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JP2008285030A - 車両用制御装置 - Google Patents

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JP2008285030A
JP2008285030A JP2007132520A JP2007132520A JP2008285030A JP 2008285030 A JP2008285030 A JP 2008285030A JP 2007132520 A JP2007132520 A JP 2007132520A JP 2007132520 A JP2007132520 A JP 2007132520A JP 2008285030 A JP2008285030 A JP 2008285030A
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Shigeru Matsuda
茂 松田
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Abstract

【課題】ステアリングホイールとステアリングギヤを機械的に分離させた構成において、運転者に適切なラックエンド感を伝達できるようにする。
【解決手段】車両用制御装置1は、駆動モータ12でステアリングホイール2が固定されたステアリングシャフト3に操舵反力を発生させられる構成になっている。ステアリングギヤがラックエンドに到達したときには、ラックエンド信号検出手段38に信号が入力される。ラックエンド信号検出手段38は、ラックエンド反力信号発生手段37を動作させ、駆動信号生成手段36に電流値を増大させる指令値を入力する。駆動信号生成手段36は、操舵角度と操向角度の差に応じて駆動モータ12でステアリングホイー2と接続しているステアリングシャフト3に駆動力を与えて操舵反力を発生させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用制御装置に関する。
ステアリングホイールと、操向輪を操向させるステアリングギヤとを機械的に分離させたステアバイワイヤ方式の車両用制御装置が開発されている。この車両用制御装置では、ステアリングホイールの回転を検出するセンサを設け、センサでステアリングホイールの操舵角度を検出し、これに相当する操向角度を制御装置で算出する。さらに、操向角度に操向輪の角度が一致するようにステアリングギヤを駆動させる。
この種の車両用制御装置では、ステアリングホイールに反力を与えられるようにモータが設けられている。反力を与える際には、ステアリングホイールの回転角度と車速を検出し、これらに応じて目標反力トルクを演算する。目標反力トルクに応じたトルクがステアリングホイールに作用させられる。操向輪側では、モータをサーボ制御して操向させる(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−291853号公報
しかしながら、モータの回転でステアリングホイールに反力を与えただけでは、ラックエンドに突き当たった感触(以下、ラックエンド感という)を実現することが難しく、運転者によってはステアリングホイールを必要以上に回してしまうことがあった。このような場合には、ステアリングギヤを駆動させるモータがロックしてしまうことがあった。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、運転者に適切なラックエンド感を伝達できるようにすることを主な目的とする。
上記の課題を解決する本発明の請求項1に係る発明は、車両の車体に回転可能に支持されたステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトに取り付けられ、前記ステアリングシャフトとともに回転するステアリングホイールと、前記ステアリングシャフトの回転を検出する第1のエンコーダと、前記第1のエンコーダで検出したパルス信号をカウントし、第1のカウント信号を発生する第1のカウント手段と、前記第1のカウント手段から出力される第1のカウント信号を前記ステアリングホイールの回転量を示す信号に変換し、操舵角度信号として出力する操舵角度算出手段と、車両の車体に操向可能に支持された操向輪と、電動機とラックアンドピニオン機構を有し、車両の車体に対する前記操向輪の