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JP2008254451A - 金属箔付き絶縁シート - Google Patents

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JP2008254451A
JP2008254451A JP2008163513A JP2008163513A JP2008254451A JP 2008254451 A JP2008254451 A JP 2008254451A JP 2008163513 A JP2008163513 A JP 2008163513A JP 2008163513 A JP2008163513 A JP 2008163513A JP 2008254451 A JP2008254451 A JP 2008254451A
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Tomoyuki Fujiki
智之 藤木
Yoshihide Sawa
佳秀 澤
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

【課題】多層板とするために行う積層作業について、積層作業が簡略化できる金属箔付き絶縁シートであって、金属箔の厚さが9μm以下と薄い場合でも、キャリア付きでない金属箔を使用して多層板とすることができる金属箔付き絶縁シートであって、硬化した絶縁層の剛性が高い金属箔付き絶縁シートを提供する。
【解決手段】絶縁層2と、金属箔3とを一体に形成している金属箔付き絶縁シート1であって、前記絶縁層2が、ガラス織布4とBステージ状態の熱硬化性樹脂5とを備えていることを特徴とする金属箔付き絶縁シート1。
【選択図】図1

Description

本発明は、多層配線板の製造に好適に用いられる金属箔付き絶縁シートに関する。
従来より、ガラス織布とBステージ状態の熱硬化性樹脂とを備えているプリプレグ11を用いて多層配線板を製造することが広く行われている。プリプレグを用いて多層配線板を製造する場合、図5(a)に示すように、表面に内層回路6を設けた内層材7と外層回路形成のための金属箔3とをプリプレグ11を介して接着して、図5(b)に示す多層板8とし、この多層板8にスルーホール加工や、外層回路形成等を行って多層配線板を製造するのが一般的である。
この場合、多層板8とするために、内層材7と、プリプレグ11と、金属箔3とを重ね合せる積層作業は煩雑であるため、積層作業をもっと簡略化できる手段が求められている。また、多層板8とするために、内層材7と、プリプレグ11と、金属箔3とを重ね合せるとき、金属箔3の厚さが9μm以下と薄い場合には、金属箔3のハンドリング性がよくないため、金属箔3としてアルミ箔等のキャリア金属箔と一体化したいわゆるキャリア付き金属箔を使用せざるを得ず、コストアップになるという問題があった。そのため、金属箔の厚さが9μm以下と薄いいわゆる極薄金属箔の場合でも、キャリア付きでない金属箔を使用して容易に積層作業ができる方策が求められている。
一方、金属箔付き絶縁シート1を用いて、ビルドアップ法と呼ばれるプロセスで多層配線板を製造することも行われている。従来の金属箔付き絶縁シート1は、図2(a)に示すように、銅箔等の金属箔3とBステージ状態(半硬化状態)の絶縁層2とを一体に形成しているものであって、Bステージ状態の絶縁層2はエポキシ樹脂等を金属箔3に塗布して半硬化させることによって形成している。なお、金属箔付き絶縁シート1について、絶縁層付き金属箔や樹脂付き金属箔と表現する場合もある。
この金属箔付き絶縁シート1を用いて、ビルドアップ法で多層配線板13を製造するにあたっては、まず図2(a)に示すように、表面に内層回路6を設けた内層材7に、金属箔付き絶縁シート1を重ね合わせ、積層成形することにより絶縁層2を硬化させて、図2(b)に示すように、内層材7の表面に金属箔付き絶縁シート1を一体化して多層板8とする。なお、図2(a)の絶縁層2は半硬化状態であるが、図2(b)〜図2(e)における絶縁層2は、積層成形により硬化した状態となっている。
