JP2008293616A - 不揮発性半導体記憶装置の消去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 しきい値電圧の一括消去処理による低下量と修復書き込み処理による上昇量を考慮し、消去処理をより確実に完了させることが可能な消去方法を提供する。
【解決手段】 消去ベリファイ工程と全メモリセルに対する一括消去工程を含み、繰り返し実行するように構成された基準消去工程の全部或いは一部が、過消去状態か否かを判定する過消去ベリファイ工程と過消去状態を消去状態に修復する修復工程を含んでおり、2回目以降の一括消去工程が、前回の一括消去工程における消去電圧パルスの振幅またはパルス幅の少なくとも何れか一方を増加させた消去電圧パルスを用いて一括消去処理を実行し、或いは、2回目以降の前記修復工程が、前回の修復工程における修復書き込み電圧パルスの振幅またはパルス幅の少なくとも何れか一方を減少させた修復書き込み電圧パルスを用いて修復書き込み処理を実行するように構成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】 消去ベリファイ工程と全メモリセルに対する一括消去工程を含み、繰り返し実行するように構成された基準消去工程の全部或いは一部が、過消去状態か否かを判定する過消去ベリファイ工程と過消去状態を消去状態に修復する修復工程を含んでおり、2回目以降の一括消去工程が、前回の一括消去工程における消去電圧パルスの振幅またはパルス幅の少なくとも何れか一方を増加させた消去電圧パルスを用いて一括消去処理を実行し、或いは、2回目以降の前記修復工程が、前回の修復工程における修復書き込み電圧パルスの振幅またはパルス幅の少なくとも何れか一方を減少させた修復書き込み電圧パルスを用いて修復書き込み処理を実行するように構成されている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、不揮発性半導体記憶装置の消去方法に関する。
従来、フラッシュメモリ等の不揮発性半導体記憶装置は、一般的に、メモリセルの複数で構成されるメモリセルブロックを所定数備えて構成されるメモリセルアレイを備えており、所定数のメモリセルで構成されるアドレス単位での読み出し処理、アドレス単位での書き込み処理、複数アドレスで構成されるメモリセルブロック単位での一括消去処理を実行可能に構成されている。
以下、従来技術に係るフラッシュメモリの構成及び処理動作について、図9〜図13を基に説明する。
先ず、従来技術に係るフラッシュメモリの一構成例について、図9及び図10を基に簡単に説明する。ここで、図9は、従来技術に係るメモリセルアレイの概略構成例を示しており、図10は、一般的なETOX型フラッシュメモリのメモリセルの概略構成を示している。
具体的には、従来技術に係るフラッシュメモリは、図9に示すように、メモリセルの複数を行及び列方向にマトリクス状に配列して構成されたメモリセルブロックを、所定数備えて構成されるメモリセルアレイを備えて構成されている。尚、図9では、説明のために、メモリセルアレイ内の1つのメモリセルブロックの構成について示している。
メモリセルMは、図10に示すように、P型半導体基板1005上にフローティングゲート1002を介して形成された制御ゲート1001、フローティングゲート1002の下部領域に隣接する領域であって、P型半導体基板1005内に形成されたN型拡散領域であるドレイン1003及びソース1004を備えて構成されている。
フローティングゲート1002は制御ゲート1001やP型半導体基板1005等と電気的に絶縁されており、フローティングゲート1002内に蓄積された電荷の多寡により、メモリセルの特性、即ち、記憶状態が変化する。
ここで、図11は、2値メモリセルのしきい値電圧分布の一例を模式的に示している。図11に示す2値メモリセルでは、比較的低い電圧を制御ゲート1001に印加すればドレイン1003とソース1004間のP型半導体基板1005内領域にチャネル領域を発生させることができる状態、即ち、しきい値電圧が低い状態を消去状態“1”とし、しきい値電圧が高い状態を書き込み状態“0”としている。より具体的には、図11に示す2値メモリセルの場合、しきい値電圧が電圧Ve0〜Veの範囲内にあるメモリセルMは消去状態“1”に、しきい値電圧が電圧Vw以上であるメモリセルMは、書き込み状態“0”に分類される。
尚、図11では、消去状態に対し“1”を、書き込み状態に対し“0”を割り当てる場合について説明したが、各状態に割り当てる値は任意である。また、参照電圧Vrは、読み出し処理においてメモリセルの記憶状態の判定に用いる参照電圧の値を示している。
図12は、消去状態及び複数の書き込み状態に対応する3値以上の情報を記憶可能に構成された多値メモリセルの一例として、4値メモリセルのしきい値電圧分布を模式的に示している。図12に示す4値メモリセルでは、しきい値電圧が最も低い電圧Ve0〜Veの範囲内にある4値メモリセルを消去状態“11”に、しきい値電圧がVw10を下限値とする領域にある4値メモリセルを書き込み状態“10”に、しきい値電圧がVw01を下限値とする領域にある4値メモリセルを書き込み状態“01”に、しきい値電圧が電圧Vw00以上である4値メモリセルを書き込み状態“00”に分類している。
尚、図12では、消去状態に対し“11”を、各書き込み状態に対し、しきい値の低い順に“10”“01”“00”を割り当てる場合について説明したが、各状態に割り当てる値は任意である。また、参照電圧VrL、参照電圧VrM、参照電圧VrHは、読み出し処理においてメモリセルの記憶状態の判定に用いる参照電圧の値を示している。
メモリセルアレイは、図9に示すように、m×n個のメモリセルMをマトリクス状に配列して構成されており、同一行のメモリセルMの制御ゲート1001を相互に接続して共通のワード線WL0〜WLm−1(mは2以上の整数)とし、同一列のメモリセルMのドレイン1003を相互に接続して共通のビット線BL0〜BLn−1(nは2以上の整数)としている。更に、メモリセルMのソース1004を共通のソース線SLに接続して構成されている。
尚、図示しないが、メモリセルアレイの周囲には、アドレス信号に含まれるロウアドレスをデコードし、読み出し処理や書き込み処理の処理対象となるメモリセルMの制御ゲート1001に接続する選択ワード線に、各処理に応じて設定された電圧を印加するロウデコーダ、アドレス信号に含まれるカラムアドレスをデコードし、処理対象のビット線を選択するカラムデコーダ、ソース線SLに対する印加電圧を切り替えるソーススイッチ等を備えている。
続いて、従来技術に係るメモリセルアレイに対する読み出し処理、書き込み処理、一括消去処理の動作原理を図13に基づいて簡単に説明する。以下、簡単のために、2値メモリセルに対するアドレス単位での読み出し処理、アドレス単位での書き込み処理、複数アドレスからなるメモリセルブロック単位での一括消去処理について夫々説明する。ここで、図13は、2値メモリセルに対する読み出し処理、書き込み処理、一括消去処理の夫々における電圧条件を示している。
読み出し処理では、図13に示すように、ロウデコーダが、アドレス信号に含まれるロウアドレスにより特定される選択ワード線に対し、正電圧の制御ゲート電圧5Vを印加し、選択ワード線以外の非選択ワード線に、0Vを印加する。ソーススイッチはソース線SLにソース電圧0Vを印加する。カラムデコーダは、各ビット線BL0〜BLn−1の内読み出し処理対象となるメモリセルに接続されたビット線をセンスアンプに接続し、正電圧のドレイン電圧1Vを印加する。尚、読み出し処理対象ではない非選択ワード線に接続されたメモリセルについては、制御ゲート及びソースに0Vが印加されることから、ゲート・ソース間に電圧差がほとんど生じないため、非選択メモリセルには記憶状態に関係なく電流は流れず、読み出し処理にほぼ影響を与えない。
より具体的には、上述した読み出し処理では、図10に示すメモリセルMの制御ゲート1001に5V、ドレイン1003に1V、ソース1004に0Vが印加される。このとき、ドレイン1003・ソース1004間のP型半導体基板1005内領域にチャネル領域が発生し電流が流れるが、メモリセルMが消去状態である場合には、しきい値電圧が低いため、ドレイン1003・ソース1004間に比較的大きな電流が流れる。これに対し、メモリセルMが書き込み状態である場合には、しきい値電圧が高いため、ドレイン1003・ソース1004間には比較的小さな電流しか流れない。これにより、センスアンプ回路において、メモリセルMに流れる電流値から求められるメモリセルMのしきい値電圧に基づいて記憶状態を判定することが可能になる。
例えば、図11に示す2値メモリセルの場合には、メモリセルMのしきい値電圧の値が、読み出し処理における参照電圧Vrより小さい場合は、消去状態“1”と判定し、参照電圧Vrより大きい場合は、書き込み状態“0”と判定する。
書き込み処理では、図13に示すように、ロウデコーダが、書き込み処理の対象となる書き込み対象メモリセルMの制御ゲート1001に接続する選択ワード線に対し、正電圧の制御ゲート電圧10Vを印加し、書き込み処理の対象とならないメモリセルMの制御ゲート1001に接続する非選択ワード線に対し、0Vを印加する。ソーススイッチはソース線SLにソース電圧0Vを印加する。カラムデコーダは、各ビット線BL0〜BLn−1の内の書き込み処理対象の選択ビット線に対し、正電圧のドレイン電圧5Vを印加する。尚、読み出し処理の場合と同様に、非選択メモリセルの制御ゲート及びソースには0Vが印加されることから、非選択メモリセルの特性は影響を受けない。
より具体的には、上述した書き込み処理では、図10に示すメモリセルMの制御ゲート1001に10V、ドレイン1003に5V、ソース1004に0Vが印加される。ドレイン1003に高い正電圧を印加することにより、ソース1004近傍のチャネル領域に高エネルギのホットエレクトロンを発生させ、更に、制御ゲート1001にドレイン1003よりも高い正電圧を印加することで、ホットエレクトロンを一定の確率でフローティングゲート1002に注入させる。この書き込み処理は、CHE方式(チャネル・ホット・エレクトロン方式)と呼ばれている。この書き込み処理では、図11において、メモリセルMのしきい値電圧の値が電圧Vwの値を超えた場合に、書き込み処理が正常に終了したと判定する。
