JP2008230699A - 遅延ポンプ機構およびポンプ式製品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】利用者の押下げ操作にともなうピストン群(2,4,8)の下動によって、上流側充填室Aの内容物は環状下側ピストン(9)および外側コイルスプリング(10)を下動させながら下流側充填室Cに流入する。操作ボタン1を離すとピストン群は、外側コイルスプリングおよび内側コイルスプリング(11)の復帰力によって、充填室Cの吐出弁(8d,2c)を閉状態に維持したまま上動する。このとき容器内容物が吸上げられる充填室Aの小径流入口(5d)の流入抵抗により放出開始地点までの上動時間をかせいでいる。環状上側ピストン(8)の外側上面部分(8e)がカラーリング(7)の下端面部分(7b)に当接して吐出弁が開くと、充填室Cの内容物は環状下側ピストンおよび外側コイルスプリングの押出し作用で外部空間に放出される。
【選択図】図4
Description
(1)容器内容物が、利用者の放出操作終了時点よりも遅延して外部空間に放出される機能を備えた遅延ポンプ機構であって、
前記放出操作のための操作部(例えば後述の操作ボタン1)と、
前記放出操作により、内容物の吸込弁(例えば後述の環状受け部5cおよび吸込弁作用部6b)から中間弁(例えば後述の中間弁作用部3aおよび環状受け部4b、または中間弁体18および環状受け部4b)までの間の内容物圧力が増加する上流側空間域(例えば後述の上流側充填室A,A’)と、
前記内容物圧力の増加に応じて前記上流側空間域の前記中間弁が開くことにより、当該上流側空間域の内容物が、外部空間に放出されることなしに流入する下流側空間域(例えば後述の下流側充填室C,C’)と、
前記放出操作の終了にともない、前記下流側空間域を、その吐出弁(例えば後述の吐出弁作用部2cおよび逆スカート部8d、または吐出弁作用部16dおよび環状凸部20d)が閉じて内容物が収納された状態のまま所定位置まで変位させて、その後、当該吐出弁が開いて当該内容物を前記外部空間に放出する遅延作動手段とを備えたものとする。
(2)上記(1)において、
前記遅延作動手段は、
前記操作部と一体化して前記上流側空間域を形成する第1のピストン(例えば後述の鞘状上側ピストン2,鞘状中間ピストン3および筒状下側ピストン4、または筒状下側ピストン4,環状上側ピストン16および鞘状中間部材17)と、
前記中間弁の下流側において前記第1のピストンとともに前記下流側空間域を形成する第2のピストン(例えば後述の環状下側ピストン9)および第3のピストン(例えば後述の環状上側ピストン8,鞘状上側ピストン20)と、
前記第2のピストンを静止モード位置に付勢する第1の弾性部材(例えば後述の外側コイルスプリング10)と、
前記第1のピストンと前記第3のピストンとの間に形成される前記吐出弁と、
前記第3のピストンの前記所定位置を設定する規制部材(例えば後述のカラーリング7,19)と、を備えたものであり、
前記操作部の放出操作に基づく前記第1のピストンの移動により、
前記中間弁が開き、かつ前記吐出弁が閉じて、前記吸込弁が閉状態の前記上流側空間域の内容物を前記下流側空間域に流入させるともに、前記第3のピストンが前記第1のピストンと連動し、
前記吐出弁が閉じた状態の前記下流側空間域への内容物流入にともなって、前記第2のピストンが前記第1の弾性部材に抗する形で移動し、
前記操作部の放出操作終了後の前記第1の弾性部材に基づく前記第2のピストンの復帰動作により、
前記吐出弁がそれまでと同じように閉じて前記下流側空間域の内容物を保持したまま、前記第1および前記第3の各ピストンが前記規制部材の方に連動し、
前記第3のピストンが前記規制部材の作用により停止した後、前記第1のピストンがさらに移動することにより前記吐出弁が開いて、
前記下流側空間域の内容物が、開状態の前記吐出弁から外部空間に、前記第1の弾性部材の前記第2のピストンに対する付勢力で放出されるものとする。
(3)上記(2)において、
前記上流側空間域は、
前記第1のピストンとシリンダ(例えば後述のシリンダ5および内側シリンダ6)との間に設定される空間域であり、
前記下流側空間域は、
