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JP2008285033A - 車両用制御装置 - Google Patents

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JP2008285033A
JP2008285033A JP2007132523A JP2007132523A JP2008285033A JP 2008285033 A JP2008285033 A JP 2008285033A JP 2007132523 A JP2007132523 A JP 2007132523A JP 2007132523 A JP2007132523 A JP 2007132523A JP 2008285033 A JP2008285033 A JP 2008285033A
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Shigeru Matsuda
茂 松田
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Mitsuba Corp
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Abstract

【課題】ステアリングホイールとステアリングギヤを機械的に分離させた構成において、少ない消費電力で良好な操舵フィーリングを実現する。
【解決手段】第一の制御装置6は、動作状態信号受信手段41でラックエンドに到達したことを知らせる信号を取得したら、電磁部ブレーキ信号発生手段44で電磁ブレーキ手段15を動作させ、ステアリングシャフト3にブレーキをかける。この力は、運転者にはラックエンドに到達したことを知らせる力として働くので、これに運転者が対応してステアリングホイール2を戻す等に動作を実施する。このときの変化をトルクセンサ18や第1のエンコーダ13を用いて取得し、解除信号発生手段45が電磁ブレーキ信号発生手段44に解除信号を出力し、電磁ブレーキ手段15を停止させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用制御装置に関する。
ステアリングホイールと、操向輪を操向させるステアリングギヤとを機械的に分離させたステアバイワイヤ方式の車両用制御装置が開発されている。この車両用制御装置では、ステアリングホイールの回転を検出するセンサを設け、センサでステアリングホイールの操舵角度を検出し、これに相当する操向角度を制御装置で算出する。さらに、操向角度に操向輪の角度が一致するようにステアリングギヤを駆動させる。
この種の車両用制御装置では、ステアリングホイールに反力を与えられるように反力モータが設けられている。反力を与える際には、ステアリングホイールの回転角度と車速を検出し、これらに応じて目標反力トルクを演算する。目標反力トルクに応じたトルクがステアリングホイールに作用させられる(例えば、特許文献1参照)。これによって、運転者が操作力を作用させていない状態では操向輪がセルフアライニングトルクにより直線状態に復帰する。
特開2005−53334号公報
しかしながら、モータの回転でステアリングホイールに反力を与えただけでは、ラックエンドに突き当たった感触(以下、ラックエンド感という)を実現することが難しく、運転者によってはステアリングホイールを必要以上に回してしまうことがあった。このような場合には、ステアリングギヤを駆動させるモータがロックしてしまうことがあった。
また、電流の供給によってラックエンド感を与える場合には、運転者がステアリングホイールを操作してラックエンドから離れたことを検出してから電流の供給を停止することになるので、この間は絶えず電流を供給する必要があった。このため、電流消費量が増大していた。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、運転者に適切なラックエンド感を伝達できるようにすることを主な目的とする。