次に、内層回路6と電気導通を得たい箇所の金属箔3をエッチング等により除去し、次いで、図2(c)に示すように、金属箔3を除去した部分の絶縁層2をレーザ等で除去して、内層回路6に到達する孔9を、硬化している絶縁層2に形成する。その後、図2(d)に示すように、孔9の内面にめっき層10を設けて内層回路6と金属箔3を電気導通させる。次に、図示しないが、多層板8の金属箔3にエッチング等を施して回路12を形成する。このようにして所定枚数の金属箔付き絶縁シート1を順次積層し、最後に、最外に積層された金属箔付き絶縁シート1に回路12を形成したものにソルダーレジスト等を塗布するなどの加工を行って、図2(e)に示す多層配線板13を製造する。
上記のように、多層配線板13を製造する際に、金属箔付き絶縁シート1を用いると、硬化した絶縁層2による電気絶縁性の確保と金属箔3による電気回路用の導体の提供とを同時に行うことができる。しかし、絶縁層2が基材なしの樹脂成分だけで形成されているため、硬化した絶縁層2の剛性が低く、得られた多層配線板13に部品実装を施すリフローラインで、反りネジレが発生し易く、歩留まりが低下する問題があった。
また、絶縁層2が基材なしの樹脂成分だけで形成されているため、金属箔3の厚さが9μm以下と薄いと、金属箔付き絶縁シート1の状態でもハンドリング性がよくないため、金属箔3としてアルミ箔等のキャリア金属箔と一体化したいわゆるキャリア付き金属箔を使用せざるを得ず、コストアップになるという問題もあった。
本願発明者等は、絶縁層2が基材なしの樹脂成分だけで形成されている従来の金属箔付き絶縁シート1では、絶縁層2を厚く形成できないという問題を改善するために、絶縁層2に全芳香族ポリアミド又は全芳香族ポリエステルで形成している有機基材を備えることを提案している(特許文献1参照)。この有機基材を備える金属箔付き絶縁シート1では、金属箔3の厚さが9μm以下と薄い場合でも、キャリア付きでない金属箔を使用してもハンドリング性について問題のない金属箔付き絶縁シート1となるが、硬化した絶縁層2の剛性が低いため、得られた多層配線板13に部品実装を施すリフローラインで、反りネジレが発生し易く、歩留まりが低下する問題は解消できていなかった。
特開平10−235795号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とする所は、多層板とするために行う積層作業について、プリプレグと銅箔とを個別に用いる場合よりも積層作業が簡略化できる金属箔付き絶縁シートであって、且つ、金属箔の厚さが9μm以下と薄い場合でも、キャリア付きでない金属箔を使用して多層板とすることができる金属箔付き絶縁シートであって、しかも、部品実装を施すリフローラインで、反りネジレが発生して、歩留まりが低下するという問題が生じない多層配線板が得られるように、硬化した絶縁層の剛性が高い金属箔付き絶縁シートを提供することにある。
請求項1に係る発明の金属箔付き絶縁シートは、絶縁層と、金属箔とを一体に形成している金属箔付き絶縁シートであって、前記絶縁層が、ガラス織布とBステージ状態の熱硬化性樹脂とを備えていることを特徴とする。
請求項2に係る発明の金属箔付き絶縁シートは、請求項1記載の金属箔付き絶縁シートにおいて、ガラス織布が、開繊処理したガラス織布であることを特徴とする。
請求項3に係る発明の金属箔付き絶縁シートは、請求項2記載の金属箔付き絶縁シートにおいて、ガラス織布の単位質量が25〜60g/mで、通気度が1〜100cc/cm/秒であることを特徴とする。
請求項4に係る発明の金属箔付き絶縁シートは、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の金属箔付き絶縁シートにおいて、金属箔の厚さが9μm以下であることを特徴とする。
請求項1に係る発明の金属箔付き絶縁シートは、絶縁層と、金属箔とを一体に形成している金属箔付き絶縁シートであって、絶縁層が、ガラス織布とBステージ状態の熱硬化性樹脂とを備えているので、多層板とするために行う積層作業について、プリプレグと銅箔とを個別に用いる場合よりも積層作業が簡略化できる金属箔付き絶縁シートであって、且つ、金属箔の厚さが9μm以下と薄い場合でも、キャリア付きでない金属箔を使用して多層板とすることができる金属箔付き絶縁シートであって、しかも、硬化した絶縁層の剛性が高い金属箔付き絶縁シートとなる。
請求項2に係る発明の金属箔付き絶縁シートは、請求項1記載の金属箔付き絶縁シートにおいて、ガラス織布が、開繊処理したガラス織布であるので、請求項1に係る発明の効果に加えて、導通信頼性が高い多層配線板が得られるという効果も奏する。