前記第1のピストン,その外側の前記第2および前記第3の各ピストンと、シリンダ(例えば後述のシリンダ5)との間に設定される空間域である。
(4)上記(2)において、
前記遅延作動手段は、
前記第1のピストンを静止モード位置に付勢する第2の弾性部材(例えば後述の内側コイルスプリング11)を備えたものとする。
(5)上記(2)において、
前記上流側空間域への流入口(例えば後述の小径流入口5d)は、
そこでの内容物流入抵抗を大きくして、前記第1および前記第3の各ピストンが前記規制部材の方に連動するときの速度を低下させるものとする。
(11)容器本体側からの吸込弁と外部空間への吐出弁との間の内容物収納用の空間域を、当該吸込弁から続く上流側空間域と、当該吐出弁に続く下流側空間域とに少なくとも分けて構成し、
(12)操作部の放出操作の際には上流側空間域の内容物を吐出弁閉状態の下流側空間域に移動させるだけであり(外部空間には放出しない)、
(13)放出操作終了後にこの下流側空間域を所定位置まで変位させた時点で吐出弁が開状態となり、ここではじめて下流側空間域の内容物が外部空間に放出される、
ものである。
図1は、本発明の遅延式ポンプ機構(その1)の静止モードを示し、
図2は、図1の操作ボタンをその最下動位置まで押下げた状態、すなわち中間弁が開いて上流側充填室Aの内容物が中間充填室Bおよび下流側充填室Cに移動する状態の押下げモードを示し、
図3は、図2の操作ボタンの押圧操作解除後であってまだ吐出弁(外部空間への出力弁)が閉じたままの状態、すなわち下流側充填室Cに内容物が閉じ込められてそのままピストン群がそれぞれ最初の静止モード位置の方に上動していく状態の復帰モードを示し、
図4は、図3の復帰モードの後半段階で吐出弁が開いた状態、すなわち下流側充填室Cの内容物が当該吐出弁から外部空間に放出される遅延作動モードを示している。
1は利用者の押圧操作力やコイルスプリングの付勢力(弾性力)などに基づいて上下動する操作ボタン,
1aは当該操作ボタンの筒状部の外周面に形成された螺子部分,
1bは放出口にいたる内容物の放出用通路,
2aは大径の上側筒状部の内周面縦方向に複数形成された凹状部,
2bは当該上側筒状部の最大径部分を構成している環状垂下部,
2cは小径の下側鞘状部の上部外周面からなる吐出弁作用部,
3aは当該ピストンの下端部分に設けられた半球状の中間弁作用部,
3bは当該中間弁作用部を支持する複数の螺旋状の弾性片部,
4aは当該ピストンの上部分に複数形成されて後述の中間充填室Bと下流側充填室Cとを連通させるための孔部,
4bは中間弁作用部3aに対応した漏斗態様の環状受け部,
4cは当該環状受け部に形成された内容物の流入口,
4dは当該環状受け部の外底面側に複数形成されて後述の内側コイルスプリング11を受ける縦リブ状部,
4eは後述の内側シリンダ6の内周面に常時密接するシール・被案内用のスカート部,
5aは当該シリンダの上側外周面に形成された環状鍔部,
5bは当該環状鍔部の下方部分に形成されて容器内部の負圧化を阻止するための減圧防止用孔部,
5cは後述の吸込弁作用部6bに対応した漏斗態様の環状受け部,
5dは当該環状受け部に形成された内容物の小径流入口,
5eは上端側内周面に複数形成された縦リブ状部,
6aは当該内側シリンダの底面部分に形成された貫通部,
6bは当該貫通部の近くに設けられた半球状の吸込弁作用部,
6cは当該吸込弁作用部を支持する複数の弾性片部,
6dは後述の内側コイルスプリング11を受ける環状底面部,
6eは後述の外側コイルスプリング10を受ける環状鍔部,
7aは最内側筒状部の内周面上側部分に形成された螺子部分(製品出荷時や製品陳列時などに操作ボタン1の螺子部分1aとの螺合状態に設定される),
7bは最内側筒状部の下端面部分,
7cは(当該筒状部の外側の)環状垂下部の外周面部分にシリンダ5の縦リブ状部5eと対応する形で複数形成された縦リブ状部,
8aは底面部分の径方向に複数形成された内容物通過用の溝状部,
8bはシリンダ5の内周面に常時密接するシール・被案内用のスカート部,
8cは環状垂下部2b(鞘状上側ピストン2)の内周面に常時密接するシール・被案内用のスカート部,
8dは図2の押下げモードや図3の復帰モードのときに吐出弁作用部2c(鞘状上側ピストン2)の外周面に密接するシール・弁作動用の逆スカート部(吐出弁作用部分),
