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JP2008262993A - 表示装置 - Google Patents

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JP2008262993A JP2007103198A JP2007103198A JP2008262993A JP 2008262993 A JP2008262993 A JP 2008262993A JP 2007103198 A JP2007103198 A JP 2007103198A JP 2007103198 A JP2007103198 A JP 2007103198A JP 2008262993 A JP2008262993 A JP 2008262993A
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Abstract

【課題】隣接するLED素子間のクロストークを低減し、表示のコントラストを高める。
【解決手段】表示装置21は、所定の波長域の光を透過する基板61と、基板61に2次元状に設けられた複数のLED素子41R,41G,41Bとを備える。各LED素子41R,41G,41Bは、基板61の一方の側に設けられた発光層64を有する。各LED素子41R,41G,41Bの発光層64からの光に基づく光であって基板61を透過した光に基づいて、表示光が生成される。基板61における複数のLED素子41R,41G,41Bのうちの隣り合う少なくとも2つのLED素子間の位置に、光を反射又は阻止する面を形成するための溝61aが形成される。
【選択図】図7

Description

本発明は、LED素子を用いた表示装置に関するものである。
下記特許文献1には、基板に2次元状に設けられた複数のLED素子を備えた表示装置(ディスプレイ)が、開示されている。この表示装置では、各LED素子は、紫外光を発する発光層と、前記紫外光により励起されて可視光を発する蛍光物質を含む蛍光層とを有している。各LED素子の蛍光層は、LED素子毎に、赤色光、緑色光及び青色光のいずれかを発するものが用いられ、フルカラー表示を行えるようになっている。
このような表示装置では、前記基板として所定の波長域の光を透過する基板を用い、前記各LED素子の前記発光層からの光に基づく光であって前記基板を透過した光に基づいて表示光が生成されるように、構成することが考えられる。
特表平11−510968号公報
しかしながら、LED素子を用いた表示装置において、各LED素子の前記発光層からの光に基づく光であって基板を透過した光に基づいて表示光が生成されるように、構成する場合、前記基板として何らの工夫もない通常の基板を用いると、各LED素子の発光層からの光に基づく光であって前記基板を透過した光(例えば、発光層からの紫外光又はそれが蛍光層で変換された可視光)は、隣接するLED素子の発光層からの光に基づく光であって前記基板を透過した光と入り交じってクロストークが生じてしまい、表示のコントラストが低下してしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、隣接するLED素子間のクロストークを低減することができ、表示のコントラストを高めることができる表示装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の第1の態様による表示装置は、映像信号又はその他の表示制御信号に基づいてカラー表示又はモノクロ表示を行う表示装置であって、所定の波長域の光を透過する基板と、前記基板に2次元状に設けられた複数のLED素子とを備え、前記各LED素子は、前記基板の一方の側に設けられた発光層を有し、前記各LED素子の前記発光層からの光に基づく光であって前記基板を透過した光に基づいて、表示光が生成され、前記基板における前記複数のLED素子のうちの隣り合う少なくとも2つのLED素子間の位置に、光を反射又は阻止する面を形成するための溝が形成されたものである。
前記第1の態様において、各LED素子の前記発光層からの光に基づく光であって前記基板を透過した光は、前記発光層からの光それ自体でもよいし、後述する第4の態様のように蛍光層を含む場合には、前記発光層からの光により励起された前記蛍光層から発した光でもよい。
本発明の第2の態様による表示装置は、前記第1の態様において、前記溝内が空であるものである。
本発明の第3の態様による表示装置は、前記第1の態様において、前記溝が光反射材料で埋め込まれるか、あるいは、前記溝の面に光反射材料が形成されたものである。
