義されたランセット本体の動作手順を制御するためには、振動を少なくしてランセットを患者の肢体に刺し込むことならびにランセットを採血装置に引き抜くことといった別の方策がさらに必要となる。
したがって上述した先行技術の短所となるのは、電気的な駆動ユニットとともにランセット本体の定義された動作手順を刺し込みプロセス時に制御する複雑な制御メカニズムを必要とすることである。電気的な駆動ユニットによってすでに十分に信頼された機械的な駆動メカニズムを装置に一体化することは不可能である。したがって、厳密に定義されたランセット本体の動作手順によって痛みを少なくして刺し込むことを実現する過去にたびたび新たに開発された機械的な駆動ユニットの長所については断念せざるを得ない。
電気的な駆動時に機械的な駆動ユニットと比較することが可能な刺し込みプロセスの制御に変換するために、機械的な駆動ユニットに比べて不十分であることが明らかである高価な別の方策が行なわれなければならない。そのために必要となる例えばコンデンサおよび制御ユニットといった別の部品は穿通装置の構造を高価で作り、その製造費用を増大させる。さらに動作手順の制御が不十分であるとともにランセット本体に対して駆動ユニットの動力伝達が遅くなるため、ランセット本体の動力手順は遅くなる。これによって刺し込み時の痛みはさらに増大する。したがって電気的な駆動ユニットと機械的な駆動ユニットとを比較することによって明らかとなるのは、電気的な駆動ユニットが1つには装置を自由に使用できるほどの蓄積密度を有することであり、もう1つには採取速度およびランセット本体に対する駆動ユニットの動力伝達をしばしば不完全なものにすることである。
電気的な駆動ユニットを装備した採血装置が痛みの少ない刺し込みに関する要求事項を満たすのに十分ではないことについて明らかである。
これとは対照的に速い採取速度によって機械的な駆動ユニットを利用することについては、例えばランセットの穿通動作のように明確に定義される。ほぼ理想的な効率である場合に一般的なスプリングの採取速度は1秒当たり数千ジュールである。特にスプリングという形で実現する機械的な駆動ユニットがエネルギーアキュミュレータであることと、非効率的あるのは高い蓄積密度となるために大きな容積が必要となるからであるということが明らかである。電気的な駆動ユニットに比べて例えば典型的に機械的な駆動ユニットにおいて使用するスプリングは1グラム当たりおよそ150mlほどの僅かな蓄積密度である。現代の分析学において受注されるような採血装置の小型の構造について顧慮すると、機械的な駆動時において高い蓄積密度に変更することができない。これによって機械的な駆動ユニットの利用は複雑かつ力を必要とする使用者による取り扱いを必要とし、すでに上述したように短所としてみなされる。
困難かつ部分的に相反している要求事項(最低限の痛覚、簡単な操作、小型でできる限りスリムな構造および単純かつ安価な構造)を同時に十分に満たしている採血装置に対する大きな関心があることについて過去に明らかであった。
本発明の課題は先行技術の上述した短所を避けることと、簡単な操作が特に高齢者および障害者に許容され、採血を行なうために痛みを伴うことなく刺し込むことのできる採血装置を準備することである。この場合に特に採血装置の複雑かつ力を必要とする荷重をなくさなければならない。
本発明に基づく課題は独立形式請求項によって解決される。特に好ましい実施例は従属形式請求項によって明らかである。
本発明には肢体に皮膚開口部を作り出すための穿通装置が含まれる。穿通装置のケースは開口部を有し、この開口部からランセットを出すことができる。ケースの内側にランセットを配置し、駆動ユニットを介して刺し込みプロセスを実施するためにこのランセットを動かす。採血装置の駆動ユニットには本発明に基づいてモータを介して1つの電気的なエネルギーアキュミュレータと接続している1つの機械的なエネルギーアキュミュレータが含まれているため、ランセットを動かすためのエネルギーを準備することができる。この場合に電気的なエネルギーアキュミュレータはすでに説明したようにきわめて高い蓄積密度であり、例えばバッテリーまたは蓄電池を含む。電気的なエネルギーアキュミュレータからエネルギーを採取するためにモータを電気的ならびに機械的なエネルギーアキュミュレータに接続するため、モータに使用できる電気エネルギーを機械エネルギーに変換し、蓄積することが可能となる。これとは対照的に機械的なエネルギーアキュミュレータはきわめて迅速な採取速度であり、装置に対して刺し込みプロセスを実施するのに必要となるエネルギーを数ミリ秒以内に使用することが可能となる。接続メカニズムではランセット本体を機械的なエネルギーアキュミュレータに接続するため、蓄積されたエネルギーを直接ランセット本体に伝達することができる。好ましい実施例において機械的なエネルギーアキュミュレータとランセットとの間にある接続メカニズムにはランセット本体の動力手順を制御するための機械的な動力変換装置が含まれているため、ランセットは強制的に行なわれる動作を実施する。こうした方法によって刺し込み方向へのまたは刺し込み方向と反対側へのランセットの動作を制御し、痛みの少ない刺し込みを確実に行なう。