操向角度を変化させる駆動手段と、前記操向輪の操向角度の変化を検出し、前記操向輪の操向角度の変化に伴い検出信号を発生するエンコーダから供給される検出信号をカウントし、第2のカウント信号を出力する第2のカウント手段と、前記第2のカウント手段から供給される第2のカウント信号を前記操向輪の操向角の変化量を示す信号に変換し、操向角度信号として出力する操向角度算出手段と、前記操向角度算出手段で算出した操向角度信号と前記操舵角度算出手段で算出した操舵角度信号の差に相当する角度差信号を発生させる角度差信号算出手段と、前記角度差信号算出手段から角度差信号が供給され、角度差信号に基づいて駆動信号を発生し、前記操舵角度信号と前記操向角度信号が一致するように駆動信号を発生させる駆動信号生成手段と、駆動信号の供給を受けて前記駆動モータに電流を供給する駆動回路と、前記ラックアンドピニオン機構のラックがラックエンドに到達したことを示すラックエンド信号を受け取ったときに、前記駆動モータに供給する電流を角度差信号によって決まる値より増加させる反力信号を発生させるラックエンド反力信号発生手段とを備えることを特徴とする車両用制御装置とした。
この車両用制御装置は、ラックエンドに到達したと判定したときに駆動モータに供給する電流を増やしてステアリングシャフトに大きい反力を生成させる。反力が大きくなることで運転者にラックエンド感が与えられる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両用制御装置において、前記操向モータに供給される電流を検出する電流センサと、ラックエンドに相当する操向角度で前記操向モータの回転が検出されず、かつ前記操向モータに供給される電流が所定値を越えたときにラックエンド信号を発生するラックエンド判定手段とを有することを特徴とする。
ラックエンドに到達したことを判定する際に、電流値だけで判断すると操向中で目標に対する角度差が大きいときに誤判定することがある。また、エンコーダの出力だけでは、操向輪が停止しているときに誤判定することがある。ラックエンド判定手段では、操向角度、電流値、エンコーダの出力を監視することでラックエンドの判定精度を高めている。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の車両用制御装置において、前記操向輪の操向角度が変化せずに、前記操向モータに供給される電流が所定値を越えたときに前記操向モータに供給される電流を低減させる電流低減信号発生回路を有することを特徴とする。
この車両用制御装置は、操向角度が変化しないのに対して電流値が増加するような場合に、操向モータに供給する電流を低減させ、操向モータのロックを防止する。
本発明によれば、操舵中にラックエンドに到達したときに、回転軸に作用させる反力を増大させるようにしたので、反力の変化から運転者にラックエンドに到達したことを認識させ易くなる。ラックエンドを越えた操舵が行われることが防止され、電動機がロックしたときの電流の流れ過ぎを防止できる。
図1及び図2に示すように、車両用制御装置1は、運転者が操作する入力手段であるステアリングホイール2が取り付けられたステアリングシャフト3と、操向輪(以下、タイヤという)4を操向させるステアリングギヤ5とが機械的に接続されておらず、ステアリングシャフト3側の第一の制御装置6と、ステアリングギヤ5の第二の制御装置7と介して電気的に接続されている。
ステアリングシャフト3は、車体に固定されたハウジング11に回転自在に支持されている。ハウジング11内には、電動機に減速機構を取り付けた駆動モータ12が収容されており、駆動モータ12の動力をステアリングシャフト3に伝達可能に連結されている。さらに、ハウジング11には、ステアリングホイール2の回転に応じてパルス信号を出力する第1のエンコーダ13と、ステアリングホイール2の操舵角度の中立点を検出する第3のエンコーダ14とが取り付けられている。駆動モータ12は、駆動回路15を介して第一の制御装置6に接続されている。駆動回路15は、スイッチング素子などを有し、不図示の電源からの電流を駆動モータ12に供給するように構成されている。