本発明の第4の態様による表示装置は、第1乃至第3のいずれかの態様において、前記複数のLED素子のうちの少なくとも1つのLED素子は、当該LED素子の前記発光層からの光により励起されて光を発する蛍光物質を含む蛍光層を有するものである。
本発明の第5の態様による表示装置は、第4の態様において、前記蛍光層は、前記基板の、当該LED素子の前記発光層とは反対側に、設けられたものである。
本発明の第6の態様による表示装置は、前記第4の態様において前記蛍光層は、当該LED素子の前記発光層と前記基板との間に、設けられたものである。
本発明の第7の態様による表示装置は、前記第1乃至第6のいずれかの態様において、前記映像信号又は前記表示制御信号に基づいて前記複数のLED素子を駆動する駆動回路が搭載され前記複数のLED素子と電気的に接続された回路基板を、備えたものである。
本発明によれば、隣接するLED素子間のクロストークを低減することができ、表示のコントラストを高めることができる表示装置を提供することができる。
以下、本発明による表示装置について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態による表示装置21を示す概略ブロック図である。
本実施の形態による表示装置21は、映像信号に応じたカラー画像を発光表示する表示装置として構成されている。本実施の形態による表示装置21は、例えば、画面が1インチ以下のいわゆるマイクロディスプレイとして構成することも可能である。本実施の形態による表示装置21は、図1に示すように、2次元状に配置された複数の単位画素30と、単位画素30の各色のLED素子41R,41G,41B(図1では図示せず。後述する図2及び図3参照。)を行毎に選択する垂直走査回路32と、単位画素30の各色のLED素子41R,41G,41Bを列毎に選択する水平走査回路33と、外部から入力される映像信号を処理して当該映像信号に応じた画像表示がなされるように垂直走査回路32及び水平走査回路33を制御する映像信号処理回路34とを有している。図1では、単位画素30の数は3×3個とされているが、これに限定されるものではない。
本実施の形態では、単位画素30におけるLED素子41R,41G,41B以外の要素(後述する図2参照)、垂直走査回路32、水平走査回路33及び映像信号処理回路34によって、LED素子41R,41G,41Bを駆動する駆動回路31が構成されている。
図2は、図1中の単位画素30を示す回路図である。各単位画素30は、赤色光を発光する赤色LED素子41Rと、緑色光を発光する緑色LED素子41Gと、青色光を発光する青色LED素子41Bと、赤色LED素子41Rの画素列を選択する赤色列選択スイッチ42Rと、緑色LED素子41Gの画素列を選択する緑色列選択スイッチ42Gと、青色LED素子41Bの画素列を選択する青色列選択スイッチ42Bとを有している。列選択スイッチ42R,42G,42BはMOSトランジスタで構成されている。
全ての単位画素30のLED素子41R,41G,41Bのカソードは、接地線43によって共通に接続されている。LED素子41R,41G,41Bのアノードは、対応する選択スイッチ42R,42G,42Bのドレインにそれぞれ接続されている。赤色列選択スイッチ42Rのソースは、水平ソース線44Rによって画素行毎に共通に接続され、映像信号処理回路34の制御下で作動する垂直走査回路32から、赤色の輝度値に応じた大きさの電圧を駆動信号として受ける。緑色列選択スイッチ42Gのソースは、水平ソース線44Gによって画素行毎に共通に接続され、垂直走査回路32から緑色の輝度値に応じた大きさの電圧を駆動信号として受ける。青色列選択スイッチ42Bのソースは、水平ソース線44Bによって画素行毎に共通に接続され、垂直走査回路32から青色の輝度値に応じた大きさの電圧を駆動信号として受ける。
赤色列選択スイッチ42Rのゲートは、垂直選択線45Rによって画素列毎に共通に接続され、映像信号処理回路34の制御下で作動する水平走査回路33から、赤色の列選択信号を受ける。緑色列選択スイッチ42Gのゲートは、垂直選択線45Gによって画素列毎に共通に接続され、水平走査回路33から、緑色の列選択信号を受ける。青色列選択スイッチ42Bのゲートは、垂直選択線45Bによって列毎に共通に接続され、水平走査回路33から、青色の列選択信号を受ける。
