JP2008273042A - 液体充填方法、液体収納容器、およびヘッドカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】液体収納容器内に備わる撹拌部材の機能が充分に発揮できるように、その液体収納容器内に液体を適確に充填することができる液体充填方法、液体収納容器、およびヘッドカートリッジを提供すること。
【解決手段】インク120を攪拌するための揺動部材200が備わるインク収納室内に、インクカートリッジの外部から注入針180を挿入し、その注入針180を通して、インク収納室内にインク120を充填する。
【選択図】図9
【解決手段】インク120を攪拌するための揺動部材200が備わるインク収納室内に、インクカートリッジの外部から注入針180を挿入し、その注入針180を通して、インク収納室内にインク120を充填する。
【選択図】図9
Description
本発明は、液体収納容器にインクなどの液体を収納するための液体充填方法、インクなどの液体を収納するための液体収納容器に、および、その液体収納容器を備えるヘッドカートリッジに関するものである。
記録装置として、例えば、いわゆるシリアルタイプのインクジェット記録装置は、主走査方向に移動可能なキャリッジに、インクを吐出可能な記録ヘッドと、その記録ヘッドに供給するインクを収納するためのインクタンク(液体収納容器)と、が搭載される。画像の記録に際しては、キャリッジを主走査方向に移動させつつ、記録ヘッドの吐出口から記録媒体に向かってインクを吐出する動作と、主走査方向と交差する副走査方向に記録媒体を搬送する動作と、を繰り返す。記録ヘッドから吐出されたインク滴が記録媒体上に着弾することにより、所望の画像が記録される。
このようなインクジェット記録装置において用いられているインクの主流は、色材として染料を含有するインクであった。しかし一般に、染料インクは耐光性および耐ガス性がやや低く、その染料インクによる記録物は、屋外掲示のような特殊用途において耐久性のある画像堅牢性を提供しにくい場合があった。
近年、色材として顔料を含有するインクを用いる記録装置が提供されてきている。顔料インクは耐光性および耐ガス性に優れ、それによる記録物も充分な画像堅牢性を発揮することができる。但し、顔料インクは、染料インクとは異なり、色材の分散性を考慮した取り扱いが要求される。
顔料インク中の顔料分子は、染料インク中の染料分子のようにインク溶液中には溶解せず、分散した状態で浮遊している。顔料インクを収納するインクタンクが暫く静置されたままであると、インクタンク内の顔料粒子が重力によって徐々に沈降し、インクタンクの高さ方向において顔料粒子の濃度傾斜が発生することがあった。すなわち、インクタンクの底部には色材濃度の高い層が位置し、その上部には色材濃度の低い層が位置することになる。この状態のインクタンクから記録ヘッドにインクを供給して画像の記録動作を開始し、そして記録動作を継続した場合には、記録動作の初期段階と後期段階において、画像に濃度差が発生するおそれがある。
具体的に説明するために、インクタンクの底部から記録ヘッドにインクを供給する構成のインクジェット記録装置を考える。この記録装置に、上述した顔料粒子の濃度傾斜を有するインクタンクを装着して記録を開始した場合、記録初期では、インクタンク内の下層の色材濃度の高いインクが供給されるため、必要以上に高濃度な画像が記録される。その後、記録動作を続行することにより、インクタンク内のインクの消費にしたがって、画像の記録濃度は徐々に低下する。そして、インクタンク内のインクが少量になった状態においては、インクタンク内には、当初の色材濃度よりも低い色材濃度のインクしか残存しなくなる。そのため、記録当初と同じ画像データに基づいて画像を記録した場合でも、記録濃度が薄いものとなる。特に、顔料粒子の径や比重が大きい場合、顔料粒子の沈降傾向が著しいため、インクタンクの非使用状態が数日間続くだけでも、画像に影響が現れるほどの濃度傾斜が発生するおそれがある。
このように、インクタンクの使用に伴って、記録ヘッドから吐出されるインクの色材濃度が変化した場合、インクタンクの使用初期と使用後期において記録画像に濃度差を発生させるだけではない。例えば、複数のカラーインクを用い、所定のカラーバランスのもとに色相を表現するカラーインクジェット記録システムにでは、カラーバランスが崩れるおそれがある。この場合、より顕著な画像濃度差問題として認識されることになる。
インクタンク内に残存するインク量の如何に拘わらず、記録ヘッドから吐出されるインク滴の色材濃度を、一定の濃度範囲内に維持するためには、少なくとも記録動作中に、インクタンク内の顔料分子が一様に分散していることが望まれる。
このような顔料分子の一様な分散を実現するために、インクタンクの内部に、顔料分子を攪拌するための撹拌部材を設ける構成が提案されている
特許文献1には、手動操作が可能な撹拌部材を備えたインクパックが開示されている。この撹拌部材は、インクパックに対して、外部から挿入される形状になっている。外部に突出している撹拌部材の一部は、インクパック内に延在している撹拌部材の攪拌部を動作させるための操作部として作用する。つまり、ユーザが定期的あるいは必要に応じて攪拌部を揺動させることにより、インクパック内のインクを攪拌して、顔料分子を分散できるようになっている。
特許文献1には、手動操作が可能な撹拌部材を備えたインクパックが開示されている。この撹拌部材は、インクパックに対して、外部から挿入される形状になっている。外部に突出している撹拌部材の一部は、インクパック内に延在している撹拌部材の攪拌部を動作させるための操作部として作用する。つまり、ユーザが定期的あるいは必要に応じて攪拌部を揺動させることにより、インクパック内のインクを攪拌して、顔料分子を分散できるようになっている。
また、特許文献1には、記録動作時にキャリッジが移動する際の慣性力を利用して、タンク内のインクを攪拌させる揺動部材を設けたインクカートリッジが開示されている。一例として、インクカートリッジケースと一体に成形された撹拌部材が示されている。この例では、撹拌部材がインクカートリッジケースの天井から底部に向けて垂れ下がるように延出し、その下端部に円柱状の錘部が形成されている。その撹拌部材は、キャリッジの加速・停止・反転の動作に伴う慣性力によって、天井の付け根部分を支点としてキャリッジの移動方向に揺動し、インクカートリッジ内のインクを攪拌する。
また、特許文献1には、他の例として、インクカートリッジケースに固定されずに、インクカートリッジ内の底面を自由に移動可能な撹拌部材も開示されている。この撹拌部材は、キャリッジの加速・停止・反転の動作に伴う慣性力によって、インクカートリッジ内の底面を移動してインクを攪拌する。
また、特許文献2には、キャリッジの移動に伴う慣性力によって、揺動中心軸の左右に揺動する軸状錘と、この軸状錘と一体になって左右に揺動する複数のフィンと、を備えた攪拌機構が開示されている。この構成によれば、複数枚のフィンがインクカートリッジの高さ方向に並列に配置されているため、インクカートリッジ内の上層部から下層部にかけてインクが均等に攪拌される。
しかしながら、上記特許文献においては、撹拌部材を備えたインクカートリッジ(液体収納容器)内にインク(液体)を充填するための充填方法について、特に言及されていない。
本発明の目的は、液体収納容器内に備わる撹拌部材の機能が充分に発揮できるように、その液体収納容器内に液体を適確に充填することができる液体充填方法、液体収納容器、およびヘッドカートリッジを提供することにある。
本発明の液体充填方法は、液体を収納可能な液体収納部と、前記液体収納部内に備えられて、前記液体収納部内の液体を案内するための中空部が形成された撹拌部材と、を備えた液体収納容器に対して、液体を充填するための液体充填方法であって、前記液体収納部内に液体を充填するための液体充填用部材を、前記液体収納容器の外部から前記液体収納部内に挿入する工程と、前記撹拌部材の中空部の少なくとも一部が液体中に没する程度以上に、前記液体充填用部材を介して前記液体収納部内に液体を充填する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の液体収納容器は、液体を収納可能な液体収納部と、前記液体収納部内に備えられて、前記液体収納部内の液体を案内するための中空部が形成された撹拌部材と、を備えた液体収納容器であって、前記液体収納部内に液体を充填するための液体充填用部材を、前記液体収納容器の外部から前記液体収納部内に挿入可能な部位を含み、前記部位の位置は、前記撹拌部材の中空部の少なくとも一部が液体中に没する程度以上に、前記液体充填用部材を介して前記液体収納部内に液体を充填可能な位置であることを特徴とする。
本発明のヘッドカートリッジは、上記の液体収納容器と、前記液体収納容器の前記液体導出部から導入した液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、外部から液体収納部内に挿入した液体充填用部材を介して、その液体収納部内に液体を充填することにより、泡立てないように液体充填したり、生じた気泡を排除するように液体を充填することができる。この結果、液体収納部内および撹拌部材の中空部内における気泡の発生や残留を少なくして、液体の流れを阻害するおそれがある気泡の悪影響を小さく抑えることができる。
例えば、液体収納容器内、特に、撹拌部材の中空部内における気泡の発生および残留を少なくすることにより、撹拌部材による液体の攪拌機能を充分に発生させることができる。また、液体収納容器内の気泡に阻害されることなく、液体を充分に充填することができ、撹拌部材の攪拌機能を充分に発揮させる程度にまでインクを確実に充填することができる。つまり、液体収納容器の使用姿勢(液体導出部を重力方向下向きにする姿勢)において撹拌部材の中空部の少なくとも一部が液体中に没する程度以上に、液体を充分に充填することができる。
本発明は、液体収納容器内の液体を攪拌するための撹拌部材として、液体を案内する中空部が形成された攪拌部材を備えた場合に、液体収納容器内、特に、撹拌部材の中空部内に存在する気泡がインクの攪拌機能に及ぼす影響に着目してなされたものである。すなわち、液体収納容器内、特に、撹拌部材の中空部内に気泡が存在した場合には、インクの流れが阻害されて、インクの攪拌機能が充分に発揮できなくなるおそれがある。本発明は、撹拌部材の攪拌機能を充分に発揮させるために、気泡の発生や残留を少なくすることができるインクの充填を実現するものである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態における液体収納容器は、いわゆるシリアルスキャンタイプのインクジェット記録装置に搭載可能なカートリッジタイプのインクタンク(インクカートリッジ)としての適用例である。