本発明に基づく装置は電気モータと採血装置の駆動ユニットの機械的なエネルギーアキュミュレータや別の機械的な部品との組み合わせを可能にするため、刺し込み時に制御されたランセット本体の動作手順を確実に行なう。ランセット本体を機械的なエネルギーアキュミュレータに接続するために、本装置はスプリングをランセットに接続するのに使用する例えば制御リンク(例えばUS6,409,740およびUS6,419,661)といったすでに公知の機械的な部品の原理を援用する。こうした方法によって機械的な駆動時にランセット本体を使用するために過去にすでに実証された部品を装置に一体化することが可能である。この場合には電気的な制御において必要である電気的な制御において必要である高価な制御ユニットを断念せざるを得ない。したがって蓄積密度だけでなく同時に速い採取速度で本装置は本装置を使用することができる。したがって本発明に基づく採血装置は電気モータと機械的なエネルギーアキュミュレータとの組み合わせに優れているため、電気エネルギーを機械エネルギーに変換することが可能となる。
本発明に基づく様々な方法により機械的なエネルギーアキュミュレータを実現することが可能となる。好ましくは機械的なエネルギーアキュミュレータを固形物として駆動ユニットに一体化する。前記エネルギーアキュミュレータは例えばスプリングであり、機械的なエネルギーアキュミュレータにおいてすでに使用されている。スプリングをさしあたり圧縮する電気モータによってスプリングの荷重が行なわれる。スプリングとして例えば先行技術においてもよく知られている渦巻きスプリング、ねじりスプリングまたはレッグスプリング等を使用することが可能である。機械的なエネルギーアキュミュレータの場合においてスプリングを伸ばさないことによって刺し込みプロセスを適切に行なうか、またはスプリングとランセット本体との間における適切な接続メカニズムを利用する。
スプリングの荷重についてはクラッチおよび/またはギヤを介してモータを機械的なエネルギーアキュミュレータに接続することが状況によっては有用であることが明らかである。こうした方法によって小型のモータがスプリングの荷重に必要となるトルクを問題なく使用することが可能となる。
モータと機械的なエネルギーアキュミュレータとの間の接続部としてクラッチを使用する場合、簡単な方法によって30mNmのトルクを機械的なエネルギーアキュミュレータに伝達することができる。モータと機械的なエネルギーアキュミュレータとの間のクラッチとして例えばトルク制御またはトルクアングル制御のクラッチが好適であり、このクラッチによって同時に簡単な方法によるモータの制御を可能にする。先行技術においてすでに知られている別のギヤまたはクラッチ等も考えられ、これらがモータを機械的なエネルギーアキュミュレータに接続することを可能にする。
機械的なエネルギーアキュミュレータにモータの動力を伝達するのにクラッチを使用する場合、上述したようにすでにあるトルクによってモータを制御することが考えられる。この時モータ電流の好ましい実施例では荷重プロセスにおいて測定を行ない、あらかじめ設定された値と比較する。スプリングによって例えば機械的なエネルギーアキュミュレータを実現する場合、スプリングをさらに圧縮することによってスプリングを荷重するためのトルクは増大する。スプリングを圧縮することによってモータ電流は増大し、この時モータ電流の個々の測定値は定義されたスプリングの圧縮状態を表わしている。モータ電流のあらかじめ設定された値に従って装置は荷重プロセスを完全に実施したという信号を送る。モータ電流が前記閾値を越えた場合にモータが停止するため、スプリングの荷重プロセスは終了する。したがって簡単な方法によるモータの自動制御を実現する。上述した好ましい実施例によって操作を制御するのに必要となるポジションセンサを追加することなく採血装置が駆動するのを可能にする。この場合モータは新たに作動するため、第2番目のあらかじめ設定されたトルクが第2番目の閾値に到達するまでスプリングの荷重プロセスは継続する。第2番目の閾値のあらかじめ設定された値に到達することによってモータとスプリングとの接続が解除されるため、スプリングによって蓄積された機械エネルギーを放出することが可能となる。スプリングは伸びなくなり、この時スプリングにより放出されたエネルギーでランセット本体を駆動させる。この場合先行技術においてスプリングとランセット本体との間で動力を伝達するのに使用する適切な接続メカニズムにおいてエネルギーはランセット本体において作用する。
別の実施例においてモータのアナログ制御が考えられ、この時例えばトルクアングルによるクラッチの制御が行なわれる。
さらに例えばモータによって回転させる物体によって固形物という形で機械的なエネルギーアキュミュレータを実現する。こうした方法によって生じた運動エネルギーはランセット本体に伝達されるため、ランセットは刺し込み動作を実施する。したがってモータの電気エネルギーがポテンシャルエネルギーだけでなく運動エネルギーという形に変換され、機械的なエネルギーアキュミュレータに蓄積されることが明らかである。電気エネルギーが運動エネルギーとして機械的なエネルギーアキュミュレータに蓄積された場合、ランセット本体と機械的なエネルギーアキュミュレータとの接続を行なわなければならないため、蓄積されたエネルギーをすぐに無駄なく放出し、ランセット本体が適切に動くようにする。エネルギーアキュミュレータとして回転する物体を利用する場合に接続メカニズムとして機械的なエネルギーアキュミュレータとランセット本体との間に好ましくはクラッチを装備し、物体の運動エネルギーをさらにランセット本体においてまたは好ましい実施例では機械的な動力変換装置においてこのクラッチは作動する。前記クラッチには例えば先行技術においてよく知られている摩擦修正装置およびシャフトが含まれている。後で詳細に説明する巻き付けスプリングまたは自動クラッチを装備した実施例についても考えられる。動く物体とランセット本体との間にクラッチを一体化することによってエネルギーの速い採取速度およびこれによる好ましくは1msの範囲の接続時間が可能となる。