一括消去処理では、図13に示すように、ロウデコーダが、一括消去処理の対象となる消去対象メモリセルブロックの全てのワード線WL0〜WLm−1に対し、負電圧の制御ゲート電圧−10Vを印加する。ソーススイッチは、消去対象メモリセルブロックのソース線SLに高い正電圧のソース電圧10Vを印加する。これにより、消去対象メモリセルブロックを構成するm×n個の全てのメモリセルが一括して消去される。
より具体的には、上述した一括消去処理では、図10に示すメモリセルMの制御ゲート1001に−10Vを、ソース1004に10Vが印加される。このような条件で電圧を印加すると、フローティングゲート1002に蓄積された電荷は、トンネル効果によりソース1004に抜ける。尚、この現象は、FNトンネル現象(Fowler Nordheim Tunneling)と呼ばれている。一括消去処理では、図11において、メモリセルMのしきい値電圧の値が、電圧Veの値より小さくなった場合に、一括消去処理が正常に終了したと判定する。
ところで、フラッシュメモリ等の不揮発性半導体記憶装置における一括消去処理では、フローティングゲート1002内の電荷量が非常に少なくなり、しきい値電圧の値が消去状態のしきい値電圧の下限値、例えば、図11において、電圧Ve0より小さい過消去状態のメモリセル(過消去メモリセル)が発生する場合がある。
過消去メモリセルが存在すると、読み出し処理や書き込み処理の実行に支障が生じる場合がある。具体的には、例えば、過消去メモリセルに接続されているビット線に接続された他のメモリセルに対する読み出し処理を実行する場合、読み出し処理の対象とならない非選択ワード線に接続されたメモリセルの制御ゲート及びソースには、上述したように、0Vが印加される。このとき、通常の非選択メモリセルのゲート・ソース間には電圧差がほとんど生じないが、過消去状態の非選択ワード線に接続されたメモリセルの場合、しきい値電圧が負電圧となって非常に低いため、完全にオフせず、無視できない程度の電流を流すことがある。この電流は、読み出し処理における誤読み出しの原因となる。
また、例えば、過消去メモリセルと同一のビット線に接続された他のメモリセルに対する書き込み処理を実行する場合には、ビット線(ドレイン)に高電圧を印加するが、過消去状態の非選択メモリセルが流す電流によりビット線電圧が低下し、書き込み対象のメモリセルへの書き込み処理が正常に実行できなくなる可能性がある。
尚、近年、様々な要因により、過消去メモリセルが発生し易くなってきている。具体的には、例えば、過消去メモリセルの発生率増加要因として、加工プロセスの微細化や、記憶容量の増大に伴うメモリセル数の増大による一括消去処理の消去対象メモリセルブロックのメモリセル数の増大がある。
微細化が進むと、一般的に、製造バラツキに起因するメモリセル特性のバラツキが大きくなり、一括消去処理におけるメモリセルの消去速度のバラツキが大きくなる。また、消去対象メモリセルブロックのメモリセル数が増大すると、バラツキの大きいメモリセル数も増大する。そして、一括消去処理では、メモリセルブロック単位で消去処理を実行することから、比較的早く消去状態となるメモリセル及び比較的遅く消去状態となるメモリセルの何れにも、同じ回数の消去処理が実行されることとなる。このため、比較的遅く消去状態となるメモリセルが消去状態になるまで一括消去処理を繰り返し実行すると、比較的早く消去状態となるメモリセルは、消去状態となった後も必要以上に消去処理が実行されることとなり、過消去状態となる。
このため、従来の不揮発性半導体記憶装置には、過消去メモリセルによる読み出し処理や書き込み処理における不具合を防止するために、例えば、一括消去処理において発生した過消去メモリセルに対し、記憶状態を過消去状態から消去状態に修復する修復書き込み処理を実行するものがある。
以下、修復書き込み処理を実行する場合の一括消去処理の処理手順について図14を基に説明する。ここで、図14は、修復書き込み処理を実行する場合の一括消去処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。尚、ここでは、簡単のために、消去対象メモリセルブロックのメモリセルが、図11に示す2値メモリセルである場合を想定して説明する。
不揮発性半導体記憶装置は、先ず、現在の処理対象のアドレスを示すアドレス変数の値を初期化する(ステップ#1001)。ここでは、アドレス変数に、消去対象メモリセルブロックの先頭アドレスが設定される。次に、消去対象メモリセルブロック内の全てのメモリセルに対し、所定の消去電圧条件で消去電圧パルスを印加して一括消去処理を実行する(ステップ#1002)。
引き続き、消去対象メモリセルブロック内のメモリセルの夫々に対し、メモリセルの記憶状態が未消去状態であるか否かを判定する消去ベリファイ処理を実行する(ステップ#1003)。ここでの消去ベリファイ処理は、アドレス単位で実行するように構成されており、アドレス変数が示すアドレスのメモリセルMの夫々に対し、未消去状態であるか否かを判定する。また、未消去状態であるか否かの判定は、具体的には、各メモリセルMのしきい値電圧と図11に示す参照電圧Veを比較し、メモリセルMのしきい値電圧が電圧Veより大きい場合に、未消去状態であると判定する。
ステップ#1003において消去ベリファイ処理が実行されたメモリセルMに、未消去状態と判定された未消去メモリセルが1つでも含まれている場合は、ステップ#1002に移行して(ステップ#1004でNo分岐)、再度、消去電圧条件により消去電圧パルスの振幅及びパルス幅等を再設定し、再設定した消去電圧パルスを印加して一括消去処理を実行する(ステップ#1002)。
ステップ#1003において消去ベリファイ処理が実行されたメモリセルMに未消去状態と判定された未消去メモリセルが含まれていない場合は(ステップ#1004でYes分岐)、ステップ#1005に移行して、アドレス変数の値をインクリメントする(ステップ#1005)。消去対象メモリセルブロック内に消去ベリファイ処理が完了していないアドレスがある場合は(ステップ#1006でNo分岐)、ステップ#1002に移行して、アドレス変数が示すアドレスのメモリセルMに対する消去ベリファイ処理を実行する。
消去対象メモリセルブロック内の全てのアドレスに対する一括消去処理が完了すると(ステップ#1006でYes分岐)、アドレス変数の値を初期化し、消去対象メモリセルブロックの先頭アドレスを設定する(ステップ#1007)。続いて、消去対象メモリセルブロック内のメモリセルの夫々に対し、過消去状態であるか否かを判定する過消去ベリファイ処理を実行する(ステップ#1008)。ここでの過消去ベリファイ処理は、アドレス単位で実行するように構成されており、アドレス変数が示すアドレスのメモリセルMの夫々に対し、過消去状態であるか否かを判定する。また、過消去状態であるか否かの判定は、具体的には、各メモリセルMのしきい値電圧と図11に示す参照電圧Ve0を比較し、メモリセルMのしきい値電圧が電圧Ve0より小さい場合に、過消去状態であると判定する。
ステップ#1008において過消去ベリファイ処理が実行されたメモリセルMに、過消去状態と判定されたメモリセルMがある場合は(ステップ#1009でYes分岐)、過消去状態のメモリセルMに対する修復書き込み処理を実行し(ステップ#1010)、その後、ステップ#1008に移行する。ここでは、修復書き込み処理として、通常の書き込み処理における書き込み電圧パルスよりも電圧振幅またはパルス幅の小さい修復書き込み電圧パルスを用いた弱書き込み処理を実行する。過消去状態は、上述したように、例えば、図10において、メモリセルMのフローティングゲート1002内の電荷量が非常に少なくなり、しきい値電圧が下がり過ぎて図11に示す電圧Ve0より小さくなっている状態である。従って、弱書き込み処理により、フローティングゲート1002内の電荷量を増やし、しきい値電圧を上昇させて電圧Ve0より高くすることで、メモリセルの記憶状態を過消去状態から消去状態に修復することができる。尚、過消去メモリセルに対して通常の書き込み処理を実行すると、しきい値電圧が上がり過ぎ、消去状態のしきい値電圧の上限値Veを超える可能性があるので、適切に消去状態の電圧範囲Ve0〜Veに書き込むために、弱書き込み処理を実行する。
ステップ#1008において過消去ベリファイ処理が実行されたメモリセルMに、過消去状態と判定されたメモリセルがない場合は(ステップ#1009でNo分岐)、アドレス変数の値をインクリメントして更新し(ステップ#1011)、アドレス変数の値が、消去対象メモリセルブロック内の過消去ベリファイ処理を実行していないアドレスを示す場合は(ステップ#1012でNo分岐)、ステップ#1008に移行してアドレス変数が示すアドレスのメモリセルMに対し過消去ベリファイ処理を実行する。消去対象メモリセルブロック内の全てのアドレスに対して過消去ベリファイ処理が実行されると(ステップ#1012でYes分岐)、処理を終了する。
尚、図14に示すフローチャートにおいて、ステップ#1002の一括消去処理の実行回数をカウントし、所定回数内に消去処理が完了しない場合に、処理を終了してエラー出力するように構成しても良い。
図15は、図14に示す一括消去処理、消去ベリファイ処理、過消去ベリファイ処理及び修復書き込み処理における消去対象の選択メモリセルの制御ゲート電圧の遷移と、デバイスの消費電流の遷移を示している。電圧VGNDは接地電圧を示している。
時間t0〜te1の初期設定時(図14のステップ#1001)、図10に示すメモリセルMの制御ゲート1001のゲート電圧は、図15に示すように、0V(電圧VGND)となっている。時間te1において、一括消去処理が開始されると(図14のステップ#1002)、消去対象メモリセルブロック内の全てのメモリセルMの制御ゲート1001に、負電圧の消去電圧パルスVn1が印加される。このときの消費電流Wn1は、図13に示す電圧条件で消去処理を行う場合、ソース1004から半導体基板1005へ抜けるバンド間電流が支配的であるため、消去電圧パルスVn1の印加開始からの経過時間に応じて減少する。