8eは同じく押下げモードや復帰モードにおいて環状垂下部2b(鞘状上側ピストン2)の下端面に当接して当該環状上側ピストンを鞘状上側ピストン2と一体的に連動させる機能を備えた外側上面部分,
9aはシリンダ5の内周面に常時密接するシール・被案内用のスカート部,
9bは筒状下側ピストン4の孔部4aより下側の外周面に常時密接するシール・被案内用の逆スカート部,
9cは後述の外側コイルスプリング10を受ける環状段部,
12aは当該容器本体の首部,
Bは筒状下側ピストン4の流入口4c(中間弁)から孔部4aにいたるシリンダ内空間域からなる中間充填室,
Cは筒状下側ピストン4の孔部4aから鞘状上側ピストン2の吐出弁作用部2cおよび環状上側ピストン8の逆スカート部8d(吐出弁)にいたるシリンダ内空間域からなる下流側充填室,
s2は復帰モードでの容器本体側から上流側充填室Aへの内容物の概略的な流れ,
s3は遅延作動モードでの下流側充填室Cから外部空間への内容物の概略的な流れ,
をそれぞれ示している。
(21)利用者が図1の静止モードにおける操作ボタン1を押下げてこれと一体の連結ピストン(鞘状上側ピストン2,鞘状中間ピストン3および筒状下側ピストン4)を下動させることにより、中間弁作用部3aが環状受け部4bから離間して、上流側充填室Aの内容物が中間充填室Bおよび(吐出弁が閉状態の)下流側充填室Cに移動し(図2のs1)、
(22)この下流側充填室Cへの内容物移動にともなって環状下側ピストン9が内容物の圧力で下動することにより、(吐出弁が閉状態の)当該充填室Cに放出対象の内容物が収納され、
(23)その後利用者が操作ボタン1の押下げ操作を止めると、下流側充填室Cは、その内容物容積を略維持して吐出弁閉状態のまま、外側コイルスプリング10の付勢力などに基づいて上動していき(図3参照)、
(24)この上動途中の環状上側ピストン8の外側上面部分8eがカラーリング7の最内側筒状部の下端面部分7bに当接して停止した以後は、操作ボタン1および上記連結ピストンが環状上側ピストン8に対して上動し、その結果、吐出弁が開き、すなわち図4で示すように環状上側ピストン8の逆スカート部8dと鞘状上側ピストン2の外周面(吐出弁作用部2c)とのそれまでの密接状態が解除され、
(25)この密接状態解除により、下流側充填室Cの内容物は、外側コイルスプリング10の作用で上動を続ける環状下側ピストン9からいわば押し出される形で、開状態の吐出弁域や操作ボタン1の放出用通路1bを経て外部空間に流出する(図4のs3)、
ことである。
(31)先ず、当該操作ボタンと一体になっている鞘状上側ピストン2の環状垂下部2bの下端部分が、静止状態の環状上側ピストン8の外側上面部分8eに当接し、かつ、吐出弁作用部2cが逆スカート部8dに密接し、
(32)この当接(密接)後、環状上側ピストン8は鞘状上側ピストン2,鞘状中間ピストン3および筒状下側ピストン4と一体になって下動し、
(33)この筒状下側ピストン4の可動にともなって、上流側充填室Aの容積が小さくなり、そこの内容物圧力が大きくなるので、鞘状中間ピストン3の中間弁作用部3aがその支持用の弾性片部3bの弾性力に抗する形で上方に変位し、
(34)この中間弁作用部3aの変位により、それまで閉じていた筒状下側ピストン4の環状受け部4bとの間のエリアが開いた状態となり、
(35)この開状態の空間域や孔部4aを経て、上流側充填室Aの内容物が中間充填室Bおよび下流側充填室Cへと流入し(s1参照)、
(36)この下流側充填室Cへの内容物流入にともなって、その圧力を下方向に受ける環状下側ピストン9が外側コイルスプリング10の付勢力に抗する形で図2の下死点位置まで移動する、
ことになる。このとき吐出弁(2c,8d)は勿論閉じたままである。
(41)環状上側ピストン8は勿論この下端面部分7bとの当接状態で停止し、
(42)環状上側ピストン8の外側上面部分8dに載せられていた鞘状上側ピストン2,鞘状中間ピストン3,筒状下側ピストン4の連結ピストンは、内側コイルスプリング11の付勢力により上方向に移動し、
(43)この連結ピストン(鞘状上側ピストン2)の上動にともない、それまでの環状上側ピストン8の逆スカート部8dと鞘状上側ピストン2の吐出弁作用部2cとの密接状態が解除されて、吐出弁が開き、鞘状中間ピストン3の上面部分が環状上側ピストン8の底面部分と当接した状態に移行し、