上記の課題を解決する本発明の請求項1に係る発明は、車両の車体に回転可能に支持されたステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトに取り付けられ、前記ステアリングシャフトとともに回転するステアリングホイールと、前記ステアリングシャフトの回転を検出するエンコーダから供給されるパルス信号をカウントし、第1のカウント信号を発生する第1のカウント手段と、前記第1のカウント手段から出力される第1のカウント信号を前記ステアリングホイールの回転量を示す信号に変換し、操舵角度信号として出力する操舵角度算出手段と、車両の車体に操向可能に支持された操向輪と、電動機とラックアンドピニオン機構を有し、車両の車体に対する前記操向輪の操向角度を変化させる駆動手段と、前記操向輪の操向角度の変化を検出し、前記操向輪の操向角度の変化に伴い検出信号を発生するエンコーダから供給される検出信号をカウントし、第2のカウント信号を出力する第2のカウント手段と、前記第2のカウント手段から供給される第2のカウント信号を前記操向輪の操向角の変化量を示す信号に変換し、操向角度信号として出力する操向角度算出手段と、前記操向角度算出手段で算出した操向角度信号と前記操舵角度算出手段で算出した操舵角度信号の差に相当する角度差信号を発生させる角度差信号算出手段と、前記角度差信号算出手段から角度差信号が供給され、角度差信号に基づいて駆動信号を発生し、前記操舵角度信号と前記操向角度信号が一致するように駆動信号を発生させる駆動信号生成手段と、駆動信号の供給を受けて前記駆動モータに電流を供給する駆動回路と、前記ステアリングギヤがラックエンドに到達したことを示す信号を受け取ったときに、前記ステアリングシャフトにブレーキをかける電磁ブレーキ手段と、前記電磁ブレーキ手段に供給される電流を制御する電磁ブレーキ信号発生手段と、前記電磁ブレーキ手段の動作後に前記ステアリングシャフトに生じるトルクを検出するトルクセンサと、前記トルクセンサで検出するトルクが減少したときに前記電磁ブレーキ手段によるブレーキを解除させる解除信号発生手段とを備えることを特徴とする車両用制御装置とした。
この車両用制御装置では、ラックエンドに到達したと判定したときに電磁ブレーキ手段を動作させる。ステアリングシャフトにブレーキをかけることで運転者にラックエンド感を与える。ラックエンド感を感じた運転者がステアリングホイールに加える力や回転方向を変化させたときは、このような変化をトルクとして検出して電磁ブレーキ手段を解除させる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両用制御装置において、前記解除信号発生手段は、操舵角度と操向角度の角度差が減少した場合にブレーキを解除させるように構成したことを特徴とする。
この車両用制御装置は、ラックエンド感を感じた運転者がステアリングホイールの回転方向を変化させたときに、操向輪との角度差を検出することでブレーキを解除させる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両用制御装置において、前記解除信号発生手段は、前記ステアリングシャフトの回転方向が反転したときにブレーキを解除させるように構成したことを特徴とする。
この車両用制御装置は、ラックエンド感を感じた運転者がステアリングホイールの回転方向を変化させたときに、回転方向の変化を検出したときにブレーキを解除させる。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両用制御装置において、前記電動機に供給される電流を検出する電流センサと、ラックエンドに相当する操向角度で前記電動機の回転が検出されず、かつ前記電動機に供給される電流が所定値を越えたときにラックエンド信号を発生するラックエンド判定手段とを備えることを特徴とする。
ラックエンドに到達したことを判定する際に、電流値だけで判断すると操向中で目標に対する角度差が大きいときに誤判定することがある。また、エンコーダの出力だけでは、操向輪が停止しているときに誤判定することがある。ラックエンド判定手段では、操向角度、電流値、エンコーダの出力を監視することでラックエンドの判定精度を高めている。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の車両用制御装置において、前記操向輪の操向角度が変化せずに、前記電動機に供給される電流が所定値を越えたときに前記電動機に供給される電流を低減させる電流低減信号発生回路を有することを特徴とする。
この車両用制御装置は、操向角度が変化しないのに対して電流値が増加するような場合に、電動機に供給する電流を低減させ、電動機のロック時の電流の流れすぎを防止する。
本発明によれば、操舵中にラックエンドに到達したときに電磁ブレーキ手段を動作させてラックエンド感を運転者に与え、これに応じて運転者の操作が変化したときには電磁ブレーキ手段の動作を停止させるようにしたので、操向フィーリングを向上させると共に不必要な電流の供給を防止できる。
図1及び図2に示すように、車両用制御装置1は、運転者が操作する入力手段であるステアリングホイール2が取り付けられたステアリングシャフト3と、操向輪(以下、タイヤという)4を操向させるステアリングギヤ5とが機械的に接続されておらず、ステアリングシャフト3側の第一の制御装置6と、ステアリングギヤ5の第二の制御装置7と介して電気的に接続されている。
