JP2008265810A - 自立袋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自立袋を、底部にガセット部を設けて形成し、該ガセット部を内側の中央部が低くその両側が袋の側部に向って徐々に高くなる船底形のシールパターンでヒートシールすると共に、その両側の袋の側部に向って徐々に高くなるヒートシール部を、中央部の高さの低いヒートシール部の両側からガセット部の上端を越えて更に高い位置の袋の側部に向かって徐々に高くなる形状に形成すると共に、ガセット部の前後の襞状部同士を接着する接着部を、ガセット部の下部の両側端部から中央部に向けて少なくともガセット部の折り込み高さに相当する長さで、船底形のシールパターンの領域内に設けて構成する。
【選択図】図1
Description
この問題を解決するために、例えば、袋の口部の周囲に塑性変形し易い針金などの金属線を封入する方法があった。しかし、金属線を封入すると使用後の廃棄処理の際に、焼却しても燃えかすとして残り、廃棄処理が難しくなる問題があった。このため、金属線に代わる材料で、廃棄処理が容易で且つ塑性変形し易く、袋の開口を保持できる部材の開発が行われ、その部材を取り付けて袋の開口を保持できるようにした袋が種々提案されている。
即ち、請求項1に記載した発明は、袋の胴部が前後の壁面の積層フィルムの両側の端縁部をヒートシールして形成され、袋の底部が積層フィルムを折り返してなるガセット部を有する形式で形成され、該ガセット部がその中央部が低くその両側が袋の側部に向かって徐々に高くなる船底形のシールパターンでヒートシールされて形成される自立袋において、該船底形のシールパターンが、該ガセット部の中央部の高さの低いヒートシール部と、その両側からガセット部の上端を越えて更に高い位置の袋の側部に向かって徐々に高くなる形状のヒートシール部とで形成されると共に、該ガセット部の前後の襞状部の両側端縁部の内面同士を接着させ、前後の襞状部全体が前後に開くのを防止するための接着部が、該ガセット部の下部の両側端部からそれぞれ中央部に向けて少なくともガセット部の折り込み高さに相当する長さで、且つ、該ガセット部の船底形のシールパターンの領域内に設けられていることを特徴とする自立袋からなる。
また、本発明において、自立袋の底部をヒートシールする船底形のシールパターンは、ガセット部の中央部の高さの低いヒートシール部と、その両側からガセット部の上端を越えて更に高い位置の袋の側部に向かって徐々に高くなる形状のヒートシール部とで形成されるが、例えば、ガセット部の中央部の高さの低いヒートシール部を、所定幅の直線状のヒートシール部を水平方向に設けた形状とし、その両側からガセット部の上端を越えて更に高い位置の袋の側部に向かって徐々に高くなる形状のヒートシール部を、前記水平方向に設けた直線状のヒートシール部の両側からガセット部の上端を越えて更に高い位置の袋の側部に向かって直線状に徐々に高くなる形状として形成してもよく、また、ガセット部の中央部の高さの低いヒートシール部と、その両側からガセット部の上端を越えて更に高い位置の袋の側部に向かって徐々に高くなる形状のヒートシール部の両方を曲線状に形成した形状であってもよい。
只、上記のように両方を曲線状に形成した場合は、両者の境目が不明確になるため、ガセット部の中央部の高さの低いヒートシール部を、水平方向に設けた所定幅の直線状のヒートシール部とし、その両側からガセット部の上端を越えて更に高い位置の袋の側部に向かって徐々に高くなる形状のヒートシール部を、曲線状に徐々に高くなる形状のヒートシール部として形成してもよい。
前記縦横の長さの比が、縦が1に対して横が0.8未満の場合は、袋の口部の開口が徐々に小さくなり内容物の取り出し易さが低下するため好ましくない。また、縦が1に対して横が2を越える場合は、内容物の取り出し易さは問題ないが、袋としての取り扱い性が低下するため好ましくない。
尚、前記袋の膨らみラインの形成とその保持には、袋を前後に広げた時、ガセット部において上方に折り込まれた底面用の積層フィルムが、船底形のヒートシール部に沿って押し下げられると同時に前後に広げられており、前後に広げられた底面の積層フィルムの突っ張る力が寄与していることは言うまでもないことである。