引き続き、時間tev1において、消去ベリファイ処理が開始されると(図14のステップ#1003)、消去対象メモリセルブロック内のメモリセルの制御ゲートに、正電圧の消去ベリファイ電圧パルスVev1が印加される。尚、消去ベリファイ処理における消費電流Wev1〜Wevk(kは1以上の整数)は、センスアンプを駆動するため、一括消去処理における消費電流Wn1〜Wnkよりも大きくなる。同様にして、消去対象メモリセルブロック内の全てのメモリセルについて未消去状態ではないと判定されるまで、一括消去処理及び消去ベリファイ処理が繰り返し実行される。
時間toev1において、過消去ベリファイ処理が開始されると(図14のステップ#1008)、過消去ベリファイ処理の対象となるメモリセルの制御ゲートに、正電圧の過消去ベリファイ電圧パルスVoev1が印加される。尚、過消去ベリファイ処理では、メモリセルのしきい値電圧を、消去ベリファイ処理における参照電圧Veより低い参照電圧Ve0と比較する。尚、ここでは、消去ベリファイ処理で用いた参照電圧と同じ参照電圧を用いて過消去状態であるか否かを判定することから、電圧Ve0及び電圧Veの関係に応じて、過消去ベリファイ電圧パルスVoev1の電圧振幅を消去ベリファイ電圧パルスVev1〜Vevkの電圧振幅より大きく(電圧Voev>電圧Vev)設定している。また、過消去ベリファイ処理における消費電流Woev1は、図15に示すように、過消去ベリファイ電圧パルスVoev1の電圧振幅が、消去ベリファイ電圧パルスVev1〜Vevkの電圧振幅より大きく設定されているため、消去ベリファイ処理における消費電流Wev1〜Wevkよりも大きくなる。
時間toep1において、修復書き込み処理が開始されると(図14のステップ#1010)、修復書き込み処理の対象となる過消去メモリセルの制御ゲートに、正電圧の修復書き込み電圧パルスVoepが印加される。修復書き込み電圧パルスVoepは、メモリセルの特性等に応じて、電圧振幅及びパルス幅が設定される。修復書き込み処理における消費電流Woep1は、修復書き込み処理の対象となる過消去メモリセルの数が、一括消去処理、消去ベリファイ処理及び過消去ベリファイ処理の処理対象となるメモリセル数に比べて少ないことから、他の処理における消費電流よりも小さくなる。同様にして、過消去状態のメモリセルが判定されなくなるまで、過消去ベリファイ処理と修復書き込み処理を繰り返し実行する。
尚、図15に示すように、時間toev1以前は一括消去処理と消去ベリファイ処理が繰り返し実行され、時間toev1以降は過消去ベリファイ処理と修復書き込み処理が繰り返し実行されることから、時間toev1の前後でメモリセルの制御ゲートの電圧変動により、処理内容が明確に判別できる。
過消去メモリセルによる読み出し処理や書き込み処理における不具合を防止するための他の技術には、例えば、読み出し処理において、過消去メモリセルのリーク電流を遮断するために、選択ワード線に正電圧を、非選択ワード線に負電圧を印加する不揮発性半導体記憶装置がある(例えば、特許文献2参照)。また、例えば、いかなる状態のメモリセルであっても強制的にオフできるオフ電圧を生成するオフ電圧発生手段を備え、過消去ベリファイ処理の実行時に、過消去ベリファイ処理の対象とならないメモリセルの制御ゲートにオフ電圧を印加する不揮発性半導体記憶装置がある(例えば、特許文献3参照)。
更に、例えば、一括消去処理及び消去ベリファイ処理を繰り返し実施し、一括消去処理の実行中に、所定の時間間隔でリークチェックを行い、リークチェックの結果がNGの場合に、一括消去処理を中断して過消去ベリファイ処理及び弱書き込み処理を実施し、過消去ベリファイ処理及び弱書き込み処理の実行終了後、中断していた一括消去処理を再開する不揮発性半導体記憶装置がある(例えば、特許文献1参照)。尚、特許文献1に記載の不揮発性半導体記憶装置では、一括消去処理及び消去ベリファイ処理の繰り返し中に、一括消去処理の実行を中断して過消去ベリファイ処理及び弱書き込み処理を実施するので、過消去メモリセルの発生をより早い段階で検出して解消することができる。
しかしながら、図14に示す消去処理手順で一括消去される不揮発性半導体記憶装置や、特許文献1に記載の不揮発性半導体記憶装置では、一括消去処理による消去対象メモリセルのしきい値電圧の低下量と、修復書き込み処理(弱書き込み処理)による過消去メモリセルのしきい値電圧の上昇量のバランスが考慮されていない。このため、一括消去処理により過消去状態となり、弱書き込み処理により未消去状態となるメモリセルが発生する可能性があり、このような消去対象メモリセルの場合、しきい値電圧を消去状態の範囲内にすることができず、消去処理が正常に終了できない場合が生じる可能性があるという問題がある。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、一括消去処理によるメモリセルのしきい値電圧の低下量と、修復書き込み処理によるメモリセルのしきい値電圧の上昇量のバランスを考慮して、消去処理をより確実に正常に完了させることができる不揮発性半導体記憶装置の消去方法を提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、メモリセルの複数を備えるメモリセルアレイを備え、所定数の前記メモリセルからなるメモリセル群単位での一括消去処理を実行可能な不揮発性半導体記憶装置の消去方法であって、一括消去処理の対象である消去対象メモリセル群の前記メモリセルの夫々に対し、前記メモリセルの記憶状態が未消去状態であるか否かを判定する消去ベリファイ処理を実行する消去ベリファイ工程と、前記消去ベリファイ工程において前記未消去状態であると判定された前記メモリセルがある場合に、前記消去対象メモリセル群を構成する全ての前記メモリセルに対し、所定の消去電圧条件に基づいて消去電圧パルスを印加する一括消去処理を実行する一括消去工程と、前記消去対象メモリセル群の前記メモリセルの夫々に対し、前記メモリセルの記憶状態が過消去状態であるか否かを判定する過消去ベリファイ処理を実行する過消去ベリファイ工程と、前記過消去ベリファイ工程において前記過消去状態であると判定された前記メモリセルがある場合に、前記過消去状態の前記メモリセルに対し、前記過消去状態を修復するための修復電圧条件に基づいて修復書き込み電圧パルスを印加する修復書き込み処理を実行する修復工程と、を備え、前記消去ベリファイ工程及び前記一括消去工程を含む基準消去工程を繰り返し実行する際に、毎回、或いは、所定の修復実行条件に合致した場合にのみ、前記過消去ベリファイ工程及び前記修復工程を前記基準消去工程内において実行し、2回目以降の前記一括消去工程において、前記消去電圧条件に基づいて、前回の前記一括消去工程における前記消去電圧パルスの振幅またはパルス幅の少なくとも何れか一方を増加させた前記消去電圧パルスを用いて前記一括消去処理を実行することを第1の特徴とする。
上記目的を達成するための本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の消去方法は、メモリセルの複数を備えるメモリセルアレイを備え、所定数の前記メモリセルからなるメモリセル群単位での一括消去処理を実行可能な不揮発性半導体記憶装置の消去方法であって、一括消去処理の対象である消去対象メモリセル群の前記メモリセルの夫々に対し、前記メモリセルの記憶状態が未消去状態であるか否かを判定する消去ベリファイ処理を実行する消去ベリファイ工程と、前記消去ベリファイ工程において前記未消去状態であると判定された前記メモリセルがある場合に、前記消去対象メモリセル群を構成する全ての前記メモリセルに対し、所定の消去電圧条件に基づいて消去電圧パルスを印加する一括消去処理を実行する一括消去工程と、前記消去対象メモリセル群の前記メモリセルの夫々に対し、前記メモリセルの記憶状態が過消去状態であるか否かを判定する過消去ベリファイ処理を実行する過消去ベリファイ工程と、前記過消去ベリファイ工程において前記過消去状態であると判定された前記メモリセルがある場合に、前記過消去状態の前記メモリセルに対し、前記過消去状態を修復するための修復電圧条件に基づいて修復書き込み電圧パルスを印加する修復書き込み処理を実行する修復工程と、を備え、前記消去ベリファイ工程及び前記一括消去工程を含む基準消去工程を繰り返し実行する際に、毎回、或いは、所定の修復実行条件に合致した場合にのみ、前記過消去ベリファイ工程及び前記修復工程を前記基準消去工程内において実行し、2回目以降の前記修復工程において、前記修復電圧条件に基づいて、前回の前記修復工程における前記修復書き込み電圧パルスの振幅またはパルス幅の少なくとも何れか一方を減少させた前記修復書き込み電圧パルスを用いて前記修復書き込み処理を実行することを第2の特徴とする。
上記特徴の本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の消去方法は、2回目以降の前記一括消去工程において、前記消去電圧条件に基づいて、前回の前記一括消去工程における前記消去電圧パルスの振幅またはパルス幅の少なくとも何れか一方を増加させた前記消去電圧パルスを用いて前記一括消去処理を実行することを第3の特徴とする。
上記何れかの特徴の本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の消去方法は、前記修復工程において、前記過消去状態の前記メモリセルの複数に対して同時に前記修復書き込み電圧パルスを印加して前記修復書き込み処理を実行することを第4の特徴とする。
上記何れかの特徴の本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の消去方法は、前記過消去ベリファイ工程において、前記過消去ベリファイ処理の実行において、前記過消去ベリファイ処理の結果を、所定のバッファ回路に記憶し、前記修復工程において、前記バッファ回路に記憶された前記過消去ベリファイ処理の結果に基づいて、前記修復書き込み処理を実行することを第5の特徴とする。
上記何れかの特徴の本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の消去方法は、前記メモリセルが消去状態及び複数の書き込み状態に対応する3値以上の情報を記憶可能に構成され、前記不揮発性半導体記憶装置が、前記メモリセルの記憶状態を2値判定するセンスアンプの複数からなるセンスアンプ群を、所定の前記メモリセル別に備えたセンスアンプ回路を備えて構成され、前記消去ベリファイ工程において、消去対象の前記メモリセル毎に、対応する前記センスアンプ群を構成する前記センスアンプの内の1つを用いて前記消去ベリファイ処理を実行し、前記過消去ベリファイ工程において、消去対象の前記メモリセル毎に、対応する前記センスアンプ群を構成する前記センスアンプの内、前記消去ベリファイ処理で用いる前記センスアンプを除く他の1つのセンスアンプを用い、前記過消去ベリファイ処理を、前記消去ベリファイ処理と同時に実行することを第6の特徴とする。