機械的なエネルギーアキュミュレータとランセット本体との間の接続メカニズムとして考えられるのは、先行技術においてすでに知られているスプリングをランセット本体と接続する実施例とともに動く物体からランセット本体へのエネルギーの伝達を可能にするクラッチの利用である。例えばUS5,318,584において機械的な駆動ユニットについて説明したように、機械的なエネルギーアキュミュレータとランセット本体との間の接続はまず1つには簡単なメカニズムによって実現する。もう1つ明らかであるのは、クラッチおよび/またはギヤを使用することが好適であることである。この場合に機械的なエネルギーアキュミュレータとランセット本体との間の接続を調整する部品が同時に機械的な動力変換装置として機能したりまたはさらに機械的な動力変換装置を介してランセット本体と接続しているため、ランセットは強制的に行なわれる動作を実施する。例えばここでは研磨ギヤと呼ばれており、部品の接続を可能にし、同時に機械的な動力変換装置として使用する。
上述した実施例では例を挙げたにすぎない。エネルギーを伝達するという先行技術において知られているのと同様に別の実施例が考えられ、またはこの実施例を先行技術において知られている機械的なエネルギーアキュミュレータと組み合わせることも考えられる。
駆動するランセット本体を操作するための機械的な動力変換装置として機械的な駆動ユニットでは先行技術と同様のメカニズムを使用することが可能である。例えばここでは制御リンク(DE10223558.9)の原理と呼ばれている。この場合に制御リンクによって刺し込み方向へのまたは刺し込み方向と反対側へのランセット本体の定義された動作手順を可能にする。上述したように例えば研磨ギヤといったギヤを使用することも可能である。
本発明に基づく装置は採血装置にある従来の機械的な駆動ユニットに電気モータを一体化することを可能にする。こうした方法によって痛みを少なくする刺し込みに対する高い要求を満たし、この時特に障害者にとって取り扱いやすいものとなる。
本発明に基づく装置は単純かつ安価な構造となることを可能にする。先行技術においてよく知られているように、モータの機械的な駆動エレメントへの接続を実現する。このことについてはモータによって電気エネルギーを機械エネルギーに変換することによって解決される。機械的なエネルギーアキュミュレータを使用することにより、機械的な駆動ユニットにおける刺し込み動作を操作する先行技術において機械的な駆動ユニットにおける刺し込み動作を操作する先行技術において例えば機械的な動力変換装置といった別の機械的な部品に接続することが可能である。
モータとして例えば電気モータ(DC−モータ,外部ロータ/モータまたはブラシレスモータ(ブラシレス)またはいわゆる“形状記憶合金アクチュエータ”を使用する。先行技術において“ナノ筋肉”とも呼ばれているいわゆる“形状記憶合金アクチュエータ”の場合、個々のエレメントは好ましくは高純度の合金によって作られており、電流によって加熱されるため、形状(個々のエレメントの膨張)は変化する)。
1つの分析装置において主に複数の機能を1つにした一体型の装置において使用する場合、本発明に基づく装置が特に好ましいことが明らかである。複数の機能を1つの器具に一体化することによって前記装置は使用者にとって複雑な取り扱い手順を省く。一体型装置を利用することによって使用者が例えば個々の器具によってさしあたり刺し込みプロセスを実施したり血液を装置によって準備された試験エレメントに供給することが可能となる。器具において試験エレメントの分析が行なわれ、患者が様々な器具エレメント(穿通装置、試験エレメント、測定機器)の間で交換する必要はない。例えば測定機器に穿通装置を一体化することについては明細書WO98/24366に示している。患者が分析に必要となるすべての取り扱い手順を1つの器具によって実施することが可能である。これとは異なる方法で一体化する先行技術による装置についても知られている。
測定機器とは別に穿通装置の操作を行なうあまり複雑でない器具についての実施例は試験エレメントのマガジンを有し、また試験エレメントの自動排出口を有する。例えばこの器具はRoche Diagnostics有限会社のAccu Check Compact(登録商標)と呼ばれている。前記一体型装置は好ましくは試験エレメントマガジンとともにランセットマガジンも有する。本発明に基づく装置が上述したように一体型装置を組み合わせている場合、快適な操作に対する高い要求に対応している。
本発明に基づく装置を一体化する場合に好ましい実施例では組み合わせる駆動装置として電気モータを使用することが可能である。本発明に基づく、組み合わせる駆動装置において電気で作動するモータは1つには機械的なエネルギーアキュミュレータ用にエネルギーを使用し、これとは関係なくもう1つには電気で作動するモータは別の機能用にエネルギーを同時または一時的に使用することができる。この機能は例えばマガジン搬送、試験エレメント搬送等である。
モータが一時的に様々な機能を順番に使用する場合、モータを適切な機能に接続または解除する別のギヤおよび/またはクラッチを使用するのが好適であることが明らかである。これによって個々の機能についてモータを空間的だけでなく時間に関係なく使用することを簡単に実現することができる。これにより一体型装置を単純な構造にすることが可能となる。
好ましい実施例については図面に従って以下でさらに詳細に説明する。