請求項3に係る発明の金属箔付き絶縁シートは、請求項2記載の金属箔付き絶縁シートにおいて、ガラス織布の単位質量が25〜60g/mで、通気度が1〜100cc/cm/秒であるので、請求項2に係る発明の効果に加えて、ビルドアップ法で多層配線板を製造する際に、レーザー加工して得られる孔の寸法精度が向上するという効果も奏する。
請求項4に係る発明の金属箔付き絶縁シートは、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の金属箔付き絶縁シートにおいて、金属箔の厚さが9μm以下であるので、請求項1に係る発明の効果に加えて、ファインパターンを容易に形成できるという効果も奏する。
まず、本発明の金属箔付き絶縁シートに係る実施形態を説明する。本発明の金属箔付き絶縁シートに係る一実施形態を図1に示す。この金属箔付き絶縁シート1は、絶縁層2と、金属箔3とを一体に形成していて、絶縁層2が、ガラス織布4とBステージ状態の熱硬化性樹脂5とを備えている。金属箔3としては銅箔が電気性能や、入手のし易さの点で好ましく、その厚みについては特に制限はないが、9μm以下であるとファインパターンを容易に形成できるので好ましい。Bステージ状態の熱硬化性樹脂5としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、熱硬化性タイプのポリフェニレンオキサイド系樹脂等を例示できるが、接着性等の点でエポキシ樹脂が好ましい。絶縁層2については、例えば、ガラス織布に熱硬化性樹脂5を含んだワニスを含浸・乾燥して、熱硬化性樹脂5がBステージ状態となったプリプレグを作製した後、このプリプレグと金属箔3とを加熱して一体化することによって形成する。
この金属箔付き絶縁シート1は絶縁層2と、金属箔3とを一体に形成しているため、多層板8を作製する場合、例えば、図3(a)に示すように、内層材7と金属箔付き絶縁シート1とを積層して、図3(b)の多層板8とすることができるため、多層板8とするために行う積層作業について、プリプレグと銅箔とを個別に用いる場合よりも簡略化でき、作業能率が向上する。
また、この金属箔付き絶縁シート1では、絶縁層2にガラス織布4を備えているため、金属箔3の厚さが9μm以下と薄い場合でも金属箔付き絶縁シート1には、コシがあるため、アルミ箔等のキャリア金属箔と一体化したキャリア付き金属箔を使用しなくても、ハンドリング性について問題のない金属箔付き絶縁シート1となる。
そして、ガラス織布4としては、開繊処理したガラス織布を用いると、多層配線板における導通信頼性が向上するので好ましい。ガラス織布に織られる前の原糸であるガラスヤーンは、カップリング剤やサイジング剤等で固められているのが一般的であるが、ガラス織布に水圧をかけたり、高圧空気を吹付けたりして、ガラスヤーンを形成しているフィラメント間を開繊することによって、ガラスヤーンがばらけて、樹脂の含浸性が良好となるため、開繊処理したガラス織布を用いると、多層配線板における導通信頼性が向上するものと考えられる。また、ガラス織布に開繊処理を施すと、ヤーンの交点に発生する開口が小さくなり、ガラス織布の通気度が小さくなると共に安定する。そのため、開繊処理したガラス織布に樹脂を含浸してプリプレグにした場合、樹脂とガラス繊維の構成比率の場所によるバラツキを小さくでき、その結果、レーザー加工した際の孔径バラツキを小さく押えることが可能となる。
この金属箔付き絶縁シート1を用いて、ビルドアップ法で多層配線板を製造する工程については、従来の技術で説明した工程と同じである。すなわち、まず、図2(a)に示すように、表面に内層回路6を設けた内層材7に、金属箔付き絶縁シート1を重ね合わせ、積層成形することにより絶縁層2を硬化させて、図2(b)に示すように、内層材7の表面に金属箔付き絶縁シート1を一体化して多層板8とする。次に、内層回路6と電気導通を得たい箇所の金属箔3をエッチング等により除去し、次いで、図2(c)に示すように、金属箔3を除去した部分の絶縁層2をレーザ等で除去して、内層回路6に到達する孔9を、硬化している絶縁層2に形成する。その後、図2(d)に示すように、孔9の内面にめっき層10を設けて内層回路6と金属箔3を電気導通させる。次に、図示しないが、多層板8の金属箔3にエッチング等を施して回路12を形成する。このようにして所定枚数の金属箔付き絶縁シート1を順次積層し、最後に、最外に積層された金属箔付き絶縁シート1に回路12を形成したものにソルダーレジスト等を塗布するなどの加工を行って、図2(e)に示す多層配線板13を製造する。