先ず、本発明の自立袋の製造に用いる積層フィルムは、特に限定はされず、各種形式の袋に用いられている公知の積層フィルムはいずれも使用できる。
自立袋の壁面に用いる積層フィルムと底面に用いる積層フィルムには、同じ構成の積層フィルムを用いてもよいが、必要に応じて異なる構成の積層フィルムを用いることもできる。
上記基材フィルム層、水蒸気その他のガスバリヤー層、遮光層、強度向上層、シーラント層などは、それぞれを単独の層で形成してもよいが、複数の層を積層して形成することもできる。
これらは単独で使用してもよく、また、複数を組み合わせて積層して使用することもできる。
前記無機酸化物の蒸着層は、単独の層で形成してもよいが、複数の層で形成することにより一層優れたガスバリヤー性を得ることができる。
また、前記無機酸化物の蒸着層は、その接着性を向上させ、或いは亀裂などの損傷を防止して優れたガスバリヤー性を有効に発揮させるため、その上下の面に接着性向上層、保護層、ガスバリヤー性向上層などの目的で、反応型アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シランカップリング剤を含有させたアクリル系樹脂、金属アルコキシドを含有させた水溶性高分子、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物などの樹脂層を設けて複合層としてガスバリヤー層を形成することができる。
前記強度向上層としては、前記基材フィルムのいずれかを適宜追加積層してもよく、二軸延伸高密度ポリエチレンフィルムなどを防湿層を兼ねて積層することもできる。
前記基材フィルム層とガスバリヤー層、遮光層、強度向上層との積層には、公知のドライラミネーション法または押し出しラミネーション法(サンドイッチラミネーション法)を用いることができる。
シーラント層の積層は、上記の樹脂をフィルム状に製膜し、ドライラミネーション法または押し出しラミネーション法で積層する方法、或いは、上記の樹脂を基材フィルム層またはガスバリヤー層などの積層面に押し出しコートして積層する方法などを採ることができる。但し、内容物がシーラント層に浸透しやすいもの、またはそれを含むものの場合は、ドライラミネーション法で積層することが好ましい。
また、エチレン・αオレフィン共重合体でシングルサイト触媒を用いて重合したものは、分子量分布の幅が狭く、共重合比も安定しているため、低温ヒートシール性や、熱間シール性に優れており、本発明の自立袋のように、底部にガセット部を設けて形成した自立袋や、通常のガセット袋などヒートシール部にフィルムの重なりの差による段差のある袋のシーラント層にはシール抜けによるピンホールの発生を防止できる点で適している。
図1は、本発明の自立袋の第1の実施例の構成を示す正面図である。
図2は、本発明の自立袋の第2の実施例の構成を示す正面図である。
図3は、従来の自立袋の広がり形状を説明する図であり、(イ)は自立袋の上面図、(ロ)は自立袋の正面図、(ハ)は自立袋の下面図である。
図4は、本発明の自立袋の広がり形状を説明する図であり、(イ)は自立袋の上面図、(ロ)は自立袋の正面図、(ハ)は自立袋の下面図である。
また、図1、図2に示した自立袋は、一枚の積層フィルムを用いて底部をガセット形式に折り返す方法でも製造できるが、前後の壁面の積層フィルムと底面の積層フィルムとがそれぞれ切り離された3ピースの積層フィルムを用いて製造する方が製袋が容易であるため、この方法で製造したものとして説明する。
上記ヒートシール部6a 、6b の高さh2 は、ガセット部4の高さh1 の2倍の高さとしたが、少なくとも2倍の高さであればよく、具体的には、ガセット部4の高さh1 の2倍〜3倍程度の高さであることが好ましい。
また、上記ヒートシール部6a 、6b の中心部には、非シール部7a または非シール部7b を設けたが、これは、ヒートシール部6a 、6b の面積が大きい場合、全ベタ形状のシールヘッドでヒートシールすると中心部には過剰な熱がかかり、積層フィルムが変形したり、損傷されるため、これを防止するために設けたものであり、不要な場合は設けなくてもよい。