(44)この吐出弁の開状態で環状下側ピストン9が外側コイルスプリング10の付勢力により上方向に移動して、これにより下流側充填室Cの内容物が「環状上側ピストン8の溝状部8a−吐出弁域−鞘状上側ピストン2の凹状部2a・内部空間域−操作ボタン1の放出用通路1b」などを経て外部空間にいわば押し出される、
ことになる。
図5は、本発明の遅延式ポンプ機構(その2)の静止モードを示し、
図6は、図5の操作ボタンをその最下動位置まで押下げた状態、すなわち中間弁が開いて上流側充填室Aの内容物が中間充填室Bおよび下流側充填室Cに移動する状態の押下げモードを示し、
図7は、図6の操作ボタンの押圧操作解除後であってまだ吐出弁(外部空間への出力弁)が閉じたままの状態、すなわち下流側充填室Cに内容物が閉じ込められてそのままピストン群がそれぞれ最初の静止モード位置の方に上動していく状態の復帰モードを示し、
図8は、図7の復帰モードの後半段階で吐出弁が開いた状態、すなわち下流側充填室Cの内容物が当該吐出弁から外部空間に放出される遅延作動モードを示している。
15は上部外周面の嵌合機能により操作ボタン1と一体化して外部空間への通路域を備えた筒状上側ピストン,
15aは当該筒状上側ピストンの最大径部分を構成している環状垂下部,
15bは環状垂下部15aに複数形成されて、後述の片部20bをガイドするスリット状部,
16aは底面部分の径方向に複数形成された内容物通過用の溝状部,
16bはシリンダ5の内周面に常時密接するシール・被案内用のスカート部
16cは中央部分に形成された筒状部,
16dは筒状部16cの下端側の内周部からなる吐出弁作用部,
16eは環状垂下部15aの下端が当接する上面部分,
19aは最内側筒状部の内周面上側部分に形成された螺子部分(製品出荷時や製品陳列時などに操作ボタン1の螺子部分1aとの螺合状態に設定される),
19bは最内側筒状部の下端面部分,
19cは(当該筒状部の外側の)環状垂下部の外周面部分にシリンダ5の縦リブ状部5eと対応する形で複数形成された縦リブ状部,
19dは最内側筒状部の内周面に形成された環状段部,
20aは筒状上側ピストン15の内周面に当接してシール作用を呈する上側スカート部,
20bは先端が環状段部19dに当接することで吐出弁作用を開状態にする複数の片部,
20cは筒状部16cの上側内周面に当接してシール作用を呈する下側スカート部,
20dは吐出弁作用部16dとの間に吐出弁作用を有する環状凸部,
20eは下側スカート部20cと環状凸部20dの間に形成された鞘状部の孔部,
B’は筒状下側ピストン4の流入口4c(中間弁)から孔部4aにいたるシリンダ内空間域からなる中間充填室,
C’は筒状下側ピストン4の孔部4aから環状上側ピストン16の吐出弁作用部16dおよび環状上側ピストン20の環状凸部20d(吐出弁)にいたるシリンダ内空間域からなる下流側充填室,
s5は復帰モードでの容器本体側から上流側充填室A’への内容物の概略的な流れ,
s6は遅延作動モードでの下流側充填室C’から外部空間への内容物の概略的な流れ,
をそれぞれ示している。
(51)利用者が図5の静止モードにおける操作ボタン1を押下げてこれと一体の筒状上側ピストン15と、当該筒状上側ピストン15の下端(環状垂下部15aの下端)に当接した連結ピストン(筒状下側ピストン4,環状上側ピストン16および鞘状中間部材17)を下動させることにより、環状凸部20dが吐出弁作用部16dに密接し、中間弁体18は環状受け部4bから離間して、上流側充填室A’の内容物が中間充填室B’および(吐出弁が閉状態の)下流側充填室Cに移動し(図6のs4)、
(52)この下流側充填室Cへの内容物移動にともなって環状下側ピストン9が内容物の圧力で下動することにより、(吐出弁が閉状態の)当該充填室C’に放出対象の内容物が収納され、
(53)その後利用者が操作ボタン1の押下げ操作を止めると、下流側充填室C’は、その内容物容積を略維持して吐出弁閉状態のまま、外側コイルスプリング10の付勢力に基づいて上動していき(図7参照)、