本実施形態における液体収納容器は、いわゆるシリアルスキャンタイプのインクジェット記録装置に搭載可能なカートリッジタイプのインクタンク(インクカートリッジ)としての適用例である。
(インクタンク(液体収納容器)の使用姿勢)
インクジェット記録装置は、ビジネス系プリンタ、コンシューマー系プリンタなどに展開されている。一般に、これらの記録装置は据え置き型であり、記録を行なう際の姿勢は特定されている。記録装置を使用するときの姿勢が特定されている理由の1つとしては、最適な記録を達成するために、記録装置の作動環境を安定化させることが挙げられる。例えば、記録装置内のインクタンクから記録ヘッドに至るインクの供給状態、および記録ヘッドから吐出されるインク滴の吐出状態や飛翔状態等を考慮して、記録装置の使用姿勢が特定される。したがって、一般的に、インクジェット記録装置の使用姿勢は一義的に特定されている。
インクジェット記録装置は、ビジネス系プリンタ、コンシューマー系プリンタなどに展開されている。一般に、これらの記録装置は据え置き型であり、記録を行なう際の姿勢は特定されている。記録装置を使用するときの姿勢が特定されている理由の1つとしては、最適な記録を達成するために、記録装置の作動環境を安定化させることが挙げられる。例えば、記録装置内のインクタンクから記録ヘッドに至るインクの供給状態、および記録ヘッドから吐出されるインク滴の吐出状態や飛翔状態等を考慮して、記録装置の使用姿勢が特定される。したがって、一般的に、インクジェット記録装置の使用姿勢は一義的に特定されている。
このように使用姿勢が特定されたインクジェット記録装置において使用されるインクタンク(記録ヘッドと一体化されたインクジェットカートリッジを含む)は、インクジェット記録装置のインクタンク装填部に対して特定された姿勢で装着される。例えば、シリアルスキャンタイプのインクジェット記録装置において、記録ヘッドと共にキャリッジに搭載されるタイプのインクタンクの装填姿勢(使用状態の姿勢)は、それがキャリッジ上に搭載されたときの姿勢として一義的に特定される。また、記録ヘッドと離れた装填部に配置されて、チューブなどを介して記録ヘッドに連結される据え置きタイプのインクタンクの場合、そのインクタンクの装填姿勢(使用状態の姿勢)として、それが装填部内に装填されたときの姿勢として一義的に特定される。
このように、一般的なインクジェット記録装置において使用されるインクタンクの装填姿勢(使用状態における姿勢)は、実質的に一義的に特定されている。
例えば、インクタンクをキャリッジ上に搭載するインクジェット記録装置においては、インクタンクのインク供給口が重力方向の下向きとなるようにインクタンクを搭載して、そのインク供給口から重力方向に沿ってインクを供給するものが主流となっている。このようなインクジェット記録装置におけるインクタンクの搭載姿勢は、インク供給口が重力方向下向きとなる姿勢に特定される。このように搭載姿勢が特定されることは、内部構造が異なるインクタンクにおいても同様である。内部構造が異なるタイプのインクタンクとしては、例えば、インクタンク内のほぼ全体にインク吸収体を収納したタイプ、インクタンク内を2分割して、一方にインク吸収体を収納し、他方にインクを直接収納するタイプを挙げることができる。さらに、他のタイプのインクタンクとして、インクタンク内部全体にインクを直接収納するタイプを挙げることもできる。
また、インクタンクとしては、インク供給口が側面に配置されたタイプのものもある。このタイプのインクタンクのキャリッジに対する搭載姿勢は、少なくともインク供給口からインクを水平方向に供給できるような姿勢となる。
また、記録ヘッドから離れた装填部に配置される据え置きタイプのインクタンクとしては、少なくともインク供給口からインクを重力方向に沿って供給できるように、そのインク供給口が重力方向の下向きとなるような姿勢で装填されるものがある。また、他の据え置きタイプのインクタンクとしては、少なくともインク供給口からインクを水平方向に沿って供給できるように、そのインク供給口が重力方向と交差する方向を向くような姿勢で装填されるものもある。
いずれのタイプのインクタンクにおいても、例えば、パッケージや同封された説明書などに、記録装置への搭載方法等が記載されているため、インクタンクの使用姿勢を特定することができる。
なお、モバイルプリンタといわれるようなインクジェット記録装置の中には、モバイルであることの利便性を活用して、例えば、水平姿勢や垂直姿勢などの異なる姿勢をとるものもある。このような記録装置の場合には、その姿勢に応じて、インクタンクの使用姿勢が変化することになる。このような記録装置の場合には、その主たる使用状態として特定される姿勢を基本的な使用姿勢とし、その基本的な使用姿勢において使用されるインクタンクの姿勢をインクタンクの使用姿勢とみなすことができる。そのインクタンクは、記録ヘッドが一体化されたインクジェットカートリッジを構成するものであってもよい。
(インクジェット記録装置の構成)
図1は、本例におけるシリアルスキャンタイプのインクジェット記録装置の外観斜視図である。この記録装置は、記録媒体に対しての記録を行なう装置本体M1000と、記録媒体を装置内へ供給するための給紙部M3022と、記録後の記録媒体を受容する排紙トレイM1004と、から主に構成されている。
図1は、本例におけるシリアルスキャンタイプのインクジェット記録装置の外観斜視図である。この記録装置は、記録媒体に対しての記録を行なう装置本体M1000と、記録媒体を装置内へ供給するための給紙部M3022と、記録後の記録媒体を受容する排紙トレイM1004と、から主に構成されている。
図2は、装置本体M1000の内部機構を説明するための斜視図である。装置本体M1000の主な内部機構は、シャーシM3019に設置・保護されている。M4001はキャリッジであり、不図示の記録ヘッドカートリッジを搭載した状態で矢印Xの主走査方向へ往復移動可能である。記録動作コマンドが入力されると、給紙部M3022に積載されている記録媒体の1枚が給紙され、キャリッジM4001上の記録ヘッドカートリッジによって画像が記録可能な位置まで搬送される。その後、キャリッジM4001が主走査方向に移動しながら、記録ヘッドカートリッジの記録ヘッドが画像データに基づいてインクを吐出する記録走査と、搬送手段によって記録媒体を矢印Yの副走査方向へ搬送する動作と、を繰り返す。これにより、記録媒体に順次画像が形成される。
図3は、本例における記録ヘッドカートリッジH1001とインクカートリッジ1(液体収納容器)の斜視図である。インクカートリッジ1は、カートリッジタイプのインクタンクである。記録ヘッドカートリッジH1001の一側には、吐出口からインク滴を吐出可能な記録ヘッドH1000が備えられ、その反対側には、記録ヘッド(液体吐出ヘッド)H1000にインクを供給するためのインクカートリッジ1が着脱可能に装着される。本例の記録ヘッドカートリッジH1001には、6色分のインクカートリッジ1が独立に装着できるようになっている。インクカートリッジ1は、記録ヘッドH1000を一体的に備えて、ヘッドカートリッジを構成するものであってもよい。
記録ヘッドH1000には、微細な記録素子が複数配列されており、各記録素子にはインクを吐出させるための機構が備わっている。例えば、発熱抵抗体(ヒータ)を有する電気熱変換素子が配備された構成では、インクの吐出信号に応じて、個々の電気熱変換素子に電圧パルスが印加される。これにより、発熱抵抗体の近傍のインクが急激に加熱され、そのときに生じる膜沸騰の作用によって、インク滴が吐出口から吐出される。
(インクカートリッジ全体の構成)
図4は、インクカートリッジ1の外観斜視図である。本例のインクカートリッジ1は、内部にインク収納室を備えた容器であり、主に、容器本体101と蓋部材102と負圧発生部材とから構成されている。インクカートリッジ1の底部には、記録ヘッドH1000にインクを供給するためのインク供給口103が備えられている。
図4は、インクカートリッジ1の外観斜視図である。本例のインクカートリッジ1は、内部にインク収納室を備えた容器であり、主に、容器本体101と蓋部材102と負圧発生部材とから構成されている。インクカートリッジ1の底部には、記録ヘッドH1000にインクを供給するためのインク供給口103が備えられている。
図5は、インクカートリッジ1の分解斜視図である。インクカートリッジ1の容器本体101は、例えばポリプロピレンで形成されており、その内部には、インクを攪拌するための揺動部材200が図6のように収容される。容器本体101の上側の開口部は、蓋部材102によって封じられる。インクカートリッジの内部は、仕切壁113によって2つの空間に仕切られ、かつ、それらの空間は、仕切113の下端に形成される連通部114を通して互いに連通されている。一方の空間は、仕切壁113の連通部114を除いて実質的に密閉されており、インクを直接収納可能なインク収納室111を形成している。他方の空間には、インクを保持する第1および第2の負圧発生部材115,116が収納されており、インクに負圧を付与する負圧発生室112を形成している。負圧発生室112には、大気連通口117と供給口103が形成されている。大気連通口117は、蓋部材102に形成されていて、インクの消費に伴ってインクカートリッジ1内に大気を導入する。供給口103は、容器本体101に形成されていて、インクカートリッジ1内のインクを記録ヘッドにインクに供給すべく、そのインクを外部に導出可能である。供給口103には、インクを保持するメニスカス形成部材104が備えられている。メニスカス形成部材104内にインクのメニスカスが形成されることにより、外部からの気泡がインクカートリッジ1内に侵入しないようになっている。
第1および第2の負圧発生部材115,116は、例えば、ポリプロピレンの繊維材料から形成されていて毛管力を発生する。これらの負圧発生部材115,116は互いに圧接されている。第1の負圧発生部材115の毛管力をP1、第2の負圧発生部材116の毛管力をP2、メニスカス形成部材104の毛管力をP3とした場合、それらの毛管力は、P1<P2<P3の関係にある。
このように構成されたインクカートリッジ1において、負圧発生室112内のインクが記録ヘッドによって消費されると、大気連通口117から負圧発生室112に空気が導入され、その空気が仕切壁113の連通部114を通してインク収納室111に入る。このように空気がインク収納室111内に入る代わりに、そのインク収納室111内のインクが仕切壁113の連通部114を通して負圧発生室112内に入って、負圧発生部材115、116に吸収される。このように、連通部114を通して、空気とインクの気液交換が行なわれる。