また、ガセット部4の内側に折り込まれて挿入された底面の積層フィルムの下部に、両側の端部からそれぞれ中央部に向けて、少なくともガセット部4の折り込み高さh1 に相当する長さwまでの両端2箇所に設けた半楕円形または半円形の底面の積層フィルム切り欠き部(3a 、3b )、(3c 、3d )は、この部分で前後の壁面の積層フィルムの内面同士が接するようになるため、前記船底形のシールパターンで袋の底部をヒートシールした時、ガセット部4に形成される前後の襞状部同士が、この底面の積層フィルム切り欠き部(3a 、3b )、(3c 、3d )の部分で熱接着される。従って、自立袋100を前後に広げた時にもガセット部4の広がりはこの部分で停止され、前述した袋の膨らみラインが、切り欠き部3b 、3d のそれぞれの内側端部からガセット部4の上端2と船底形のヒートシール部の傾斜部の内側ラインとの交点を通って直線状に袋の外側上方に逆ハの字状に形成され、袋の口部を大きく開口させると共に、その開口を保持するものである。
このような構成を採った場合も、図1に示した構成の自立袋で説明した作用効果と同様な作用効果を得ることができる。
従来の自立袋、例えば、スタンディングパウチ形式の自立袋は、図3の(ロ)に示すように、袋の底部をガセット部4を有する形式で形成し、ガセット部4の内側に折り込んで挿入される底面の積層フィルムの両側の下端近傍に、この場合、半円形の底面の積層フィルム切り欠き部3a 、3c を設けておいて、そのガセット部4を内側が両側から中央部にかけて湾曲線状に凹状となる船底形のシールパターンの底部シール部10でヒートシールして底部を形成し、袋の胴部は前後の壁面の積層フィルム1、1′の左右両側の端縁部を側部シール部8a 、8b でヒートシールして構成したものである。
このような自立袋は、内容物が満杯に近い状態に充填されている場合は、その内圧により両側の側部シール部8a 、8b に沿って袋全体が筒状に広がるが、内容物が少なくなった時には、袋の底部は図3の(ハ)の下面図に示すように前後に大きく広がるものの、袋の胴部はガセット部4の船底形の底部シール部10の両側の上端から袋の上端にかけて破線のハッチングで示した袋の閉塞領域9a 、9b に示すようにハの字状に前後の壁面の積層フィルム1、1′が窄まり、袋の上端では図3の(イ)の上面図に示すように中央部に僅かな開口部を残して両側は閉塞した状態となり、内容物の取り出しが厄介になるものであった。
本発明の自立袋は、図1でも説明したが、図4の(ロ)の正面図に示すように、内容物が十分に充填されている場合はもとより、内容物の量が少なくなった時、或いは袋が空になった時でも、ガセット部4の前後の襞状部同士が、ガセット部4の内側に折り込んで挿入された底面の積層フィルムの下部の両側の端部と、そこからそれぞれ中央部に向けて少なくともガセット部4の折り込み高さに相当する長さ位置との合計4箇所に設けられた半楕円形または半円形の底面の積層フィルム切り欠き部3a 、3b 、3c 、3d (図1参照)の部分で熱接着されているため、ガセット部4の前後の襞状部の前後への広がりは、図4の(ハ)の自立袋の下面図にも示すように、底面の積層フィルム切り欠き部3b 、3d の位置で停止され、これより内側の中央部のみが広がった状態となる。
このようにガセット部4の前後の襞状部の前後への広がりが規制される結果、下方に押し下げられて前後に広がっている底面の積層フィルムの突っ張る力と積層フィルムの剛性により、底面の積層フィルム切り欠き部3b 、3d の内側から、ガセット部4の上端と船底形のヒートシール部の両側の傾斜部との交点を通って袋の斜め外側上方に向かって、破線で示した直線状に袋の膨らみラインが形成され、この膨らみラインの内側では前後の積層フィルム1、1′が広がり、外側では前後の積層フィルム1、1′が破線のハッチングで示した袋の閉塞領域9a 、9b のように閉塞した状態となり、袋の上部が図4の(イ)の自立袋の上面図に示したように大きく開口した状態に保持される。従って、袋に充填された内容物を最後まで容易に取り出すことができる。
(1)積層フィルム(1、1′)の構成
(外側)二軸延伸ナイロンフィルム(以下、ONフィルム)(厚み15μm)・印刷層/接着剤/酸化珪素蒸着層・二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、酸化珪素蒸着PETフィルム)(厚み12μm)/接着剤/線状低密度ポリエチレン(以下、L・LDPE)フィルム(厚み80μm)
