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JP2008260830A - 伝熱性樹脂組成物 - Google Patents

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JP2008260830A JP2007103811A JP2007103811A JP2008260830A JP 2008260830 A JP2008260830 A JP 2008260830A JP 2007103811 A JP2007103811 A JP 2007103811A JP 2007103811 A JP2007103811 A JP 2007103811A JP 2008260830 A JP2008260830 A JP 2008260830A
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Kazuya Ito
佳寿也 伊藤
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Abstract

【課題】高い伝熱性を有し、絶縁性及び靭性にも優れた伝熱性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】以下の成分(A)〜(C)を含む伝熱性樹脂組成物。
(A)ポリアリーレンサルファイド:15〜45重量%
(B)タルク:15〜55重量%
(C)扁平形状の断面を有するガラス繊維:15〜60重量%
(前記各成分の配合量は、成分(A)〜(C)の合計量に対する重量分率である)
【選択図】なし

Description

本発明は、伝熱性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは伝熱性、絶縁性及び靭性に優れ、高放熱性電子部品等として好適な樹脂組成物に関するものである。
集積回路の処理速度や実装密度は、年々向上しており、その結果として半導体素子等からの発熱量も増大しつつある。このため、種々の高放熱性電子部品の需要が高まっており、これら高放熱性電子部品に用いる高伝熱性材料の需要も高まっている。また、上記電子部品に加えて、モーターコイル、ハロゲンランプ等においても、高伝熱性材料の需要が高まってきている。
高伝熱性材料としては、銅、アルミニウム等の金属が広く知られている。しかし、電子部品に用いる材料の多くは絶縁性を有する必要があり、これら金属を電子部品の材料として用いるには、絶縁被覆等を施す必要があった。
この課題に対し、金属の代わりに、高伝熱性及び絶縁性を有するフィラーを樹脂に添加した樹脂組成物を高伝熱性材料として用いる技術が知られている。
例えば、特許文献1では、ポリフェニレンサルファイド樹脂及びフッ化カルシウム粒子からなる複合材料が開示されている。また、特許文献2では、ポリアリーレンサルファイド樹脂、リン含有被覆酸化マグネシウム及びアルコキシシラン化合物を含む樹脂組成物が開示されている。
しかし、特許文献1及び2に記載の高伝熱性材料は、その伝熱性を十分に高めるためには、フィラーを大量に添加する必要があり、高伝熱性材料の靭性低下及びコスト増加という欠点を有していた。樹脂組成物の靭性を向上させる方法として、樹脂組成物にエラストマー及び/又は繊維状フィラーを添加する方法が知られているが、フィラーを大量に含む樹脂組成物には、十分な効果が得られなかった。
特開2002−188007号公報 特開2006−282783号公報
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、高い伝熱性を有し、絶縁性及び靭性にも優れた伝熱性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ポリアリーレンサルファイド、タルク、及び扁平形状の断面を有するガラス繊維を特定の配合比率で含む樹脂組成物が、高い伝熱性を有し、絶縁性及び靭性にも優れることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
本発明によれば、以下の伝熱性樹脂組成物等が提供される。
1. 以下の成分(A)〜(C)を含む伝熱性樹脂組成物。
(A)ポリアリーレンサルファイド:15〜45重量%
(B)タルク:15〜55重量%
(C)扁平形状の断面を有するガラス繊維:15〜60重量%
(前記各成分の配合量は、成分(A)〜(C)の合計量に対する重量分率である)
2. 前記成分(A)〜(C)からなる1に記載の伝熱性樹脂組成物。
3. 前記ガラス繊維の扁平率が2〜20である1又は2に記載の伝熱性樹脂組成物。
4. 1〜3のいずれかに記載の伝熱性樹脂組成物からなる伝熱性樹脂成形品。
5. 4に記載の伝熱性樹脂成形品からなる電子部品。
本発明によれば、高い伝熱性を有し、絶縁性及び靭性にも優れた伝熱性樹脂組成物を提供することができる。
本発明の伝熱性樹脂組成物は下記成分(A)〜(C)を含み、好ましくは成分(A)〜(C)からなる。