この金属箔付き絶縁シート1では、絶縁層2にガラス織布4を備えているため、基材なしの樹脂成分だけで形成されている絶縁層や、有機基材を備える絶縁層に比べて、硬化した絶縁層2の曲げ弾性率は高くなり、したがって剛性は高くなる。そのため、この金属箔付き絶縁シート1を用いて、ビルドアップ法で作製される多層配線板は、部品実装を施すリフローラインで、反りネジレが発生しにくい多層配線板となる。
さらに、ガラス織布4としては、開繊処理していて、且つ、単位質量が25〜60g/mと薄いガラス織布であって、通気度が1〜100cc/cm/秒であると、よりガラス繊維の密度ムラが少なくなり、レーザー加工部分における樹脂とガラス繊維の構成比率のバラツキが小さくなるため、ビルドアップ法で多層配線板13を製造する際のレーザー加工して得られる孔9の寸法精度が向上するのでより好ましい。
次に、本発明の金属箔付き絶縁シートの製造方法に係る実施形態を、図4に基づいて説明する。この金属箔付き絶縁シートの製造方法では、絶縁層として、ガラス織布に熱硬化性樹脂を含浸・乾燥してロール状にしたプリプレグ11を用い、図4に示すように、ロール状にした金属箔3と、ロール状にしたプリプレグ11とを、連続的に、熱ロール14と加熱していない押圧ロール15とで貼り合せて一体化して金属箔付き絶縁シート1とする。このように、絶縁層と金属箔とを連続的に熱ロール14で貼り合せて一体化するので、容易に金属箔付き絶縁シート1を作製することができる。また、この製造方法では、金属箔3は、熱ロール14に到達する前の段階で、予備加熱ゾーン16を通過させて予備加熱するので、金属箔3と、プリプレグ11との密着性が安定する。
以下、具体的な実施例、比較例によって、本発明をさらに説明する。
(実施例1〜8、比較例1〜4)
ワニス調製
表1に示す配合割合で、熱硬化性樹脂を溶剤に溶解した樹脂ワニス(エポキシ系ワニスA、エポキシ系ワニスB、PPO系ワニスC)を調製した。なお、ここでいう熱硬化性樹脂は、溶剤を除く成分全体を表している。
Figure 2008254451
実施例1〜8の金属箔付き絶縁シートの作製
下記の3種類のガラス織布と、上記で調製した樹脂ワニスとを、表2に示すように組み合せ、ガラス織布に樹脂ワニスを含浸し、次いで表2に示す加熱条件で加熱して溶剤を除去すると共に、熱硬化性樹脂をBステージ化したプリプレグを作製した。
使用したガラス織布
ガラス織布A:日東紡績社製の品番WEA1078−X136(開繊処理品、単位質量48.1g/m、通気度22cc/cm/秒)
ガラス織布B:日東紡績社製の品番WEA05E−S136(開繊処理品、単位質量47.8g/m、通気度168cc/cm/秒)
ガラス織布C:日東紡績社製の品番WEA1035−X136(開繊処理品、単位質量27.8g/m、通気度50cc/cm/秒)
なお、通気度の測定は、JIS−R−3420に準拠して行った。
次いで、図4に示すように、ロール状にした金属箔(銅箔)3と、作製したプリプレグ11とを、連続的に熱ロール14と加熱していない押圧ロール15とで貼り合せて一体化して金属箔付き絶縁シート1とした。金属箔(銅箔)3は、熱ロール14に到達する前の段階で、予備加熱ゾーン16を通過させて予備加熱した。金属箔付き絶縁シート1の作製条件は表2に示す条件とした。また、銅箔としては、下記の3種類の銅箔を使用した。得られた金属箔付き絶縁シート1の絶縁層について、樹脂含有率と、硬化時間を測定し、得られた結果を表2に示した。なお、硬化時間は、絶縁層より樹脂をもみ出し、IPC−TM−650−2.3.18に準拠して、171℃でのゲル化時間を測定することにより行った。
得られた金属箔付き絶縁シート1を500mm×500mmに切断したものを取り扱ってみて、ハンドリング性についてコシがあるか否かを調べ、コシがあってハンドリングに問題がなければ問題なし、コシがなくてハンドリングに問題があれば問題有りとして、結果を表2に示した。
使用した銅箔
銅箔a:古河サーキットフォイル社製の品番GTS−18μ(厚み18μm)
銅箔b:古河サーキットフォイル社製の品番GTS−5μ(厚み5μm、キャリア付き)
銅箔c:古河サーキットフォイル社製の品番GTS−5μ(厚み5μm、キャリア無し)
Figure 2008254451
比較例1のプリプレグの作製