上記各フィルムの貼り合わせは、ドライラミネーション法で行い、各フィルムの間の接着剤は、ドライラミネート用の二液硬化型ポリウレタン系接着剤(乾燥時の塗布量3g/m2 )を使用したものである。
自立袋の外形寸法は、幅が180mmで、長さが170mmとし、底部ガセット部4の高さ、即ち、袋の底辺から底面の積層フィルム折り返し部2までの高さh1 は40mmとした。
ガセット部4を含む袋の底部をヒートシールする船底形のシールパターンは、ガセット部4の中央部の下側端縁部の高さの低いヒートシール部5を、幅が6mmで長さが70mmの直線状のシールパターンを水平方向に配置した形状に設け、その両側の高さの低いヒートシール部5の端部からガセット部の上端2を越えて更に高い位置の袋の側部に向かって徐々に高くなる形状のヒートシール部6a 、6b は、その底辺の長さをそれぞれ55mm、高さh2 を80mm(ガセット部4の高さ40mmの2倍の高さ)とし、底辺の内側端部からそれぞれ袋の側部の前記80mmの高さ位置に至る傾斜部は直線状に傾斜するパターンで設けた。
また、ガセット部4の内側に折り込んで挿入される底面の積層フィルムの下部に設ける底面の積層フィルム切り欠き部3a 、3b 、3c 、3d は、両側の端部に設ける切り欠き部3a 、3c は、図1に示したように、縦長の半楕円形状に設け、また、切り欠き部3b 、3d は両側の端部からそれぞれ中央部に向けて中央部側の端部が50mmの長さとなる位置に半円形に設けた。
そして、船底形のシールパターンの両側のヒートシール部6a 、6b の上端より上方の壁面の積層フィルム1、1′の両側の端縁部は、袋100の上端まで6mm幅の側部シール部8a 、8b でヒートシールして実施例1の自立袋を作製した。
2 底面の積層フィルム折り返し部(ガセット部の上端)
3a 、3b 、3c 、3d 底面の積層フィルム切り欠き部
4 ガセット部
5 高さの低いヒートシール部
6a 、6b 高さの低いヒートシール部の端部からガセット部の上端を越えて更に高い位置の袋の側部に向かって徐々に高くなる形状のヒートシール部
7a 、7b 非シール部
8a 、8b 側部シール部
9a 、9b 袋の閉塞領域
10 底部シール部
h1 ガセット部の高さ
h2 高さの低いヒートシール部の端部からガセット部の上端を越えて更に高い位置の袋の側部に向かって徐々に高くなる形状のヒートシール部の高さ
w ガセット部の下部の前後の襞状部同士が接着される幅方向の長さ
100、200 自立袋
Claims (3)
- 袋の胴部が前後の壁面の積層フィルムの両側の端縁部をヒートシールして形成され、袋の底部が積層フィルムを折り返してなるガセット部を有する形式で形成され、該ガセット部がその中央部が低くその両側が袋の側部に向かって徐々に高くなる船底形のシールパターンでヒートシールされて形成される自立袋において、該船底形のシールパターンが、該ガセット部の中央部の高さの低いヒートシール部と、その両側からガセット部の上端を越えて更に高い位置の袋の側部に向かって徐々に高くなる形状のヒートシール部とで形成されると共に、該ガセット部の前後の襞状部の両側端縁部の内面同士を接着させ、前後の襞状部全体が前後に開くのを防止するための接着部が、該ガセット部の下部の両側端部からそれぞれ中央部に向けて少なくともガセット部の折り込み高さに相当する長さで、且つ、該ガセット部の船底形のシールパターンの領域内に設けられていることを特徴とする自立袋。
- 前記ガセット部の中央部の高さの低いヒートシール部の両側からガセット部の上端を越えて更に高い位置の袋の側部に向かって徐々に高くなる形状のヒートシール部が、ガセット部の上端を越えて少なくともガセット部の高さの2倍の高さ位置の袋の側部に向かって徐々に高くなる形状に設けられていることを特徴とする請求項1記載の自立袋。
- 前記自立袋の外形が矩形状であって、その縦横の長さの比が、縦が1に対して横が0.8〜2の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の自立袋。
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