再び図1を参照すると、映像信号処理回路34は、外部から映像信号が入力されると、その映像信号に基づき各画素30の各色の輝度を求めて、その値に対応する制御信号を、垂直走査回路32及び水平走査回路33にそれぞれ出力する。垂直走査回路32及び水平走査回路33は、所定のタイミングで上記制御信号に基づいて所定のタイミングで、画素列毎に各色の列選択スイッチ42R,42G,42Bのオン信号(選択信号)、画素行毎に各色の水平ソース線44R,44G,44Bに輝度値に応じた大きさの電圧を出力する。このようにして、単位画素30毎に輝度値に応じた大きさの電圧(ひいては電流)を各色のLED素子41R,41G,41Bに印加して、単位画素30毎に所望の色、輝度で発光させ、これにより、入力された映像信号が示す画像を発光表示させる。
図3は、本実施の形態で採用されている各色のLED素子41R,41G,41Bの配置を模式的に示す平面図である。図3において、「R」は赤色LED素子41Rを示し、「G」は緑色LED素子41Gを示し、「B」は青色LED素子41Bを示している。図3においても、単位画素30の数は3×3個とされている。これらの点は、後述する図4及び図5についても同様である。
本実施の形態では、図3に示すように、各単位画素30は行方向(左右方向)に並んだ各色1つずつ合計3つのLED素子41R,41G,41Bで構成されている。本実施の形態では、図3に示すように、同じ行の各単位画素30における各色のLED素子41R,41G,41Bの並び順は同一であるが、列方向に隣り合う行の単位画素30におけるLED素子41R,41G,41Bの並び順がずれている。
もっとも、各色のLED素子41R,41G,41Bの配置は、図3に示す例に限定されるものではなく、例えば、図4に示す配置や図5に示す配置を採用してもよい。図4では、全ての単位画素30における各色のLED素子41R,41G,41Bの並び順は同一とされている。図5では、各単位画素30は、1つの赤色LED素子41R、2つの緑色LED素子41G及び1つの青色LED素子41Bの、合計2×2個のLED素子で構成されている。
図6は、本実施の形態による表示装置21を示す概略断面図である。図7は、図6中のハイブリッド化されたチップ51を拡大して示す概略拡大断面図である。図8は、図6及び図7に示すチップ51を構成しているLED基板52の1つの単位画素30の部分(その一部の要素のみ)を模式的に示す概略平面図である。図9は、図6及び図7に示すチップ51を構成している駆動回路基板53の、図8と対応する1つの単位画素30の部分(その一部の要素のみ)を模式的に示す概略平面図である。なお、図8及び図9は、いずれも図7中の上側から見たものとなっているが、本来隠れ線とすべき線も実線で示している。なお、図3中のA−A’線に沿った断面、図8中のB−B’線に沿った断面及び図9中のC−C’線に沿った断面は、1つの平面内に含まれるが、図6及び図7に示す断面は、その平面における断面を示している。
LED基板52は、所定の波長域(本実施の形態では、可視領域)の光を透過する1枚のガラス基板等の基板(第2の基板)61と、基板61に設けられた全ての単位画素30の各色のLED素子41R,41G,41Bとから構成されている。
赤色LED素子41Rは、図7及び図8に示すように、基板61の下面側に基板61側から順に積層された蛍光層62R、n型不純物層63、発光層としての活性層64及びp型不純物層65と、電極66,67とから構成されている。n型不純物層63、活性層64及びp型不純物層65はそれぞれエピタキシャル成長層によって構成されている。n型不純物層63の一部の領域は、活性層64及びp型不純物層65によって覆われておらず、その領域に一方の電極66が形成されている。他方の電極67は、p型不純物層65上に形成されている。本実施の形態では、知られているように、各層63〜65の材料等は、活性層64から紫外光が発せられるように設定されている。なお、実際には、知られているように、必要に応じて、各層63〜65は複数の層で構成されたり、バッファ層が追加されたりするが、その詳細な構造の図示及び説明は省略する。蛍光層62Rは、当該LED素子41Rの活性層64からの紫外光により励起されて赤色光を発する蛍光物質(例えば、Ca0.950AlSi0.0757.917:Eu0.050やYS:Eu等)を含有した透光性を有する樹脂(例えば、エポキシ樹脂又はシリコン樹脂)の層で構成されている。
緑色LED素子41Gが赤色LED素子41Rと異なる所は蛍光層62Rに代えて蛍光層62Gが形成されている点のみであり、青色LED素子41Bが赤色LED素子41Rと異なる所は蛍光層62Rに代えて蛍光層62Bが形成されている点のみであるので、それらの重複する説明は省略する。
蛍光層62Gは、当該LED素子41Gの活性層64からの紫外光により励起されて緑色光を発する蛍光物質(例えば、ZnS:Cu,Alや(Ba,Sr,Ca)SiO:Eu等)を含有した透光性を有する樹脂(例えば、エポキシ樹脂又はシリコン樹脂)の層で構成されている。