(A)ポリアリーレンサルファイド:15〜45重量%
(B)タルク:15〜55重量%
(C)扁平形状の断面を有するガラス繊維:15〜60重量%
(各成分の配合量は、成分(A)〜(C)の合計量に対する重量分率である)
ポリアリーレンサルファイド(成分(A))の配合量は成分(A)〜(C)の合計量に対して15〜45重量%であり、好ましくは20〜45重量%、より好ましくは20〜40重量%である。
成分(A)の配合量が15重量%以上であると、得られる樹脂組成物は実用的な加工性を有する。また、成分(A)の配合量が45重量%以下であると、得られる樹脂組成物は実用的な伝熱性及び靭性を有する。
タルク(成分(B))の配合量は成分(A)〜(C)の合計量に対して15〜55重量%であり、好ましくは20〜55重量%である。
成分(B)の配合量が15重量%以上であると、得られる樹脂組成物は実用的な伝熱性を有する。また、成分(B)の配合量が55重量%以下であると、得られる樹脂組成物は実用的な靭性を有する。
扁平形状の断面を有するガラス繊維(成分(C))の配合量は、成分(A)〜(C)の合計量に対して15〜60重量%であり、好ましくは20〜60重量%である。
成分(C)の配合量が15重量%以上であると、得られる樹脂組成物は実用的な靭性を有する。また、成分(C)の配合量が60重量%以下であると、得られる樹脂組成物は実用的な加工性を有する。
本発明で用いられるポリアリーレンサルファイドは、繰り返し単位が下記式
−(Ar−S)−
(式中、Arはアリーレン基、Sは硫黄を示す。)
で示される重合体である。
上記式において、アリーレン基としては、下記式で表されるアリーレン基が挙げられる。これらのアリーレン基からなるポリアリーレンサルファイドは、同一の繰り返し単位からなるホモポリマー、2種以上の異なるアリーレン基からなるコポリマー及びこれらの混合物のいずれでもよい。
Figure 2008260830
また、本発明のポリアリーレンサルファイドは、本発明の効果を損なわない範囲で、そのポリマー鎖の一部が他のポリマーで置換されていてもよい。
置換するポリマーとしては、ポリアミド系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリアリーレンエーテル系ポリマー、ポリスチレン系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー、含フッ素ポリマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、シリコーン系エラストマー等が挙げられる。
本発明のポリアリーレンサルファイドは、例えば特公昭45−3368号公報、特公昭52−12240号公報等に記載の方法で製造することができる。
尚、本発明のポリアリーレンサルファイドは、空気中で加熱して高分子量化してもよく、また、酸無水物等の化合物を用いて化学修飾してもよい。
本発明で用いられるタルクとは、天然鉱物の一種であり、その化学式は3MgO・4SiO・HOで表される。タルクは、通常、産地等に応じた不純物を含むが、本発明のタルクは、産地、不純物の種類及びその量について特に制限は無い。
本発明のタルクはそのサイズについて特に制限はないが、製造上の利便性の観点から、好ましくは重量メジアン粒子径が1μm〜50μmであり、より好ましくは3〜30μmである。
上記重量メジアン粒子径は、一般にD50と表され、例えばレーザー回折法等で測定することができる。
本発明のタルクは、ポリアリーレンサルファイドとの接着強度を高める目的等で、その表面を有機化合物でコーティングする等の処理を施してもよい。
本発明の伝熱性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、タルクの他に非繊維状のフィラーを含んでもよい。非繊維状フィラーとしては、例えばマイカ、カオリン、パイロフィライト、ベントナイト、珪藻土、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化珪素、ガラスビーズ、ガラスフレーク、黒鉛、カーボンブラック、アルミニウム、銅等が挙げられる。
本発明で用いられるガラス繊維は扁平形状の断面を有し、好ましくは扁平率が2〜20である。
扁平率とは、図1に示すように、ガラス繊維の断面の短径をD1、断面の長径をD2としたとき、D2/D1で表される。
本発明のガラス繊維は、その繊維長について特に制限はないが、製造上の利便性の観点から、好ましくは繊維長が1mm〜5mmである。
本発明のガラス繊維は、ポリアリーレンサルファイドとの接着強度を高める目的等で、その表面を有機化合物でコーティングする、多数のガラス繊維を有機化合物で収束する等の処理を施してもよい。
本発明の伝熱性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、扁平形状の断面を有するガラス繊維の他に繊維状フィラーを含んでもよい。繊維状フィラーとしては、例えば扁平ガラス繊維でないガラス繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、アラミド繊維、酸化アルミニウム繊維、炭素繊維、銅繊維等が挙げられる。