上記特徴の不揮発性半導体記憶装置の消去方法によれば、消去ベリファイ工程及び一括消去工程を含む基準消去工程を繰り返し実行するように構成し、更に、基準消去工程の全部或いは一部が過消去ベリファイ工程及び修復工程を含むように構成して、基準消去工程の実行毎に、一括消去処理におけるメモリセルのしきい値電圧の低下量が、修復書き込み処理におけるメモリセルのしきい値電圧の上昇量に対し、相対的且つ段階的に大きくなるように構成したので、メモリセルの記憶状態をより確実に消去状態にすることが可能になる。
具体的には、例えば、図14に示す消去処理手順で一括消去される従来の不揮発性半導体記憶装置や特許文献1〜3に記載の不揮発性半導体記憶装置のように、一括消去処理におけるメモリセルのしきい値電圧の低下量と修復書き込み処理におけるメモリセルのしきい値電圧の上昇量の関係が固定的に設定されている場合には、消去対象のメモリセルの特性によっては、基準消去工程を繰り返した場合に、記憶状態が過消去状態と未消去状態を往復し、消去状態にすることが困難な場合が生じることが考えられる。これに対し、上記特徴の不揮発性半導体記憶装置では、基準消去工程の実行毎に、一括消去処理におけるメモリセルのしきい値電圧の低下量と修復書き込み処理におけるメモリセルのしきい値電圧の上昇量の関係を可変に構成したので、基準消去工程を繰り返し実行することにより、消去対象のメモリセルの特性によらず、記憶状態をより確実に消去状態にすることができる。
また、上記特徴の不揮発性半導体記憶装置の消去方法によれば、一括消去処理におけるメモリセルのしきい値電圧の低下量、または、修復書き込み処理におけるメモリセルのしきい値電圧の上昇量の設定を、電圧振幅またはパルス幅で調整するように構成したので、装置構成を複雑化することなく比較的容易に本発明装置を構築することができる。
更に、上記第5の特徴の不揮発性半導体記憶装置の消去方法の如く、修復書き込み処理をメモリセル単位ではなく、複数のメモリセルからなるバッファ単位で実行するように構成すれば、修復書き込み処理に係る時間を低減できる。また、バッファ書き込み処理を実行可能な不揮発性半導体記憶装置の場合に、バッファ書き込み用のバッファ回路を、修復書き込み処理に流用すれば、新たに専用のバッファ回路を設ける必要がなく、チップ面積を増大させることがない。
上記第6の特徴の不揮発性半導体記憶装置の消去方法の如く、メモリセルアレイが3値以上の情報を記憶可能な多値メモリセルで構成され、1つのメモリセルに2値判定を行うセンスアンプが複数備えられている場合、1つのセンスアンプを消去ベリファイ処理に、他の1つのセンスアンプを過消去ベリファイ処理に利用するように構成すれば、消去ベリファイ処理と過消去ベリファイ処理を同時に実行することが可能になる。これによって、消去ベリファイ処理及び過消去ベリファイ処理の全体で処理時間を短縮することが可能になる。
以下、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の消去方法(以下、適宜「本発明方法」と略称する)の実施形態を図面に基づいて説明する。
〈第1実施形態〉
本発明方法の第1実施形態について、図1〜図4を基に説明する。
本発明方法の第1実施形態について、図1〜図4を基に説明する。
先ず、本発明方法を適用する不揮発性半導体記憶装置の構成について、図1を基に簡単に説明する。ここで、図1は、不揮発性半導体記憶装置1において、本発明方法の実行に係る部分の概略部分構成例を示している。
不揮発性半導体記憶装置1は、図1に示すように、メモリセルの複数を行及び列方向にマトリクス状に配列して構成されたメモリセルブロックを所定数備えて構成されるメモリセルアレイ70、装置外部から制御線L2を介して制御信号を、アドレス線L3を介してアドレス信号を受け付け、データ線L4を介してデータ信号の交換を行うための入出力バッファ10、書き込み処理時に書き込み対象のメモリセルの期待値を示す期待値データ等を記憶するバッファ回路40、2値判定によりメモリセルの記憶状態を判定するセンスアンプの1または複数からなるセンスアンプ群をビット線毎に備えたセンスアンプ回路60、入出力バッファ10を介して外部コマンドを受け付け、当該外部コマンドを解読してライトステートマシン30及びバッファ回路40を制御するUI(User Interface)回路20、UI回路20から内部制御信号群を受け付け、当該内部制御信号群に基づいて制御レジスタ回路50を介して装置内の各内部回路を制御し、メモリセルアレイ70に対する書き込み処理及び消去処理等の制御を行うライトステートマシン30を備えて構成されている。
尚、不揮発性半導体記憶装置1のメモリセルアレイ70の構成は、上述した図9に示す従来のメモリセルアレイの構成と同じであり、メモリセルアレイ70を構成するメモリセルの構成は、上述した図10に示す従来のメモリセルMの構成と同じである。具体的には、メモリセルアレイ70は、図9に示すように、m×n個のメモリセルMをマトリクス状に配列して構成されており、同一行のメモリセルMの制御ゲート1001を相互に接続して共通のワード線WL0〜WLm−1(mは2以上の整数)とし、同一列のメモリセルMのドレイン1003を相互に接続して共通のビット線BL0〜BLn−1(nは2以上の整数)としている。更に、メモリセルMのソース1004を共通のソース線SLに接続して構成されている。
次に、本実施形態における本発明方法の処理手順について、図2及び図3を基に説明する。ここで、図2は、本実施形態における本発明方法の処理手順を示している。
尚、本実施形態の不揮発性半導体記憶装置1は、メモリセルの複数からなるアドレス単位での消去ベリファイ処理(消去ベリファイ工程)及び複数アドレスからなるメモリセルブロック単位での一括消去処理(一括消去工程)を含む基準消去工程を繰り返し実行するように構成されている。更に、本実施形態では、基準消去工程において、毎回、アドレス単位での過消去ベリファイ処理(過消去ベリファイ工程)及びメモリセル単位或いはアドレス単位での修復書き込み処理(修復工程)を実行する。
不揮発性半導体記憶装置1は、UI回路20が外部コマンドにより所定のメモリセルブロックに対する消去要求を受け付けると、先ず、ライトステートマシン30が初期設定を行う(ステップ#101)。具体的には、本実施形態では、アドレス単位で実行する消去ベリファイ処理や過消去ベリファイ処理において、現在の処理対象のアドレスを示すアドレス変数に、一括消去処理の対象である消去対象メモリセルブロック(消去対象メモリセル群に相当)の先頭アドレスの値を設定する。
続いて、不揮発性半導体記憶装置1は、消去対象メモリセルブロックを構成する全てのメモリセルに対し、所定の消去電圧条件に基づいて消去電圧パルスを印加する一括消去処理を実行する(ステップ#102、一括消去工程)。ここで、図3は、本実施形態における消去電圧条件を示している。具体的には、例えば、1回目の一括消去処理では、図9に示す消去対象メモリセルブロックにおいて、各メモリセルの制御ゲートに接続するワード線WL0〜WLm−1に負電圧−10Vを、各メモリセルのソースに接続するソース線SLに正電圧2Vを印加する。
引き続き、不揮発性半導体記憶装置1は、消去対象メモリセルブロックのメモリセルの夫々に対し、メモリセルの記憶状態が未消去状態であるか否かを判定する消去ベリファイ処理を実行する(ステップ#103、消去ベリファイ工程)。ここで、本実施形態では、消去ベリファイ処理はアドレス単位で実行されるように構成されている。アドレス変数が示すアドレスのメモリセルに1つでも未消去状態であると判定された未消去メモリセルがある場合は(ステップ#104でYes分岐)、再度一括消去処理が必要であることを示す再消去フラグを設定する(ステップ#105)。
続いて、不揮発性半導体記憶装置1は、消去対象メモリセルブロックのメモリセルの夫々に対し、メモリセルの記憶状態が過消去状態であるか否かを判定する過消去ベリファイ処理を実行する(ステップ#106、過消去ベリファイ工程)。ここで、本実施形態では、過消去ベリファイ処理はアドレス単位で実行されるように構成されている。
引き続き、不揮発性半導体記憶装置1は、ステップ#106の過消去ベリファイ工程において過消去状態であると判定された過消去メモリセルがある場合に(ステップ#107でYes分岐)、過消去状態のメモリセルに対し、過消去状態を修復するための修復電圧条件に基づいて修復書き込み電圧パルスを印加する修復書き込み処理を実行する(ステップ#108、修復工程)。尚、本実施形態では、修復書き込み電圧パルスの振幅及びパルス幅は固定的に予め設定されている。更に、ステップ#108の修復工程の実行後、修復工程における修復書き込み処理により過消去メモリセルが未消去状態となる場合があることを考慮し、ステップ#103に移行して同じアドレスのメモリセルの夫々に対し消去ベリファイ処理を実行する。本実施形態の本発明方法では、ステップ#108の修復工程の実行後にステップ#103の消去ベリファイ工程を実行するので、修復書き込み処理により未消去状態になる過消去メモリセルが発生した場合でも、再度、一括消去処理が実行されるので、処理をより確実に正常に終了させることができる。
ステップ#106の過消去ベリファイ工程において過消去状態であると判定された過消去メモリセルがない場合は(ステップ#107でNo分岐)、アドレス変数の値をインクリメントし(ステップ#109)、消去対象メモリセルブロックの全てのメモリセルについて消去ベリファイ処理(ステップ#103)、過消去ベリファイ処理(ステップ#106)及び修復書き込み処理(#108)が終了するまで(ステップ#110でNo分岐)、ステップ#103〜ステップ#108を繰り返し実行する。