蛍光層62Bは、当該LED素子41Bの活性層64からの紫外光により励起されて青色光を発する蛍光物質(例えば、BAM:Eu(BaMgAl1017:Euや(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl:Eu等)を含有した透光性を有する樹脂(例えば、エポキシ樹脂又はシリコン樹脂)の層で構成されている。
以上の説明からわかるように、本実施の形態では、各LED素子41R,41G,41Bにおいて、n型不純物層63、活性層64、p型不純物層65及び電極66,67が、全体として、当該LED素子を構成するLED構成層(ただし、蛍光層62R,62G,62Bは除く。)70となっており、蛍光層62R,62G,62Bはそれぞれ、LED構成層70と基板61との間に配置されている。
図1及び図2に示す回路のうちLED素子41R,41G,41B以外の部分である駆動回路31が、周知の半導体プロセス技術を用いて、1つの駆動回路基板53に搭載されている。本実施の形態では、駆動回路基板53としてシリコン基板が用いられている。駆動回路基板53は、図7乃至図9に示すように、バンプ71,72によってLED基板52の各LED素子41R,41G,41Bの電極66,67と電気的に接続されている。チップ51は、バンプ71,72によって互いに接合されたLED基板52及び駆動回路基板53によって構成されている。
前述した赤色列選択スイッチ42Rは、駆動回路基板53に形成された所定の拡散層によるソース及びドレイン(図示せず)と、その両者間の領域の上に配置されたゲート電極73(図9参照)とからなるMOSトランジスタとして、構成されている。前記ソースは、水平ソース線44Rに接続された配線パターンに接続されている。前記ドレインは、その上に形成されバンプ71により接続された電極74と接続されている。ゲート電極73は、配線パターンによって垂直選択線45Rに接続されている。これらの点は、緑色列選択スイッチ42G及び青色列選択スイッチ42Bについても同様である。なお、接地線43は、LED素子41R,41G,41Bと接続するための電極を兼ねている。なお、図7において、75はシリコン酸化膜等の絶縁膜である。
図7に示すように、赤色LED素子41Rのアノードと赤色列選択スイッチ42Rのドレインとが、電極67,74間に設けられたバンプ72によって電気的に接続されている。また、赤色LED素子41Rのカソードと接地線43とが、電極66と接地線43との間に設けられたバンプ71によって電気的に接続されている。同様に、LED素子41G,41Bのアノードと選択スイッチ42G,42Bのドレインとが各バンプ72によってそれぞれ電気的に接続され、LED素子41G,42Bのカソードと接地線43とが各バンプ71によってそれぞれ電気的に接続されている。バンプ71,72は、例えば、銅や金などで構成される。
赤色LED素子41Rでは、電極66,67間に電流が流されると、活性層64から紫外光が発する。赤色LED素子41Rでは、蛍光層62Rが活性層64からの紫外光により励起されて赤色光を発し、この赤色光が基板61を透過して上方へ出射して表示光を生成する。緑色LED素子41Gでは、蛍光層62Gが活性層64からの紫外光により励起されて緑色光を発し、この緑色光が基板61を透過して上方へ出射して表示光を生成する。青色LED素子41Gでは、蛍光層62Bが活性層64からの紫外光により励起されて青色光を発し、この青色光が基板61を透過して上方へ出射して表示光を生成する。
本実施の形態では、図7に示すように、基板61における隣り合うLED素子間の位置に溝61aが形成されている。この溝61aは、基板61の表面に対してほぼ垂直に形成されている。
LED素子41R,41G,41Bの蛍光層62R,62G,62Bから発した光は、上方のみならず種々の方向へ進行しようとする。したがって、溝61aがないとすれば、各LED素子の蛍光層から発した光は隣接するLED素子の蛍光層から発した光と入り交じってクロストークが生ずる。これに対し、基板61に溝61aが形成されているので、溝61aの面で光が全反射するため、1つのLED素子の蛍光層から発した光の放射される方向がある程度集約されて方向性が定まる。このため、隣接する蛍光層から発光した光が交わるクロストークを抑制でき、コントラストの高い表示が可能となる。なお、溝61a内は空のままでもよいが、溝61aを金属などの光反射材料を埋め込んだりあるいは溝61aの面に蒸着等により形成しても、同様のクロストーク抑制効果を得ることができる。また、溝61a内に光吸収材料などを埋め込むなどによって、溝61aの面を、光を阻止する面としてもよい。この場合には、光の利用効率は低下するものの、やはりクロストーク抑制効果を得ることができる。