また、本発明の伝熱性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で常用の樹脂添加剤を加えることができる。樹脂添加剤としては、例えば離型剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、相容化剤等が挙げられる。
本発明の伝熱性樹脂組成物は、公知の溶融混練法によって製造できる。
例えば成分(A)及び(B)を所定の割合でドライブレンドした後、市販の二軸混練押出機にトップフィードし、成分(C)をサイドフィードする方法が挙げられる。
本発明の伝熱性樹脂組成物は、高い伝熱性を有し、絶縁性及び靭性にも優れる。このため、高放熱性を必要とする電子部品に好適である。
上記電子部品の具体例としては、基板封止材、コイル封止材、基板ケース、電池ケース、抵抗素子ケース、HIDランプの電子バラストケース、コイルボビン、ヒートシンク、ソレノイド、モーターファン、イオン発生デバイスの誘電体、ランプリフレクター、ランプソケット、ランプホルダー、LEDパッケージ、LEDスペーサー、LEDソケット、LED台座コネクタ及びLED素子フレーム等が挙げられる。
以下、本発明を実施例によって、さらに具体的に説明する。
本発明の実施例及び比較例において、成分(A)〜(C)として下記(A1)、(B1)及び(C1)を用い、その他の成分として下記(D)〜(H)を用いた。
(A1):C−201(ポリフェニレンサルファイド樹脂、大日本インキ化学工業株式会社製)
(B1):SW−AC(タルク、重量メジアン粒子径15μm、浅田製粉株式会社製)
(C1):CSG 3PA−830(扁平形状の断面を有するガラス繊維、扁平率4、日東紡績株式会社製)
(D):03JAFT591(ガラス繊維、扁平率1、オーウェンス・コーニング社製)
(E):♯500(酸化マグネシウム粉、タテホ化学工業株式会社製)
(F):酸化亜鉛1種(酸化亜鉛粉、堺化学工業株式会社製)
(G):SC20H(シリカ粉、株式会社マイクロン製)
(H):ホワイトンP−30(炭酸カルシウム粉、白石カルシウム株式会社製)
実施例1
(A1)及び(B1)を、重量比が20対40となるようにそれぞれ量りとった。この原料をドライブレンドし、二軸混練押出機TEM37BS(東芝機械株式会社製)のトップフィーダーに投入し、また適量の(C1)をサイドフィーダーに投入した。(A1)及び(B1)の混合物を6.0kg/hrのフィード速度で供給し、(C1)を4.0kg/hrのフィード速度で供給し、混練した。尚、混練の際にバレルとダイスの設定温度は320℃とした。ダイスから出た組成物のストランドを水冷し、ペレット状にカットした。得られた組成物は、成分の凝集等は見られず良好であった。得られた組成物を分析した結果、成分(A)〜(C)の合計量に対する各成分の重量分率が、(A1)が20重量%、(B1)が40重量%、(C1)が40重量%であった。尚、各成分の配合量の測定方法としては、得られた組成物を坩堝に入れ、600℃の炉で6時間燃焼し、燃焼前の組成物及び燃焼残渣の重量減少率から樹脂の割合を求めた。さらに、燃焼残渣についてX線回折法を用いてタルクの割合を求めた。
得られた樹脂組成物のペレットについて、ASTM D256に準拠してノッチ付Izod強度を測定した。結果を表1に示す。
得られた樹脂組成物のペレットを用いて、80mm角×3mm厚の平板を射出成形した。この平板成形品について、TPA−501(京都電子工業株式会社製)を用いて熱伝導率を測定した。測定条件はセンサー直径を20mm、測定モードを“Slab Sheets”とした。また、この平板成形品について、ASTM D257に準拠して体積抵抗率を測定した。結果を表1に示す。
比較例1
(C1)の代わりに(D)を用いた他は、実施例1と同様にして樹脂組成物及び成形品を製造し、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の樹脂組成物は比較例1に比べて、ノッチ付Izod強度が62%高くなっており、靭性が著しく向上していることが確認された。また、実施例1の樹脂組成物からなる成形品は、実用に耐えうる十分な伝熱性及び絶縁性を有することが確認された。
実施例2
(A1)及び(B1)を、重量比が25対20となるようにそれぞれ量りとった。この原料をドライブレンドし、二軸混練押出機TEM37BS(東芝機械株式会社製)のトップフィーダーに投入し、また適量の(C1)をサイドフィーダーに投入した。(A1)及び(B1)の混合物を4.5kg/hrのフィード速度で供給し、(C1)を5.5kg/hrのフィード速度で供給し、混練した。尚、混練の際にバレルとダイスの設定温度は320℃とした。ダイスから出た組成物のストランドを水冷し、ペレット状にカットした。得られた組成物は、成分の凝集等は見られず良好であった。得られた組成物を分析した結果、成分(A)〜(C)の合計量に対する各成分の重量分率が、(A1)が25重量%、(B1)が20重量%、(C1)が55重量%であった。