前記のガラス織布Aと、上記で調製したエポキシ系ワニスAとを組み合せ、ガラス織布に樹脂ワニスを含浸し、次いで表3に示す加熱条件で加熱して溶剤を除去すると共に、熱硬化性樹脂をBステージ化したプリプレグを作製した。得られた、プリプレグの樹脂含有率と、硬化時間を測定し、その結果を表3に示した。
比較例2〜4の金属箔付き絶縁シートの作製
上記で調製したエポキシ系ワニスBを上記の銅箔a又は銅箔cにロールコータを用いて塗布し、次いで表3に示す加熱条件で加熱して溶剤を除去すると共に、熱硬化性樹脂をBステージ化して、金属箔付き絶縁シートを作製した。得られた金属箔付き絶縁シートの絶縁層の厚さと、硬化時間を測定し、その結果を表3に示した。得られた金属箔付き絶縁シートを500mm×500mmに切断したものを取り扱ってみて、ハンドリング性についてコシがあるか否かを調べ、コシがあってハンドリングに問題がなければ問題なし、コシがなくてハンドリングに問題があれば問題有りとして、結果を表3に示した。
Figure 2008254451
評価用多層配線板の作製
厚さ0.8mmのガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(銅箔厚さ18μm、FR−4グレード)を使用して、一方の面のみに内層回路を形成している内層材を作製した。
実施例1〜8、比較例2〜4については、内層材の内層回路を形成している面に金属箔付き絶縁シートを配し、金属箔付き絶縁シートと内層材とを、温度170℃、圧力2.94MPa(30kg/cm)、加熱加圧時間40分間の条件で積層成形して、多層板を得た。比較例1については、内層材の内層回路を形成している面にプリプレグ1枚を配し、さらにプリプレグの上に銅箔を配して積層し、この積層物を温度170℃、圧力2.94MPa(30kg/cm)、加熱加圧時間40分間の条件で積層成形して、多層板を得た。なお、内層材については、予め内層材の内層回路面に黒化処理を施したものを用いた。
得られた各多層板について、内層材の内層回路を形成した面上に形成された、硬化した絶縁層の厚さを20ポイントについて測定し、その平均値とバラツキ(σn−1)とを表4、表5に示した。
得られた多層板のビア形成位置にある銅箔をエッチングして除去し、次に、銅箔を除去した部分の絶縁層をレーザを用いて除去して、内層回路に到達する孔を絶縁層に形成した。この加工条件は、炭酸ガスレーザ加工機(三菱電機製、「ML605GTX−5100U」)を用いて、エネルギー密度30mJ/P、パルス幅15μsec、1孔当り1ショット加工の条件で、200μmの孔を形成した。孔を形成した後に、無電解銅めっき及び電解銅めっきによって、めっき層を孔の内壁を被覆するように形成した。次いで、表面の銅箔をエッチングして1000孔(ビア)を直列に接続している抵抗値測定用パターンを20ブロック(n=20)分形成している評価用多層配線板を作製した。
金属箔付き絶縁シート及びプリプレグの硬化物の評価
熱膨張係数:金属箔付き絶縁シートの絶縁層側に前記銅箔aを配置し、前記の多層板作製と同様の条件で成形した後、両側の銅箔をエッチングで除去したものを試験片とし、TMA法(熱機械分析法)の引張法を用いて、50℃〜150℃において10℃/分の昇温スピードで昇温させて、硬化した絶縁層の熱膨張係数(平面方向)を測定し、得られた結果を表4、5に示した。また、比較例1についてはプリプレグの両側に前記銅箔aを配置し、同様の条件で成形した後、両側の銅箔をエッチングで除去したものを試験片として、硬化物の熱膨張係数(平面方向)を測定し、得られた結果を表5に示した。
曲げ弾性率:実施例1〜8については、金属箔付き絶縁シートを作製するために準備したプリプレグを、また比較例1については比較例1のプリプレグを、それぞれ14枚重ね、さらに、その上下に前記銅箔aを配置し、前記の多層板作製と同様の条件で成形した後、両側の銅箔をエッチングで除去したものを試験片とした。比較例2〜4については、2枚の金属箔付き絶縁シートを、互いの絶縁層同士が接するように重ね、前記の多層板作製と同様の条件で成形した後、両側の銅箔をエッチングで除去して絶縁層の硬化物を得た。さらに、この硬化物の表裏に金属箔付き絶縁シートを重ねて、前記と同様の条件で成形する作業を繰り返し、金属箔付き絶縁シートの絶縁層14枚相当の硬化物としたものを試験片とした。得られた試験片について、ASTM−D−790に準拠して曲げ弾性率を測定し、得られた結果を表4、5に示した。