(攪拌機構の構成)
図6は、揺動部材200の設置状態を説明するための斜視図、図7は、その揺動部材200の拡大斜視図である。
図6は、揺動部材200の設置状態を説明するための斜視図、図7は、その揺動部材200の拡大斜視図である。
揺動部材200は、インクカートリッジ1の重力方向の下側に位置する下側開口部202と、その上側に位置する上側開口部203と、が形成されている。さらに、それらの開口部202,203の間には、断面が楕円形の中空部204が形成されている。したがって本例の揺動部材200は、楕円形の筒状に立体的に成形されている。下側開口部202近傍において、楕円形の長軸に当たる位置の2箇所には、凹状の支持部201が設けられている。
本例における揺動部材200は、ステンレス材料によって形成されており、その中空部204の内面には、その内面に泡が溜まらないように、例えば、サンドブラスト等によって親水化処理が施されている。但し、揺動部材200の形成材料は、ステンレス材料に限られるものではなく、インクカートリッジ1内に収納されるインクよりも比重が大きい材料であればよい。
図6に示すように、インク収納室111の内壁には、突起部109を有する固定部材108が設けられている。突起部109と、揺動部材の凹状の支持部201と、が嵌合することにより、支持部201は、揺動部材200が揺動する際の支点となる。揺動部材200は、支持部201を支点として揺動自在となる。本例の揺動部材200は、その下側開口部202近辺が揺動自在に支持されるため、揺動した際には、上側開口部203の変位量が下側開口部202よりも大きくなる。
(充填されるインクの組成)
本例において使用されるインクは、例えば、顔料成分を含有するインク(顔料インク)である。その顔料インクの顔料は、例えば、分散剤や活性剤を用いる樹脂分散剤タイプの顔料(樹脂分散型顔料)や、活性剤分散タイプの顔料であってもよい。その顔料は、水不溶性色剤自体の分散性を高めることによって、分散剤等を用いることなく分散可能としたマイクロカプセル型顔料であってもよく、また、顔料粒子の表面に親水性基を導入した自己分散タイプの顔料(自己分散型顔料)でもよい。更には、顔料粒子の表面に高分子を含む有機基が化学的に結合することによって、改質された顔料(ポリマー結合型自己分散顔料)を用いることもできる。もちろん、これらの分散方法の異なる顔料を組み合わせて使用することも可能である。本発明において使用できる顔料は、特に限定されるものではない。
本例において使用されるインクは、例えば、顔料成分を含有するインク(顔料インク)である。その顔料インクの顔料は、例えば、分散剤や活性剤を用いる樹脂分散剤タイプの顔料(樹脂分散型顔料)や、活性剤分散タイプの顔料であってもよい。その顔料は、水不溶性色剤自体の分散性を高めることによって、分散剤等を用いることなく分散可能としたマイクロカプセル型顔料であってもよく、また、顔料粒子の表面に親水性基を導入した自己分散タイプの顔料(自己分散型顔料)でもよい。更には、顔料粒子の表面に高分子を含む有機基が化学的に結合することによって、改質された顔料(ポリマー結合型自己分散顔料)を用いることもできる。もちろん、これらの分散方法の異なる顔料を組み合わせて使用することも可能である。本発明において使用できる顔料は、特に限定されるものではない。
下表1に、本例に使用する顔料インクの組成を2種類(顔料インク1,2)例示する。しかし本発明は、これらの組成に限定されるものではない。
本例において使用する顔料インクは下表1に示すインク配合比であって、顔料分散体1には自己分散型の顔料が使用され、顔料分散体2には樹脂分散型の顔料が使用されている。また、顔料分散体1と顔料分散体2は、いずれも顔料に水を加えて、顔料濃度が10質量%となるように分散させることにより、分散液を調合している。各溶剤の配合は、下表1に記載されている。
インクカートリッジに注入する顔料インクの比重は、揺動部材の比重より小さいものが望ましい。本例における揺動部材は、ステンレス材料であって比重が8.0g/cm3であり、顔料インクの比重は1.0〜1.1g/cm3であり、揺動部材より顔料インクの比重が小さい。
(攪拌機構の変形例)
攪拌機構は、上述した構成に限定されるものではなく、中空部204の断面形状は楕円形に限らず、円形や角形などであってもよい。また、支持部201は、上述したような凹状のみにならず、揺動部材200を貫通する形状であってもよく、さらに支持部201の位置は、上述したような中空部204の長軸に当たる位置のみに特定されない。
攪拌機構は、上述した構成に限定されるものではなく、中空部204の断面形状は楕円形に限らず、円形や角形などであってもよい。また、支持部201は、上述したような凹状のみにならず、揺動部材200を貫通する形状であってもよく、さらに支持部201の位置は、上述したような中空部204の長軸に当たる位置のみに特定されない。
図8は、攪拌機構の変形例を説明するための図である。
本例における揺動部材150は、その開口部152,153の形状、および中空部154の断面形状が角形となるように、立体的に成形されている。揺動部材150の下側には支持部151が設けられており、その支持部151の両側は、インク収納室161の内壁に形成された突起部170に引っ掛かっている。これにより、揺動部材150が突起部170に揺動自在に支持され、その突起部170は、揺動部材150が揺動する際の支点となる。突起部170の頭部は、揺動部材150の支持部151が外れないように大径に形成されている。突起部170は、揺動部材150の揺動支点となると共に、その突起部170の軸線方向における揺動部材150のスライドをも許容する。
インクカートリッジ1の内部は、下側に連通部164を有する仕切壁163によって、インク収納室161と負圧発生室162とに分けられている。負圧発生室162内には、ポリプロピレンの繊維材料から形成されて毛管力を生じる負圧発生部材166が収納されている。供給口131を通して記録ヘッドによりインクが消費されると、大気連通口137を通して負圧発生室112に導入された空気と、インク収納室111内のインクと、が、連通部164を通して気液交換される。
(インクの充填方法)
図9は、前述したインクカートリッジ1に対するインクの充填方法を説明するためのインクカートリッジの側断面図であり、図4のIX−IX線に沿う断面図である。
図9は、前述したインクカートリッジ1に対するインクの充填方法を説明するためのインクカートリッジの側断面図であり、図4のIX−IX線に沿う断面図である。
インクカートリッジ内のインクが消費された後、もしくは、初めてインクカートリッジにインクを充填する際には、図9(a)のように、インクカートリッジ1に注入針180を挿入する。注入針180は、内部にインクの流路が形成された中空の針状部材であり、その基端部(図9中の上端部)は不図示のインク供給源に接続され、その先端部(図9中の下端部)は開口されている。インクカートリッジ1に注入針180を挿入するために、蓋部材102に穴102Aを開け、その穴102Aに対して重力方向の上側から注入針180を差し込む。本例の注入針180は、その先端部が鋭角に尖っているため、その先端をインクカートリッジ1に突き刺すことによって、穴102を開けることも可能である。穴102Aを開ける方法は、このようにインクの充填時に、注入針180または他の手段によって開ける方法に限られるものではない。例えば、注入針180を介してのインクの充填時よりも前に、予めインクカートリッジ1に穴を設けておいてもよい。その場合には、その予め設けられた穴をインクの充填時に開封し、その穴を通して注入針180を挿入することができる。要は、注入針180を挿入可能な部位がインクカートリッジ1に存在していればよく、その部位の位置は、後述するようにインクカートリッジ1にインクを充填可能な位置である。
本例の場合、注入針180は、揺動部材200の中空部204の内側に位置するようにインクカートリッジ1に挿入されて、その先端部が中空部204の下端部近傍に位置する。
このように注入針180を挿入してから、その注入針180を通して、インクカートリッジ1内にインク120を充填する。図9(b)は、インク充填の途中段階の状態を示す。そして、図9(c)のように、揺動部材200の中空部204がインク120によって満たされて、揺動部材200全体がインク120内に没する状態となったときに、インク充填を終了する。その後、注入針180を抜いてから、穴102Aを封止する。
インク充填の際には、気泡が発生しないように、比較的速くかつスムーズにインク120を充填する。インク120に、気泡の発生原因となる界面活性剤などの材料が含まれている場合には、気泡が発生しやすくなるため、渦を生じさせないようにインク120をスムーズに充填する。
インク120内に気泡が生じて、それがインク収納室161の壁面や揺動部材200に付着した場合には、後述する攪拌動作によってインクを攪拌したときに、インクの流れが阻害されて攪拌効果が充分に発揮できなくなるおそれがある。特に、中空部204を形成する揺動部材200の内面(以下、「揺動部材の内面」ともいう)に気泡が付着した場合には、その気泡によって、後述する攪拌動作時に生じる中空部204内のインクの流れが阻害されるおそれがある。中空部204の内径と、その揺動部材200の内面に付着する気泡の大きさと、の関係によっては、後述する中空部204内のインクの移動が生じなくなるおそれもある。したがって、気泡を発生させないようにインク120を充填することが重要であり、特に、揺動部材200の内面に気泡を付着させないことが重要となる。本例のように、注入針180を通して、インク収納室161の底部近傍の位置から、かつ中空部204の内部からインクを導入することにより、気泡の発生や残留を少なくするようにインクをスムーズに充填することができる。
注入針180から充填されるインクには、中空部204内において上方に向かうインクの流れと、その中空部204から下側開口部202を通ってインク収納室161内に向かう流れと、が生じる。また本例においては、中空部204内に注入針180が位置するため、揺動部材200の内面と注入針180との間の隙間が狭くなって、中空部204内を移動するインクの速度が高くなる。そのため、その中空部204内に気泡が発生した場合には、それを中空部204の外に排除することができる。
インク充填中においては、注入針180と穴102Aとの間の隙間が空気穴となって、インク収納室161内の空気が外部に逃がされる。また、インク充填中に気泡が発生した場合には、穴201から溢れるようにインク120を充填することにより、その穴201Aから外部に気泡を排出することもできる。