得られた樹脂組成物のペレットについて、実施例1と同様の評価を行った。また、得られた樹脂組成物のペレットを用いて実施例1と同様にして成形品を製造し、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
比較例2
(C1)の代わりに(D)を用いた他は、実施例2と同様にして樹脂組成物及び成形品を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2の樹脂組成物は比較例2に比べて、ノッチ付Izod強度が71%高くなっており、靭性が著しく向上していることが確認された。また、実施例2の樹脂組成物からなる成形品は、実用に耐えうる十分な伝熱性及び絶縁性を有することが確認された。
実施例3
(A1)及び(B1)を、重量比が25対50となるようにそれぞれ量りとった。この原料をドライブレンドし、二軸混練押出機TEM37BS(東芝機械株式会社製)のトップフィーダーに投入し、また適量の(C1)をサイドフィーダーに投入した。(A1)及び(B1)の混合物を7.5kg/hrのフィード速度で供給し、(C1)を2.5kg/hrのフィード速度で供給し、混練した。尚、混練の際にバレルとダイスの設定温度は320℃とした。ダイスから出た組成物のストランドを水冷し、ペレット状にカットした。得られた組成物は、成分の凝集等は見られず良好であった。得られた組成物を分析した結果、成分(A)〜(C)の合計量に対する各成分の重量分率が、(A1)が25重量%、(B1)が50重量%、(C1)が25重量%であった。
得られた樹脂組成物のペレットについて、実施例1と同様の評価を行った。また、得られた樹脂組成物のペレットを用いて実施例1と同様にして成形品を製造し、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
比較例3
(C1)の代わりに(D)を用いた他は、実施例3と同様にして樹脂組成物及び成形品を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
実施例3の樹脂組成物は比較例3に比べて、ノッチ付Izod強度が52%高くなっており、靭性が著しく向上していることが確認された。また、実施例3の樹脂組成物からなる成形品は、実用に耐えうる十分な伝熱性及び絶縁性を有することが確認された。
実施例4
(A1)及び(B1)を、重量比が40対30となるようにそれぞれ量りとった。この原料をドライブレンドし、二軸混練押出機TEM37BS(東芝機械株式会社製)のトップフィーダーに投入し、また適量の(C1)をサイドフィーダーに投入した。(A1)及び(B1)の混合物を7.0kg/hrのフィード速度で供給し、(C1)を3.0kg/hrのフィード速度で供給し、混練した。尚、混練の際にバレルとダイスの設定温度は320℃とした。ダイスから出た組成物のストランドを水冷し、ペレット状にカットした。得られた組成物は、成分の凝集等は見られず良好であった。得られた組成物を分析した結果、成分(A)〜(C)の合計量に対する各成分の重量分率が、(A1)が40重量%、(B1)が30重量%、(C1)が30重量%であった。
得られた樹脂組成物のペレットについて、実施例1と同様の評価を行った。また、得られた樹脂組成物のペレットを用いて実施例1と同様にして成形品を製造し、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
比較例4
(C1)の代わりに(D)を用いた他は、実施例4と同様にして樹脂組成物及び成形品を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
実施例4の樹脂組成物は比較例4に比べて、ノッチ付Izod強度が67%高くなっており、靭性が著しく向上していることが確認された。また、実施例4の樹脂組成物からなる成形品は、実用に耐えうる十分な伝熱性及び絶縁性を有することが確認された。
比較例5
(A1)及び(B1)を、重量比が40対50となるようにそれぞれ量りとった。この原料をドライブレンドし、二軸混練押出機TEM37BS(東芝機械株式会社製)のトップフィーダーに投入し、また適量の(C1)をサイドフィーダーに投入した。(A1)及び(B1)の混合物を9.0kg/hrのフィード速度で供給し、(C1)を1.0kg/hrのフィード速度で供給し、混練した。尚、混練の際にバレルとダイスの設定温度は320℃とした。ダイスから出た組成物のストランドを水冷し、ペレット状にカットした。得られた組成物は、成分の凝集等は見られず良好であった。得られた組成物を分析した結果、成分(A)〜(C)の合計量に対する各成分の重量分率が、(A1)が40重量%、(B1)が50重量%、(C1)が10重量%であった。