第1のエンコーダ13は、光学式のロータリエンコーダが用いられている。ロータリエンコーダは、ステアリングホイール2と共に回転する不図示の円板を有し、この円板には2列のパターンが形成されている。各パターンは、例えば、周方向に等間隔に形成された略同じ幅のスリットからなり、一方のパターンのスリットの配置に対して他方のパターンのスリットの配置を周方向にスリット幅の1/4だけずらして配置されている。したがって、円板を挟んで発光素子と受光素子を配置すれば、それぞれのパターンに対応して1/4周期だけパルスの発生タイミングがずれた信号が得られる。このようなパルス信号の一例を図3に示す。以下、一方のパターンによって発生する第1のパルス信号をA相の回転検出信号Awとし、他方のパターンによって発生する第2のパルス列信号をB相の回転検出信号Bwとする。
第2のエンコーダ14は、操舵角度をリセットする位置を検出する中心位置検出センサとして使用される。例えば、ステアリングホイール2を操舵可能な範囲で回転させたときに1回転するように減速された円板にマーカを設け、このマーカを検出したときにパルス信号を出力するセンサが用いられる。マーカは、タイヤ4が直進方向に向くときのステアリングホイール2の回転位置に対応して設けられている。車両は、直進方向に対して右側及び左側のそれぞれに同じ量だけタイヤ4を操向可能に構成されているので、このときのステアリングホイール2の回転位置は、操舵可能な領域の中立点に相当する。したがって、運転者がステアリングホイール2を回転させているときに、中立点に達する度に初期位置信号として中立点位置信号Cw(図3参照)が1つ出力される。中立点位置信号Cwは、回転検出信号Aw,Bwのそれぞれの周期の1/2よりも長く、回転検出信号Aw,Bwのそれぞれの周期よりも短い時間幅のパルス信号である。
第一の制御装置6は、第1のカウント手段として、それぞれの回転検出信号Aw,Bwが入力されるアップダウン判定回路21と、回転検出信号Awが入力されるエッジ検出手段52Aと、回転検出信号Bwが入力されるエッジ検出手段52Bと、第1のカウンタであるアップダウンカウンタ24とを有する。
アップダウンカウンタ24は、各エッジ検出手段22A,22Bの出力がOR回路25を介して接続されると共に、アップダウン判定回路21の出力及びリセット信号整形手段23の出力が接続されている。リセット信号整形手段23は、中立点位置信号Cwが入力されたときにアップダウンカウンタ24の第1のカウント信号をリセットするリセット信号を生成し、リセット端子に入力する。
アップダウンカウンタ24から出力される第1のカウント信号は、操作角度算出手段29に接続されている。操作角度算出手段29は、操舵角度マップ27を検索して操舵角度を算出する。操舵角度マップ27は、アップダウンカウンタ24のカウント値と操舵角度を対応付けた構成を有する。操作角度算出手段29の出力は、出力回路31と、角度差信号算出手段32に接続されている。
角度差信号算出手段32は、実操舵角度に加えて、操向角度信号受信手段33を介して第二の制御装置7の操向角度の信号が入力される。操向角度に対する実操舵角度の角度差の算出結果が角度差信号算出手段32の出力として操舵反力算出手段34に入力される。
操舵反力算出手段34は、操舵反力マップ35を検索して駆動モータ12で発生させる操舵反力を算出する。操舵反力マップ35は、角度差と操舵反力を対応付けた構成を有する。操舵反力は、操向角度に操舵角度を一致させるような大きさ及び向きが選択される。操舵反力算出手段34の出力は、駆動信号生成手段36に接続されている。駆動信号生成手段36は、操舵反力算出手段34の出力と、ラックエンド反力信号発生手段37の出力を受けて駆動モータ12の駆動信号を生成し、駆動回路15に出力する。ラックエンド反力信号発生手段37には、ラックエンド信号検出手段38の出力が接続されている。ラックエンド信号検出手段38は、ラックエンドに突き当たったときに第二の制御装置7から出力されるラックエンド信号が入力される。
図2に示すように、ステアリングギヤ5は、駆動手段として電動機に減速機構が取り付けられた操向モータ41と、操向モータ41の回転をステアリングロッド42の直線運動に変換するラックアンドピニオン機構を備えている。ステアリングロッド42の両端にはタイロッド43とナックルアーム44を介してタイヤ4が接続されている。操向モータ41は、駆動回路45を介して第二の制御装置7に接続されている。駆動回路45は、スイッチング素子などを有し、不図示の電源からの電流を操向モータ41に供給するように構成されている。
操向モータ41には、操向モータ41の回転から操向角度を検出する第3のエンコーダ46が取り付けられている。第3のエンコーダ46は、前記と同様に光学式のロータリエンコーダを使用している。第3のエンコーダ46からは、第4のパルス列信号であるA相の回転検出信号Agと、パルスの発生タイミングが1/4周期ずれた第5のパルス列信号であるB相の回転検出信号Bgとが出力される。