揺動部材200の内面に気泡を残存さないためには、その内面を親水化処理することが望ましい。揺動部材200がステンレス鋼(SUS材)によって構成されている場合には、サンドブラストなどの手法によって内面を研磨して、気泡の付着を抑制することが望ましい。揺動部材200が樹脂材料によって構成されている場合には、その内面を親水化処理することが望ましい。樹脂材料に対する親水化処理方法は任意であり、例えば、特許文献3に記載されているような方法を用いることができる。
インクカートリッジ1に対しては、揺動部材200がインク中に没するまで、つまりインクの液面が上側開口部203の重力方向上側に達するまで、インク120を充填する。上側開口部203の重力方向上側までインク120が充填されるとは、所定の姿勢のインクカートリッジ1において、上側開口部203よりも重力方向上側の位置までインク120が充填されることを意味する。その所定の姿勢とは、重力方向と略垂直を成す面(略水平面)上に設置された装置本体M1000に対して、インクカートリッジ1が装着されたときの装着姿勢(使用姿勢)である。このようなインクカートリッジ1の装着姿勢において揺動部材200の上側開口部203がインクに没する程度以上となるように、インク120が充填されることになる。要は、少なくとも、インクカートリッジ1の使用時に揺動部材200が後述する攪拌機能を発揮できる程度にまで、インク120を充填することができればよい。
本実施形態においては、後述するように、揺動部材200の揺動に加えて、その揺動部材200の中空部204内を通るインクの流れを有効利用してインクを攪拌する。そのため、インク120の充填量は、少なくとも揺動部材200の揺動によって攪拌できる程度、好ましくは、その揺動部材200の中空部204内を通るインクの流れが生じる程度とする。そのインクの流れを生じさせるためには、前述したように、上側開口部203がインク120中に没する程度以上(中空部204がインク120中に完全に没する程度以上)の充填量とすることが望ましい。しかし、それよりも少ない充填量によっても中空部204内にインクの流れを生じさせることができたり、揺動部材の揺動によってインクが攪拌できる場合には、少なくとも中空部204の一部がインク120中に没する程度の充填量であってもよい。
本例において、インクを充填するときのインクカートリッジ1の姿勢(充填姿勢)は、インクカートリッジ1の使用時の装着姿勢と同じである。しかし、その充填姿勢は、必ずしも装着姿勢と同一でなくてもよい。インクカートリッジ1の充填姿勢は、インクカートリッジ1や揺動部材200の大きさや形状などに応じて、気泡の発生や残留を少なくする上において有効な姿勢を選択することができる。また、その充填姿勢は必ずしも1つに固定する必要はなく、インクの充填の進行に伴って、連続的または段階的に変化させてもよい。例えば、インクの充填開始時には、装着姿勢に対して傾く姿勢(傾斜姿勢)を充填姿勢とし、そしてインクの充填の進行に伴って充填姿勢を順次変化させて、インクの充填完了時にはインクカートリッジ1が倒立した姿勢となるようにしてもよい。要は、気泡の発生や残留を少なくするように、インクが充填できる充填姿勢であればよい。インクカートリッジ1と注入針180との位置関係は、インクカートリッジ1に合わせて注入針180の姿勢を変化させることにより、維持することができる。
(インクの充填方法の他の例)
図9のインクの充填方法の場合は、インクカートリッジ1内における注入針180の位置を固定したまま、その注入針180を通してインクを充填する。しかし、図10のように、インク120の液面の上昇に合わせて注入針180を徐々に上方に移動させつつ、その注入針180を通してインクを充填してもよい。このように、中空部204内をインク120で満たしながら、注入針180を上方に移動させることにより、中空部204における気泡の残留を少なくすることができる。
図9のインクの充填方法の場合は、インクカートリッジ1内における注入針180の位置を固定したまま、その注入針180を通してインクを充填する。しかし、図10のように、インク120の液面の上昇に合わせて注入針180を徐々に上方に移動させつつ、その注入針180を通してインクを充填してもよい。このように、中空部204内をインク120で満たしながら、注入針180を上方に移動させることにより、中空部204における気泡の残留を少なくすることができる。
また、図11のように、注入針180を揺動部材200の中空部204の外に位置に挿入してもよい。この場合、中空部204内に対しては、揺動部材200の外側からインクが充填されることになる。この場合にも、中空部内に204内に気泡を存在させないことが重要である。したがって、揺動部材200の内面は、親水化処理されていることが望ましい。また、本例においても図10の場合と同様に、インク120の液面の上昇に合わせて注入針180を徐々に上方に移動させつつ、その注入針180を通してインクを充填してもよい。
(攪拌機構の動作および作用)
図12(a)から(d)は、図2におけるキャリッジの動作を説明するための記録装置の要部の概略構成図である。図13(a)から(h)は、本例における揺動部材200の動作、および揺動部材200の中空部204内に生じるインク流の説明図であり、インクカートリッジ1の底部に沈降した濃い顔料成分のインクが撹拌される様子を表している。図13(a)から(h)は、図4のIX−IX線に沿う断面図に相当する。
図12(a)から(d)は、図2におけるキャリッジの動作を説明するための記録装置の要部の概略構成図である。図13(a)から(h)は、本例における揺動部材200の動作、および揺動部材200の中空部204内に生じるインク流の説明図であり、インクカートリッジ1の底部に沈降した濃い顔料成分のインクが撹拌される様子を表している。図13(a)から(h)は、図4のIX−IX線に沿う断面図に相当する。
まず、図12(a)から(d)を用いて、液体収納器としてのインクカートリッジ1を装着したキャリッジM4001の動作について説明する。
キャリッジM4001は、図12(a)のようなホームポジションの位置から、記録装置M1000のシャーシに設置されたキャリッジシャフトM3020に沿って矢印X2方向に移動する(図12(b)参照)。そして、記録媒体の記録幅、もしくは、揺動部材200を動作させるために必要な距離だけ、キャリッジM4001を移動させて、それを図12(c)のように位置させる。そして、その位置からキャリッジM4001の移動方向を反転させて、それを矢印X1方向に移動させる(図12(d)参照)。そして、図12(a)の位置から、再び、キャリッジM4001の移動方向を反転させ、その後、その矢印X方向の往復移動を記録に必要な回数だけ反復する。キャリッジM4001は、その移動方向が反転する際に、減速、停止、および反対方向への加速が行なわれる。このように本例においては、記録のためのキャリッジM4001の往復移動に先立って、図12(b)から(d)のように、少なくとも1回はキャリッジM4001を往復移動させる。これにより、後述するように、記録動作に先立ってインクを攪拌することができる。
次に、図13(a)から(h)を用いて、キャリッジM4001の往復移動に伴うインクカートリッジ1内の揺動部材500の動作について説明する。これらの図に示すインク収納室111は、その内部がインクで満たされている状態にある。
図13(a)は、キャリッジM4001が図12(a)のようにホームポジションに静置されている状態を示し、インク収納室111内の揺動部材200は、その上側開口部203側がインク収納室111の内壁に接して静置している。この状態は、キャリッジM4001が図12(a)の位置から動き出してから、図12(b)のようにX2方向に等速移動するときまで保たれたままである。
図13(b)から(e)は、キャリッジM4001が図12(c)の位置に到達してから、その移動方向がX2方向からX1方向に反転した時、もしくは図12(d)のように、キャリッジM4001が移動方向の反転後にX1方向に移動している時の状態を示す。キャリッジM4001の移動方向が反転する際、インクカートリッジ1には慣性力が働く。その慣性力が矢印X2方向に働く場合、つまりキャリッジM4001の移動方向が矢印X2方向からX1方向に反転する場合、揺動部材200は、図13(b)から(e)に示す順に、支持部201を支点として矢印S2方向に揺動する。そして、図13(e)に示すように、揺動部材200の上側開口部203側がインク収納室111の反対側の内壁(図13(a)において接する内壁とは反対側の内壁)に接することにより、その揺動部材200のS2方向への揺動が停止する。揺動部材200は、キャリッジM4001が図12(c)の位置から動き出してから、図12(d)のようにX2方向に等速移動するまでは、図13(e)に示す状態に保たれたままである。
図13(f),(g)は、キャリッジM4001がX1方向に移動して図12(a)の位置に到達してからX2方向に反転した時、もしくは、図12(b)に示すように、キャリッジM4001の移動方向が反転してからX2方向に移動している時の状態を示す。キャリッジM4001の移動方向が反転する時に生じる慣性力が矢印X1方向に働く場合、揺動部材200は、図13(f),(g)に示す順に、支持部201を支点として矢印S1方向に揺動する。その後、キャリッジM4001が再びX1方向に移動することにより、図13(h)に示すように、揺動部材200がS2方向に揺動する。
キャリッジM4001が往復移動を繰り返す間、揺動部材200は、以上のような往復移動を繰り返す。
次に、図13(a)から(h)を用い、揺動部材500の往復移動に伴って揺動部材200の中空部203内に生じるインク流、およびインクが撹拌される様子について説明する。
揺動部材200がS2方向に揺動し始めると、その揺動部材200が揺動したことにより生じる遠心力によって、図13(b)に示すように、中空部204内に存在するインクには、上側開口部203から流出する流れT2が生じる。それと同時に、下側開口部202近傍のインクタンク底部に存在しているインクには、中空部204に流入する流れT1が生じる。揺動部材200の揺動が継続されると、中空部204内のインクに作用する遠心力により、そのインクは、図13(b)から(d)中のように、中空部204内を流れて上側開口部203から流出する。
図13(e)のように、揺動部材200のS2方向への揺動が停止すると、中空部204内のインクには、揺動部材200の揺動の停止により生じる慣性力が作用し、中空部204内のインクの流れはさらに加速される。中空部204を経由したインクは、上側開口部203から流出された後、図13(f),(g)に示すような流れT3となって、顔料成分の薄いインク中に拡散される。また、インク収納室111のインクは、その内壁によって跳ね返るインクの流れT4によってさらに撹拌される。