ステアリングシャフト3は、車体に固定されたハウジング11に回転自在に支持されている。ハウジング11内には、電動機に減速機構を取り付けた駆動モータ12が収容されており、駆動モータ12の動力をステアリングシャフト3に伝達可能に連結されている。さらに、ハウジング11には、ステアリングホイール2の回転に応じてパルス信号を出力する第1のエンコーダ13と、ステアリングホイール2の操舵角度の中立点を検出する第2のエンコーダ14と、電磁ブレーキ手段15が取り付けられている。駆動モータ12は、駆動回路16を介して第一の制御装置6に接続されている。電磁ブレーキ手段15は、電磁石に通電してロータの回転を停止させるようなブレーキ力を発生させるもので、駆動回路17を介して第一の制御装置6に接続されている。各駆動回路16,17は、スイッチング素子などを有し、不図示の電源からの電流を駆動モータ12や電磁ブレーキ手段15に供給するように構成されている。
さらに、ステアリングシャフト3には、トルクセンサ18が取り付けられている。トルクセンサ18は、ステアリングホイール2から駆動モータ12に至るまでの間に取り付けれ、第一の制御装置6にトルクに応じた信号を出力する。
第1のエンコーダ13は、光学式のロータリエンコーダが用いられている。ロータリエンコーダは、ステアリングホイール2と共に回転する不図示の円板を有し、この円板には2列のパターンが形成されている。各パターンは、例えば、周方向に等間隔に形成された略同じ幅のスリットからなり、一方のパターンのスリットの配置に対して他方のパターンのスリットの配置を周方向にスリット幅の1/4だけずらして配置されている。したがって、円板を挟んで発光素子と受光素子を配置すれば、それぞれのパターンに対応して1/4周期だけパルスの発生タイミングがずれた信号が得られる。このようなパルス信号の一例を図3に示す。以下、一方のパターンによって発生する第1のパルス信号をA相の回転検出信号Awとし、他方のパターンによって発生する第2のパルス列信号をB相の回転検出信号Bwとする。
第2のエンコーダ14は、操舵角度をリセットする位置を検出する中心位置検出センサとして使用される。例えば、ステアリングホイール2を操舵可能な範囲で回転させたときに1回転するように減速された円板にマーカを設け、このマーカを検出したときにパルス信号を出力するセンサが用いられる。マーカは、タイヤ4が直進方向に向くときのステアリングホイール2の回転位置に対応して設けられている。車両は、直進方向に対して右側及び左側のそれぞれに同じ量だけタイヤ4を操向可能に構成されているので、このときのステアリングホイール2の回転位置は、操舵可能な領域の中立点に相当する。したがって、運転者がステアリングホイール2を回転させているときに、中立点に達する度に初期位置信号として中立点位置信号Cw(図3参照)が1つ出力される。中立点位置信号Cwは、回転検出信号Aw,Bwのそれぞれの周期の1/2よりも長く、回転検出信号Aw,Bwのそれぞれの周期よりも短い時間幅のパルス信号である。
第一の制御装置6は、第1のカウント手段として、それぞれの回転検出信号Aw,Bwが入力されるアップダウン判定回路21と、回転検出信号Awが入力されるエッジ検出手段22Aと、回転検出信号Bwが入力されるエッジ検出手段22Bと、第1のカウンタであるアップダウンカウンタ24とを有する。
アップダウン判定回路21の出力は、第1のカウンタであるアップダウンカウンタ24と反転検出手段26に接続されている。
反転検出手段26は、直前のアップダウン判定回路21の判定結果をメモリ27に記憶させておき、直前の判定結果と新しく入力された判定結果を比較し、操舵方向の反転を判定する。判定を行ったら、新しく入力された判定結果をメモリ27に上書きする。
アップダウンカウンタ24は、各エッジ検出手段22A,22Bの出力がOR回路25を介して接続されると共に、アップダウン判定回路21の出力及びリセット信号整形手段23の出力が接続されている。リセット信号整形手段23は、中立点位置信号Cwが入力されたときにアップダウンカウンタ24の第1のカウント信号をリセットするリセット信号を生成し、リセット端子に入力する。
アップダウンカウンタ24から出力される第1のカウント信号は、操舵角度算出手段29に入力される。操舵角度算出手段29は、操舵角度マップ30を検索して操舵角度を算出する。操舵角度算出手段29の出力は、操舵角度信号出力回路31を通して第二の制御装置7に接続されると共に、角度差信号算出手段32及び操舵反力算出手段34に接続される。操舵角度マップ30は、アップダウンカウンタ24のカウント値と操舵角度を対応付けた構成を有する。角度差信号算出手段32には、操向角度信号受信手段33を介して第二の制御装置7の操向角度の信号が入力される。