図1aは採血装置(1)の断面図である。この装置には外部ケース(2)が含まれており、この外部ケースは前側の終端(3)にランセットの先端を出すための排出開口部(4)を有する。排出開口部(4)は穿通装置のキャップ(5)と一体化されており、このキャップは回転式でケース(1)と接続している。軸(A)の周囲をキャップ(5)が回転することによって開口部(4)から針の先端が出る幅が変わり、これによって使用者が採血装置を刺し込む深さを選択する。採血装置の前側の領域(6)にはさらにランセットが配置され、好ましくはランセットマガジンが(図示していない)配置され、刺し込みプロセスにおいてランセットから採取する。刺し込みプロセスを実施するために駆動ユニット(8)においてランセットを刺し込み方向に軸(A)に沿って動かし、刺し込みプロセスの後に再びケースに向けて引き戻す。図示した実施例において駆動ユニットにはモータ(9)が含まれており、このモータはバッテリーの形をした電気的なエネルギーアキュミュレータと接続している(図示していない)。電気モータはギヤユニット(10)を介してクラッチ(11)と接続している。刺し込みプロセスを実施するために使用者がモータを作動する場合、ギヤユニットおよびクラッチを介してスプリング(12)に回転運動が伝達され、これによりこのスプリングは圧縮される。この時クラッチがスプリングの圧縮に必要となるトルクを作り出し、モータの出力が僅かな場合にもスプリングを十分に圧縮することができる。好ましくは流れたモータ電流を測定、したがってトルクを測定することによってモータの制御を行なうことが可能である。その際、トルクが一定の限界値を越えた場合、装置にはスプリングに十分に予荷重が加えられたという信号を送り、この時モータは自動的に停止する。作動ボタン(7)によって使用者は刺し込みプロセスを作動させることができる。その際作動ボタンを押すことによって使用者はモータを新たに作動させ、この時第2番目のあらかじめ設定されたトルクに到達するまでスプリングを新たに圧縮する。第2番目の限界値に到達した場合にあらかじめ張力がかかった状態で固定されたスプリングを自動的に緩めるため、スプリングによって蓄積されたポテンシャルエネルギーを放出することができる。スプリングのエネルギーは例えば制御リンクといった動力変換装置を介してランセット本体に転換され、ランセットは確実にガイドされた運動を行ない、痛みを伴うことなく肢体に刺し込まれる。
図1bは自動化された穿通装置の機能サンプルについて示しており、その際モータの機械的なエネルギーアキュミュレータならびに機械的な動力変換装置への接続を実現し、ランセット本体の刺し込み動作を行なう。図示した実施例ではモータ(9)が概略として示されており、ギヤユニット(10)ならびにクラッチ(11)を介して機械的なエネルギーアキュミュレータとしてのスプリング(20)と接続している。スプリングは第2番目の終端においてリンク(15)と接続しており、このリンクは本発明に基づく装置においてベアリング(13)を介して可動式で軸受けしている。リンクはランセットホルダ(14)用の制御リンクとして使用するガイド溝(16)を有する。スプリングに張力をかけるためにモータを作動する場合には、スプリングの圧縮が行なわれ、この時リンクはモータに向かって移動する。したがってリンクはモータに対して横方向に移動することが可能である。これとは対照的にランセットホルダ(14)は方向(B)に沿って装置に固定されて配置されており、モータに対して横方向の位置においては、リンクが横方向に移動しても、固定された状態である。一方、ランセットホルダはガイド溝(16)に沿って動き、制御カーブとしてランセットホルダの傾斜がリンクの動きに対して垂直でなければならない。したがってランセットホルダは刺し込み方向(A)に沿って動き、ガイド溝の形状により元の位置に再び戻る。荷重を加えた後、リンクは装置内で固定される。刺し込みプロセスが開始されると、拘束が解除され、スプリングが張力のかかった状態に再び戻ることが可能である。こうしたリンクの動きによってランセットホルダ(14)はガイド溝(16)を刺し込み方向(A)に対して垂直に動かし、この時刺し込みプロセスを実施する。
図1cは機械的な動力変換装置としての交差軸のギヤを装備した本発明に基づく装置について示している。本装置は電気で作動するモータ(9)を有し、このモータはベアリング(19)を介して装置に配置されている。モータはべベルギヤ(10)と接続しており、さらにクラッチ(11)(図で概略的に示している)と接続している。べベルギヤによって可能となるのは装置を空間的にフレキシブルな構造にするため、例えば図示したようにランセットホルダ(14)の後方にモータを直線上に配置する必要はない。モータによって得られたエネルギーは、容易に90°向きを変えることができる。こうした方法によって装置を小型の構造を実現することができる。別の機能を一体化することも可能であり(ここでは図示していない)、この時本発明に基づく装置の空間的な構造を別の機能に合わせることが可能である。べベルギヤおよびクラッチがモータで駆動されると、渦巻きスプリング(12)に張力がかかる。上述した実施例において、回転角に応じてモータが制御され、クラッチが360°回転するとモータは停止する。スプリングは張力のかかった状態で固定される。こうして採血装置は作動可能な状態となる。作動スイッチ(7)を押すことによってスプリングは緩められ、交差軸のギヤユニット(18)を介してポテンシャルエネルギーはランセット本体に伝達される。上述の実施例において、ランセットホルダの確実にガイドされた動作を行なう機械的な動力変換装置として、交差軸のギヤユニットが使用されている。上述の実施例では本発明に基づく装置の考えられる様々な部品の組み合わせについて例を挙げて示している。図1bで示したように交差軸のギヤユニットの代わりに制御リンクを装置に一体化することも考えられる。この場合に個々の部品の多様な組み合わせによって本発明に基づく装置の柔軟性のある形態を可能にし、特に一体型装置の要件に合わせることができる。