上側開口部203から流出された顔料成分の濃いインクは、T2、T3、T4の流れおよび重力により、揺動部材200が設置されている高さにまで降りてくる。そして図13(h)に示すように、揺動部材200の揺動に伴って、その外壁とインク収納室111の内壁との相対的な近接および離間変位によって、それらの間に機械的な流れT5が生じる。その流れT5によって、インク収納室111内のインクはさらに撹拌される。
以上のような動作を1回もしくは複数回実施することにより、インク収納室111内のインクは、T1からT5の流れにより下層部から上層部にまで持ち上げられて撹拌される。その結果、インク収納室111の上層部のインクを含めて、インク収納室411内全体をまんべんなく撹拌することができる。つまり、インクカートリッジ1内のインクを効率よく攪拌することができる。
揺動部材200の揺動は連続的に実施することが望ましく、その連続的な揺動により、インク収納室111内のインクを上部に向かって巻き上げるための推進力を高めることができる。つまり、揺動部材200の中空部204内のインクに流れT2を生じさせるポンピング作用を高めることができる。
また本例では、揺動部材200の揺動方向を反転させながら撹拌を行った。しかし、その揺動方向は必ずしも反転する必要は無い。慣性力によって、インク収納室の底部に位置する顔料粒子を揺動部材の中空部を経由して容器上部へ巻き上げるための充分な推進力が加えられればよく、揺動部材の一方向の揺動の後、その揺動部材が停止しても構わない。また、インク収納室111内のインクが減少して液面が下がっても、揺動部材200の中空部204がインクに没している限り、上述したようなインクの撹拌効果を得ることができる。
(実験結果)
本発明者らは、インクの攪拌効果を検証するために、揺動部材の中空部がインク中に没する位置まで、顔料インクをインクカートリッジに注入した。そして、顔料インクの沈降する現象を短期間で検証するために、そのインクカートリッジを加温保存した。その加温保存は、温度60℃で90日間保存した。このように加温保存したインクカートリッジを常温環境化に置き、そして温度をさました後、揺動部材を揺動させずに、インクカートリッジ内の重力方向の下側に位置する顔料インクを採取した。また、同様に加温保存した後の別のインクカートリッジにおいては、揺動部材を揺動させてから、インクカートリッジ内の重力方向の下側に位置する顔料インクを採取した。そして、これら両者のインクカートリッジから採取した顔料インクの顔料濃度を比較した。
本発明者らは、インクの攪拌効果を検証するために、揺動部材の中空部がインク中に没する位置まで、顔料インクをインクカートリッジに注入した。そして、顔料インクの沈降する現象を短期間で検証するために、そのインクカートリッジを加温保存した。その加温保存は、温度60℃で90日間保存した。このように加温保存したインクカートリッジを常温環境化に置き、そして温度をさました後、揺動部材を揺動させずに、インクカートリッジ内の重力方向の下側に位置する顔料インクを採取した。また、同様に加温保存した後の別のインクカートリッジにおいては、揺動部材を揺動させてから、インクカートリッジ内の重力方向の下側に位置する顔料インクを採取した。そして、これら両者のインクカートリッジから採取した顔料インクの顔料濃度を比較した。
下表2は、このように加温保存後に攪拌せずに採取した顔料インクの顔料濃度と、加温保存後に上述した方法によって攪拌してから採取した顔料インクの顔料濃度と、を示す。下表2中の顔料濃度は、加温保存前の顔料濃度を100としたときの相対値である。下表2に示すように、撹拌をしなかったときの前者の顔料濃度は170であり、撹拌をしたときの後者の顔料濃度は120未満であった。これにより、上述した撹拌方法を実施することにより、インクの顔料濃度を加温保存前の顔料濃度に近づくことが確認できた。
このように本実施形態においては、揺動部材が揺動したときに、その下側に形成される開口部の移動速度が、その上側に形成される開口部よりも遅くなるように構成することにより、インクカートリッジ内の下層部から上層部に向かうインクの流れを生じさせる。そのインクの流れにより、インクカートリッジ内にて、濃度の濃いインクと薄いインクとを対流させて、効率よく攪拌することができる。この結果、インクカートリッジの使用初期と使用後期において、記録画像に濃度差が生じることを防止したり、複数のカラーインクを用いた時に発生するカラーバランスの崩れを防止することができる。
いずれの構成においても、中空部を有する揺動部材を液体収納部内に備え、その揺動部材を揺動させることにより、その中空部の一端側から液体を中空部内に流入させて、その中空部の他端側から液体を流出させるように、液体を中空部内に案内できればよい。それにより、液体収納部内の液体を攪拌する上において、効果的な液体の流れを生じさせることができる。
本実施形態のように、揺動部材における鉛直方向下側の開口部近傍に揺動支点を設けた場合、インク収納室の下層部に沈降しがちな顔料粒子を容易かつ確実に上層部にまで持ち上げることができる。すなわち、揺動部材の鉛直方向中央部よりも下側に揺動支点を位置させることにより、重力方向下方に位置する開口部から導入したインクを重力方向上方に位置する開口部から導出することができる。つまり、中空部を経由して、重力方向の下方から上方に向かってインクを案内して攪拌することができる。この結果、液体収納容器に収納されたインクなどの液体の全域を効率的に攪拌して、その液体の濃度傾斜を少なくすることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態における液体収納容器は、前述した図1から図3の記録装置に搭載可能なインクカートリッジとしての適用例である。本実施形態のインクカートリッジは、インクが消費されてもインク収納室の容積は減少しない。つまり、インク収納室の容積は減少せずに、インク収納室内のインク量だけが減少する構成となっている。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態における液体収納容器は、前述した図1から図3の記録装置に搭載可能なインクカートリッジとしての適用例である。本実施形態のインクカートリッジは、インクが消費されてもインク収納室の容積は減少しない。つまり、インク収納室の容積は減少せずに、インク収納室内のインク量だけが減少する構成となっている。
(インクタンクの全体構成)
図14は、本例のインクカートリッジ3の分解斜視図である。インクカートリッジ3は、内部にインク収納室320を備えた容器であり、その主体は、容器本体351と蓋部材352とにより構成されている。インクカートリッジ3の底部には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口355が形成されている。
図14は、本例のインクカートリッジ3の分解斜視図である。インクカートリッジ3は、内部にインク収納室320を備えた容器であり、その主体は、容器本体351と蓋部材352とにより構成されている。インクカートリッジ3の底部には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口355が形成されている。
容器本体351は、例えばポリプロピレンにより形成されており、その内部にはインクを攪拌するための撹拌部材としての揺動部材300が収容され、そして容器本体351の開口部は蓋部材352によって封じられている。容器本体351の内壁には、揺動部材300を支持するための突起部309が設けられ、また、インク供給口355にはメニスカス形成部材354が備えられている。メニスカス形成部材354と容器本体351の内部はインク流路によって連通されており、容器本体351内のインク収納室320から記録ヘッドにインクが供給できるようになっている。メニスカス形成部材354内にはインクによるメニスカスが形成され、これにより、外部からの気泡が容器本体351内に侵入しないようになっている。メニスカス形成部材354は、押え部材353によって外側から押されて止められている。
容器本体351には、インク収納室320内に大気を流入させるための大気連通口360が形成されており、インク収納室320は、この大気連通口360以外の部分では外気と遮断されている。細管361は中空であり、その一端は大気連通口360に連通され、その他端は、インク収納室320内の重力方向下側の底部近傍においてインク収納室320内に開口する。このような構成により、インク収納室360内のインクの消費に伴って、細管361の他端からインク収納室320内に空気が流入する。このとき、インクの消費に伴うインク収納室320の減圧と、細管361内のインクのメニスカス力と、によって、インク収納室320内が負圧状態になる。
(攪拌機構の構成)
図15は、揺動部材300の設置状態を説明するための斜視図、図16は、その揺動部材300の拡大斜視図である。
図15は、揺動部材300の設置状態を説明するための斜視図、図16は、その揺動部材300の拡大斜視図である。
揺動部材300の支持部301の両側は、容器本体351の内壁に形成された突起部309に引っ掛かり、これにより揺動部材300が支持される。突起部309は、揺動部材300が揺動する際の支点となる。揺動部材300には、重力方向の下側に位置する下側開口部302と、その上側に位置する上側開口部303と、が形成され、それらの開口部302,303の間に中空部304が形成されている。上側開口部303は、上下方向に延在する中空部304に対して鉛直方向斜めに開口している。このように揺動部材300は、内部が中空部304となるように立体的に成形されている。
本例の揺動部材300は、その下側開口部302近辺に設けられた支持部301によって、突起部309に支持されている。そのため、図18(c)のように揺動部材300が揺動した際には、下側開口部302よりも上側開口部303の変位量が大きくなる。また、揺動部材300は、ステンレス材料によって形成されている。但し、揺動部材300の形成材料はこれに限られたものでなく、インク収納室320内に収納されたインクよりも比重が大きい材料であればよい。
(インクの充填方法)
図17は、本例のインクカートリッジ3に対するインクの充填方法を説明するためのインクカートリッジ3の側断面図であり、図14のXVII−XVII線に沿う断面図に相当する。
図17は、本例のインクカートリッジ3に対するインクの充填方法を説明するためのインクカートリッジ3の側断面図であり、図14のXVII−XVII線に沿う断面図に相当する。
前述した実施形態と同様に、インクカートリッジ内のインクが消費された後、もしくは、初めてインクカートリッジにインクを充填する際には、図17(a)のように、インクカートリッジ1に注入針180を挿入する。