角度差信号算出手段32は、操舵反力算出手段34が接続されている。操舵反力算出手段34は、操舵反力マップ35を検索して駆動モータ12で発生させる操舵反力を算出する。操舵反力マップ35は、角度差と操舵反力を対応付けた構成を有する。操舵反力は、操向角度に操舵角度を一致させるような大きさ及び向きが選択される。操舵反力算出手段34の出力は、駆動信号生成手段36に接続されている。駆動信号生成手段36は、操舵反力算出手段34で演算した操舵反力に応じて駆動モータ12の駆動信号を生成し、駆動回路16に出力する。
さらに、第一の制御装置6には、動作状態信号受信手段41が設けられており、第二の制御装置7から動作状態信号が入力される。動作状態信号には、第二の制御装置7側で検出されたラックエンド信号及び電流が含まれる。動作状態信号受信手段41の出力は、ラックエンド信号検出手段42と、電流検出手段43とに接続されている。ラックエンド信号検出手段42及び電流検出手段43は、それぞれラックエンド信号及び電流値を電磁ブレーキ信号発生手段44に出力可能に接続されている。
電磁ブレーキ信号発生手段44は、これら手段42,43の他に、解除信号発生手段45の出力も接続されており、マップ46を検索して駆動信号を生成して電磁ブレーキ手段15の駆動回路17に出力する構成になっている。マップ46は、電流検出手段43から出力される電流値と、ブレーキ力を対応付けた構成を有する。電磁ブレーキ信号発生手段44は、操向角度に操舵角度が一致するようにブレーキ力のON/OFFを決定する。
解除信号発生手段45は、反転検出手段26の出力と、トルク比較手段47の出力と、角度比較手段48の出力が接続されている。後述する条件を満たしたときに電磁ブレーキ手段15を停止させるように解除信号を電磁ブレーキ信号発生手段44に出力する。
トルク比較手段47は、トルク検出手段49を介してトルクセンサ18の出力が入力される。メモリ50に予め格納されているトルク値を下回ったときに解除信号発生手段45に信号を出力する。メモリ50に予め格納されているトルク値は、所定時間前のトルクセンサ18の出力である。
角度比較手段48は、角度差信号算出手段32から角度差信号を受け取り、角度差がメモリ51に予め記憶されている閾値以下になったら、解除信号発生手段45に信号を出力する。
図2に示すように、ステアリングギヤ5は、駆動手段として電動機に減速機構が取り付けられた操向モータ61と、操向モータ61の回転をステアリングロッド62の直線運動に変換するラックアンドピニオン機構を備えている。ステアリングロッド62の両端にはタイロッド63とナックルアーム64を介してタイヤ4が接続されている。操向モータ61は、駆動回路65を介して第二の制御装置7に接続されている。駆動回路65は、スイッチング素子などを有し、不図示の電源からの電流を操向モータ61に供給するように構成されている。
操向モータ61には、操向モータ61の回転から操向角度を検出する第3のエンコーダ66が取り付けられている。第3のエンコーダ66には、前記と同様に光学式のロータリエンコーダを使用している。第3のエンコーダ66からは、A相の回転検出信号Agと、パルスの発生タイミングが半周期ずれたB相の回転検出信号Bgとが出力される。
ステアリングギヤ5には、操向角度をリセットする位置を検出する操向角度リセットセンサとして、操向角度の中立点を検出する第4のエンコーダ67が取り付けられている。第4のエンコーダ67は、ステアリングロッド62が最も右に移動したラックエンドから、最も左に移動したラックエンドまでの間の中間地点を検出することで操向角度の中立点を検出するもので、ステアリングロッド62と共に移動する不図示のマーキングを検出してパルス状の中立点位置信号Cg(図3参照)を1つ出力するように構成されている。
第二の制御装置7は、第2のカウント手段として、それぞれの回転検出信号Ag,Bgが入力されるアップダウン判定回路71と、回転検出信号Agが入力されるエッジ検出手段72Aと、回転検出信号Bgが入力されるエッジ検出手段72Bと、第2のカウンタであるアップダウンカウンタ74とを有する。
アップダウン判定回路71の出力は、第2のカウンタであるアップダウンカウンタ74と、ラックエンド判定手段73に接続されている。
アップダウンカウンタ74は、各エッジ検出手段72A,72Bの出力がOR回路75を介して接続されると共に、アップダウン判定回路71の出力及びリセット信号整形手段
76の出力が接続されている。リセット信号整形手段76は、中立点位置信号Cgが入力されたときにアップダウンカウンタ74の第2のカウント信号をリセットするリセット信号を生成し、リセット端子に入力する。