(54)この上動途中の鞘状上側ピストン20の片部20bがカラーリング19の環状段部19dに当接して停止した以後は、操作ボタン1,筒状上側ピストン15および上記連結ピストンが鞘状上側ピストン20に対して上動し、その結果、吐出弁が開き、すなわち図8で示すように鞘状上側ピストン20の環状凸部20dと環状上側ピストン16の吐出弁作用部16dとのそれまでの密接状態が解除され、
(55)この密接状態解除により、下流側充填室C’の内容物は、外側コイルスプリング10の作用で上動を続ける環状下側ピストン9からいわば押し出される形で、開状態の吐出弁域や操作ボタン1の放出用通路1bを経て外部空間に流出する(図8のs6)、
ことである。
(61)先ず、当該操作ボタンと一体になっている筒状上側ピストン15の環状垂下部15aの下端部分が、静止状態の環状上側ピストン16の上面部分16eに当接し、
(62)この当接後、筒状下側ピストン4,環状上側ピストン16および鞘状中間部材17は一体になって下動し、
(63)この下動の初期段階で、片部20bと環状段部19dが離間し、上側コイルスプリング21の付勢力により吐出弁作用部16dが環状凸部20dに密接して保持され、
(64)続くこの筒状下側ピストン4の下動にともなって、上流側充填室A’の容積が小さくなり、そこの内容物圧力が大きくなるので、中間弁体18がその自重に抗する形で上方に移動し、
(65)この中間弁体18の移動により、それまで閉じていた筒状下側ピストン4の環状受け部4bとの間のエリアが開いた状態となり、
(65)この開状態の空間域や孔部4aを経て、上流側充填室A’の内容物が中間充填室B’および下流側充填室C’へと流入し(s4参照)、
(66)この下流側充填室C’への内容物流入にともなって、その圧力を下方向に受ける環状下側ピストン9が外側コイルスプリング10の付勢力に抗する形で図6の下死点位置まで移動する、
ことになる。このとき吐出弁は勿論閉じたままである。
(71)鞘状上側ピストン20は勿論この下端面部分19bとの当接状態で停止し、
(72)環状上側ピストン8の環状凸部20dに当接していた筒状下側ピストン4,環状上側ピストン16および鞘状中間部材17の連結ピストンは、外側コイルスプリング10の付勢力により上側コイルスプリング21を圧縮しながら上方向に移動し、
(73)この連結ピストンの上動にともない、それまでの吐出弁作用部16dと環状凸部20dとの密接状態が解除されて、吐出弁が開き、環状上側ピストン16の上面部分16eがカラーリング19の下端面部分19bと当接した状態に移行し、
(74)この吐出弁の開状態で環状下側ピストン9が外側コイルスプリング10の付勢力により上方向に移動して、これにより下流側充填室Cの内容物が「環状上側ピストン16の溝状部16a−吐出弁域孔部20e−鞘状上側ピストン20の内部空間域−筒状上側ピストン15の内部空間域−操作ボタン1の放出用通路1b」などを経て外部空間にいわば押し出される、
ことになる。
(81)それまでの環状上側ピストン8との連動に基づく上方向への慣性力により吐出弁開状態に移行し、
(82)この移行後は、環状下側ピストン9の逆スカート部9bから受ける摩擦力により吐出弁開状態を維持する、
ことになる。
1a:螺子部分
1b:内容物の放出用通路
2:鞘状上側ピストン
2a:凹状部
2b:環状垂下部
2c:吐出弁作用部
3:鞘状中間ピストン
3a:中間弁作用部
3b:弾性片部
4:筒状下側ピストン
4a:孔部
4b:環状受け部
4c:流入口
4d:縦リブ状部
4e:スカート部
5:シリンダ
5a:環状鍔部
5b:減圧防止用孔部
5c:環状受け部
5d:小径流入口
5e:縦リブ状部
6:内側シリンダ
6a:貫通部
6b:吸込弁作用部
6c:弾性片部
6d:環状底面部
6e:環状鍔部
7:カラーリング
7a:螺子部分
7b:下端面部分
7c:縦リブ状部
8:環状上側ピストン
8a:内容物通過用の溝状部
8b:スカート部
8c:スカート部
8d:逆スカート部(吐出弁作用部分)
8e:外側上面部分
9:環状下側ピストン
9a:スカート部
9b:逆スカート部
9c:環状段部
10:外側コイルスプリング
11:内側コイルスプリング
12:容器本体
12a:首部
13:環状シール部材
14:カバーキャップ
15:筒状上側ピストン
15a:環状垂下部
15b:スリット状部
16:環状上側ピストン