誘電率、誘電正接:弾性率の測定に際して作製した積層板について、JIS C−6481に準拠して誘電率、誘電正接を測定し、得られた結果を表4、5に示した。
めっき前の孔径バラツキ:レーザを用いて、内層回路に到達する孔を形成した段階での100個の孔についてそれぞれの孔の最小孔径を顕微鏡を用いて測定し、得られた測定結果から孔径バラツキ(σn−1)を求め、その結果を表4、5に示した。
評価用多層配線板の性能評価
冷熱サイクル試験による導通信頼性:評価用多層配線板を、55℃と、125℃との2種類の雰囲気中で、各30分保持するサイクルを、1000サイクル行い、1000サイクル終了後の導体パターンの抵抗値を除いたビア1個当りの抵抗値と、n=20の試験片における断線発生数とを求め、その結果を表4、5に示した。
オイルディップサイクル試験による導通信頼性:評価用多層配線板を、260℃のオイルに30秒浸漬後に、25℃の水に15秒浸漬するサイクルを100サイクル行い、100サイクル終了後の導体パターンの抵抗値を除いたビア1個当りの抵抗値と、n=20の試験片における断線発生数とを求め、その結果を表4、5に示した。
Figure 2008254451
Figure 2008254451
表2、表3、表4、表5の結果から、実施例1〜8の金属箔付き絶縁シートは、金属箔の厚さが9μm以下と薄い場合でも、カット後のハンドリング性について問題がなく、また、実施例1〜8では、硬化した絶縁層の曲げ弾性率が、基材なしの比較例2〜4の金属箔付き絶縁シートよりも高くなっていて、剛性が高いことが確認された。そして、実施例1〜8では、冷熱サイクル試験による導通信頼性、オイルディップサイクル試験による導通信頼性の両試験で共に、基材なしの比較例2〜4に比べて良好な結果が得られている。また、実施例1〜8における硬化した絶縁層の熱膨張係数は、比較例2〜4の熱膨張係数よりも小さくなっている。
さらに、単位質量が25〜60g/mと薄いガラス織布であって、通気度が1〜100cc/cm/秒であるガラス織布を用いている、実施例1〜3及び実施例6〜8は、単位質量が47.8g/m、通気度が168cc/cm/秒であるガラス織布を用いている実施例4よりも、孔径バラツキが小さいことが確認された。
本発明の金属箔付き絶縁シートに係る一実施形態を示す断面図である。 金属箔付き絶縁シートを用いてビルドアップ法で多層配線板を製造する工程を示す、各工程毎の断面図である。 本発明の金属箔付き絶縁シートを用いて多層配線板を製造する工程を示す断面図である。 本発明の金属箔付き絶縁シートの製造方法に係る一実施形態を示す概略図である。 従来技術における多層配線板を製造する工程を示す断面図である。
符号の説明
1 金属箔付き絶縁シート
2 絶縁層
3 金属箔
4 ガラス織布
5 熱硬化性樹脂
6 内層回路
7 内層材
8 多層板
9 孔
10 めっき層
11 プリプレグ
12 回路
13 多層配線板
14 熱ロール
15 押圧ロール
16 予備加熱ゾーン

Claims (4)

  1. 絶縁層と、金属箔とを一体に形成している金属箔付き絶縁シートであって、前記絶縁層が、ガラス織布とBステージ状態の熱硬化性樹脂とを備えていることを特徴とする金属箔付き絶縁シート。
  2. ガラス織布が、開繊処理したガラス織布であることを特徴とする請求項1記載の金属箔付き絶縁シート。
  3. ガラス織布の単位質量が25〜60g/mで、通気度が1〜100cc/cm/秒であることを特徴とする請求項2記載の金属箔付き絶縁シート。
  4. 金属箔の厚さが9μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の金属箔付き絶縁シート。
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Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04185336A (ja) * 1990-11-16 1992-07-02 Sekisui Jushi Co Ltd 金属積層板の製造方法
JPH10337809A (ja) * 1997-06-06 1998-12-22 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 基材補強bステージ樹脂付き極薄銅箔及びその製造法
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