消去対象メモリセルブロックの全てのメモリセルについて消去ベリファイ処理(ステップ#103)、過消去ベリファイ処理(ステップ#106)及び修復書き込み処理(#108)が終了すると(ステップ#110でYes分岐)、不揮発性半導体記憶装置1は、一括消去処理の実行が必要であることを示す再消去フラグが設定されている場合は(ステップ#111でYes分岐)、再度、基準消去工程(ステップ#102〜#111)を実行するために、消去電圧条件に基づいて次回の一括消去工程(ステップ#102)で用いる消去電圧パルスの振幅を再設定する(ステップ#112)。ここでは、更に、アドレス変数の初期化を行う。
詳細には、このステップ#112では、2回目以降の一括消去処理の設定を行う。図3に示す消去電圧条件では、一括消去処理の実行毎に、ソースに印加する消去電圧パルスの振幅を増加させるように設定されている。より具体的には、図3に示す消去電圧条件では、2回目〜5回目の一括消去工程(ステップ#102)において、ソースに印加する消去電圧パルスの振幅を2Vずつ増加させるように設定している。尚、5回目以降の基準消去工程では、不揮発性半導体記憶装置1における印加電圧パルスの電圧振幅のピーク値の制約等により、ソースに印加する消去電圧パルスの振幅を増加させない設定にしている。
このように消去電圧条件を設定することにより、一括消去処理によるメモリセルのしきい値電圧の低下量を、一括消去処理の実行毎に増加させることができる。つまり、本発明方法では、基準消去工程の実行毎に、修復書き込み処理におけるメモリセルのしきい値電圧の上昇量に対し、一括消去処理によるメモリセルのしきい値電圧の低下量を相対的に増加させることができる。これにより、本発明方法を適用した不揮発性半導体記憶装置1では、基準消去工程において、過消去状態の程度が順次大きくなるため、これに対する修復書き込み処理によって未消去状態となりにくくなるため、消去対象のメモリセルの記憶状態が過消去状態と未消去状態とを往復するのをより効果的に防止でき、消去対象のメモリセルをより確実に消去状態にすることが可能になる。
不揮発性半導体記憶装置1は、図2に示すように、ステップ#112において2回目以降の一括消去処理における消去電圧パルス等の再設定が終了すると、ステップ#102に移行して、再度、一括消去処理(ステップ#102)を実行する。
ステップ#111において、一括消去処理の実行が必要であることを示す再消去フラグが設定されていない場合(ステップ#111でNo分岐)、不揮発性半導体記憶装置1は、消去対象メモリセルブロック内に過消去状態及び未消去状態のメモリセルが存在せず、全てのメモリセルが消去状態となったと判断して、処理を終了する。
尚、本実施形態では、消去電圧パルスの振幅を増加させる構成について説明したが、これに限るものではない。例えば、電圧振幅ではなくパルス幅を増加させても良いし、振幅及びパルス幅の両方を増加させるように構成しても良い。また、例えば、先ず、図3に示す消去電圧条件に従って電圧振幅を増加させ、5回目以降はパルス幅を増加させるように構成しても良い。更に、本実施形態では、消去電圧パルスの振幅の増加量を、一定量(2V)ずつとしたが、一定割合ずつ増加させる等、他の条件で増加させるように構成しても良い。消去電圧パルスの電圧振幅及びパルス幅の初期値及び増加量は、製造プロセスやメモリセルの特性に応じて設定する。
以下、本実施形態の本発明方法により、基準消去工程(ステップ#102〜ステップ#112、一括消去処理、消去ベリファイ処理、過消去ベリファイ処理及び修復書き込み処理)を繰り返し実行する場合における不揮発性半導体記憶装置1の消費電流について説明する。ここで、図4は、本実施形態における基準消去工程を繰り返し実行した場合における消去対象の選択メモリセルの制御ゲート電圧の遷移と、不揮発性半導体記憶装置1の消費電流の遷移を示している。図4において、期間C1〜Cx(xは1以上の整数)は、各基準処理工程に対応し、電圧VGNDは接地電圧を示している。
図4に示すように、時間t0〜te1の初期設定(ステップ#101)では、消去対象メモリセルブロックの選択メモリセルの制御ゲート電圧は、0V(VGND)となっている。
時間te1において、一括消去工程(ステップ#102)の実行が開始されると、消去対象メモリセルブロックの全てのメモリセルの制御ゲートに、負電圧の消去電圧パルスVn1(本実施形態では−10V)が印加される。本実施形態の一括消去工程では、図3に示す電圧条件で一括消去処理を行うため、一括消去工程における消費電流Wn1は、従来技術と同様に、選択メモリセルのソースから半導体基板へ抜けるバンド間電流が支配的となり、消去電圧パルスVn1の印加開始からの経過時間に応じて減少する。
引き続き、時間tev10において、消去ベリファイ工程(ステップ#103)の実行が開始されると、消去ベリファイ処理の対象となるメモリセル、即ち、アドレス変数が示すアドレスのメモリセルの制御ゲートに、正電圧の消去ベリファイ電圧パルスVev10が印加される。尚、消去ベリファイ処理における消費電流Wev10〜Wevx0は、センスアンプを駆動するため、一括消去処理における消費電流Wn1〜Wnxよりも大きくなる。
続いて、時間tov10において、過消去ベリファイ工程(ステップ#106)の実行が開始されると、過消去ベリファイ処理の対象となるメモリセル、即ち、アドレス変数が示すアドレスのメモリセルの制御ゲートに、正電圧の過消去ベリファイ電圧パルスVov10が印加される。尚、本実施形態では、従来技術の場合と同様に、過消去ベリファイ電圧パルスVov10の電圧振幅を消去ベリファイ電圧パルスVev10の電圧振幅より大きく(電圧Vov10>電圧Vev10)設定している。過消去ベリファイ処理における消費電流Wov10は、図4に示すように、過消去ベリファイ電圧パルスVov10の電圧振幅が、消去ベリファイ電圧パルスVev10の電圧振幅より大きく設定されているため、消去ベリファイ処理における消費電流Wev10よりも大きくなる。
同様に、他の基準消去工程においても、同一の基準消去工程に含まれる処理間では、過消去ベリファイ電圧パルスの電圧振幅が消去ベリファイ電圧パルスの電圧振幅より大きく設定されており、過消去ベリファイ処理における消費電流は、消去ベリファイ処理における消費電流よりも大きくなる。
過消去ベリファイ工程(ステップ#106)において、過消去メモリセルが検出された場合は、修復工程(ステップ#108)が実行される。時間top10の修復工程では、修復書き込み処理の対象となる過消去メモリセルの制御ゲートに、正電圧の修復書き込み電圧パルスVop10が印加される。修復書き込み電圧パルスVop10は、メモリセルの特性等に応じて、電圧振幅及びパルス幅が設定される。修復書き込み処理における消費電流Wop10は、従来技術の場合と同様に、修復書き込み処理の対象となる過消去メモリセルの数が、一括消去処理、消去ベリファイ処理及び過消去ベリファイ処理の処理対象となるメモリセル数に比べて少ないことから、他の処理における消費電流よりも小さくなる。
尚、図4の基準消去工程C1では、一括消去工程(ステップ#102)、消去ベリファイ工程(ステップ#103)、過消去ベリファイ工程(ステップ#106)及び修復工程(ステップ#108)の全てを実行する場合について示したが、例えば、過消去ベリファイ工程(ステップ#106)において、過消去メモリセルが検出されない場合は、基準消去工程Cxに示すように、修復工程(ステップ#108)は実行されない。
また、本実施形態では、消去ベリファイ工程(ステップ#103)を実行した後に、過消去ベリファイ工程(ステップ#106)及び修復工程(ステップ#108)を実行したが、過消去ベリファイ工程(ステップ#106)及び修復工程(ステップ#108)を実行した後に、消去ベリファイ工程(ステップ#103)を実行するように構成しても良い。この場合の消費電流は、図4に示す場合と対応関係が同じになる。
〈第2実施形態〉
本発明方法の第2実施形態について、図5及び図6を基に説明する。尚、本実施形態では、上記第1実施形態とは、一括消去工程で用いる消去電圧パルス及び修復工程で用いる修復書き込み電圧パルスの設定が異なる場合について説明する。具体的には、上記第1実施形態では、修復書き込み電圧パルスの設定を固定し、基準消去工程毎に一括消去工程で用いる消去電圧パルスの設定変更を行う場合について説明したが、本実施形態では、消去電圧パルスの設定を固定し、基準消去工程毎に修復工程で用いる修復書き込み電圧パルスの設定変更を行う場合について説明する。
本発明方法の第2実施形態について、図5及び図6を基に説明する。尚、本実施形態では、上記第1実施形態とは、一括消去工程で用いる消去電圧パルス及び修復工程で用いる修復書き込み電圧パルスの設定が異なる場合について説明する。具体的には、上記第1実施形態では、修復書き込み電圧パルスの設定を固定し、基準消去工程毎に一括消去工程で用いる消去電圧パルスの設定変更を行う場合について説明したが、本実施形態では、消去電圧パルスの設定を固定し、基準消去工程毎に修復工程で用いる修復書き込み電圧パルスの設定変更を行う場合について説明する。
尚、本実施形態において、本発明方法を適用する不揮発性半導体記憶装置1の構成は、図1に示す第1実施形態の不揮発性半導体記憶装置1の構成と同じである。
本実施形態の本発明方法について、図5及び図6を基に説明する。ここで、図5は、本実施形態における本発明方法の処理手順を示している。
尚、本実施形態の不揮発性半導体記憶装置1は、上記第1実施形態と同様に、消去ベリファイ工程及び一括消去工程を含む基準消去工程を繰り返し実行するように構成され、更に、基準消去工程において、毎回、過消去ベリファイ工程及び修復工程を実行する。また、図5に示すステップ#101、#103〜#107、#109〜#111の処理手順は、上記第1実施形態と同じである。
不揮発性半導体記憶装置1は、UI回路20が外部コマンドにより所定のメモリセルブロックに対する消去要求を受け付けると、先ず、ライトステートマシン30が初期設定を行う(ステップ#101)。ここでは、上記第1実施形態と同様に、アドレス変数に消去対象メモリセルブロックの先頭アドレスの値を設定する。
続いて、不揮発性半導体記憶装置1は、消去対象メモリセルブロックを構成する全てのメモリセルに対し、所定の消去電圧条件に基づいて消去電圧パルスを印加する一括消去処理を実行する(ステップ#201、一括消去工程)。尚、本実施形態では、一括消去処理で用いる消去電圧パルスの振幅及びパルス幅は固定的に設定されている。具体的には、図13に示す従来技術に係る不揮発性半導体記憶装置の場合と同じ消去電圧パルスを用いて一括消去処理を行う。従って、ここでは、各メモリセルの制御ゲートに接続するワード線WL0〜WLm−1に負電圧−10Vを、各メモリセルのソースに接続するソース線SLに正電圧10Vを印加する。