図2は駆動部の詳細な図面について示しており、この時機械的なエネルギーアキュミュレータとして回転体を使用する。前記装置の構造は基本的に図1で示した採血装置と同じである。図1でスプリングについて示した機械的なエネルギーアキュミュレータの代わりにここでは回転体を使用している。これにより装置においていくつかの順応性が明らかであるため、回転体の迅速かつ効率的なエネルギー伝達をランセット本体において行なうことができる。回転体がランセット本体にエネルギーを伝達することを可能にする装置全体の詳細図について以下に示している。図2では運動エネルギーを直接ランセット本体に伝達したり、またはクラッチがスプリングに接続され、間接的にクラッチと接続する自動クラッチの機能について示している。クラッチをスプリングに接続する場合、運動エネルギーのポテンシャルエネルギーへの変換を行ない、スプリングに一時的に蓄積される。この時自動クラッチに突発的に接続することにより、スプリングに張力を加えるために、回転体からスプリングに十分なエネルギーが伝達される。当然のことながら自動クラッチをランセット本体に直接接続することが可能である。図6で以下に説明したようにこの装置の長所あるいは短所は明らかである。図1で示した装置と同様に部品のモータ、ランセット本体等への接続が行なわれ、図面を簡略化するためにここでは図示していない。
図2aは回転体ならびに自動クラッチを装備した駆動部の分解立体図である。駆動部としてここではブラシレス外部ロータモータを使用する。このブラシレス外部ロータモータは取り付け式のコイルを装備した(図示していない)ステータ積層板(21)、取り付け式の磁石を装備した軟鉄ロータ(23)および共通のシャフト(22)によって構成されている。部品24〜27により構成されている自動クラッチは、確実にロータ(23)に接続されている。クラッチハウジング(24)は、上述したように駆動する刺し込みギヤユニットと直接接続しているか、またはスプリングを介してこの刺し込みギヤと軸方向に接続している(図示していない)。ステータ積層板(21)およびシャフト(22)は(回転せずに)固定されて装置に配置されている。スイッチをオンにした状態でロータ(23)は回転し、この時ロータと確実に接続しているクラッチエレメント(25〜27)はその動きに連動し、ステータ(21)の周囲で回転する。クラッチハウジング(24)は共通のシャフト(22)上で回転できるように軸受けしており、部品(23,25,26,27)と接続していないため、装置においてクラッチハウジングは固定されたままである。制限回転速度を超えると自動クラッチの回転する部品は衝突しながらクラッチハウジング(24)と接続する。ロータならびに回転する部品の蓄積された回転エネルギーは、クラッチハウジングおよびこのクラッチハウジングと接続している刺し込みギヤまたはスプリングに伝達される。接続プロセスの後にモータはロックされ、コントロールユニットによってスイッチをオフにされる。自動クラッチはその後ロータ(23)とクラッチハウジング(24)との接続を自動的に切断する。装置は新たなプロセス用に作動可能となる。
自動クラッチの詳細な機能については図2b〜図2dに示している。図2bでは制限回転速度を越えないで非接続状態のクラッチについて示している。対称的に配置された2つの耳金(25)をスプリング(26)によって静止状態にする。耳金(25)の表面は周囲にあるクラッチハウジングと接触していない(図示していない)。制限回転速度を超えると、耳金(25)はピボット(27)の周囲を回転し、クラッチハウジングと接触する。耳金(25)とハウジングの内壁とが摩擦によって、クラッチがクラッチハウジング(24)と接続されるため、クラッチハウジングは連動して回転する。接続プロセス時における摩擦損失を避けるため、できる限り急激にこの接続プロセスを実施しなければならない。後で説明するように特殊なスプリングの配置(26)を選択する。図2dでは接続プロセス時におけるスプリングの状態について線A〜Cで示している。この時クラッチの元の状態(接続していない)については線Aで示し、同時に線Cは制限回転速度を越えたスプリングの最終状態について示している。スプリングは装置にある点(28)と(29)との間に固定され、圧縮スプリングとして作用する。ピボットベアリングの外側にある耳金の重心の位置によって、回転時には回転速度に比例した遠心力F2が生じる。選択された配置によってスプリングは遠心力F2の増大とともに圧縮される。制限回転速度によって最大圧縮値に達し、これについて線Bで示している。この状態は不安定であり、線Cと同じ位置に耳金をさらに回転させる。ロータが停止すると、クラッチハウジングの接続を解除する。この場合にモータを停止することによって遠心力F2はゼロとなり、この時張力Ffederによって再び接続を解除したもとの位置にまで耳金を回転させる。自動クラッチの上述の実施例により、耳金の接続によってエネルギーをランセットホルダに直接的または間接的に伝達することを可能にする。これによってエネルギーの除去速度を速くすることが可能となるため、痛みを少なくしてランセット本体の刺し込みプロセスを実施することあるいは一時的に蓄積するものとしてスプリングに張力を加えることが可能となる。