ステアリングギヤ5には、操向角度をリセットする位置を検出する中心位置検出センサとして、操向角度の中立点を検出する第4のエンコーダ47が取り付けられている。第4のエンコーダ47は、タイロッド43が最も右に移動したラックエンドから、最も左に移動したラックエンドまでの間の中間地点を検出することで操向角度の中立点を検出するもので、タイロッド43と共に移動する不図示のマーキングを検出して初期位置信号として中立点位置信号Cg(図3参照)を1つ出力するように構成されている。中立点位置信号Cgは、回転検出信号Ag,Bgのそれぞれの周期の1/2よりも長く、回転検出信号Ag,Bgのそれぞれの周期よりも短い時間幅のパルス信号である。
第二の制御装置7は、第2のカウント手段として、それぞれの回転検出信号Ag,Bgが入力されるアップダウン判定回路51と、回転検出信号Agが入力されるエッジ検出手段52Aと、回転検出信号Bgが入力されるエッジ検出手段52Bと、第2のカウンタであるアップダウンカウンタ54とを有する。
アップダウン判定回路51の出力は、第2のカウンタであるアップダウンカウンタ54と、ラックエンド判定手段71に接続されている。
アップダウンカウンタ54は、各エッジ検出手段52A,52Bの出力がOR回路55を介して接続されると共に、アップダウン判定回路51の出力及びリセット信号整形手段53の出力が接続されている。リセット信号整形手段53は、中立点位置信号Cgが入力されたときにアップダウンカウンタ54の第2のカウント信号をリセットするリセット信号を生成し、リセット端子に入力する。
アップダウンカウンタ54から出力される第2のカウント信号は、操向角度算出手段59に入力される。操向角度算出手段59は、操向角度マップ60を検索して操向角度を算出する。操向角度マップ60は、アップダウンカウンタ54の第2のカウント値と操向角度を対応付けた構成を有する。操舵角度の信号は、出力回路61を通して第一の制御装置6の操向角度信号受信手段33(図1参照)に出力されると共に、ラックエンド判定手段71に入力される。さらに、角度差信号算出手段62及び角度比較手段72にも接続される。
ラックエンド判定手段71は、タイマ73のカウント値が所定値に達したら、ラックエンド信号発生手段74に信号を送る。ラックエンド信号発生手段74は、ラックエンド信号を発生させ、出力回路61を通して第一の制御装置6に送信する。
角度比較手段72は、メモリ75に登録されたデータを参照可能に構成されている。メモリ75には、所定時間前の操舵角度が格納されている。メモリ75のデータは、角度比較手段72によって随時書き換えられる。
角度差信号算出手段62には、操舵角度信号受信手段63を介して第一の制御装置6の出力回路31から送信される操舵角度の信号が入力される。角度差信号算出手段62の出力は、操向角度決定手段64に接続されている。操向角度決定手段64は、目標操向角度マップ65を検索して目標操向角度を算出する。目標操向角度マップ65は、実際の操向角度に対する角度差が大きい場合には、出力が大きくなるように設定されている。目標操向角度の信号は、駆動信号生成手段66で駆動信号に変換されて駆動回路45に出力される。
駆動回路45から操向モータ41に供給される電流は、電流センサ81でモニタさている。電流センサ81の出力は、電流検出回路82を経て電流比較手段83に入力される。電流比較手段83は、電流センサ81で検出した電流値と、メモリ84に登録されている閾値を比較する。電流値が閾値を越えたら、ラックエンド判定手段71と電流低減信号発生回路85に信号を出力する。
電流低減信号発生回路85は、ラックエンド判定手段71及び角度比較手段72の出力も入力されるようになっており、電流低減信号を駆動信号生成手段66に電流低減信号を出力して電流指令値を低減させる。
次に、この実施の形態の作用について説明する。