引き続き、不揮発性半導体記憶装置1は、消去対象メモリセルブロック内のアドレス変数が示すアドレスのメモリセルの夫々に対し、消去ベリファイ処理を実行する(ステップ#103、消去ベリファイ工程)。消去ベリファイ処理により、1つでも未消去状態であると判定された未消去メモリセルがある場合は(ステップ#104でYes分岐)、再度一括消去処理が必要であることを示す再消去フラグを設定する(ステップ#105)。
続いて、不揮発性半導体記憶装置1は、消去対象メモリセルブロック内のアドレス変数が示すアドレスのメモリセルの夫々に対し、過消去ベリファイ処理を実行する(ステップ#106、過消去ベリファイ工程)。
引き続き、不揮発性半導体記憶装置1は、ステップ#106の過消去ベリファイ工程において過消去状態であると判定された過消去メモリセルがある場合に(ステップ#107でYes分岐)、過消去状態のメモリセルに対し、過消去状態を修復するための修復電圧条件に基づいて修復書き込み電圧パルスを印加する修復書き込み処理を実行する(ステップ#202、修復工程)。ここで、図6は、本実施形態における修復電圧条件を示している。具体的には、例えば、1回目の修復書き込み処理では、図9に示す消去対象メモリセルブロックにおいて、各メモリセルの制御ゲートに接続するワード線WL0〜WLm−1に正電圧3.5Vを、修復書き込み処理対象のメモリセルのドレインに接続するビット線BL0〜BLn−1に正電圧5Vを印加し、各メモリセルのソースに接続するソース線SLを接地電圧0Vに接続する。ステップ#202の修復工程の実行後、ステップ#103に移行して同じアドレスのメモリセルの夫々に対し消去ベリファイ処理を実行する。
ステップ#106の過消去ベリファイ工程において過消去状態であると判定された過消去メモリセルがない場合は(ステップ#107でNo分岐)、アドレス変数の値をインクリメントし(ステップ#109)、消去対象メモリセルブロックの全てのメモリセルについて消去ベリファイ処理(ステップ#103)、過消去ベリファイ処理(ステップ#106)及び修復書き込み処理(ステップ#202)が終了するまで(ステップ#110でNo分岐)、ステップ#103〜#107、#202を繰り返し実行する。
消去対象メモリセルブロックの全てのメモリセルについて消去ベリファイ処理(ステップ#103)、過消去ベリファイ処理(ステップ#106)及び修復書き込み処理(#202)が終了すると(ステップ#110でYes分岐)、不揮発性半導体記憶装置1は、一括消去処理の実行が必要であることを示す再消去フラグが設定されている場合は(ステップ#111でYes分岐)、再度、基準消去工程(ステップ#102〜#111)を実行するために、修復電圧条件に基づいて次回の修復工程(ステップ#202)で用いる修復書き込み電圧パルスの振幅を再設定し(ステップ#203)、更に、アドレス変数の初期化を行う。
詳細には、ステップ#203では、2回目以降の修復工程の設定を行う。図6に示す修復電圧条件では、修復書き込み処理の実行毎に、過消去メモリセルの制御ゲートに印加する修復書き込み電圧パルスの振幅を減少させるように設定されている。具体的には、図6に示す修復電圧条件では、2回目〜4回目の修復工程(ステップ#202)において、過消去メモリセルの制御ゲートに印加する修復書き込み電圧パルスの振幅を0.5Vずつ減少させるように設定している。尚、本実施形態では、書き込み処理における印加電圧の制約等により、制御ゲートに印加する修復書き込み電圧パルスの振幅を2Vより小さい値に設定することが現実的ではないことから、5回目以降の基準消去工程では、修復工程を実行しない構成にしている。本実施形態では、図6に示す修復電圧条件を用いたが、これに限るものではなく、修復書き込み電圧パルスの振幅の初期値及び減少量は、製造プロセスやメモリセルの特性に応じて設定する。
このように修復電圧条件を設定することにより、修復書き込み処理によるメモリセルのしきい値電圧の上昇量を、修復書き込み処理の実行毎に減少させることができる。これにより、本実施形態の本発明方法は、基準消去工程の実行毎に、修復書き込み処理におけるメモリセルのしきい値電圧の上昇量に対し、一括消去処理によるメモリセルのしきい値電圧の低下量を相対的に増加させる上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
尚、本実施形態では、メモリセルの制御ゲートに印加する修復書き込み電圧パルスの振幅を減少させる構成について説明したが、これに限るものではない。例えば、電圧振幅ではなくパルス幅を減少させても良いし、電圧振幅及びパルス幅の両方を減少させるように構成しても良い。また、例えば、先ず、図6に示す修復電圧条件に従って電圧振幅を減少させ、その後、パルス幅を順次減少させるように構成しても良い。更に、本実施形態では、修復書き込み電圧パルスの振幅またはパルス幅の減少量を、一定量(0.5V)ずつとしたが、一定割合ずつ減少させる等、他の条件で減少させるように構成しても良い。
不揮発性半導体記憶装置1は、図5に示すように、ステップ#203において2回目以降の修復書き込み処理における修復書き込み電圧パルス等の再設定が終了すると、ステップ#201に移行して、再度、一括消去処理(ステップ#201)を実行する。
ステップ#111において、一括消去処理の実行が必要であることを示す再消去フラグが設定されていない場合(ステップ#111でNo分岐)、不揮発性半導体記憶装置1は、消去対象メモリセルブロック内に過消去状態及び未消去状態のメモリセルが存在せず、全てのメモリセルが消去状態となったと判断して、処理を終了する。
〈第3実施形態〉
本発明方法の第3実施形態について、図7及び図8を基に説明する。尚、本実施形態では、上記第1及び第2実施形態とは、消去ベリファイ工程及び過消去ベリファイ工程の実行手順が異なる場合について説明する。具体的には、上記第1及び第2実施形態では、消去ベリファイ工程及び過消去ベリファイ工程を順次実行する場合について説明したが、本実施形態では、消去ベリファイ工程及び過消去ベリファイ工程を同時に並行して実行する場合について説明する。
本発明方法の第3実施形態について、図7及び図8を基に説明する。尚、本実施形態では、上記第1及び第2実施形態とは、消去ベリファイ工程及び過消去ベリファイ工程の実行手順が異なる場合について説明する。具体的には、上記第1及び第2実施形態では、消去ベリファイ工程及び過消去ベリファイ工程を順次実行する場合について説明したが、本実施形態では、消去ベリファイ工程及び過消去ベリファイ工程を同時に並行して実行する場合について説明する。
先ず、本発明方法を適用する不揮発性半導体記憶装置1の構成について、図1及び図7を基に簡単に説明する。
本実施形態の不揮発性半導体記憶装置1は、図1に示すように、メモリセルアレイ70、入出力バッファ10、バッファ回路40、センスアンプ回路60、UI回路20、制御レジスタ回路50、及び、ライトステートマシン30を備えて構成されている。尚、入出力バッファ10、バッファ回路40、UI回路20、及び、制御レジスタ回路50の構成は、上記第1実施形態と同じである。
本実施形態のメモリセルアレイ70は、消去状態及び複数の書き込み状態に対応する3値以上の情報を記憶可能に構成された多値メモリセルを複数備えて構成されている。以下、消去状態及び3つの書き込み状態に対応する情報を記憶可能に構成された4値メモリセルを想定して説明する。尚、4値メモリセルの構成は、上述した図12に示す4値メモリセルの構成と同じである。
本実施形態のセンスアンプ回路60は、メモリセルの記憶状態を2値判定するセンスアンプの複数からなるセンスアンプ群を、ビット線毎に備えて構成されている。ここで、図7は、本実施形態のセンスアンプ回路60の概略構成例を示している。尚、図7では、簡単のために、センスアンプ回路60を構成する複数のセンスアンプ群の内の1つのセンスアンプ群について示している。
具体的には、本実施形態のセンスアンプ回路60は、図7に示すように、4値メモリセルの記憶状態を判定するため、メモリセルアレイ70のビット線毎に3つのセンスアンプを備えて構成されている。センスアンプ610、620、630は、夫々、2値判定の基準となる参照電圧と処理対象のメモリセルのしきい値電圧を比較する2値判定により、処理対象のメモリセルの記憶状態を判定するように構成されている。
より詳細には、センスアンプ610は、差動増幅回路611とラッチ回路612を備えて構成されており、差動増幅回路611の入力ノードSENは、処理対象の4値メモリセルのドレインに、入力ノードVr1は、2値判定の基準となる参照電圧のしきい値電圧(読み出し処理では、例えば、電圧VrL)を持つリファレンスメモリセルのドレインに夫々接続されている。同様に、センスアンプ620は、差動増幅回路621とラッチ回路622を備えて構成されており、差動増幅回路621の入力ノードSENは、処理対象の4値メモリセルのドレインに、入力ノードVr2は、2値判定の基準となる参照電圧のしきい値電圧(読み出し処理では、例えば、電圧VrM)を持つリファレンスメモリセルのドレインに夫々接続されている。センスアンプ630は、差動増幅回路631とラッチ回路632を備えて構成されており、差動増幅回路631の入力ノードSENは、処理対象の4値メモリセルのドレインに、入力ノードVr3は、2値判定の基準となる参照電圧のしきい値電圧(読み出し処理では、例えば、電圧VrH)を持つリファレンスメモリセルのドレインに夫々接続されている。尚、読み出し処理では、図12に示す参照電圧VrL、VrM、VrHのしきい値電圧を持つ3つのリファレンスメモリセルのドレインを、差動増幅回路611の入力ノードVr1、差動増幅回路621の入力ノードVr2、差動増幅回路631の入力ノードVr3に夫々接続することにより、3つの2値判定を同時に実行して記憶状態を判定する。
更に、本実施形態では、センスアンプ回路60のセンスアンプ610、620、630の内の1つを用いて消去ベリファイ処理を実行し、消去ベリファイ処理で用いるセンスアンプ610を除く他の1つのセンスアンプ620を用いて過消去ベリファイ処理を実行する。これにより、消去ベリファイ処理と過消去ベリファイ処理を同時に実行することが可能になる。尚、本実施形態では、消去ベリファイ工程や過消去ベリファイ工程において、消去ベリファイ工程や過消去ベリファイ工程用の参照電圧に設定するために、消去ベリファイ工程や過消去ベリファイ工程用のしきい値電圧を有するリファレンスメモリセルに切り替える構成である場合を想定して説明するが、リファレンスメモリセルの数を制御する構成や、リファレンスメモリセルの制御ゲートの印加電圧を制御する構成であっても良い。