得られた樹脂組成物のペレットについて、実施例1と同様の評価を行った。また、得られた樹脂組成物のペレットを用いて実施例1と同様にして成形品を製造し、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
比較例6
(C1)の代わりに(D)を用いた他は、比較例5と同様にして樹脂組成物及び成形品を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
比較例5の樹脂組成物は比較例6に比べて、ノッチ付Izod強度が23%高くなっているものの、その靭性は不十分であった。
比較例7
(A1)及び(B1)を、重量比が10対40となるようにそれぞれ量りとった。この原料をドライブレンドし、二軸混練押出機TEM37BS(東芝機械株式会社製)のトップフィーダーに投入し、また適量の(C1)をサイドフィーダーに投入した。(A1)及び(B1)の混合物を5.0kg/hrのフィード速度で供給し、(C1)を5.0kg/hrのフィード速度で供給し、混練した。尚、混練の際にバレルとダイスの設定温度は320℃とした。しかし、供給物がバレル内に詰まり、樹脂組成物を得ることができなかった。このため、実施例1で行った評価が実施できなかった。
良好なペレットが得られなかった理由としては、マトリックスとなる成分(A)が少なすぎることが考えられる。
比較例8
(B1)の代わりに(E)を用いた他は、実施例1と同様にして樹脂組成物及び成形品を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
比較例9
(C1)の代わりに(D)を用いた他は、比較例8と同様にして樹脂組成物及び成形品を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
比較例8の樹脂組成物は比較例9に比べて、ノッチ付Izod強度が19%高くなっているものの、その靭性は不十分であった。
比較例10
(B1)の代わりに(F)を用いた他は、実施例1と同様にして樹脂組成物及び成形品を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
比較例11
(C1)の代わりに(D)を用いた他は、比較例10と同様にして樹脂組成物及び成形品を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
比較例10の樹脂組成物は比較例11に比べて、ノッチ付Izod強度が24%高くなっているものの、その伝熱性は不十分であった。
比較例12
(B1)の代わりに(G)を用いた他は、実施例1と同様にして樹脂組成物及び成形品を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
比較例13
(C1)の代わりに(D)を用いた他は、比較例12と同様にして樹脂組成物及び成形品を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
比較例12の樹脂組成物は比較例13に比べて、ノッチ付Izod強度が18%高くなっているものの、その靭性は不十分であった。
比較例14
(B1)の代わりに(H)を用いた他は、実施例1と同様にして樹脂組成物及び成形品を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
比較例15
(C1)の代わりに(D)を用いた他は、比較例14と同様にして樹脂組成物及び成形品を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
比較例14の樹脂組成物は比較例15に比べて、ノッチ付Izod強度が12%高くなっているものの、その靭性は不十分であった。また、比較例14及び15の樹脂組成物からなる成形品は、実用に耐えうる伝熱性を有していなかった。
Figure 2008260830
本発明の伝熱性樹脂組成物は、高い伝熱性を有し、絶縁性及び靭性にも優れるため、高放熱性が求められる各種電子部品の材料として好適に用いることができる。
本発明で用いるガラス繊維の扁平率を示す図である。

Claims (5)

  1. 以下の成分(A)〜(C)を含む伝熱性樹脂組成物。
    (A)ポリアリーレンサルファイド:15〜45重量%
    (B)タルク:15〜55重量%
    (C)扁平形状の断面を有するガラス繊維:15〜60重量%
    (前記各成分の配合量は、成分(A)〜(C)の合計量に対する重量分率である)
  2. 前記成分(A)〜(C)からなる請求項1に記載の伝熱性樹脂組成物。
  3. 前記ガラス繊維の扁平率が2〜20である請求項1又は2に記載の伝熱性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の伝熱性樹脂組成物からなる伝熱性樹脂成形品。
  5. 請求項4に記載の伝熱性樹脂成形品からなる電子部品。
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