運転者がステアリングホイール2を回転させると、第1のエンコーダ13から回転角度に応じて2通りのパルス列信号(回転検出信号Aw,Bw)が第一の制御装置6に出力される。アップダウン判定回路21は、回転検出信号Awと回転検出信号Bwのそれぞれのパルス列信号の信号レベルが変化する順番からステアリングホイール2の回転方向を判定する。図3の矢印AA1に示す方向では、回転検出信号Awがハイレベルになってから、回転検出信号Bwがハイレベルになる。この場合には、例えば、ステアリングホイール2が右方向に操舵されているとみなし、アップダウンカウンタ24にカウントアップするように指令する。ステアリングホイール2を逆回転させたときは、矢印AA1と反対、つまり矢印AA2に示す方向で各パルスが出力されることになる。この場合、回転検出信号Bwがハイレベルになってから、回転検出信号Awがハイレベルになるので、アップダウン判定回路21がアップダウンカウンタ24にカウントダウンするように指令する。
エッジ検出手段22Aは、回転検出信号Awのパルスの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジをそれぞれ検出し、OR回路25に出力する。同様に、エッジ検出手段52Bは、回転検出信号Bwのパルスの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジをそれぞれ検出し、OR回路25に出力する。OR回路25は、両エッジ検出手段52A,22Bの信号の論理和を演算し、いずれかのエッジ検出手段22A,22Bがエッジを検出したらパルスが立ち上がるような信号を作成する。これによって、第1のエンコーダ13から出力されるパルス状の信号の分解能が4倍になる。
アップダウンカウンタ24は、車両の直進走行に相当する中立点位置を基準にしてOR回路25から出力されるパルス信号をカウントする。アップダウン判定回路21がカウントアップを指令しているときは、入力されたパルスを前回までのパルス数のカウント値に加算する。アップダウン判定回路21がカウントダウンを指令しているときは、入力されたパルスを前回までのパルス数のカウント値から減算する。
操作角度算出手段29は、アップダウンカウンタ24のカウント値として出力される第1のカウント信号で操舵角度マップ27を検索し、第1のカウント信号に対応する実操舵角度を取得する。実操舵角度の信号(操舵角度度信号)は、出力回路31から第二の制御装置7に向けて送信される。
第二の制御装置7では、操舵角度信号を操舵角度信号受信手段63で受信する。角度差信号算出手段62は、実操舵角度に対応する操向角度(以下、目標操向角度という)を算出する。さらに、操向角度算出手段59で算出された現在のタイヤ4の操向角度(以下、実操向角度という)と、目標操向角度の差を算出し、角度差信号として出力する。
操向角度決定手段64は、角度差信号で目標操向角度マップ65を検索して操向角度の指令値を決定する。この指令値は、角度差がゼロになるような操向角に相当する。駆動信号生成手段66は、指令値に応じた駆動信号を作成して駆動回路45に出力し、操向モータ41を回転させ、ステアリングロッド42を移動させる。これによって、タイロッド43等で連結されたタイヤ4の角度が変化する。
操向モータ41が回転すると、第3のエンコーダ46から2通りの回転検出信号Ag,Bgが出力される。第二の制御装置7は、アップダウン判定回路51でそれぞれの回転検出信号Ag,Bgのそれぞれのパルス列信号の信号レベルの変化から回転方向を判定する。判定のアルゴリズムは、第一の制御装置6のアップダウン判定回路21と同じである。また、各エッジ検出手段52A,52BとOR回路55で回転検出信号Ag,Bgに対して分解能が4倍のパルス信号を作成する。
アップダウン判定回路51の指令に従ってアップダウンカウンタ54はOR回路55から出力されるパルス信号をカウントアップ又はカウントダウンする。アップダウンカウンタ54のカウント値として出力される第2のカウント信号で操向角度算出手段59が操向角度マップ60を検索し、操向角度算出手段59がカウント値で操向角度マップ60を検索し、実操向角度を求める。実操向角度の信号(操向角度信号)は、前記した角度差信号算出手段62及び操向角度決定手段64に入力され、操向モータ41の制御に利用される。さらに、出力回路61から第一の制御装置6に送られる。
第一の制御装置6では、操向角度信号を操向角度信号受信手段33で受信し、角度差信号算出手段32で実操向角度に対応する操舵角度(以下、目標操舵角度という)を算出する。さらに、操作角度算出手段29で算出した実際の操舵角度(以下、実操舵角度という)を操舵角度信号として取得し、目標操舵角度に対する実操舵角度との角度差を算出する。このとき得られる角度差信号で操舵反力算出手段34が操舵反力マップ35を検索して操舵反力が決定される。駆動信号生成手段36が操舵反力に応じて駆動モータ12の駆動信号を生成させ、駆動回路15から駆動モータ12に通電させる。駆動モータ12に連結された回転軸であるステアリングシャフト3に、駆動モータ12の回転によって力が発生する。この力は、ステアリングホイール2を操作する運転者にとって負荷として作用する。これによって、ステアリングホイール2の操舵角度とタイヤ4の実際の操向角度が速やかに一致するようになる。また、路面状態などのインフォメーションが運転者に伝達され、操作性が向上する。