次に、本実施形態の本発明方法について、図8を基に説明する。ここで、図8は、本実施形態における本発明方法の処理手順を示している。
尚、本実施形態の不揮発性半導体記憶装置1は、上記第1及び第2実施形態と同様に、消去ベリファイ工程及び一括消去工程を含む基準消去工程を繰り返し実行するように構成されている。更に、基準消去工程において、毎回、過消去ベリファイ工程及び修復工程を実行する。また、図8に示すステップ#101、#102、#104、#105、#107〜#112の処理手順は、上記第1実施形態と同じである。
不揮発性半導体記憶装置1は、UI回路20が外部コマンドにより所定のメモリセルブロックに対する消去要求を受け付けると、先ず、ライトステートマシン30が初期設定を行う(ステップ#101)。ここでは、上記第1実施形態と同様に、アドレス変数に消去対象メモリセルブロックの先頭アドレスの値を設定する。
続いて、不揮発性半導体記憶装置1は、消去対象メモリセルブロックを構成する全てのメモリセルに対し、所定の消去電圧条件に基づいて消去電圧パルスを印加する一括消去処理を実行する(ステップ#102、一括消去工程)。尚、本実施形態の消去電圧条件は、図3に示す第1実施形態の消去電圧条件と同じである。
引き続き、不揮発性半導体記憶装置1は、消去対象メモリセルブロック内のアドレス変数が示すアドレスのメモリセルの夫々に対し、消去ベリファイ処理と過消去ベリファイ処理を同時に実行する(ステップ#301、消去ベリファイ工程及び過消去ベリファイ工程)。具体的には、本実施形態では、例えば、消去ベリファイ処理の実行のため、図7に示すセンスアンプ回路60のセンスアンプ610を構成する差動増幅回路611の入力ノードVr1に、参照電圧Veのしきい値電圧をもつリファレンスメモリセルのドレインを接続する。更に、過消去ベリファイ処理の実行のため、センスアンプ620を構成する差動増幅回路621の入力ノードVr2に、参照電圧Ve0のしきい値電圧をもつリファレンスメモリセルのドレインを接続する。これにより、出力ノードDATLに消去ベリファイ処理の結果が、出力ノードDATMに過消去ベリファイ処理の結果が出力される。尚、ここでは、センスアンプ610を消去ベリファイ処理に、センスアンプ620を過消去ベリファイ処理に用いたが、消去ベリファイ処理及び過消去ベリファイ処理で用いるセンスアンプは、任意に選択可能である。
引き続き、不揮発性半導体記憶装置1は、消去ベリファイ処理により、1つでも未消去状態であると判定された未消去メモリセルがある場合は(ステップ#104でYes分岐)、再度一括消去処理が必要であることを示す再消去フラグを設定する(ステップ#105)。
引き続き、不揮発性半導体記憶装置1は、ステップ#301の過消去ベリファイ工程において過消去状態であると判定された過消去メモリセルがある場合に(ステップ#107でYes分岐)、過消去状態のメモリセルに対し、過消去状態を修復するための修復電圧条件に基づいて修復書き込み電圧パルスを印加する修復書き込み処理を実行し(ステップ#108、修復工程)、その後、ステップ#301に移行する。尚、本実施形態の修復電圧条件は、上記第1実施形態の修復電圧条件と同じである。
ステップ#301の過消去ベリファイ工程において過消去状態であると判定された過消去メモリセルがない場合は(ステップ#107でNo分岐)、アドレス変数の値をインクリメントし(ステップ#109)、消去対象メモリセルブロックの全てのメモリセルについて、消去ベリファイ処理及び過消去ベリファイ処理(ステップ#301)、修復書き込み処理(ステップ#108)が終了するまで(ステップ#110でNo分岐)、ステップ#301、#104、#105、#107、#108を繰り返し実行する。
消去対象メモリセルブロックの全てのメモリセルについて、消去ベリファイ処理及び過消去ベリファイ処理(ステップ#301)、修復書き込み処理(ステップ#108)が終了すると(ステップ#110でYes分岐)、不揮発性半導体記憶装置1は、一括消去処理の実行が必要であることを示す再消去フラグが設定されている場合は(ステップ#111でYes分岐)、再度、基準消去工程(ステップ#102〜#111)を実行するために、消去電圧条件に基づいて次回の一括消去工程(ステップ#102)で用いる消去電圧パルスの振幅を再設定し(ステップ#112)、更に、アドレス変数の初期化を行う。
本実施形態では、消去ベリファイ処理と過消去ベリファイ処理を同時に実行するので、基準消去工程の実行にかかる時間を短縮できる。また、図7に示すように、1つのメモリセルの記憶状態を判定するために複数のセンスアンプを備える不揮発性半導体記憶装置1の場合には、新たにセンスアンプを追加することなく、本発明方法を適用することが可能であり、チップ面積の増大を抑えることができる。
尚、本実施形態では、上記第1実施形態の場合、即ち、基準消去工程毎に一括消去工程で用いる消去電圧パルスの設定変更を行う場合において、消去ベリファイ処理及び過消去ベリファイ処理を同時に実行する場合について説明したが、これに限るものではない。上記第2実施形態の場合、即ち、基準消去工程毎に修復工程で用いる修復書き込み電圧パルスの設定変更を行う場合や、基準消去工程毎に、一括消去工程で用いる消去電圧パルスの設定変更と、修復工程で用いる修復書き込み電圧パルスの設定変更の両方を同時に或いは組み合わせて行う場合等に、消去ベリファイ処理及び過消去ベリファイ処理を同時に実行するように構成しても良い。
〈第4実施形態〉
本発明方法の第4実施形態について図面を基に説明する。尚、本実施形態では、上記第1〜第3実施形態とは、修復書き込み処理の構成が異なる場合について説明する。具体的には、上記第1〜第3実施形態では、修復書き込み処理をアドレス単位で実行する場合について説明したが、本実施形態では、修復書き込み処理を、複数アドレスからなるバッファ単位で実行する場合について説明する。
本発明方法の第4実施形態について図面を基に説明する。尚、本実施形態では、上記第1〜第3実施形態とは、修復書き込み処理の構成が異なる場合について説明する。具体的には、上記第1〜第3実施形態では、修復書き込み処理をアドレス単位で実行する場合について説明したが、本実施形態では、修復書き込み処理を、複数アドレスからなるバッファ単位で実行する場合について説明する。
本実施形態における不揮発性半導体記憶装置1の構成について図1を基に説明する。
本実施形態の不揮発性半導体記憶装置1は、図1に示すように、上記第1〜第3実施形態と同様に、メモリセルアレイ70、入出力バッファ10、バッファ回路40、センスアンプ回路60、UI回路20、及び、ライトステートマシン30を備えて構成されている。尚、不揮発性半導体記憶装置1のメモリセルアレイ70、入出力バッファ10、センスアンプ回路60、UI回路20及び制御レジスタ回路50の構成は、上記第1〜第3実施形態と同じである。
本実施形態のバッファ回路40は、書き込み処理で用いる期待値データをバッファ単位で記録可能であり、更に、過消去ベリファイ処理の実行時に、過消去ベリファイ処理の結果を格納可能に構成されている。
本実施形態のライトステートマシン30は、書き込み処理をバッファ単位で実行可能に構成されている。バッファ単位での書き込み処理では、バッファ単位でバッファ回路40に記憶された期待値データを、1つの外部コマンドでまとめてメモリセルアレイ70に書き込む。
更に、本実施形態のライトステートマシン30は、基準消去処理における消去ベリファイ処理(図2及び図5のステップ#103、図8のステップ#301)及び修復書き込み処理(図2及び図5のステップ#106、図8のステップ#301)をバッファ単位で実行可能に構成されている。過消去ベリファイ工程では、バッファ単位で過消去ベリファイ処理を実行し、その結果を、バッファ単位でバッファ回路40に記憶する。更に、修復工程(図2及び図8のステップ#108、図5及び図8のステップ#202)において、過消去ベリファイ処理においてバッファ回路40に記憶した過消去ベリファイ処理の結果と、修復電圧条件に基づいて、修復書き込み処理の対象となる過消去メモリセルの複数に対し、同時に修復書き込み電圧パルスを印加する。
本実施形態では、バッファ単位で基準消去工程を実行するように構成したので、過消去メモリセルに対する修復工程の実行時間を短縮することが可能になる。これによって、例えば、メモリセルアレイ70の大規模化等により過消去メモリセルの検出回数が増加することによる修復工程の実行時間の増加に対応可能になる。尚、バッファ単位での書き込み処理は、書き込み速度の高速化に有効であることから、多くの従来の不揮発性半導体記憶装置に搭載されている。従って、バッファ単位での書き込み処理を行う機能を搭載した不揮発性半導体記憶装置の場合は、装置構成の従来からの変更量を増加させることなく、本発明方法を容易に適用できる。
〈別実施形態〉
〈1〉上記第1〜第4実施形態では、基準消去工程において、毎回、消去ベリファイ処理(消去ベリファイ工程)及び一括消去処理(一括消去工程)に加え、過消去ベリファイ処理(過消去ベリファイ工程)及び修復書き込み処理(修復工程)を実行する場合について説明したが、これに限るものではない。
〈1〉上記第1〜第4実施形態では、基準消去工程において、毎回、消去ベリファイ処理(消去ベリファイ工程)及び一括消去処理(一括消去工程)に加え、過消去ベリファイ処理(過消去ベリファイ工程)及び修復書き込み処理(修復工程)を実行する場合について説明したが、これに限るものではない。
過消去ベリファイ工程及び修復工程については、所定の修復実行条件に合致した場合にのみ実行しても良い。具体的には、例えば、過消去ベリファイ工程及び修復工程を実行する実行期間と不実行期間を設定するように構成しても良い。この場合は、例えば、過消去メモリセルの発生数が非常に少ないと考えられる比較的早い段階の基準消去工程においては、過消去ベリファイ工程及び修復工程を実行せず、過消去メモリセル数がある程度発生する段階の基準消去工程において過消去ベリファイ工程及び修復工程を実行するように設定する。