アップダウンカウンタ74から出力される第2のカウント信号は、操向角度算出手段79に入力される。操向角度算出手段79は、操向角度マップ80を検索して操向角度を算出する。操向角度マップ80は、アップダウンカウンタ74のカウント値と操向角度を対応付けた構成を有する。操向角度の信号は、操向角度信号出力回路81を通して第一の制御装置6の操向角度信号受信手段33(図1参照)に出力されると共に、ラックエンド判定手段73に入力される。さらに、角度差信号算出手段82、操向角度決定手段83及び角度比較手段84にも接続される。
角度差信号算出手段82には、操舵角度信号受信手段85を介して第一の制御装置6の操舵角度信号出力回路31から送信される操舵角度の信号が入力される。角度差信号算出手段82の出力は、操向角度決定手段83に接続されている。操向角度決定手段83は、目標操向角度マップ86を検索して目標操向角度を算出する。目標操向角度マップ86は、実際の操向角度に対する角度差が大きい場合には、出力が大きくなるように設定されている。目標操向角度の信号は、駆動信号生成手段87で駆動信号に変換されて駆動回路65に出力される。
駆動回路65から操向モータ61に供給される電流は、電流センサ91でモニタさている。電流センサ91の出力は、電流検出回路92を経て電流比較手段93に入力される。電流比較手段93は、電流センサ91で検出した電流値と、メモリ94に登録されている閾値を比較する。電流値が閾値を越えたら、ラックエンド判定手段73と電流低減信号発生回路95に信号を出力する。さらに、電流値の信号を動作状態信号出力回路98に出力する。電流低減信号発生回路95は、角度比較手段84の出力も接続されており、電流低減信号を駆動信号生成手段87に出力して電流指令値を低減させる。
ラックエンド判定手段73は、タイマ96のカウント値が所定値に達したら、OR回路75の出力変化が無いこと、電流比較手段93の出力を確認した後、ラックエンド信号発生手段97に信号を送る。ラックエンド信号発生手段97は、ラックエンド信号を発生させ、動作状態信号出力回路98から第一の制御装置6に送信する。
角度比較手段84は、メモリ99に登録されたデータを参照可能に構成されている。メモリ99には、所定時間前の操舵角度が格納されている。メモリ99のデータは、角度比較手段84によって随時書き換えられる。
次に、この実施の形態の作用について説明する。
運転者がステアリングホイール2を回転させると、第1のエンコーダ13から回転角度に応じて2通りのパルス信号(回転検出信号Aw,Bw)が第一の制御装置6に出力される。アップダウン判定回路21は、回転検出信号Awと回転検出信号Bwのそれぞれのパルス信号の信号レベルが変化する順番からステアリングホイール2の回転方向を判定する。図3の矢印AA1に示す方向では、回転検出信号Awがハイレベルになってから、回転検出信号Bwがハイレベルになる。この場合には、例えば、ステアリングホイール2が右方向に操舵されているとみなし、アップダウンカウンタ24にカウントアップするように指令する。ステアリングホイール2を逆回転させたときは、矢印AA1と反対、つまり矢印AA2に示す方向で各パルスが出力されることになる。この場合、回転検出信号Bwがハイレベルになってから、回転検出信号Awがハイレベルになるので、アップダウン判定回路21がアップダウンカウンタ24にカウントダウンするように指令する。
エッジ検出手段22Aは、回転検出信号Awのパルスの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジをそれぞれ検出し、OR回路25に出力する。同様に、エッジ検出手段22Bは、回転検出信号Bwのパルスの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジをそれぞれ検出し、OR回路25に出力する。OR回路25は、両エッジ検出手段22A,22Bの信号の論理和を演算し、いずれかのエッジ検出手段22A,22Bがエッジを検出したらパルスが立ち上がるような信号を作成する。これによって、第1のエンコーダ13から出力されるパルス状の信号の分解能が4倍になる。
アップダウンカウンタ24は、直進走行に相当する中立点位置を基準にしてOR回路25から出力されるパルス信号をカウントする。アップダウン判定回路21がカウントアップを指令しているときは、入力されたパルスを前回までのパルス数のカウント値に加算する。アップダウン判定回路21がカウントダウンを指令しているときは、入力されたパルスを前回までのパルス数のカウント値から減算する。