ここで、ステアリングギヤ5がラックエンドまで移動したときは、それ以上はタイヤ4を操向させることができない。この場合、操向モータ41に取り付けられた第2のエンコーダ46がパルス信号を出力しなくなるので、OR回路55からラックエンド判定手段71にパルス信号が出力されなくなる。
このとき、運転者がラックエンドに到達したことに気づかずにステアリングホイール2をさらに回転操作すると、タイヤ4の操向角度はこれ以上増やせないので操向角度と操舵角度の差が大きくなって操向モータ41に供給される電流が増加する。電流比較手段83は、電流センサ81の検出値がメモリに登録されているデータを越えたら、ラックエンド判定手段71と電流低減信号発生回路85のそれぞれに信号を出力する。
ラックエンド判定手段71は、操向角度算出手段59から入力される操向角度信号と、OR回路55及び電流比較手段83の出力を監視する。操向角度がラックエンドに相当する角度であり、かつOR回路55からのパルス信号が入力されずに、電流比較手段83からの信号が入力されたら、タイマ73を起動させて予め定められた待機時間が経過するまで待つ。待機時間が経過しても操向角度信号と、OR回路55からのパルス信号と、電流比較手段83から入力される信号に変化がないときは、ラックエンド信号発生手段74及び電流低減信号発生回路85に信号を出力し、ラックエンド信号発生手段74からラックエンドに到達したことを知らせるラックエンド信号を出力させる。ラックエンド信号は、出力回路61から第一の制御装置6に送信され、ラックエンド信号検出手段38に入力される。
電流低減信号発生回路85は、電流比較手段83からの信号に加えて、角度比較手段72からも信号を受け取ったら、駆動信号生成手段66に電流低減信号を出力する。角度比較手段72は、メモリ75に登録されている所定時間前の操向角度と、新たに入力された現在の操向角度の差がないときに信号を出力する。このため、電流低減信号発生回路85は、駆動モータ41に入力される電流が大きく、タイヤ4の角度変化がないときで、ラックエンド判定手段71がラックエンド信号を出力したときにラックエンドを越えて操向させようとしていると判定して電流低減信号を出力する。これを受けた駆動信号生成手段66は、電流目標値を下げた駆動信号を駆動回路45に出力させ、操向モータ41に入力される電流を減らす。
第一の制御装置6では、ラックエンドに到達したことを示す信号をラックエンド信号検出手段38で受け取ったら、ラックエンド反力信号発生手段37から駆動信号生成手段36にラックエンド反力信号を出力させる。駆動信号生成手段36では、ラックエンド反力信号を受け取ったら、操舵反力算出手段34で決定した操舵反力に相当する電流指令値に、予め定められた計数を掛けて電流指令値を増大させ、増大させた電流指令値に基づく駆動信号を作成する。その結果、駆動モータ12に供給される電流が増加し、角度差による反力より大きい操舵反力がステアリングシャフト3に発生する。運転者は、反力が大きくなることでラックエンドに突き当たったことを感じてステアリングホイール2を戻したり、回転を停止させたりする。
この実施の形態では、ステアリングギヤ5側でラックエンドに到達したと判定したときに、ステアリングホイール2に与える操舵反力を増大させるようにした。このときの操舵反力であるラックエンド反力は、操舵角度と操向角度の差に基づいて発生させる反力より大きくなるので、運転者がラックエンド感を感じ易くなる。ステアリングホイール2が必要以上に回されることが防止され、操向モータ41がロックした場合に電流が流れ続けることを防止できる。
ラックエンド到達の判定は、操向モータ41に入力される電流と、操向角度の2つを監視することで行うので、操向中に単に電流が増大しているだけの場合や、操向角度が変化しないだけの場合にラックエンド到達と判定されることがなくなり、判定処理の精度が向上する。ラックエンド判定手段71は、タイマ73を用いることでラックエンドに到達したとみなせる状態が所定時間経過したときにラックエンド信号を発生させるようにしたので、誤動作が防止される。