図3aは組み合わせた駆動部の考えられる構造について示している(組み合わせ駆動部)。本発明に基づく組み合わせ駆動部によってさらに小型化したり一体型装置用に装置の重量を軽減したりすることが可能である。小型で携行可能な装置である場合には使用者にとって確実に取り扱いやすくなる。さらに装置の誤操作を減らすことができる。この場合にギヤユニット(10)を介して、モータ(9)は歯車(32)と接続しており、この歯車は回転できるように装置に軸受けされている。モータを操作することによって歯車は様々な回転方向に回転運動を行なう。実施例において歯車は機械的なエネルギーを蓄積するスプリング(20)と接続しているだけでなくドラムマガジン(34)のケースの一方の側とも接続している。したがって、モータはギヤユニット(10)を介して2つの機能と接続している。歯車の回転を行なうと、スプリング(20)が圧縮される。一方歯車はドラムマガジンの底部に係合するため、このマガジンは縦軸を中心に回転する。例えば、試験ストリップまたはランセットを収納するためにマガジンが設けることができ、マガジンにあるディスポーザブルは、装置の除去ユニットの反対側に位置付けられるようにマガジンの回転を行なう。例えばランセットを動かすためにスプリングに張力を加えるのと同時にドラムを作動せることが考えられるため、あらかじめ設けられた例えばプランジャといった回収ユニットによって、サンプリングを行なうためのマガジンから試験ストリップを除去することが可能となる。
図3bは、マガジン搬送装置を機能させたりランセットを動かすためのスプリングに荷重を加える図3aで示した組み合わせ駆動部の詳細な図面である。組み合わせ駆動部はDC−モータ(9)によって構成され、このモータは同時にドラムマガジンを作動させたり(図示していない)穿通装置(35)に張力をかけたりする。ドラムを動かすためにモータはギヤユニット(36)と接続している。ギヤユニットはモータで使用できる電気エネルギーをシャフト(37)に転換し、このシャフトを回転させる。シャフトは上側の頭部が歯車型の構造であり、ドラムマガジン(図示していない)のケース底部と係合する。測定機器に噛み合わせる際にドラムマガジンはシャフト(37)に取り付けられ、シャフトに固定される。モータを作動したりシャフトを回転させる場合、ドラムは作動する。穿通装置に張力をかけるためのエネルギーを制御するために、さらに平歯車(40)はギヤユニット(36)と接続している。上述の実施例では採血装置のスプリングに荷重を加えるのと同時にマガジンを作動させる。使用者は希望により刺し込みプロセスを作動させたりマガジンからの新しい試験エレメントを出す要求をすることが可能である。機能(スプリングに荷重を加えることおよびマガジンを作動させること)を一時的に分割することも当然のことながら考えられる。こうした状況によっては個々の機能の作動を希望する限りにおいて装置には好ましくはモータによって機能を接続したりあるいは解除するクラッチが含まれる。穿通装置の構造を任意に選択し、この時上述の実施例では機械的なエネルギーアキュミュレータとして渦巻きスプリングを使用している。これ以外の穿通装置の構造についてここではすでに先行技術において知られている装置に関して例えばDE1033693.3を採用する。
基本的には任意の機能に対する本発明に基づく組み合わせ駆動部の用途について考えられ、特定の用途に制限されるものではない。例えばここでは試験エレメント搬送装置である。
図4は、例えば電気モータをスプリングと接続するために使用するといった回転角により制御される接続についての詳細図である。クラッチのシャフト(47)の第1番目のシャフト領域(45)は、穿通装置のスプリング(図示していない)と接触しており、一方シャフトの第2番目のシャフト領域(46)が電気モータ(図示していない)と接続し、この電気モータによって駆動されている。この場合シャフト領域(46)はモータ(図示していない)の接合部分に嵌めこまれており、このモータによって回転している。シャフト領域(46)のモータと接続していない終端は歯型構造(42)であり、シャフト領域(45)の反対側にある終端(41)の歯型構造と噛み合っている。2つのシャフトの終端が共に回転しないように相互に噛み合っていることにより、モータによるシャフト領域(46)のトルクはシャフト領域(45)に伝達される。シャフト領域(46)の回転はシャフト(47)全体の回転動作となる。シャフト領域(45)と確実に接続しているスプリング(図示していない)はシャフトの回転によって圧縮され、これにより荷重が加えられる。クラッチはさらにリンク(44)を有し、このリンクにおいてシャフト領域(46)と接続しているボルト(43)によって第1番目のシャフト領域(46)がガイドされる。このリンクを通ってボルト(43)およびこのボルトと確実に接続しているシャフト領域(46)は、リンクの輪郭に合わせて軸方向に向きを変える。シャフト領域(46)が軸方向に移動することによって歯車構造(41)および(42)の接続を解除するため、シャフト領域(45)およびシャフト領域(46)は相互に分離する。スプリングの圧縮によって作用するトルクによってシャフト領域(45)は反対方向に回転するため、ほとんど摩擦のない状態でスプリング駆動部は元に戻る。このようにして放出されたエネルギーをランセット本体に伝達するため、刺し込み方向にランセット本体は移動する。図4はクラッチについて示しており、リンクの輪郭によってあらかじめ設定される定められた回転角に基づいてモータおよび駆動ユニットを制御することが可能となる。シャフト(47)を回転させることによってシャフト領域(46)のボルト(43)はリンクの位置(48)に到達する。この位置においてシャフト領域(46)は第1番目の軸方向に偏向し、これによってモータは停止する。刺し込みを作動するために使用者がモータを新たに作動させる。ねじれ角の増大とともにボルトが位置(49)に到達するまでボルト(43)はさらにリンクによる強制的な動きを継続する。これによって上述したようにシャフト終端部の接続の解除を実現する程度までシャフト領域(46)は偏向する。