再び図6を参照すると、本実施の形態による表示装置21では、チップ51が支持基板54上に搭載され、チップ51の駆動回路基板53の所定の電極と支持基板54上の電極55との間がワイヤ56によってワイヤボンドされ、ワイヤ56の部分が樹脂57により封止されている。
LED素子を有するチップは、図6中の基板61に相当する透明基板を含めて全体を樹脂で封止するのが一般的である。一般的なチップでは、このようにしなければ、耐久性が悪化したり、LED発光層の屈折率が高いことに起因する光取り出し効率の低下を招いたりするからである。
しかし、本実施の形態による表示装置21では、LED基板52と駆動回路基板53とをバンプ71,72によってハイブリッド化している。また、本実施の形態による表示装置21では、図7に示すように、各LED素子41R,41G,41Bにおいて、蛍光層62R,62G,62BがそれぞれLED構成層70と基板61との間に挟まれているので、蛍光層62R,62G,62Bは、特別な保護膜等によって覆わなくても、外界に露出しない。したがって、本実施の形態によれば、特別な保護膜等で覆うことなく蛍光層62R,62G,62Bに対する外界の影響を低減することができ、ひいては耐久性を高めることができる。また、基板61の屈折率を空気の屈折率とLED発光層の屈折率との中間程度の屈折率にすることにより、光取り出し効率の低下を抑制することが可能となる。したがって、本実施の形態では、チップ51の全体を樹脂封止する必要はない。ただし、ワイヤ56部分は機械的に弱いので、本実施の形態においては、ワイヤ56の部分のみ樹脂57にて封止しているのである。
もっとも、本発明では、例えば、チップ51を図10に示すようにパッケージ81内に収容してもよい。このパッケージ81は、パッケージ本体81aと表示窓を兼ねる封止蓋81bとから構成され、いわゆるボールグリッドパッケージとなっている。パッケージ本体81aの底面に設けられた各半田ボールは82は、図示しない経路で、駆動回路基板53の電極にワイヤ83でボンディングされた各電極84と電気的に接続されている。
次に、本実施の形態による表示装置21の製造方法の一例について、図11乃至図15を参照して説明する。図11乃至図13及び図15は、この製造方法の各工程をそれぞれ模式的に示す概略断面図である。図14は、この製造方法の所定の工程を模式的に示す概略斜視図である。
まず、LED構成層70のn型不純物層63等をエピタキシャル成長させる基礎となる基板(第1の基板)91を用意する。基板91としては、例えば、サファイア基板又はSiC基板等が用いられる。次いで、基板91上に、LED構成層70を一括して製造すべき複数のチップ51のLED素子41R,41G,41Bの分だけ形成する。すなわち、基板91上に、n型不純物層63、活性層64及びp型不純物層65を順次エピタキシャル成長により形成し、活性層64及びp型不純物層65の不要領域をエッチングにより除去する。このとき、n型不純物層63は、基板91上の全面に形成されたままとする。そして、電極66,67を金などによって形成し、エッチングにより所定形状にパターニングする。図11(a)は、この状態を示している。
次に、LED構成層70を保持し且つ機械的ダメージから保護するための基板(第3の基板)92を、基板91とは反対側のLED構成層70の表面に接合する。この接合は、一時的なものであり、後に剥離する。ここでは、熱可塑性ワックス93により、基板12をLED構成層10に接合する。次いで、基板92が接合されたLED構成層70から基板91を取り除く。図11(b)は、この状態を示している。
一方、所定の波長域(本実施の形態では、可視領域)の光を透過するガラス基板等の基板(第2の基板)61を用意し、基板61上において、前述した蛍光層62R,62G,62Bを、各色のLED素子41R,41G,41Bに対応する位置にそれぞれ形成する。図11(c)は、この状態を示している。なお、蛍光層62R,62G,62Bを最終的に一部の領域のみに形成する手法自体は周知である。基板61の表面にはパターニングされた層などによる凹凸がなく、また、基板61としてエピタキシャル成長層形成などの高温処理を伴う工程を経ていないものを用いることができるので、基板61には高温処理などによる湾曲などもない。したがって、蛍光層62R,62G,62Bの厚さをより精度良く均一にすることができる。蛍光層62R,62G,62Bの厚さをより一層精度良く均一にするために、必要に応じて、蛍光層62R,62G,62Bを塗布する前に基板61を研磨して平坦化すること、及び/又は、蛍光層62R,62G,62Bを形成した後に蛍光層62R,62G,62Bを研磨して平坦化することを行ってもよい。なお、蛍光層62R,62G,62Bは、例えば、シルクスクリーン印刷により形成してもよい。