ラックエンドに到達したと判定されたときは、電流低減信号発生回路85で操向モータ41に供給する電流を低減させるようにしたので、操向モータ41のロックを防止できる。電流低減信号は、操向角度が変化しないのに対して電流値が増加するような場合に出力されるので、単にタイヤ4を操向していないときや、目標操向角度に対する実操向角度の差が大きいだけの場合の誤動作が防止される。
なお、本発明は、前記の実施の形態に限定されずに広く応用することができる。
例えば、第一、第二の制御装置6,7を1つの制御装置から構成しても良い。
本発明の実施の形態に係る車両用制御装置のステアリングホイール側の構成を示すブロック図である。 車両用制御装置のステアリングギヤ側の構成を示すブロック図である。 アップダウンカウンタに入力される信号を説明する図である。
符号の説明
1 車両用制御装置
2 ステアリングホイール
3 ステアリングシャフト
4 タイヤ(操向輪)
5 ステアリングギヤ(駆動手段)
6 第一の制御装置
7 第二の制御装置
12 駆動モータ
13 第1のエンコーダ
15 駆動回路
24 アップダウンカウンタ(第1のカウント手段)
29 操舵角度算出手段
32 角度差信号算出手段
36 駆動信生成手段
37 ラックエンド反力発生手段
41 操向モータ(駆動手段)
46 第3のエンコーダ
54 アップダウンカウンタ(第2のカウント手段)
59 操向角度算出手段
71 ラックエンド判定手段
72 角度比較手段
74 ラックエンド信号発生手段
81 電流センサ
83 電流比較手段
85 電流低減信号発生回路

Claims (3)

  1. 車両の車体に回転可能に支持されたステアリングシャフトと、
    前記ステアリングシャフトに取り付けられ、前記ステアリングシャフトとともに回転するステアリングホイールと、
    前記ステアリングシャフトの回転を検出する第1のエンコーダと、
    前記第1のエンコーダで検出したパルス信号をカウントし、第1のカウント信号を発生する第1のカウント手段と、
    前記第1のカウント手段から出力される第1のカウント信号を前記ステアリングホイールの回転量を示す信号に変換し、操舵角度信号として出力する操舵角度算出手段と、
    車両の車体に操向可能に支持された操向輪と、
    電動機とラックアンドピニオン機構を有し、車両の車体に対する前記操向輪の操向角度を変化させる駆動手段と、
    前記操向輪の操向角度の変化を検出し、前記操向輪の操向角度の変化に伴い検出信号を発生するエンコーダから供給される検出信号をカウントし、第2のカウント信号を出力する第2のカウント手段と、
    前記第2のカウント手段から供給される第2のカウント信号を前記操向輪の操向角の変化量を示す信号に変換し、操向角度信号として出力する操向角度算出手段と、
    前記操向角度算出手段で算出した操向角度信号と前記操舵角度算出手段で算出した操舵角度信号の差に相当する角度差信号を発生させる角度差信号算出手段と、
    前記角度差信号算出手段から角度差信号が供給され、角度差信号に基づいて駆動信号を発生し、前記操舵角度信号と前記操向角度信号が一致するように駆動信号を発生させる駆動信号生成手段と、
    駆動信号の供給を受けて前記駆動モータに電流を供給する駆動回路と、
    前記ラックアンドピニオン機構のラックがラックエンドに到達したことを示すラックエンド信号を受け取ったときに、前記駆動モータに供給する電流を角度差信号によって決まる値より増加させる反力信号を発生させるラックエンド反力信号発生手段と
    を備えることを特徴とする車両用制御装置。
  2. 前記操向モータに供給される電流を検出する電流センサと、ラックエンドに相当する操向角度で前記操向モータの回転が検出されず、かつ前記操向モータに供給される電流が所定値を越えたときにラックエンド信号を発生するラックエンド判定手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
  3. 前記操向輪の操向角度が変化せずに、前記操向モータに供給される電流が所定値を越えたときに前記操向モータに供給される電流を低減させる電流低減信号発生回路を有することを特徴とする請求項2に記載の車両用制御装置。
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