16a:溝状部
16b:スカート部
16c:筒状部
16d:吐出弁作用部
16e:上面部分
17:鞘状中間部材
18:中間弁体
19:カラーリング
19a:螺子部分
19b:下端面部分
19c:縦リブ状部
19d:環状段部
20:鞘状上側ピストン
20a:上側スカート部
20b:片部
20c:下側スカート部
20d:環状凸部(吐出弁作用部分)
20e:孔部
21:上側コイルスプリング
A,A’:上流側充填室
B,B’:中間充填室
C,C’:下流側充填室
s1:上流側充填室Aから中間充填室Bおよび下流側充填室Cへの内容物の流れ
s2:容器本体側から上流側充填室Aへの内容物の流れ
s3:下流側充填室Cから外部空間への内容物の流れ
s4:上流側充填室A’から中間充填室B’および下流側充填室Cへの内容物の流れ
s5:容器本体側から上流側充填室A’への内容物の流れ
s6:下流側充填室C’から外部空間への内容物の流れ
Claims (6)
- 容器内容物が、利用者の放出操作終了時点よりも遅延して外部空間に放出される機能を備えた遅延ポンプ機構であって、
前記放出操作のための操作部と、
前記放出操作により、内容物の吸込弁から中間弁までの間の内容物圧力が増加する上流側空間域と、
前記内容物圧力の増加に応じて前記上流側空間域の前記中間弁が開くことにより、当該上流側空間域の内容物が、外部空間に放出されることなしに流入する下流側空間域と、
前記放出操作の終了にともない、前記下流側空間域を、その吐出弁が閉じて内容物が収納された状態のまま所定位置まで変位させて、その後、当該吐出弁が開いて当該内容物を前記外部空間に放出する遅延作動手段と、
を備えたことを特徴とする遅延ポンプ機構。 - 前記遅延作動手段は、
前記操作部と一体化して前記上流側空間域を形成する第1のピストンと、
前記中間弁の下流側において前記第1のピストンとともに前記下流側空間域を形成する第2および第3のピストンと、
前記第2のピストンを静止モード位置に付勢する第1の弾性部材と、
前記第1のピストンと前記第3のピストンとの間に形成される前記吐出弁と、
前記第3のピストンの前記所定位置を設定する規制部材と、を備えたものであり、
前記操作部の放出操作に基づく前記第1のピストンの移動により、
前記中間弁が開き、かつ前記吐出弁が閉じて、前記吸込弁が閉状態の前記上流側空間域の内容物を前記下流側空間域に流入させるともに、前記第3のピストンが前記第1のピストンと連動し、
前記吐出弁が閉じた状態の前記下流側空間域への内容物流入にともなって、前記第2のピストンが前記第1の弾性部材に抗する形で移動し、
前記操作部の放出操作終了後の前記第1の弾性部材に基づく前記第2のピストンの復帰動作により、
前記吐出弁がそれまでと同じように閉じて前記下流側空間域の内容物を保持したまま、前記第1および前記第3の各ピストンが前記規制部材の方に連動し、
前記第3のピストンが前記規制部材の作用により停止した後、前記第1のピストンがさらに移動することにより前記吐出弁が開いて、
前記下流側空間域の内容物が、開状態の前記吐出弁から外部空間に、前記第1の弾性部材の前記第2のピストンに対する付勢力で放出される、
ことを特徴とする請求項1記載の遅延ポンプ機構。 - 前記上流側空間域は、
前記第1のピストンとシリンダとの間に設定される空間域であり、
前記下流側空間域は、
前記第1のピストン,その外側の前記第2および前記第3の各ピストンと、シリンダとの間に設定される空間域である、
ことを特徴とする請求項2記載の遅延ポンプ機構。 - 前記遅延作動手段は、
前記第1のピストンを静止モード位置に付勢する第2の弾性部材を、
備えていることを特徴とする請求項2記載の遅延ポンプ機構。 - 前記上流側空間域への流入口は、
そこでの内容物流入抵抗を大きくして、前記第1および前記第3の各ピストンが前記規制部材の方に連動するときの速度を低下させるものである、
ことを特徴とする請求項2記載の遅延ポンプ機構。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の遅延ポンプ機構を備え、かつ、内容物を収容した、
ことを特徴とするポンプ式製品。
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