次いで、図11(b)に示す状態のLED構成層70の下面と、図11(c)に示す状態の蛍光層62R,62G,62Bの上面とを接合する。本実施の形態では、蛍光層62R,62G,62Bがエポキシ樹脂又はシリコン樹脂などの接着性を有する樹脂を用いて構成されているので、蛍光層62R,62G,62Bの接着性を利用して、LED構成層70と蛍光層62R,62G,62Bとを接合する。もっとも、蛍光層62R,62G,62Bとは別に、透光性を有する接着剤を用いてLED構成層70と蛍光層62R,62G,62Bとを接合してもよい。その後、熱可塑性ワックス93を除去することで、LED構成層70から基板92を剥離して取り除く。図12(a)は、この状態を示している。
次いで、ドライエッチング等により、基板61における隣り合うLED素子間の位置に溝61aを形成する(図12(b))。
一方、駆動回路基板53を周知の半導体プロセス技術を用いて準備する(図12(c))。ここでは、駆動回路基板53は、例えば、一般的なCMOSプロセスによるCMOS回路が配置されたものしている。そして、駆動用回路基板53には、図13(a)に示すように、LED素子41R,41G,41Bと電気的に接続するためのバンプ71,72を形成しておく。
次に、図12(a)に示す状態の基板と、バンプ71,72が形成された駆動回路基板53とを、図13(a)に示すように位置合わせする。図14は、この位置合わせの様子を模式的に示している。図14において、101は図12(a)に示す状態の基板を示し、102はバンプ71,72が形成された駆動回路基板53を示している。また、図14において、101a,102bは、各基板101,102における1チップ分の領域をそれぞれ模式的に示している。
このような位置合わせを行い、電極66,67とバンプ71,72とをそれぞれ接合する。図13(b)は、この状態を示している。バンプによるこのような接合とこれによるハイブリッド化は、周知の技術である。
次いで、図13(b)に示す状態のハイブリッド化された基板を、ダイシングにより各チップ51に分割させる。図15は、この状態を示している。以上によって、一括して複数のチップ51が完成する。
その後、ワイヤボンドや樹脂封止などの周知の工程を経て、図6に示す本実施の形態による表示装置21が完成する。
本発明による表示装置21によれば、前述したように、基板61に溝61aが形成されているので、隣接する蛍光層から発光した光が交わるクロストークを抑制でき、コントラストの高い表示が可能となる。
[第2の実施の形態]
図16は、本発明の第2の実施の形態による表示装置の、ハイブリッド化されたチップ111を拡大して示す概略拡大断面図であり、図7に対応している。図16において、図7中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態による表示装置が前記第1の実施の形態による表示装置21と異なる所は、以下に説明する点のみである。
本実施の形態では、図7に示すチップ51に代えてチップ111が用いられている。チップ111がチップ51と異なる所は、LED基板52に代えてLED基板112が用いられている点のみである。LED基板112がLED基板52と異なる所は、基板61に代えて基板113が用いられている点と、蛍光層62R,62G,62Bが、基板113の、活性層64とは反対側に設けられている点のみである。
本実施の形態では、基板113は、LED構成層70のn型不純物層63等をエピタキシャル成長させる基礎となる基板であり、例えばサファイア基板又はSiC基板等が用いられ、活性層64からの紫外光を透過する。基板61の溝61aと同様に、基板113における隣り合うLED素子間の位置に溝113aが形成されている。この溝113aは、基板113の表面に対してほぼ垂直に形成されている。
赤色LED素子41Rでは、電極66,67間に電流が流されると、活性層64から紫外光が発し、この紫外光が基板113を透過して蛍光層62Rに入射する。蛍光層62Rは、この入射した紫外光により励起されて赤色光を発し、この赤色光が上方において表示光を生成する。