また、例えば、所定回数の基準消去工程毎に、過消去ベリファイ工程及び修復工程を実行するようにしても良い。更に、基準消去工程の実行回数の増加に伴って、過消去ベリファイ工程及び修復工程を実行する基準消去工程の割合が増加するように構成しても良いし、これら複数の修復実行条件を組み合わせる構成にしても良い。
〈2〉上記第1及び第3実施形態では、基準消去工程毎に一括消去処理における消去電圧パルスの設定を変更する場合について、上記第2実施形態では、基準消去工程毎に修復書き込み処理における修復書き込み電圧パルスの設定を変更する場合について説明したが、これに限るものではない。
第1〜第4実施形態において、例えば、基準消去工程毎に、一括消去処理における消去電圧パルスの設定変更と修復書き込み処理における修復書き込み電圧パルスの設定変更の両方を同時に実行するように構成しても良い。
また、例えば、所定の選択条件に従って、一括消去処理における消去電圧パルスの設定変更と、修復書き込み処理における修復書き込み電圧パルスの設定変更の何れか若しくは両方を選択的に実行するように構成しても良い。この場合には、例えば、先ず、図3に示す第1実施形態による消去電圧パルスの設定変更を行い、印加電圧パルスの電圧振幅のピーク値の制約等により消去電圧パルスの振幅及びパルス幅を増加させることが難しくなった後に、図6に示す第2実施形態による修復書き込み電圧パルスの設定変更を行うように構成しても良い。
1 不揮発性半導体記憶装置
10 入出力バッファ
20 UI回路
30 ライトステートマシン
40 バッファ回路
50 制御レジスタ回路
60 センスアンプ回路
70 メモリセルアレイ
610 センスアンプ
620 センスアンプ
630 センスアンプ
611 差動増幅回路
621 差動増幅回路
631 差動増幅回路
612 ラッチ回路
622 ラッチ回路
632 ラッチ回路
1001 制御ゲート
1002 フローティングゲート
1003 ドレイン
1004 ソース
1005 半導体基板
M メモリセル
WL ワード線
BL ビット線
SL ソース線
10 入出力バッファ
20 UI回路
30 ライトステートマシン
40 バッファ回路
50 制御レジスタ回路
60 センスアンプ回路
70 メモリセルアレイ
610 センスアンプ
620 センスアンプ
630 センスアンプ
611 差動増幅回路
621 差動増幅回路
631 差動増幅回路
612 ラッチ回路
622 ラッチ回路
632 ラッチ回路
1001 制御ゲート
1002 フローティングゲート
1003 ドレイン
1004 ソース
1005 半導体基板
M メモリセル
WL ワード線
BL ビット線
SL ソース線
Claims (6)
- メモリセルの複数を備えるメモリセルアレイを備え、所定数の前記メモリセルからなるメモリセル群単位での一括消去処理を実行可能な不揮発性半導体記憶装置の消去方法であって、
一括消去処理の対象である消去対象メモリセル群の前記メモリセルの夫々に対し、前記メモリセルの記憶状態が未消去状態であるか否かを判定する消去ベリファイ処理を実行する消去ベリファイ工程と、
前記消去ベリファイ工程において前記未消去状態であると判定された前記メモリセルがある場合に、前記消去対象メモリセル群を構成する全ての前記メモリセルに対し、所定の消去電圧条件に基づいて消去電圧パルスを印加する一括消去処理を実行する一括消去工程と、
前記消去対象メモリセル群の前記メモリセルの夫々に対し、前記メモリセルの記憶状態が過消去状態であるか否かを判定する過消去ベリファイ処理を実行する過消去ベリファイ工程と、
前記過消去ベリファイ工程において前記過消去状態であると判定された前記メモリセルがある場合に、前記過消去状態の前記メモリセルに対し、前記過消去状態を修復するための修復電圧条件に基づいて修復書き込み電圧パルスを印加する修復書き込み処理を実行する修復工程と、を備え、
前記消去ベリファイ工程及び前記一括消去工程を含む基準消去工程を繰り返し実行する際に、毎回、或いは、所定の修復実行条件に合致した場合にのみ、前記過消去ベリファイ工程及び前記修復工程を前記基準消去工程内において実行し、
2回目以降の前記一括消去工程において、前記消去電圧条件に基づいて、前回の前記一括消去工程における前記消去電圧パルスの振幅またはパルス幅の少なくとも何れか一方を増加させた前記消去電圧パルスを用いて前記一括消去処理を実行することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の消去方法。 - メモリセルの複数を備えるメモリセルアレイを備え、所定数の前記メモリセルからなるメモリセル群単位での一括消去処理を実行可能な不揮発性半導体記憶装置の消去方法であって、
一括消去処理の対象である消去対象メモリセル群の前記メモリセルの夫々に対し、前記メモリセルの記憶状態が未消去状態であるか否かを判定する消去ベリファイ処理を実行する消去ベリファイ工程と、
前記消去ベリファイ工程において前記未消去状態であると判定された前記メモリセルがある場合に、前記消去対象メモリセル群を構成する全ての前記メモリセルに対し、所定の消去電圧条件に基づいて消去電圧パルスを印加する一括消去処理を実行する一括消去工程と、
前記消去対象メモリセル群の前記メモリセルの夫々に対し、前記メモリセルの記憶状態が過消去状態であるか否かを判定する過消去ベリファイ処理を実行する過消去ベリファイ工程と、
前記過消去ベリファイ工程において前記過消去状態であると判定された前記メモリセルがある場合に、前記過消去状態の前記メモリセルに対し、前記過消去状態を修復するための修復電圧条件に基づいて修復書き込み電圧パルスを印加する修復書き込み処理を実行する修復工程と、を備え、
前記消去ベリファイ工程及び前記一括消去工程を含む基準消去工程を繰り返し実行する際に、毎回、或いは、所定の修復実行条件に合致した場合にのみ、前記過消去ベリファイ工程及び前記修復工程を前記基準消去工程内において実行し、
2回目以降の前記修復工程において、前記修復電圧条件に基づいて、前回の前記修復工程における前記修復書き込み電圧パルスの振幅またはパルス幅の少なくとも何れか一方を減少させた前記修復書き込み電圧パルスを用いて前記修復書き込み処理を実行することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の消去方法。 - 2回目以降の前記一括消去工程において、前記消去電圧条件に基づいて、前回の前記一括消去工程における前記消去電圧パルスの振幅またはパルス幅の少なくとも何れか一方を増加させた前記消去電圧パルスを用いて前記一括消去処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の不揮発性半導体記憶装置の消去方法。
- 前記修復工程において、前記過消去状態の前記メモリセルの複数に対して同時に前記修復書き込み電圧パルスを印加して前記修復書き込み処理を実行することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置の消去方法。
- 前記過消去ベリファイ工程において、前記過消去ベリファイ処理の実行において、前記過消去ベリファイ処理の結果を、所定のバッファ回路に記憶し、
前記修復工程において、前記バッファ回路に記憶された前記過消去ベリファイ処理の結果に基づいて、前記修復書き込み処理を実行することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置の消去方法。 - 前記メモリセルが消去状態及び複数の書き込み状態に対応する3値以上の情報を記憶可能に構成され、
前記不揮発性半導体記憶装置が、前記メモリセルの記憶状態を2値判定するセンスアンプの複数からなるセンスアンプ群を、所定の前記メモリセル別に備えたセンスアンプ回路を備えて構成され、
前記消去ベリファイ工程において、消去対象の前記メモリセル毎に、対応する前記センスアンプ群を構成する前記センスアンプの内の1つを用いて前記消去ベリファイ処理を実行し、
前記過消去ベリファイ工程において、消去対象の前記メモリセル毎に、対応する前記センスアンプ群を構成する前記センスアンプの内、前記消去ベリファイ処理で用いる前記センスアンプを除く他の1つのセンスアンプを用い、前記過消去ベリファイ処理を、前記消去ベリファイ処理と同時に実行することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置の消去方法。
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JP2007140024A Withdrawn JP2008293616A (ja) | 2007-05-28 | 2007-05-28 | 不揮発性半導体記憶装置の消去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008293616A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110176269A (zh) * | 2019-04-16 | 2019-08-27 | 华中科技大学 | 一种精确调控非易失性存储单元状态的方法及系统 |
CN111951862A (zh) * | 2019-05-14 | 2020-11-17 | 北京兆易创新科技股份有限公司 | 一种非易失存储器擦除处理方法及装置 |
CN114758689A (zh) * | 2022-04-08 | 2022-07-15 | 珠海博雅科技股份有限公司 | 用于非易失性存储器的擦除方法和上电修复方法 |
CN115295056A (zh) * | 2022-08-11 | 2022-11-04 | 东芯半导体股份有限公司 | 用于过擦除修复的方法和存储装置 |
-
2007
- 2007-05-28 JP JP2007140024A patent/JP2008293616A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110176269A (zh) * | 2019-04-16 | 2019-08-27 | 华中科技大学 | 一种精确调控非易失性存储单元状态的方法及系统 |
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