本例の場合、注入針180は、揺動部材300の中空部304の外側に位置するようにインクカートリッジ1に挿入されて、その先端部がインク収納室320の底部近傍に位置する。
このように、前述した図11の場合と同様に注入針180を挿入してから、その注入針180を通して、インクカートリッジ3内にインク120を充填する。そして、図17(b)のように、揺動部材300の上側開口部303の少なくとも一部がインク中に没するまで、インク120を充填する。その後、注入針180を抜いてから、穴351Aを封止する。
インク充填の際には、前述した実施形態と同様に、気泡が発生しないように比較的速くかつスムーズにインク120を充填する。インク120に、気泡の発生原因となる界面活性剤などの材料が含まれている場合には、気泡が発生しやすくなるため、渦を生じさせないようにインク120をスムーズに充填する。
インクカートリッジ3に対しては、揺動部材300の上側開口部303の少なくとも一部がインク中に没するまで、インク120を充填する。上側開口部303の少なくとも一部が没するまでインク120が充填されるとは、所定の姿勢のインクカートリッジ3において、上側開口部303の少なくとも一部が没するまでインク120が充填されることを意味する。その所定の姿勢とは、重力方向と略垂直を成す面(略水平面)上に設置された装置本体M1000に対して、インクカートリッジ3が装着されたときの装着姿勢(使用姿勢)である。このようなインクカートリッジ3の装着姿勢において揺動部材300の上側開口部303の少なくとも一部がインクに没する程度以上となるように、インク120が充填されることになる。要は、少なくとも、インクカートリッジ3の使用時に揺動部材300が後述する攪拌機能を発揮できる程度にまで、インク120を充填することができればよい。
また前述した実施形態と同様に、インクカートリッジに対しては、少なくとも、揺動部材300が攪拌機能を発揮できる程度にまで、インク120を充填することができればよい。また、インクを充填するときのインクカートリッジの姿勢は、泡の発生や残留を少なくするように、インクが充填できる姿勢であればよい。
また、本例においても図10の場合と同様に、インク120の液面の上昇に合わせて注入針180を徐々に上方に移動させつつ、その注入針180を通してインクを充填してもよい。また、前述した図9の場合と同様に、注入針180を揺動部材300の中空部304内に挿入することにより、より効果的に気泡の発生を抑えることができる。
(攪拌機構の動作および作用)
図18(a)から(c)は、本実施形態における揺動部材300の動作を説明するためのインクカートリッジ3の側断面図である。
図18(a)から(c)は、本実施形態における揺動部材300の動作を説明するためのインクカートリッジ3の側断面図である。
図18(a)は、揺動部材300の第1の状態を示す。キャリッジM4001は記録媒体の記録幅の範囲において主走査方向(矢印X方向)往復移動するため、その移動方向が反転する際には、減速、停止、および反対方向への加速が行なわれる。その際、インクカートリッジ3には慣性力が働く。その慣性力が矢印X1方向に働く場合、つまりキャリッジM4001の移動方向が矢印X1方向からX2方向に反転する場合、揺動部材300は、図18(a)のように、支持部301を支点として矢印E1方向に回転する。このとき上側開口部303側は、突起部309が設けられている容器本体351の内壁に接触する方向に変位する。ここでは、このように慣性力がX1方向に働いている状態を第1の状態としている。キャリッジM4001の移動方向が矢印X1方向からX2方向に反転した後、キャリッジM4001が矢印X2方向の等速移動するときには、慣性力は働かなくなり、揺動部材300は第1の状態のままに保たれる。
図18(b)は、揺動部材300の第2の状態を示す。第2の状態は、第1の状態とは逆に、慣性力がX2方向に働く場合、つまりキャリッジM4001の移動方向が矢印X2方向からX1方向に反転する場合であり、揺動部材300は、図18(b)のように、支持部301を支点として矢印E2方向に回転する。このとき上側開口部303側は、蓋部材352に接触する方向に変位する。ここでは、このように慣性力がX2方向に働いている状態を第2の状態としている。キャリッジM4001の移動方向が矢印X2方向からX1方向に反転した後、キャリッジM4001が矢印X1方向の等速移動するときには、慣性力は働かなくなり、揺動部材300は第2の状態のままに保たれる。
記録動作もしくはインクを撹拌する動作に伴って、キャリッジM4001が往復移動を繰り返すため、揺動部材300は、繰り返し図18(a),(b)の第1および第2の状態となって、インク収納室320内のインクを攪拌する。
図18(c)は、揺動部材300が揺動するときの開口部302,303の変位方向、変位量、およびインクの流れを示す。
上述したように、揺動部材300の揺動に伴う上側開口部303の変位量X(303)は、下側開口部302の変位量X(302)よりも大きい。上側開口部303の少なくとも一部、下側開口部302、および中空部304が共にインクに没していれば、中空部304を通して、下側開口部302から上側開口部303に向かうインクの流れF1,F2と、それに伴う流れF3が生じる。このインクの流れを利用して、インク収納室320内のインクを攪拌することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態における液体収納容器は、前述した図1から図3の記録装置に搭載可能なインクカートリッジとしての適用例である。本実施形態のインクカートリッジは、インクが消費されてもインク収納室の容積は減少しない。つまり、インク収納室の容積は減少せずに、インク収納室内のインク量だけが減少する構成となっている。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態における液体収納容器は、前述した図1から図3の記録装置に搭載可能なインクカートリッジとしての適用例である。本実施形態のインクカートリッジは、インクが消費されてもインク収納室の容積は減少しない。つまり、インク収納室の容積は減少せずに、インク収納室内のインク量だけが減少する構成となっている。
(インクカートリッジ全体の構成)
図19は、本例のインクカートリッジの分解斜視図である。本例のインクカートリッジは、その内部に備わる揺動部材の構成が前述した図14のインクカートリッジとは異なり、その他の構成は図14のインクカートリッジと同様である。
図19は、本例のインクカートリッジの分解斜視図である。本例のインクカートリッジは、その内部に備わる揺動部材の構成が前述した図14のインクカートリッジとは異なり、その他の構成は図14のインクカートリッジと同様である。
(攪拌機構の構成)
本例のインクカートリッジに備わる揺動部材400の支持部401の両側は、容器本体351の内壁に形成された突起部309に引っ掛かり、これにより揺動部材500が支持される。突起部309は、揺動部材400が揺動する際の支点となる。揺動部材500には、重力方向の下側に位置する下側開口部402と、その上側に位置する上側開口部403と、が形成され、それらの開口部402,403の間に中空部404が形成されている。下側開口部402と上側開口部403との間には、中空部404に連通する中間開口部410が形成されている。このように揺動部材400は、内部が中空部404となるように立体的に成形されている。
本例のインクカートリッジに備わる揺動部材400の支持部401の両側は、容器本体351の内壁に形成された突起部309に引っ掛かり、これにより揺動部材500が支持される。突起部309は、揺動部材400が揺動する際の支点となる。揺動部材500には、重力方向の下側に位置する下側開口部402と、その上側に位置する上側開口部403と、が形成され、それらの開口部402,403の間に中空部404が形成されている。下側開口部402と上側開口部403との間には、中空部404に連通する中間開口部410が形成されている。このように揺動部材400は、内部が中空部404となるように立体的に成形されている。
(インクの充填方法)
図20は、本例のインクカートリッジに対するインクの充填方法を説明するためのインクカートリッジの側断面図であり、図19のXX−XX線に沿う断面図に相当する。
図20は、本例のインクカートリッジに対するインクの充填方法を説明するためのインクカートリッジの側断面図であり、図19のXX−XX線に沿う断面図に相当する。
前述した実施形態と同様に、インクカートリッジ内のインクが消費された後、もしくは、初めてインクカートリッジにインクを充填する際には、図20(a)のように、インクカートリッジに注入針180を挿入する。インクカートリッジに注入針180を挿入するために、容器本体351に穴351Aを開け、その穴351Aに対して重力方向の上側から注入針180を差し込む。注入針180の挿入方法は、このようにインクカートリッジに穴351を開けてから挿入する方法に限られるものではなく、予めインクカートリッジに設けられた穴を開封し、その穴を通して注入針180を挿入するようにしてもよい。
本例の場合、注入針180は、揺動部材400の中空部404の外側に位置するようにインクカートリッジに挿入されて、その先端部がインク収納室320の底部近傍に位置する。
このように、前述した図17の場合と同様に注入針180を挿入してから、その注入針180を通して、インクカートリッジ内にインク120を充填する。そして、図20(b)のように、中間開口部410の少なくとも一部がインク中に没するまで、インク120を充填する。その後、注入針180を抜いてから、穴351Aを封止する。
インク充填の際には、前述した実施形態と同様に、気泡が発生しないように比較的速くかつスムーズにインク120を充填する。インク120に、気泡の発生原因となる界面活性剤などの材料が含まれている場合には、気泡が発生しやすくなるため、渦を生じさせないようにインク120をスムーズに充填する。
また前述した実施形態と同様に、インクカートリッジに対しては、少なくとも、揺動部材400が攪拌機能を発揮できる程度にまで、インク120を充填することができればよい。また、インクを充填するときのインクカートリッジの姿勢は、泡の発生や残留を少なくするように、インクが充填できる姿勢であればよい。
また、本例においても図10の場合と同様に、インク120の液面の上昇に合わせて注入針180を徐々に上方に移動させつつ、その注入針180を通してインクを充填してもよい。また、前述した図9の場合と同様に、注入針180を揺動部材400の中空部404内に挿入することにより、より効果的に気泡の発生を抑えることができる。