操舵角度算出手段29は、アップダウンカウンタ24のカウント値で操舵角度マップ30を検出し、そのカウント値に対応する操舵角度を取得する。操舵角度の信号は、角度差信号算出手段32と操舵角度信号出力回路31に出力される。操舵角度信号出力回路31から操舵角度の信号が第二の制御装置7に向けて送信される。
第二の制御装置7では、操舵角度の信号を操舵角度信号受信手段85で受信し、角度差信号算出手段82が操舵角度に対応する操向角度(以下、目標操向角度という)を算出する。さらに、目標操向角度と現在のタイヤ4の操向角度(以下、実操向角度という)との角度差が算出される。操向角度決定手段83は、角度差で目標操向角度マップ86を検索して目標操向角度を決定する。目標操向角度は、角度差がゼロになるような操向角である。駆動信号生成手段87は、目標操向角度に応じた駆動信号を作成して駆動回路65に出力し、操向モータ61を回転させ、ステアリングロッド62を移動させる。これによって、タイロッド63等で連結されたタイヤ4の角度が変化する。
操向モータ61が回転すると、第3のエンコーダ66から2通りの回転検出信号Ag,Bgが出力される。第二の制御装置7は、アップダウン判定回路71でそれぞれの回転検出信号Ag,Bgのそれぞれのパルス信号の信号レベルの変化から回転方向を判定する。判定のアルゴリズムは、第一の制御装置6のアップダウン判定回路21と同じである。また、各エッジ検出手段72A,52BとOR回路75で回転検出信号Ag,Bgに対して分解能が4倍のパルス信号を作成する。
アップダウン判定回路71の指令に従ってOR回路75からパルス信号が出力される。アップダウンカウンタ74は、直進走行に相当する中立点位置を基準にしてOR回路75から出力されるパルス信号をカウントアップ又はカウントダウンする。操向角度算出手段79がカウント値で操向角度マップ80を検索し、実操向角度を求める。実操向角度の信号は、前記した角度差信号算出手段82及び操向角度決定手段83に入力され、操向モータ61の制御に利用される。
さらに、実操向角度の信号は、操向角度信号出力回路81から第一の制御装置6に送信される。第一の制御装置6は、操向角度信号受信手段33から角度差信号算出手段32に入力される。角度差信号算出手段32は、実操向角度と、操舵角度算出手段29で算出された現在の操舵角度(以下、実操舵角度という)との角度差を算出し、角度差信号として出力する。操舵反力算出手段34は、角度差で操舵反力マップ35を検索して操舵反力を決定し、駆動信号生成手段36に指令信号を出力する。駆動信号生成手段36は、操舵反力が得られるような駆動信号を作成し、駆動回路16から駆動モータ12に供給される電流を制御する。駆動モータ12の回転によってステアリングシャフト3に操舵反力が発生し、ステアリングホイール2を握っている運転者に伝達される。
ここで、ステアリングギヤ5がラックエンドまで移動したときは、それ以上はタイヤ4を操向させることができない。この場合、操向モータ61に取り付けられた第3のエンコーダ66がパルス信号を出力しなくなるので、OR回路75からラックエンド判定手段73にパルス信号が出力されなくなる。
このとき、運転者がラックエンドに到達したことに気づかずにステアリングホイール2をさらに回転操作すると、タイヤ4の操向角度はこれ以上増やせないので操向角度と操舵角度の差が大きくなって操向モータ61に供給される電流が増加する。電流比較手段93は、電流センサ91の検出値がメモリ94に登録されているデータを越えたら、ラックエンド判定手段73と電流低減信号発生回路95のそれぞれに信号を出力する。
電流低減信号発生回路95は、電流比較手段93からの信号に加えて、角度比較手段84からも信号を受け取ったら、駆動信号生成手段87に電流低減信号を出力する。角度比較手段84は、メモリ99に登録されている所定時間前の操舵角度と、新たに入力された現在の操向角度の差がないときに信号を出力する。このため、電流低減信号発生回路95は、操向モータ61に入力される電流が大きく、かつタイヤ4の角度変化がないときに、ラックエンドを越えて操向させようとしていると判定して電流低減信号を出力する。これを受けた駆動信号生成手段87は、電流目標値を下げた駆動信号を駆動回路65に出力させ、操向モータ61に入力される電流を減らす。
ラックエンド判定手段73は、操向角度算出手段79から入力される操向角度と、OR回路75及び電流比較手段93の出力を監視する。操向角度がラックエンドに相当する角度であり、かつOR回路75からのパルス信号が入力されずに、電流比較手段93からの信号が入力されたら、タイマ96を起動させて予め定められた待機時間が経過するまで待つ。待機時間が経過したら、ラックエンド信号発生手段97に信号出力し、ラックエンド信号発生手段97からラックエンドに到達したことを知らせるラックエンド信号を出力させる。ラックエンド信号は、動作状態信号出力回路98から第一の制御装置6に送信され、動作状態信号受信手段41に入力される。同様に、電流値の信号も第二の制御装置7の動作状態信号出力回路98から第一の制御装置6に送信され、動作状態信号受信手段41に入力される。