図5ではモータとスプリングとの間の連結機構として使用するトルク制御のクラッチについて示している。トルク制御のクラッチはリーフスプリング(53)を有する第1番目の駆動エレメント(52)によって構成される。ピン(54)を有する別の駆動エレメント(51)は回転できるように駆動エレメント(52)と接続している。図5aから図5dにおいて示しているように、駆動エレメント(52)を装置に固定するのと同時にモータ(図示していない)によって駆動エレメント(51)を回転させながらスプリングに荷重を加える。これによってリーフスプリング(53)はピン(54)に押し付けられ、ねじ曲げられる。5f)のグラフにおいて明らかであるように、トルクアングルが増大することによってトルクおよびスプリングに荷重を加えるためのモータ電流は増大する。駆動ユニット(図示していない)によってモータ電流を測定し、あらかじめ設定された制限値と比較する。第1番目に設定した制限値に到達するとモータは停止する。スプリングは完全に伸びる(図5dを参照)。刺し込みプロセスを作動するためにモータのスイッチを再びオンにする。トルクは新たに増大する。第1番目に設定した制限値に比べて大きい第2番目にあらかじめ設定されたクラッチの制限値に作動トルクが到達すると、リーフスプリング(53)とピン(54)との密着が解除され、ほとんど摩擦のない状態でスプリングは元に戻る。刺し込み運動を行なうために放出されたエネルギーの向きを変更する(図5eを参照)。グラフ(5f)に示しているように、増大したトルクはほとんどゼロに戻る。
図6ではクラッチの複数の実施例について示しており、この時機械的なエネルギーアキュミュレータとして回転する物体を使用している。こうした方法によって刺し込みプロセスに必要となるエネルギーを運動エネルギーという形で蓄積し、その後刺し込みプロセスにおいて使用する。機械的なエネルギーアキュミュレータとして物体を使用する場合、モータを機械的なエネルギーアキュミュレータに接続するために例えばギヤおよび/またはクラッチを断念せざるを得ない。これによって機械的なエネルギーアキュミュレータとしてスプリングを有する構造に比べて本装置の構造は簡略化される。駆動ユニットを構造上小型化することも実現する。機械的なエネルギーアキュミュレータとして可動式の物体を使用する場合、例えば電気モータを直接加速した物体に接続し、この物体を回転させることが可能である。こうした方法によってさしあたり単純な構造で運動エネルギーを蓄積する。刺し込みプロセスを迅速かつ無駄なく実施するために蓄積されたエネルギーをエネルギーアキュミュレータからランセット本体に伝達しなければならない。機械的なエネルギーアキュミュレータ−ここでは可動式の物体−とランセットとの間にある適切なクラッチを介して前記エネルギー伝達を行なうことが可能である。この場合にクラッチはできる限り無駄なく作動し、作動時間が短いため、摩擦エネルギーの損失を最小限にする。基本的には迅速かつ無駄なくエネルギーをランセット本体に伝達することを可能にする2つの好ましい実施例が可能となる。1つにはランセット本体または機械的な動力変換装置に運動エネルギーを変換することであり、刺し込みプロセスにおいて行なわれる。例えばスプリングという形で実現する別の中間アキュミュレータに回転エネルギーの伝達をさしあたり行なうことも考えられる。これには、刺し込みプロセスに必要なエネルギーを準備するために刺し込みプロセスを行なう際に物体を回転させる必要がないという長所がある。前記メカニズムでは、刺し込みプロセスを行なう際に電気モータによって適切に物体を加速させるまでの数秒間にわたって使用者が待機する必要があり、その後エネルギー伝達が行なわれる。回転する物体に接続して中間アキュミュレータを使用する場合、回転によって得られたエネルギーをさしあたりスプリングに一時的に蓄積することが可能となる。例えば中間アキュミュレータとして圧縮されたスプリングを緩めることによる刺し込みプロセスはいつでも行なわれ、すでに上述した装置と同様に、この時機械的なエネルギーアキュミュレータとしてスプリングを使用して実現する。従って回転する物体を中間アキュミュレータと組み合わせて使用する場合、すでに説明した本発明に基づく装置と同じ操作方法で使用者に提供することができる。この実施例において回転する物体は、ギヤおよび/またはクラッチをモータおよびエネルギーアキュミュレータと接続することを必要とせずにスプリングに荷重を加えるための別の解決策である。スプリングに荷重を加えることはトルクを大きくするために必要であり、運動エネルギーをスプリングに伝達することによって可能となる。物体と中間アキュミュレータあるいはランセット本体との接続が一般的に可能となるのは、およそ1msで急激に運動エネルギーの伝達を行なうことが可能となる場合である。これにより、装置の構造が単純であるにも関わらず回転エネルギーを刺し込みプロセスに変換することまたは中間アキュミュレータにエネルギーを蓄積することも可能である。