(攪拌機構の動作および作用)
本例の揺動部材400は、その下側の支持部401を支点として揺動することにより、前述した実施形態と同様に、中空部404を通って、下側開口部402から上側開口部403に向かうインクの流れを生じさせて、インク120を攪拌することができる。その際、中間開口部410を上側開口部403と同様に機能させることができる。中間開口部410は、インク収納室320内のインク残量が減少したときに、上側開口部403に代わって機能することができる。また、中間開口部410の形成数、形状、および形成位置は任意であり、中空部404に連通する構成であればよい。
本例の揺動部材400は、その下側の支持部401を支点として揺動することにより、前述した実施形態と同様に、中空部404を通って、下側開口部402から上側開口部403に向かうインクの流れを生じさせて、インク120を攪拌することができる。その際、中間開口部410を上側開口部403と同様に機能させることができる。中間開口部410は、インク収納室320内のインク残量が減少したときに、上側開口部403に代わって機能することができる。また、中間開口部410の形成数、形状、および形成位置は任意であり、中空部404に連通する構成であればよい。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態における液体収納容器は、前述した図1から図3の記録装置に搭載可能なインクカートリッジとしての適用例である。本実施形態のインクカートリッジは、インクが消費されてもインク収納室の容積は減少しない。つまり、インク収納室の容積は減少せずに、インク収納室内のインク量だけが減少する構成となっている。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態における液体収納容器は、前述した図1から図3の記録装置に搭載可能なインクカートリッジとしての適用例である。本実施形態のインクカートリッジは、インクが消費されてもインク収納室の容積は減少しない。つまり、インク収納室の容積は減少せずに、インク収納室内のインク量だけが減少する構成となっている。
(インクカートリッジ全体の構成)
図21は、本例のインクカートリッジの分解斜視図である。本例のインクカートリッジは、その内部に備わる揺動部材の構成が前述した図14のインクカートリッジとは異なり、その他の構成は図14のインクカートリッジと同様である。
図21は、本例のインクカートリッジの分解斜視図である。本例のインクカートリッジは、その内部に備わる揺動部材の構成が前述した図14のインクカートリッジとは異なり、その他の構成は図14のインクカートリッジと同様である。
(攪拌機構の構成)
本例のインクカートリッジに備わる揺動部材500の支持部501の両側は、容器本体351の内壁に形成された突起部309に引っ掛かり、これにより揺動部材500が支持される。突起部309は、揺動部材500が揺動する際の支点となる。揺動部材500には、重力方向の下側に位置する下側開口部502と、その上側に位置する上側開口部503と、が形成され、それらの開口部502,503の間に中空部504が形成されている。下側開口部502と上側開口部503との間には、中空部504に連通する第1および第2中間開口部510,511が形成されている。第1の中間開口部510は重力方向の下側に位置し、第2の中間開口部511は重力方向の上側に位置する。
本例のインクカートリッジに備わる揺動部材500の支持部501の両側は、容器本体351の内壁に形成された突起部309に引っ掛かり、これにより揺動部材500が支持される。突起部309は、揺動部材500が揺動する際の支点となる。揺動部材500には、重力方向の下側に位置する下側開口部502と、その上側に位置する上側開口部503と、が形成され、それらの開口部502,503の間に中空部504が形成されている。下側開口部502と上側開口部503との間には、中空部504に連通する第1および第2中間開口部510,511が形成されている。第1の中間開口部510は重力方向の下側に位置し、第2の中間開口部511は重力方向の上側に位置する。
(インクの充填方法)
図22は、本例のインクカートリッジに対するインクの充填方法を説明するためのインクカートリッジの側断面図であり、図21のXXII−XXII線に沿う断面図に相当する。
図22は、本例のインクカートリッジに対するインクの充填方法を説明するためのインクカートリッジの側断面図であり、図21のXXII−XXII線に沿う断面図に相当する。
前述した実施形態と同様に、インクカートリッジ内のインクが消費された後、もしくは、初めてインクカートリッジにインクを充填する際には、図22(a)のように、インクカートリッジに注入針180を挿入する。インクカートリッジに注入針180を挿入するために、容器本体351に穴351Aを開け、その穴351Aに対して重力方向の上側から注入針180を差し込む。注入針180の挿入方法は、このようにインクカートリッジに穴351を開けてから挿入する方法に限られるものではなく、予めインクカートリッジに設けられた穴を開封し、その穴を通して注入針180を挿入するようにしてもよい。
本例の場合、注入針180は、揺動部材500の中空部504の外側に位置するようにインクカートリッジに挿入されて、その先端部がインク収納室320の底部近傍に位置する。
このように、前述した図17の場合と同様に注入針180を挿入してから、その注入針180を通して、インクカートリッジ内にインク120を充填する。そして、図22(b)のように、第1の中間開口部510の少なくとも一部がインク中に没するまで、インク120を充填する。その後、注入針180を抜いてから、穴351Aを封止する。
インク充填の際には、前述した実施形態と同様に、気泡が発生しないように比較的速くかつスムーズにインク120を充填する。インク120に、気泡の発生原因となる界面活性剤などの材料が含まれている場合には、気泡が発生しやすくなるため、渦を生じさせないようにインク120をスムーズに充填する。
また前述した実施形態と同様に、インクカートリッジに対しては、少なくとも、揺動部材500が攪拌機能を発揮できる程度にまで、インク120を充填することができればよい。また、インクを充填するときのインクカートリッジの姿勢は、泡の発生や残留を少なくするように、インクが充填できる姿勢であればよい。
また、本例においても図10の場合と同様に、インク120の液面の上昇に合わせて注入針180を徐々に上方に移動させつつ、その注入針180を通してインクを充填してもよい。また、前述した図9の場合と同様に、注入針180を揺動部材500の中空部504内に挿入することにより、より効果的に気泡の発生を抑えることができる。
(攪拌機構の動作および作用)
本例の揺動部材500は、その下側の支持部501を支点として揺動することにより、前述した実施形態と同様に、中空部504を通って、下側開口部502から上側開口部503に向かうインクの流れを生じさせて、インク120を攪拌することができる。その際、インク収納室320内のインク残量に応じて、中間開口部500,511を上側開口部403と同様に機能させることができる。例えば、図22(b)のようにインク残量が減少したときには、上側開口部503、第2の中間開口部511に代わって第1中間開口部510を機能させることができる。また、第1の中間開口部510、第2の中間開口部511の形成数、形状、および形成位置は任意であり、中空部504に連通する構成であればよい。
本例の揺動部材500は、その下側の支持部501を支点として揺動することにより、前述した実施形態と同様に、中空部504を通って、下側開口部502から上側開口部503に向かうインクの流れを生じさせて、インク120を攪拌することができる。その際、インク収納室320内のインク残量に応じて、中間開口部500,511を上側開口部403と同様に機能させることができる。例えば、図22(b)のようにインク残量が減少したときには、上側開口部503、第2の中間開口部511に代わって第1中間開口部510を機能させることができる。また、第1の中間開口部510、第2の中間開口部511の形成数、形状、および形成位置は任意であり、中空部504に連通する構成であればよい。
(他の実施形態)
上述した実施形態において、撹拌部材としての揺動部材は、その重力方向の下方寄りの位置(下側開口部寄りの位置)が揺動支点となっており、これにより、揺動部材の中空部内を下方から上方に向かう液体の流れを生じさせる構成となっている。しかし、揺動部材の上方寄りの位置(上側開口部よりの位置)に揺動支点を設定してもよい。この場合には、上部開口部と下部開口部と移動速度の差によって、揺動部材の中空部内を上方から下方に向かう液体の流れを生じさせて、前述した実施形態と同様に液体を攪拌することができる。つまり、上部開口部と下部開口部の一方寄りに位置する支持部を支点として揺動部材を揺動させることにより、揺動部材の中空部に、下方から上方、または上方から下方への向かうインクの流れを積極的に生じさせることができる。この場合、上部開口部と下部開口部の一方は、揺動部材の一端側に位置して液体を導入する第1開口部として機能し、他方は、揺動部材の他端側に位置して液体を導出する第2開口部として機能することになる。その液体の流れの方向は、液体の収納空間の形状、液体の種類などに応じて最適に設定することができる。また、その液体の流れは、少なくとも2つの開口部と、その間の中空部を通して生じればよい。したがって、揺動部材における中空部および開口部の位置、形状、および数などは任意である。また、このような揺動部材を備えた液体収納容器に対しても、前述した実施形態と同様に注入針を用いて液体を充填することにより、気泡の発生や残留を少なくすることができる。
上述した実施形態において、撹拌部材としての揺動部材は、その重力方向の下方寄りの位置(下側開口部寄りの位置)が揺動支点となっており、これにより、揺動部材の中空部内を下方から上方に向かう液体の流れを生じさせる構成となっている。しかし、揺動部材の上方寄りの位置(上側開口部よりの位置)に揺動支点を設定してもよい。この場合には、上部開口部と下部開口部と移動速度の差によって、揺動部材の中空部内を上方から下方に向かう液体の流れを生じさせて、前述した実施形態と同様に液体を攪拌することができる。つまり、上部開口部と下部開口部の一方寄りに位置する支持部を支点として揺動部材を揺動させることにより、揺動部材の中空部に、下方から上方、または上方から下方への向かうインクの流れを積極的に生じさせることができる。この場合、上部開口部と下部開口部の一方は、揺動部材の一端側に位置して液体を導入する第1開口部として機能し、他方は、揺動部材の他端側に位置して液体を導出する第2開口部として機能することになる。その液体の流れの方向は、液体の収納空間の形状、液体の種類などに応じて最適に設定することができる。また、その液体の流れは、少なくとも2つの開口部と、その間の中空部を通して生じればよい。したがって、揺動部材における中空部および開口部の位置、形状、および数などは任意である。また、このような揺動部材を備えた液体収納容器に対しても、前述した実施形態と同様に注入針を用いて液体を充填することにより、気泡の発生や残留を少なくすることができる。