第一の制御装置6では、ラックエンド信号がラックエンド信号検出手段42を通して電磁ブレーキ信号発生手段44に入力され、電流の信号が電流検出手段43を通して電磁ブレーキ信号発生手段44に入力される。解除信号が発生していないときは、電磁ブレーキ信号発生手段44が電磁ブレーキ手段の駆動信号を作成して駆動回路17を制御して電磁ブレーキ手段15を動作させる。電磁ブレーキ手段15がステアリングシャフト3にブレーキ力を発生させて運転者にラックエンド感を与える。
これに伴って運転者がステアリングホイール2にかけていた力を減らすと、トルクセンサ18の出力が変化する。トルク比較手段47は、トルクの値をメモリ50に格納されているデータと比較し、これを下回ったら、解除信号発生手段45に信号を出力する。電磁ブレーキ信号発生手段44に解除信号が入力されて電磁ブレーキ手段15によるブレーキが停止する。運転者がラックエンド感を感じることによってこれ以上の操舵を止めようとする意思が働いたことをトルクの減少をもって判断し、これを電磁ブレーキ手段15の制御に反映させる。
また、ステアリングホイール2が逆方向に操舵されたときは、そのような操作を反転検出手段26で検出することができる。反転検出手段26は、メモリ27に格納されている直前のデータと新しく入力されたデータを比較し、両データが回転方向が異なることを示すデータであった場合には、解除信号発生手段45に信号を出力する。電磁ブレーキ信号発生手段44に解除信号が入力されて電磁ブレーキ手段15によるブレーキが停止する。運転者がラックエンド感を感じすることによって実際にステアリングホイール2を反転させたことを第1のエンコーダ13の出力から判断し、これを電磁ブレーキ手段15の制御に反映させる制御させる。
さらに、運転者がステアリングホイール2を操作して操向角度に操舵角度が近付けられたときは、角度比較手段48が実操向角度と実操舵角度の角度差と、メモリ51に格納されているデータを比較する。角度差が一定値以下になったと判定されたときは、解除信号発生手段45に信号が出力される。電磁ブレーキ信号発生手段44に解除信号が入力されて電磁ブレーキ手段15によるブレーキが停止する。運転者がラックエンド感を感じすることによって実際にステアリングホイール2を反転させて角度差が小さくなったとき、これを電磁ブレーキ手段15の制御に反映させる。
ここで、解除信号発生手段45は、いずれか1つの手段26,47,48から信号が入力されたら解除信号を出力するようにしても良いし、全ての手段26,47,4から信号が入力されるまで解除信号を出力しないようにしても良い。また、解除信号発生手段45に入力される信号の種類や数に応じて解除信号として電磁ブレーキ手段15の動作を段階的に、または連続して徐々に減少させるように信号を出力しても良い。
この実施の形態では、ステアリングギヤ5側でラックエンドに到達したと判定したときに、電磁ブレーキ手段15を利用してステアリングホイール2に与える操舵反力を増大させるようにした。このときの操舵反力であるラックエンド反力は、操舵角度と操向角度の差に基づいて発生させる反力より大きくなるので、運転者がラックエンド感を感じ易くなる。ステアリングホイール2が必要以上に回されることが防止され、操向モータ61のロック時の電流の流れすぎを防止できる。
ラックエンド到達の判定は、操向モータ61に入力される電流と、操向角度の2つを監視することで行うので、操向中に単に電流が増大しているだけの場合や、操向角度が変化しないだけの場合にラックエンド到達と判定されることがなくなり、判定処理の精度が向上する。ラックエンド判定手段73は、タイマ96を用いることでラックエンドに到達したとみなせる状態が所定時間経過したときにラックエンド信号を発生させるようにしたので、誤動作が防止される。
ラックエンドに到達したと判定されたときは、電流低減信号発生回路95で操向モータ61に供給する電流を低減させるようにしたので、操向モータ61のロックを防止できる。電流低減信号は、操向角度が変化しないのに対して電流値が増加するような場合に出力されるので、単にタイヤ4を操向していないときや、目標操向角度に対する実操向角度の差が大きいだけの場合の誤動作が防止される。
なお、本発明は、前記の実施の形態に限定されずに広く応用することができる。
例えば、第一、第二の制御装置6,7を1つの制御装置から構成しても良い。