緑色LED素子41Gでは、電極66,67間に電流が流されると、活性層64から紫外光が発し、この紫外光が基板113を透過して蛍光層62Gに入射する。蛍光層62Gは、この入射した紫外光により励起されて緑色光を発し、この緑色光が上方において表示光を生成する。
青色LED素子41Bでは、電極66,67間に電流が流されると、活性層64から紫外光が発し、この紫外光が基板113を透過して蛍光層62Bに入射する。蛍光層62Bは、この入射した紫外光により励起されて青色光を発し、この青色光が上方において表示光を生成する。
LED素子41R,41G,41Bの各活性層64から発した紫外光は、上方のみならず種々の方向へ進行しようとする。したがって、溝113aがないとすれば、各LED素子の活性層64から発した紫外光は、隣接するLED素子の活性層64から発した紫外光と入り交じってクロストークが生ずる。例えば、赤色LED素子41Rの活性層64から発した紫外光が緑色LED素子41Gの蛍光層62Gにも入ってしまい、これにより緑色LED素子41Gの蛍光層62Gから緑色光が発してしまう。これに対し、基板113に溝113aが形成されているので、溝113aの面で紫外光が全反射するため、1つのLED素子の活性層64から発した紫外光の放射される方向がある程度集約されて方向性が定まる。このため、隣接する活性層64から発光した紫外光が交わるクロストークを抑制でき、コントラストの高い表示が可能となる。なお、溝113a内は空のままでもよいが、溝113aを金属などの光反射材料を埋め込んだりあるいは溝113aの面に蒸着等により形成しても、同様のクロストーク抑制効果を得ることができる。また、溝113a内に光吸収材料などを埋め込むなどによって、溝113aの面を光を阻止する面としてもよい。この場合には、光の利用効率は低下するものの、やはりクロストーク抑制効果を得ることができる。
なお、本実施の形態による表示装置では、チップ111以外の部分については、図6におけるチップ51以外の部分と同様に構成してもよいが、蛍光層62R,62G,62Bが基板113aの上面に形成されているので、図10におけるチップ51以外の部分と同様に構成することが好ましい。
次に、本実施の形態による表示装置の製造方法の一例について、図17乃至図19を参照して説明する。図17乃至図19は、この製造方法の各工程をそれぞれ模式的に示す概略断面図である。
まず、LED構成層70のn型不純物層63等をエピタキシャル成長させる基礎となる基板113を用意する。基板113としては、例えば、サファイア基板又はSiC基板等が用いられる。次いで、基板113上に、LED構成層70を一括して製造すべき複数のチップ111のLED素子41R,41G,41Bの分だけ形成する。すなわち、基板113上に、n型不純物層63、活性層64及びp型不純物層65を順次エピタキシャル成長により形成し、活性層64及びp型不純物層65の不要領域をエッチングにより除去する。このとき、n型不純物層63は、基板91上の全面に形成されたままとする。そして、電極66,67を金などによって形成し、エッチングにより所定形状にパターニングする。図17(a)は、この状態を示している。
次いで、ドライエッチング等により、基板113における隣り合うLED素子間の位置に溝113aを形成する(図17(b))。
一方、駆動回路基板53を周知の半導体プロセス技術を用いて準備する(図17(c))。ここでは、駆動回路基板53は、例えば、一般的なCMOSプロセスによるCMOS回路が配置されたものしている。そして、駆動用回路基板53には、図18(a)に示すように、LED素子41R,41G,41Bと電気的に接続するためのバンプ71,72を形成しておく。
次に、図17(b)に示す状態の基板と、バンプ71,72が形成された駆動回路基板53とを、図18(a)に示すように位置合わせする。このような位置合わせを行い、電極66,67とバンプ71,72とをそれぞれ接合する。図18(b)は、この状態を示している。バンプによるこのような接合とこれによるハイブリッド化は、周知の技術である。
次いで、例えばシルクスクリーン印刷等により、基板113上に蛍光層62R,62G,62Bを形成する。図19は、この状態を示している。
引き続いて、図19に示す状態のハイブリッド化された基板を、ダイシングにより各チップ111に分割させる。以上によって、一括して複数のチップ111が完成する。その後、ワイヤボンドや樹脂封止などの周知の工程を経て、本実施の形態による表示装置が完成する。
本発明による表示装置によれば、前述したように、基板113に溝113aが形成されているので、隣接する活性層64から発光した紫外光が交わるクロストークを抑制でき、コントラストの高い表示が可能となる。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