また、揺動部材の中空部を通る液体の流れを生じさせるための流動手段の構成も任意であり、前述したように揺動部材の揺動を伴う構成のみに特定されない。例えば、揺動部材を固定してもよい。この場合には、揺動部材を動かす代わりに、液体収納容器の外部から液体の流れを導入し、その流れによって、少なくとも揺動部材における2つの開口部付近の液体に圧力差を生じさせてもよい。
また、揺動部材は撹拌部材の形態の1つであり、その撹拌部材の形状および移動形態は特に限定されない。つまり、特定の支点を中心として揺動可能(回動可能)に備える他、所定の軌跡に沿って往復移動可能に備えたり、あるいは液体収納容器の特定の面に沿って自由に移動する構成としてもよい。要は、攪拌部材の移動を伴って、その中空部に液体の流れが生じればよい。このような攪拌部材を備えた液体収納容器に対しても、前述した実施形態と同様に注入針を用いて液体を充填することにより、気泡の発生や残留を少なくすることができる。
撹拌部材の中空部に液体の流れを生じさせるための手段は、撹拌部材の開口部と液体とを相対移動させたときに、ベルヌーイの定理により開口部付近に生じる液体の負圧を利用する他、液体の遠心力や慣性力などを利用することができる。すなわち、撹拌部材の揺動に伴う中空部内の液体の遠心力を利用したり、攪拌部材の移動停止時における中空部の内または外の液体の慣性力などを利用することができる。また、外部から機械的な運動エネルギや磁気エネルギなどを導入し、それらを駆動力として攪拌部材を移動させてもよい。このような攪拌部材を備えた液体収納容器に対しても、前述した実施形態と同様に注入針を用いて液体を充填することにより、気泡の発生や残留を少なくすることができる。
また、上述した実施形態においては、液体収納部(インク収納部)内に液体(インク)を充填するための液体充填用部材として、内部に液体の流路が形成された針状部材(注入針)を用いた。しかし、液体充填用部材は、それを介して液体収納部内に液体を充填することができるものであればよく、必ずしも針状の形態である必要はない。要は、液体を液体収納部内に充填するための充填用流路を形成できるものであればよい。また、液体充填用部材の配備数、および液体収納部内や撹拌部材の中空部内に対する液体の導出方向は、液体収納容器の大きさや形態等に応じて最適に設定することができる。また、液体充填用部材の内部に、液体の充填用流路と共に、液体の充填時に液体収納部内や撹拌部材の中空部内の空気を外部に逃がすために空気抜き通路を形成してもよい。また、液体の充填用流路を形成する液体充填用部材と、空気抜き通路を形成する液体充填用部材と、を用いてもよい。
上述した実施形態においては、本発明における液体収納容器の一例として、いわゆるシリアルスキャンタイプのインクジェット記録装置に搭載可能なカートリッジ型のインクタンク(インクカートリッジ)としての適用例を示した。しかしながら、本発明はインクカートリッジのみに適応されるものではなく、種々の液体を収納するための液体収納容器として広く適用することができる。その液体収納容器は、液体を案内する中空部が形成された揺動部材を備えていればよい。また、その液体収納容器内の液体を攪拌するために、例えば、その液体収納容器を載置台に搭載して、その載置台を往復移動させることにより、揺動部材を揺動させることもできる。また、液体収納容器の移動は往復移動のみに限定されず、例えば、ある方向に移動した後、一旦停止してから再度同一方向に移動させることによっても、揺動部材を揺動させて液体を撹拌することが可能である。
本発明の記録装置は、一般的な記録装置の他、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリント部を有するワードプロセッサ等の装置、さらには、各種処理装置と複合的に組み合わされた産業用記録装置にも適用することができる。
1、3,5 インクカートリッジ(液体収納容器)
109,309 突起部
111,161,320 インク収納室
150,200,300,400,500 揺動部材(撹拌部材)
151,201,301,401,501 支持部
152,202,302,402,502 下側開口部
153,203,303,403,503 上側開口部
410,510,511 中間開口部
154,204,304,404,504 中空部
120 インク
180 注入針
109,309 突起部
111,161,320 インク収納室
150,200,300,400,500 揺動部材(撹拌部材)
151,201,301,401,501 支持部
152,202,302,402,502 下側開口部
153,203,303,403,503 上側開口部
410,510,511 中間開口部
154,204,304,404,504 中空部
120 インク
180 注入針
Claims (20)
- 液体を収納可能な液体収納部と、前記液体収納部内に備えられて、前記液体収納部内の液体を案内するための中空部が形成された撹拌部材と、を備えた液体収納容器に対して、液体を充填するための液体充填方法であって、
前記液体収納部内に液体を充填するための液体充填用部材を、前記液体収納容器の外部から前記液体収納部内に挿入する工程と、
前記撹拌部材の中空部の少なくとも一部が液体中に没する程度以上に、前記液体充填用部材を介して前記液体収納部内に液体を充填する工程と、
を含むことを特徴とする液体充填方法。 - 前記液体充填用部材を前記液体収納部内に挿入する前から、前記液体充填用部材を挿入するための穴が前記液体収納容器に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体充填方法。
- 前記液体充填用部材を前記液体収納部内に挿入するときに、前記液体充填用部材を挿入するための穴が前記液体収納容器に形成されることを特徴とする請求項1に記載の液体充填方法。
- 前記液体充填用部材を介して前記液体収納部内に液体を充填した後に、前記液体充填用部材を外部に引き抜いてから前記穴を閉じることを特徴とする請求項2または3に記載の液体充填方法。
- 前記液体充填用部材は、内部に液体の流路が形成された中空の針状部材であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の液体充填方法。
- 前記針状部材が前記撹拌部材の前記中空部の内側に位置するように、前記針状部材を前記液体収納部内に挿入することを特徴とする請求項5に記載の液体充填方法。
- 前記針状部材が前記撹拌部材の前記中空部の外側に位置するように、前記針状部材を前記液体収納部内に挿入することを特徴とする請求項5に記載の液体充填方法。
- 前記液体収納部に対する液体の充填の進行に伴って、前記針状部材を上方に移動させることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の液体充填方法。
- 前記液体収納部に対する液体の充填の進行に伴って、前記液体収納容器の姿勢を変化させることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の液体充填方法。
- 前記液体収納容器は、前記液体収納部内の液体を外部に導出可能な液体導出部を含み、前記液体導出部を重力方向下向きにした前記液体収納容器の使用姿勢において液体を充填することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の液体充填方法。
- 前記撹拌部材の前記中空部は、前記撹拌部材の一端側に位置して液体を導入する第1開口部と、前記撹拌部材の他端側に位置して液体を導出する第2開口部と、を連通することを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の液体充填方法。
- 前記撹拌部材は3つ以上の開口部を備え、前記3つ以上の開口部の内の少なくとも2つが前記第1および第2開口部の関係にあることを特徴とする請求項11に記載の液体充填方法。
- 前記撹拌部材は、前記液体収納容器の移動に伴う慣性力によって移動可能であることを特徴とする請求項11または12に記載の液体充填方法。
- 前記撹拌部材は、前記第1開口部または前記第2開口部の一方寄りに位置する支持部を支点として揺動可能であることを特徴とする請求項13に記載の液体充填方法。
- 前記液体収納容器の前記使用姿勢において、前記第1開口部と前記第2開口部の内の一方は上方に位置し、かつ他方は下方に位置し、
前記液体収納容器の前記使用姿勢において前記第1開口部と前記第2開口部の一方の少なくとも一部が液体中に没する程度以上に、前記液体収納部内に液体を充填する
ことを特徴とする請求項10から14のいずれかに記載の液体充填方法。 - 前記攪拌部材の比重は、前記液体収納容器に充填する液体の比重よりも大きいことを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載の液体充填方法。
- 前記中空部を形成する前記撹拌部材の内壁は、親水化処理が施されていることを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の液体充填方法。
- 前記液体収納容器に充填する液体は、顔料成分を含むインクであることを特徴とする請求項1から17のいずれかに記載の液体充填方法。
- 液体を収納可能な液体収納部と、前記液体収納部内に備えられて、前記液体収納部内の液体を案内するための中空部が形成された撹拌部材と、を備えた液体収納容器であって、
前記液体収納部内に液体を充填するための液体充填用部材を、前記液体収納容器の外部から前記液体収納部内に挿入可能な部位を含み、
前記部位の位置は、撹拌部材の中空部の少なくとも一部が液体中に没する程度以上に、前記液体充填用部材を介して前記液体収納部内に液体を充填可能な位置である
ことを特徴とする液体収納容器。 - 請求項19に記載の液体収納容器と、前記液体収納容器の前記液体導出部から導入した液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、を備えることを特徴とするヘッドカートリッジ。
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