図6aでは電気モータ(9)について示しており、物体(62)を加速するためにこの物体と接続し、この物体を回転している。スイッチキー(65)を押すことによって巻き付けスプリング(63)のコイルを回転物体(62)の軸に押し付ける。モータによって物体を動かす場合、スプリング(63)が軸に巻き付けられ、これによってシャフト(64)は加速する。使用する駆動原理に従って中間アキュミュレータとして使用する駆動スプリング(66)に荷重を加えるためにシャフト(64)のトルクを使用するかまたは刺し込みプロセスに変換する。スイッチキー(65)を押すことによって1つには刺し込みプロセスを作動させることが可能となる。中間アキュミュレータ(66)を使用する場合、スイッチキーを自動的に操作することによって運動エネルギーを一時的に蓄積し、この時スプリング(66)を圧縮する。中間アキュミュレータ用の別の作動プロセスによってスプリングを緩くし、これによってランセット本体を駆動させることができる。場合によっては噛み合っている巻き付けスプリング(63)の剥落を軽減するために、荷重プロセスあるいは刺し込みプロセスを実施した後にモータを反対方向に回転させる。刺し込みプロセスに必要な手順は基本的に自動化されるため、例えばあらかじめ設定された回転数に到達した場合にはスイッチキー(65)を自動的に操作する。さらに巻き付けスプリングの剥離および刺し込みプロセス終了後のモータの反対方向への自動的な操作を開始する。使用者が意識して刺し込みプロセスの作動を行なうことが望ましい。
図6bでは摩擦修正装置を装備した別の原理について示しており、この原理によって回転する物体の運動エネルギーをランセット本体に伝達することが可能となる。図6aと同様に図6bの機械的なエネルギーアキュミュレータは電気モータ(9)を有し、このモータは物体(62)を加速させる。スイッチキー(65)をずらすことによって摩擦修正装置(67)の軸方向への移動が行なわれる。これによって摩擦修正装置(67)のクランプを回転物体(62)の円錐部分の外壁に押し付ける。クランプと物体(62)とを噛み合わせる場合、摩擦修正装置は急激に加速し、回転物体(62)の動作手順を継続する。すでに上述した実施例と同様に、駆動原理はランセット本体または中間アキュミュレータに接続する。クラッチ接続および摩擦修正装置(67)と回転物体(62)との噛み合わせ接続を解除するために回転物体(62)の円錐部分からスイッチキー(65)をずらすことによって摩擦修正装置(67)を引き出す。
図6cでは、すでに図6aおよび図6bにおいて説明したように、回転する物体をランセット本体あるいは中間アキュミュレータに接続するための別の実施例について示している。上述した実施例と同様に装置はモータ(9)を有し、このモータは物体(62)を回転させて加速させる。スイッチキー(65)をずらすことによってフリーホイールシャフト(68)と回転物体(62)との急激な接続を実現するため、物体(62)の運動エネルギーはできる限り無駄なくランセット本体または中間アキュミュレータに伝達される。この場合に装置は多数の噛み合わせ用のボール(69)を有し、図6bにおいて説明した原理と同様にスイッチキーをずらすことによってこのボールと回転物体(62)の円錐部分とを噛み合わせる。この時固定ワッシャ(70)はシャフト(63)を回転物体(62)に接続するボール(69)の落下を防止する。こうした方法によってフリーホイールシャフト(68)は回転物体(62)が動くのを継続するようにし、この時数ミリ秒以内に回転物体からシャフト(69)にエネルギーを伝達する。クラッチ接続を解除するために物体の円錐部分からシャフト(64)を引き出している間にここでもスイッチキー(65)をずらすことによってシャフト(64)と回転物体(62)とのクラッチ接続を解除する。
Claims (6)
- ランセットを出すことの可能な開口部を有するケース、
ランセット本体を有するランセット、ならびに
前記ランセット本体および前記ランセットを動かし、刺し込みプロセスを実施するために前記ランセットの先端を少なくとも部分的にケースから出すことの可能な駆動ユニットを含む肢体に皮膚開口部を作り出すための穿通装置であって、
前記駆動ユニットが、
前記ランセットを動かすためのエネルギーが供給され得るように、電気的なエネルギーアキュミュレータと接触し得るモータ、
前記電気的なエネルギーアキュミュレータによって蓄積されたエネルギーを機械的なエネルギーに変換し、このエネルギーの少なくとも一部を蓄積するように、前記モータと接続している機械的なエネルギーアキュミュレータ、ならびに
前記ランセット本体を前記機械的なエネルギーアキュミュレータに接続するため、エネルギーアキュミュレータに蓄積されたエネルギーの一部をランセット本体に伝達することが可能となる接続メカニズムとを備え、
前記接続メカニズムが、前記ランセットの動きについての制御により確実にガイドされた動作に変換できるように前記エネルギーアキュミュレータのエネルギーをランセット本体に伝達する機械的な動力変換装置を含み、
前記穿通装置が、血液サンプルから分析物を測定するために測定機器に一体化され、
前記モータが、前記ランセット本体の動作から独立して他のシステム機能が実行されるように、前記測定装置の他のシステムの機能と連結されることを特徴とする穿通装置。 - 前記モータがクラッチを有し、該クラッチによって前記モータをエネルギーアキュミュレータに接続する請求項1記載の穿通装置。
- 前記機械的なエネルギーアキュミュレータがスプリングである請求項1記載の穿通装置。
- 前記駆動ユニットにおいてモータ電流を測定し、あらかじめ設定された値と比較し、この比較に基づいて前記モータの制御を行なう請求項2記載の穿通装置。
- 前記クラッチがトルク制御またはトルクアングル制御である請求項2記載の穿通装置。
- エネルギーアキュミュレータから独立した、前記他のシステムの機能が試験エレメント搬送またはマガジン搬送である請求項1記載の穿通装置。
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