本発明の実施の形態に係る車両用制御装置のステアリングホイール側の構成を示すブロック図である。 車両用制御装置のステアリングギヤ側の構成を示すブロック図である。 アップダウンカウンタに入力される信号を説明する図である。
符号の説明
1 車両用制御装置
2 ステアリングホイール
3 ステアリングシャフト
4 タイヤ(操向輪)
5 ステアリングギヤ
6 第一の制御装置
12 駆動モータ
13 第1のエンコーダ
15 電磁ブレーキ手段
18 トルクセンサ
34 操舵反力算出手段
36 駆動信号生成手段
44 電磁ブレーキ信号発生手段
45 解除信号発生手段
73 ラックエンド判定手段
79 操向角度算出手段
91 電流センサ
95 電流低減信号発生回路

Claims (5)

  1. 車両の車体に回転可能に支持されたステアリングシャフトと、
    前記ステアリングシャフトに取り付けられ、前記ステアリングシャフトとともに回転するステアリングホイールと、
    前記ステアリングシャフトの回転を検出するエンコーダから供給されるパルス信号をカウントし、第1のカウント信号を発生する第1のカウント手段と、
    前記第1のカウント手段から出力される第1のカウント信号を前記ステアリングホイールの回転量を示す信号に変換し、操舵角度信号として出力する操舵角度算出手段と、
    車両の車体に操向可能に支持された操向輪と、
    電動機とラックアンドピニオン機構を有し、車両の車体に対する前記操向輪の操向角度を変化させる駆動手段と、
    前記操向輪の操向角度の変化を検出し、前記操向輪の操向角度の変化に伴い検出信号を発生するエンコーダから供給される検出信号をカウントし、第2のカウント信号を出力する第2のカウント手段と、
    前記第2のカウント手段から供給される第2のカウント信号を前記操向輪の操向角の変化量を示す信号に変換し、操向角度信号として出力する操向角度算出手段と、
    前記操向角度算出手段で算出した操向角度信号と前記操舵角度算出手段で算出した操舵角度信号の差に相当する角度差信号を発生させる角度差信号算出手段と、
    前記角度差信号算出手段から角度差信号が供給され、角度差信号に基づいて駆動信号を発生し、前記操舵角度信号と前記操向角度信号が一致するように駆動信号を発生させる駆動信号生成手段と、
    駆動信号の供給を受けて前記駆動モータに電流を供給する駆動回路と、
    前記ステアリングギヤがラックエンドに到達したことを示す信号を受け取ったときに、前記ステアリングシャフトにブレーキをかける電磁ブレーキ手段と、
    前記電磁ブレーキ手段に供給される電流を制御する電磁ブレーキ信号発生手段と、
    前記電磁ブレーキ手段の動作後に前記ステアリングシャフトに生じるトルクを検出するトルクセンサと、
    前記トルクセンサで検出するトルクが減少したときに前記電磁ブレーキ手段によるブレーキを解除させる解除信号発生手段と
    を備えることを特徴とする車両用制御装置。
  2. 前記解除信号発生手段は、操舵角度と操向角度の角度差が減少した場合にブレーキを解除させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
  3. 前記解除信号発生手段は、前記ステアリングシャフトの回転方向が反転したときにブレーキを解除させるように構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用制御装置。
  4. 前記電動機に供給される電流を検出する電流センサと、
    ラックエンドに相当する操向角度で前記電動機の回転が検出されず、かつ前記電動機に供給される電流が所定値を越えたときにラックエンド信号を発生するラックエンド判定手段と
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両用制御装置。
  5. 前記操向輪の操向角度が変化せずに、前記電動機に供給される電流が所定値を越えたときに前記電動機に供給される電流を低減させる電流低減信号発生回路を有することを特徴とする請求項4に記載の車両用制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009274609A (ja) * 2008-05-15 2009-11-26 Toyota Central R&D Labs Inc 反力制御装置および反力設定方法
EP4023529A1 (en) * 2020-12-31 2022-07-06 Ognibene Power S.P.A. Steering system

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