例えば、前記第1又は第2の実施の形態による表示装置において、各単位画素を赤色LED素子41、緑色LED素子41G及び青色LED素子41Bのいずれかのみで構成すれば、モノクロ表示を行う表示装置とすることができる。また、例えば、前記第2の実施の形態による表示装置において、蛍光層62R,62G,62Bを取り除くとともに、各LED素子における活性層64を、任意の所定色の可視光を発光する材料で構成することによっても、モノクロ表示を行う表示装置とすることができる。
本発明の第1の実施の形態による表示装置を示す概略ブロック図である。 図1中の単位画素を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態による表示装置のLED素子の配置を示す図である。 LED素子の他の配置例を示す図である。 LED素子の更に他の配置例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による表示装置を示す概略断面図である。 図6中のチップを拡大して示す概略拡大断面図である。 図6及び図7に示すチップのLED基板の1つの単位画素の部分を模式的に示す概略平面図である。 図6及び図7に示すチップの駆動回路基板の1つの単位画素の部分を模式的に示す概略平面図である。 本発明の第1の実施の形態による表示装置の変形例を示す概略断面図である。 本発明の第1の実施の形態による表示装置の製造方法の一工程を示す断面図である。 図11に引き続く工程を示す断面図である。 図12に引き続く工程を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態による表示装置の製造方法の一工程を模式的に示す概略斜視図である。 図13に引き続く工程を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態による表示装置の、ハイブリッド化されたチップを拡大して示す概略拡大断面図である。 本発明の第2の実施の形態による表示装置の製造方法の一工程を示す断面図である。 図17に引き続く工程を示す断面図である。 図18に引き続く工程を示す断面図である。
符号の説明
21 表示装置
41R,41G,41B LED素子
51,111 チップ
52,112 LED基板
53 駆動回路基板
61,113 基板
61a,113a 溝
62R,62G,62B 蛍光層
64 活性層(発光層)
70 LED構成層

Claims (7)

  1. 映像信号又はその他の表示制御信号に基づいてカラー表示又はモノクロ表示を行う表示装置であって、
    所定の波長域の光を透過する基板と、
    前記基板に2次元状に設けられた複数のLED素子とを備え、
    前記各LED素子は、前記基板の一方の側に設けられた発光層を有し、
    前記各LED素子の前記発光層からの光に基づく光であって前記基板を透過した光に基づいて、表示光が生成され、
    前記基板における前記複数のLED素子のうちの隣り合う少なくとも2つのLED素子間の位置に、光を反射又は阻止する面を形成するための溝が形成されたことを特徴とする表示装置。
  2. 前記溝内が空であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  3. 前記溝が光反射材料で埋め込まれるか、あるいは、前記溝の面に光反射材料が形成されたことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  4. 前記複数のLED素子のうちの少なくとも1つのLED素子は、当該LED素子の前記発光層からの光により励起されて光を発する蛍光物質を含む蛍光層を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表示装置。
  5. 前記蛍光層は、前記基板の、当該LED素子の前記発光層とは反対側に、設けられたことを特徴とする請求項4記載の表示装置。
  6. 前記蛍光層は、当該LED素子の前記発光層と前記基板との間に、設けられたことを特徴とする請求項4記載の表示装置。
  7. 前記映像信号又は前記表示制御信号に基づいて前記複数のLED素子を駆動する駆動回路が搭載され前記複数のLED素子と電気的に接続された回路基板を、備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の表示装置。
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